第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、企業理念を「私たちは、人々が『安心して働ける環境』と企業の『活力ある個と組織』を皆様と共に創り出します。」と定め、コーポレートメッセージとして掲げる「企業に未来基準の元気を!」の下、企業と働く人々を取り巻く様々なリスクや課題を解消するための解決策の提供と企業の健康経営推進への取り組みを支援してまいります。

私どもは、従業員が心身ともに元気で、一人ひとりが自分の能力を最大限に発揮できるとき、企業の生産性も大幅に向上し、企業も活性化すると考えております。こうしたプロセスを経て、企業の元気を創り出し、企業を支援し続けることを目指し、以下の行動指針に従って業務を遂行してまいります。

 

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また、当社グループでは、健康経営推進の目的と体制図を以下のとおり定めております。

 

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(2)経営戦略

 ① 経営環境

近年の日本社会では、少子高齢化による労働人口の減少やコロナ禍を契機とした働き方の多様化など、組織と個人を取り巻く環境が大きく変化しております。こうした環境下において企業は、生産性の向上や優秀な人材の獲得と維持のために、人や組織の人事課題に対して形だけではなく、より効果につながる取り組みへの動きが強まっております。当社グループの事業は、正にこのような経営課題への企業の取り組みを支援するための商品及びサービスの提供であり、市場環境が追い風の中、増大するビジネスチャンスを着実に捕捉し、さらなる企業価値の増大を目指してまいります。

 

 ② 中期経営計画

当社は、2024年5月に、2024年度から2026年度を対象期間とする「中期経営計画2026」(以下「中期経営計画」という)を策定いたしました。中期経営計画は、“効果につながるプラットフォームとソリューションをより多くの企業に提供し、ウェルビーイング領域(*)における圧倒的地位を目指す”を骨子とし、実効性のある豊富で質の高いサービスをワンストップで提供することにより、顧客企業のパートナーとしてウェルビーイング経営を支援いたします。また、各事業の成長スピード加速と収益性向上に取り組み、推進する全事業においてNo.1を目指してまいります。

 

(*)当社のウェルビーイング構成要素:心身の健康、従業員の成長、リスクの予防と発生時の支援、両立支援、福利厚生、余暇支援、会社との一体感醸成等の業務領域

 

③ 中期経営計画の取組内容

従来の取り組みの継続による着実な成長の実現と並行して、新たな取り組みも推進することにより、成長の加速を実現させてまいります。

 

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(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

<全社>

当社グループは、「企業に未来基準の元気を!」というコーポレートメッセージの下、人々が「安心して働ける環境」と企業の「活力ある個と組織」をみなさまと共に創り出すことをミッションとしております。

少子高齢化による労働人口の減少やコロナ禍を契機とした働き方の多様化など、組織と個人を取り巻く環境が大きく変化しており、従業員一人ひとりが仕事に“やりがい”を感じ、個人の持てる能力を最大限に発揮しながら心身ともに健康でいられること、それによって企業の生産性が向上し、組織が活性化していくことが重要だと考えております。

このような環境下において、競合他社の商品やサービスとの差別化を図り、顧客企業の皆様に対して、生産性の向上を通じた企業価値の向上と、企業で働く従業員の真のウェルビーイング(**)の実現を支援することで、優位性を確保していくことが重要な課題と考えております。この課題に対応するため、SaaS型クラウドサービス「アドバンテッジ ウェルビーイング DXP」を軸に、効果につながるプラットフォームと様々なソリューションをより多くの企業に提供することで、ウェルビーイング領域における圧倒的な地位確立を目指してまいります。

 

(**)当社の考えるウェルビーイングとは:肉体的にも、精神的にも、そして社会的にもすべてが満たされた状態

 

メンタリティマネジメント事業、就業障がい者支援事業及びリスクファイナンシング事業の対処すべき課題は、以下のとおり考えております。

 

<メンタリティマネジメント事業>

主にメンタル不調者の発生予防や高ストレス者に向けたメンタルヘルスケアといったダウンサイドのアプローチから、組織や個人へのエンゲージメント向上施策といったポジティブサイドのアプローチまで、メンタルヘルス・エンゲージメントにまつわるサービスを扱う事業として推進しております。競合企業が増加する中、市場のニーズに対応した新商品を適時に投入し、競合他社との差別性を確保しつつ、シェアを拡大していくことが重要な課題と考えております。

1)企業のストレスチェック義務化への対応

法制化にフルラインアップで対応する「アドバンテッジタフネスシリーズ」の安定的運用を図るとともに、顧客要望等を踏まえたうえで、提供するサービスのクオリティ向上に取り組んでまいります。

2)大企業マーケットの顧客基盤拡大

一定の規模以上の顧客に対して、外部チャネルの積極的な活用やセミナーの開催を始めとしたマーケティング活動等の様々な手段により継続的にアプローチを行い、積極的な営業展開を図ってまいります。

3)効率的なオペレーション体制の構築

導入企業数、対象従業員数の拡大に伴う課題として、業界トップレベルの品質である商品・サービスを安定供給するためにも、オペレーション体制のさらなる効率化に取り組んでまいります。

4)人事課題解決型プラットフォームの構築

従業員の心身の健康状態や人事労務情報についての各種ビッグデータを分析し、分析結果に基づいて組織・従業員個人のパフォーマンス向上を図ることにより企業の健康経営を実現する人事課題解決型「アドバンテッジ ウェルビーイング DXP」の構築・提供を進めてまいります。

 

<就業障がい者支援事業>

競合他社との差別化を意識した商品開発および代理店業務としての品質改善を継続的に行っておりますが、競争が激しくなる市場において、優位性を確保しつつシェアを拡大していくことが重要な課題と考えております。

1)新規顧客の獲得の強化

GLTD(Group Long Term Disability:団体長期障害所得補償保険)に注力しているパートナー企業との連携や積極的なマーケティング活動等、様々な手段によりアプローチを行います。第4類団体(共通目的を持つ者により組織される会員団体)への本格展開等、より一層の新規顧客の獲得活動に取り組んでまいります。

2)新たな優位性の確立

GLTDの普及が進むことによって、これまでの実績や知見・ノウハウ面での優位性が相対的に低下していくことが考えられるため、新たな優位性の確立に取り組んでまいります。

3)休業者管理支援システムの新規顧客開拓

GLTDの付帯サービスとして提供していた休業者管理業務支援システムを改良、刷新し、会社と休業中の従業員を繋ぐクラウドサービスとして商品化した休業者管理支援システム「ADVANTAGE HARMONY(アドバンテッジ ハーモニー)」の利用顧客拡大が重要な課題と考えております。

 

<リスクファイナンシング事業>

当該事業は、成熟したマーケットを対象としております。また、当事業では職域等のチャネルを通じて主に個人に対してサービス提供も行っており、適切な募集体制の構築に取り組むことや提供するサービス及びオペレーション体制を適宜見直すこと等により、効率的な業務運営を行うことが重要な課題と考えております。

 

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

目標とする経営指標

当社グループでは、各事業において提供している各種サービスを多くの方に提供し、かつ、長期にわたって提供することを基本方針とし、事業規模の拡大と収益性の向上が当面の間重要な課題と認識しております。従いまして、連結売上高及び連結売上高経常利益率を重要な経営指標として位置付け、当該指標の向上に努めたいと考えております。

直近の状況を示すと、次の通りであります。

回次

第22期

第23期

第24期

第25期

第26期

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

連結売上高(百万円)

5,263

5,452

5,792

6,405

6,998

経常利益(百万円)

954

730

362

534

737

連結売上高経常利益率(%)

18.1

13.4

6.3

8.3

10.5

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループにとってのサステナビリティとは、「従業員のウェルビーイング実現に取り組む企業への総合的な支援」を事業として推進することにより、多様な社会課題の解決に貢献することであり、当社グループの持続的な成長が、顧客企業の企業価値向上や、社会全体の持続的な発展につながる世界を目指しています。

 当社事業においては、人的資本が様々な資本の価値創造の源泉であることから、従業員のウェルビーイング向上や健康経営の更なる推進、多様な人材がエンゲージメント高く活躍できる環境整備等、人的資本に関する継続的な投資を通じて、サステナビリティを実践して参ります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、株主・投資家の皆様をはじめ、顧客、取引先、従業員、地域社会等の各ステークホルダーと健全かつ良好な関係を築き、長期安定的な成長を遂げることが、企業価値の最大化につながると考えており、その実現に向け、透明性と客観性の高いコーポレート・ガバナンス体制を構築、運営することを、経営の最重要課題の一つとして位置付けております。

 当社グループにおける企業統治体制の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載するとおりですが、長期的な社会・環境の変化に伴うサステナビリティに関する課題についても、原則月1回開催される取締役会のほか、臨時取締役会や、取締役及び業務執行責任者が出席する経営会議の中で適宜協議するなど、対応策の検討・推進を行っております。

 

(2)戦略

 当社グループは「企業の元気を創り出す」をビジョンに掲げ、当社グループ自身もビジョンの体現を目指して事業運営しています。多様な従業員が当社に集い、それぞれの強みを生かしてエンゲージメントおよび生産性高くビジョンに挑み、イノベーションを起こして世の中を変えること、その達成感を全員で味わい、事業も成長すること、そのようなスパイラルの持続を目指しています。

 その実現のために「人材こそが最も重要な経営資源」と捉え、サステナビリティの実践に向けて、従業員の成長と活躍の基盤となる環境整備に積極的に投資しております。

 

<人材育成方針>

 当社グループでは従業員の行動指針として「The Advantage Way」を掲げております。このThe Advantage Wayを体現する人材の採用・育成・活躍を目指しており、人材育成においても、多様な従業員一人ひとりが自律してイニシアチブを発揮し、思う存分チャレンジできるよう、様々な機会を提供するとともに、従業員自らが主体的に選択できる環境整備に努めています。

 特に、セルフプロデュース(多様な従業員がそれぞれ自分のありたい姿を描き、実現するためのアクションを自分から起こすこと)の支援に力を入れており、従業員がキャリア形成のために、自律的に必要なスキルの研鑽や新しいミッションに積極的にチャレンジすることを大いに奨励しています。

 

 2023年度は、従業員のさらなる成長と活力を引き出すために「FUN↑WORK!」という取り組みを推進し、従業員のセルフプロデュース支援の強化とともに、働き方の選択肢を増やし、コミュニケーションを活性化しました。

 

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<社内環境整備方針>

 当社グループは、従業員のウェルビーイング向上、および生産性向上のための社内環境整備を目的に、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)、および健康経営に力を入れております。

 

■ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)

 多様な強みを融合して創造性を高めることは、The Advantage Wayに掲げる「新規市場の創造と既存市場の革新」の源泉にもなるととらえ、これまでも、全従業員が活躍できるよう、育児や介護・疾病等と仕事を両立しやすい制度や体制を整備し、属性や雇用形態にかかわらず公平に機会を提供するなど、フェアネスな事業運営に努めてまいりました。

 2023年度は、2022年10月に掲げた「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進宣言」に基づき、従業員の家族やお客様、お取引先様等も含めたDE&I活動を継続的に推進してまいりました。

 具体的な活動としては①女性活躍推進、②LGBTQ+対応、③多様性の向上、④ライフイベントや治療と仕事の両立のための施策を実行しています。

 

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■健康経営

 当社グループは、2017年の健康経営宣言以降、健康経営銘柄選定を一つのベンチマークとして、その取り組みを推進してまいりました。エンゲージメント、ストレス、健診結果、生活習慣データ、プレゼンティーイズムなど、社内のあらゆる人事データを分析し、自社商材を活用した施策の推進、健康経営度調査のフィードバックシートをもとにした改善策の実施など、PDCAサイクルを回し続けたことが評価され、2024年3月、経済産業省と東京証券取引所が共同で実施する「健康経営銘柄2024」に選定されました。初選定から3年連続の「健康経営銘柄」となります。また、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」においては7年連続となる『ホワイト500』の認定を受けました。

 当社グループでは、健康経営推進の目的と体制図を定めております。詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、「リスク管理規程」及び「リスク管理マニュアル」においてリスクの管理体制及び報告のプロセス等を定め、サステナビリティに係るリスクも含めた当社が抱える各種リスクを統合的・組織的に管理する体制を整備しております。具体的には、「リスク管理委員会」(当期は2回開催)にて決定する年度活動計画に基づき、リスクマネジメントタスクフォースが全社的な視点からリスクの管理と評価を行い、リスク管理に関する重大な問題を認識した場合には、速やかに代表取締役社長に報告するとともに、遅滞なく取締役会にその旨を報告するものとし、リスク管理の状況について各事業年度に1回、取締役会に報告しております。

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材育成方針及び社内環境整備方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次の通りです。

指標

目標

実績

 

平均値

(注)

2021年度

2022年度

2023年度

 

女性管理職比率(課長級以上)

2025年3月末迄50%以上

40.3%

43.4%

45.1%

 

12.7%

女性管理職比率(部長級以上)

2025年3月末迄30%以上

25.0%

26.2%

28.2%

 

男性育休取得率

80%以上

80.0%

71.4.%

66.7%

 

17.1%

男女の賃金の差異(全労働者)

80%以上

73.7%

75.7%

73.8%

 

74.8%

        (正規雇用労働者)

80%以上

74.6%

77.0%

75.6%

 

77.5%

        (パート・有期労働者)

60%以上

67.9%

60.1%

51.9%

 

ワークエンゲージメント(偏差値)

56以上

53.7

54.6

54.3

 

50.2

エンプロイーエンゲージメント(偏差値)

52以上

47.3

49.3

49.9

 

47.4

ダイバーシティへの対応(偏差値)

55以上

53.6

55.4

56.1

 

48.0

キャリアへの配慮(偏差値)

55以上

52.7

55.8

56.7

 

51.7

LGBTQ+研修参加率

80%以上

90.7%

84.3%

 

セルフプロデュース支援施策参加率

60%以上

61.2%

60.0%

 

プレゼンティーイズムによる生産性損失割合

29%以下

33.6%

33.0%

33.5%

 

35.5%

アブセンティーイズム(休職率)

1%未満

0.82%

0.95%

1.17%

 

健康診断有所見者割合

40%以下

45.2%

42.0%

44.3%

 

 (注)1.女性管理職比率、男性育休取得率の平均値は、厚生労働省 令和4年度「雇用均等基本調査」データを利用しています。

2.男女の賃金の差異の平均値は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を基に、内閣府男女共同参画室がホームページで公開している令和5年度のデータを利用しています。なお、全労働者の平均値は、一般労働者(常用労働者の内、短時間勤務者を除いた数値)のデータを引用しています。

3.その他平均値は、当社商材「アドバンテッジ タフネス」(ストレスチェック、エンゲージメント調査)導入企業平均値を利用しています。

 

3【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財政状態及び株価等、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

当社グループはこれらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社グループの株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は、当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、ご留意ください。

 

(1)事業に関するリスクについて

① 個人情報の取扱いについて

当社グループが行っている事業においては、ストレスチェック結果やカウンセリング情報といった、個人情報の中でも要配慮個人情報を多く扱っております。万一、要配慮個人情報を含む個人情報について、「個人情報の保護に関する法律」に抵触する取扱いを行った場合、または、人為的、機械的その他何らかの理由により個人情報の漏洩が発生し、当社グループが適切な対応をとれない場合、事業に影響を与える可能性があります。その程度については、当該事象の事案の内容により様々であると認識しております。なお、当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、社内体制の構築とともに、顧問弁護士等との連携により個人情報保護法の遵守に努めております。また、2017年9月にJIS Q 15001個人情報マネジメントシステムに加えISO/IEC27001情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得し、情報セキュリティ対策強化を図っております。

 

② 法的規制について

1)メンタリティマネジメント事業について

当社グループが販売しているストレスチェック義務化対応商品は、労働安全衛生法の定める内容に適合している必要があります。新規に開発したストレスチェック義務化対応商品が労働安全衛生法の定める内容に適合していない場合、または労働安全衛生法の改正により既存のストレスチェック義務化対応商品が労働安全衛生法の定める内容に適合しなくなった場合、事業に影響を与える可能性があります。その影響の程度及び顕在化の可能性については、当社で軽減または排除できる性質のものではないことから、確定的な予測を行うことは困難であると認識しております。なお、当社グループとしては、現状において直接的に関係当局の監督等による規制は認識しておらず、当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、顧問弁護士及び担当部署による商品内容のチェックに努めております。また、今後当該事業に影響する何らかの規制を認識した場合には、適宜適切な対応を行っていく予定です。

2)就業障がい者支援事業及びリスクファイナンシング事業について

就業障がい者支援事業におけるGLTD販売及びリスクファイナンシング事業は、保険業法及びその関連法令並びにそれに基づく関係当局の監督等による規制、さらには社団法人生命保険協会及び社団法人日本損害保険協会による自主規制を受けた保険会社の指導等を受けて事業を運営しております。また、保険募集に際しては、上記「保険業法」のほか、「金融商品取引法」、「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」、「消費者契約法」、「不当景品類及び不当表示防止法」等の関係法令を遵守する必要があります。

しかしながら、保険契約者、関係当局その他の第三者から、当社グループの行為について、法令違反等の指摘を受ける可能性を完全に否定することはできず、関係当局等により法令違反と判断された場合は、登録取り消し等の罰則の適用を受ける可能性があります。その場合、当社グループの事業及び事業の継続性自体が重大な影響を受ける可能性があります。また、これらの法令や規制、制度等が変更された場合には当社グループの事業及び経営成績等に影響を与える可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、当社グループは、社内にコンプライアンス専任者を設置するとともに、各部にコンプライアンス担当者を設置し、これらの法令遵守に努めております。

そのほか、保険会社に対する関係当局の監督等により保険会社自身が行政処分を受けた場合、処分内容(商品の販売停止等)が保険会社だけでなく、行政処分を受けた保険会社の代理店全般に及ぶ場合があります。保険会社に対する処分内容によっては当社グループの事業及び経営成績等に影響を与える可能性があります。当社グループでは複数の損害保険会社及び生命保険会社と代理店契約を結び、継続的にサービス提供が可能な体制を構築しております。

 

③ システム障害について

当社グループの各事業は、サービス提供にあたり積極的にシステムを活用しております。そのため、地震や水害等の自然災害、火災・電力供給の停止等の事故あるいはコンピュータウイルス等の外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入等により、ネットワークの切断、機器の作動不能や誤作動等の事態が生じた場合に、当社グループの事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は皆無ではないものの、その蓋然性は低いものと認識しております。当該リスクへの対応については、耐障害性を高めるためのシステム投資を今後も継続的に行うとともに、外部の専門サービスを積極的に活用していく予定です。

 

④ 提携先及び業務委託先との関係並びに代理店契約について

1)メンタリティマネジメント事業について

アドバンテッジEAPについては、当該サービスの提供を東京海上日動メディカルサービス株式会社と共同で行っておりますが、仮に同社との運用体制の見直し等が発生した場合には、当社グループの事業及び経営成績等に影響を与える可能性があります。しかしながら、その影響は限定的であると判断しており、また、当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、同社との良好な関係維持に努めております。

また、WEB上で提供している各種サービスについては、システムの開発及び運用業務をシステム会社に委託しておりますが、システム会社が業務を円滑に遂行できない状況に陥った場合には、当社グループの事業及び経営成績等に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応については、委託先の分散、及び委託先に過度に依存しない社内体制の構築に努めております。

なお、その他のサービスについても、業務委託契約に基づき他社のサービスを利用しているものもございますが、仮に当該業務委託契約の見直し等が発生した場合には、当社グループの事業及び経営成績等に影響を与える可能性があります。しかしながら、その影響は限定的であると判断しており、また、当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、委託先との良好な関係維持に努めております。

2)就業障がい者支援事業について

GLTD販売については、当社グループは損害保険会社からの代理店手数料収入という形で収益を確保することにより、顧客に対し安定的なサービス提供を図っております。しかしながら、万一取引保険会社の財政状態が悪化し、当該保険会社が破綻した場合、当社グループの事業及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

3)リスクファイナンシング事業について

当社グループでは複数の損害保険会社及び生命保険会社と代理店契約を結ぶことで、顧客に対し安定的なサービス提供を図っております。しかしながら、取引保険会社の財政状態が悪化し、当該保険会社が破綻した場合、当該保険会社に係る当社グループの保有保険契約が失効・解約されること等により、当社グループの事業及び経営成績等に影響を与える可能性があります。また、当該事業においては、アフラック生命保険株式会社の売上が大きな比重を占めております。今後、上記理由等により当該保険会社に係る当社グループの保有保険契約が継続されない場合、当社グループの事業及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 競合について

1)メンタリティマネジメント事業について

メンタリティマネジメント事業は、今後も成長性が見込まれており、新規参入企業が増加しております。将来において、競合他社が画期的な商品やサービスを開発することにより、当社グループの優位性が失われた場合には、当社グループの事業及び経営成績等に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応について、当社グループでは、常に市場や顧客ニーズに対応した商品開発を行い、サービスレベルや専門性の向上に努め、トップシェア企業としての優位性を確保し続けてまいります。

2)就業障がい者支援事業について

当社グループは、GLTD販売を中心に就業障がい者支援事業を展開しておりますが、保険代理店業界においては、競争が激しく集約化と淘汰が急速に進んでおります。競合他社の専門性の高まりや提携関係の見直し等の結果、当社の優位性が失われた場合には、当社グループの事業及び経営成績等に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応について、当社グループは、GLTDの周辺領域での新サービス提供等による差別化を図り、かつ、マーケットを保有する保険会社や事業会社と提携することにより、競争優位性を確保しております。

3)リスクファイナンシング事業について

リスクファイナンシング事業では、保険代理店間の競争が激しく集約化と淘汰が急速に進んでおります。当該集約化等がなされることにより、当社グループの事業に影響を与える可能性があります。

 

(2)当社の組織体制について

① 代表取締役社長への依存について

当社グループの創業者であり代表取締役社長である鳥越慎二は、当社グループの経営方針や戦略の決定を始め、取引先との交流等に重要な役割を果たしております。しかしながら、何らかの要因により鳥越慎二が意思決定または業務執行することが出来ない事態が生じた場合には、当社グループの事業及び経営成績、その後の事業展開等に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応について、当社グループは、業容の拡大に伴い外部から高い能力の人材を確保するとともに、内部昇進や権限委譲により、鳥越慎二に過度に依存しない経営体制の構築を進めております。

 

② 人材の確保について

当社グループが今後成長していくためには、法人顧客へ適切な提案を行う営業担当者、業務効率改善を進めることができる事務担当者、各事業の専門分野に精通した専門家等、事業拡大のために人材の確保が必要不可欠と考えております。当社グループが求める人材が十分に確保できなかった場合、あるいは現在在職している人材が流出するような場合には、当社グループの事業及び経営成績、その後の事業展開等に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応について、当社グループは現在、中途採用を中心に新卒採用も含めて採用活動を通年にわたって展開し、人事制度や就業環境の整備等を通じて優秀な人材の確保に努めるとともに、階層別に体系化した各種研修制度を導入することにより人材の育成に取り組んでおります。

 

(3)その他のリスクについて

① M&A、資本業務提携、CVC投資について

当社グループは、事業規模の拡大や営業基盤の強化による収益性及び競争力の向上を図るため、当社グループの事業内容と関連性があり、事業シナジーを見込める企業を対象としたM&A、資本業務提携、CVC投資を実施しております。当社グループといたしましては、今後もこうした活動を積極的に行う予定ですが、譲受対価によっては償却費用が増加し、あるいは提携・出資先企業の業績によっては評価損を計上する等の状況となり、結果として当社の業績の変動を大きくする可能性があります。また、M&Aにおいては、のれん計上後の事業環境の変動により、のれんの超過収益力が著しく低下した場合には、減損損失が発生し当社グループの事業及び経営成績等に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応について、当社グループでは、投資委員会において案件の妥当性及び合理性等を慎重に審議して投資を決定し、投資後の事業計画の進捗についても必要に応じて取締役会において報告を行い、投資案件を適切に管理する体制を整備しております。

 

② ソフトウェア投資について

 当社グループは、新しい商品及びサービスの開発を事業展開の重要課題に掲げており、競合他社との差別化を図り、市場競争力を強化するためのソフトウェア投資を実施しております。当社グループといたしましては、今後もこうした投資を積極的に行う予定ですが、開発スケジュールの遅延、開発コストの増加、収益計画の下振れ等の要因により、投資回収が当初計画どおりに進展しない見込みとなった場合には、減損損失が発生し当社グループの事業及び経営成績等に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応について、当社グループでは、投資委員会において案件の妥当性及び合理性等を慎重に審議して投資を決定し、投資後の事業計画の進捗についても必要に応じて取締役会において報告を行い、投資案件を適切に管理する体制を整備しております。

 

③ 事業の売却等について

当社グループは、キャッシュ・フロー及び財務基盤の強化や事業の経営資源の集中等を図るため、事業の売却や保有契約の売却等を実施してきております。今後もこうした事業の売却等を当社の置かれている経営環境に応じて実施していくものと考えておりますが、当該事業の売却等による事業構造の変化等により、その後の事業展開等に影響を与える可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応について、当社グループでは、事業の売却等の実施前に、発生しうる損益インパクトやその他の事業に与える影響、様々なリスク等を考慮した上で、実施いたします。

 

④ 知的財産権について

当社グループは、知的財産権が重要な経営資源の一つであるという認識のもと、開発した商品及び技術を特許権等の知的財産権により保護するとともに、当社商品が第三者の知的財産権を侵害しないよう努めております。

当社グループは、これまで第三者により知的財産権の侵害に関する指摘等を受けた事実はありませんが、当社グループの認識していない知的財産権が既に成立している可能性または新たに第三者の知的財産権が成立する可能性があり、当該侵害のリスクを完全に排除することは極めて困難であります。当社グループが提供する商品またはサービスに対して、第三者から知的財産権を侵害することによる損害賠償請求、使用差止請求、あるいは使用料請求等を受けた場合には、当社グループの事業及び経営成績、その後の事業展開等に影響を与える可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えておりますが、当社グループでは、様々なリスクを想定した商標権の調査体制強化等の施策を講じることにより当該リスクの低減に努めております。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが第5類へ移行されたことに伴い経済社会活動の正常化が進展し、雇用・所得環境が改善する中、インバウンド消費や個人消費の持ち直しのほか、各種政策の効果もあり、景気は回復基調で推移いたしました。一方で、国際情勢不安、円安傾向、物価上昇などが続いており、先行きは不透明な状況となっております。

このような経済環境の下、当社は、2021年5月に策定した「中期経営計画2023」(2021年度~2023年度)の実現に向けた取り組みを推進いたしました。「中期経営計画2023」につきましては、“ウェルビーイング領域におけるNo.1プラットフォーマーへ”を骨子とし、従来の事業ドメインを内包するウェルビーイング関連領域(*)において実効性のある課題解決策をSaaSにて展開し、既存事業の深掘りとドメイン拡大を進めることにより、同領域におけるソリューション提供のリーディングカンパニーを目指すことを基本方針としております。具体的には、(1) DXプラットフォームの展開、(2) BtoBtoE領域への進出、(3) 資本提携・オープンイノベーションの加速、(4) 人材育成強化・健康経営推進、(5) ITケイパビリティの強化を重点テーマとして各種施策を実施し、顧客企業の生産性向上を通じた「企業価値の向上」と「従業員の元気」の実現を経営ビジョンとした事業活動を展開いたします。

当連結会計年度におきましては、「中期経営計画2023」のコア商品である「アドバンテッジ ウェルビーイング DXP」(**)を軸に顧客企業への複数サービス提供の総合提案営業を引き続き推進し、ウェルビーイング関連の事業領域の拡大に取り組みました。また、ストレスチェックサービスを主力事業として展開するここむ株式会社(第1四半期連結会計期間より連結子会社化)およびOKR(Objective & Key Results)という目標管理手法を活用した組織・個人のアラインメント強化ツールResily(リシリー)をクラウドで提供するResily株式会社(第2四半期連結会計期間より連結子会社化)との連携を図り、顧客基盤の拡大とエンゲージメント領域のソリューション強化など新たな事業機会を創出いたしました。

 

(*)当社事業における心身の健康、従業員の成長、リスクの予防と発生時の支援、

   両立支援、福利厚生、余暇支援、会社との一体感醸成等の業務領域

(**)ストレスチェック義務化対応プログラム「アドバンテッジ タフネス」による調査結果や健康診断結果

    など心身の健康データや、勤怠・休業等の人事労務情報を集約し、ダッシュボードでの見える化、

    データ分析、課題抽出、効果的なソリューションの提案を行うデータマネジメントプラットフォーム

 

当連結会計年度の売上高につきましては、新規サービスの提供先拡大に遅れがあるもののメンタリティマネジメント事業及び就業障がい者支援事業が堅調に推移し、増収となりました。費用面につきましては、成長戦略に基づくシステム投資に伴うソフトウェア償却費、子会社取得に伴う人件費などの負担は増加いたしましたがコスト抑制に努め、売上高が伸長したことにより増益となりました。

その結果、当連結会計年度の売上高は6,998百万円(前期比9.3%増)、営業利益は725百万円(前期比31.2%増)、経常利益は737百万円(前期比37.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は505百万円(前期比33.9%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は以下の通りです。

 

(メンタリティマネジメント事業)

当事業におきましては、ストレスチェックやエンゲージメントサーベイを起点に組織改善までを担うワンストップサービス「アドバンテッジ タフネス」の新規顧客の獲得に注力いたしました。また、人事経営課題解決型プラットフォーム「アドバンテッジ ウェルビーイング DXP」、ならびに組織改善のPDCAを加速するパルスサーベイシステム「アドバンテッジpdCa(ピディカ)」の導入を推進いたしました。

当連結会計年度の売上高につきましては、「アドバンテッジ タフネス」の新規契約の獲得が好調に推移し、ストック収益は順調に拡大いたしました。また、企業の組織活性化ニーズの高まりもあり組織開発コンサルティングサービスの売上が伸長、健康経営推進に対応する健康経営支援サービスの売上や「健診管理システム」の新規導入が順調に推移いたしました。一方で、採用適性検査「アドバンテッジ インサイト」・EQ(感情マネジメント力)向上研修関連サービスの売上が軟調となりました。費用面につきましては、「アドバンテッジ タフネス」など既存サービスの改良や中期経営計画実現に向けた「アドバンテッジ ウェルビーイングDXP」の開発など、これまでのシステム投資によるソフトウェア償却費の増加や新たに連結子会社となったここむ株式会社およびResily株式会社の人件費やのれん償却費の発生など経費負担が増加したため減益となりました。

これらの結果、メンタリティマネジメント事業の売上高は5,081百万円(前期比8.4%増)、セグメント利益は693百万円(前期比3.4%減)となりました。

 

(就業障がい者支援事業)

当事業におきましては、引き続き、新たな連携先との関係構築及び既存連携先との関係深化によるGLTD(Group Long Term Disability:団体長期障害所得補償保険)の新規顧客開拓に取り組みました。また、会社と傷病休のほか産休・育休・介護休業等により休業中の従業員を繋ぎ、人事部門の負担とリスクの軽減と休業者の復職や仕事の両立をサポートする休業者管理支援クラウドサービス「ADVANTAGE HARMONY(アドバンテッジハーモニー)」の営業活動を推進いたしました。

当連結会計年度の売上高につきましては、GLTD販売が堅調に推移いたしました。「ADVANTAGE HARMONY(アドバンテッジハーモニー)」は新規契約が増加したものの導入時期の後ろ倒しもあり、計画を下回る推移となりました。費用面につきましては、システム投資によるソフトウェア償却費が増加いたしましたが、売上高が伸長したことにより増益となりました。

これらの結果、就業障がい者支援事業の売上高は1,581百万円(前期比15.0%増)、セグメント利益は468百万円(前期比70.7%増)となりました。

 

(リスクファイナンシング事業)

主に企業等に勤務する個人を対象として保険商品を販売している当事業におきましては、当連結会計年度の売上高は契約者の高齢化により保険募集がやや低迷で減収も概ね計画通りとなりました。費用面につきましては、効率的なオペレーション業務体制の維持によりコスト抑制に努めましたがシステム関連の費用が増加いたしました。

これらの結果、リスクファイナンシング事業の売上高は335百万円(前期比1.7%減)、セグメント利益は257百万円(前期比7.0%減)となりました。

 

なお、財政状態については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態の分析」をご参照ください。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末より161百万円増加し、1,422百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は1,292百万円(前期比38.7%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が739百万円、減価償却費が657百万円となったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は948百万円(前期比332.2%増)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出が868百万円になったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は182百万円(前期比7.6%増)となりました。これは配当金の支払が169百万円生じたことによるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

 前期比(%)

メンタリティマネジメント事業(千円)

5,081,659

+8.4

就業障がい者支援事業(千円)

1,581,367

+15.0

リスクファイナンシング事業(千円)

335,574

△1.7

合計(千円)

6,998,601

+9.3

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

東京海上日動火災保険株式会社

683,323

10.7

743,706

10.6

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末より584百万円増加し、6,545百万円となりました。流動資産は219百万円増加し、2,855百万円となりました。これは主に、現金及び預金が161百万円増加したことによるものです。固定資産は364百万円増加し、3,689百万円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得により発生したのれん及び事業用システム投資に伴い無形固定資産が増加したことによるものです。

当連結会計年度末の負債は前連結会計年度末より243百万円増加し、2,564百万円となりました。流動負債は82百万円増加し、2,209百万円となりました。これは主に、未払金が減少した一方でその他の流動負債が増加したことによるものです。固定負債は161百万円増加し、355百万円となりました。これは主に、取得した連結子会社の長期借入金によるものです。

当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末より340百万円増加し、3,980百万円となりました。これは主に、配当金の支払いがあった一方で当連結会計年度の経営成績により利益剰余金が増加したことによるものです。

なお、保険会社に帰属する保険料で当社の口座に残高のあるものについては、保険代理店勘定及び保険料預り金として対照勘定処理を行っております。これらを除いた場合の自己資本比率は61.9%となります。

 

② 経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は、前期比9.3%増の6,998百万円となりました。メンタリティマネジメント事業の売上高は、「アドバンテッジ タフネス」や「健診管理システム」の新規契約獲得が好調に推移するなど売上高が伸長し、前期比8.4%の増収となりました。就業障がい者支援事業につきましては、GLTD(Group Long Term Disability:団体長期障害所得補償保険)の販売が堅調に推移したことに加え、「ADVANTAGE HARMONY(アドバンテッジハーモニー)」の新規契約が増加したことにより前期比15.0%の増収となりました。リスクファイナンシング事業につきましては、前期比1.7%の減収となりました。

当連結会計年度の売上原価は前期比14.1%増の2,065百万円、販売費及び一般管理費は前期比4.1%増の4,207百万円となりました。これは成長戦略に基づくシステム投資によるソフトウエア償却費の増加、従業員の賃金見直しや子会社取得に伴う人件費の増加などによるものです。

当連結会計年度の営業利益は、前期比31.2%増の725百万円となりました。

当連結会計年度の経常利益は、前期比37.9%増の737百万円となりました。

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比33.9%増の505百万円となりました。

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益(739百万円)及び減価償却費(657百万円)の計上に対して、法人税等の支払(201百万円)等があり、1,292百万円の資金の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出(868百万円)を主な要因として948百万円の資金の使用となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払(169百万円)があり、182百万円の資金の使用となりました。

この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は前連結会計年度末から161百万円増加し、1,422百万円となりました。

当社グループの資金の流れは、数ヶ月間の営業活動を実施の後、サービス提供に応じた売上が計上され、役務提供の開始後約1ヶ月後に現金が振り込まれる、という構造をとる事業が大半であり、資金の収支に関するタイムラグはあまり大きくはありません。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)メンタリティマネジメント事業

 東京海上日動メディカルサービス株式会社との契約が該当します。

相手方

東京海上日動メディカルサービス株式会社

契約書名

共同事業に関する業務提携契約書

契約締結日

2002年4月1日

契約期間

契約締結日より1年間。但し、1ヶ月前までに当事者双方のいずれからも異議の申し立てのない場合は、1年ごとに自動的に更新される。

主な契約内容

メンタルヘルスケアに関わるサービスを共同開発、運営することに関する契約

 

(2)就業障がい者支援事業

 損害保険会社との代理店委託契約が該当します。一般的に、保険代理店委託契約は品目別に委託契約を締結するという内容ではなく、代理店契約を締結することによって契約相手である保険会社が許認可を受け、販売している商品を原則扱うことが出来るという内容となっております。当社グループが保険代理店として代理店委託契約を締結している損害保険会社については、以下のとおりとなっております。

 

(3)リスクファイナンシング事業

 生命保険会社及び損害保険会社との代理店委託契約が該当します。一般的に、保険代理店委託契約は品目別に委託契約を締結するという内容ではなく、代理店契約を締結することによって契約相手である保険会社が許認可を受け、販売している商品を原則扱うことが出来るという内容となっております。当社グループが保険代理店として代理店委託契約を締結している生命保険会社及び損害保険会社は、以下のとおりとなっております。

 

代理店委託契約状況

① 損害保険会社との代理店契約(11社)

 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

 アメリカンホーム医療・損害保険株式会社

 AIG損害保険株式会社

 キャピタル損害保険株式会社

 共栄火災海上保険株式会社

 損害保険ジャパン株式会社

 Chubb損害保険株式会社

 東京海上日動火災保険株式会社

 三井住友海上火災保険株式会社

 明治安田損害保険株式会社

 ユーラーヘルメス信用保険会社

 

② 生命保険会社との代理店契約(9社)

 アフラック生命保険株式会社

 オリックス生命保険株式会社

 SOMPOひまわり生命保険株式会社

 第一生命保険株式会社

 東京海上日動あんしん生命保険株式会社

 日本生命保険相互会社

 はなさく生命保険株式会社

 三井住友海上あいおい生命保険株式会社

 メットライフ生命保険株式会社

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。