第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループは、「もの造りサポーティングカンパニー」として、社憲「私たち一人ひとりのはたらきで 心豊かな暮らしをつくり出し 喜びあえる未来にしよう」を共有し、社是「誠実」のもとコーポレート・ガバナンスの強化と環境への配慮、企業の社会的責任を果たすべく経営を行ってまいります。
 加えて「顧客第一」で商圏・商材の拡大・拡充・深耕と不断のコスト見直しによる収益の継続的拡大を図るとともに資本効率を高めて自己資本利益率(ROE)の向上に取り組んでまいります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

 当社グループは、株主の皆様、お客様、社員とその家族、地域社会が当社グループを支えてくださる基盤と認識するとともに、企業市民としての社会的責任を果たすべく、社是である「誠実」のもと経営を推進しております。今後も全てのステークホルダーの皆様にご満足いただけるよう企業価値の向上を実現し、社会的責任を果たすべく経営を行ってまいります。
 以上を踏まえ、経営の基本方針を以下の通り定め、実践しております。
 

①社会的責任
 国・地方自治体への納税を基本とし、かつ世界の将来を担う世代や教育機関を対象とした継続的な寄付と、地域社
  会や災害復興を目的とした寄付を行ってまいります。
 

②投資家の皆様

配当性向:80%を配当総額の基準として、各事業年度の利益状況や将来の事業展開等を総合的に勘案し、重点事業の競争力強化を図るための設備投資や人材育成などに向けた内部留保にも考慮しつつ、配当を行うことを基本方針といたします。
 

③お客様

お客様が望む商品・ソリューションを的確に提案し、商品品質・サービス品質を向上させるとともに、お客様の多様なニーズに適切かつ迅速にお応えし、お客様の満足度を高めてまいります。
 

④社員 

社憲「私たち一人ひとりのはたらきで 心豊かな暮らしをつくり出し 喜びあえる未来にしよう」を共有し、社員は自己の能力を最大限に発揮し、会社は個人を尊重して働きがいのある場を提供し、会社も個人も共に成長できる経営を行ってまいります。
 

⑤共育

お客様の満足度を高めるため、社員一人ひとりに適切な教育・訓練及び経験の機会を提供し「共に育つ」を教育理念としてまいります。

 

⑥地域社会

循環型社会構築に向け地域社会との融和を図り、企業市民として順法・地球環境の向上・安全を基本として活動してまいります。活動を具体化するため、環境方針を定め行動します。

 

(2)目標とする経営指標

当社は、効率化経営と自己資本の効率的活用による収益性を重視する観点から自己資本利益率(ROE)を経営指標としてまいります。

 

(3)当社グループを取り巻く経営環境

当社グループを取り巻く昨今の経営環境は、新型コロナウイルス感染症による影響が緩和され、社会経済活動の正常化が進み、景気は持ち直しの動きが見られました。一方で、不安定な国際情勢によるエネルギー価格の高騰、為替変動による物価上昇など先行き不透明な状況が続き、企業の生産活動や設備投資に慎重な姿勢が見られました。

原材料等資源価格の高騰に伴う物価上昇や様々な要因による地政学リスクの顕在化により不透明な状況が続くと想定しております。売上高につきましては、足元では主要顧客における生産部材の在庫が依然として高い水準にあるため、今後も当社の受注環境は厳しく、低調に推移すると想定しております。利益面につきましては、人的資本への投資やDX化に向けた先行投資等による販売費及び一般管理費の増加を見込んでおります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社は収益の継続的拡大と企業の社会的責任を果たすべく経営を行い、その実現のために以下の重点課題に取り組んでまいります。

 

①コーポレート・ガバナンスの強化

当社は、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するうえで、株主の権利・利益が守られ、平等に保障されることが重要であり、全てのステークホルダーの権利・利益の尊重と円滑な関係の構築が企業価値向上には欠かせないものと認識しております。

当社は、「監査等委員会設置会社」の形態を採用しており、取締役会が経営戦略の創出及び業務執行の監督を主として担い、監査等委員会が取締役の職務執行の監査等を担うことにより、業務執行の監督及び監視する体制を強化しております。2024年3月31日現在においては取締役11名、うち監査等委員である取締役は4名であります。また、社外取締役は5名、うち監査等委員でない社外取締役が2名、監査等委員である社外取締役は3名であります。なお、独立役員は5名となっております。

当社では、取締役の指名や報酬に係る基本方針及び手続きに関する事項の公正性・透明性・客観性の担保と、当社コーポレート・ガバナンスの充実を図るため、取締役会の任意の諮問機関として「指名報酬委員会」を設置しております。指名報酬委員会は、取締役会の決議により選定された取締役5名以上で構成し、その過半数を独立社外取締役とし、委員長は、指名報酬委員会における委員の互選で選出されております。2024年3月31日現在においては、取締役6名で構成されており、うち独立社外取締役は4名、委員長は非業務執行の社内取締役が務めております。

今後とも、取締役会の監督機能強化と透明性の高い経営、迅速な意思決定を実現するためにコーポレート・ガバナンス体制を一層充実させるとともに、コーポレートガバナンス・コードの趣旨を踏まえ、経営体制の強化を行ってまいります。

 

②商圏・商材の拡大・拡充・深耕

商圏の拡大を図るため、既存顧客の深耕に注力し成長市場へ経営資源を集中するとともに、新規顧客の開拓やWEBビジネス、地場の顧客を主力とした営業所の展開等による商圏の拡大に注力してまいります。

商材では、オリジナルブランド「Ubon(ユーボン)」の品揃えの充実を柱に商材の拡大を図るとともに、「もの造り」拠点である大和工場(宮城県黒川郡)及び2023年4月に新設した松本ユーボン工場(長野県松本市)での高付加価値製品の生産と顧客要求事項に対応できる生産体制の確立をより一層強化してまいります。また、当社の商材・機能等をより深くご理解いただく活動として、お客様に出向いての展示会やWEBセミナーを開催するなど販売促進策を行ってまいります。

海外への対応は、海外営業所による国内製造業の海外生産拠点への輸出業務の拡大を図ってまいります。

 

 

③コンプライアンス及びCSR(企業の社会的責任)の整備と強化

コンプライアンス及びCSR(企業の社会的責任)の整備と強化を社憲、社是を根幹として推し進めてまいります。子会社社員、派遣社員・パート社員等を含む当社グループの社員全員に行動指針を示した「スズデンCSR要綱」を配布して啓発に努めております。

社会貢献の一環として、東日本大震災において被災された地域を中心に、修学が困難となった学生等への支援を目的として、2012年より20年間にわたり毎年3月11日(休日の場合は直前の営業日)の当社売上額の一部を寄付することとしております。

 

④環境への配慮

FA機器、情報・通信機器、電子デバイス機器及び電設資材を取扱う商社として、地球の環境保全が人類共通の最重要事項のひとつであることを充分に認識し、その販売事業・製造事業活動、商品及びサービスにおいて環境問題に積極的に取り組む環境配慮型商社を標榜しております。
具体的には、ISO14001を基盤とした「環境方針」を定め、環境マネジメントシステム及びパフォーマンスを定期的に見直して継続的改善を図ってまいります。また、当社が販売する商品の含有化学物質管理、紛争鉱物調査など品質管理体制を充実させ汚染の予防に努め、環境にやさしい環境配慮型商品の販売を推進してまいります。

 

⑤ESG・SDGsへの対応

ESG(環境/社会/ガバナンス)の観点を重視した企業経営に取り組むこと及び当社の事業活動を通して、SDGs(持続可能な開発目標)など社会的課題解決への取り組みを推進することにより、持続的な社会の実現と企業価値向上を目指してまいります。

 

⑥財務報告の信頼性の向上

会社法に基づく経営体制の整備とコーポレート・ガバナンス、内部統制システムの一層の強化や、内部統制報告制度への対応を通じて、財務報告の信頼性の一層の向上を継続的に行ってまいります。

 

⑦生産性・効率性の向上

IT投資の継続による合理化や経費の見直しを推進し、スピード化するビジネス環境への対応力、即応力を強化するとともに、ISO9001を基盤として業務改善を図りながら、DX推進による生産性・効率性の向上を図ってまいります。

 

⑧人材育成(共育)

当社グループにとって、人材の育成は最重要課題として位置付けており、上司・部下双方が共に育つという理念のもと「共育」を実施しております。具体的には、当社グループ独自のカリキュラムによる「スズデンカレッジ」の充実、通信教育・資格取得の促進、OJT等を通じて、人材の育成を行ってまいります。

 

 

⑨事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)の構築

パンデミックや災害など様々なリスクによって生じる事業活動の中断に対する対策を策定し、事業継続の効率的な確保と健全な企業経営を行うため、事業継続マネジメントの構築を継続して行い、影響を最小限に抑えるための対応の整備を図ってまいります。

また、災害時や停電等での初期対応を中心に事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を充実してまいります。

 

⑩働き方改革と健康経営の推進

男女が共に働きやすい職場環境づくりと、ノー残業DAYや連続2日以上の有給休暇取得の推進等によるワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の向上に取り組むとともに、社員の健康診断100%受診と被扶養者の受診促進の支援及び社員の就業時間内禁煙の徹底等を行い、「働き方改革」と「健康経営」を推進してまいります。

当社は、健康保険組合連合会東京連合会より健康優良企業として「銀の認定」を取得しております。

 

(5)中長期的な会社の経営戦略

 企業価値向上を目指す経営戦略を基本に、「もの造りサポーティングカンパニー」として、もの造りの現場(工場などの生産現場・建築現場等)への設備・機器・部品・サービス等の供給とサポートを行ってまいります。

 また、品質・生産性・効率化の更なる向上をめざし、DX推進による業務や物流機能の効率化等、IT化とロボット化を中心とした投資に加え、教育体系を充実させ社員一人ひとりがレベルアップできるよう取り組み、持続的な成長及び企業価値向上に努めてまいります。

 

①営業戦略

   成長市場と成長分野への経営資源の選択と集中を行うとともに「顧客第一」の精神で商圏の拡大・拡充・深耕による業績の拡大を図ってまいります。

  重点的な取り組みとして、ロボットやIoT商材の販売による人手不足の解消や生産性の向上・品質管理の向上を図り、スマート工場の構築に向けた提案を進めてまいります。次に、エンジニアリング部門として設置したロボット・ソリューション課では、ロボットなどの機器選定からデータ蓄積及び活用までお客様の生産現場のスマート工場化に向けたトータルソリューションを提供してまいります。更に、AI、自動運転等の実用化及び技術開発の加速に伴い、今後も半導体業界では成長が見込まれることから、半導体製造装置や電子部品関連のお客様へ経営資源を集中させ注力してまいります。また、これまでも中長期的に力を入れてきた医療機器関連市場、医療現場・介護関連市場をはじめとするメディカル市場においては、お客様のご要望に応じた提案を実行することで更なる業績の拡大を図ってまいります。そして、買い方の多様化により今後も需要拡大が見込まれるインターネットビジネスにおいては、通販サイト「FAUbon(エフエーユーボン)」の機能拡充と取扱商品の拡大を重点戦略とし、業績の拡大を図ってまいります。

  なお、大和工場(宮城県黒川郡)は、当社の「もの造り」拠点として端子台・ユニット製品等の組立加工等を行っており、更にもの造り機能の強化及び顧客要求事項に対応するため、同工場を増築し、半導体製造装置向けアルミフレームの組立等を行っております。今後も高付加価値製品の提供と高度なSCM要求に対応できる体制を一層強化してまいります。

②商品戦略

  「もの造りサポーティングカンパニー」として、最先端の制御機器や電設資材の提案とともに、生産現場が常に向上を求めている「品質、環境(省)、安全」といったキーワードに対してメカトロニクス商材やセーフティ商材、環境関連商材等の販売を推し進めてまいります。成長分野であるロボット及びIoT分野については、メーカー研修を含め人材の育成による提案力の強化とシステムインテグレーターとの協業や当社エンジニアリング部門との連携による、お客様ニーズに沿った省力化・省人化・IoT化といったソリューション提案を展開してまいります。

  オリジナルブランド「Ubon(ユーボン)」では、更なる顧客ニーズに直結した「もの造り」を進めるべく2023年4月に新設した松本ユーボン工場(長野県松本市)にて、生産体制を強化し、主力の配線アクセサリーや盤内パーツを更に充実するとともに、産業用パソコン等の高付加価値商品や検定キット等の顧客ニーズを先取りした商材の開発を加速し、顧客の利便性向上と収益拡大を図ってまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

当社グループは、中長期的な企業価値向上のため、サステナビリティを巡る課題対応について、ESG(環境/社会/ガバナンス)の観点を重視した企業経営に取り組むこと及び当社グループの事業活動を通して、SDGs(持続可能な開発目標)など社会的課題の解決へ向けた取り組みを推進することにより、持続的な社会の実現と企業価値向上を目指しております。

サステナビリティに関する方針の一つとして「品質・環境方針」を定め、当社ホームページにて公表しております。(https://www.suzuden.co.jp/csr/iso/)

また、品質リスク及び環境リスクについては、品質環境部がその防止・予防と発生後の対策を実施しており、大規模な地震、風水害等の不測の自然災害や事故、パンデミック等に対応するため、事業継続マネジメント(BCM)を構築し、影響を最小限に抑えるための体制を整えております。

なお、人的資本・知的財産への投資等やTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への対応の情報開示については、今後の検討課題と認識しております。

 

(2) 戦略

当社における人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

 

①人材育成方針

当社では、人材の育成は最重要課題として位置付けており、上司・部下双方が共に育つという理念のもと「共育」を実施しております。

具体的には、当社独自のカリキュラムによる「スズデンカレッジ」の充実、通信教育・資格取得の促進、OJT等を通じて、人材の育成を行っております。

中核人材の登用等における多様性の確保について重要性を認識しているとともに、人材の育成が中長期的な企業価値向上に繋がるものと考え、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等で特に制限は設けておりません。

また、女性社員がより働きやすく活躍できる職場を目指した目標設定とポジティブアクションの推進に取り組んでおり、女性活躍推進法に基づく行動計画を定め、「女性係長級以上の人数を10名」を目標に定め取り組んでおり、2024年3月末時点における係長級以上の女性社員は8名であり、社内取締役への女性の登用はありませんが、社外取締役に女性2名、執行役員に女性1名を選任しております。

なお、外国人・中途採用者の管理職への登用については、社員に占めるその比率が大きくないため、現時点では測定可能な数値目標を定めるには至っておりません。

今後、引き続き中核人材の登用等における多様性の確保に向けた施策を推進するとともに、測定可能な数値目標についても検討してまいります。

 

②社内環境整備方針

男女が共に働きやすい職場環境づくりや地域社会に参加しやすい職場づくりと、ノー残業DAYや連続2日以上の有給休暇取得の推進等によるワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の向上に取り組むとともに、社員の健康診断100%受診と被扶養者の受診促進の支援及び社員の就業時間内禁煙の徹底等を行い、「働き方改革」と「健康経営」を推進しております。

当社は、健康保険組合連合会東京連合会より健康優良企業として「銀の認定」を取得しております。

また、育児休業を取得しやすく、職場復帰しやすい環境の整備のため以下を行っております。

・産休・育休前に制度や当社規程・申請方法などの事前説明会を実施

・産休・育休後に業務復帰前に研修を実施

・その他、社内通達やポスター掲示による社内周知の実施

 

 

(3) リスク管理

当社グループにおいて、全社的なリスク管理は、コンプライアンス体制の整備と強化により管理しております。

サステナビリティに係るリスクについては、ISO9001・ISO14001に基づくマネジメントシステムに則ってリスクの現実化を予防するための管理を行うとともに、現実化したリスクに基づき損失が発生した場合には、損失を最小限度に留めるために必要な対応を行っております。

毎月、経営者主催によるマネジメントレビューを開催し、当社のISO9001の品質マネジメントシステム及びISO14001の環境マネジメントシステムの両面を通じて、内部統制を含めた執行状況を把握し、適時開示に該当する発生事実を必要に応じて速やかに開示できる体制をとっております。

 

(4) 指標及び目標

当社では、上記「(2) 戦略」において記載した方針に取り組むべく、女性活躍推進法における一般事業主行動計画を策定しており、具体的な取り組みが行われているものの、本報告書提出日現在においては、当該指標についての目標は設定しておりません。測定可能な数値目標設定につきましては、引き続き重要な経営課題であると認識しており、早期に対応できるよう取り組んでまいります。

また、関連する実績については以下のとおりとなっております。

指標

実績(当事業年度)

前事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(注)

9.1%

5.9

女性労働者の育児休業取得率

100%

100

男性労働者の育児休業取得率

75.0%

25.0

労働者の男女の賃金の差異

61.8%

60.6

連続2日以上の有給休暇取得状況

100%

68.8

 

(注)管理職における女性社員の割合が9.1%と低く、男女の賃金格差が発生する要因となっております。上記に対して、女性活躍推進の取り組みにより、キャリア支援・マネジメント支援等を行っており、前事業年度より改善いたしました。また、当社は性別に関係なく、当社が求める資質を持ち合わせる人財かどうかの観点で採用を行っており、その結果、新卒・キャリア採用において女性の比率が高まり、一般社員において相対的に勤続年数の短い女性社員の割合が増加したため、男女の賃金格差が発生しております。

 

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。ただし全てのリスクを網羅しているわけではありません。
 なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

 ①経営成績の変動に関するリスク

当社グループが取扱うFA機器及び電子・デバイス機器分野の商品は、電気機器・機械メーカー等の生産設備に使用される制御部品・機器、また生産される製品に組込まれる電気部品、電子・デバイス機器等が中心であります。これらの商品の販売動向は、民間設備投資や半導体製造装置関連産業等の電気機器メーカー及び機械メーカーの需要動向の影響を受けます。
また、当社グループの電設資材分野の商品は、オフィスビル・マンション等に使用される照明器具・電線・配線機器等が中心であり、販売動向は、新規住宅着工、建築設備需要等に影響される傾向があります。
これらのことから、景気低迷等の影響による民間設備投資の低下、電気機器・機械メーカーの需要の落込み及び建設投資・新設住宅着工件数が減少した場合等に経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ②規制変更・公的規制に関するリスク

公的規制等が当社グループのビジネスに著しく、あるいは特異な影響を及ぼしていることはありません。しかしながら、環境への配慮が求められる現在、取扱商品の中で環境に影響を及ぼす恐れのある物質を含むものについては、当該商品の取扱いを停止する可能性があります。
また、取扱商品において環境への悪影響が判明した場合、または新たな規制等の対象となった場合に、当該商品の販売の継続が不可能となる可能性があります。

 

 ③競争激化に関するリスク

当社グループは主力商品であるFA機器及び電子・デバイス機器関連商品、あるいは電設資材等をはじめ全ての事業分野において、厳しい競争を行う環境にあります。FA機器及び電子・デバイス機器関連商品においては、FA機器商社、その他メーカー子会社・販社と、情報・通信機器関連商品においては、情報通信機器商社及び通信販売業者と競合関係にあります。また、電設資材については、電設資材商社との競合関係にあります。
当社グループは競争力強化に努めておりますが、同業他社に対して競争優位を得られない場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④商品の欠陥に関するリスク

当社グループの取扱商品に欠陥があった場合、原則としてメーカーが欠陥の原因調査、当該商品の引取り及び代替品の提供を行うことになっております。
しかし、当社グループが顧客・エンドユーザーより訴訟等の方法で損害賠償請求等を受ける可能性があります。当社はそのような事態に備え、PL保険に加入しておりますが、PL保険で補えない場合、あるいはPL保険によって補える上限額を超える損害賠償請求等を受けた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 ⑤在庫に関するリスク

当社グループはお客様の利便性と販売機会の損失を考慮し、多品種の商品を取り扱うとともに一定量の在庫を保有しております。急激な環境変化や需要動向等の影響により、滞留在庫となった場合には棚卸資産の評価減等を通じて、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 ⑥売掛債権劣化の可能性に関するリスク

当社グループの取引先の倒産もしくは財政状態の悪化によって、当社グループの売掛債権が劣化する可能性があります。

当社グループは取引先への与信供与にあたり、与信管理規程を基に報告が行われ、かつ見直し等を慎重に実施しておりますが、大幅な景気変動等の理由により大口債権の劣化あるいはその他債権の劣化が多発した場合、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの悪化をまねく可能性があります。

 

 ⑦特定仕入先への依存に関するリスク

  当社は、主要仕入先であるオムロン株式会社と次の契約を結んでおります。

・FA用コンポーネントをはじめ、各種コントローラ、センシング機器、コントロール機器を取扱う「インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー(IAB)」との制御機器販売店認定及び売買取引基本契約。

当該契約が変更及び破棄された場合、一時的に当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑧感染症及び自然災害等に関するリスク

当社グループの営業・物流等の拠点は、顧客・仕入先との関係や経営資源の有効活用などの点を考慮して立地しておりますが、それらの地域に大規模な地震、風水害等不測の災害や事故が発生した場合、損害が多額になるとともに当該拠点での事業活動が中断し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症等の大流行(パンデミック)により多数の従業員の欠勤や欠勤の長期化によって、当社グループの事業活動が中断し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。現在も本社及び物流センターをはじめとした各拠点では、マスクの着用、毎朝昼の検温、手指の消毒、飛沫防止パネルの設置等による各種感染防止対策を継続しております。ただし、当社の物流機能の拠点である東京物流センターはワンフロアの環境となっており、感染者が発生した場合には感染が広まり、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
これらに対し、当社グループは、事業継続マネジメント(BCM)の構築により、可能かつ妥当な範囲で対策を講じ、影響を最小限に抑えるための対応の整備を図っております。

 

 ⑨特定顧客への依存に関するリスク

当社グループの売上高は、東京エレクトロングループをはじめとした半導体製造装置関連顧客への依存度が高くなっております。そのため、同顧客の設備投資の動向や生産計画の変更等は、当社グループの経営成績及び財政状況等に影響を与える可能性があります。同顧客の生産計画の延期等が発生した場合、納入時期の後倒し等により一時的に在庫金額が増加する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況等に影響を与える可能性があります。

当社グループは、次世代技術等の発展や普及による半導体製品の需要拡大や高度化といった技術革新に伴う顧客要求事項へ対応するため、特定顧客と緊密な連携を図り、販売体制及び物流・生産体制の強化と拡大に努めるとともに、他業界を含めた新規顧客の獲得を進めることでリスクの低減を図ってまいります。

なお、当連結会計年度の当社の売上高における東京エレクトロングループに対する売上高及び売上構成比は以下のとおりであります。

                               (単位:千円)

 

2024年3月期

連結売上高

50,929,668

東京エレクトロングループに対する売上高

14,174,538

東京エレクトロングループに対する売上構成比

27.8%

 

(注)上記東京エレクトロングループに対する売上高には、東京エレクトロン宮城株式会社及び東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ株式会社への売上高を含んでおります。

 

 

⑩当社グループにおける固定資産の減損に関するリスク

当社グループが業績不振等により固定資産の減損が必要となった場合には、当社グループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪代表者への依存に関するリスク

当社グループの代表取締役会長兼社長である鈴木敏雄氏は、長年にわたり最高経営責任者として、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。当社グループでは、取締役会及びその他の会議体において取締役及び執行役員等との情報の共有を図り経営組織の強化と、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

(財政状態)

・資産

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて5,069百万円減少し、28,300百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べて4,837百万円減少し、22,339百万円となりました。

これは主に、受取手形の減少554百万円、売掛金の減少2,904百万円、電子記録債権の減少819百万円によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて232百万円減少し、5,960百万円となりました。

これは主に、繰延税金資産の減少163百万円によるものであります。

・負債

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて4,926百万円減少し、9,833百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて5,232百万円減少し、8,034百万円となりました。

これは主に、支払手形及び買掛金の減少2,254百万円、短期借入金の減少2,000百万円によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて305百万円増加し、1,798百万円となりました。

これは主に、長期借入金の増加312百万円によるものであります。

・純資産

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて143百万円減少し、18,467百万円となりました。

これは主に、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益の計上2,091百万円、配当金の支払2,354百万円によるものであります。なお、自己資本比率は65.3%となりました。

 

(経営成績)

当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)における当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症による影響が緩和され、社会経済活動の正常化が進み、景気は持ち直しの動きが見られました。一方で、不安定な国際情勢によるエネルギー価格の高騰、為替変動による物価上昇など先行き不透明な状況が続き、企業の生産活動や設備投資に慎重な姿勢が見られました。

こうした環境の下、当社では社員の健康と安心安全を最優先とした対策を行いながら、「もの造りサポーティングカンパニー」として、もの造りを支えるために標準在庫の充実や受発注体制の強化を図るなど、商品の安定供給に努めてまいりました。

当社グループの業績につきましては、主力販売先である電気機器・電子部品・産業機械業界において、商品の供給体制は回復に向かう一方で、生産部材の在庫の積み上がりが解消されないことによる受注減や最終ユーザーにおける設備投資の減速による需要減の影響を受けました。さらに、第2四半期以降にかけても主要顧客からの受注環境に回復の兆しは見られず、当連結会計年度において当社の業績を下押しする要因となりました。

また、利益面につきましては、業務の効率化の取り組みにより販売費及び一般管理費の減少に努めましたが、売上減に伴う売上総利益の減少が影響し、前期を下回ることとなりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は50,929百万円前期比24.5%減)、営業利益は2,786百万円前期比36.7%減)、経常利益は3,091百万円前期比35.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,091百万円前期比36.8%減)と前期に比べ減収減益となりました。

 

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

電機・電子部品販売事業

 電機・電子部品販売事業における売上高は50,621百万円(前期比24.7%減)、営業利益は2,839百万円(前期比37.1%減)となりました。

 なお、商品分野別の売上高につきましては、次のとおりであります。

 ・FA機器分野

インバータ、小型PLC等が増加いたしましたが、センサー、電源(制御)等が減少し、売上高は31,085百万円前期比24.5%減)となりました。

 ・情報・通信機器分野

システムラック、無停電電源(OA)等が増加いたしましたが、OAアクセサリー、ルーター等が減少し、売上高は3,687百万円前期比30.5%減)となりました。

 ・電子・デバイス機器分野

基板、スイッチング電源等が増加いたしましたが、コネクター全般、EMI対策商品等が減少し、売上高は6,311百万円前期比27.3%減)となりました。

 ・電設資材分野

高圧変圧器、空調機器等が増加いたしましたが、端子台、積算電力計等が減少し、売上高は9,536百万円前期比21.2%減)となりました。

 

   製造事業

    製造事業における売上高は308百万円(前期比70.2%増)、営業損失は52百万円となりました。

 

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から93百万円増加し、6,162百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

・営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果、資金は3,792百万円の増加となりました。(前連結会計年度における資金は2,897百万円の増加

これは主に、税金等調整前当期純利益3,112百万円、売上債権の減少4,278百万円の増加要因、仕入債務の減少2,231百万円、法人税等の支払額1,627百万円の減少要因によるものであります。

・投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果、資金は28百万円の増加となりました。(前連結会計年度における資金は897百万円の減少

これは主に、有形固定資産の取得による支出69百万円、投資有価証券の売却による収入124百万円によるものであります。

・財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果、資金は3,736百万円の減少となりました。(前連結会計年度における資金は2,085百万円の減少

これは主に、短期借入金の返済による支出2,000百万円、長期借入れによる収入1,000百万円、配当金の支払額2,351百万円によるものであります。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

 

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

自己資本比率(%)

62.0

53.8

55.8

65.3

時価ベースの自己資本比率(%)

68.4

93.6

109.7

107.0

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.3

5.1

0.9

0.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

194.0

44.2

201.3

287.2

 

(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。

3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

③仕入、受注及び販売の状況

a. 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

品目名

金額(千円)

前期比(%)

電機・電子部品販売事業

FA機器

26,201,526

△27.7

情報・通信機器

3,135,734

△23.0

電子・デバイス機器

5,049,939

△26.3

電設資材

7,474,062

△22.4

製造事業

その他

228,087

65.8

合計

42,089,351

△26.1

 

(注) 記載金額は千円未満を切捨てて表示しております。

 

 

 

b. 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

品目名

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

電機・電子部品販売事業

FA機器

23,741,798

△41.1

5,730,032

△59.9

情報・通信機器

3,415,414

△30.8

1,052,838

△23.7

電子・デバイス機器

4,235,746

△51.4

2,356,828

△47.0

電設資材

8,943,341

△19.0

1,493,770

△28.7

製造事業

その他

273,764

27.0

32,624

△54.2

合計

40,610,065

△37.7

10,666,094

△52.2

 

(注) 記載金額は千円未満を切捨てて表示しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

品目名

金額(千円)

前期比(%)

電機・電子部品販売事業

FA機器

31,085,053

△24.5

情報・通信機器

3,687,251

△30.5

電子・デバイス機器

6,311,878

△27.3

電設資材

9,536,957

△21.2

製造事業

その他

308,526

70.2

合計

50,929,668

△24.5

 

(注) 記載金額は千円未満を切捨てて表示しております。

 

d. 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

 

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

東京エレクトロン宮城株式会社

9,182,442

13.6

6,842,022

13.4

東京エレクトロンテクノロジー

ソリューションズ株式会社

7,676,563

11.4

 

(注) 東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ株式会社は、当連結会計年度において、総販売実績に対する割合が10%未満である為、記載を省略しております。

 

(参考)セグメント別の状況

 


 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績等の状況)

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高が、50,929百万円前期比24.5%減)となりました。詳細につきましては、「第2 事業の状況」「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

(参考)提出会社売上高の月次推移


 

売上総利益は、売上高の減少に伴い8,235百万円前期比23.8%減)となり、前期に比べ2,571百万円減少いたしました。
販売費及び一般管理費は、前期に比べ959百万円減少いたしましたが、これは利益の減少による賞与引当金等の減少が主な要因と認識しております。
以上の結果、営業利益は2,786百万円前期比36.7%減)となり、前期に比べ1,612百万円減少いたしました。
経常利益は3,091百万円前期比35.0%減)となり、前期に比べ1,665百万円減少いたしました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等1,020百万円を計上した結果、2,091百万円前期比36.8%減)となり、前期に比べ1,217百万円減少いたしました。

 

財政状態については、商品の減少に伴う仕入債務の減少等がありましたが、適切な範囲内での推移と認識しております。なお、自己資本比率は65.3%となっております。

 

(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)

効率化経営と自己資本の効率的活用による収益性を重視する観点から自己資本利益率(ROE)を経営指標としており、向上に向けた取り組みを行っております。
当連結会計年度につきましては、売上高の減少に伴う売上総利益の減少により経常利益が減少した結果、自己資本利益率(ROE)は、前期に比べ7.0%減少し11.3%となりました。
今後も自己資本利益率(ROE)8.0%以上を継続出来るよう様々な施策を実施してまいります。

 

 

(経営成績に重要な影響を与える要因)

当社グループは、企業価値向上を目指す経営戦略を基本として、「もの造りサポーティングカンパニー」として、もの造りの現場(工場などの生産現場・建築現場等)への設備・機器・部品・サービス等の供給とサポートを行うことで収益を拡大し、企業価値を高めることを中長期的な会社の経営戦略として掲げております。詳細につきましては、「2 事業の状況」「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)中長期的な会社の経営戦略」をご参照ください。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、海外及び日本の経済状況を背景とした生産・設備投資の動向と認識しております。特に半導体・液晶製造装置関連顧客の生産・設備投資の動向は、大きな要因であると認識しております。
なお、「第2 事業の状況」「3 事業等のリスク」に記載した項目に対しては、以下のような対応を行っております。

a. 経営成績の変動に関するリスク

新規顧客の獲得及び商材の拡大への恒常的な取り組みや新分野・新業界への取り組みを強力に推し進めることで需要減の影響を最小限に抑え、安定的な収益の確保に努めております。

 

b. 規制変更・公的規制に関するリスク

取扱商品の環境物質管理に関しては、品質環境部が仕入先・メーカーと緊密な連携を取り、顧客へ情報提供する事によって、環境へ悪影響を及ぼすことの無いよう努めております。

 

c. 競争激化に関するリスク

同業他社との差別化を図るべく、ISO9001に基づいた品質マネジメントシステムの推進による業務品質の向上に加え、在庫の拡充及び物流システムの強化による安定した納品体制の構築や、「もの造り」拠点である大和工場(宮城県黒川郡)及び2023年4月に新設した松本ユーボン工場(長野県松本市)にて更なる高付加価値製品の提供とお客様の要求に対応できる体制を作り、当社の競争力強化に努めております。

 

d. 商品の欠陥に関するリスク

当社グループの取扱商品に欠陥があった場合、早急に仕入先・メーカー・顧客と緊密な連携を取り、原因の追究、対応策の早期構築を行うことによって、欠陥による損害賠償等による影響を最小限に留めるよう努めております。

 

e. 在庫に関するリスク

当社グループでは、適正在庫水準の維持を図るべく、一定期間受注のない商品や過剰な量の商品について定期的に把握し、見直すことで、在庫の圧縮に努めております。

また、仕入先との連携強化による生産リードタイム情報、お客様の生産計画情報の収集等により過剰在庫や機会損失防止に努めております。

 

f. 売掛債権劣化の可能性に関するリスク

当社グループは、通常の営業活動での顧客状況の確認や外部データを参考とした与信調整に加え、半期に1度、執行役員全員の協議によって債権状況の確認と適正な与信が確保されているか検証を行い、債権保全に努めております。
また、保証ファクタリングを有効に活用し、損失を最小限に留めるよう努めております。

 

g. 特定仕入先への依存に関するリスク

主要仕入先であるオムロン株式会社とは、各層で緊密にコミュニケーションをとり、売上を拡大する事によって、両社の収益を拡大し、今後も良好な関係が継続するよう努めております。

 

 

h. 感染症及び自然災害等に関するリスク

パンデミック及び自然災害等の不測の事態に備えて、事業継続マネジメント(BCM)並びに事業継続計画(BCP)を常に見直し、現状に合った可能かつ妥当な範囲で対策を講じ、影響を最小限に抑えるための対応の整備に努めております。

 

i. 特定顧客への依存に関するリスク

当社グループでは、特定顧客との緊密な連携を維持継続させ、顧客要求事項へ対応することにより競合他社との差別化を図るとともに、市場環境の変化を常に注視し、他業界を含めた新規顧客の獲得を進めるなど可能な限り顧客の分散化を図ることで、経営成績への影響を最小限に抑えるよう努めております。

 

j. 当社グループにおける固定資産の減損に関するリスク

当社グループの事業計画に対する進捗状況について月次報告会等で状況を把握することにより、早期の把握と対応を検討できる体制に努めております。

 

k. 代表者への依存に関するリスク

当社グループは、後継者育成計画(サクセッションプラン)を策定し、同プランに基づいた人材育成を進めるとともに、取締役会及び独立社外取締役が過半数を占める指名報酬委員会にて定期的な執行報告、面談等を実施し後継者育成に努めております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容及び資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、現金・預金の適正水準は、月商のほぼ1ヶ月程度と考えております。これは、月商1ヶ月の現金・預金を保有していることで常に仕入債務、給料をはじめとした諸経費等の支払が可能な状態を保つことができるためであります。当連結会計年度では、適正な水準を維持できたと認識しております。

当社グループの資金調達の目的は、大きく分けてIT投資を中心とした設備投資資金と運転資金調達となっております。当社グループでは、総資産のスリム化を基本方針とした運営を行っており、資金繰りについても、営業活動によるキャッシュ・フローにより賄うことを目指しております。この方針に基づき営業所展開も賃貸を中心に行うなど、費用を各期の中で処理するようにしております。運転資金については、粗利益の確保、債権回収の迅速化、及び棚卸資産の適正水準の維持により、不足のないように運営しております。子会社についても、グループ内での資金調達を基本としております。

当社グループは、外部からの資金調達については銀行借入れを中心に行っております。また、緊急の支出に対応する方法として、通常の銀行借入とは別に株式会社三菱UFJ銀行、株式会社みずほ銀行と総額53億円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。当連結会計年度においては、企業の生産活動や設備投資の動きが好調に推移したことによる売上増加、並びに商品の安定供給のための在庫拡充の取り組み等により、増大が見込まれる資金需要に備えるため、運転資金として長期借入金10億円を調達しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、新型コロナウイルス感染症による事業への影響も含め、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

  (提出会社)
  主な代理店契約は、次のとおりであります。

相手先

契約締結年月日

主要取扱品目

契約期間

契約内容

オムロン株式会社
インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー
(IAB)

2010年4月1日

PLC・スイッチ・センサ・リレー・タイマ・温度調節器・視覚認識装置・メカトロニクス関連機器、オンボード関連商品

2023年4月1日~
2024年3月31日
(毎年度更新中)

販売店
(注1)

パナソニック株式会社エレクトリックワークス社

1963年12月1日

照明器具・配線器具・分電盤・配電盤

2023年4月1日~
2024年3月31日

(毎年度更新中)

代理店
(注2)

日東工業株式会社

1954年4月1日

受変電設備機器・分電盤・配電盤・ボックス・システムラック

2023年4月1日~
2024年3月31日
(毎年度更新中)

代理店

 

(注) 1.1957年7月1日に立石電機株式会社(現:オムロン株式会社)と特約店契約を締結し、2010年4月1日より、上記契約内容に変更となっております。

2.1963年12月1日に松下電工株式会社(現:パナソニック株式会社)と代理店契約を締結し、2012年4月1日より、上記契約内容に変更となっております。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。