【連結財務諸表注記】
1.報告企業
インフロニア・ホールディングス(株)(以下、「当社」という。)は日本の会社法に基づいて設立された株式会社であり、日本に所在する企業です。
当社及びその子会社(以下、「当社グループ」という。)は、建設事業、土木事業、舗装事業、機械事業及びインフラ運営事業を主な事業とし、さらにリテール事業から不動産事業まで幅広い事業を展開しています。
当社の2024年3月31日に終了する年度の連結財務諸表は、2024年6月25日に取締役会によって承認されています。
2.作成の基礎
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。当社は連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、連結財務諸表規則第93条の規定を適用しています。
当社グループは、2024年3月31日に終了する連結会計年度からIFRSを適用しており、IFRSへの移行日(以下、「移行日」という。)は2022年4月1日です。移行日及び比較年度において、IFRSへの移行が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与える影響は「45.初度適用」に記載しています。
早期適用していないIFRSの規定及びIFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」(以下、「IFRS第1号」という。)の規定により認められた免除規定を除き、当社グループの会計方針は2024年3月31日において有効なIFRSに準拠しています。適用した免除規定については、「45.初度適用」に記載しています。
連結財務諸表は、「3.重要性がある会計方針」に記載している金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で、百万円未満の端数を切り捨てて表示しています。
3.重要性がある会計方針
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループは、他の企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、企業を支配していると判断しています。また、当社グループが議決権の過半数を所有していない場合でも、意思決定機関を実質的に支配していると判断した場合には、当該会社を子会社としています。
子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの間、当社の連結財務諸表に含まれています。また、当社の会計方針と整合するよう、必要に応じて子会社の財務諸表を修正しています。
支配の喪失を伴わない子会社に対する親会社持分の変動取引は、資本取引として会計処理しています。当社が子会社に対する支配を喪失する場合、関連する資産、負債、非支配持分及びその他の資本の構成要素の認識を中止するとともに、その結果生じる利得又は損失を純損益に計上しています。
関連会社とは、当社グループがその経営及び財務の方針に関する経営管理上の意思決定に対して、重要な影響力を有するが、支配又は共同支配していない企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定しています。また、保有する議決権が20%未満であっても、当社グループが重要な影響力を行使し得る場合には、当該会社も関連会社としています。
共同支配は、契約上の取決めにより、関連性のある活動に係る意思決定について、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在します。共同支配の取決めは、共同支配を有する当事者の契約上の権利及び義務に基づいて、共同支配事業(当該取決めにより生じた資産に対する権利及び負債に対する義務を有する場合)又は共同支配企業(当該取決めの純資産に対する権利のみを有する場合)のいずれかに分類しています。
関連会社及び共同支配企業に対する投資は、持分法により会計処理しています。
共同支配事業への投資については、各共同支配事業の持分に応じて資産、負債、収益及び費用を認識しています。
ストラクチャード・エンティティとは、誰が企業を支配しているかの決定に際して、議決権又は類似の権利が決定的な要因とならないように設計された企業をいいます。当社グループが、ストラクチャード・エンティティに対して実質的に支配を有している場合には、当該ストラクチャード・エンティティを子会社として連結しています。
なお、契約上の義務なしに連結しているストラクチャード・エンティティに対する重要な財務的支援又はその他の重要な支援を提供したことはなく、提供する意図もありません。
当社グループ内の債権債務残高、取引高及び当社グループ内の取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
企業結合については、取得法によって会計処理しています。
取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社グループが発行する資本持分の取得日の公正価値の合計額として測定されます。取得した識別可能な資産及び引き受けた負債は、原則として取得日の公正価値で測定しています。
企業結合で移転された対価の公正価値、被取得企業の非支配持分の金額及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計金額が、被取得企業の識別可能な資産及び引き受けた負債の正味価額を上回る場合は、その超過額をのれんとして認識しています。反対に下回る場合には、取得日において純損益として認識しています。
発生した取得関連コストは、発生時に費用として認識しています。
企業結合が生じた報告期間の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合には、会計処理が完了していない項目について暫定的な金額で連結財務諸表上認識しています。測定期間中、取得日時点で存在し、それを知っていたならば取得日時点で認識した金額の測定に影響したであろう事実及び状況について入手した新しい情報を反映するために、取得日時点で認識した暫定的な金額を遡及修正します。測定期間は取得日から1年を超えることはありません。
当社グループ各社の財務諸表は、当該企業の機能通貨で作成しています。各企業が個別財務諸表を作成する際、外貨建取引は、取引日の為替レート又はそれに近似するレートにより機能通貨に換算しています。
外貨建の貨幣性項目は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しています。外貨建非貨幣性項目のうち、取得原価で測定されるものは取得日の為替レートで、公正価値で測定されるものは当該公正価値の測定日における為替レートで機能通貨に換算しています。
換算及び決済により生じる換算差額は、純損益として認識しています。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しています。
在外営業活動体の資産及び負債は期末日の為替レートで換算しています。収益及び費用は為替レートが著しく変動している場合を除き、期中平均レートを用いて日本円に換算しています。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しています。
在外営業活動体に関連する累積換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損益に振り替えています。
非デリバティブ金融資産は、当社グループが金融資産に関する契約の当事者となった取引日に認識し、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益又は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
金融資産は以下の要件を共に満たす場合は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類しています。
公正価値で測定する金融資産のうち、売買目的ではない資本性金融商品への投資については、当初認識時に、その公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行うことが認められており、当社グループは金融商品ごとに当該指定を行っています。
公正価値で測定する金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産以外の金融資産を、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
金融資産が純損益を通じて公正価値で測定される場合を除き、公正価値に取引コストを加算した金額で測定しています。
非デリバティブ金融資産の事後測定の概要は以下のとおりです。
(a) 償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産は、当初認識後は実効金利法による償却原価により測定しています。
実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得又は損失については、純損益として認識しています。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定する金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は、当初認識後の公正価値の変動をその他の包括利益として認識しています。当該金融資産を処分した場合又は公正価値が著しく下落した場合は、その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累計額を利益剰余金に振り替えています。
なお、配当金については純損益として認識しています。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定する金融資産のうち、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識後の公正価値の変動を純損益として認識しています。
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転した場合に、金融資産の認識を中止しています。
償却原価で測定する金融資産、契約資産及びリース債権に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しています。
当社グループは、報告期間の末日ごとに、金融資産の信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているかどうか評価しています。
信用リスクが著しく増大しているかどうかは、報告日ごとに当初認識以降の債務不履行の発生リスクの変化に基づいて判断しており、信用リスクが著しく増加しているか否かの評価を行う際には、期日経過情報のほか、財務情報等の当社グループが合理的に利用可能かつ裏付け可能な情報を考慮しております。
信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合は、12か月の予想信用損失と等しい金額を、信用リスクが著しく増大している場合は、全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として認識しています。
ただし、重要な金融要素を含んでいない営業債権及びリース債権、契約資産については、信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているかどうかにかかわらず、常に全期間の予想信用損失に等しい金額を貸倒引当金として認識しています。
予想信用損失は、当社グループに支払われるべき契約上のキャッシュ・フローと当社グループが受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額を当初の実行金利で割引計算することにより算定し、貸倒引当金の変動は純損益として認識しています。
また、当社グループは、債務者の重大な財政状態の悪化、支払に対する延滞を含む契約違反など、金融資産の全部又は一部が回収できない又は回収が極めて困難であると認められた場合に債務不履行であると判断しています。債務不履行に該当した場合は、信用減損を示す客観的な証拠が存在すると判断し、個別に予想信用損失を見積り、貸倒引当金を算定しています。信用減損の証拠がない金融資産については、内部の信用格付等に基づき信用リスクの特性が類似する金融資産ごとにグルーピングを行い、集合的に予想信用損失を見積り、貸倒引当金を算定しています。
金融資産の全部又は一部が回収できないと合理的に判断される場合には、帳簿価額の直接償却を行っています。
非デリバティブ金融負債は、当社グループが当該金融負債の契約当事者になる取引日に当初認識し、償却原価で測定する金融負債と純損益を通じて公正価値で測定する金融負債のいずれかに分類しています。純損益を通じて公正価値で測定される場合を除き、公正価値に取引コストを控除した金額で測定しています。
非デリバティブ金融負債の事後測定の概要は以下のとおりです。
(a) 償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、当初認識後は実効金利法による償却原価により測定しています。
実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得又は損失については、純損益として認識しています。
(b) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、当初認識後の公正価値の変動を純損益として認識しています。
当社グループは、契約上の債務が免責、取消、又は失効となった時に、金融負債の認識を中止します。
当社グループは、為替変動リスク、金利変動リスク等をヘッジするために為替予約、金利スワップ等のデリバティブを利用しています。デリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初認識され、その後も公正価値で事後測定しています。
当社グループは、ヘッジの開始時にヘッジ手段とヘッジ対象の関係、リスク管理目的及び戦略について正式に文書化しています。また、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺するに際し、ヘッジの有効性の要求をすべてみたしているかどうかについても、ヘッジ開始時及び各期末日に継続的に評価しています。
(ⅰ)公正価値ヘッジ
デリバティブの公正価値の変動は純損益として認識しています。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動はヘッジ対象の帳簿価額を修正し、純損益として認識しています。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されるデリバティブについては、公正価値の変動額のうち、有効なヘッジと判断される部分はその他の包括利益で認識し、非有効部分は純損益として認識しています。
その他の包括利益に計上されている金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えています。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しています。
公正価値の変動は純損益で認識しています。
連結財務諸表における現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうちいずれか低い方の金額で測定しています。正味実現可能価額は、見積売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売コストを控除した額です。取得原価は主として個別法に基づいて算定しており、取得費、外注費及び現在の場所及び状態に至るまでに要したすべてのコストを含んでいます。
有形固定資産の認識後の測定は原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で計上しています。
取得原価には、資産の取得に直接関連するコスト、解体、撤去及び原状回復コスト及び資産計上すべき借入コストが含まれています。
取得後の支出は、その支出に関連する将来の経済的便益が当社に流入する可能性が高く、金額を信頼性をもって測定することができる場合に限り、当該取得資産の帳簿価額に算入するか個別の資産として認識しています。
修繕又は維持費は、発生時に純損益で認識しています。
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産は、取得原価から残存価額を控除した償却可能価額について、見積耐用年数にわたり定額法で減価償却を行っています。
主な有形固定資産項目の見積耐用年数は、以下のとおりです。
・建物・構築物 2年~60年
・機械、運搬具及び工具器具備品 2年~35年
減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度末日ごとに見直しを行い、必要に応じて改定しています。
無形資産の認識後の測定には原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で計上しています。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定し、企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日時点における公正価値で測定しています。
また、自己創設の無形資産については、資産化の要件を満たす開発に関する支出を除き、全て発生した期の費用として認識しています。
耐用年数を確定できる無形資産は、見積耐用年数にわたって定額法で償却しており、主な見積耐用年数は以下のとおりです。
・自社利用のソフトウェア 5年以内
・契約関連資産 20年以内
なお、耐用年数を確定できない無形資産については償却は行わず、毎期且つ減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。
償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度末日ごとに見直しを行い、必要に応じて改定しています。
公共サービスの利用者に課金する権利を得る範囲で、公共施設等運営権を取得日時点における公正価値で測定しています。また、公共施設等運営事業の更新投資のうち資本的支出に該当する部分に関して、運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる額の総額及び支出時期を合理的に見積ることができる場合、当該取得時に支出すると見込まれる額の総額の現在価値を引当金として計上し、同額を公共施設等運営事業の更新投資に係る資産として認識しています。
償却方法及び耐用年数についての詳細は、注記「16.サービス委譲契約」に記載しています。
当初認識時点におけるのれんの測定については、「(2) 企業結合」に記載のとおりです。また、のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した帳簿価額で計上しています。
のれんは償却は行わず、毎期且つ減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。のれんの減損損失は連結損益計算書において純損益として認識され、その後の戻入は行っていません。
当社グループは、契約の開始時に、当該契約がリース又はリースを含んだものであるのかどうかを判定しています。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいます。
リース取引におけるリース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値として測定を行っています。リース料総額の未決済分の割引現在価値を算定する場合に使用すべき割引率は、実務上可能な場合にはリースの計算利子率とし、実務上不可能な場合には、借手の追加借入利子率を用いています。
使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で当初の測定を行っています。
リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるように、金融費用とリース負債残高の返済部分とに配分しています。金融費用は、連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しています。
使用権資産については、リース契約の終了までに当社グループが所有権を獲得することが合理的に確実な場合を除き、リース期間又は経済的耐用年数のいずれか短い期間で償却しています。
なお、短期リース及び少額資産のリースについて、IFRS第16号「リース」第6項を適用し、リース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しています。
契約の形式ではなく取引の実質に応じてファイナンス・リース又はオペレーティング・リースに分類しています。ファイナンス・リースに基づいて保有している資産は、正味リース投資未回収額に等しい金額で債権として表示しています。
サブリースを分類する際は、中間の貸手は、ヘッドリースから生じる使用権資産を参照して分類しています。
オペレーティング・リースにおいては、対象となる資産を連結財政状態計算書に計上しており、受取リース料はリース期間にわたり定額法により収益として認識しています。
投資不動産は、賃貸収入又はキャピタル・ゲインもしくはその両方を得ることを目的として保有する不動産です。
当社グループは投資不動産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しています。
投資不動産の減価償却は、以下の見積耐用年数にわたり、主として定額法により償却しています。
主な投資不動産の見積耐用年数は2年~50年です。
減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度末日ごとに見直しを行い、必要に応じて改定しています。
有形固定資産、無形資産、投資不動産及び使用権資産について、各報告期間の期末日現在で減損している可能性を示す兆候の有無を確認しています。減損の兆候がある場合、当該資産の回収可能額を見積っています。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については毎期及び減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しています。
回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としており、個々の資産について見積ることができない場合は、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能額を見積っています。
減損損失は、資産又は資金生成単位の回収可能額が帳簿価額を下回る場合に純損益として認識しています。資金生成単位について認識した減損損失は、まず当該単位に配分したのれんの帳簿価額を減額し、次に当該単位内の各資産の帳簿価額に基づいた比例按分により、各資産に配分しています。
過年度に減損損失を認識したのれん以外の資産については、報告期間の期末日において、認識した減損損失がもはや存在しない、又は減少している可能性を示す兆候の有無を確認しています。このような兆候が存在する場合には、個々の資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、当該回収可能価額が帳簿価額を上回る場合には、減損損失を認識しなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額を上限として、帳簿価額を回収可能価額まで増額し、減損損失の戻入を純損益として認識しています。のれんについて認識した減損損失は、以後の期間において戻入れていません。
当社グループは、確定給付型の制度として、企業年金基金制度、厚生年金基金制度及び退職一時金制度を設けており、また確定拠出年金制度を設けています。
当社グループは、確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用を、予測単位積増方式を用いて算定しています。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しています。
確定給付制度の再測定額は、発生した期においてその他の包括利益で認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
過去勤務費用は、発生した期の純損益として処理しています。
勤務費用及び確定給付負債の純額に係る純利息費用は純損益として認識しています。
確定拠出制度への拠出は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識しています。
一部の連結子会社は、複数事業主制度に加入しています。複数事業主制度については、当該制度の規約に従って、確定給付型退職後給付制度と確定拠出型退職後給付制度に分類し、それぞれの退職後給付制度に係る会計処理を行っています。ただし、確定給付型退職後給付制度に分類される複数事業主制度について、確定給付型退職後給付制度に係る会計処理を行うために十分な情報を入手できない場合は、確定拠出型退職後給付制度に係る会計処理を適用しています。
短期従業員給付については、割引計算を行わず、会計期間中に従業員が勤務を提供したもので、当該勤務の見返りに支払うと見込まれる給付金額を純損益として認識しています。
賞与については、当社グループが支払いを行う法的又は推定的な債務を有しており、かつ当該債務について信頼性のある見積りが可能な場合に、支払見積額を負債として認識しています。
引当金は、過去の事象の結果として、当社が現在の法的又は推定的な債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に認識しています。
貨幣の時間的価値の影響に重要性がある場合、当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いて割り引いた金額で引当金を測定しています。
当社グループは、持分決済型の株式に基づく報酬として、譲渡制限付株式報酬制度を採用しています。受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値で測定しており、付与日から一定期間にわたって定額法により費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。
当社グループは、持分決済型の株式に基づく報酬として、株式給付信託(BBT(Board Benefit Trust))を採用しています。受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値を基礎としたポイントに、業績連動指数を乗じて測定しており、権利確定期間にわたって費用を認識し、同額を資本の増加として認識しています。
当社グループは、持分決済型の株式に基づく報酬として、株式給付信託(J-ESOP)を採用しています。受領したサービス対価は、付与日における当社株式の公正価値を基礎とし、株式給付規程に基づきポイントが測定され、権利確定期間にわたって又は一時点で費用を認識し、同額を資本の増加として認識しています。
④ 株式給付信託(従業員持株会処分型)
当社グループは、現金決済型の株式に基づく報酬として、株式給付信託(従業員持株会処分型)を採用しています。受領したサービスの対価は、発生した負債の公正価値で測定しており、付与日から信託期間満了日にわたり費用として認識し、同額を負債の増加として認識しています。なお負債は、決済される信託期間満了日までその公正価値を各期末日に再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しています。
当社グループでは、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益等並びにIFRS第16号「リース」に基づく賃料収入等を除く顧客との契約について、以下の5ステップアプローチに基づき収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:履行義務が充足された時に(又は充足するにつれて)収益を認識する
当社グループの主要な事業における履行義務の識別及び収益を認識する時点は以下のとおりです。
当社グループは主に土木、建築、舗装事業において、顧客と工事請負契約を締結し、建物又は構築物等の施工及びそれに付帯する業務を行っており、これらに関して当社グループが提供する業務を履行義務として識別しています。
当該工事請負契約においては、当社グループの義務の履行により資産が創出され又は増価し、資産の創出又は増価につれて顧客が当該資産を支配することから、当該履行義務は一定期間にわたり充足される履行義務であり、契約期間にわたる工事の進捗に応じて充足されるものです。
履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる工事については、引渡し目的物である建設物に係る見積総原価のうち発生した原価の割合を用いることで、義務を履行することにより生じた資産の増加を忠実に描写していると判断しているため、発生原価に基づくインプット法によって進捗度を見積り、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法によっています。進捗度を合理的に見積ることができない工事については、原価回収基準によって収益を認識しています。
取引価格は工事請負契約により決定され、取引の対価は、工事請負契約ごとに定められた支払条件により受領しています。なお、履行義務の充足から顧客から対価を受領するまでの期間が長期間に及ぶ工事で重要な金融要素が認識される工事については金融収益に該当する部分について調整を行うこととしています。
当社グループは舗装事業においてアスファルト合材、乳剤及びその他建設資材の製造・販売を行い、機械事業において建設機械の商品販売及び産業機械等の製造・販売を行っており、これらに関して当社グループが提供する業務を履行義務として識別しています。
これらの商品・製品の販売について、舗装事業においては、アスファルト合材等の性質上、製品の出荷と検収はほぼ同一時点であり、製品を顧客に出荷した時点で顧客に支配が移転すると判断しているため、製品の出荷時点で収益を認識しています。また、機械事業においては、顧客との契約に基づき商品・製品を顧客に引き渡した時点で顧客に支配が移転すると判断しているため、商品・製品の引渡時点で収益を認識しています。
なお、履行義務を充足してから概ね1年以内に対価を受領しているため、実務上の便法を用いて重要な金融要素の認識は行っていません。
当社グループはインフラ運営事業において再生可能エネルギーによる売電及び当社グループが運営権を保有する公共施設の維持管理・運営を行っています。これらの事業においては、顧客との電力供給契約や施設利用契約等に基づき、顧客に対して役務提供がなされた時点で履行義務が充足されることから、役務提供がなされた時点で収益を認識しています。
なお、履行義務を充足してから概ね1年以内に対価を受領しているため、実務上の便法を用いて重要な金融要素の認識は行っていません。
金融収益は、主として受取利息及び受取配当金から構成されています。受取利息は実効金利法により、発生時に認識しています。受取配当金は、配当を受け取る権利が確定した時点で認識しています。
金融費用は、主として支払利息から構成されています。支払利息は実効金利法により、発生時に認識しています。
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識しています。
収益に関する政府補助金は、補助金で補償することを意図している関連コストを費用として認識する期間にわたって収益として認識しています。
資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しています。
意図した用途又は売却が可能となるまでに相当の期間を要する資産の取得、建設又は製造に直接起因する借入コストは、意図した用途又は売却が可能となるまで、当該資産の取得原価に含めています。その他の借入コストは、発生した期間の費用として認識しています。
法人所得税費用は、当期税金費用と繰延税金費用から構成されています。これらは、その他の包括利益又は資本で直接認識する項目から生じる場合及び企業結合から生じる場合を除き、純損益として認識しています。
当期税金費用は、税務当局から還付又は税務当局に対する納付が予想される金額で測定され、税額の算定に使用する税率又は税法は、報告期間の期末日までに制定又は実質的に制定されているものです。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、資産及び負債の帳簿価額と税務基準額との差異である一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除について認識しており、一時差異等が解消されると見込まれる連結会計年度に適用される税率又は税法によって測定しています。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、繰越欠損金及び未使用の税額控除について、それらを利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識し、繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識しています。
なお、以下の一時差異については繰延税金資産及び繰延税金負債を認識していません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・企業結合ではなく、取引時に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる一時差異
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に関連する将来加算一時差異について、一時差異の解消時期をコントロールすることが可能であり、かつ当該一時差異が予測可能な将来に解消しない可能性が高い場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に関連する将来減算一時差異のうち、一時差異が予測可能な将来に解消する可能性が高くない場合又は一時差異が使用できる課税所得の生じる可能性が高くない場合
・IAS第12号で定められる例外措置に基づく、グローバルミニマム課税ルールから生じる法人所得税に関する一時差異
繰延税金資産と繰延税金負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有する場合、かつ以下のいずれかの要件を満たす場合のみ相殺しています。
・法人所得税が、同一の税務当局によって同一の納税主体に対して課された法人所得税に関するものである場合
・法人所得税が、同一の税務当局によって、別々の納税主体に対して課された法人所得税に関するものであり、その納税主体が当期税金負債と当期税金資産を純額により決済する、又は資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合
自己株式を取得した場合は、直接取引コストを含む支払対価を、資本の控除項目として認識しています。
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益の金額を、当該連結会計年度の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しています。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整することにより計算しています。
4.重要な会計上の見積り及び判断
当社グループは、連結財務諸表を作成するために、会計方針の適用及び資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定を用いています。見積り及び仮定は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいています。しかしながら実際の結果は、その性質上、見積り及び仮定と異なることがあります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されています。これらの見積りの見直しによる影響は、当該見積りを見直した期間及び将来の期間において認識しています。
当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある、主な見積り及び判断は以下のとおりです。
当社グループは、成果の確実性が認められる工事については一定の期間にわたり収益を認識する方法を適用し、各工事における進捗度を発生原価に基づくインプット法により見積り、当連結会計年度末までの進捗部分の売上高を計上しています。当連結会計年度において、一定の期間にわたり収益を認識する方法により計上した売上高は618,488百万円です。
一定の期間にわたり収益を認識する方法による売上高の計算について以下の見積りを用いています。
・工事収益総額
工事進行途上において顧客との合意にもとづく設計変更等が生じ、当該対価が適時に確定されず、工事収益総額の一部を見積りにより計上する場合があります(以下、当該見積りにより計上された工事収益総額の一部を「未契約請負額」という。)。発注者との交渉の進捗又は契約の締結に伴い見積りに変更が生じる可能性があることから、未契約請負額を継続的に見直しています。
・工事原価総額
工事はその仕様や作業内容等において個別性が強く、さらに工事進行途上において工期の変更、想定外の費用の発生、建設資材単価や労務単価等の変動、設計変更等が生じる可能性があることから、工事原価総額を継続的に見直しています。
上記のとおり、一定の期間にわたり収益を認識する方法による売上高の計上は、一定の仮定にもとづいた見積りが必要であり、不確実性及び工事現場責任者等の判断を伴います。よって、当該見積りについて変更が生じた場合、翌連結会計年度の連結財務諸表の売上高に一定の影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業投資の結果生じたのれんに対し、少なくとも年1回の減損テストを行っています。また、のれん及び無形資産に減損の兆候がある場合には、その都度減損テストを行っています。当連結会計年度においては、JWDホールディングス3(株)の株式取得により日本風力開発(株)等を子会社化した際に生じたのれん138,910百万円、無形資産90,443百万円及び前田道路(株)を子会社化した際に生じたのれん19,933百万円について、重要な見積りのリスクを認識しています。
減損テストの回収可能性は、使用価値又は処分コスト控除後の公正価値に基づき算定していますが、これらは将来キャッシュ・フローの見積額を当該資金生成単位の税引前加重平均資本コスト等を基礎として現在価値に割り引いています。将来キャッシュ・フローの見積りにおいては、過去の実績、将来の販売数量、販売単価、市場データ、プロジェクト成功率などを考慮しており、一定の市場の平均成長率を勘案しています。税引前加重平均資本コスト等は外部専門家による評価を活用しながら事業に係るリスク等が適切に反映されるよう算定しています。(減損テストの詳細は「15.非金融資産の減損 (2)のれんの減損テスト」に記載しています。)
当該のれんについては、当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を十分に上回っていることから、これらの見積りが合理的な範囲で変更されたとしても、それにより当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと予測しています。
ただし、これらの見積りは将来の経済状況の変化の影響を受けることがあり、前提とした状況が変化した場合、使用価値又は処分コスト控除後の公正価値の算定結果が異なる可能性があり、翌連結会計年度以降の減損テストや認識される減損損失計上額に影響を及ぼす可能性があります。
5.未適用の新基準書
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりです。
これらの適用による影響は、当連結財務諸表の作成時において評価中です。
6.セグメント情報
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、連結子会社等を基礎とした事業・サービス別のセグメントから構成されており、「建築事業」、「土木事業」、「舗装事業」、「機械事業」、及び「インフラ運営事業」の5つを報告セグメントとしています。なお、報告セグメントの決定に際して、集約された事業セグメントはありません。
各報告セグメントの事業内容は以下のとおりです。
セグメント利益(事業利益)は、「売上高」から「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」を控除し、「持分法による投資損益」を加えて算出しています。
セグメント間の売上高は市場実勢価格に基づいています。
なお、報告セグメントに資産及び負債を配分していません。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、一部の子会社が営んでいる各種事業です。
2.セグメント利益の金額の合計額と連結損益計算書計上額との差額は、セグメント間取引の消去及び未実現利益の控除によるものです。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、一部の子会社が営んでいる各種事業です。
2.セグメント利益の金額の合計額と連結損益計算書計上額との差額は、セグメント間取引の消去及び未実現利益の控除によるものです。
報告セグメントに関する情報に同一の記載をしているため、記載を省略しています。
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の大部分を占めるため、地域別の売上高の記載を省略しています。
本邦以外に所在している非流動資産の重要性が低いため、地域別の非流動資産の記載を省略しています。
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%を超える外部顧客がないため、記載を省略しています。
7.企業結合
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
被取得企業の名称 :JWDホールディングス3(株)
被取得企業の事業の内容:日本風力開発(株)(風力発電事業の開発及び風力発電による売電事業)の株式の保有・管理を目的とする純粋持株会社
(b) 取得日
2024年1月31日
(c) 取得した議決権付資本持分の割合
取得日直前に所有していた議決権比率 -%
取得日に追加取得した議決権比率 100.00%
取得後の議決権比率 100.00%
(d) 企業結合の理由
日本風力開発は、国内の風力事業の黎明期から今日に至るまで、一貫して風力に特化した事業を展開する風力発電事業のリーディングカンパニーです。独立系事業者としてトップクラスの豊富な開発実績を誇り、これまで国内国外で293基、総発電容量570,850kWの風力発電所の開発(2023年4月時点)を手掛けてきました。また、開発のみならず運転保守(以下、「O&M」という。)事業も展開しており、風力発電所のO&M分野において国内トップシェアを誇ります。さらに競合他社の中で唯一自社グループ開発案件に加え、自社グループ開発案件以外のO&Mも実施しており、卓越したO&Mノウハウを有します。
これらの豊富な開発実績及びO&Mノウハウに加え、2023年12月時点において、総発電容量約3,600MW(稼働案件のリプレイス及び一部パイプラインも含む)の風力発電事業の開発予定プロジェクトを抱えており、高い成長ポテンシャルを有しています。
その中で、日本風力開発は、風力発電事業の案件開発から運営・維持管理までを一気通貫で手掛けており、当社のビジネスモデルと合致することから、当社との連携が両社の再生可能エネルギー事業を広く展開できる唯一無二の集団となること、ひいては今後さらなる拡大が見込まれている風力発電市場において、名実ともにナンバーワンの企業グループとして、カーボンニュートラル実現に向けたあらゆる社会課題を解決するとともに、ともに成長していくことを目指します。
(e) 被取得企業の支配を獲得した方法
現金を対価とする持分の取得
取得日現在における支払対価、取得資産及び引受負債の公正価値は、以下のとおりです。
(注) 1 取得した営業債権及びその他の債権の公正価値2,746百万円について、契約上の未収金額は2,746百万円であり、回収不能と見積もられる金額はありません。
2 無形資産の内容は主に契約関連資産88,139百万円及び顧客関連資産2,304百万円です。
3 非支配持分は日本風力開発(株)の子会社に対するもので、支配獲得日における識別可能な当該子会社の純資産に、企業結合後の非支配持分比率を乗じて測定しています。
4 のれんは、今後の事業展開によって期待される超過収益力から発生したものです。認識したのれんについて税務上損金算入を見込んでいる金額はありません。なお、当連結会計年度末において、発生したのれんの金額、企業結合日に受け入れた資産及び引き受けた負債の金額等については、企業結合日における識別可能な資産及び負債の特定を精査中であり、取得価格の配分が完了していないため、暫定的な会計処理を行っています。
5 当該企業結合に係る取得関連コスト549百万円は「販売費及び一般管理費」に計上しています。
(プロフォーマ情報)
当該企業結合が、当連結会計年度の期首に行われたと仮定した場合の、当連結会計年度の当社グループの連結業績に係るプロフォーマ(非監査情報)は、以下のとおりです。
8.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 現金及び現金同等物は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
2 連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物と一致しています。
9.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しています。
2 営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
10.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度において、1年を超えて販売されると見込まれる金額はそれぞれ2,107百万円、2,107百万円及び2,067百万円です。
2 前連結会計年度及び当連結会計年度において、収益性の低下に伴い費用認識した棚卸資産の評価減の金額は、それぞれ37百万円及び2百万円です。当該金額は連結損益計算書の「売上原価」に含まれています。
11.その他の金融資産
(注) 連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しています。
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
株式は主に取引関係の維持・強化による中長期的な持続的成長を目的として保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に指定しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の主な銘柄及び公正価値は、以下のとおりです。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に関する受取配当金の内訳は、以下のとおりです。
保有資産の効率化及び有効活用を図るため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の売却(認識の中止)を行っています。
売却時の公正価値及び資本でその他の包括利益として認識されていた累積利得又は損失(△)は、以下のとおりです。
(注) 資本でその他の資本の構成要素として認識されていた累積損益は、売却時及び公正価値が著しく下落した場合に利益剰余金に振り替えています。利益剰余金へ振り替えたその他の包括利益の累積利得又は損失(△)(税引後)は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ7,889百万円及び1,514百万円です。
12.その他の資産及び負債
その他の流動資産、その他の非流動資産、その他の流動負債及びその他の非流動負債の内訳は、以下のとおりです。
13.有形固定資産
有形固定資産の帳簿価額の期中増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 減価償却費は連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めています。
(注) 2 期中に資産化した借入コストの金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ98百万円及び174百万円であり、資産化に適格な借入コストの金額の算定に使用した資産化率はそれぞれ0.67%、0.67%です。
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額並びに帳簿価額は、以下のとおりです。
14.のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の帳簿価額の期中増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 償却費は連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めています。
(注) 2 期中に資産化した借入コストの金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ5百万円及び35百万円であり、資産化に適格な借入コストの金額の算定に使用した資産化率はそれぞれ0.6~0.9%、0.6~0.9%です。
のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額並びに帳簿価額は、以下のとおりです。
重要な無形資産は、注記「16.サービス委譲契約」に記載のとおりです。
(3) 研究開発費
前連結会計年度及び当連結会計年度における「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上された研究開発費は、それぞれ4,849百万円、5,104百万円です。
15.非金融資産の減損
当社グループは非金融資産の減損損失について、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資金生成単位でグルーピングを行っており、以下の資産について減損損失を計上しています。減損損失は連結損益計算書の「その他の費用」に計上しています。
前連結会計年度における減損損失の主なものは、建築事業における投資不動産及び舗装事業における有形固定資産です。
経営環境の変化等に伴う収益性の低下により、当該資産から見込まれる処分コスト控除後の公正価値又は割引後将来キャッシュ・フローを算定した結果、回収可能価額が当該資産の帳簿価額を下回ったため、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識しています。
なお、回収可能価額が使用価値の場合は将来キャッシュ・フローを税引前割引率である7.3%で割引いて算出しています。また回収可能額が処分コスト控除後の公正価値の場合は市場価額等に基づき評価しており、当該公正価値のヒエラルキーはレベル3です。
当連結会計年度における減損損失の主なものは、舗装事業における有形固定資産です。
経営環境の変化等に伴う収益性の低下により、当該資産から見込まれる処分コスト控除後の公正価値又は割引後将来キャッシュ・フローを算定した結果、回収可能価額が当該資産の帳簿価額を下回ったため、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識しています。
なお、回収可能価額が使用価値の場合は将来キャッシュ・フローを税引前割引率である8.5%で割引いて算出しています。また回収可能額が処分コスト控除後の公正価値の場合は市場価額等に基づき評価しており、当該公正価値のヒエラルキーはレベル3です。
当社グループは、企業結合により取得したのれんは、取得日以降、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しており、毎期かつ減損の兆候が存在する場合には、その都度、減損テストを実施しています。資金生成単位又は資金生成単位グループに配分された主要なのれんの減損テストは以下のとおりです。
(舗装事業)
舗装事業を行う前田道路(株)の買収に伴うのれんの帳簿価額は、移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ19,891百万円、19,891百万円及び19,933百万円です。
当該のれんの回収可能額は使用価値を用いて算定しており、主要な仮定は以下のとおりです。
使用価値は、経営者が承認した3ヶ年事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位の税引前加重平均資本コストを基礎として現在価値に割り引いて算定しています。減損テストに使用した割引率は移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ7.1%、7.3%及び8.5%です。
事業計画における業績予測については、外部及び内部より入手した過去のデータに業界の将来の趨勢に関する経営陣の評価を反映したうえで作成しています。また、将来キャッシュ・フローの予測について、経営者が基礎とした主要な仮定は舗装事業における建設工事に係る将来の売上高、売上総利益率、アスファルト合材等の製造・販売にかかる将来の販売数量、販売単価及び材料費に影響を及ぼす原油価格等に一定の仮定をおいて算定しています。事業計画の対象期間を超えるキャッシュ・フローについては、主に資金生成単位グループが属する市場の長期平均成長率の範囲内で見積った永久成長率の1.0%を元に算定しています。
なお、当該のれんについては、当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を十分に上回っていることから、成長率や割引率といった主要な仮定が合理的な範囲で変更されたとしても、それにより当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと予測しています。
(インフラ運営事業)
インフラ運営事業のうち、JWDホールディングス3(株)の買収に伴うのれんの帳簿価額は、当連結会計年度において138,910百万円です。
当該のれんの回収可能額は処分コスト控除後の公正価値を用いて算定しており、主要な仮定は以下のとおりです。
公正価値は、経営者が承認した事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位の税引後加重平均資本コスト等を基礎として現在価値に割り引いて算定しています。減損テストに使用した割引率は当連結会計年度において、4.7~4.8%です。
事業計画における業績予測については、外部及び内部より入手した過去のデータに業界の将来の趨勢に関する経営陣の評価を反映したうえで作成しており、再生可能エネルギー開発事業の事業サイクルの特性から、主にFIT又はFIPの期間にその後の経済的に操業可能と見込まれる期間を加えた期間等(概ね35年)の将来キャッシュ・フローにより算定しています。また、将来キャッシュ・フローの予測について、経営者が基礎とした主要な仮定は売電単価、プロジェクト成功率、プロジェクトごとの設備利用率、設備投資額、O&M事業の市場成長率等に一定の仮定をおいて算定しています。事業計画の対象期間を超えるキャッシュ・フローについては、永久成長率の0.6%を基に算定しています。当該公正価値のヒエラルキーはレベル3です。
なお、当該のれんについては、当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を十分に上回っていることから、成長率や割引率といった主要な仮定が合理的な範囲で変更されたとしても、それにより当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと予測しています。
16.サービス委譲契約
連結財政状態計算書に計上されている重要な無形資産は以下のとおりです。当該契約は、IFRIC第12号に基づき、サービス委譲契約の無形資産に分類しています。
(愛知道路コンセッション(株))
公共施設等運営権は、愛知県有料道路運営等事業にかかる運営権対価を無形資産として計上したものです。運営権対価は、交通量をベースとした収益額から一定の想定される費用や投資を踏まえたシミュレーションにより想定されている将来CFを割り引いて算出されています。
なお、公共施設等運営権は交通量に基づく生産高比例法により償却しています。
運営権者が取得した公共施設等運営権の概要は以下のとおりです。
公共施設等運営権の期日満了日時点で、当該契約の対象資産は愛知県道路公社に返還されます。
公共施設等運営事業の更新投資に係る資産は、公共施設の更新投資のうち資本的支出に該当する部分(所有権が管理者等に帰属するものに限る。)に関して、運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる額の総額及び支出時期を見積り、公共施設等運営権取得時に、支出すると見込まれる額の総額の現在価値を引当金として計上し、同額を無形資産として計上しています。
当該資産については、更新投資資産として、運営権と同一の基礎に基づき償却を行っています。
主な更新投資の内容及び投資を予定している時期は以下のとおりです。
(知多4路線)
(猿投グリーンロード)
(衣浦トンネル)
(衣浦豊田道路)
(名古屋瀬戸道路)
公共施設等運営事業の期日満了日時点で、当該契約の対象資産は愛知県道路公社に返還されます。
(みおつくし工業用水コンセッション(株))
公共施設等運営権は、大阪市工業用水道事業等にかかる運営権対価を無形資産として計上したものです。運営権対価は、給水量をベースとした収益額から一定の想定される費用や投資を踏まえたシミュレーションにより想定されている将来CFを割り引いて算出されています。
なお、公共施設等運営権は、事業運営期間である10年の定額法により償却しています。
運営権者が取得した公共施設等運営権の概要は以下のとおりです。
公共施設等運営権の期日満了日時点で、当該契約の対象資産は大阪市水道局に返還されます。
また、運営権者の届出により、市と運営権者との間で合意した場合は、規定の範囲内で運営権者が希望するまで本事業期間を延長することができます。
公共施設等運営事業の更新投資に係る資産は、公共施設の更新投資のうち資本的支出に該当する部分(所有権が管理者等に帰属するものに限る。)に関して、運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる額の総額及び支出時期を見積り、公共施設等運営権取得時に、支出すると見込まれる額の総額の現在価値を引当金として計上し、同額を無形資産として計上しています。
当該資産については、更新投資資産として、運営権と同一の基礎に基づき償却を行っています。
主な更新投資の内容及び投資を予定している時期は以下のとおりです。
(管路8路線)
公共施設等運営権の期日満了日時点で、当該契約の対象資産は大阪市水道局に返還されます。
また、運営権者の届出により、市と運営権者との間で合意した場合は、規定の範囲内で運営権者が希望するまで本事業期間を延長することができます。
(三浦下水道コンセッション(株))
公共施設等運営権は、三浦市公共下水道(東部処理区)事業にかかる運営権対価を無形資産として計上したものです。運営権対価は、排水量をベースとした収益額から一定の想定される費用や投資を踏まえたシミュレーションにより想定されている将来CFを割り引いて算出されています。
なお、公共施設等運営権は、事業運営期間である20年の定額法により償却しています。
運営権者が取得した公共施設等運営権の概要は以下のとおりです。
公共施設等運営権の期日満了日時点で、当該契約の対象資産は三浦市に返還されます。
公共施設等運営事業の更新投資に係る資産は、公共施設の更新投資のうち資本的支出に該当する部分(所有権が管理者等に帰属するものに限る。)に関して、運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる額の総額及び支出時期を見積り、公共施設等運営権取得時に、支出すると見込まれる額の総額の現在価値を引当金として計上し、同額を無形資産として計上しています。
当該資産については、更新投資資産として、運営権と同一の基礎に基づき償却を行っています。
主な更新投資の内容及び投資を予定している時期は以下のとおりです。
(東部浄化センター)
(金田中継センター)
(マンホールポンプ)
(管路施設)
公共施設等運営権の期日満了日時点で、当該契約の対象資産は三浦市に返還されます。
17.リース取引
(借手のリース取引)
当社グループは、借手として、建物・構築物、機械、運搬具及び工具器具備品、及び土地を賃借しています。
また、リース契約の一部については、延長オプションや解約オプションが付されており、当社グループは、当該延長オプションを行使する(若しくは解約オプションを行使しない)ことが合理的に確実であるかどうかを判断した上で、リース期間を決定しています。
当社グループは、リース期間が12か月以内の短期リース及び原資産が少額である一部のリースについては、当該リース料をリース期間にわたり費用として認識しています。
借手のリースに関連する費用の内訳は、以下のとおりです。
使用権資産の帳簿価額の内訳は以下のとおりです。
その他の借手のリースに関する開示は、以下のとおりです。
(貸手のリース取引)
当社グループは、貸手として、建物や機械装置等を賃貸しており、建物等の場合は敷金を受け入れ、機械装置等の場合は定期的に顧客状況、機器の使用状況等をモニタリングし、原資産に対するリスクを管理しています。
貸手のリース収益に関する開示は、以下のとおりです。
18.投資不動産
投資不動産の帳簿価額、取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減は、以下のとおりです。
投資不動産の帳簿価額及び公正価値は、以下のとおりです。
投資不動産の公正価値は、主として社外の不動産鑑定士から提示された割引キャッシュ・フロー法による評価額等に基づいて算定しております。
公正価値は、用いられる評価技法へのインプットにより3つのレベルに区分され(公正価値ヒエラルキー)、各レベルに関する内容は「39.金融商品」に記載しています。
移行日及び各年度における、投資不動産の公正価値ヒエラルキーは観察可能でないインプットを含むことからレベル3に分類しています。
投資不動産からの賃貸料収入及び直接営業費用の金額は、以下のとおりです。
19.主要な子会社
当連結会計年度末の主要な子会社の状況は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりです。
20.持分法で会計処理されている投資
東洋建設(株)
東洋建設(株)(所在地:大阪市中央区)は、主として建築及び土木に関する建設工事及び付帯する事業の活動を行っています。
当社グループは同社と経営資源を活用し合うことでシナジーを創出し、事業を育成・拡大していきたいと考えています。
東洋建設(株)のIFRS要約財務情報は、以下のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度における東洋建設(株)から受取った配当金は、それぞれ380百万円及び476百万円です。
重要性のない関連会社及び共同支配企業に対する投資の帳簿価額は、以下のとおりです。
重要性のない関連会社及び共同支配企業に関する財務情報は、以下のとおりです。なお、これらの金額は、当社グループの持分比率勘案後のものです。
21.売却目的で保有する資産及び直接関連する負債
売却目的で保有する資産及びそれに直接関連する負債の内訳は、以下のとおりです。
移行日(2022年4月1日)
移行日における売却目的で保有する資産及びそれに直接関連する負債は、インフラ運営事業に含まれる匿名組合八峰風力開発に係るものです。
当社は2021年12月16日開催の取締役会において、連結子会社である匿名組合八峰風力開発の全出資金を譲渡することを決議したため、売却目的保有に分類しています。
当該資産については、帳簿価額が売却コスト控除後の公正価値を下回っているため、帳簿価額で認識しています。公正価値は、譲渡契約における譲渡価額を基礎としており、公正価値ヒエラルキーはレベル3です。
なお、2022年6月に譲渡手続きを完了しています。
22.法人所得税
繰延税金資産及び繰延税金負債の主な原因別の内訳は、以下のとおりです。
(注) 無形資産の増加には、企業結合に伴う増減が含まれています。なお、無形資産の繰延税金負債の増加の大部分は企業結合によるものです。
繰延税金資産又は繰延税金負債の純額の増減の内訳は、以下のとおりです。
(注) 繰延税金資産の認識にあたり、将来加算一時差異、将来課税所得計算及びタックスプランニングを考慮しています。
連結財政状態計算書上で繰延税金資産を認識していない、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の内訳は、以下のとおりです。
(注) 連結財政状態計算書上で繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効予定は、以下のとおりです。
移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度において繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額は、それぞれ47,441百万円、59,601百万円及び62,809百万円です。
これらは当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
法人所得税費用の内訳は、以下のとおりです。
(注) その他の包括利益で認識された法人所得税は、注記「36.その他の包括利益」に記載しています。
法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異について、原因となった主な項目の内訳は、以下のとおりです。
(注) 当社は、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として法定実効税率を計算しています。
当社及び一部の子会社は、OECDが公表した第2の柱に係る法制が制定された法域で営業活動を行っており、2024年4月1日に開始する連結会計年度から、当該法制による追加課税が発生する可能性がありますが、当社グループの業績へ与える影響は軽微であると想定しています。
23.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しています。
2 公共施設等運営権に係る負債のうち決済予定日が期末日から1年を超えるものは、移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ104,214百万円、99,590百万円及び94,878百万円です。
24.社債、借入金及びリース負債
(注) 1 社債、借入金及びリース負債は償却原価で測定する金融負債に分類しています。
2 社債、借入金及びリース負債に関し、当社グループの財務活動に重大な影響を及ぼす財務制限条項は付されておりません。
3 社債の発行条件の要約は、以下のとおりです。
(注)1 匿名組合八峰風力開発のノンリコース借入金に対して担保設定を行っています。
2 債務の担保に供している資産は上記のほか、連結上消去されている子会社株式があります。
(注) 匿名組合八峰風力開発のノンリコース借入金です。
25.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、以下のとおりです。
26.引当金
引当金の増減は、以下のとおりです。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
完成工事に係る契約不適合等の費用に充てるため、過去の一定期間における実績に基づく引当額を認識しています。
完成工事補償引当金は、主に補償期間にわたって使用されます。
受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末手持工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることができる工事について損失見込額を認識しています。
工事損失引当金は、主に工事の進捗に応じて使用されます。
また、工事はその仕様や作業内容等において個別性が強く、さらに工事進行途上において工期の変更、想定外の費用の発生、建設資材単価や労務単価等の変動、設計変更等が生じる可能性があることから、引当金の算定には一定の仮定を用いています。
公共施設等運営事業の更新投資について、公共施設の更新投資のうち資本的支出に該当する部分(所有権が管理者等に帰属するものに限る。)に関して、運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる額の総額及び支出時期を見積り、公共施設等運営権取得時に、支出すると見込まれる額の総額の現在価値を負債として認識し、同額を資産として認識しています。
その他の引当金には、資産除去債務等が含まれています。
これらは通常の取引を起因とするものであり、個別にみて重要なものはありません。
27.退職後給付
当社グループは、確定給付型の制度として、企業年金基金制度、厚生年金基金制度を設けており、また確定拠出年金制度、退職一時金制度を設けています。
確定給付企業年金制度は、法令に従い、従業員の同意を得て、受給資格、給付内容、掛金負担等年金制度の内容を規定した年金規約を定め、厚生労働大臣の承認を受けています。規約に基づき、掛金の払込や制度資産の運用等に関して、年金運用受託機関と契約を締結し、制度を運営しています。
年金運用受託機関は、契約に基づいて制度資産の運用等を行う受託者責任を負っています。
制度資産は健全な運用を基礎としていますが、金融商品に係る投資リスクに晒されています。また、確定給付制度債務は割引率等の様々な年金数理計算上の仮定に基づき測定されているため、それらの仮定の変動によるリスクに晒されています。
また、従業員の退職等に際して、退職給付会計に準拠した数理計算による退職給付債務の対象とされない割増退職金を払う場合があります。
一部の連結子会社は、簡便的な方法により退職給付に掛かる負債及び退職給付費用を計算しています。
当連結会計年度末現在、当社グループ全体で退職一時金制度については20社が有しており、企業年金基金については2基金、厚生年金基金については1基金を有しています。
確定給付制度債務及び制度資産と連結財政状態計算書に計上された退職給付に係る負債及び資産との関係は、以下のとおりです。
確定給付制度債務の増減は、以下のとおりです。
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、以下のとおりです。
制度資産の増減は、以下のとおりです。
なお、当社グループは2025年3月期に2,745百万円の掛金を拠出する予定です。
資産上限額による影響の変動は、以下のとおりです。
(注) 確定給付制度が積立超過である場合に、連結財政状態計算書に計上する「退職給付に係る資産」は確定給付制度に対する将来掛金の減額という形による利用可能な将来の経済的便益の現在価値を上限としています。
制度資産合計に対する主な分類ごとの内訳は、以下のとおりです。
制度資産の運用にあたっては、確定給付制度債務の支払を将来にわたり確実に行うため、安全かつ効率的な資産運用により、制度を維持するに足りるだけの運用収益率を中長期的に上回ることを目的としています。そのため、許容されるリスクの程度について十分な検証を行い、そのリスクの範囲内で最適な資産構成割合を定め、多様な投資対象に分散投資を行っています。
数理計算上の仮定の主要なものは、以下のとおりです。
主要な基礎率の変化が各年度における確定給付制度債務に与える感応度は以下のとおりです。これらの感応度のそれぞれは、その他の変数が一定との前提を置いておりますが、実際には独立して変化するとは限りません。なお、マイナスは確定給付制度債務の減少を、プラスは確定給付制度債務の増加を表しています。
前連結会計年度及び当連結会計年度における確定拠出型年金制度の拠出額は、それぞれ6,075百万円、6,348百万円です。なお、上記には厚生年金保険料に関して費用として認識した金額を含んでいます。
連結子会社のうち1社は、確定給付型の制度として、複数事業主制度である厚生年金制度に加入しています。これらの制度は事業主ごとに過去勤務債務に係る掛金率や負担割合を定めておらず、一律の掛金を負担しています。そのため、要拠出額を退職給付費用として処理しています。
当連結会計年度における複数事業主制度への翌年度の予想拠出額は19百万円です。
当社グループでは、制度の解散、脱退、又はその他の事象により、加入している複数事業主制度に対して、追加拠出等の責任が発生する場合があります。
28.資本及びその他の資本項目
移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度における授権株式数は、普通株式1,200,000,000株です。
発行済株式数の増減は、以下のとおりです。
なお、当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式です。
(注) 前連結会計年度の発行済株式の期中減少16,225千株は、自己株式の消却によるものです。
自己株式数は、以下のとおりです。
(注) 1 前連結会計年度の期首残高には、株式給付信託(従業員持株会処分型)が保有する4,221千株及び株式給付信託(BBT)が保有する657千株が含まれています。
2 前連結会計年度の自己株式の増加13,294千株は、取締役会決議に基づく自己株式の取得による増加12,057千株、単元未満株式の買取りによる増加4千株及び持分変動による増加1,232千株です。
3 当連結会計年度の自己株式の増加6,864千株は、取締役会決議に基づく自己株式の取得による増加6,861千株、単元未満株式の買取りによる増加2千株です。
4 前連結会計年度の自己株式の減少17,659千株は、自己株式の消却による減少16,225千株、譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分による減少479千株及び株式給付信託(従業員持株会処分型)による従業員持株会への売却による減少954千株です。
5 当連結会計年度の自己株式の減少1,329千株は、譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分による減少208千株及び株式給付信託(従業員持株会処分型)による従業員持株会への売却による減少1,121千株です。
6 前連結会計年度の期末残高には、株式給付信託(従業員持株会処分型)が保有する3,267千株及び株式給付信託(BBT)が保有する377千株が含まれています。
7 当連結会計年度の期末残高には、株式給付信託(従業員持株会処分型)が保有する2,145千株、株式給付信託(BBT)が保有する2,806千株及び株式給付信託(J-ESOP)が保有する2,967千株が含まれています。
資本剰余金は、資本準備金及びその他資本剰余金から構成されています。
日本における会社法では、株式の発行に対しての払込又は給付した額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれる資本準備金に組み入れることが規定されています。
利益剰余金は利益準備金及びその他利益剰余金から構成されています。
日本における会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益剰余金に含まれる利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されています。
確定給付制度に関する、期首における数理計算上の仮定と実際の結果との差異による影響額及び数理計算上の仮定の変更による影響額です。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の評価差額です。
外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額です。
将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためのヘッジを行っており、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動額のうち有効と認められる部分です。
持分法適用会社における、在外営業活動体の財務諸表の換算差額に対する当社持分です。
29.配当金
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1 連結持分変動計算書の配当は、配当金の総額から、持分法適用会社が保有する当社株式に係る配当を控除しています。
2 2022年5月13日開催の取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託(従業員持株会処分型)が保有する当社株式に対する配当金168百万円、及び株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金26百万円が含まれています。
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 連結持分変動計算書の配当は、配当金の総額から、持分法適用会社が保有する当社株式に係る配当を控除しています。
2 2023年5月8日開催の取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託(従業員持株会処分型)が保有する当社株式に対する配当金179百万円、及び株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金20百万円が含まれています。
3 2023年11月10日開催の取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託(従業員持株会処分型)が保有する当社株式に対する配当金65百万円、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金70百万円及び株式給付信託(J-ESOP)が保有する当社株式に対する配当金74百万円が含まれています。
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 2024年5月10日開催の取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託(従業員持株会処分型)が保有する当社株式に対する配当金75百万円、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金98百万円及び株式給付信託(J-ESOP)が保有する当社株式に対する配当金103百万円が含まれています。
30.収益
売上高の分解と「6.セグメント情報」の関連は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) その他の源泉から認識した収益は、主にIFRS第16号に基づくリース収入等です。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) その他の源泉から認識した収益は、主にIFRS第16号に基づくリース収入等です。
(注) 1 契約資産は顧客との工事請負契約において履行義務の進捗により収益を認識しているが未請求の対価に対する権利であり、支払に対する権利が無条件になった時点で債権へ振り替えられます。
2 契約負債は主に工事請負契約に基づき顧客から受け取った前受金であり、収益の認識に伴い収益に振り替えられます。期首における契約負債のうち収益に認識した金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ27,860百万円、29,582百万円です。
3 工事請負契約における顧客の支払条件は個々の契約ごとに異なるため、履行義務の充足と支払時期に明確な関連性はありません。
移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度において未充足又は部分的に未充足の履行義務に配分した取引価格の総額は、それぞれ766,713百万円、754,134百万円及び768,095百万円です。
なお、主な残存履行義務は建築事業及び土木事業に関するものであり、工事の進捗に応じて概ね5年以内に収益を認識することを見込んでいます。
31.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりです。
32.従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書に含まれる従業員給付費用の合計額は、それぞれ83,731百万円及び92,796百万円です。
従業員給付費用には、給与、賞与、法定福利費、退職給付費用及び株式報酬費用が含まれており、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しています。
33.その他の収益
その他の収益の内訳は、以下のとおりです。
34.その他の費用
その他の費用の内訳は、以下のとおりです。
35.金融収益及び金融費用
(注) 為替差益には通貨デリバティブの評価損益が含まれています。
36.その他の包括利益
「その他の包括利益」に含まれている、各項目別の当期発生額及び損益への組替調整額並びに税効果の影響は、以下のとおりです。
37.1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益、希薄化後1株当たり当期利益及びその算定上の基礎は、以下のとおりです。
(注) 1 株式給付信託に係る信託口が保有する当社株式は、基本的1株当たり当期利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めています。前連結会計年度及び当連結会計年度において基本的1株当たり当期利益の算定上、控除した当該自己株式の期中平均株式数は、それぞれ3,917千株、6,375千株です。
2 譲渡制限付株式報酬制度に基づき付与した株式のうち、譲渡制限解除の条件を満たしていないものは基本的1株当たり当期利益の算定上、期中平均株式数に含めていません。前連結会計年度及び当連結会計年度において基本的1株当たり当期利益の算定上、控除した当該株式の期中平均株式数は、それぞれ298千株、436千株です。
38.連結キャッシュ・フロー計算書の補足情報
財務活動に関する負債
各年度の財務活動に関する負債の増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1年内に返済又は償還予定の残高を含んでいます。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1年内に返済又は償還予定の残高を含んでいます。
39.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、資本効率を高めるとともに、財務の健全性を確保することを資本管理の基本方針としています。指標については、経営者に定期的に報告され、モニタリングしております。当社グループが資本管理として用いる主な指標はROE(親会社所有者帰属持分利益率)であり、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (1) 連結経営指標等」に記載のとおりです。
(2) 財務リスク管理の基本方針
当社グループは、事業活動を遂行する過程において、様々な財務上のリスク(信用リスク、流動性リスク、市場リスク、為替リスク及び金利リスク)に晒されています。そのため、社内管理規程等に基づき、定期的に財務上のリスクのモニタリングを行い、リスクを回避又は低減するための対応を必要に応じて実施しています。
また、デリバティブ取引は、投機的な取引及び短期的な売買差益を得ることを目的として行うことを禁止し、後述するリスクを回避するために利用しています。
(3) 信用リスク
① 信用リスク管理
当社は、受注管理規程及び経理規程等に従って、営業債権である受取手形及び売掛金、並びに契約資産について、各事業部門における管理部門が主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っています。連結子会社についても、当社の受注管理規程及び経理規程等に準じて、同様の管理を行っています。
当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示している金融資産の減損後の帳簿価額です。
② 貸倒引当金の増減
各年度の貸倒引当金の増減は以下のとおりです。
(注) 営業債権、契約資産及びリース債権に係る貸倒引当金における繰入及び戻入は、主として販売及び回収により営業債権及びその他の債権が増加及び減少したことによるものです。
(4) 流動性リスク
① 流動性リスク管理
当社グループは資金調達については資金の安定性とコストを勘案しながら銀行借入や社債発行等を中心に必要な資金を調達しておりますが、流動性リスクを考慮して返済期日を集中させないように管理しています。
また、当社グループの資金を集中的かつ効率的に管理することで流動性リスクの低減に努めています。複数の金融機関とコミットメントラインを設定することで十分な流動性の確保も行っています。
② 金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高
移行日及び各年度の金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は、以下のとおりです。
移行日(2022年4月1日)
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(5) 市場リスク(株価変動リスク)
① 株価変動リスク管理
当社グループは事業戦略を円滑に遂行する目的で業務上の関係を有する企業の株式を保有し、資本性金融資産(株式)の価格変動リスクに晒されています。これらの資本性金融資産については、定期的に市場価格や発行体の財務状況を把握し、保有状況を継続的に見直しています。
② 株価変動感応度分析
当社グループが各年度末において保有する活発な市場のある資本性金融資産(株式)において、期末日の公表価格が一律10%下落した場合のその他の包括利益(税引前)に与える影響は、以下のとおりです。
(6) 金融商品の公正価値ヒエラルキー
当初認識後に経常的に公正価値で測定する金融商品は、測定に使用したインプットの観察可能性及び重要性に応じて、公正価値ヒエラルキーを以下の3つのレベルに分類しています。
レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における市場価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3:重要な観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値
公正価値の測定に複数のインプットを使用している場合には、その公正価値の測定の全体において重要な最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値のレベルを決定しています。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各報告期間の末日に発生したものとして認識しています。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間における振替はありません。
① 連結財務諸表において公正価値で測定する金融商品の公正価値レベル別ヒエラルキー
移行日(2022年4月1日)
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
株式及び出資金
株式及び出資金のうち活発な市場が存在する銘柄の公正価値は市場価格に基づいて算定しているため、レベル1に分類しています。また、活発な市場が存在しない銘柄のうち、公正価値を重要な観察不能なインプットを用いて主として類似業種比較法で算定した金額で測定した銘柄についてレベル3に分類しています。
なお、必要に応じて一定の非流動性ディスカウント等を加味しています。
デリバティブ資産及びデリバティブ負債
デリバティブ資産及びデリバティブ負債のうち為替予約、金利スワップ等の公正価値は、取引先金融機関から提示された価格等によって算定しており、レベル2に分類しています。
② 連結財務諸表において公正価値で測定されない金融商品の公正価値
連結財務諸表において公正価値で測定されない金融商品の帳簿価額及び公正価値は、以下のとおりです。
なお、公正価値が帳簿価額と近似している金融商品は以下に含めていません。
長期借入金及びノンリコース借入金の公正価値については、元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により測定しており、レベル2に分類しています。
社債の公正価値については、市場価格のあるものは市場価格に基づき、市場価格のないものは、元利金の合計額を当該社債の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により測定しており、レベル2に分類しています。
公共施設等運営権に係る負債の公正価値については、支払予定時期に基づき、将来キャッシュ・フローを国債利回りを基礎とした合理的な利率で割り引いて算定しており、レベル2に分類しています。
③ レベル3に分類された金融資産
レベル3に分類した金融商品については、当社グループで定めた公正価値測定の評価方針及び手続に従い、評価者が対象となる金融商品の評価方法を決定し、公正価値を測定しています。
また、公正価値の測定結果については適切な権限者がレビュー及び承認しています。
各年度におけるレベル3に分類された経常的に公正価値で測定する金融商品の増減は、以下のとおりです。
(注) 1 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、金融収益及び金融費用に含まれています。
なお、各期末に保有する金融商品に係る未実現の利得及び損失は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ△1,879百万円及び25百万円です。
2 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に含まれています。
(7) ヘッジ
当社グループは、為替リスクや金利リスクを低減するためにデリバティブ取引を行っており、キャッシュ・フローヘッジ又は公正価値ヘッジの要件を満たすものについてはヘッジ会計を適用しています。
デリバティブ取引の執行・管理については、取引権限を定めた決裁権限規程に従って行っており、また、デリバティブの利用にあたっては、信用リスクを軽減するために、格付けの高い金融機関とのみ取引を行っております。
当社グループは、ヘッジ関係の開始時にヘッジ対象の数量とヘッジ手段の数量に基づいて適切なヘッジ比率を設定しており、原則として1対1の関係となるよう設定しています。
ヘッジ関係について有効性が認められなくなったものの、リスク管理目的に変更が無い場合は、ヘッジ関係が再び有効となるようヘッジ関係の開始時に設定したヘッジ比率を再調整しています。
また、ヘッジ関係についてリスク管理目的が変更された場合は、ヘッジ会計の適用を中止しています。
キャッシュ・フロー・ヘッジは主として外貨建ての予定取引及び変動金利による借入金に関する将来キャッシュ・フローの変動リスクを低減する目的で利用しています。公正価値ヘッジは、借入金を変動金利化し、当該借入金の公正価値の変動リスクを低減する目的で利用しています。
ヘッジ手段に関する金額等は以下のとおりです。
キャッシュ・フロー・ヘッジ及び公正価値ヘッジのキャッシュ・フローが発生すると見込まれる期間は、それぞれ1年から16年及び1年から3年であり、純損益に影響を与えることになると見込まれる期間とほぼ同時であると予測されます。
連結財政状態計算書上において、ヘッジ手段の帳簿価額は「その他の金融資産」又は「その他の金融負債」に含まれています。
② ヘッジ対象
ヘッジ対象に関する金額は以下のとおりです。
③ その他の包括利益及び純損益への影響
その他の包括利益及び純損益への影響は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 組替調整額は連結損益計算書上「金融収益」又は「金融費用」に計上しています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 組替調整額は連結損益計算書上「金融収益」又は「金融費用」に計上しています。
(8) 金融資産の譲渡
当社グループでは、売上債権の一部について手形の裏書等の方法により流動化を行っています。しかし、当該流動化債権の中には、債務者が支払を行わない場合に当社グループに遡及的に支払い義務が発生するものがあり、そのような流動化債権については金融資産の認識の中止の要件を満たさないことから認識の中止を行っていません。
また、譲渡資産及び譲渡資産に関連する負債は、それぞれ連結財政状態計算書における「営業債権及びその他の債権」及び「社債及び借入金」に含めて表示しています。
当該負債は、譲渡資産に対して支払が行われた場合に決済されることになりますが、その間、当社グループが当該譲渡資産を利用することはできません。
認識の中止の要件を満たさない方法で譲渡された譲渡資産及び関連する負債に関する帳簿価額は、以下のとおりです。なお、これらの帳簿価額は概ね公正価値です。
40.関連当事者
(1) 当社の主要な経営幹部に対する報酬
当社の取締役及び執行役に対する報酬は、以下のとおりです。
(2) 関連当事者との取引
移行日(2022年4月1日)
該当事項はありません。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注)価格その他の取引条件は、市場価格に基づいて価格交渉し決定しています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
41.株式報酬
当社グループは株式に基づく報酬として、株式給付信託制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用しています。
(1) 譲渡制限付株式報酬制度
本制度は、当社の取締役(社外取締役である者を除く。)及び執行役並びに事業会社3社(前田建設工業(株)、前田道路(株)、(株)前田製作所)の取締役及び執行役員(以下、「対象取締役等」という。)との間で、譲渡制限付株式割当契約を締結し、対象取締役等は当該割当契約によって交付された株式を当該割当契約に定める一定の期間(以下、「譲渡制限期間」という。)中は、自由に譲渡、担保権の設定その他の処分をすることができないものです(以下、「譲渡制限」という。)。
譲渡制限期間は、付与日から取締役等のいずれも退任する日までとし、各取締役等の任期等を踏まえて当社が定める期間、継続して対象取締役の地位にあったことを条件として、譲渡制限期間の満了時において、割り当てを受けた当社の普通株式の全部につき譲渡制限が解除されます。他方で、譲渡制限期間が満了した時点において、譲渡制限が解除されていない株式については、原則として当社が無償で取得します。本制度は持分決済型の株式報酬制度として会計処理しています。
(注) 公正価値の測定方法は、取締役会決議の日の前営業日における株価を使用しています。
(2) 株式給付信託制度
① 取締役、執行役及び執行役員に対する業績連動型株式報酬制度(BBT)
(a)株式報酬制度の内容
本制度は、当社の取締役(社外取締役である者を除く。)及び執行役並びに事業会社3社(前田建設工業(株)、前田道路(株)、(株)前田製作所)の取締役及び執行役員(以下、「対象取締役等」という。)に対し、役員株式給付規程(以下、「本規程」という。)に従い、業績達成度等に応じて当社所定の基準によるポイントを付与し、中期経営計画期間終了直後の一定の期日に対象取締役等のうち本規程に定める受益者要件を満たした者(以下、「受益者」という。)に対して、当該受益者に付与されたポイント数に応じた当社株式を給付します。本制度は持分決済型の株式報酬制度として会計処理しています。ただし、受益者が本規程に定める要件を満たす場合には、ポイントの一定割合について、当社株式の時価相当の金銭を給付します。
(b)ポイント数の増減及びポイントの加重平均公正価値
ポイント数の増減及びポイントの加重平均公正価値は、以下のとおりです。
なお、株式の付与日における公正価値は、付与日の株価に近似していることから、付与日の株価を使用しております。
② 従業員に対する株式給付信託(J-ESOP)
(a)株式報酬制度の内容
本制度は、米国のESOP(Employee Stock Ownership Plan)制度を参考にした信託型のスキームであり、予め当社及び一定の要件を満たした当社グループ子会社(以下、当社と併せて「対象会社」という。)が定めた株式給付規程に基づき、当社及び当社グループの子会社の全従業員(以下、「従業員」という。)に対し当社株式を給付します。
対象会社は、従業員に対し各年度の当グループの連結業績等に応じたポイントを付与し、一定の条件により受給権を取得した時に当該付与ポイントに相当する当社株式を給付します。従業員に対し給付する株式については、予め信託設定した金銭により将来分も含め取得し、信託財産として分別管理するものとします。本制度は持分決済型の株式報酬制度として会計処理しています。ただし、受益者が本規程に定める要件を満たす場合には、ポイントの一定割合について、当社株式の時価相当の金銭を給付します。
(b)ポイント数の増減及びポイントの加重平均公正価値
当連結会計年度において付与したポイントはありません。
③ 従業員に対する株式給付信託(従業員持株会処分型)
当社グループは、当社グループ会社の従業員の福利厚生の増進及び当社の企業価値向上に係るインセンティブの付与を目的として、従業員持株会に信託を通じて自社の株式を交付する「株式給付信託(従業員持株会処分型)」(以下、「本制度」という。)を導入し、現金決済型の株式報酬制度として会計処理しています。
本制度の実施にともない、当社を委託者、みずほ信託銀行(株)(以下、「受託者」という。)を受託者とする「株式給付信託《従業員持株会処分型》契約書」(以下、かかる契約に基づいて設定される信託を「本信託」という。)を締結しています。また、受託者は、(株)日本カストディ銀行(以下、「信託E口」という。)を再信託受託者として当社株式などの本信託の信託財産を再信託する契約を締結しています。信託E口は、信託設定後5年間にわたり「インフロニア・ホールディングス社員持株会」(以下、「持株会」という。)が取得する見込みの当社株式を取得し、定期的に持株会に対して売却を行っています。信託終了時までに、信託E口による持株会への当社株式の売却を通じて本信託の信託財産内に株式売却益相当額が累積した場合には、それを残余財産として受益者適格要件を充足する持株会加入者に分配します。また、当社は、信託E口が当社株式を取得するために受託者が行う借入に対し保証をしているため、信託終了時において、当社株式の株価の下落により株式売却損相当の借入残債がある場合には、保証契約に基づき当該残債を弁済することとなります。
本制度に係る負債の公正価値はモンテカルロ法で見積もられており、主な基礎数値は以下のとおりです。なお、移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度における負債の帳簿価額は、それぞれ13百万円、139百万円及び9百万円です。
(3) 株式報酬費用
連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれている株式報酬費用計上額は、以下のとおりです。
42.コミットメント
決算日以降の支出に関する重要なコミットメントは、以下のとおりです。
43.偶発負債
偶発負債は、以下のとおりです。
債務保証等
44.重要な後発事象
(新株予約権付社債の発行)
2024年3月21日付の取締役会において、2029年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(グリーンCB)(以下、「本新株予約権付社債」といい、そのうち社債のみを「本社債」、新株予約権のみを「本新株予約権」という。)を発行することを決議し、2024年4月8日(ロンドン時間、以下別段の表示のない限り同じ。)に払い込みが完了しています。その概要は以下のとおりです。
(1) 発行総額 600億円及び代替新株予約権付社債券(本新株予約権付社債券の紛失、盗難又は滅失の場合に適切な証明及び補償を得て発行する新株予約権付社債券をいう。以下同じ。)に係る本社債の払込金額合計額を合計した額
(2) 発行価額 本社債の額面金額の100.0%(各本社債の額面金額 1,000万円)
(3) 発行価格 本社債の額面金額の102.5%
(4) 利率 本社債に利息は付さない
(5) 払込期日 2024年4月8日
(6) 償還期限 2029年3月30日
(7) 本新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数
① 種類及び内容 当社普通株式(単元株式数 100株)
② 数 本新株予約権の行使により当社普通株式を交付する数は、行使請求に係る本社債の額面金額の総額を下記(9)記載の転換価額で除した数とする。ただし、行使により生じる1株未満の端数は切り捨て、現金による調整は行わない。
(8) 本新株予約権の総数 6,000個及び代替新株予約権付社債券に係る本社債の額面金額合計額を1,000万円で除した個数の合計数
(9) 本新株予約権の行使に際して払い込むべき額
① 各本新株予約権の行使に際しては、当該本新株予約権に係る本社債を出資するものとし、当該本社債の価額は、その額面金額と同額とする。
② 転換価額は1,853.5円とする。
③ 転換価額は、本新株予約権付社債の発行後、当社が当社普通株式の時価を下回る払込金額で当社普通株式を発行し又は当社の保有する当社普通株式を処分する場合には、下記の算式により調整される。なお、下記の算式において、「既発行株式数」は当社の発行済普通株式(当社が保有するものを除く。)の総数をいう。
また、転換価額は、当社普通株式の分割又は併合、一定の剰余金の配当、当社普通株式の時価を下回る価額をもって当社普通株式の交付を請求できる新株予約権(新株予約権付社債に付されるものを含む。)の発行が行われる場合その他一定の事由が生じた場合にも適宜調整される。
(10)本新株予約権の行使期間 2024年4月22日から2029年3月16日まで(行使請求受付場所現地時間)とする。ただし、発行要項に一定の定めがある。
(11)新株予約権の行使の条件 各本新株予約権の一部行使はできない。
(12)資金の使途 本新株予約権付社債の発行による手取概算額 600 億円については、全額を 2024年4月末までに日本風力開発(株)の株式の取得(子会社化)に伴い金融機関から借り入れた借入金2,184億円の返済資金の一部に充当しています。
(社債型種類株式の発行並びに資本金及び資本準備金の額の減少)
2024年6月25日開催の取締役会において、第1回社債型種類株式を発行することを決議しました。併せて、第1回社債型種類株式の発行に係る払込期日を効力発生日として、第1回社債型種類株式の発行により増加する資本金及び資本準備金の額と同額の資本金及び資本準備金の額の減少を行うことを決議しました。その概要は以下のとおりです。
1.公募による第1回社債型種類株式の発行について
(1) 募集株式の種類及び数
インフロニア・ホールディングス株式会社第1回社債型種類株式 20,000,000株
(2) 発行価格(募集価格)の総額 100,000,000,000円(1株につき5,000円)
(3) 払込金額 1株につき4,875円
(4) 増加する資本金及び資本準備金の額
増加する資本金の額 48,750,000,000円(1株につき2,437.5円)
増加する資本準備金の額 48,750,000,000円(1株につき2,437.5円)
(5) 募集方法
国内における一般募集(以下、「一般募集」という。)とし、野村證券(株)、みずほ証券(株)、SMBC日興証券(株)及び大和証券(株)(以下、「引受人」という。)に全株式を買取引受けさせる。
(6) 引受人の対価
引受手数料は支払わず、これに代わるものとして一般募集における発行価格(募集価格)と引受人より当社に払い込まれる金額である払込金額との差額の総額を引受人の手取金とする。
(7) 申込期間 条件決定日((10)②に定義する。)の翌営業日から2024年7月31日(水)まで
(8) 払込期日 2024年8月1日(木)
(9) 申込株数単位 100株
(10)優先配当金
① 優先配当金
3月31日を基準日として剰余金の配当を行うときは、当該配当の基準日の最終の株主名簿に記載又は記録された第1回社債型種類株式を有する株主(以下、「第1回社債型種類株主」という。)又は第1回社債型種類株式の登録株式質権者(以下、第1回社債型種類株主と併せて「第1回社債型種類株主等」と総称する。)に対し、普通株式を有する株主(以下、「普通株主」という。)及び普通株式の登録株式質権者(以下、普通株主と併せて「普通株主等」と総称する。)に先立ち、第1回社債型種類株式1株につき、第1回社債型種類株式1株当たりの発行価格相当額に、 ②に記載する配当年率(10%を上限とする。)を乗じて算出した額の金銭を支払う。
② 配当年率
(a) 2030年3月31日以前に終了する各事業年度に基準日が属する場合
年(未定。ただし、年2.3%以上年3.0%以下を仮条件とし、条件決定日に決定する。)%(以下、「固定配当年率」という。)
(b) 2030年4月1日以降に終了する各事業年度に基準日が属する場合
各基準日が属する事業年度につき、その直前事業年度の末日の2営業日前の日(以下、「年率基準日」という。)における1年国債金利に(未定。ただし、固定配当年率の決定時に適用される残存期間5年程度の10年国債の流通利回り(年2回複利ベース)への上乗せ幅に、追加で1%を加えた値とし、条件決定日に決定する。)%を加えた率
(注) 配当年率は、日本証券業協会の定める有価証券の引受け等に関する規則第25条に規定されるブックビルディング方式と同様の方式により、上記の固定配当年率に係る仮条件を提示して、当該仮条件による需要状況を勘案した上で2024年7月12日(金)から2024年7月17日(水)までの間のいずれかの日(以下、「条件決定日」という。)に決定される。
③ 累積条項
ある事業年度に属する日を基準日として、第1回社債型種類株主等に対して行う第1回社債型種類株式1株当たりの金銭による剰余金の配当の額が当該事業年度に係る第1回社債型種類株式優先配当金の額に達しないときは、その不足額について、単利計算により翌事業年度以降に累積する(以下、累積した不足額を「第1回社債型種類株式累積未払配当金」という。)。
④ 非参加条項
第1回社債型種類株主等に対しては、第1回社債型種類株式優先配当金の額及び第1回社債型種類株式累積未払配当金の額の合計額を超えて剰余金の配当を行わない。
(11)議決権
第1回社債型種類株主は、すべての事項につき株主総会において議決権を行使することができない。
(12)取得条項(会社による金銭対価の取得)
① 金銭対価の取得条項
当社は、下記(a)又は(b)のいずれかに該当する事由が生じ、かつ取締役会の決議又は取締役会の決議によって委任を受けた執行役の決定により別に定める取得日が到来した場合は、第1回社債型種類株式の全部又は一部を取得することができる。この場合、当社は、第1回社債型種類株式を取得するのと引換えに、第1回社債型種類株主に対し、第1回社債型種類株式1株につき、基準価額(以下に定義する。)相当額の金銭を交付する。ただし、当社は、取得日又は当該取得に係る振替取得日(以下に定義する。)のいずれかが4月1日から6月30日までのいずれかの日となる取得を行うことができない。第1回社債型種類株式の一部を取得するときは、取締役会又は取締役会の決議によって委任を受けた執行役が定める合理的な方法によって、第1回社債型種類株主から取得すべき第1回社債型種類株式を決定する。
(a) 払込期日(同日を含む。)から5年を経過した日が到来した場合(2029年8月1日以降)
(b) 資本性変更事由(以下に定義する。)が生じ、かつ継続している場合
「基準価額」とは、第1回社債型種類株式1株当たりの発行価格相当額に、当該取得に係る振替取得日における第1回社債型種類株式累積未払配当金の額及び経過配当金相当額(以下に定義する。)の合計額を加えた額をいう。
「経過配当金相当額」とは、当該取得に係る振替取得日の属する事業年度の初日(2025年3月31日に終了する事業年度については、払込期日)(同日を含む。)から当該取得に係る振替取得日(同日を含む。)までの期間の日数に当該事業年度にその配当の基準日が属する第1回社債型種類株式優先配当金の額を乗じた金額を365(当該取得に係る振替取得日の属する事業年度がうるう年の2月29日を含む場合は366とする。ただし、2025年3月31日に終了する事業年度については、払込期日(同日を含む。)から2025年3月31日(同日を含む。)までの期間の日数)で除して得られる額をいう(円位未満小数第3位まで算出し、その小数第3位は切り捨てるものとする。)。ただし、当該取得に係る振替取得日の属する事業年度において第1回社債型種類株主等に対して第1回社債型種類株式優先期中配当金を支払うときは、その額(当該取得に係る振替取得日が毎年10月1日から第1回社債型種類株式優先期中配当金に関する取締役会の決議の日の前日までの日である場合は、当該配当金の予想額として当社が9月30日時点で公表済みの額)を控除した額とする。
「振替取得日」とは、本項に記載する金銭対価の取得に基づく振替の申請により当社の振替先口座における保有欄に取得に係る第1回社債型種類株式の数の増加の記載もしくは記録がなされる日又は当該取得に基づく全部抹消の通知により第1回社債型種類株式についての記載もしくは記録の抹消がなされる日をいう。
「資本性変更事由」とは、信用格付業者((株)日本格付研究所又はその格付業務を承継した者をいう。以下同じ。)より、信用格付業者における第1回社債型種類株式発行後の資本性評価基準の変更に従い、第1回社債型種類株式について、当該信用格付業者が認める当該第1回社債型種類株式の発行時点において想定された資本性より低いものとして取り扱うことを決定した旨の公表がなされたか、又は当該旨の書面による通知が当社に対してなされたことをいう。
② 借換制限
当社は、当社が本項に記載する金銭対価の取得又は特定の第1回社債型種類株主との合意もしくは会社法第165条第1項に規定する市場取引等による第1回社債型種類株式の取得(以下、金銭対価の取得と併せて「金銭対価取得」という。)を行う場合は、金銭対価取得を行う日以前12か月間に、借換必要金額(以下に定義する。)につき、借換証券(以下に定義する。)を発行もしくは処分又は借入れ(以下、「発行等」という。)することにより資金を調達していない限り、当該金銭対価取得を行わない。
なお、払込期日(同日を含む。)から5年を経過した日(2029年8月1日)以降、金銭対価取得を行う場合において、デット・エクイティ・レシオ(以下に定義する。)が1.0倍以下の場合には、借換必要金額の算出にあたり、連結自己資本金額(以下に定義する。)から4,999億円を控除した金額(かかる金額がゼロを下回る場合はゼロとし、当該金銭対価取得に係る第1回社債型種類株式の発行価格の総額相当額を上限とする。)に50パーセントを乗じた金額を金銭対価取得がなされる第1回社債型種類株式の評価資本相当額(以下に定義する。)から控除することができる。
「借換必要金額」とは、借換証券が普通株式の場合には、金銭対価取得がなされる第1回社債型種類株式の評価資本相当額から2029年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の転換額(行使された新株予約権に係る同社債の額面金額の総額をいう。以下同じ。)を控除した金額をいい、借換証券が普通株式以外の場合には、金銭対価取得がなされる第1回社債型種類株式の評価資本相当額から2029年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の転換額を控除した金額を、当該借換証券について信用格付業者から承認を得た資本性(パーセント表示される。)で除して算出される金額をいうものとし、普通株式と普通株式以外の借換証券を併せた発行等を行う場合は、それぞれの算式を準用する。
「借換証券」とは、以下のa.ないしc.の証券又は債務をいう。ただし、(ⅰ)以下のa.ないしc.のいずれの場合においても、借換証券である旨を当社が公表している場合に限り、(ⅱ)以下のa.又はb.の場合においては、当社の連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則第2条第3号に定める子会社及び同条第7号に定める関連会社以外の者に対して発行等されるものに限り、(ⅲ)以下のb.又はc.の場合においては、第1回社債型種類株式の払込期日における第1回社債型種類株式と同等以上の当社における資本性を有するものと信用格付業者から承認を得たものに限る。
a. 普通株式
b. 上記a.以外のその他の種類の株式
c. 上記a.又はb.以外の当社のその他一切の証券及び債務
「デット・エクイティ・レシオ」とは、金銭対価取得を行う時点で当社より公表されている連結有利子負債(以下に定義する。)から残存する劣後特約付社債及び劣後特約付ローンの評価資本相当額の合計を控除した金額を、連結自己資本金額並びに残存する劣後特約付社債及び劣後特約付ローンの評価資本相当額の合計で除した値をいう。
「連結自己資本金額」とは、直近連結会計年度末又は四半期連結会計期間末時点における親会社の所有者に帰属する持分合計から金銭対価取得がなされる第1回社債型種類株式の発行価格を控除した金額をいう。
「評価資本相当額」とは、第1回社債型種類株式もしくは劣後特約付社債の発行価格の総額又は劣後特約付ローンの元本金額にそれぞれ信用格付業者から承認を得た資本性(パーセント表示される。)を乗じた金額をいう。
「連結有利子負債」とは、直近連結会計年度末又は四半期連結会計期間末時点における短期社債、短期借入金、コマーシャル・ペーパー、1年内償還予定の社債、1年内償還予定の新株予約権付社債、1年内返済予定の長期借入金、社債、新株予約権付社債及び長期借入金並びに金銭対価取得がなされる第1回社債型種類株式の発行価格の総額の合計をいう。ただし、ノンリコース債務及びリース債務は含まない。
(13)資金の使途
第1回社債型種類株式の発行による手取概算額970億円については、全額を2024年8月末までに日本風力開発(株)の株式の取得(子会社化)に伴い金融機関から借り入れた借入金2,184億円の返済資金の一部に充当します。
2.資本金及び資本準備金の額の減少について
(1) 目的
当社は、今後の機動的かつ柔軟な資本政策を可能とするため、公募による第1回社債型種類株式の発行に係る払込が行われることを条件として、当該発行に係る払込期日と同日付にて、当該発行により増加する資本金及び資本準備金の額と同額の資本金及び資本準備金の額の減少を行い、それぞれの全額を「その他資本剰余金」に振り替えることとしました。
(2) 概要
① 減少すべき資本金の額 48,750,000,000円
② 減少すべき資本準備金の額 48,750,000,000円
③ 資本金及び資本準備金の額の減少の方法
会社法第447条第1項及び第3項並びに会社法第448条第1項及び第3項の規定に基づき資本金及び資本準備金の額の減少を上記のとおり行った上で、それぞれの全額を「その他資本剰余金」に振り替えます。
(3) 日程
45.初度適用
当社グループは、当連結会計年度からIFRSに準拠した連結財務諸表を開示しています。日本基準に準拠して作成された直近の連結財務諸表は、2023年3月31日に終了する連結会計年度に関するものであり、IFRSへの移行日は2022年4月1日です。
(1) IFRS第1号の免除規定
IFRS第1号は、IFRSを初めて適用する企業に対し、原則としてIFRSを遡及的に適用することを求めております。ただし、一部については例外を認めており、当社グループが採用した免除規定は以下のとおりです。
① 企業結合
初度適用企業は、移行日前に行われた企業結合に対して、IFRS第3号「企業結合」(以下、「IFRS第3号」という。)を遡及適用しないことを選択することが認められています。当社グループは遡及免除規定を適用し、移行日前に行われた企業結合に対して、IFRS第3号を遡及適用しないことを選択しています。この結果、移行日前の企業結合から生じたのれんの額については、日本基準に基づく移行日時点での帳簿価額としています。
なお、のれんについては、減損の兆候の有無に関わらず、移行日時点で減損テストを実施しています。
② リース
IFRS第1号では、初度適用企業は、移行日時点で存在する契約にリースが含まれているかどうかを、同日時点で存在する事実及び状況に基づいて判定することが認められています。また、リース負債及び使用権資産を認識する際に、移行日現在で測定することが認められています。さらに、短期リース及び原資産が少額であるリースについて、リース負債及び使用権資産を認識しないことが認められています。
当社グループは、当該免除規定を適用し、移行日時点で存在する事実と状況に基づいて、契約にリースが含まれているかを判断するとともに、短期リース及び原資産が少額であるリースを除き、リース負債は移行日時点の残りのリース料を移行日現在の借手の追加借入利子率で割り引いた現在価値で測定し、使用権資産はリース負債と同額で測定しています。
③ 借入コスト
IFRS第1号では、適格資産に係る借入コストの資産化の開始日を移行日とすることが認められています。当社グループは、移行日以降の適格資産に係る借入コストを資産化しています。
④ 以前に認識した金融商品の指定
IFRS第1号では、IFRS第9号「金融商品」(以下、「IFRS第9号」という。)における分類について、当初認識時点で存在する事実及び状況ではなく、移行日時点の事実及び状況に基づき資本性金融資産の公正価値の変動をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定することが認められています。
当社グループは、IFRS第9号における分類について、移行日時点で存在する事実及び状況に基づき判断を行っており、原則として資本性金融資産への投資について、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定しています。
IFRS第1号では、移行日現在の在外営業活動体の換算差額の累計額を零とみなすことを選択することが認められています。当社グループは、在外営業活動体の換算差額の累計額を移行日現在で零とみなすことを選択しています。
(2) 調整表
IFRSの初度適用において開示が求められる調整表は以下のとおりです。
なお、調整表の「表示組替」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼさない項目を、「認識及び測定の差異」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼす項目を含めて表示しています。
2022年4月1日(移行日)現在の資本に対する調整
2023年3月31日(前連結会計年度)現在の資本に対する調整
資本に対する調整に関する注記
(1) 表示組替
当社グループは、IFRSの規定に準拠するために表示組替を行っています。主なものは以下のとおりです。
A.現金及び現金同等物
日本基準では「現金預金」に含めて表示していた預入期間が3ヶ月を超える定期預金について、IFRSでは「その他の金融資産(流動)」として表示しています。
B.営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務
日本基準では区分掲記していた「受取手形・完成工事未収入金等」、「貸倒引当金(流動)」及び流動資産「その他」に含めて表示していた「未収入金」について、IFRSでは「営業債権及びその他の債権」として表示しています。
日本基準では区分掲記していた「電子記録債務」、「工事未払金等」、「未払金」及び「公共施設等運営権に係る負債(流動、固定)」について、IFRSでは「営業債務及びその他の債務」として表示しています。
C.契約資産
日本基準では「受取手形・完成工事未収入金等」に含めて表示していた「契約資産」について、IFRSでは区分掲記しています。
D.棚卸資産
日本基準では区分掲記していた「販売用不動産」、「商品及び製品」、「未成工事支出金」及び「材料貯蔵品」について、IFRSでは「棚卸資産」として表示しています。
E.その他の金融資産及び金融負債
日本基準では区分掲記していた「有価証券」について、IFRSでは「その他の金融資産(流動)」として表示しています。また、日本基準では区分掲記していた「投資有価証券」、「長期貸付金」、「破産更生債権等」、「貸倒引当金(固定)」並びに投資その他の資産の「その他」に含めて表示していた「長期未収入金」及び「敷金及び保証金」について、IFRSでは「その他の金融資産(非流動)」として表示しています。
日本基準では流動負債の「その他」に含めて表示していた一部の「預り金」について、IFRSでは「その他の金融負債(流動)」として表示しています。また、固定負債の「その他」に含めて表示していた「長期未払金」、「長期デリバティブ負債」及び「預り保証金」について、IFRSでは「その他の金融負債(非流動)」として表示しています。
F.売却目的で保有する資産及び負債
IFRSでは売却目的で保有する資産又は処分グループを「売却目的で保有する資産」及び「売却目的で保有する資産に直接関連する負債」として表示しています。
G.使用権資産
日本基準では「有形固定資産」に含めて表示していた「使用権資産」について、IFRSでは区分掲記しています。
H.無形資産
日本基準では区分掲記していた「公共施設等運営権」及び「公共施設等運営事業の更新投資に係る資産」について、IFRSでは「無形資産」として表示しています。
I.投資不動産
日本基準では「有形固定資産」及び投資その他の資産の「その他」に含めて表示していた「投資不動産」について、IFRSでは区分掲記しています。
J.持分法で会計処理されている投資
日本基準では「投資有価証券」に含めて表示していた「持分法で会計処理されている投資」について、IFRSでは区分掲記しています。
K.社債及び借入金
日本基準では区分掲記していた「短期借入金」、「1年内返済予定のノンリコース借入金」及び「1年内償還予定の社債」について、IFRSでは「社債及び借入金(流動)」として表示しています。また、日本基準では区分掲記していた「社債」、「長期借入金」及び「ノンリコース借入金」について、IFRSでは「社債及び借入金(非流動)」として表示しています。
L.引当金
日本基準では区分掲記していた「完成工事補償引当金」、「工事損失引当金」及び「公共施設等運営事業の更新投資に関する負債(流動)」について、IFRSでは「引当金(流動)」として表示しています。また、日本基準では区分掲記していた「公共施設等運営事業の更新投資に関する負債(固定)」及び固定負債の「その他」に含めて表示していた「資産除去債務」について、IFRSでは「引当金(非流動)」として表示しています。
M.その他の流動負債
日本基準では区分掲記していた「賞与引当金」及び「役員賞与引当金」について、IFRSでは「その他の流動負債」として表示しています。
(2) 認識及び測定の差異
a.有形固定資産に係る調整
日本基準では有形固定資産の減価償却方法について、主として定率法を採用していましたが、IFRSでは定額法を採用することとしています。
また、IFRSの適用にあたり、残存価額に係る見積りの見直しを行ったため「有形固定資産」が減少しています。
日本基準では適格資産の取得に要した借入コストは費用として認識していましたが、IFRSでは資産の取得原価に含めていることにより「有形固定資産」が増加しています。
IFRSでは資産の取得に係る政府負担金以外による圧縮記帳が認められないため、日本基準で直接減額方式で処理していたものを取り消しています。
b.リース取引に係る調整
日本基準では借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースについては通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っていましたが、IFRSでは借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースの区分がないため、基本的にすべてのリース取引について、「使用権資産」及び「リース負債」を計上しています。
また、日本基準では費用処理していた一部の取引について、IFRSでは契約の実質によりリースが含まれると判断したため「使用権資産」及び「リース負債」を計上しています。
c.のれんに係る調整
日本基準では特定の期間にわたりのれんを償却していましたが、IFRSでは償却を行わないため「のれん」が増加しています。
d.資本性金融商品に係る調整
日本基準では市場価格のない非上場株式を原価法で評価していましたが、IFRSでは公正価値で測定しています。また、資本性金融商品について、日本基準では売却損益及び減損損失を純損益として認識していましたが、IFRSでは公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する指定を行った場合には、公正価値の変動額をその他の包括利益として認識し、認識を中止した場合及び公正価値が著しく下落した場合に利得又は損失の累計額を利益剰余金に振り替えています。
e.未払有給休暇等に係る調整
日本基準では、会計処理が求められていなかった未消化の有給休暇及び一定の勤務年数を条件として付与される特別休暇について、IFRSでは負債計上しています。
f.退職後給付に係る調整
日本基準では、退職給付における数理計算上の差異及び過去勤務費用について、発生時にその他の包括利益として認識し、発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数にわたって償却していましたが、IFRSでは確定給付制度の再測定においては発生時に「その他の包括利益」として認識し、過去勤務費用については発生時に純損益として認識しています。なお、「その他の包括利益」として認識した確定給付制度の再測定は、「その他の包括利益」に認識後、直ちに「利益剰余金」に振り替えています。
また、IFRSにおいては確定給付制度が積立超過である場合、確定給付資産の純額は資産上限額に制限されるとともに、最低積立要件がある場合には、制度に支払うべき将来の掛金の減額又は将来掛金の返還のいずれかとして利用可能とならない範囲で資産の減額又は負債の増額を行うことから、その調整を「その他の包括利益」として認識し、直ちに「利益剰余金」に振り替えています。
g.利益剰余金に係る調整
損益及び包括利益に対する調整(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
連結損益計算書項目
連結包括利益計算書項目
損益及び包括利益に対する調整に関する注記
当社グループは、IFRSの規定に準拠するために表示組替を行っています。主なものは以下のとおりです。
A.表示組替
日本基準では「営業外収益」、「営業外費用」、「特別利益」及び「特別損失」に表示していた項目について、IFRSでは財務関連項目については「金融収益」又は「金融費用」に、それ以外の項目については「その他の収益」、「その他の費用」及び「持分法による投資利益」に表示しています。
(2) 認識及び測定の差異
a.のれんに係る調整
日本基準では特定の期間にわたりのれんを償却していましたが、IFRSでは償却を行わないため、日本基準で移行日以降に計上した「のれん償却費」を戻し入れています。
b.資本性金融商品に係る調整
日本基準では市場価格のない非上場株式を原価法で評価していましたが、IFRSでは公正価値で測定しています。また、資本性金融商品について、日本基準では売却損益及び減損損失を純損益として認識していましたが、IFRSでは公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する指定を行った場合には、公正価値の変動額をその他の包括利益として認識し、認識を中止した場合及び公正価値が著しく下落した場合に利得又は損失の累計額を利益剰余金に振り替えています。
c.退職後給付に係る調整
日本基準では退職給付における数理計算上の差異及び過去勤務費用について、発生時にその他の包括利益として認識し、発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数にわたって償却していましたが、IFRSでは確定給付制度の再測定については発生時にその他の包括利益として認識し、過去勤務費用については発生時に純損益として認識しています。なお、その他の包括利益として認識した確定給付制度の再測定はその他の包括利益に認識後、直ちに利益剰余金に振り替えています。
また、IFRSにおいては確定給付制度が積立超過である場合、確定給付資産の純額は資産上限額に制限されるとともに、最低積立要件がある場合には、制度に支払うべき将来の掛金の減額又は将来掛金の返還のいずれかとして利用可能とならない範囲で資産の減額又は負債の増額を行うことから、その調整をその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
キャッシュ・フローに対する調整(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
日本基準では、オペレーティング・リース取引に係る支払リース料は営業活動によるキャッシュ・フローに区分していますが、IFRSでは資産計上された使用権資産に対応するリース負債の返済による支出として財務活動によるキャッシュ・フローに区分しています。