当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2023年5月21日から2023年11月20日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済活動の正常化が進んだことにより企業活動・個人消費行動に持ち直しがみられました。一方、ロシアのウクライナ侵攻等による原材料・エネルギー価格の上昇や円安による輸入価格の上昇は国内物価を上昇させ、家計・企業の活動に影響を与えています。
このような状況の中、当社グループは、前連結会計年度に達成した「売上成長カーブを変える」を継続しながら、2024年5月期では「利益成長カーブも変える」を最大のミッションと位置付け、中期経営計画(2022年5月期~2025年5月期)に掲げた最終年度の業績目標達成に向け、取扱い商品数の拡大に加え、BtoB事業での積極的な広告費・販促費の投下、本格稼働した新アスクルWEBサイトへのお客様の移行等、当社グループの成長に繋がる積極的な施策を進めております。
また、当社は「エシカルeコマース」の実現を目指していることから、いわゆる「物流2024年問題」解決の一助となるべく、BtoB事業のASKULおよびソロエルアリーナの2023年10月31日18時以降のご注文分から、配送バー(注1)を変更しております。お客様にまとめてご注文いただくことで、サプライチェーン全体における環境負荷・労働負荷低減を進め、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みも進めております。
この結果、当第2四半期連結累計期間の当社グループの業績は、売上高2,312億88百万円(前年同期比5.0%増)、営業利益72億42百万円(前年同期比7.4%増)、経常利益71億4百万円(前年同期比5.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益46億37百万円(前年同期比3.5%増)となり、第2四半期連結累計期間としては、売上高、営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する四半期純利益いずれも過去最高となりました。
セグメント別の経営成績につきましては、以下のとおりです。
<eコマース事業>
当社グループの主力分野であるBtoB事業につきましては、仕事場で働く全てのお客様のご要望にお応えすべく、飲料、日用消耗品等の生活用品商材、抗原検査キット等の新型コロナウイルス感染症関連商材、袋・梱包資材等のMRO(注2)商材など、幅広く商品を取り揃えております。新型コロナウイルス感染症関連商材については、新型コロナウイルス感染症対策の落ち着きにより、抗原検査キット、消毒剤等の売上高が減少しましたが、ペットボトル飲料や日用消耗品等の生活用品の売上が順調であったこと等に加え、主力商品の一部等について価格改定を行ったこと等により購入単価が上昇し、売上高が伸長し増収となりました。
2022年7月の新アスクルWEBサイト構築に関連する一部機能(中堅大企業向けのWEBサイトであるソロエルアリーナサイトのオープン化)のリリースの効果による検索エンジン経由での売上高の増加は継続しております。2023年7月に本格稼働した新アスクルWEBサイトへのお客様の移行は、上期中に約3割を完了し、引き続き、計画通り移行を進め、投資効果を高めてまいります。
また、前連結会計年度末に連結子会社化した株式会社AP67の事業子会社であるフィード株式会社等の業績が当四半期累計期間を通じて寄与したことや、連結子会社である株式会社アルファパーチェスの業績が順調であることが、売上高の成長に貢献しております。
この結果、BtoB事業の売上高は、前年同期比で192億円増収の2,006億17百万円(前年同期比10.6%増)となりました。
BtoC事業につきましては、当第2四半期連結累計期間の売上高は、LINEヤフー株式会社(旧Zホールディングス株式会社)のコマース事業のコスト最適化によるキャンペーン変更も影響し、減収となりましたが、概ね計画通り進捗しました。2023年10月に「LOHACO by ASKUL(「LOHACO本店」)」と「LOHACO Yahoo!店」を統合し、両店舗の特長を結集した形で Yahoo!ショッピング店内にてリニューアルオープンしており、マーケティングによる販促施策や商材拡大等により「LOHACO」の売上高再成長を進めております。
この結果、「LOHACO」の売上高は、前年同期比で79億14百万円減収の174億86百万円(前年同期比31.2%減)となり、BtoC事業合計で、前年同期比で80億38百万円減収の260億55百万円(前年同期比23.6%減)となりました。
以上の結果、両事業を合計したeコマース事業の売上高は2,266億73百万円(前年同期比5.2%増)となりました。売上総利益は、生活用品の売上高の増加や一部商品の価格改定等により売上総利益率が改善し、573億65百万円(前年同期比7.6%増)と大幅な増益となりました。
販売費及び一般管理費は、主力商品の一部の価格改定の影響等もあり、一箱あたり売上単価の上昇に伴い売上高配送費比率は減少しました。一方で、投資を行ってきた新アスクルWEBサイトや「ASKUL東京DC」の稼働によりソフトウエア償却費や減価償却費が増加し、また、当連結会計年度の重点施策の一つとして、BtoB事業のサービス名称や戦略商材の取扱い認知度向上を目的としたテレビCMの実施とそれと連携したインターネット広告出稿の増加等により、売上高販管費比率が前年同期比0.5ポイント増加しました。以上の結果、販売費及び一般管理費は500億25百万円となり、営業利益は73億39百万円(前年同期比7.6%増)となりました。
<ロジスティクス事業>
ASKUL LOGIST株式会社の当社グループ外の物流業務受託の売上高は概ね前年同期と同水準で推移したものの、原価高騰等の影響により採算が悪化し、減収減益となりました。当第2四半期連結会計期間においては、価格改定等により収益性は改善しており、引き続き収益性の改善に努めてまいります。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は41億80百万円(前年同期比1.1%減)、営業損失は1億22百万円(前年同期は営業損失97百万円)となっております。
<その他>
嬬恋銘水株式会社での飲料水の販売が堅調に推移し売上高は前年同期と同水準となりましたが、営業利益は生産性が向上し増益となりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は10億17百万円(前年同期比2.7%減)、営業利益は65百万円(前年同期比50.9%増)となっております。
(注) 1 基本配送料を当社が負担する注文金額基準。
2 Maintenance, Repair and Operationsの頭文字をとった略称で、工場・建設現場・倉庫等で使用される消耗品・補修用品等の間接材全般を指します。
(資産の部)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は2,215億8百万円となり、前連結会計年度末と比べ59億98百万円減少いたしました。これは主に、前連結会計年度末日が金融機関の休日であったため、決済日が連結会計年度末日である電子記録債務84億44百万円が前連結会計年度末残高に含まれていたこと等により現金及び預金が73億62百万円、リース資産(純額)が15億4百万円減少した一方、受取手形、売掛金及び契約資産が25億80百万円増加したことによるものであります。
(負債の部)
当第2四半期連結会計期間末における負債は1,514億37百万円となり、前連結会計年度末と比べ91億92百万円減少いたしました。これは主に、電子記録債務が104億68百万円減少した一方、支払手形及び買掛金が35億57百万円増加したことによるものであります。
(純資産の部)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は700億70百万円となり、前連結会計年度末と比べ31億94百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益46億37百万円の計上に対し、配当金の支払いが17億54百万円あったことにより、利益剰余金が28億83百万円増加したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は30.3%(前連結会計年度末は28.2%)となりました。
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は588億60百万円となり、前連結会計年度末に比べ73億62百万円減少いたしました。なお、当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは19億50百万円の収入(前年同期は99億28百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前四半期純利益70億79百万円、減価償却費、ソフトウエア償却費、のれん償却額および顧客関連資産償却額の合計50億85百万円があった一方、仕入債務の減少69億11百万円、法人税等の支払額27億7百万円、売上債権の増加25億73百万円があったこと等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは44億92百万円の支出(前年同期は80億55百万円の支出)となりました。これは、ソフトウエアの取得による支出29億56百万円、有形固定資産の取得による支出14億72百万円があったこと等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは48億20百万円の支出(前年同期は33億76百万円の支出)となりました。これは、配当金の支払17億54百万円、長期借入金の返済による支出16億91百万円、リース債務の返済による支出14億12百万円があったこと等によります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
該当事項はありません。
当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。