文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。将来の事象については、現時点における仮定および予想となりますので、今後、様々な要因により変化を余儀なくされるものであり、記載の予想や目標の達成および、将来の業績を保証するものではありません。
『電子部品商社グループとして持続可能な社会の実現に貢献する』と定め、多様化する事業課題に対し迅速かつ最適な対応を行い、更なる企業価値向上を図るとともに人と地球の環境を大切にする持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
『変革の時代の中で、多様なエレクトロニクス商材・サービス等の提供を通じ存在価値を高め、進化する電子部品
商社グループを具現化する』
(3) 今後の見通し及び対処すべき課題
「中期経営計画の取り下げ」について
当社グループでは、2025年度(2026年3月期)を最終年度とする中期経営計画を策定し、「売上高2,000億円、当期純利益50億円、ROE9.0%以上」を重要な経営指標として掲げておりました。しかしながら、2024年4月11日公表のとおり主要仕入先であるルネサスエレクトロニクス株式会社との特約店契約が 2024年9月30日付けで終了することとなりました。
これにより、前提としていた事業環境が大きく変化することとなり、現状の中期経営計画を取り下げることを決定いたしました。
今後につきましては、当社グループの技術力を活用したソリューションビジネスの拡大、新規コア商材の創出・拡充などによる新事業モデルの構築に加え、抜本的なコスト構造の見直しについても実施してまいります。
また、新たな中期経営計画の策定については、今後の事業環境の検証を踏まえた上で策定次第公表させていただきます。
現在の経営環境については、当社が属するエレクトロニクス業界におきましては、EV化の進展やDX化推進を背景とした需要がある一方、コロナ禍の大幅な需要増の反動による在庫調整の動きが年度後半より更に顕著になりました。
当社グループは、継続的な成長を目指すべく、収益拡大に加え収益体質・財務体質の一層の強化に取り組んでいきます。また、半導体メーカーや半導体商社の業界再編の流れが続く中、企業価値向上のため適切な対応を行っていきます。
主な課題への具体的取り組みは以下の通りです。
① ビジネス領域の拡充
② 在庫リスク
災害時の対応・パンデミック等の対応に加え、サイバーセキュリティにおける事業継続への対応も強化し、危機管理体制の更なる拡充を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。将来の事象については、現時点における仮定および予想となりますので、今後、様々な要因により変化を余儀なくされるものであり、記載の予想や目標の達成および、将来の業績を保証するものではありません。
サステナビリティ基本方針
①経営理念・経営方針・環境方針の実践を通じて、当社グループの企業価値向上を図り進化することにより、社会の持続的な成長に貢献します。
②ステークホルダーとの対話、公平・公正かつ透明性の高いガバナンスの実現、人権・環境・多様性への配慮により、人と地球の環境を大切にする社会の実現に貢献します。
TCFDのフレームワークに沿った取組
当社グループは代表取締役社長を委員長とする「リスク管理委員会」内にサステナビリティ・ワーキンググループを設置しております。サステナビリティ・ワーキンググループは、気候変動関連を含めサステナビリティ推進を包含した中長期的な課題の検討、事業リスク・機会の共有や対策に関する重要事項を審議し、その結果を取締役会に報告いたします。今後もリスクマネジメント体制において、取締役会の監督の下、サステナビリティ推進全般の課題に対してグループ全体のリスク分析と対応策を検討し実施してまいります。
②戦略
当社グループは日本国内の主要事業を中心にサステナビリティの包括的なインパクト分析を行い、特定されたポジティブインパクトの向上とネガティブインパクトの低減に向けて取り組んでおります。今後は、気候変動に伴うさまざまなポジティブインパクトならびにネガティブインパクトから生じる影響とその対策を通じて、中長期的な経営戦略に取り組んでまいります。
③指標及び目標
当社グループでは、中長期的な気候変動への対応指標を「温室効果ガス(GHG)排出量の削減」と定め、2020年度以降のScope1、2の算出を実施しています。今後は、算定結果に基づく具体的な目標と計画を設定し、それらに基づいたグループ全体でのGHG排出量の削減活動に取り組んでまいります。
Scope1、2に関する詳細な情報については、弊社のウェブサイト
(URL https://www.shinko-sj.co.jp/sustainability/environment.php)の「
④リスク管理
当社グループが留意すべき気候変動に係るリスク・機会については、定期的に行う社内外調査結果を基に、サステナビリティ・ワーキンググループにおいて評価・特定しています。評価・特定したリスク・機会は、サステナビリティ推進体制の下、戦略策定において活用してまいります。
⑤人的資本に関する戦略
当社グループは、人と地球の環境を大切にして持続可能な社会の実現に貢献することを経営理念としております。経営理念に基づいた、人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
イ. 人材育成制度
当社グループは、創業以来「人間尊重主義」を掲げ、企業活動に取り組んでいます。これは、企業を支えるのは一人ひとりの社員であり、企業の目的のひとつが「社員の自己実現」であるということを明文化したものです。当社は、社員の成長意欲を満たせる場としての企業の在り方を考え続けてきました。社員が自らの意志で学べる環境を提供することを、企業の責任と考え、体系的な人材教育制度を整えています。また、管理職の育成スキル向上にも力を入れております。
人材育成制度に関する詳細な情報については、当社のウェブサイト内の
ロ. 社内環境整備
当社グループは、経営理念のもと多様性を重視して、個々人を尊重・受容し組織の力を最大限に発揮するために最適な人材を登用します。多様な個人が能力を最大限に発揮できる環境整備づくりと人材育成に取り組み、平等に機会を提供します。
社内環境整備に関する詳細な情報については、当社のウェブサイト内の
⑥人的資本に関する指標及び目標
当社グループでは、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは半導体を中心とした電子部品及び電子機器を取り扱う商社であることから、当社グループの業績は得意先である電子・電気機器業界の電子部品等の需要並びに設備投資動向等の影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、多くの顧客に代金後払いにて製品・サービスを購入していただいております。当社グループが多額の売掛金を有する顧客が財務上の問題に直面した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略のひとつとしております。当社グループのアジアを中心とした事業及び投資は、海外の金融市場及び経済に問題が生じた場合や当該国の社会的及び政治的な問題が生じた場合、当該市場に関係の深い顧客からの需要が大幅に減少するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの業績及び財務状況は、為替相場の変動によって影響を受けます。為替変動は、当社グループの外貨建取引から発生する資産及び負債の本邦通貨換算額に影響を及ぼす可能性があります。また、外貨建取引における売上高、仕入高にも影響を及ぼす可能性があります。
こうした中、当社グループは為替予約や為替マリー等によって、為替変動の影響を軽減するよう努めております。しかしながら、リスクヘッジにより為替変動の影響を緩和することは可能であっても、影響をすべて排除することは不可能であり、急激な為替変動は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
流通在庫の保有は顧客や仕入先から求められる商社機能の重要な役割であります。当社グループの在庫状況は得意先である電子・電気機器業界の電子部品等の需要並びに設備投資動向等の影響を受ける可能性があります。また近年半導体メーカーの国際的競争激化に伴う生産品目の集中と選択による生産終了品(EOL)や、地震等の災害発生時や需給逼迫に備え、サプライチェーンを継続するための流通品(BCM)在庫ニーズも高まっており、在庫の増加が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 政情不安等の地政学リスク
ウクライナ情勢、中東情勢等の長期化に伴う資源価格の高騰による半導体製品・電子部品価格の上昇は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当期の財政状態の概況
当連結会計年度末における総資産は、998億13百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億85百万円増加いたしました。これは受取手形、売掛金及び契約資産が21億21百万円減少したものの、現金及び預金が24億60百万円、投資有価証券が10億6百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、436億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億72百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が6億円増加したものの、1年内返済予定長期借入金が9億円、未払金が22億61百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、561億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ35億58百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が9億41百万円、その他有価証券評価差額金が7億86百万円、為替換算調整勘定が17億22百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は55.4%(前連結会計年度末は52.5%)となりました。
当期の経営成績の概況
当社グループの当連結会計年度の業績は、連結売上高1,758億47百万円(前期比1.8%減)、営業利益48億78百万円(前期比31.6%減)、経常利益47億68百万円(前期比30.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益31億94百万円(前期比32.1%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
電子部品事業
娯楽機器関連は好調に推移する一方で、OA機器関連が低調に推移いたしました。
以上の結果、半導体の売上高は1,009億99百万円(前期比4.2%減)、電子部品の売上高は523億72百万円(同0.6%減)、電子部品事業全体の売上高は1,533億71百万円(同3.0%減)となりました。
アセンブリ事業
娯楽機器関連が好調に推移いたしました。
以上の結果、アセンブリ製品の売上高は179億37百万円(前期比11.3%増)となりました。
その他の事業
電子機器の販売が低調に推移いたしました。
以上の結果、電子機器及びマイクロコンピュータのソフトウェア受託開発の売上高は45億38百万円(前期比6.4%減)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が46億66百万円(前期比32.2%減)となり、売上債権の減少、法人税等の支払い、配当金の支払い等があったことにより、前連結会計年度末に比べ24億11百万円増加し、当連結会計年度末においては131億57百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果獲得した資金は、46億97百万円(前期は9億5百万円の使用)となりました。これは主にその他の資産・負債の減少17億27百万円、法人税等の支払い25億37百万円による支出等があったものの、税金等調整前当期純利益が46億66百万円、売上債権の減少33億83百万円等があったことによるものであります。
投資活動の結果獲得した資金は、1億5百万円(前期は9百万円の獲得)となりました。これは主に投資有価証券の取得1億30百万円、有形固定資産の取得1億6百万円による支出等があったものの、投資有価証券の売却による収入2億85百万円、子会社の清算による収入1億32百万円等があったことによるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、27億57百万円(前期は6億82百万円の収入)となりました。これは主に長期借入による収入13億円があったものの、配当金の支払22億48百万円、長期借入金の返済による支出16億円等があったことによるものであります。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当社グループは商社機能として、受注、販売活動を行っており、サプライチェーンの重要な役割として商品供給の納期確保のため、顧客の所要などに基づく手配も行っております。なお、受注から売上計上までの期間は短く完了しており、当連結会計年度における商品受注状況は以下のとおりであります。
(注) 受注高および受注残高は、連結消去後の金額となります。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 最近2連結会計年度等は、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が、100分の10未満のため記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の業績は、連結売上高1,758億47百万円(前期比1.8%減)、営業利益48億78百万円(前期比31.6%減)、経常利益47億68百万円(前期比30.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益31億94百万円(前期比32.1%減)となりました。
売上に関しては、娯楽機器関連は好調に推移致しましたが、OA機器関連は低調に推移いたしました。販管費は、コロナ禍後の旅費等営業活動費の増加はあったものの、人件費の減少等により、前期比で49百万円減のほぼ横ばいとなりましたが、営業利益、経常利益、当期純利益は各段階で前期比減となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
売上高は、娯楽機器関連は好調に推移する一方で、OA機器関連が低調に推移したことにより、前期比3.0%減の1,533億71百万円になりました。
セグメント利益も同理由により、前期比28.1%減の60億56百万円になりました。
セグメント資産は、電子部品事業の売上債権の減少等により、前連結会計年度末に比べ27億55百万円減少し、645億86百万円になりました。
売上高は、娯楽機器関連が好調に推移したことにより、前期比11.3%増の179億37百万円になりました。
セグメント利益も同理由により、前期比28.5%増の8億25百万円になりました。
セグメント資産は、アセンブリ事業の売上債権や棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ8億73百万円増加し、97億60百万円になりました。
(その他の事業)
売上高は、電子機器の販売が低調に推移したことにより前期比6.4%減の45億38百万円になりました。
セグメント利益も、同理由により、前期比9.9%減の2億84百万円になりました。
セグメント資産は、その他の事業の棚卸資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ12百万円減少し、26億64百万円になりました。
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況」の「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
また、当社グループにおける資金需要の主なものは、商品及び製品の購入費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用による運転資金および設備投資資金であり、資金の源泉は主として内部資金または金融機関からの借入による資金調達であります。
なお、効率的で安定した運転資金の調達を行うため、主要取引金融機関と総額150億円のコミットメントライン契約および総額42億円の当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度の未実行残高は、133億96百万円となっております。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項については、状況を踏まえ、合理的と判断される仮定に基づき、会計上の見積りを行っております。連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
なお、半導体製品の需給逼迫の影響は、不確実性が大きく、将来の事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報に基づき作成しております。
連結財務諸表を作成するにあたって、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりです。
当社グループは棚卸資産について、保有の理由や回転率に基づく一定の滞留期間により棚卸資産を区分し、販売見込あるいは廃棄実績、滞留率等により評価減を行っておりますが、顧客の生産計画の変更など、見積りの前提に変更が生じ、連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは繰延税金資産について、将来の事業計画に基づいた課税所得に基づき回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに基づくため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少が生じた場合は、繰延税金資産が取崩され、税金費用が計上される可能性があります。
販売等の提携契約は次のとおりであります。
(注)当社は、2024年4月11日に公表しましたとおり、ルネサスエレクトロニクス株式会社との間で締結しておりました特約店契約を2024年9月30日付けで終了することとなりました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。