(1) 経営方針
当社グループは、「CLOSER TO YOU お客様のために」という経営理念のもと、次のような経営方針をもって事業活動を行っております。
〈経営方針〉
・Trust(信頼):質の高いサービスと商品の提供を通じお客様と社会から信頼され、人と人とが相互に信頼しあえる関係を構築します。
・Responsibility(責任):責任ある企業経営を通じ社会に貢献し、全てのステークホルダーの信頼に応え、企業価値の向上に努めます。
・Usefulness(有用性):挑戦・改善・改革を常に行い自らを変革し、社会に必要とされ、有用性の高い会社であり続けます。
・Satisfaction(満足):全てのステークホルダー、社会に満足して頂くことが出来るよう行動し、社会、人々の幸福度を向上させます。
・Thanks(感謝):感謝し、感謝される存在となるために、「ありがとう」の気持ちを忘れず、全ての事に自身の持てる最大限の力で取り組みます。
(2) 経営環境及び経営戦略
我が国の経済の先行きにつきましては、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和され、経済活動との両立が進むなかで景気に持ち直しの動きが見られるものの、欧米各国の景気後退懸念の拡大、サプライチェーンの混乱や地政学的リスクの影響等を背景とした原油価格の高騰、為替相場の不安定な変動など、世界経済及び日本経済は依然不透明な状況となっております。中古車輸出事業におきましては、為替相場の急激な変動や輸送コストの高騰、レンタカー事業におきましては、競合他社との競争の激化、海外ディーラー事業におきましては、メーカー新車生産体制の変更による商材の減少等、厳しい経済環境のなか、当社グループは、以下の課題に対して施策を実施してまいります。
① 中古車輸出事業
ア.売上高の拡大
中古車輸出業界において競争が激化しているなか、CS強化によるロイヤルカスタマー作りに加え、異なる販売経路を持つ国内外の企業との業務・資本提携により、販売協力体制を強化し、売上高の拡大を図ってまいります。
イ.仕入価格の抑制及び車輌ラインアップの多様化
顧客ニーズが多様化しているなか、当社グループといたしましては、グループ企業である新車ディーラー及びその他の中古車ディーラーとの取引関係強化及び新規開拓により仕入価格を抑制するとともに、販売車輌のラインアップの拡充を図ってまいります。
② レンタカー事業
ア.個人顧客の獲得
レンタル車輌の稼働率が最大の経営課題となっているなか、当社グループといたしましては、駅前等の好立地に出店又は移転、ホームページやWEB予約システムの強化、TVCMやWEB広告、航空チケット裏広告や駅・電車内広告などによる知名度向上、また新たにレンタルバイクの開始といった施策により、個人顧客の獲得を行い、稼動率の向上を図ってまいります。
また、新型コロナウイルス感染症に起因した安全・安心需要の高まりをうけ、車輌・店舗について一層の清掃管理に努めてまいります。
イ.店舗網の拡大
広域ブランドでありながら未だ出店のない都道府県があるため、FCの新規開拓及び直営店の新規出店に注力することにより、直営・FC両面で全国展開を目指し、ネットワーク網を構築してまいります。
ウ.事故防止対策
レンタカーの事故により、任意保険料や車輛修理代が増加しており、事業利益の圧迫要因となっております。当社グループとしましては、ブレーキアシストや自動ブレーキ、車線逸脱警報機能、ドライブレコーダー等、自動車の事故予防となる装備の装着率を高めるとともに、お客様へ交通安全の啓発を行う等、様々な対策をすることで事故の発生率を下げ、安定的な収益の確保を図ってまいります。
③ 海外自動車ディーラー事業
ア.付加価値の創造
多ブランド展開により非効率な経営となっていたため、選択と集中を図ることで収益力を高めております。今後は、需要の見込まれる地域への新店舗出店等により売上の拡大を図ってまいります。
イ.安定収益の確保
当社グループでは、中古車販売、サービス部門においても収益性を高めることで、安定的な収益の確保を図り、新車販売のみに依存しない体制を構築してまいります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
ア.売掛金の回収
売上の拡大に伴いBtoB取引を増やしてまいりましたが、同時に売掛金も増えております。新型コロナウ
イルス感染症の影響や緊迫する地政学的懸念もあり、貸倒れとなるリスクを回避するため、回収をすすめてまいります。
イ.在庫の管理
BtoB取引の増加により顧客のニーズに合わせた車輌を仕入れることになり台数も増加しております。新
型コロナウイルス感染症や地政学的リスクの影響で輸出困難な国向けの車輌に関しては、目途が立たない場合には国内で早期販売する等の対策をし、長期在庫とならないように努めてまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、継続的な収益の確保を目的とした企業経営を行うため、既存事業による収益拡大を図っ
てまいります。成長性としてはシェア率、収益性としては売上高経常利益率を重要な経営指標として考えて
おります。
当社グループはリユースの観点から事業自体がサステナビリティに貢献できるものと認識しております。社会的にサステナビリティに対する関心が高まる中、この事業自体を着実に拡大していくこともまた持続可能な社会の実現に一定の役割を果たせるものと考えております。
このように事業自体を着実に成長させることを重視しつつ、一方で環境や社会に貢献できる内容についても取り組んでいくことが重要と考え、現在、様々な取り組みを行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループでは、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置し、グループ全体のサステナビリティ活動の方針や取り組みに対する進捗状況を確認し、様々な取り組みを推進しています。
現在は環境面からEV車販売比率、人的資本の観点から有給休暇取得率の向上に取り組んでおります。
(2)戦略
人材の育成に関する方針として、中長期の視点を持ち、外部、内部を問わず研修を積極的に活用し、また定期的なジョブローテーションを行うことで、刻々と変化する国際情勢や社会環境に対応できる人材に成長するよう取り組んでまいります。
(3)リスク管理
当社グループでは、サステナビリティに関するリスクについては四半期ごとに開催される「リスク管理委員会」において、その他のリスクと同様に影響度の評価、またそれに応じた対応方針を決定し、遂行状況を管理しております。またその内容は取締役会へ報告を行っております。
(4)指標及び目標
①EV販売比率
親会社であるVTホールディングス株式会社とも連携し、中古車を含めたEV販売比率40%を目指してまいります。
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34期 |
35期 |
36期 |
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EV販売比率 |
16.3% |
17.8% |
18.4% |
②有給休暇取得率
有給休暇取得率の向上に取り組み、80%を目指してまいります。ただし、現在、連結グループに属する会社では行われていないため、今後は連結グループ会社におきましても同様の取り組みを行い、当該指標についての目標達成を目指してまいります。
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34期 |
35期 |
36期 |
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有給休暇取得率 |
66.5% |
72.2% |
71.5% |
(5)人的資本に関する考え方及び取組
人的資本について当社グループでは何よりも優先すべき資本であると認識しており、設立当初より性別・国籍等にかかわらず優秀な人材を積極的に採用しております。
人的資本に関する具体的な対応方針は経営計画や年間予算に反映されており、取締役会で承認・決定されております。当事業年度におきましては有給休暇の日数拡大を実施し、今後は事業所のリニューアル等も予定しており、従業員が活躍できる環境づくりに努めております。
今後も引き続き人材の多様性の尊重と共に従業員が成長、活躍するための環境づくりの促進と制度の拡充に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社グループ共通のリスクについて
① システム障害について
当社グループの事業は、イントラネット、インターネットによる通信ネットワークによる業務処理が増大しております。WEBサイトの停止や各システムの障害等の発生はしてはおりませんが、障害が発生した場合には即対応できるように24時間監視されております。システムの定期的点検の実施及びセキュリティ面の強化を進め事故のないよう万全を期しておりますが、コンピュータウイルスの侵入・停電・自然災害・各種システムトラブル等の発生により、システムダウンが発生した場合及び当該システムの復旧に時間を要する事態が発生した場合には、接続中断や情報データの消失等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 個人情報の保護について
当社グループは顧客とインターネットを使用した取引を行っており、業務上の必要性から顧客の氏名、住所及び電話番号等の個人情報を得ることになります。個人情報を保有する当社グループは個人情報保護法を遵守する必要があり、また個人情報保護法と同趣旨の外国法令の適用を受ける可能性があります。当社グループは、通信ネットワークのセキュリティ等において合理的と考える措置を施し、コンピュータウイルス及びハッカー等の侵入による個人情報のデータの流出を防いでおりますが、これらの方策にも関わらず、当社グループから個人情報の流出を完全に防止できるという保証はありません。万一、当社グループが保有する個人情報が社外に流出した場合、また、当社グループの個人情報への対応が各国の法令に抵触した場合、当社グループの信用低下による売上高の減少、当該個人からの損害賠償請求等が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 小規模組織であることについて
当社グループは組織が小規模であることから、内部管理体制や業務執行体制も当該組織規模に応じたものとなっております。当社グループはより組織的な社内管理体制を整備、運用するように努めておりますが、適切かつ十分に組織的な対応ができなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 債権管理について
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については過去の貸倒実績率等により、貸倒懸念債権等の特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を貸倒引当金に計上しております。また、当社で定める与信管理規程に基づき取引先の与信限度額を設定する等、与信リスクを最小化する努力を続けております。しかしながら、景気後退等により重要な取引先が破綻した場合には、貸倒引当金を大幅に超える貸倒損失が発生する等、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 固定資産の減損損失について
当社グループが保有する土地・建物等について、時価が著しく下落した場合や事業の損失が継続するような場合には、固定資産の減損損失の計上により、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 繰延税金資産について
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積もった上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得については、経営環境変化などを踏まえ適宜見直しを行っておりますが、結果として繰延税金資産の全額または一部に回収可能性がないと判断し、繰延税金資産の取崩しが必要となった場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 中古車輸出事業に関するリスクについて
① 競合について
中古自動車輸出市場につきましては、その拡大に伴い同業他社との競争が激化しております。当社グループの主力販売地域であるアフリカ地域においても、同業他社の新規参入が増加しております。このような状況のなか当社グループでは、個人顧客を主体とすることにより、競争力の強化及び差別化を進めております。しかし、当社グループの事業は特許等で保護されているものではなく、当業界は比較的取得し易い古物営業法に基づく許可を得れば、参入が可能であるため、今後、更なる競争の激化に伴う顧客の減少、仕入価格の上昇、船舶の確保が困難になる等の事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 仕入について
当社グループは、主に国内のオートオークション、テレビオークション、大手自動車販売店、中古自動車販売会社等から中古車を仕入れております。今後の事業拡大に伴い、仕入の台数が増加するとともに仕入元となる業者も増加することが予想されます。現在、新規のオートオークションの会員登録及び仕入契約の際は、仕入元について十分検討の上、取引を行っておりますが、今後仕入元との取引における何らかの支障が生じ、当社グループが希望する中古車の仕入ができなくなる場合や中古車需要の増加に伴い仕入価格が高騰した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 在庫について
当社グループの在庫は純在庫、入金済み在庫、船積み待ち在庫に区分して管理されております。会計上、売上の計上は船積み時点としており、船積み待ち在庫は売上の計上時期が確定した在庫であります。当社グループはこれらの在庫負担を抑えるため、適正在庫台数を設けて計画的に中古車の仕入を行っております。しかしながら仕入れた商品が顧客ニーズに適合しなかったこと等により一時的に在庫が増え、在庫にかかる資金負担、整備等の費用負担が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 海上輸送について
ア.海上における事故等のリスクについて
当社グループは主に名古屋港から商品を輸出しております。海上輸送期間は輸出先により異なりますが、平均約4週間を要しております。当社グループは現在、外航貨物海上保険を契約しており、海上輸送に係る損害に備えておりますが、輸送船舶において海上輸送期間に火災や天災、事故等により損害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
イ.船舶の確保について
船舶への船積み可能台数は限られており、また船積み直前に予定船舶への船積み台数が変更されることもあり、当社グループが希望する台数を船積みできないケースが発生しております。当社グループは、船積み可能車輌台数の拡大やチャーター船舶の使用について船会社と継続的に交渉しておりますが、輸出先への船舶を確保できない場合、顧客への商品引渡しの期間が長期化することによる当社グループへの信頼低下等が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは売上計上基準として船積み基準を採用しているため、既に成約した車輌を積む船舶が確保できない場合、売上高の計上が遅れ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ウ.港湾施設の利用について
当社グループは名古屋港、在庫保管場所であるストックヤードを含む港湾施設及び仕向地先の港を利用し、事業活動を行っておりますが、これらの港及び施設が天災や事故等により使用が不可能となった場合、またストックヤードの利用に関する契約が解除、更新拒絶、期間満了、その他何らかの事由により終了した場合、車輌輸出が困難となるだけでなく、代替地への転換にかかる費用等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 法的規制について
ア.古物営業法による規制
中古車の仕入及び販売事業は、営業所を管轄する各都道府県公安委員会が監督官庁となり規制している古物営業法により、許可を得ることが義務付けられております。当社グループは現在、愛知県に営業所(本社)があり、同県での営業許可を取得しております。
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免許 |
監督官庁 |
番号 |
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古物商許可証 |
愛知県公安委員会 |
第54116A114300号 |
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第541029901300号 |
古物営業の許可には、古物営業法により定められている有効期間はありません。現在、当社グループはこれらの法令等を遵守し、事業を行っておりますが、同法に違反した場合は、許可の取消し、営業の停止等の行政処分や罰則を科せられる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
イ.輸出規制
中古車の輸出は、外国為替及び外国貿易法、輸出貿易管理令等における規制対象となっており、輸出地域、輸出貨物の用途、需要者の要件により、経済産業大臣の輸出許可が必要となる可能性があります。これに違反した場合には、刑事罰等の処分を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。現在、当社グループはこれらの法令等を遵守し、事業を行っておりますが、同法に違反した場合は、刑事罰等の処分を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ウ.販売先国における法的規制
当社グループは、各販売先国における車輌輸入規制、インターネット等の通信販売に関する法令、中古車の販売に関する法令等について、通関事務担当者が随時、各国の関係当局や政府港湾部署に問合せし、確認しております。従って、当社グループは各販売先国におけるこれらの法令等について現在抵触している事実はないと考えておりますが、何らかの理由で当社グループの行為が各販売先国の法令に抵触した場合や、今後、各販売先国においてこれらの法令の強化及び当社グループの営業活動に不利になる改正等が行われた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ アフリカ地域への販売について
ア.アフリカ地域への売上の依存について
当社グループのアフリカ地域への売上台数は中古車輸出事業全体の16%を占めており、同地域への依存度が高くなっております。アフリカ地域においては、南アフリカ共和国、タンザニア連合共和国、ケニア共和国を経由し、同国の近隣諸国へ販売するケースが多く、販売対象顧客は一般個人が中心であります。アフリカ地域を中心とする事業展開は当社グループの強みでありますが、同地域では政情不安や経済不振が発生する可能性が高く、万一これらの事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
イ.同業他社の参入について
アフリカ地域における販売活動は、販売代金の回収方法、貸倒れリスク等が課題となりますが、当社グループは原則、前受金での販売代金の受取を行っており、貸倒れリスクがほとんどない販売形態であります。これは、取引実績に蓄積された当社グループへの信頼の証しであり、同業他社には真似されにくい事業の大きな強みであると考えております。しかしながら、今後更に経済成長が見込まれるアフリカ地域への注目は高くなると考えられ、貸倒れリスク等への対応に成功した同業他社の新規参入が増加した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 為替変動について
当社グループは、殆どの中古車の価格表示を米ドル建てとしているため、売上高は為替変動の影響を受けます。米ドルに対して円高に進んだ場合は、円ベースの売上高が減少するため、価格の見直しを実施する場合がありますが、為替変動の影響を完全に排除することはできないため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また当社グループは、顧客からの販売代金の入金は米ドル建てであるため、外貨を保有しておりますが、日々の米ドル建ての入金については円高の影響を考え、速やかに円への転換を行っております。従って、為替変動の影響を受けにくいと認識しておりますが、急激に円高となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 経営上の重要な契約について
当社グループはオートオークション運営会社とのオークション参加に係る会員契約や海運貨物取扱業者(乙仲業者)との土地賃借兼船積み契約等の経営上の重要な契約を締結しております。これらの契約が解除、期間満了、その他の理由に基づき終了した場合、又は円滑に契約が更新されなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 自動車メーカーによるリコール、製造物責任について
自動車メーカーによりリコールの申請が行われた場合、対象車輌について、当社グループは販売前のものは当該メーカーのディーラー等に修理を依頼し、販売後のものはホームページ上でリコールの発生及び該当車輌販売顧客への修理に関する方法等の通知を行うよう努めております。リコールの根拠法である日本の道路運送車両法の規定では、リコールについては、当社グループに回収責任はありませんが、輸出車輌自体の製造物責任については各販売先国の法令等に準拠することとなる可能性があるため、これらの法令等により当社グループが法的責任を負う場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 棚卸資産の評価について
当社グループは、顧客の所要見込や仕入先の供給状況などの情報収集に努め、適正な在庫水準の維持と滞留在庫の発生を防ぐ努力をしておりますが、市況変動など当初見込んでいた顧客の所要見込みの減少により評価損を計上する場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) レンタカー事業に関するリスクについて
① 道路運送法による規制
レンタカー事業は、道路運送法により許可を得ることが義務付けられております。当社グループは現在、愛知県に本社があり、同県での営業許可を取得しております。
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免許 |
監督官庁 |
番号 |
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自家用自動車貸渡許可証 |
愛知運輸支局 |
愛運輸第8571号 |
自家用自動車貸渡許可には、道路運送法により定められている有効期間はありません。現在、当社グループはこれらの法令等を遵守し、事業を行っておりますが、同法に違反した場合は、許可の取消し、営業の停止等の行政処分や罰則を科せられる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 取引先について
自動車ディーラー等への売上高がレンタカー事業全体の約8割を占めており、依存度が高くなっております。特定の取引先への依存度は低くなっておりますが、損害保険会社又は自動車ディーラーにおいて、企業の合併、拠点の統廃合等が行われた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 海外自動車ディーラー事業に関するリスクについて
① 自動車メーカーとの販売店契約について
当社グループは、自動車メーカーと販売店契約を締結し、新車を長期安定的に仕入れ販売しておりますが、新車の販売、モデルチェンジなどは自動車メーカーの施策により決定されます。当社グループは、中古車部門、サービス部門の強化等を図り、新車販売動向に左右されない体制を構築してまいりますが、自動車メーカーの施策及び新車の販売動向によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 法的規制について
海外自動車ディーラー事業は、南アフリカ共和国における様々な分野にわたる法令等に服しております。当社グループは、これらの法令等について現在抵触している事実はないと考えておりますが、何らかの理由で当社グループの行為が法令等に抵触した場合や、今後、法令等の強化及び当社グループの営業活動に不利になる改正等が行われた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 為替リスクについて
海外子会社の財務諸表は原則として現地通貨で作成後、連結財務諸表作成のため円換算されております。従って、決算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の規制が大幅に緩和され、経済活動の正常化が進むことで景気に持ち直しの動きが見られておりますが、一方で為替相場の不安定な変動、欧米各国の景気後退懸念の拡大、サプライチェーンの混乱や地政学的リスクの高まりを背景とした原油価格の高騰など、世界及び日本経済は依然として不安定かつ先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のなか、当社グループは、中核事業であり海外市場をターゲットとしている中古車輸出事業、自動車の所有から利用の流れの中で安定的な成長を続けるレンタカー事業、さらに南アフリカ共和国において海外自動車ディーラー事業の3つの事業を行っており、安定的で収益力のある事業体の構築を目指しております。 その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
ア.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ10,654百万円増加し、50,134百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ8,916百万円増加し、35,058百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,738百万円増加し、15,076百万円となりました。
イ.経営成績
当連結会計年度における業績は、売上高41,090百万円(前期比19.9%増)、営業利益2,814百万円(前期比18.4%増)、経常利益2,806百万円(前期比13.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,114百万円(前期比10.6%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次の通りであります。
(中古車輸出事業)
中古車輸出業界においては、新型コロナウイルス感染症の影響は概ね払拭され需要は回復し、アラブ首長国連邦、ニュージーランドといった主要輸出先が当業界を牽引し、この一年は、輸出台数が大幅に増加しました。
地政学的リスクの影響から一部の輸出先国向けは減少傾向が続くものの、歴史的な円安相場を背景に当業界のみならず輸出業は概ね好調に推移しており、当連結会計年度における業界全体の輸出台数は159.7万台(前期比24.1%増)と大幅に増加しました。
このような状況のなか、当社主要輸出先であるアフリカ地域、オセアニア地域、中南米地域へのBtoC販売先台数の減少に加え、BtoB販売先に注力し始めたアジア地域への輸出台数が一部輸出先国の外貨流出防止施策等による抑制はあったもの、ヨーロッパ地域での新たな取引の拡大もあり、当社グループの輸出台数の合計は4,968台(前期比9.6%増)となりました。
その結果、当連結会計年度における業績は、売上高11,623百万円(前期比11.7%増)、営業利益270百万円(前期比255.6%増)となりました。
(レンタカー事業)
レンタカー業界においては、新型コロナウイルス水際対策の緩和により国内の人流回復やインバウンド需要が復調したことで、市場規模はコロナ禍以前の様相を取り戻し、各社の競争は依然として激しい状況となっています。
このような状況のなか、当社グループは、当連結会計年度においては直営店の小牧店(愛知県)、伊勢宇治山田駅前店(三重県)、子会社のJネットレンタカー北海道において函館空港店(北海道)、函館配車センター(北海道)、FC店においては山口周南店(山口県)、奄美空港店(鹿児島県)、広島空港店(広島県)を新規出店した一方で、引山案内所(直営店:愛知県)、研究学園駅前店(FC店:茨城県)、屋久島安房港店(FC店:鹿児島県)を閉鎖し、直営店及びFC店の総店舗数は128店、総保有台数は19,528台(前期比14.6%増)となりました。また、顧客満足度向上のため車輌の高年式化やインターネット・TVCMなど各種媒体への広告拡大による知名度の浸透を図るとともに、楽天ポイントカード無人レンタカー店舗、レンタルバイク店舗、バン・トラック専門店舗開設など様々な施策を継続実施し、個人・法人顧客の獲得に注力いたしました。
その結果、当連結会計年度における業績は、売上高20,018百万円(前期比23.7%増)、営業利益2,340百万円(前期比10.9%増)となりました。
(海外自動車ディーラー事業)
南アフリカ共和国においては、国内の鉄鋼消費量が過去7年間で約20%減少したとの発表を受け、インフラへの投資不足産業の空洞化による雇用機会の喪失や経済成長の停滞が懸念されておりますが、2023年1-12月期の新車販売台数は52.8万台(前期比0.2%減)となりほぼ横ばいに推移しております。
このような状況のなか、当社グループは、南アフリカ共和国でスズキディーラー5店舗を運営しております。新車販売台数は合計3,785台(前期比19.3%増)、中古車販売台数は合計1,540台(前期比18.4%増)となり合計販売台数は合計5,325台(前期比19.0%増)となっております。
その結果、当連結会計年度における業績は、9,873百万円(前期比22.8%増)、営業利益245百万円(前期比17.0%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ410百万円増加し、1,385百万円となりました。なお、当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果獲得した資金は10,775百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,792百万円、減価償却費6,273百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は4,791百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出4,674百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は5,591百万円となりました。これは主にリース債務の返済による支出5,617百万円があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
ア.生産実績
該当事項はありません。
イ.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
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中古車輸出事業 |
9,523,559 |
107.9 |
|
レンタカー事業 |
316,519 |
202.0 |
|
海外自動車ディーラー事業 |
9,370,505 |
128.5 |
|
合計 |
19,210,584 |
118.1 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
ウ.受注実績
受注後売上計上が概ね1ヵ月以内であるため、記載を省略しております。
エ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
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中古車輸出事業 |
11,570,730 |
111.6 |
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レンタカー事業 |
19,645,958 |
123.7 |
|
海外自動車ディーラー事業 |
9,873,365 |
122.8 |
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合計 |
41,090,054 |
119.9 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ア.財政状態
a. 資産
流動資産は、前連結会計年度末に比べて28.8%増加し、24,476百万円となりました。これは、リース債権及びリース投資資産が3,187百万円増加したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて25.3%増加し、25,658百万円となりました。これは、リース資産が3,799百万円増加したことなどによります。
その結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて27.0%増加し、50,134百万円となりました。
b. 負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べて28.0%増加し、27,393百万円となりました。これは、リース債務(流動)が5,054百万円増加したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて62.0%増加し、7,664百万円となりました。これは、リース債務(固定)が2,879百万円増加したことなどによります。
その結果、負債は、前連結会計年度末に比べて34.1%増加し、35,058百万円となりました。
c. 純資産
純資産は、前連結会計年度末に比べて13.0%増加し、15,076百万円となりました。
イ.経営成績
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
ウ.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性のあるリスクについては、「第2事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。
エ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態
(中古車輸出事業)
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ984百万円増加し、10,113百万円となりました。当連結会計年度末のセグメント負債合計は、前連結会計年度末に比べ868百万円増加し、6,643百万円となりました。
(レンタカー事業)
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ9,262百万円増加し、39,212百万円となりました。当連結会計年度末のセグメント負債合計は、前連結会計年度末に比べ7,799百万円増加し、27,832百万円となりました。
(海外自動車ディーラー事業)
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ344百万円増加し、1,554百万円となりました。当連結会計年度末のセグメント負債合計は、前連結会計年度末に比べ279百万円増加し、811百万円となりました。
b. 経営成績
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ア. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析・検討内容は、「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
イ.資本の財源及び資金の流動性
a. 契約債務
2024年3月31日現在の契約債務の概要は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ⑤連結附属明細表 借入金等明細表」に記載のとおりであります。
b. 財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資などの長期資金については固定金利の長期借入金で調達しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に際し、当社グループの経営陣は決算日における資産、負債の数値並びに報告期間における収入、費用の報告数値に影響を与える見積りについて可能な限り正確かつ適正な評価を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5経理の状況 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
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相手方 |
株式会社ユー・エス・エス |
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契約書名 |
会員登録契約 |
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契約締結日 |
2002年2月27日 |
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契約期間 |
登録の日から1年。登録期間満了3か月前までに当事者双方のいずれからも異議の申立てのない場合は、契約期間は更に1年間更新されるものとし、その後も同様とする。 |
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主な契約内容 |
当社が株式会社ユー・エス・エスの主催するオートオークションに参加することに関する契約 |
(注) 対価として落札手数料等を支払っております。
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相手方 |
株式会社シーエーエー |
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契約書名 |
会員登録契約 |
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契約締結日 |
2002年6月24日 |
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契約期間 |
登録の日から1年。但し、登録期間満了1か月前までに当事者双方のいずれからも異議の申立てのない場合は、1年毎に自動的に更新される。 |
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主な契約内容 |
当社が株式会社シーエーエーの主催するオートオークションに参加することに関する契約 |
(注) 対価として落札手数料等を支払っております。
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相手方 |
株式会社オークネット |
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契約書名 |
オークネット衛星通信テレビオートオークション参加基本契約書 |
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契約締結日 |
2003年10月6日 |
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契約期間 |
特になし。但し、会員は1ヶ月の予告をもって任意に退会することができる。 |
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主な契約内容 |
当社が株式会社オークネットの運営するテレビオートオークションに参加することに関する契約 |
(注) 対価として落札手数料等を支払っております。
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相手方 |
株式会社上組 |
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契約書名 |
土地賃貸借 |
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契約締結日 |
2012年6月30日 |
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契約期間 |
2023年7月1日から2024年6月30日までの1年間。 但し、期間満了日の1ヶ月前までに当事者双方のいずれからも書面による異議の申し立てがないときは、本契約の有効期間は更に1年間延長されるものとし、以後も同様とする。 |
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主な契約内容 |
当社が株式会社上組より中古自動車の駐車場及び営業所事務所として利用するための土地を賃借することに関する契約 |
(注) 対価として地代等を支払っております。
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相手方 |
TRUST AUTOMOTIVE KOREA |
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契約書名 |
業務提携契約 |
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契約締結日 |
2007年10月12日 |
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契約期間 |
特になし |
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主な契約内容 |
ノウハウ及びECサイトの提供 |
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相手方 |
SUZUKI AUTO SOUTH AFRICA (PROPRIETARY) LIMITED |
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契約書名 |
DEALER AGREEMENT |
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契約締結日 |
2008年6月9日、2009年3月16日、2011年1月31日 |
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契約期間 |
特になし |
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主な契約内容 |
南アフリカ共和国におけるSUZUKI車の販売及びそれに伴うサービス業務に関する事項 |
該当事項はありません。