文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、当社の社名の由来のとおり、人の力をコアバリューとし、多様なスタッフが能力や専門性を最大限に発揮し、お互いに活かし合える企業体を目指しております。「ハードに頼らず、ソフトの力を信じ、信頼できるスタッフ、信頼できる商品、信頼できるチームで、お客様の期待を超えていくこと」をビジョンに、「ブライダル業界の持続可能性を重視し、お客様の多様性と包摂性を尊重することですべてのお客様にとってより快適な体験を提供し、ブライダル業界の社会課題を解決すること」をミッションに掲げ、「人財の力で成功を収めていく、人が主役のビジネスをつくること」を経営の基本方針とし、全国の挙式披露宴施設の運営を主とした事業展開を通じて、顧客満足度の向上を図り、企業価値の向上に取り組んでおります。
(2) 経営戦略
① 出店戦略
当社グループは、市場規模縮小の影響を最小限に抑えるため、大型投資を伴う新店については、人口減少率が比較的緩やかである政令指定都市に限定し、出店をしております。立地にこだわった出店により宴会、イベントなど婚礼以外のニーズにも対応できることから、各施設の稼働率向上が見込めます。また、人口減少が進むと考えられる地方都市においては、M&Aによる投資額を抑えた出店を基本としております。これにより、確実にシェアを拡大しながら市場縮小リスクに対応することが可能であると考えております。
また、ハードによる集客優位性に限界があるとの見方から、特定のスタイルという限定的な市場ではなく、ゲストハウス、ホテル、レストランなど多様な施設スタイルで事業展開し、市場全領域を網羅することによって、今後起こりうるマーケットニーズの変化に対応してまいります。
② 内製化・仕組化
当社グループでは、衣装、装花等、婚礼に関わるサービスについては社内での内製化を推進しております。これによりスタッフ間の情報共有の円滑化、協力体制の強化が期待できるとともに、顧客の要望に対しきめ細やかな対応が可能となることから、顧客満足度の向上及び利益率向上に繋がると考えております。
また、当社グループにおいて競争力の要となるソフトの力を最大限発揮するため、役職に応じた教育研修に加え、営業支援システムを活用することにより、若手社員を早期に戦力化し、接客力の高い人財に育成するための仕組化を推進しております。
③ 独自集客
当社グループでは、これまで有名キャラクターを活用した婚礼商品の開発など、他社とのアライアンスにより、他社にないコンテンツを手掛けてまいりました。これにより、婚礼情報専門の媒体と異なり、潜在顧客へのアプローチが可能となることから、結婚式実施率の低下が危惧されるブライダル業界の活性化に寄与するものと考えております。
また、施設の稼働率向上を目的とし、宴会やイベント等の受注に特化した自社サイトの開設、将来的に需要増加が見込まれる少人数挙式に特化したサービスの運用を実施してまいりました。今後も既存のメディアに依存せず、多岐に渡る独自集客に注力してまいります。
(3) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の法的位置づけが2023年5月8日より5類へと移行されたことで経済活動の本格的な再開が加速した一方、円安の進行及び世界的な資源・エネルギーの価格高騰や物価上昇、金融資本市場の変動等の影響により、景気は依然として先行きの不透明な状況が続いております。
また当社グループの主たる事業セグメントが属するブライダルマーケットについても、ターゲット顧客層としている結婚適齢期人口の減少、未婚率の上昇等の環境変化により、先行きは非常に不透明な状況となっております。
急速な需要の減退により一段と競争が加速すると思われるブライダルマーケットにおいて、当社グループが顧客からの支持を着実に獲得し、中長期的な企業成長に向けた経営戦略を実行するために、以下のような課題に対処してまいります。
① 感染症による影響に対する取組
当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響は依然として先行き不透明な状況が続いているものの、安定的に黒字を確保できる状況まで業績は回復いたしました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症に限らず、感染症が発生した場合、多くの人が集まる挙式・披露宴は中止又は延期となることが考えられます。更に感染が拡大した場合、当社グループ施設を一時的に営業停止せざるを得ない状況となることが考えられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
これらを踏まえ、感染症拡大防止及び従業員の安全を考慮し、感染症の流行期には出退勤時のマスク着用、手洗い等を義務づけ、各婚礼施設においては、各所への消毒用アルコールの常備、定期的な設備の清掃等、衛生管理の徹底に努めながら運営してまいります。
② 人材の確保と育成
当社グループは、今後のさらなる事業拡大を目指す上で、優秀な人材の確保及びその人材の育成が重要な経営課題であると認識しております。人材確保においては、新卒採用及び中途採用を積極的に実施し、当社グループの経営方針に共感を持った早期に戦力化可能な人材の採用と、従業員のモチベーションを向上させる人事諸制度の構築が必要と考えております。特に、ブライダル関連事業における人材の育成については、接客に関するデータの定量的な分析に基づく課題抽出及び対策、高い接客力を有する人材の接客ノウハウの共有、定期的な社内研修等を実施することにより、顧客ニーズに的確に対応できる接客力を向上させてまいります。
③ ブライダル事業における新たな収益モデルの確立
当社グループは、直営施設の出店を今後もすすめてまいりますが、一方でこれまでのノウハウを活かしたブライダルマーケットにおける新たな収益モデルを確立することも重要な経営課題と認識しております。新型コロナウイルス感染症拡大に伴って自社開発したWEBツール「アニクリLive」や「アニクリWEBご祝儀」などを始めとしたウエディング・テックサービスの拡大、発展に加え、装置産業型の投資回収を必要としないビジネスモデルの確立などを検討してまいります。
④ ブライダル以外の事業展開
当社グループは、ブライダル関連事業の売上比率が連結売上高の約8割を占めており、ブライダル関連事業の拡大と並行して、ブライダルに次ぐ事業の柱を育成することが必要であると認識しております。当社グループの創造力豊かなスタッフの力を最大限に活かして、業界研究や事業構造分析をすすめ、事業展開の可能性を検討してまいります。
⑤ 内部管理体制の充実
当社グループは、今後も企業の継続的な成長を実現していくために、事業規模の拡大に対応した内部管理体制の充実が不可欠であると認識しております。今後も事業規模の拡大に合わせ、管理部門の一層の強化による内部管理体制の整備に取り組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、社会的な課題解決のため、持続可能な開発目標(SDGs)に沿って、私たちができることをひとつひとつ考え、積極的に取り組むこと、また、持続可能な社会の発展に貢献すべく、ESGの3つの要素である、環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance)に積極的に取り組むことが、企業の経営責任と認識しております。そして、このような認識を経営陣のみならず、社員にも共通の認識とすることで、それぞれの施策を実現しております。業務執行の判断において、SDGsやESGの視点からその合理性を検討することはもちろん、経営会議等においても案件の性質により、その視点を判断の重要な一要素としており、案件の重要性に鑑み、必要に応じて取締役会に諮る体制を構築しております。また、気候変動により当社サービスへの影響が生じる場合はリスク管理委員会において協議・検討する体制を整えるなど、多角的視点で分析・検討を行う方向性を打ち出しております。
人的資本に関する戦略につきましては以下のとおりであります。
当社グループは性別やライフステージに左右されず、誰もが実力によって正当に評価される会社、お互いに活かし合える企業体を目指しております。以前から、グループ企業の特性に応じて、コアタイムのない完全フレックスタイム制度の導入、キャリアパス選択制度の活用、テレワークの推進、休暇制度の充実、面談等を通じた女性の産前産後の不安解消、「慣らし保育応援」といった子育てと仕事の両立支援のための各種取り組み、福利厚生制度の拡充等、多様な人材が働くことのできる社内環境整備に取り組んでおり、性別・国籍問わず多様な人材の採用、起用を積極的かつ継続的に行っております。今後は女性活躍推進に関する取り組みをより積極的に行うなど、ダイバーシティ推進に一層取り組み、多様な人材が活躍出来る会社づくりを推進いたします。
人材の育成に関する方針としては、多様なスタッフが能力や専門性を発揮できるよう、全社研修の実施に加え、専門性を高めるための個別研修及び外部研修受講支援、幅広いキャリア構築につながるジョブローテーションなどを通じて、常に変化し続ける環境に適応できる人材の育成を継続的に行っております。
(3) リスク管理
当社は様々なリスクを一元的に俯瞰し、リスクの洗い出しや予防、また緊急事態発生に際し、当社の企業価値を保全することを目的とし、代表取締役社長を委員長とする取締役会直轄のリスク管理委員会を設置しております。サステナビリティに関するリスク管理も重要な経営課題と認識し、その必要性及び重要性に応じて当該委員会にてリスクの抽出・分析・評価―及び予防を行うこととなっております。また、リスクが発生した場合は迅速かつ的確に対応することにより被害を最小限にくい止め、再発を防止する施策を実行いたします。
(4) 指標及び目標
人的資本に関する指標及び目標については以下のとおりであります。なお、グループ企業の特性や業態の違い等から、連結グループ一律記載が困難であるため、提出会社単体の記載としております。
① 女性
当社は女性活躍推進企業として「えるぼし」「くるみん」に認定されるなど、積極的に女性の活躍を推進しております。全社員の女性比率が70%を超える当社では、女性の産前産後の不安解消・子育てと仕事の両立支援のため、各種取組を行っております。また、2024年3月末時点の当社単体における女性管理職比率(※)は35.9%となっております。女性管理職比率(※)の目標として2026年度中に40%達成を掲げ、女性の活躍の場を創造してまいります。なお、具体的な取組内容につきましては以下コーポレートサイトに掲載しております。
https://www.escrit.jp/company/woman/
※女性管理職比率は、「女性の職業における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
② 中途採用者
当社は性別、国籍、採用方法によらず有能な人財を採用・登用することを基本方針としており、2024年3月末時点の中途採用比率は全従業員の70.7%、管理職比率は92.5%となっております。
③ 外国人
当社は主要な事業を国内で展開していることから、2024年3月末時点で外国籍の方の管理職はおりませんが、性別、国籍、採用方法によらず有能な人財を採用・登用することを基本方針としており、今後も国籍にとらわれない採用・登用を志向してまいります。
有価証券報告書に記載した事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 少子化の影響について
総務省の「国勢調査」及び国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」によりますと、今後、わが国における結婚適齢期といわれる男女の人口は縮小傾向にあると予測されており、当社グループの属するブライダルマーケット全体の縮小が懸念されます。
当社グループは、今後も人口の減少が少ないと思われる東京23区及び政令指定都市を中心に出店するとともに、マーケット動向を注視し事業を推進してまいりますが、マーケットが急激に縮小した場合は当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 出店について
当社グループは、「施設スタイルにこだわらない都市型ブライダルオペレーター」として、多様化する顧客のニーズに応えるため、専門式場、ゲストハウス、ホテル、レストランの4つのスタイルの挙式・披露宴施設を特定のスタイルに偏らないよう出店する方針であります。出店候補地の選定に当たっては、①東京23区及び政令指定都市、②新幹線停車駅がある人口30万人以上の都市、の順に優先順位を定め、出店候補地の立地、エリアマーケティングデータ、運営施設の採算性、人材確保、資金繰り及び投資回収期間を総合的に勘案した上で、出店候補地を決定し、新規出店を積極的にすすめていく計画であります。
当社グループは、専門部署である事業開発部を中心として、不動産デベロッパー、不動産投資ファンド運用会社、ゼネコン、総合商社等多岐にわたるルートから出店候補地の情報を収集し、出店のための条件交渉を行っておりますが、当社グループの出店条件に合致する候補地の契約が締結できなかった場合、又は、出店に必要な資金を当社グループの計画どおりに金融機関等から調達できなかった場合は、出店計画を変更する必要性が生じ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新規出店に際し、オープン準備期間に諸費用が先行して発生することにより、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 敷金及び保証金の差入について
当社グループは、賃借により出店を行うことを基本方針としており、挙式・披露宴施設等の賃借時に敷金及び保証金を差入れております。敷金及び保証金の残高は2024年3月31日現在3,791百万円となっており、連結総資産に占める比率は16.3%であります。
当社グループは、新規に出店する際の与信管理を徹底しておりますが、賃貸先のその後の財政状態の悪化等によって、敷金及び保証金の全部又は一部が回収できなくなった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 会計上の評価について
① 減損会計適用の影響について
当社グループの挙式・披露宴施設に係る設備について、施設の営業活動から生じる収益力が著しく低下することなどにより減損の認識がなされた場合、減損損失の計上により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 繰延税金資産等について
当社グループでは、将来の課税所得等に関する予測に基づき回収可能性を慎重に検討した上で繰延税金資産等を計上しております。しかし、今後の業績動向等により、一部ないし全部について回収可能性が低いと判断された場合、繰延税金資産等の計上額が修正され、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(5) 売上高の季節変動について
当社グループの主力事業であるブライダル事業においては、挙式・披露宴が春(3月から5月)、秋(9月から11月)に多く施行される傾向があることにより、売上高が変動する可能性があります。
(6) 有利子負債依存度が高いことについて
当社グループは、新規出店及び企業買収に係る設備投資並びに新型コロナウイルス感染症による影響で調達した資金を、主として金融機関からの借入等の間接金融により調達してまいりました。有利子負債残高、有利子負債依存度及び支払利息は下表のとおりであります。
今後は、営業活動によるキャッシュ・フローの拡大から生み出される余剰資金等により、有利子負債依存度の改善をすすめ、財務体質の強化に努める方針ではありますが、金融情勢の変動により金利が大幅に上昇した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(注) 1.有利子負債残高は、金融機関からの短期借入金、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)、社債及びリース債務の合計であります。
2.有利子負債依存度は、有利子負債残高を総資産で除した数値を記載しております。
(7) 法的規制について
当社グループは、国内外における既存事業の展開及び新規サービスの提供にあたり、会社法をはじめ、金融商品取引法、税務諸法、労働関係諸法、食品関連諸法、独占禁止法(下請法・景品表示法を含む)、個人情報保護法、旅行業法、その他関係法令、条例等の適用、行政の許認可等を受けています。
また、当社グループ施設をはじめとした建築・改装等にあたっては、建築基準法、消防法、下水道法、旅館業法、その他関係法令、条例等による規制を受けており、さらには、当社グループが運営する挙式・披露宴施設は、食品衛生法等の適用、所轄保健所による営業許可を受けております。
このような環境下において、当社グループは、法令遵守を、社会において企業活動を推進する主体としての当然の責務と認識し、コンプライアンス体制を整え、法令遵守の徹底を図っております。既存事業の展開はもちろんのこと、新規サービスの提供にあたっても、必要に応じ弁護士、公認会計士、税理士等と連携し、法的規制に抵触しない事業を展開し、サービスを提供しております。
しかしながら、役員及び従業員による不正行為、過失行為等により、法令遵守に係るリスクを完全に排除し得ない可能性があります。また、将来、法令、条例、許認可要件等の変更、当局との見解相違等により制約等が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。現在のところ、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりませんが、このような訴訟が提起され、当社グループに不利な判断がなされた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 衛生管理・食材管理について
上記のとおり、当社グループが運営する挙式・披露宴施設は、食品衛生法等の適用、所轄保健所による営業許可を受けております。
このような環境下、当社グループでは、館内清掃並びに従業員に対する衛生管理教育を徹底するとともに、専門機関による定期的な衛生検査を実施することで、社内の衛生管理体制強化を図っております。
しかしながら、今後、食中毒等の衛生問題が発生した場合には、営業の停止、信用の低下等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが運営する挙式・披露宴施設で提供する食材につきましては、安全性に重大な関心が払われている現在の状況から、安全で良質な食材を確保することが重要となっております。
しかしながら、食材の安全性が疑われる問題が生じ、海外からの食材輸入が規制された場合、あるいは需給関係の変動等により食材の市況が急激に変動した場合等、食材の安定的確保に支障が生じる状況となった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 個人情報管理について
当社グループは、商品及びサービスの提供を通じて、顧客の個人情報を扱っているため、個人情報保護法が定める個人情報取扱事業者としての義務を課せられております。
当社グループでは、これら個人情報の適切な保護及び管理を目的として「個人情報保護規程」を制定しており、個人情報が記載された書類やデータについては保管庫における施錠管理やパスワード管理により細心の注意をもって取り扱っておりますが、係る措置にもかかわらず不測の事態により個人情報が漏洩した場合には、当社グループが損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社グループの信用が低下し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 人材確保と育成について
当社グループは、積極的な事業展開のために、新卒採用及び中途採用を実施し続けることが必要であると認識しており、積極的な採用活動を行っております。また、採用した人材に対しては、社内研修等を実施することで、顧客ニーズに的確に対応できる人材の育成に努めております。
しかしながら、人材の確保、育成が計画どおりすすまなかった場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 建築不動産関連事業における市場環境の変化について
当該市場は、趨勢的な公共投資の削減傾向や、消費税の増税等による国内の景気後退等により、民間設備投資が縮小した場合には、今後の受注動向に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 建設資材価格及び労務単価の変動リスクについて
建設資材価格や労務単価等が、請負契約締結後に予想を超えて大幅に上昇し、それを請負金額に反映することが困難な場合、建設コストの増加につながり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 建築不動産関連事業における取引先の信用リスクについて
景気の減速などによる建設市場の縮小の影響を受け、発注者、協力業者、共同施工会社などの取引先が信用不安に陥ってしまった場合、資金の回収不能や施工遅延などの発生により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 建築不動産関連事業における技術・品質上の重大事故や不具合などによる瑕疵等のリスクについて
設計、施工段階における技術・品質面での重大事故や不具合が発生し、その修復に多大な費用負担が生じたり、重大な瑕疵となった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 感染症の発生及び拡大について
当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響は依然として先行き不透明な状態が続いているものの、安定的に黒字を確保できる状況まで業績は回復いたしました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症に限らず、感染症が発生した場合、多くの人が集まる挙式・披露宴は中止又は延期となることが考えられます。さらに感染が拡大した場合、当社グループ施設を一時的に営業停止せざるを得ない状況となることが考えられ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 自然災害等について
地震や台風などの大規模な自然災害等の発生により、当社グループ施設に被害が発生し、また各種規制などによって通常の営業活動に支障をきたす場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
経営者の視点による当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社グループは、ブライダルマーケットにおけるシェア拡大戦略を展開すべく、施設のスタイルにこだわらず、東京23区及び政令指定都市を中心とした利便性の高い場所で挙式・披露宴を運営する当社のほか、店舗・オフィスの設計施工、建築用コンテナの企画・販売・施工、建材・古材の販売など建築不動産に関するソリューションを提供し、またグループ内施設の内装工事を担う株式会社渋谷を主軸にグループ経営を推進する体制を強化し、連結業績の最大化に向け継続して取り組んでおります。
当連結会計年度における当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響は依然として先行き不透明な状況が続いているものの、安定的に黒字を確保できる状況まで業績は回復いたしました。
当連結会計年度の業績は、売上高26,639百万円(前期比10.4%増)、営業利益929百万円(前期比340.7%増)、経常利益837百万円(前期比84.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益619百万円(前期比268.7%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
コロナ禍において新郎新婦のゲスト一人ひとりを大切にする志向が高まり、各アイテムのランクアップ提案を実施したことにより単価が増加したことに加え、宴会が好調に推移しました。広告宣伝費を積み増したことにより販管費は増加したものの前年同期比では増益となり、ブライダル関連事業の売上高は22,152百万円(前期比4.3%増)、セグメント利益は1,419百万円(前期比6.6%増)となりました。
工事の取扱いが増加したこと、大型の不動産販売があったことにより売上高が増加しました。新型コロナウイルス感染症の影響で増加していた工事原価が減少し、利益率が回復しました。結果、建築不動産関連事業の売上高は4,486百万円(前期比54.9%増)、セグメント利益は288百万円(前期は282百万円の損失)となりました。
当連結会計年度末における資産総額は23,199百万円となり、前連結会計年度より214百万円増加しております。これは主に、現金及び預金が250百万円減少したこと、契約資産が733百万円増加したこと、建物及び構築物(純額)が698百万円減少したこと等によるものであります。負債総額は16,957百万円となり、前連結会計年度より157百万円減少しております。これは主に、短期借入金が4,211百万円減少したこと、長期借入金が2,730百万円増加したこと等によるものであります。純資産は6,241百万円となり、前連結会計年度より371百万円増加しております。これは主に、剰余金の配当262百万円を計上したこと、親会社株主に帰属する当期純利益619百万円を計上したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は4,960百万円となり、前連結会計年度より250百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は1,221百万円(前連結会計年度は1,100百万円の収入)となりました。その主な内訳は税金等調整前当期純利益747百万円、減価償却費1,092百万円、リース投資資産の増加額579百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は591百万円(前連結会計年度は502百万円の支出)となりました。その主な内訳は有形固定資産の取得による支出336百万円、無形固定資産の取得による支出192百万円、敷金及び保証金の差入による支出75百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は915百万円(前連結会計年度は1,316百万円の支出)となりました。その主な内訳は短期借入金の純減額4,211百万円、長期借入れによる収入5,827百万円、長期借入金の返済による支出2,032百万円があったこと等によるものであります。
当連結会計年度の挙式・披露宴施行件数の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度の受注件数及び残高の状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、以下のとおりであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、26,639百万円(前期比10.4%増)となりました。
これは主に、ブライダル関連事業において、前年同期と比較して施行単価が増加したことに加え、宴会が好調に推移したことによるものであります。
(営業利益)
売上原価は、11,601百万円(前期比13.6%増)となりました。売上高の増加に伴い原価率は43.6%となり、前連結会計年度に比べて1.3ポイント増加いたしました。
また、販売費及び一般管理費は、売上高の増加に伴い、14,107百万円(前期比3.0%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、929百万円(前期比340.7%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
経常利益は、雇用調整助成金含む助成金の受給終了に伴い営業外収益が減少したものの、営業利益の増益に伴い、837百万円(前期比84.9%増)となりました。特別損益は、ブライダル関連事業において一部施設について減損損失73百万円を計上いたしました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、619百万円(前期比268.7%増)となりました。
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産総額は23,199百万円となり、前連結会計年度より214百万円増加しております。これは主に、現金及び預金が250百万円減少したこと、契約資産が733百万円増加したこと、建物及び構築物(純額)が698百万円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債総額は16,957百万円となり、前連結会計年度より157百万円減少しております。これは主に、短期借入金が4,211百万円減少したこと、長期借入金が2,730百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は6,241百万円となり、前連結会計年度より371百万円増加しております。これは主に、剰余金の配当262百万円を計上したこと、親会社株主に帰属する当期純利益619百万円を計上したこと等によるものであります。
自己資本比率は26.9%となり、前連結会計年度末に比べ1.4ポイント増加いたしました。
キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、中長期的に安定した成長を図るため、事業規模拡大のための投資を実行する一方で、適切な自己資本比率の維持と株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。
当連結会計年度においては、有形固定資産の取得による支出は336百万円となりました。これらの投資のための資金は、自己資金及び金融機関からの借入れにより賄っております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。