文中の将来に関する事項は、本有価証券届出書提出日現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)会社経営の基本方針
当社グループは「なんでも酒やカクヤス」のブランドのもと、お客様のご要望に「なんでも」応えたいという意気込みや覚悟をもって、地域のお客様に一番便利だと感じて頂けることを願い「お酒を中心とした流通のインフラ」となることを経営方針として掲げております。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、連結売上高及び連結経常利益が当社グループの成長を示す最重要指標と考え、重要視しております。
また、連結営業キャッシュ・フローの最大化を常に念頭に置いた経営にも注力しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
・トップラインの成長戦略
(マーケット変化への対応)
当社グループが事業活動の中心としております酒類食品流通業界においては、コロナ禍における感染拡大防止策に伴う外出自粛、在宅勤務などによる外食機会の減少に伴い、家飲みの増加や大手居酒屋チェーンを避けた独立料飲店(個人店)を中心としたニーズ、また密集環境を回避する郊外の住宅地での需要増加といった様々な市場の変化がおきております。当社はその変化に対応し、効率的な物流体制や受注体制を推し進めることで、さらなる事業効率化を図ってまいります。また、独立料飲店市場の需要を徹底的に取り込むべく、飲食店様向けの販促サイトの充実や、他の酒販店では提供できないサービス・提案・商材を拡充させてまいります。
(家庭向販売の強化)
家庭用顧客に対しては、コロナ禍において在宅勤務者の増加に伴い、郊外の住宅地を中心に宅配・デリバリー需要を大幅に高めており、当社家庭向の宅配サービスも郊外エリアにおいては、需要逼迫によりお客様のご要望にお応えしきれない地域も発生しております。当社はこのような家庭消費の需要増加を追い風とし、さらなる認知獲得・利用促進を促すべく、リアル・デジタルを使った多数チャネルでの認知拡大施策、また機会損失を防ぐための家庭用販売強化に向けた配送拠点の拡大に積極的に取り組んでまいります。
(サービスラインナップの強化)
コロナ禍においては、PCやスマートフォンを通じての宅配・デリバリーの需要が大幅に高まっており、当社EC事業におきましても、家庭用での新規会員数は大幅に伸長しております。当社は強みとするお酒を中心とした家庭向への販売網と自前の顧客接点(自社受注・自社配送)をもって、配達・販促プラットフォーム企業へと飛躍を遂げるべく、酒以外の食品・日用品など多頻度配達商材のさらなる拡大や、新たな販売チャネルとしてのECモールの構築などにも取り組んでまいります。
(4)経営環境
国内酒類市場の販売(消費)数量は年々減少傾向にあります(出所:国税庁課税部酒税課「酒のしおり 令和2年3月」)。これは国内人口が減少過程に入ると共に、成人の人口に占める60歳以上の割合が増加していることにより、飲酒者が減少している点が挙げられます。また、成人1人当たりの酒類消費量も減少傾向にある事も要因と考えられます(出所:国税庁課税部酒税課「酒のしおり 令和2年3月」)。さらには今般の新型コロナウイルスの感染拡大などの影響による消費の減退が顕著にみられ、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用、それに伴う酒類の提供を伴う飲食店への度重なる営業時間短縮要請により、当社グループが事業活動の中心としております酒類食品流通業界にも大きな変化がおきております。感染の収束が見通しにくく、景気の本格的な回復には相応の時間がかかる見込みの中、外食を含む食産業全体を考えると市場は縮小している一方、内食・中食は生鮮食品を中心に家庭での巣ごもり需要は拡大しており、新たな市場機会となっております。また、在宅勤務でのテレワークの拡大によりEC利用の増加やオンライン飲み会といったライフスタイルやコミュニケーションの変化は、リアルとオンラインでのそれぞれの価値を提供していくことが求められ、お客様とのさらなる接点の拡大が重要となりつつあります。なお、競争関係においては、業務用市場ではコロナの影響により非常に厳しい状況に置かれている酒類販売業者が多い中、当社グループは得意先をサポートする営業力や利便性の高い配達力を堅持しており、中小の酒類販売業者に比べ優位な状態を維持しています。家庭用市場では、酒類事業社以外でも、酒類の宅配を強化する動きがあり、競争環境は厳しさを増しております。
(5)優先的に対処すべき会社の事業上及び財務上の課題
新型コロナウイルスの感染拡大などの影響により、特に料飲店等における消費の減退が顕著にみられ、景気の先行きは依然として不透明な状況が続く中、当社グループが優先的に対処すべき課題は以下のとおりであります。
①事業運営の効率化
新型コロナウイルスの感染拡大による消費の減退を背景に、売上の減少が販管費率を押し上げてきております。効率的な人員配置及びシステムの活用を行い事業運営の効率化を図ってまいります。
②業務用販売の強化
新型コロナウイルスの影響に伴い料飲店、ホテルなどの自粛や時短、休業が相次いだことで、苦戦を強いられております。そのような環境下でも、引き続き新規取引先の獲得による持続的な成長を目標とし、様々な顧客の要望に対応するための受注サイトの構築や営業担当者の育成などを強化し、販売先の増加に努めてまいります。
③家庭用販売の強化
配達時及び店頭における新型コロナウイルス感染対策の徹底を図りながら、ご注文の集中時における配達人員の確保等の取り組みを行うと共に、自社配達のきめ細やかなサービスの提供により今後の成長に努めてまいります。なお、今般の新型コロナウイルスの影響から「巣ごもり消費」の拡大で、お酒以外でも飲料、食品などを充実させたことにより、家庭用販売は大幅に伸長しております。「家飲み」拡大の傾向は今後も続くと思われ、積極的な商品提案・販促をすることで更なる家庭用販売強化に向けた商品領域への拡大を進めてまいります。
④Eコマース活用による取組み
新型コロナウイルスの影響に伴いWEBサイト、スマホサイト経由でのデリバリー比率は年々上昇し、コロナ禍での家庭内需要増加を追い風に今後も更に増加する傾向にあります。Eコマース市場においても他社との競争が激化しておりますが、引き続きお客様視点からの利便性を徹底的に追求した販促活動を行ってまいります。
⑤財務基盤の強化
コロナ禍により当社の財務基盤の健全性も少なからず影響を受けており、今後の事業拡大のための投資資金を確保するため、機動的で確実性の高い資金調達方法の検討を行い、収益力の回復と合わせ安定的・持続的成長を可能にする強固な財務基盤を構築していきます。また、選択と集中により経営資源の効率的な活用を図る観点で、当面は成長分野(家庭用)への資源の重点配分を行ってまいります。
本有価証券届出書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券届出書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(借入金の財務制限条項について)
当社の借入金の一部には財務制限条項が付されております。財務制限条項に抵触した場合、期限の利益を喪失する等、当社グループの財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
貸出コミットメント契約10,550百万円(うち借入実行残高4,400百万円)及び長期借入金のうち2,047百万円(うち1年内返済365百万円)には、下記の財務制限条項が付されております。
・連結貸借対照表の純資産合計を2021年3月期末の純資産合計の75%以上に維持すること。加えて、2023年3月期以降、直前連結会計年度末の純資産合計の75%以上に維持すること。
・連結損益計算書において2連結会計年度連続して経常損失を計上しないこと。
(1)国内市場・経済の動向及び人口の変動による影響について
当社グループの売上は、日本国内を販売先とし、およそ9割が酒類の販売による売上となっております。酒類販売は、今後の国内景気の動向、国内人口の減少、少子高齢化による影響を受けるため、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)労働環境の変化、人材の確保について
当社グループが、今後更なる業容拡大を図るためには、配達職、パート・アルバイト労働者、優秀な人材の確保及び社内人材の育成、人材の外部流出の防止が重要な課題と考えております。足元ではEコマース市場の成長による宅急便需要の増加やサービスの高度化により、配達事業者との人材確保競争が激しくなっております。
当社グループは、免許取得サポートや社員寮の拡充、多様な働き方の提供や業務に見合った報酬体系を構築することで、配達職の確保に努めておりますが、今後、労働力の減少により人材確保競争の激化、景気回復、雇用環境の好転に伴う賃上げ圧力の増大、社会保障政策に伴う社会保険料率の引き上げ等による人件費の上昇、処遇格差の縮小を目的とする各種労働関連法等により労働コストが増加した場合、社内人材の育成及び採用が進まない場合、人材が外部に流出した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)地震、台風、津波、豪雪等の自然災害について
事業拠点の主要施設は、防火、耐震対策等を実施し、災害等によって事業活動の停止或いは商品供給に混乱をきたすことのないよう努めております。
当社グループの店舗・施設の周辺地域において、予想を超える大地震・津波・風水雪害等の自然災害、火災等による、①商品、店舗、物流施設、情報システム及びネットワークの物理的な損害、②当社グループの販売活動や物流・調達活動の阻害、③料飲店等の事業運営に支障が出る等の場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの拠点が東京都23区に集中していることから、東京都23区及びその周辺において上記の自然災害が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法律、規制等の変更について
当社グループは、国内で事業を遂行していくうえで、酒税法、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律、未成年者飲酒禁止法、食品衛生法等様々な法的規制の適用を受けております。これらの法律、規制、基準等が変更された場合、又は予期し得ない法律、規制等が新たに導入された場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)税制改正について
酒類販売、飲料販売、食品販売は、消費マインドの変化による影響を受けるため、消費税や酒税の税制改正等が行われた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に、2020年から段階的に実施される酒税の税率変更は、酒類販売への影響が大きく、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)酒類販売業免許について
当社グループは、酒税法で管理されている「酒類販売業免許」を取得しております。酒類販売業免許は酒類を継続的に販売すること(営利目的とするかどうか又は特定若しくは不特定の者に販売するかどうか問わない)が認められる酒類の販売免許で有効期限はありません。当該免許は、当社の主要な事業活動を継続する上で不可欠な免許であり、本書提出日までの間において、取消事由は発生しておりません。しかしながら、将来において、当該免許の取消等があった場合には、主要な事業活動に支障をきたすとともに業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当該免許の主な取消事由には、①国税若しくは地方税に関する法令、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律若しくはアルコール事業法の規定により罰金の刑に処せられ、又は国税通則法若しくは関税法の規定により通告処分を受けた場合、②未成年者飲酒禁止法の規定、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定又は刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより罰金の刑を受けた場合等があります。
(7)競合による影響について
当社グループは、国内酒類市場において、業務用向販売及び個人向販売に事業展開をしており、競合他社の活動状況、顧客嗜好の変化等の影響を受けております。業務用向販売については、当社を含めた大手業務用酒販店での競争が激しくなっており、個人向販売については、酒類専門小売業者以外にも、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、インターネット通信販売等の大小様々な事業者が多く存在しており競争が激化しております。
顧客の利便性を日々追求し、消費財流通サービスを業務用向販売及び個人向販売ともに拡大して参りますが、予期し得ない競合他社の活動、顧客嗜好の変化等が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)通信回線について
通信網等の維持管理は電話事業者において行われており、当社グループが顧客に当社サービスを確実に提供するためには、電話事業者の通信網等が適切に機能していることが前提となります。電話事業者の通信網等が適切に機能していないことにより、受注業務等に支障が生じた場合、当社サービスの全部もしくは一部の停止、又は水準低下が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)情報セキュリティ及び個人情報の管理について
当社グループは事業の過程において、多くの個人情報を取り扱っております。コンピュータネットワークや情報システムの果たす役割が高まり、情報セキュリティ及び個人情報保護に関する対応は、事業活動を継続する上で不可欠となってきております。一方、近年ソフト・ハードの不具合やコンピュータウィルスなどによる情報システムの障害、個人情報の漏えいなど、様々なリスクが発生する可能性が高まってきております。
当社グループは、情報セキュリティ及び個人情報保護を経営の重要課題の1つとして捉え、体制の強化や社員教育などを通じて、システムとデータの保守・管理に万全を尽くしております。しかしながら、万一個人情報が外部へ漏洩するような事態となった場合や不正利用などの事態が生じた場合は、社会的信用が毀損し、売上の減少又は損害賠償による費用の発生等が考えられ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)配達業務について
当社グループの配達業務を伴う売上高の連結売上高に対する構成比は第39期連結会計年度において77.5%となっており重要な割合を占めております。国や自治体等による祭礼行事等の催し物・路上競技等による交通規制、停電、通信障害等により、配達業務が困難な状況になった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11)重大交通事故による社会的信用低下について
当社グループは、公道を使用して車両により営業及びサービス活動を行っております。当社グループは車両運行にあたり、人命の尊重を最優先とし、安全管理対策に努めておりますが、社員が重大な交通事故を発生させてしまった場合には、社会的信用が低下し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)訴訟その他法的手続きについて
当社グループは、現在業績及び財務状況に影響を及ぼすような訴訟等は発生しておりませんが、その事業活動の遂行において、消費者、取引先及び従業員等により提起される訴訟その他の法的手続の当事者となるリスクを有しています。これらの手続きは結果の予想が困難であり、多額の費用が必要となったり、事業活動に影響を及ぼしたりする可能性があります。さらに、これらの手続きにおいて当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)特定商品への依存について
当社グループの売上は、ビール類の仕入高比が重要な割合を占めております。当社グループは、ビール類以外の酒類全般における商品ラインアップの充実、酒類事業以外の飲料、食品の取扱い等の拡大を図っておりますが、市場動向によるビール類販売の大幅な減少等、予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14)業績の季節変動、天候等について
酒類の販売は、一般的には行事やお祝い事等の特別な日に需要が高まり、ビール類は気温の高い日に需要が高まるなど、季節や天候に左右されることがあります。当社グループにおいては、年末の12月や夏季の7月に需要が高まり、売上が増加いたします。このような繁忙期に何らかの要因により営業に支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(15)商品の安全性について
当社グループは、商品の安全性に日頃より十分な注意を払い、食中毒や異物混入の未然防止のため、商品管理の徹底、チェック体制の確立などに努めておりますが、当社グループの取り組みを超えた問題が発生した場合には、当社グループの商品に対する信頼の低下、対応コスト等が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(16)レピュテーションリスクについて
当社グループは、現在業績及び財務状況に影響を及ぼすような従業員等による不適切な情報発信からなる風評被害は発生しておりませんが、事業を遂行していくため、多くの従業員を雇用しております。近年、社会的に、SNS等を用いた従業員による不適切な情報発信からなる風評被害が頻発していることを受け、当社グループでもSNSに関するガイドラインを設けて研修、教育を行ない防止に努めております。しかしながら、従業員から不適切な情報が発信された場合には、当社グループの社会的信用が毀損し、レピュテーションが低下する事があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(17)親会社グループ等との関係について
①資本的関係について
当社の親会社である株式会社SKYグループホールディングスは、第39期連結会計年度末現在、当社発行済株式の63.1%を所有しておりますが、当社グループは親会社への事前承認事項はなく、独自に経営方針・政策決定及び事業展開についての意思決定を行っております。同社は、当社の筆頭株主として基本事項に関する決定権又は拒否権を保有しているため、当社グループの意思決定に対して同社が影響を与える可能性があります。
②人的関係について
当社グループと株式会社SKYグループホールディングスとの間で、役員の兼務、従業員の出向など人的な関係はありません。今後も親会社グループからの独立性を確保していくために、親会社グループとの間で役員の兼務、従業員の出向等は行わない方針であります。
③競合について
親会社グループ各社の事業内容は、業務用食品・食材の企画・販売、文房具・オフィス用品の通信販売、オフィス建装、生花・花器・輸入及び販売、冠婚葬祭用の贈答品、投資事業等となっております。このうち、業務用食品・食材の企画・販売を行う株式会社ミクリードは酒類の取り扱いをしておりますが、販売品目としては主に料理酒、みりん等の調味料の取扱いとなることから、当社が主に販売する飲料用の酒類とは棲み分けがなされており、競合関係はありません。
しかし、今後、当社グループの経営方針及び事業展開を変更した場合、又は、親会社グループ各社が経営方針及び事業展開を変更した場合には、将来的に競合する可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に何らかの影響を及ぼす可能性があります。
(18)新型コロナウイルス感染拡大の影響
今般の新型コロナウイルス感染症の流行拡大は、世界的な規模で経済活動に影響を及ぼしております。当社グループでは、顧客、取引先及び社員の安全第一を考え、また更なる感染拡大を防ぐために、厚生労働省や保健行政の指針に従った感染防止策の徹底をはじめとして、感染リスクが高い国や地域へ渡航の原則禁止、可能な職種でのテレワーク(在宅勤務)や時差出勤等、対応を実施しております。提出日現在、業務用向販売の需要低迷を個人向販売で補完する等により、事業影響の低減を図っておりますが、今後、事態が長期化又は更なる感染拡大やパンデミックにあたる状況が進行すれば、世界的な景気の悪化及び各種イベントの中止や延期等による酒類・飲料・食品の全体消費量の減少が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(19)M&A及び事業提携・資本提携について
当社グループは、既存事業の規模拡大及び新たな事業分野に進出するに際し、M&A、資本提携を行う場合があります。実行するにあたっては対象会社に対して、入念な調査、検討を行いますが、実施後に業績未達等によるのれん等の減損、当初予期していなかった事業上の問題の発生・取引関連費用の負担等によって、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、資本・業務提携については、当初に企図した成果が得られないと判断される場合は、契約の解消による出資の解消等が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(20)減損損失について
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。今後とも収益性の向上に努める所存でありますが、店舗業績の不振等により、固定資産及びリース資産の減損会計による損失を計上することとなった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(21)資金調達及び調達コストについて
当社グループは、資材の調達などのための資金を迅速に、かつ確実に取得するために、資金の一部を有利子負債で調達しております。調達の際は、金利の変動リスクを軽減するために、固定金利での調達やデリバティブ取引を利用しているものの、金利の大幅な上昇があった場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(22)ストック・オプションと株式の希薄化について
当社グループは、当社グループ取締役及び当社グループ従業員に対するインセンティブ付与を目的としたストック・オプション制度を採用しております。そのため、現在、当社グループ取締役及び当社グループ従業員に付与されている新株予約権の行使が行われた場合、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は下記のとおりとなります。
①財政状態の状況
第38期連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(資産)
資産は、前連結会計年度末に比べ448百万円減少し、28,472百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金の減少1,919百万円、投資有価証券の減少287百万円が、現金及び預金の増加1,648百万円、ソフトウエアの増加232百万円を上回ったことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ927百万円減少し、23,310百万円となりました。主な要因は、買掛金の減少
1,157百万円、長期借入金の減少678百万円、リース債務の減少201百万円が、短期借入金の増加
1,632百万円を上回ったことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ479百万円増加し、5,162百万円となり自己資本比率は18.1%となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加513百万円、東京証券取引所市場第二部への上場に伴う普通株式の発行等による資本金及び資本剰余金のそれぞれの増加255百万円、利益剰余金の配当による減少360百万円によるものであります。
第39期第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,452百万円増加し、31,925百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,129百万円増加し、18,253百万円となりました。主な要因は現金及び預金の増加441百万円、商品の増加269百万円、未収入金の増加1,019百万円によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,323百万円増加し、13,671百万円となりました。主な要因はのれんの増加1,466百万円によるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,825百万円増加し、28,135百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ3,217百万円増加し、23,428百万円となりました。主な要因は買掛金の増加1,224百万円、短期借入金の増加2,454百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,608百万円増加し、4,707百万円となりました。主な要因は長期借入金の増加1,516百万円によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,373百万円減少し、3,789百万円となりました。主な要因は親会社株主に帰属する四半期純損失の計上による利益剰余金の減少992百万円及び利益剰余金の配当による減少384百万円によるものであります。
②経営成績の状況
第38期連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費が持ち直し、雇用・所得環境の着実な改善が続く中、緩やかに回復していましたが、米中貿易摩擦の影響や2019年10月に実施された消費税率の引き上げに加え、今般の新型コロナウイルスの感染拡大などの影響による消費の減退が顕著にみられ、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
酒類食品流通業界におきましては、小売業の業態を超えた販売競争が激化するとともに、人手不足を背景とした人件費や物流費の上昇、更には2020年2月からの新型コロナウイルスの感染拡大防止策の実施に伴い、料飲店、ホテル等の自粛や休業が相次いだことで、依然として厳しい経営環境となっております。
このような市場環境の中、当社グループは「お客様のご要望になんでもお応えしたい」という基本コンセプトのもと、中期経営計画に掲げた「トップラインの成長」、「収益力の向上」に向けて、新規顧客の開拓及び既存販売先との関係強化、店舗の新規出店・リニューアルやWEBサイトの充実等、各種施策を推進しました。また昨今では、国民生活のライフライン維持事業者としてご家庭向け商品の拡充や配達体制の確保に努めております。
当社グループは、今後も中長期的な企業価値向上と持続的な成長の実現を目指して、さまざまなサービスの提供に積極的に取り組んでまいります。
店舗及び配達拠点の展開につきましては、配達体制や配達効率の強化、またワイン販売の強化を図るために、2019年4月に「KAKUYASU class 六本木駅前店」、6月に「KAKUYASU class 赤坂2丁目店」を出店いたしました。閉鎖店では、2019年4月に「六本木5丁目SS」を「KAKUYASU class 六本木駅前店」の出店に伴い業務の移管のためにスクラップアンドビルドし、不採算店であった「有楽町SS」を2020年2月に閉店し、定期借家契約の期間満了を迎えた「大久保店」を2020年3月に閉店いたしました。また、KYリカーの業態では、2019年10月に「高座渋谷店」を閉店いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における各業態の物流センター、店舗数は下の表のとおりとなっております。
|
地域 |
業務用センター・ 社内物流センター |
なんでも酒やカクヤス(注) |
KYリカー店舗他 |
|||||||
|
2019年 3月末 |
2020年 3月末 |
増減 |
2019年 3月末 |
2020年 3月末 |
増減 |
2019年 3月末 |
2020年 3月末 |
増減 |
||
|
関東 |
東京都(23区) |
7 |
7 |
- |
145 |
144 |
△1 |
4 |
4 |
- |
|
東京都(23区外) |
1 |
1 |
- |
2 |
2 |
- |
6 |
6 |
- |
|
|
神奈川県 |
1 |
1 |
- |
11 |
11 |
- |
21 |
20 |
△1 |
|
|
千葉県 |
1 |
1 |
- |
1 |
1 |
- |
- |
- |
- |
|
|
埼玉県 |
1 |
1 |
- |
1 |
1 |
- |
1 |
1 |
- |
|
|
関西 |
大阪府 |
1 |
1 |
- |
12 |
12 |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
12 |
12 |
- |
172 |
171 |
△1 |
32 |
31 |
△1 |
|
(注)なんでも酒やカクヤスの拠点は、店舗・小型倉庫及びWEBセンターを含んでおります。
(各売上区分の状況)
「業務用」では、売上高76,871百万円(前連結会計年度比0.7%減)の結果となりました。
顧客数は新規顧客の獲得件数の増加などにより前年同期を上回って(前連結会計年度比3.9%増)推移しております。客単価は、2020年2月から3月にかけての料飲店、ホテル等の自粛や休業が相次いだことで注文量が大幅に減少し、前年同期を下回りました(前連結会計年度比4.4%減)。
「宅配」の売上高は、16,039百万円(前連結会計年度比0.1%減)となりました。消費税率引き上げ前の駆け込み需要の取り込みや、また2020年2月からの新型コロナウイルスの感染拡大防止策の実施に伴う在宅勤務や外出自粛による家庭内消費の増加に伴い配達体制の確保に努めたことで顧客数は前年同期を上回りました(前連結会計年度比6.8%増)。客単価は、2019年6月から7月にわたる天候不順により飲酒需要が伸び悩んだことや、消費税率の引き上げ後の反動、また2020年3月における花見や納会等の自粛の影響により前年同期を下回りました(前連結会計年度比6.5%減)。
「POS」の売上高は、15,295百万円(前連結会計年度比1.5%増)となりました。消費税率の引き上げ後の反動や2019年10月の台風19号による関東全店休業などの影響はあったものの、2020年2月からの新型コロナウイルスの感染拡大防止策の実施に伴う在宅勤務や外出自粛による巣ごもり消費の影響から顧客数は前年同期を上回りました(前連結会計年度比1.3%増)。客単価は、値ごろ感のあるワインや高額な国産ウイスキーを中心に販売が好調で前年同期と同推移となりました(前連結会計年度比0.3%増)。
※顧客数とは、「業務用」においては1カ月に1回以上売上がある料飲店等の数(個店ベース)、「宅配」においては配達件数、「POS」ではPOSレジの取引件数を指します。
客単価とは、「業務用」では1カ月に1回以上売上がある料飲店等の1カ月当りの売上金額の平均金額、「宅配」では配達1回当たりの平均金額、「POS」では、POSレジ取引件数の1回当たりの平均金額を指します。
(利益等の状況)
売上総利益は、新型コロナウイルスの影響による売上高の減少に伴い売上総利益率が19.8%(前連結会計年度比同率)となり、21,514百万円(前連結会計年度比0.2%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、外形標準課税の適用会社となったことと、当社の成長の源泉である配送力を強化するため新卒など従業員が増加したことにより、20,255百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。
営業外損益は、0百万円となりました。収益では前連結会計年度に当社関連会社への業務受託料による営業外収益が計上されましたが、当連結会計年度は関連当事者取引が解消され、取引なしとなりました。
特別損益は、特別損失において、新型コロナウイルスの影響により店舗等の設備の減損損失が計上されたことにより、367百万円(前連結会計年度比30.0%減)の損失となりました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高108,562百万円(前連結会計年度比0.1%減)、経常利益1,259百万円(前連結会計年度比30.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益513百万円(前連結会計年度比31.2%減)となりました。
なお、当社グループは、酒類販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
また、売上区分別、出荷拠点別の売上構成比は以下のようになっております。
(%)
|
|
業務用センター |
なんでも酒やカクヤス |
KYリカー他 |
合計 |
|
業務用 |
43.9 |
26.3 |
0.5 |
70.8 |
|
宅配 |
- |
14.7 |
0.0 |
14.8 |
|
POS |
- |
7.8 |
6.3 |
14.1 |
|
卸その他 |
0.1 |
0.1 |
0.1 |
0.3 |
|
合計 |
44.1 |
48.9 |
7.0 |
100.0 |
第39期第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
当第3四半期連結累計期間(2020年4月1日から2020年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済活動の抑制により消費活動は著しく停滞し、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループが事業活動の中心としております酒類食品流通業界におきましても、5月の緊急事態宣言解除後、一時的に個人消費の回復の兆しがあったものの、11月以降の新型コロナウイルス感染症の再拡大は、外出自粛による外食機会の減少や飲食店への営業時間短縮再要請など経営環境を著しく変化させており、当社グループの営業活動にも大きな影響を与えております。
このような市場環境の中、当社グループは「なんでも酒やカクヤス」のブランドのもと、「お客様のご要望になんでもお応えしたい」という意気込みや覚悟を経営理念として掲げ、お客様と従業員の徹底した感染拡大防止策を取りながら、当社グループの持続的成長のための経営戦略立案や、グループ共通業務の集約化による経営インフラの強化・効率化に取り組んでおります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの経営成績は、売上高62,660百万円、営業損失1,438百万円、経常損失985百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失992百万円となりました。
売上区分の状況につきましては、売上構成比が「業務用」53.7%、「宅配」23.8%、「POS」22.2%、「卸その他」0.3%になりました。
「業務用」の売上高は、33,649百万円となり、顧客数・客単価ともに前年同期を下回りました。新型コロナウイルス感染症の拡大防止策による外出や各イベント自粛のなかで、忘年会自粛等の動きは想定しており、通期予測に織り込んでいるものの、11月以降の感染再拡大による酒類の提供を伴う飲食店への営業時間短縮の再要請は、飲食業界に更なる影響を与えております。
「宅配」の売上高は、14,893百万円となりました。新型コロナウイルス感染症の拡大防止策による家庭内消費の拡大を背景に、年末においてもコロナ禍での外出・帰省自粛に伴う「家飲み」需要は引き続き好調に推移しており、社内配達体制を積極的に強化したことで顧客数は前年同期を上回りました。一方客単価は、年末時期における企業での御用納めや大人数でのパーティー等の注文が減少し、前年同期を下回りました。
「POS」の売上高は、13,925百万円となりました。新型コロナウイルス感染症の拡大防止策によるリモートワーク等生活様式の変化による外食機会の減少は、「家飲み」や「リモート飲み会」など家庭向け消費の需要を拡大させており、顧客数・客単価ともに前年同期を上回りました。
なお、当社グループは、酒類販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
③キャッシュ・フローの状況
第38期連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は3,489百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,648百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,945百万円(前連結会計年度は1,975百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益892百万円、減価償却費701百万円、減損損失381百万円、売上債権の減少額1,919百万円等の増加要因が、仕入債務の減少額1,157百万円、法人税等の支払額677百万円等の減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,195百万円(前連結会計年度は1,700百万円の支出)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出1,179百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は899百万円(前連結会計年度は438百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額1,636百万円等の増加要因が、長期借入金の返済による支出682百万円、配当金の支払額360百万円等の減少要因を上回ったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
第38期連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。
なお、当社グループは、酒類販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
酒類販売事業(百万円) |
87,123 |
100.0 |
|
合計 |
87,123 |
100.0 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
なお、当社グループは、酒類販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
酒類販売事業(百万円) |
108,562 |
99.9 |
|
合計 |
108,562 |
99.9 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.販売実績の4つの区分の「業務用」、「宅配」、「POS」、「卸その他」別の売上は以下の通りです。
|
区分名 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
業務用 (百万円) |
76,871 |
99.3 |
|
宅配 (百万円) |
16,039 |
99.9 |
|
POS (百万円) |
15,295 |
101.5 |
|
卸その他(百万円) |
355 |
176.8 |
|
合計 |
108,562 |
99.9 |
第39期第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注、仕入及び販売の状況に著しい変動はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、本有価証券届出書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たりまして、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社の経営陣は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、第38期連結会計年度の貸倒引当金及び固定資産の減損は、新型コロナウイルス感染症の影響について、入手可能な情報を基に合理的に見積り、数値を反映しております。
イ.貸倒引当金
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、得意先の業績悪化等により、支払延期の申請があった得意先に対する当連結会計年度末の売掛金について、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
ロ.固定資産の減損
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、当連結会計年度において営業活動から生じる損益がマイナスとなった資産グループについて、将来キャッシュ・フローに基づく評価額がマイナスであると仮定して、減損損失を計上しております。
また、第39期連結会計年度の固定資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性については、新型コロナウイルス感染症の影響について、入手可能な情報を基に合理的に見積り、数値を反映しております。
イ.固定資産の減損
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、当連結会計年度において営業活動から生じる損益がマイナスとなった資産グループについて、将来キャッシュ・フローに基づく評価額がマイナスであると仮定して、減損損失を計上しております。
ロ.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金を有しております。これらにかかる繰延税金資産の計上にあたりましては、「税効果会計に係る会計基準」及び社内で定める基準等に従い回収可能性を判断しており、将来の課税所得見積りは、機関決定された利益計画等を基礎にその実現可能性について十分な検討を行い、必要に応じて評価性引当額を計上しております。しかし、将来の経営環境の変化などにより回収可能見込額が変動した場合には、繰延税金資産の取崩又は追加計上が発生する可能性があります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第39期連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済活動の抑制により消費活動は著しく停滞し、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが事業活動の中心としております酒類食品流通業界におきましても、2020年5月の緊急事態宣言解除後、一時的に個人消費の回復の兆しがあったものの、11月以降の新型コロナウイルス感染症の再拡大は、緊急事態宣言の再発出、それに伴う飲食店への営業時間短縮の再要請に至り、その影響は2021年3月後半まで続きました。また感染拡大防止策に伴う外出自粛、在宅勤務などによる外食機会の減少は、家飲みの増加や独立料飲店(個人店)を中心としたニーズの高まり、密集環境を回避する郊外の住宅地での需要の増加などを招き、当社グループを取り巻く経営環境を著しく変化させております。
このような状況のなか、当社グループは「お客様のご要望になんでも応えたい」という基本コンセプトのもと、お客様と従業員の徹底した感染防止策を取りながら、当社グループの持続的成長のための経営戦略立案や事業拡大に伴うМ&A、グループ共通業務の集約化による経営インフラの強化・効率化に取り組んでおります。
当社グループは、今後も中長期的な企業価値向上と持続的な成長の実現を目指して、さまざまなサービスの提供に積極的に取り組んでまいります。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4)経営者の問題認識と今後の方針
経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金、設備投資資金、及び借入金返済資金等は、主として営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金により充当し、必要に応じて、運転資金等であればコミットメントラインによる短期借入、設備投資資金であればその都度長期借入を金融機関から実施することを基本方針としております。
当連結会計年度における運転資金、設備やM&Aの投資資金及び借入金返済資金については、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであったため、不足する運転資金については短期借入、設備やM&Aの投資資金についてはその都度長期借入により充当しました。
今後の資金需要のうち、主なものは、運転資金の他、家庭用需要に対応するための配送拠点新設等の設備投資や借入金返済等であります。これらの資金について、運転資金については基本方針に基づき短期借入等で充当し、設備投資や借入金返済については実施予定の第三者割当増資や長期借入により充当する予定であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。