【連結財務諸表注記】
1.報告企業
東レ株式会社(以下「当社」という。)は日本に所在する株式会社であり、登記上の本社の住所は東京都中央区です。当連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表は、当社及び子会社(以下「当社グループ」という。)並びにその関連会社及び共同支配の取決めに対する持分により構成されております。当社グループの最終的な親会社は当社です。
当社グループは「繊維事業」、「機能化成品事業」、「炭素繊維複合材料事業」、「環境・エンジニアリング事業」及び「ライフサイエンス事業」を主な事業としております(「6.セグメント情報」参照)。
2.作成の基礎
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。
当社グループの連結財務諸表は、2024年6月25日に、代表取締役社長 大矢光雄によって承認されております。
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円(百万円単位、単位未満四捨五入)で表示しております。
3.重要性がある会計方針
当社グループの連結財務諸表は、統一された会計方針に基づき作成しております。
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。通常、当社グループが議決権の過半数を保有する場合に、その企業を支配していると判断しております。ただし、議決権の過半数を保有していない場合でも、契約上の取決め等から当社グループが実質的に支配していると判断した企業は子会社に含めております。子会社の決算日が当社の決算日と異なる場合、当社の決算日に仮決算を行っております。
関連会社とは、当社グループがその財務及び営業の方針に関する意思決定に対して、重要な影響力を有するものの、支配又は共同支配をしていない企業をいいます。通常、当社グループが議決権の20%から50%を保有する場合に、重要な影響力があると推定しております。ただし、保有する議決権が20%未満であっても、取締役会への参加等により重要な影響力を有すると判断する企業は関連会社に含めております。
共同支配企業とは、複数の当事者が共同支配を有する取決めのうち、その当事者が当該取決めの純資産に対する権利を有している場合の取決めをいいます。
関連会社及び共同支配企業に対する投資は、持分法で会計処理しております。当該投資が減損している客観的な証拠がある場合は、投資全体の帳簿価額を単一の資産として減損テストを実施しております。
一部の関連会社及び共同支配企業では、持分法の適用に際して用いる財務諸表の決算日が当社の決算日と異なります。当該関連会社及び共同支配企業の決算日は主に12月末日であり、当社の決算日との間に生じた重要な取引又は事象の影響については調整を行っております。
企業結合は、取得法を用いて会計処理しております。
被取得企業に対する非支配持分は、被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する非支配持分割合相当額で測定しております。
外貨建取引は、取引日の為替レート又はそれに近似するレートにより機能通貨に換算しております。期末日における外貨建の貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しております。
換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識し、金融収益及び金融費用に含めております。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。
在外営業活動体の資産及び負債は期末日の為替レートを用いて日本円に換算しております。また、収益及び費用は為替レートが著しく変動している場合を除き、期中平均レートを用いて日本円に換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。当該換算差額はその他の資本の構成要素に累積し、関連する在外営業活動体の処分時に純損益に振り替えております。
当社グループの主要な金融資産は、資本性金融資産やデリバティブを除き、契約上のキャッシュ・フローを回収するために保有され、かつ元本及び利息の支払のみが所定の日に生じるものであるため、償却原価で測定する金融資産に分類しております。当該金融資産は、取引価格等で当初測定し、実効金利法による償却原価で事後測定しております。
② その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
取引先との取引関係強化、事業拡大等を目的として保有する株式などの資本性金融資産は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産と指定し、当該指定を継続的に適用しております。当該金融資産は取引日に、公正価値に取引コストを加算した金額で当初測定し、当初認識後の公正価値の変動額はその他の包括利益として認識しております。変動額の累積額はその他の資本の構成要素に含めており、売却時に利益剰余金に振り替えております。当該金融資産からの配当金は純損益として認識し、金融収益に含めております。
償却原価で測定する金融資産等の損失評価引当金は、信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には12か月の予想信用損失と同額で測定し、信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には全期間の予想信用損失と同額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権等の損失評価引当金は、常に全期間の予想信用損失と同額で測定しております。信用リスクの著しい増加の有無は、主に支払の遅延状況や信用格付け等の情報に基づき判断しております。また、主に支払の大幅な遅延や債務者の重大な財政的困難が生じた場合に、信用減損していると判断しております。
デリバティブを除く当社グループの金融負債は、主として償却原価で測定する金融負債に分類し、公正価値から取引コストを控除した金額で当初測定しております。当初認識後は実効金利法による償却原価で事後測定し、実効金利法による償却及び認識を中止した場合の利得又は損失は、純損益として認識しております。
当社グループは、為替リスク及び金利リスクをヘッジするために、為替予約及び通貨スワップなどのデリバティブ取引を行っております。ヘッジ会計の適格要件を満たすヘッジ関係は、これらのデリバティブをヘッジ手段とするキャッシュ・フロー・ヘッジとして会計処理しており、ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効なヘッジと判断される部分をその他の包括利益として認識しております。当該有効部分はその他の資本の構成要素に累積し、ヘッジ対象が純損益に影響を与えるのと同じ期間に組替調整額として純損益に振り替えております。ただし、予定取引のヘッジがその後において非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、当該資産又は負債の当初の帳簿価額の修正として処理しております。
現金同等物は、主として預入日から3か月以内に満期の到来する定期預金からなっています。
棚卸資産は、原価と正味実現可能価額とのいずれか低い額で測定しております。原価は、主として移動平均法に基づき算定しております。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する原価の見積額及び販売に要する費用の見積額を控除して算定しております。
有形固定資産の測定には原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
土地及び建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、主として定額法で計上しております。主要な有形固定資産の見積耐用年数は、以下のとおりです。
・建物及び構築物 3~60年
・機械装置及び運搬具 2~20年
当社グループが借手であるリースについては、リース開始日において使用権資産及びリース負債を認識しております。使用権資産は、リース負債の当初測定額に前払リース料等を加えた額で当初測定し、主としてリース期間で減価償却しております。リース負債は、リース料総額の未決済分を、主として追加借入利子率で割り引いた現在価値で当初測定しております。なお、短期リース及び少額資産のリースに関連したリース料は、リース期間にわたり主として定額法により費用として認識しております。
のれんは償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
無形資産は、主として企業結合により取得した無形資産及び個別に取得したソフトウエアからなっています。測定には原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
耐用年数を確定できる無形資産の償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり定額法で計上しております。主要な無形資産の見積耐用年数は、以下のとおりです。
・顧客関連資産 9~21年
・技術関連資産 24年
・ソフトウエア 主として5年
有形固定資産、無形資産及びのれん等の非金融資産が減損している可能性を示す兆候が報告期間の末日に存在する場合は、回収可能価額の見積りを行っております。加えて、のれんを配分した資金生成単位又は資金生成単位グループについては、減損の兆候の有無に関わらず、毎年、減損テストを実施しております。
回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値又は使用価値のいずれか高い方の金額としており、個々の資産について見積ることができない場合は、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を見積っております。資金生成単位は、原則として管理会計上の区分を基礎として識別しております。
使用価値は、資産の継続的使用及び最終的な処分から発生する将来キャッシュ・フローの割引現在価値として算定しております。割引率は、貨幣の時間価値及び対象資産に固有のリスクについて現在の市場の評価を反映した税引前の割引率としております。
資産又は資金生成単位(単位グループ)の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、減損損失を認識しております。減損損失は純損益として認識し、その他の費用に含めております。資金生成単位(単位グループ)について認識した減損損失は、まず当該単位(単位グループ)に配分したのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に各資産の帳簿価額に基づいた比例按分により他の資産に配分しております。
のれん以外の資産については、過年度に認識した減損損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が存在する場合は回収可能価額の見積りを行い、回収可能価額が帳簿価額を上回る場合に減損損失の戻入れを行っております。
引当金は、過去の事象の結果として現在の法的又は推定的債務を当社グループが有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に認識しております。引当金として認識した金額は、報告期間の末日における現在の債務を決済するために必要となる支出の最善の見積り額です。
当社グループは、従業員の退職給付制度として確定拠出制度及び確定給付制度を設けております。
確定拠出制度に係る掛金は、従業員が勤務を提供した時点で費用として認識しております。
確定給付制度債務の現在価値及び当期勤務費用並びに過去勤務費用は、予測単位積増方式を用いて算定しております。割引率は、優良社債の市場利回りを参照して決定しております。
確定給付負債(資産)は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した純額で認識しております。
確定給付制度債務に係る数理計算上の差異や制度資産に係る公正価値変動等は、発生した期間に確定給付制度の再測定としてその他の包括利益に認識し、直ちに利益剰余金へ振り替えております。
資本金は、日本の会社法に従って当社が資本金として計上した金額を表示しております。なお、当社の発行する株式はすべて無額面の普通株式であり、発行済株式は全額払込済みです。
資本剰余金は、資本取引から生じた金額のうち資本金に含まれない金額により構成されております。日本の会社法では株式の発行に対しての払込み又は給付に係る額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に計上することが規定されております。また、当社のストックオプション制度により発行された新株予約権の金額を資本剰余金に含めております。
利益剰余金は、当連結会計年度以前に純損益として認識されたもの及びその他の包括利益から振り替えられたものから構成されております。なお、当社における会社法上の分配可能額は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成された当社の会計帳簿上の剰余金等に基づいて算定され、IFRSに準拠した連結財務諸表への修正額は会社法上の分配可能額の算定に影響しません。
自己株式は取得原価で測定し、資本から控除しております。自己株式を処分した場合は、帳簿価額と受取対価との差額を資本剰余金に含めております。
その他の資本の構成要素は、主として資本性金融資産の公正価値の変動及び在外営業活動体の財務諸表の換算により、その他の包括利益を通じて資本に累積された金額で構成されております。
当社グループは、繊維、機能化成品、炭素繊維複合材料、環境・エンジニアリング、ライフサイエンス等の事業を展開しております。これらの製品の販売については通常、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、主として当該製品の引渡時点で収益を認識しております。また、環境・エンジニアリング事業の一部の子会社における工事契約等は、製品又は役務に対する支配が一定期間にわたり移転するため、履行義務の進捗に応じて一定期間にわたり収益を認識しております。進捗度は、原価の発生が履行義務の進捗に比例すると判断していることから、見積原価総額に対する実際原価の割合で測定しております。
収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しております。また、対価は通常、履行義務の充足から概ね1年以内に回収しており、重要な金融要素は含んでおりません。
法人所得税は、当期税金と繰延税金から構成されております。当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。繰延税金は、報告期間の末日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務基準額との一時差異、未使用の繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。
繰延税金資産は、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しており、毎期回収可能性の見直しを行っております。子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に係る将来減算一時差異については、予測可能な将来に当該一時差異が解消し、かつ当該一時差異を活用できる課税所得が稼得される可能性が高い場合にのみ繰延税金資産を認識しております。
繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識しております。ただし、子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に係る将来加算一時差異については、当該一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合には、繰延税金負債を認識しておりません。
繰延税金資産及び負債は、これらが実現又は決済される期間に適用されると予想する税率に基づいて測定しており、当社グループが見込んでいる一時差異の解消方法等から生じる税務上の影響を反映しております。
当社グループは、国際会計基準第12号「法人所得税」の第4A項の例外を適用し、第2の柱の法人所得税に係る繰延税金資産及び負債に関して認識及び情報開示を行っておりません。
4.重要な会計上の見積り及び判断
連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行う必要があります。これらの見積り及び仮定は、経営者の最善の判断に基づいておりますが、実際の結果と異なる可能性があります。
見積り及びその基礎となる仮定は、継続して見直しております。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りが変更された期間及び将来の期間において認識しております。
当社グループの連結財務諸表の金額に重要な影響を与える会計上の判断、見積り及び仮定は、主に以下のとおりです。
有形固定資産、無形資産及びのれん等の非金融資産が減損している可能性を示す兆候が報告期間の末日に存在する場合は、回収可能価額の見積りを行っております。加えて、のれんを配分した資金生成単位又は資金生成単位グループについては、減損の兆候の有無に関わらず、毎年、減損テストを実施しております。
回収可能価額の算定にあたっては、将来キャッシュ・フローや割引率等について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の経済条件や事業計画等の変化によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
関連する内容については、「11.有形固定資産」「13.のれん及び無形資産」に記載しております。
繰延税金資産は、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しており、毎期回収可能性の見直しを行っております。回収可能性の判断においては、事業計画に基づき課税所得の発生時期及び金額を見積っております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の経済条件の変化等によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
関連する内容については、「18.法人所得税」に記載しております。
確定給付負債(資産)は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した純額で認識しております。確定給付制度債務は、数理計算上の仮定に基づいて算定しており、数理計算上の仮定には、割引率、退職率、死亡率、昇給率等の見積りが含まれております。これらの数理計算上の仮定は、将来の経済環境あるいは社会情勢の変動等によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
関連する内容については、「22.従業員給付」に記載しております。
5.未適用の新基準
連結財務諸表の公表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、当連結会計年度末において当社グループが適用していない主なものは、以下のとおりです。なお、新基準の適用に伴う連結財務諸表への影響は検討中です。
6.セグメント情報
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会等において、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社は、製品の内容及び市場の類似性に基づき、「繊維事業」、「機能化成品事業」、「炭素繊維複合材料事業」、「環境・エンジニアリング事業」及び「ライフサイエンス事業」の5つを報告セグメントとしております。各報告セグメントに属する主要な製品は以下のとおりです。
各報告セグメントの会計処理の方法は、「3.重要性がある会計方針」における記載と同一です。セグメント間の売上収益は市場価格等を勘案し決定しております。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1.「その他」は分析・調査・研究等のサービス関連事業等です。
2.事業利益の調整額△23,927百万円には、セグメント間取引消去313百万円及び各報告セグメントに配分していない全社費用△24,240百万円が含まれております。全社費用は、報告セグメントに帰属しない本社研究費です。
3.資産合計の調整額△48,604百万円には、報告セグメント間の債権の相殺消去等△71,652百万円及び各報告セグメントに配分していない全社資産23,048百万円が含まれております。全社資産は、報告セグメントに帰属しない本社研究資産です。
4.資本的支出には、企業結合による資産の増加を含めておりません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1.「その他」は分析・調査・研究等のサービス関連事業等です。
2.事業利益の調整額△27,159百万円には、セグメント間取引消去△763百万円及び各報告セグメントに配分していない全社費用△26,396百万円が含まれております。全社費用は、報告セグメントに帰属しない本社研究費です。
3.資産合計の調整額△91,039百万円には、報告セグメント間の債権の相殺消去等△114,619百万円及び各報告セグメントに配分していない全社資産23,580百万円が含まれております。全社資産は、報告セグメントに帰属しない本社研究資産です。
4.資本的支出には、企業結合による資産の増加を含めておりません。
事業利益は、営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除いて算出しております。事業利益と営業利益の関係は、以下のとおりです。
(注) 1.製品保証費用には、「炭素繊維複合材料事業」において当社が過去に製造・販売した一般産業用途の一部製品のうち、不具合の可能性があるものについて、その交換、補修等のために必要な費用を計上しております。
2.営業利益と税引前当期利益の関係は、連結損益計算書に記載のとおりです。
外部顧客からの売上収益及び非流動資産の地域別内訳は、以下のとおりです。
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎として分類しております。
7.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりです。
8.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりです。
(注) 営業債権及びその他の債権は、契約資産を除き償却原価で測定する金融資産に分類しております。
9.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下のとおりです。
(注) 費用として認識した棚卸資産の評価減の金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ2,922百万円及び1,900百万円です。
10.売却目的で保有する資産
売却目的で保有する資産の内訳は、以下のとおりです。
(注) 当連結会計年度末の持分法で会計処理されていた投資は、「機能化成品事業」における共同支配企業LG Toray Hungary Battery Separator Kft. (以下「LTHS」という。)に係る投資です。LTHSの運営に関するLG Chem, Ltd. (以下「LG化学」という。)との合弁契約では、2022年6月16日のLTHS設立から2年半経過後に、当社持分50%のうち20%をLG化学に有償譲渡することで当社とLG化学の持分比率を30:70とすることを定めているため、売却予定の当社持分を売却目的保有に分類しております。当該資産は売却を見込む価格を基に売却コスト控除後の公正価値で測定しており、公正価値のヒエラルキーはレベル3に分類しております。また、関連する在外営業活動体の換算差額の累計額は当連結会計年度末において1,611百万円です。
11.有形固定資産
帳簿価額の増減、取得原価並びに減価償却累計額及び減損損失累計額は、以下のとおりです。
(注) 1.取得には、建設仮勘定から本勘定への振替が含まれております。
2.減価償却費は連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれております。
12.リース
当社グループは、オフィス、事業用地及び生産設備等を賃借しております。不動産に係る賃貸借契約をはじめとする一部のリースには、延長オプションや解約オプションが付されており、これらの延長オプションを行使すること又は解約オプションを行使しないことが合理的に確実な期間は、リース期間に含めております。リースに係る損益及びキャッシュ・アウトフロー並びに使用権資産の帳簿価額の内訳は、以下のとおりです。
使用権資産の増加額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ11,753百万円及び10,909百万円です。
リース負債の満期分析は「33.金融商品」に記載しております。
13.のれん及び無形資産
帳簿価額の増減、取得原価並びに償却累計額及び減損損失累計額は、以下のとおりです。
(注) 1.前連結会計年度及び当連結会計年度において、重要な自己創設無形資産はありません。
2.無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれております。
3.費用として認識した研究開発費は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ68,192百万円及び69,486百万円です。
連結財政状態計算書に計上されている重要な無形資産は、2018年7月に取得したTenCate Advanced Composites Holding B.V. (現在のToray Advanced Composites Holding B.V.)の顧客関連資産及び技術関連資産であり、帳簿価額は以下のとおりです。
(注) 当連結会計年度末における残存償却年数は16~19年です。
のれんを配分した資金生成単位又は資金生成単位グループについては、毎年及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。重要なのれんの帳簿価額は、以下のとおりです。
Toray Advanced Composites Holding B.V.の回収可能価額は、使用価値により測定しております。使用価値は、過去の経験と外部からの情報を反映し、経営者が承認した今後5年間の事業計画に継続価値を加味して算定しております。事業計画は、主として販売数量及び販売価格の変動の影響を受けます。継続価値は、資金生成単位が属する国の予想インフレ率に基づく成長率を用いて算定しており、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ2.0%及び2.1%です。使用価値の測定で使用した割引率は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ9.8%及び9.7%です。当連結会計年度において、回収可能価額は帳簿価額を31,711百万円上回っておりますが、仮に割引率が1.5%上昇した場合に回収可能価額と帳簿価額が等しくなります。
Zoltek Companies, Inc.ののれんについては、当連結会計年度において減損損失を認識しており、詳細は「14. 減損損失」に記載しております。
14.減損損失
減損損失を認識した主要な資産は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
滋賀県大津市の樹脂生産設備について、収益性の低下により帳簿価額をゼロまで減額しております。回収可能価額は使用価値により測定しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
アメリカ ミズーリ州ほかの炭素繊維複合材料事業(Zoltek Companies, Inc.)に係るのれん及び顧客関連資産等については、風力発電翼用途の需要低迷に伴う収益性の低下により、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。回収可能価額は、使用価値96,489百万円と測定しております。使用価値は、過去の経験と外部からの情報を反映し、経営者が承認した今後5年間の事業計画に継続価値を加味して算定しております。事業計画は、主として販売数量及び販売価格の変動の影響を受けます。継続価値は、資金生成単位が属する国の予想インフレ率に基づく成長率2.1%を用いて算定しております。使用価値の測定で使用した割引率は、10.6%です。
韓国 慶尚北道のバッテリーセパレータフィルム生産設備については、競争力の低下した設備の帳簿価額をゼロまで減額しております。回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値により測定しております。
中国 広東省の繊維生産設備については、収益性の低下により帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。回収可能価額は、使用価値3,348百万円と測定しております。
アメリカ ロードアイランド州のフィルム生産設備については、競争力の低下した設備の帳簿価額をゼロまで減額しております。回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値により測定しております。
15.持分法で会計処理されている投資
共同支配企業及び関連会社に対する投資の帳簿価額並びに当期利益、その他の包括利益及び当期包括利益に対する持分の合算情報は、以下のとおりです。
(注) 上記のほか、持分法で会計処理されている投資の減損損失(又は戻入れ)を前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ△6,937百万円及び809百万円、持分法で会計処理されている投資の処分損益を当連結会計年度において116百万円認識し、連結損益計算書の「持分法による投資利益」に含めております。
16.その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は、以下のとおりです。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の主な銘柄及び公正価値は、以下のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
当社グループは、保有資産の効率化及び取引関係の見直し等により、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の売却(認識の中止)を行っております。売却時の公正価値及び売却に係る累積利得又は損失(税引前)は、以下のとおりです。
17.その他の資産
その他の流動資産及びその他の非流動資産の内訳は、以下のとおりです。
18.法人所得税
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳及び増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除の金額(税額ベース)は以下のとおりです。
(注) 1.子会社等に対する投資に係る将来減算一時差異は含めておりません。繰延税金資産を認識していない子会社等に対する投資に係る将来減算一時差異の合計額(所得ベース)は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてそれぞれ90,634百万円及び95,099百万円です。
2.繰越期限別の金額は、以下のとおりです。
繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額(所得ベース)は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてそれぞれ105,039百万円及び144,018百万円です。これらは当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
法人所得税費用の内訳は、以下のとおりです。
法定実効税率と平均実際負担税率との差異要因は、以下のとおりです。
当社グループが事業を展開している一部の法域において第2の柱の法制が制定されており、翌連結会計年度から当社グループに適用されます。なお、一部を除く大多数の法域で第2の柱の実効税率は15%を上回る見込みであり、当社グループへの当該法制の影響は軽微であると判断しております。
19.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりです。
(注) 営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
20.社債及び借入金
社債及び借入金の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1.社債及び借入金は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
2.平均利率については、当連結会計年度末残高に対する加重平均利率を記載しております。
社債の明細は、以下のとおりです。
担保に供している資産は以下のとおりです。
担保に係る債務は以下のとおりです。
21.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、以下のとおりです。
22.従業員給付
当社及び一部の子会社は、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度、並びに確定拠出型の年金制度を設けております。
当社の確定給付企業年金制度は、法令に従い、当社と法的に分離された企業年金基金(以下「基金」という。)が運営しております。基金の理事及び年金運用受託機関は、基金のため忠実にその業務を遂行することが法令により求められており、所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っております。確定給付制度へ拠出する掛金の額については、将来にわたって年金財政の均衡を保つことができるよう定期的に財政再計算を実施して見直しを行っております。基金における制度資産の運用については、加入者に対する年金給付及び一時金給付の支払いを将来にわたり確実に行うことを目的とし、必要とされる総合収益を長期的に確保することを目指しております。また、基金の掛金等の収入と給付費等の支出の割合の中長期的な動向を十分に考慮するとともに、制度資産運用の不確実性が年金財政に与える影響、及び制度資産の収益率の不確実性が許容される程度について十分に考慮した上で、運用を行うこととしております。
連結財政状態計算書において認識した確定給付負債(資産)の純額と、確定給付制度債務及び制度資産との関係は、以下のとおりです。
確定給付制度債務の現在価値の増減は、以下のとおりです。
(注) 確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてそれぞれ7.6年及び7.1年です。
制度資産の公正価値の増減は、以下のとおりです。
(注) 翌連結会計年度における確定給付制度への予想拠出金額は、4,726百万円です。
制度資産の公正価値の種類別内訳は、以下のとおりです。
数理計算のために使用した主要な仮定は、以下のとおりです。
主要な数理計算上の仮定である割引率が変動した場合の確定給付制度債務の現在価値に与える影響は、以下のとおりです。この感応度分析は、分析の対象となる数理計算上の仮定以外のすべての数理計算上の仮定が一定であることを前提としております。
確定拠出制度に関して認識した費用の金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ22,695百万円及び22,606百万円です。
従業員給付費用の合計金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ325,664百万円及び350,635百万円であり、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の費用」に含まれております。
23.その他の負債
その他の流動負債及びその他の非流動負債の内訳は、以下のとおりです。
24.資本金及びその他の資本項目
授権株式数、発行済株式数及び自己株式数の増減は、以下のとおりです。
(注) 自己株式数には、関連会社が保有する当社株式が前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてそれぞれ821千株含まれております。
25.配当金
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
26.売上収益
売上収益は当社グループ会社の所在地に基づき地域別に分解しております。分解した売上収益と当社グループの各報告セグメントの売上収益(外部顧客からの売上収益)との関連は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債の残高は、以下のとおりです。
(注) 1.契約資産は主に環境・エンジニアリング事業の一部の子会社の工事契約において、報告期間の末日時点で一部又は全部の履行義務を充足しているものの、まだ請求していない対価に対する当社グループの権利です。これらの契約資産は工事の進捗に応じて計上し、工事の完成等に伴い請求が発生した時点で債権に振り替えております。契約負債は主に顧客からの前受金であり、契約に基づく履行義務を充足した時点で収益へ振り替えております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度に認識した収益のうち、期首時点の契約負債残高に含まれていた金額はそれぞれ19,842百万円及び22,148百万円です。
3.前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
残存履行義務に配分した取引価格及び収益の認識が見込まれる時期は、以下のとおりです。なお、実務上の便法を使用し、当初の予想契約期間が1年以内の取引を含めておりません。
(注) 顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
27.その他の収益
その他の収益の内訳は、以下のとおりです。
(注) 前連結会計年度において、当社100%子会社であるハンガリーのバッテリーセパレータフィルム製造・販売会社Toray Industries Hungary Kft. (以下「THU」という。)に対してLG化学が新たに375百万ドルの出資を行い、THUを存続会社とした、持分比率50:50の合弁会社LTHSを設立しました。これに伴い、THUに対する支配の喪失による利益として25,066百万円を計上しております。当該利益のうち、残存する投資を支配喪失日の公正価値で測定することにより生じた利益は20,974百万円です。
28.その他の費用
その他の費用の内訳は、以下のとおりです。
29.金融収益及び金融費用
金融収益の内訳は、以下のとおりです。
金融費用の内訳は、以下のとおりです。
30.その他の包括利益
その他の包括利益の内訳項目ごとの組替調整額及び法人所得税は、以下のとおりです。
31.1株当たり利益
32.株式に基づく報酬
当社は、当社グループの業績向上に対する意欲や士気を高めるとともに、株主との価値共有を進めることを目的に、当社取締役、執行役員、エグゼクティブフェロー及び理事を対象とした株式報酬型ストックオプション(新株予約権)を導入しております。
この制度のもとで割り当てられる新株予約権は、定められた対象勤務期間における在任月数に応じて権利が確定します。新株予約権者は、当社の取締役、執行役員、エグゼクティブフェロー及び理事のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10日を経過する日までに限り、新株予約権を行使することができます。
当社のストックオプション制度は、持分決済型の株式に基づく報酬取引として会計処理しております。ストックオプションの付与日における公正価値は、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。当該制度に係る費用の認識額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ403百万円及び386百万円です。
ストックオプションの数量及び加重平均行使価格は、以下のとおりです。なお、ストックオプションの数量については、株式数に換算して記載しております。
(注) 1.期中に行使されたストックオプションの行使日における加重平均株価は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ730.7円及び794.2円です。
2.期末時点で残存している発行済みオプションの加重平均残存契約年数は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてそれぞれ26.1年及び26.0年です。
ストックオプションの公正価値の見積りはブラック・ショールズ・モデルにより計算しております。このモデルにインプットされた条件は、以下のとおりです。
(注) 1.過去6年間の株価実績に基づき算定しております。
2.合理的な見積りが困難であるため、過去の役員の在任年数から算定しております。
3.前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ2022年3月期及び2023年3月期の配当実績を使用しております。
4.残存年数がオプションの予想残存期間に対応する国債の利子率を使用しております。
33.金融商品
当社グループは、持続的な成長の実現に向け、財務健全性を確保・維持することを資本管理の基本方針としております。当社グループはD/Eレシオを資本管理における経営指標としてモニタリングしており、各年度の状況は以下のとおりです。
なお、当社が適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く。)はありません。
(注) 有利子負債:社債及び借入金+リース負債
自己資本:親会社の所有者に帰属する持分
D/Eレシオ:有利子負債/自己資本
当社グループは金融商品から生じる信用リスク、流動性リスク及び市場リスクに対応するために以下の方針に基づいてリスク管理を行っております。
当社グループの営業債権は顧客の信用リスクに晒されております。当該リスクを低減するために、当社は社内規程に従い、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を定期的に把握する体制としております。子会社においても、取引先ごとの信用状況を把握・管理する体制としております。なお、特定の取引先に対する過度に集中した信用リスクはありません。
連結会計年度の末日現在の信用リスクに対する最大エクスポージャーは、金融資産の減損後の帳簿価額となります。保証債務については「37.コミットメント及び偶発債務」に表示されている保証債務の残高が、当社グループの信用リスクに係る最大エクスポージャーとなります。
予想信用損失に対する損失評価引当金の増減は、以下のとおりです。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、損失評価引当金の変動に影響を与えるような、金融商品の総額での帳簿価額の著しい増減はありません。
(注) 1.信用減損していない金融資産に係る損失評価引当金は、主として単純化したアプローチを適用した営業債権等に係るものです。
2.繰入額(純額)のうち顧客との契約から生じた営業債権等に係るものは、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ1,556百万円及び976百万円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。その他の繰入額(純額)は貸付金及び債務保証等に係るものであり、連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。
3.信用減損金融資産の帳簿価額(損失評価引当金控除後)は、前連結会計年度末において7,348百万円です。なお、その大部分に対し貿易保険の付保等の措置を講じております。
当社グループは銀行借入や社債発行による資金調達を行っておりますが、事業環境や資金調達環境の悪化により、債務の履行が困難になるリスクに晒されております。当該リスクを低減するために、当社グループは資金需要の見通しや金融市場の動向などを総合的に勘案した上で最適なタイミング・規模・手段を判断して資金調達を実施しているほか、キャッシュ・マネジメント・システムによるグループ内余剰資金の有効活用等に取り組んでおります。また、キャッシュ・フローの計画と実績をモニタリングすることにより、流動性リスクを管理しております。あわせて、業績やキャッシュ・フローの悪化などにより緊急に資金が必要となる場合や金融市場の混乱に備え、国内外の金融機関とコミットメントライン契約や当座貸越契約等を締結し、資金流動性を確保しております。
金融負債の契約上のキャッシュ・フロー(割引前)の期日別分析は以下のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注) デリバティブ金融負債の契約上のキャッシュ・フローは、正味のキャッシュ・インフロー及びアウトフローを純額で表示しております。
当社グループは、市場価格の変動により金融商品の公正価値や将来キャッシュ・フローが変動するリスクに晒されております。当社グループが晒されている主要な市場リスクには為替リスク、金利リスク及び株価変動リスクがあり、これらのリスクを低減するために必要に応じて先物為替予約・金利スワップ等のデリバティブ取引を行っております。デリバティブ取引の執行・管理は取引権限を定めた社内規程に従って行っているほか、デリバティブ取引に係る信用リスクを軽減するために、信用格付の高い金融機関とのみ取引を行っております。また、デリバティブの利用は市場リスクをヘッジするための取引に限定しており、投機目的では利用しておりません。
当社グループはグローバルに事業を展開しており、それにより生じている外貨建ての営業債権及び債務は、外国為替レートの変動リスクに晒されております。当社グループは主として外貨建ての債権及び債務をネットした純額ポジションに対して先物為替予約を利用しヘッジしております。同様に為替の変動リスクに晒されている外貨建ての借入金については、主として通貨スワップを利用しヘッジしております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末に当社グループが保有する金融商品につき、機能通貨以外の各通貨が機能通貨に対して1%増価した場合の、連結損益計算書の「税引前当期利益」に与える影響額は、以下のとおりです。なお、機能通貨建ての金融商品及び在外営業活動体の資産及び負債、収益及び費用を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。また、算定に使用した各通貨以外の通貨は変動しないこと及びその他の変動要因は一定であることを前提としております。
当社グループの有利子負債は市場金利の変動リスク(市場金利の上昇又は低下リスク)に晒されており、変動金利による有利子負債は、市場金利上昇時に支払利息が増加するリスクがあり、また、固定金利による有利子負債は、市場金利低下時に実質支払利息が増加するリスクがあります。これらの金利リスクを低減するため、固定金利と変動金利のバランスを考慮しつつ、必要に応じて金利スワップをヘッジ手段として利用しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末に当社グループが保有する変動金利の有利子負債につき、その他すべての変数が一定であることを前提として、期末日における金利が1%上昇した場合の、連結損益計算書の「税引前当期利益」への影響額は、以下のとおりです。
当社グループの保有する株式は、主に取引関係の強化、業務提携の円滑化及び共同での研究・技術開発の強化等の目的で保有する株式であり、売買目的で保有するものはありません。これらの株式は株価変動のリスクに晒されておりますが、定期的に発行体の財務状況等を把握しているほか、取引関係の変化等から保有意義の薄れた株式は売却しております。これらは、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に指定しているため、株価変動による純損益への影響はありません。
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを次のように分類しております。
レベル1:活発な市場における公表価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各報告期間の末日に発生したものとして認識しております。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替はありません。
償却原価で測定する金融商品の公正価値と帳簿価額の比較は、以下のとおりです。なお、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品及び重要性の乏しい金融商品は、次の表に含めておりません。
(注) 上記の金融商品の公正価値はレベル2に分類しております。
償却原価で測定する主な金融商品の公正価値の算定方法は、以下のとおりです。
これらは短期間で決済されるものであるため、公正価値は帳簿価額と合理的に近似しております。
これらは短期間で決済されるものであるため、公正価値は帳簿価額と合理的に近似しております。
市場価格のあるものは市場価格に基づき、市場価格のないものは、元利金の合計額を当該社債の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2に分類しております。
元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2に分類しております。
公正価値ヒエラルキーのレベルごとに分類した、経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
公正価値で測定する主な金融商品の公正価値の算定方法は、以下のとおりです。
活発な市場のある株式の公正価値は、市場価格を使用して測定しており、レベル1に分類しております。活発な市場における市場価格が入手できない株式及び出資金の公正価値は、類似会社比較法などの適切な評価技法を使用して測定しており、レベル3に分類しております。なお、必要に応じて一定の非流動性ディスカウント等を加味しております。
為替予約については先物為替相場や金融機関から提示された価格、通貨スワップ及び金利スワップについては金融機関から提示された価格に基づいて算定しており、レベル2に分類しております。
公正価値ヒエラルキーレベル3に区分した経常的な公正価値測定について、期首残高から期末残高への調整表は、以下のとおりです。
(注) 1.その他の包括利益として認識した利得又は損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産」に含まれております。
2.レベル3に区分した金融商品については適切な権限者に承認された公正価値測定の評価方針及び手続に従い、担当部署が対象金融商品の評価方法を決定し、公正価値を測定しております。公正価値の測定結果については適切な責任者が承認しております。
当社グループは、為替リスクや金利リスクをヘッジするためにデリバティブ取引を行っており、ヘッジ会計を適用する場合は、ヘッジ関係の文書化やヘッジ有効性の評価等を行っております。キャッシュ・フロー・ヘッジは、主として外貨建ての予定取引及び借入金並びに変動金利による借入金に関する将来キャッシュ・フローの変動リスクを低減する目的で利用しております。公正価値ヘッジは、借入金を変動金利化し、当該借入金の公正価値の変動リスクを低減する目的で利用しております。
なお、為替リスクを低減する目的で利用する通貨スワップに係る通貨ベーシス・スプレッド部分は、ヘッジ手段から除外し、ヘッジコストとしてその他の包括利益で認識しております。また、ヘッジ会計の適用にあたっては原則として数量・期間・指標金利などの重要な条件をヘッジ対象とヘッジ手段とでほぼ一致させており、ヘッジの非有効部分に重要性はありません。
ヘッジ手段の契約額等の時期の概要及び帳簿価額は、以下のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注) 1.主として米ドル元本と引換えに円元本を借り入れる契約であり、それらの前連結会計年度末及び当連結会計年度末における平均レートは、それぞれ1米ドル当たり107.2円及び120.6円です。
2.前連結会計年度末における平均固定支払金利は△0.19%であり、変動受取金利は東京ターム物リスク・フリー・レートです。
3.ヘッジ手段のデリバティブは連結財政状態計算書の「その他の金融資産」及び「その他の金融負債」に含まれております。
ヘッジ対象として指定した項目が連結財政状態計算書に与える影響は、以下のとおりです。
(注) ヘッジ会計を中止したヘッジ関係に係るキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金の金額に重要性はありません。
前連結会計年度(2023年3月31日)
ヘッジ会計の適用が連結損益計算書及び連結包括利益計算書に与える影響(税引前)は、以下のとおりです。
(注) 1.為替リスクに係る組替調整額は、連結損益計算書の「売上収益」、「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。
2.金利リスクに係る組替調整額は、連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。
3.前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効部分に関して純損益として認識した金額に重要性はありません。
当社グループは、米ドルLIBORに連動する変動金利による借入金及び通貨スワップを有しておりましたが、当連結会計年度において、ターム物SOFRへ移行しました。したがって、当連結会計年度末において、代替的な金利指標に移行していない金融商品はありません。
当社グループは、受取手形の割引や売掛債権の流動化などによって営業債権の一部を期日前に現金化しております。これらの譲渡債権が回収不能となった場合は金融機関等への支払義務が当社グループに生じるため、譲渡債権は引き続き連結財政状態計算書の「営業債権及びその他の債権」に含めて表示し、譲渡による入金額を「社債及び借入金」に含めて表示しております。
認識の中止の要件を満たさない譲渡債権及び関連する負債の帳簿価額は、以下のとおりです。
34.キャッシュ・フロー情報
財務活動に係る負債の調整表は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 財務キャッシュ・フローによる変動は、連結キャッシュ・フロー計算書において、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含まれております。
子会社でなくなった会社の支配喪失時の資産及び負債の内訳は、以下のとおりです。なお、前連結会計年度における子会社に対する支配の喪失の詳細は、「27.その他の収益」に記載しております。
35.子会社
当連結会計年度末における主要な子会社の状況は、以下のとおりです。
(注) 主要な事業の内容欄には、商事会社を除きセグメントの名称を記載しております。
36.関連当事者
当社グループの主要な経営幹部に対する報酬は、以下のとおりです。
37.コミットメント及び偶発債務
資産の取得に係るコミットメントは、以下のとおりです。
共同支配企業、関連会社及び第三者の銀行借入等に係る保証債務の金額は、以下のとおりです。
38.後発事象
該当事項はありません。