文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針と中長期的な経営戦略及びその実行状況
(会社の経営の基本方針と長期ビジョン)
当社グループは既に50年を超える社歴がありますが、今後新たに50年間成長・発展させ、100年企業として存続させることが現経営陣の使命であると考えております。そのために、「企業理念」に沿った活動を実践することで、お客様、取引先、株主、従業員等のすべてのステークホルダーを含む、社会全体と共に当社グループの持続的な成長・発展を実現することを目指してまいります。
当社グループでは、「お客様の企業価値の向上を通して、社会に貢献する」「お客様の発展の原動力となる」「お客様の利益増加に貢献する」を経営理念としています。
次に、経営方針ですが、当社グループに経営方針として定められたものはありません。一方で、創業者山﨑の経営哲学が「創業者の言葉」として、マネジメント層に沁みついています。その中でもグループ全体で連携・協働をはかりながら事業展開・発展を目指す「八ヶ岳経営」、お客様に導入する際に適切な時期に適切なソリューションを提供するための「波乗り経営」、また単純なサービスや商材を提供するのではなくそれらを組み合わせてお客様が本来求める高い次元の価値を提供する「ケーキを売る」など、創業者の言葉を大切にして経営に努めております。
最後にビジネスモデルです。当社グループは、お客様の現状把握や企画などを支援するコンサルティングサービス、実際の情報技術の活用支援やシステムの導入、さらにマネージメントサービスでお客様の業務のアウトソーシングを行っております。これらのサービスをシームレスに提供し、お客様の業務のさらなる改善と効率化を実現する「BBSサイクル」を提供しています。それぞれの事業分野に競合企業は存在しますが、これらのサービスをシームレスに提供できるのは当社グループだけであると考えています。
当社グループは、前回の中期経営計画BBS2023を策定するにあたり、変化する時代と、変化しない当社グループの基本理念を照らし合わせ、2030年度のゴールをBBSになぞらえたGoal2030を設定いたしました。また、数値目標として、連結売上収益1,000億円、連結事業利益100億円を設定いたしました。今回、新たな中期経営計画BBS2026を作成するにあたり、Goal2030は踏襲しております。
(経営環境)
当社グループは、主として日本国内で事業活動を展開しております。日本におけるコンサルティング、システム開発、BPO・アウトソーシング業界については、中長期的なトレンドとして生産年齢人口の減少が進む中で、各企業では、不足人材を、新技術やシステムを活用し省力化を図ること、BPOやアウトソーシング等のサービスを活用し業務を社外に切り出すことにより対応しなければならないことから、安定的に市場は拡大すると見込まれます。
当社グループは、BBSサイクルにより他社との差別化をはかり、市場拡大を上回る成長を目指してまいります。
(前中期経営計画BBS2023の振り返り)
当社グループでは、当連結会計年度を最終年度とする中期経営計画BBS2023を実行してまいりました。
前中期経営計画BBS2023の結果として、計数面については、グループ会社のグローバルセキュリティエキスパート㈱(以下「GSX社」)を含んだ連結ベースでの実績で、売上は計画400億円に対して412億円、利益は計画34億円に対して36億円の実績となりました。
BBS2023開始時点の3年前と比較しますと、売上は142%、利益は150%に成長し、当初の計画であった売上400億円、利益34億円を上回ることが出来ました。なおこの金額は、株式売却により連結除外となった子会社、GSX社の連結を継続した前提で算出しています。
BBS2023では、Make Hybrid Innovationsの標語の下、当社グループにある各種ソリューションを組合せ、革新的なソリューションを提供することを目標に掲げ推進してまいりました。その活動の一環として、グループシナジーの強化に取り組んでまいりました。その結果、この3年間におけるグループ会社間の紹介案件533件、受注296件を達成するとともに、グループ各社における協働の機運が高まりました。また、手元資金の活用方針として、自己株式の取得や配当性向の向上などの株主還元と合わせて、成長投資にも振り向けてまいりました。結果として、4社、売上合計52億円のM&Aを実施しました。
品質強化についても一定の成果が出てきていると考えておりますが、残念ながら一部の事業では不調プロジェクトが発生しており、更なる対策が必要であると認識しております。
事業戦略は、RCN2戦略とNo.1戦略を中心に展開しました。RCN2戦略では、ロイヤルカスタマーを3社選定しお客様の深耕を進めました。No.1戦略では、広島・福岡地区の展開を推進しました。結果、ロイヤルカスタマー3社の売上が98億円に達し、広島・福岡地区の売上高も153百万円になりました。
全体的には、一部課題が残ったものの、概ね良い結果であると評価しております。
(新中期経営計画BBS2026)
新中期経営計画BBS2026では、Goal2030の売上1,000億円を確かなものとするために、3年後の売上目標を580億円としました。既存事業の売上の平均成長率を9%とすると既存事業での3年後の売上は475億円になりますので、580億円の不足分105億円は、M&Aや新規事業を中心に伸ばす計画です。
今回の中期経営計画では、M&Aや新規事業の開発を積極的に進め、飛躍的な成長を目指してまいります。
また、3年後の売上580億円を達成するために、BBS2026では、12のKPIを設定します。
当社グループがサステナブルな企業になるべく成長、資本効率、投資の3つの観点からKPIを設定し、戦略的なパフォーマンス管理を行います。
成長分野では、売上、利益、BPO売上比率に加え、BBSサイクル率や女性管理職比率をKPIに設定します。
資本効率では、ROEや配当性向に加え、ROICや有利子負債EBITDA倍率という新しい指標をKPIとします。
投資については、M&A、研究開発、人財への投資をKPIとして設定します。
SI市場のマーケット予測によると、SaaS市場は年平均12%の成長率が見込まれるのに対して、パッケージ市場はほぼ横ばいと予測されています。
成長が見込まれるSaaSビジネスとしては、自社開発のツールである「次世代基盤」を基にしたソリューション開発など、新サービスを積極的に投入していきます。
一方横ばいが予測されているパッケージビジネスは、BBSサイクルという当社グループ独自のビジネスモデルを、しっかりと回すことによってSaaSに対抗できるソリューションを提供します。SaaSは、お客様にとって資産や保守体制を社内に持つ必要が無いというメリットがある一方で、カスタマイズの自由度が低いというデメリットもあります。当社グループが提供するソリューションはSaaSに対しても決して負けない競争力があると考えています。
マネージメントサービス(BPO)の成長戦略です。BPOのマーケットは、2~3%の成長が予測されており、安定的なマーケットと言えます。このような環境下で、当社グループは市場成長を超える売上拡大を目指していきます。
短期間でBPOをしたいお客様には、BPaaSによるサービス提供を推進していきます。Bulas等自社システムを強化し、人事給与分野でのBPaaSを拡大するとともに、経理業務のBPaaSにも取り組んでいきます。
一方、大規模BPOのマーケットでは、従来のHigh Value BPOを継続してお客様に提供します。税務、会計、人事等の専門知識に加え、ITのノウハウを活用し、高付加価値、高効率なサービスで競争優位を確立します。
そして将来的には「日本の経理部・人事部」と認知されるような、総合バックオフィスサポーターを目指します。
資本・財務戦略については、資本コストと株価を意識した経営を引き続き推進いたします。
BBSグループでは、従来から、手元資金をM&A等の成長投資に振り向けつつ、配当性向の引き上げや自社株買いの実施など、成長と株主還元のバランスを保った経営を進めてまいりました。
しかし、前期にGSX社の関連会社化に伴い自己資本が大きく膨らんだ結果、資本効率を示す指標に大きな変動がありました。
このためBBS2026では、ROEを12%まで戻すことを目標にしております。
これらのKPIを達成することで、資本効率を示す指標であるROE、PBRの達成をはかってまいります。
(2) 優先的に対処すべき課題と対処方法
当社グループでは、2024年4月から3年間の新中期経営計画『BBS2026 - Evolving Innovations - 』をスタートします。この中期経営計画により飛躍的な成長への道筋を構築し、Goal2030の達成を確かなものにしたいと考えております。
翌連結会計年度は、この新中期経営計画の初年度として、『サステナブルな基盤を構築し、DX・人財・品質のイノベーションを進化・連携させる』をテーマと致しました。DXでは、組織内やお客様に対して変革や変化を提供するだけでなく、そこに質と持続可能性を求めていく時期にあると認識しています。また、人財や品質に関しても、組織やグループでの改善、そして各グループ会社が有する技術やノウハウを結集し、グループ全体でイノベーションを行っていく必要があると考えています。そして「進化」「連携」としているのは、これまでに生み出されたイノベーションを惜しむことなく、グループ会社で連携しさらなる価値創造に繋げていくためであります。
Goal2030 売上高1,000億円に向け大きく飛躍するためにも当社グループ一丸となって取り組んでまいります。
1.重点項目(3つのキーワード)
①デジタルトランスフォーメーション
新サービス及び事業の創造、DXサービスの市場浸透をはかり、当社グループの新たな成長の柱へ進化・深化させます。またデータドリブン経営の実現を目指し、データに基づいたリアルタイムな意思決定支援の実現をはかります。
②人財強化
BBS2030 売上高1,000億円を実現する体制を構築するために、働きがいの向上や教育研修の充実といった「質」と、人財確保に向けたブランディングの強化や採用チャネル施策等による「量」の両面から人財力を強化してまいります。
③品質の更なる向上
「事前」品質管理を当社グループにも展開・活用するとともに、社内PMO設置によりPM孤立化の防止と人依存からの脱却をはかり、製品・サービスの品質を向上させます。
2.事業戦略
(1)コンサルティング・システム開発事業
①RCN2戦略
当社グループとして最も重要なお客様であるロイヤルカスタマーとの取引を拡大するとともに、ロイヤルカスタマーの社数を増加させます。また、BPO事業でも適用するとともに業種の拡大をはかってまいります。
②No.1戦略
当社グループの強みである経営会計を中心に、顧客基盤、エリア、事業領域を拡大します。社会課題や最新テクノロジーをタイムリーに捉え、半歩先行くソリューション展開をはかります。
(2)マネージメントサービス(BPO)事業
①High Value BPO × BPaaS戦略
High Value BPOにて業務改善を伴う専門領域への展開を推進するとともに、当社グループの技術を活用し、業務運用だけではなく業務のDX化も合わせて推進してまいります。業務とシステムの両面を融合し生産性の高いBPOを実現します。
(当社グループのマテリアリティ)
BBS2026を策定するに当たり、当社グループにとって重要度が高く、ステークホルダーにとっても重要度が高い項目からマテリアリティ、すなわち重要課題を特定しました。
事業を進める上での基盤として、第一に重要なのはガバナンスであると考えています。そして、環境対策があげられます。これは、地球環境もそうですが、サービス業である当社は社員が活躍できる社内環境の整備も重要になっています。
事業基盤を強化したうえで、価値を生み出す資本をさらに拡充していく必要があります。ここのレイヤーは、技術やノウハウといったものになりますが、具体的には高品質サービスの提供体制やそれを司る人的資本の拡充、DXの推進が課題になります。
これらの資本を活用して、新規ビジネスを創造し、未来を創る価値を提供することで、社会に貢献し、我々BBSグループも成長していくことを目指しています。
(サステナビリティ方針)
当社グループは「サステナビリティ方針」を以下の通り定め、推進に取り組んでおります。
当社グループは「お客様の企業価値の向上を通して、社会に貢献すること」を経営理念に掲げ、創業以来社訓の精神である「創造」・「責任」・「連帯」を遵守して経営を進めています。
お客様にIT技術と経営コンサルティングの融合による経営イノベーションを提唱することで、お客様とともに成長・発展し、社会に貢献してきました。
一方、2015年の国連サミットにおいて、グローバルな社会課題を解決し持続可能な世界を実現するための国際目標であるSDGsが採択される等、企業を取り巻く環境は大きく変化し、サステナビリティが非常に重要な課題となっています。
当社グループは、この大きな変化の中で、自社のサステナビリティ活動を経営の重要項目と位置づけます。また、同じ問題意識を持つ企業に対しては、その問題解決のためのソリューションを提供し、事業を通じて貢献していきます。
具体的には、気候変動や労働と人権の問題などのSDGs(持続可能な開発目標)に示された世界全体の様々な課題が引き起こすリスクを認識し、それらの課題を悪化させないための対策をとります。また課題解決のためにイノベーションを創出することが、ビジネスの成長機会になると捉えて、活動を行います。
当社グループ企業はもとより、サプライチェーン全体の中で、サステナビリティの対応を適切に進めることを、中長期の目標とします。
当社では、社員へのサステナビリティ経営の啓蒙活動の一環として、SDGsベストプラクティス賞を制定し表彰しております。SDGsベストプラクティス賞は、年間を通じてサステナビリティ経営に貢献した社員・チームを表彰する制度で、期初に年間計画を作成しエントリーした上で、期末に成果報告を行うことにより表彰を行います。
(1)ガバナンス
当社グループは、グループ全体のサステナビリティと関連のある業務執行のための経営意思決定機関として、「サステナビリティ委員会」を設置しています。当社代表取締役社長が委員長となり、環境や人的資本(人財の多様性を含む)に関連する取組みを統括するとともに、当社グループの当該事項における経営意思決定の最終責任を負っています。
サステナビリティの課題は任命された担当役員が指揮を執り、方針策定、意思決定、教育、仕組みの構築、運営、モニタリングを実践しています。
原則年4回開催される「サステナビリティ委員会」において、サステナビリティ戦略の方針の審議・決定、関連事項のリスクと機会の把握・特定・評価、KPIの設定、モニタリングを実施しています。取締役会が「サステナビリティ委員会」に対し監督機能を発揮できるよう、委員の任命においては業務執行取締役を必須とし、監査等委員には陪席を求めております。また取締役会にて審議が必要な事項については適宜付議・報告することとしております。
(2)環境面に関する戦略
① 基本的な考え方
当社グループは、気候変動問題を含む環境課題への対応が重要な経営課題のひとつであると強く認識しています。
パリ協定の枠組みや、日本政府が掲げた2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする目標のもと、持続可能な社会を実現する為に企業が果たすべき役割を認識し、ビジネスを通じてこの課題解決を実現することが、BBSグループの持続的成長に繋がると考えます。
② 目標と取り組み
・BBSグループの事業が及ぼす環境へのマイナス要素の削減に取り組みます。
(1) 気候変動問題への対応として、温室効果ガスの排出を削減します。
(2) グループ全拠点における水リスクへの対応を進めます。
(3) 地球の生態系を自然資源と捉え、その健全な保護に努めます。
・環境マネジメントの仕組みを構築し、適切な運用と継続的な改善に努めます。
・持続可能な社会づくりのために、様々なステークホルダーと対話し、地域社会との共生を重視します。
・環境関連の法令や原則を遵守し、すべての役員と社員に環境方針を周知します。
・環境方針や実践の過程とその結果は、広く開示します。
③ 気候変動に関連するシナリオの概要
当社グループは、気候変動に関連するリスク・機会の要因とその財務への影響、リスク・機会への対応施策の立案を目的とし、シナリオ分析を実施しています。
・1.5℃未満シナリオ ・・・ 「パリ協定」にて採択された産業革命前からの気温上昇2℃の目標をさらに抑制した平均気温の上昇を1.5℃未満に抑える目標を想定したシナリオ
・4℃シナリオ ・・・ 新たな政策・制度が導入されず、公表済の政策・規制が達成されることを想定した世界の温室効果ガス排出量が現在より増加するシナリオ
④ リスクと機会の概要
リスクにおいては自然災害などにより、自社やビジネスパートナー、取引先の事業活動の縮小、停止による販売機会や売上の損失が大きなリスクとして認識しております。
当社グループにおいては、当社グループのサステナビリティへの対応、お客様へのサステナビリティ経営へのサポートを通じた社会全体へのサステナビリティへの貢献を重要な経営戦略の一つと考えております。
当社グループが提供するESG関連サービスの価値を高め、お客様、社会のサステナビリティ対応へのニーズに貢献することが機会となると考えております。
⑤ 当社グループの気候関連リスク・機会とその財務へのインパクト
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リスク・機会の種類 |
リスク・機会の概要 |
財務 インパクト |
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リスク |
移行 |
政策・法規制 |
〔カーボンプライシング(炭素税)の導入〕 |
小 |
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再生可能エネルギー調達による光熱費の上昇などに伴う費用増加 |
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〔環境法令及び行政の環境政策の強化〕 |
大 |
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外部委託先の脱炭素対応に伴う委託コスト増 |
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市場 |
〔ESG関連ソリューションの競争力低下〕 |
中 |
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知見やノウハウの不足によるESG関連ソリューションの競争力が低下することによる販売・受注機会の低下・逸失 |
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物理 |
急性 |
〔自社拠点の被災〕 |
大 |
|
|
自社拠点の被災に伴う営業活動の停止による販売機会逸失や売上減少 |
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|
〔ビジネスパートナー、取引先の被災〕 |
大 |
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ビジネスパートナーや取引先が被災することによる事業停止や縮小 |
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機会 |
エネルギー源 |
〔再生可能エネルギー活用の進展〕 |
小 |
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エネルギー効率のよいテナントオフィスへの移転や低コストの再生可能エネルギーを活用することによる、経費削減 |
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|
市場 |
〔ESG情報開示の必要性の増加〕 |
中 |
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非財務情報やESG情報開示の必要性が高まることによる、ESGコンサルティング事業やESG関連ソリューションなどの市場拡大 |
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[財務へのインパクト]
大:事業及び財務への影響が大きいことが想定される。
中:事業及び財務への影響がやや大きいことが想定される。
小:事業及び財務への影響が軽微であることが想定される。
(3)人的資本に関する戦略
① 基本的な考え方
当社グループは、自らの事業活動において影響を受けるすべての人々の人権が尊重されなければならないことを理解し、国際人権章典(世界人権宣言と国際人権規約)、国際労働機関(ILO)の宣言、国連グローバルコンパクト、国連のビジネスと人権に関する指導原則に沿って、人権を尊重する取り組みを推進しています。
当社グループにとって人的資本の重要性は高く、人権への配慮はすべての活動の基礎とすべき課題と認識しています。社員が持つ知見・ノウハウや技術力が何よりも重要であることから、グループ社員一人ひとりに対する教育・研修を拡充するとともにイノベーションを創出する明るく働きやすい職場環境の整備も進めております。
これを実現するため、「BBSグループ人権方針」、「ダイバーシティ&インクルージョン」に関する基本的な考え方を公表し推進しております。
(「人権宣言」URL:https://www.bbs.co.jp/sustainability/social/policy.html、
「ダイバーシティ&インクルージョン」に関する基本的な考え方 URL:
https://www.bbs.co.jp/sustainability/social/diversity.html)
採用後の育成や環境整備の取り組みについては当社ホームページ(https://recruit.bbs.co.jp/system/)にて公開しております。
(4)リスク管理
当社グループでは、リスクを全社的に管理する体制として「リスクマネジメント委員会」を設置しております。
環境及び人的資本に関連するリスク全般については「サステナビリティ委員会」が主体となって管理しており、「リスクマネジメント委員会」と連携を図りながら全社のリスク戦略を実行しております。
「サステナビリティ委員会」では環境、人的資本に関連するリスク及び機会について把握・特定・評価を行うとともに、対応に向けた施策の実施、モニタリングをしております。
(5)環境面に関する指標及び目標
当社グループは、気候変動に対する方針に基づき、また、「パリ協定」にて採択された産業革命前からの気温上昇2℃の目標をさらに抑制した1.5℃を目指しております。
温室効果ガス削減目標
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区分 |
2030年度目標 |
2050年度目標 |
|
Scope1+2 |
BBSグループの温室効果ガス排出量30%削減 (2019年度比) |
BBSグループの温室効果ガス排出量ネットゼロ |
2017年度からはScope1・2温室効果ガス排出量の算定、2019年度からはScope3温室効果ガスの算定に取り組んでおります。
温室効果ガス排出量実績は以下の通りです。
(単位:t-CO2)
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2022年度 (前連結会計年度) |
2023年度 (当連結会計年度) |
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Scope1+2 |
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|
(注) Scope1+2は当社グループ企業(連結売上高99%以上)の年度別集計値となっております。
(6)人的資本に関する指標及び目標
当社グループは、全ての人々の人権への配慮を基盤とした上で、全ての人財が個々の持つ能力を最大限に活かし多様な価値観を共有することができる、働きやすくやりがいのある会社、組織を目指すダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。
多様な価値観や働きかた(ダイバーシティ)によって、幅広いソリューションを創造する土台ができます。さらに当社グループのすべての行動にその考え方が浸透し包含される(インクルージョン)ことで、今までにない結合(イノベーション)を生み出すことが可能になります。
今後、脱炭素やサステナブルな社会への移行の中で、ビジネスのニーズが大きく変化していくことをいち早く捉え、ご提案できる企業でありたいと考えています。
また達成状況の指標として、当社グループは2016年に施行された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性活躍推進法)に基づき、以下の目標を設定しております。
目標及び実績は次のとおりです。
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目標項目 |
目標値 |
実績 |
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2022年度 (前連結会計年度) |
2023年度 (当連結会計年度) |
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36.1% |
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67.9% |
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15.0% |
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|
7.2% |
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(注)1.目標値の対象期間は2021年度~
2.対象会社は当社及び国内子会社。海外子会社については事業規模が僅少であることから対象外としております。
3.取締役、監査役及び執行役員、理事を含みます。
社内環境整備においては、会社主導の取り組みとしては「BBS Smile Work Style」として在宅勤務支援、多様な働き方を認め合う職場環境の構築の推進、社内制度・運用ルールの見直しを行っております。従業員主導の取り組みとしては「Smile Project」として部署横断型の働き方改革ワーキンググループの設置・定期的な活動の推進を行っており、定期的な会合や全社アンケートを実施し社員の声を収集し課題・要望を把握し改善策を会社へ提案するとともに社員へのフィードバックを行っております。
当社は上記の活動実績が評価され、以下の外部認定・評価を受けております。
・女性活躍推進法に基づく認定「えるぼし(2つ星)」
・次世代育成支援対策推進法に基づく、子育てサポート企業の次世代認定マーク「くるみん」
・経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人認定制度」に基づく、「健康経営優良
法人(大規模法人部門)」を3年連続で認定を受けております。
当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月24日)において当社グループが判断したものであります。
(1) 情報セキュリティ、機密情報及び個人情報の漏洩について
当社グループが顧客へ提供するサービスでは顧客の機密情報や個人情報を扱っており、一部のサービスにおいては、当社の情報システムにおいてこれらの情報を処理しております。当社の情報システムに対する外部からの不正アクセスにより、これらの情報が漏洩した場合やシステムが利用できなくなった場合には、当社グループの信用が毀損するばかりでなく顧客からの受託業務の履行遅延や履行が出来ない状況に陥り、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、一部のサービスにおいては、顧客の情報システムを当社グループ社員が操作し業務を行っております。これらのサービスでは、当社グループ社員の不適切な操作により顧客企業の情報システムに同様の損害を与える可能性があります。
当社グループでは、これらのリスクに対応するために、機密保護管理に関する社内規程の整備及び社員教育の徹底や各種サイバーセキュリティ対策を実施し、リスク発現の可能性を低下させるとともに、サイバーセキュリティ保険に加入しリスク発現時の金銭的負担の低減を行っております。
(2) 景気動向について
当社グループが展開するコンサルティング・システム開発事業は、景気変動に伴う顧客企業等の設備投資動向の影響を大きく受けやすく、景気が悪化した場合、売上収益の減少や利益率の低下、回収サイトの長期化など、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 価格競争について
当社グループが提供するサービスのうちSI及びシステム開発は、顧客の品質要求が高い反面、価格志向も強く、同業他社との価格競争が激しくなっております。当社グループでは、プロジェクト生産性向上を重要な課題として認識し、生産性向上ツールの開発及びプロジェクトマネージメント力強化を図っておりますが、価格面での圧力又は競争力の低下に伴う顧客離れは、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、マネージメントサービス(BPO)事業も同様に同業他社との価格競争が激しくなっております。当社グループでは、High Value BPOと称し、より専門的かつ高度な分野に展開することで差別化を図っておりますが、一部サービスにおいては低採算化や価格競争力の低下による顧客流出等の影響を受ける可能性があり、当該事象が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼします。
(4) 開発プロジェクトの管理について
当社グループのコンサルティング・システム開発事業では、大型SIサービスを提供するために、顧客と請負契約を締結し、開発プロジェクトの進捗管理を行っております。しかし、ソフトウェアの欠陥等によりシステムが当初計画通りに稼動しないことや、大幅な手戻り作業の発生等によるプロジェクトの採算性の悪化、納期遅れ等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、マネージメントサービス(BPO)事業においては、契約当初に受託業務量を見積り受託価額を決定しますが、当該見積りの正確性を欠いた場合、あるいは想定された業務改善に失敗した場合には、顧客との間で長期の不採算契約が締結されることになり、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) キーパーソンの確保や育成について
当社グループの成長と発展は人材に依存しており、当社グループでは「社員が最大の経営資源」と認識しております。そのため、社員をプロフェッショナルなキーパーソンとして育成するための人事制度を導入し社員教育を充実させております。しかしながら、キーパーソンの確保及び育成が十分に出来なかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 技術革新について
当社グループの属する業界は、技術革新のスピードが速くかつその変化が著しい業界であり、新技術、新サービスが次々と生み出されております。当社グループにおいても、当該技術革新の動向を捉え、当社グループの事業との関連性を勘案しつつ対応を講じておりますが、すべての技術革新に対応できているわけではありません。当社グループの想定を超える技術革新による著しい環境変化等が生じた場合、当該変化に対応することができず、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)労働者派遣事業について
主として当社グループのマネージメントサービス(BPO)事業セグメントにおいて行っている労働者派遣事業は、厚生労働省からの許可(一般労働者派遣事業の場合)、若しくは同省への届出(特定労働者派遣事業の場合)により行っております。当社グループでは、社員教育を徹底し法令順守に努めておりますが、法令違反等に起因して事業の許可の取り消し又は業務の全部若しくは一部の停止が命ぜられた場合や、今後の重要な法改正とその対応等の要因により事業遂行に大きな影響が出る場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
(8)法改正等による需要の変動について
当社グループのコンサルティング・システム開発事業においては、会計分野を中心としたコンサルティングやソフトウェアの開発を行っているその事業の特性上、会計制度をはじめとする法改正等に起因した外部環境の変化に伴う需要が一時的に発生する場合があります。このような需要が発生した場合、及びその需要が一巡した場合においては、急激な需要の変化に伴い当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
(9) 気候変動(災害等)について
当社グループのマネージメントサービス(BPO)事業では、浜松市、新潟市、熊本市などにBPOセンターを設け、人事・経理等の業務を受託しております。各BPOセンターでは、各種災害に備え事業継続・復旧計画を策定し、災害時での事業継続や早期の復旧が出来るように体制を整えております。しかし、想定を超える大規模災害が発生し、復旧に長期の時間を要する場合には、顧客からの受託業務の履行遅延や履行が出来ない状況となり、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、気候変動に伴うリスクについては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」にて詳細に記載しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況と経営者による分析
① 経営成績
当期の経営成績の概況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、円安の影響によるインバウンド需要の継続や雇用、所得環境の改善により日経平均株価が平成バブル前の最高値を更新するなど、緩やかな回復傾向が見られました。なお、中国経済の先行き懸念や、ロシア・ウクライナ情勢、中東をめぐる情勢や、ゼロ金利解除など金融市場の変動等の影響が回復基調の下振れリスクとなり、今後の景気の見通しは不透明な状況が続いております。このような経済環境の中ではありますが、当社グループにつきましては、DXや新NISAなどの需要の高まりなど、受注環境は全体として好調に推移しました。
当連結会計年度における当社グループの受注高は33,671百万円(前連結会計年度比1.1%増)、受注残高は11,425百万円(前連結会計年度比0.8%減)となりました。(注)
(単位:百万円)
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受注高 |
受注残高 |
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2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
対前年増減 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
対前年増減 |
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コンサルティング・システム開発事業 |
24,687 |
25,264 |
577 |
4,983 |
4,888 |
△95 |
|
マネージメントサービス (BPO)事業 |
8,604 |
8,407 |
△197 |
6,529 |
6,537 |
8 |
|
合計 |
33,291 |
33,671 |
380 |
11,512 |
11,425 |
△87 |
(注)2023年5月にコンサルティング・システム開発事業に含まれる子会社「グローバルセキュリティエキスパート(株)(以下、GSX社)」の株式の一部を売却し、同月から連結対象外として処理しております。また、同月にマネージメントサービス(BPO)事業に含まれる子会社「(株)ミックス(以下、MICS社)」の全株式を売却しており、6月から連結対象外として処理しております。上記の「受注高」「受注残高」では、比較上の有用性を確保するため、2023年3月期、2024年3月期共に、両社の金額を除き記載しております。
なお、2024年3月期における両社の受注高は1,020百万円になります。
売上収益は、当社がコンサル・システム開発で伸長し(株)ファイナンシャルブレインシステムズが新NISA対応での特需があった事、新規に連結子会社が2社加わった事などもあり数値を伸ばしたものの、GSX社、MICS社の連結除外の影響が大きく、全体では7.7%の減少となりました。
売上総利益につきましても、売上収益の減少同様に12.8%の減少となりました。
販売費及び一般管理費については、連結除外の影響だけではなくコスト抑制に努めた結果、売上高比で前連結会計年度に比べ0.1%改善しております。
また、子会社の支配喪失による利益としてGSX社及びMICS社の売却益2,053百万円、GSX社が連結子会社から持分法適用関連会社に移行したことによるGSX社株式の時価洗替に伴う株式評価益16,101百万円を合わせて18,154百万円及び、GSX社発行のストックオプションの行使により相対的に当社の持分比率が減少したこと等による持分変動損失516百万を計上しております。
その結果として、当連結会計年度における業績は、売上収益34,218百万円(前連結会計年度比7.7%減)、事業利益2,543百万円(前連結会計年度比20.7%減)、営業利益20,697百万円(前連結会計年度比545.2%増)、税引前利益20,582百万円(前連結会計年度比535.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益14,146百万円(前連結会計年度669.4%増)となりました。また、当社グループの目標とする経営指標である連結営業利益率は60.5%(前連結会計年度比51.8ポイント増)、自己資本利益率(ROE)は、64.4%(前連結会計年度比51.4ポイント増)となりました。
なお、当期に連結除外となりましたGSX社と、MICS社の数値を除いた売上収益及び事業利益は、次のとおりです。
事業利益は、営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除いて算出しております。
(単位:百万円)
|
|
売上収益 |
事業利益 |
||||
|
|
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
対前年増減 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
対前年増減 |
|
GSX社、MICS社を除いた 連結経営成績 |
30,944 |
33,731 |
2,787 |
2,461 |
2,555 |
94 |
|
(参考)連結経営成績 |
37,063 |
34,218 |
△2,845 |
3,207 |
2,543 |
△664 |
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
売上収益 |
事業利益 |
||||
|
|
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
対前年増減 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
対前年増減 |
|
コンサルティング・システム開発 事業 |
29,202 |
25,876 |
△3,326 |
2,543 |
1,821 |
△722 |
|
マネージメントサービス (BPO)事業 |
8,378 |
8,736 |
358 |
675 |
740 |
65 |
|
合計 |
37,580 |
34,612 |
△2,968 |
3,218 |
2,561 |
△657 |
|
調整額 |
△517 |
△394 |
123 |
△11 |
△18 |
△7 |
|
連結 |
37,063 |
34,218 |
△2,845 |
3,207 |
2,543 |
△664 |
比較検討するにあたり、当期に連結除外となりましたGSX社(コンサルティング・システム開発事業に含まれる子会社)と、MICS社(マネージメントサービス(BPO)事業に含まれる子会社)の数値を除いたセグメントの経営成績は次のとおりです。
(単位:百万円)
|
|
売上収益 |
事業利益 |
||||
|
|
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
対前年増減 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
対前年増減 |
|
コンサルティング・システム開発 事業 |
23,658 |
25,484 |
1,826 |
1,807 |
1,827 |
20 |
|
マネージメントサービス (BPO)事業 |
7,803 |
8,640 |
837 |
649 |
731 |
82 |
|
合計 |
31,461 |
34,124 |
2,663 |
2,456 |
2,558 |
102 |
|
調整額 |
△517 |
△393 |
124 |
5 |
△3 |
△8 |
|
連結 |
30,944 |
33,731 |
2,787 |
2,461 |
2,555 |
94 |
[コンサルティング・システム開発事業]
(単位:百万円)
|
|
売上収益 |
セグメント利益 |
||||
|
|
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
対前年増減 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
対前年増減 |
|
会計システムコンサルティング及びシステム開発 |
17,653 |
18,605 |
952 |
1,449 |
1,491 |
42 |
|
金融業界向けシステム開発 |
5,357 |
6,092 |
735 |
214 |
301 |
87 |
|
情報セキュリティコンサルティング |
5,544 |
392 |
△5,152 |
736 |
△6 |
△742 |
|
PLM支援ソリューション |
1,148 |
1,197 |
49 |
173 |
46 |
△127 |
|
(セグメント内事業別売上収益) |
△500 |
△410 |
90 |
△29 |
△11 |
18 |
|
セグメント計 |
29,202 |
25,876 |
△3,326 |
2,543 |
1,821 |
△722 |
(GSX社の損益を除外したセグメント情報)
(単位:百万円)
|
|
売上収益 |
セグメント利益 |
||||
|
|
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
対前年増減 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
対前年増減 |
|
会計システムコンサルティング及びシステム開発 |
17,653 |
18,605 |
952 |
1,449 |
1,491 |
42 |
|
金融業界向けシステム開発 |
5,357 |
6,092 |
735 |
214 |
301 |
87 |
|
PLM支援ソリューション |
1,148 |
1,197 |
49 |
173 |
46 |
△127 |
|
(セグメント内事業別売上収益) |
△500 |
△410 |
90 |
△29 |
△11 |
18 |
|
セグメント計 |
23,658 |
25,484 |
1,826 |
1,807 |
1,827 |
20 |
コンサルティング・システム開発事業の当連結会計年度は売上収益25,484百万円(前連結会計年度比7.7%増)、セグメント利益1,827百万円(前連結会計年度比1.1%増)となりました。
当連結会計年度の売上収益につきましては、会計システムコンサルティング及びシステム開発事業においては、親会社が順調に伸長した事や、前連結会計年度に取得した(株)BSCがグループシナジー効果等により大きく伸長したため増加しております。また、金融業界向けシステム開発事業において、新NISA特需やファンドラップなどにより大きく増収となりました。PLM支援ソリューション事業では、既存事業で不調プロジェクト発生により減収となりましたが、(株)フレスコの取得による増加181百万円により増収となっております。結果として、全ての事業において前連結会計年度を上回る結果となりました。
セグメント利益につきましては、会計システムコンサルティング及びシステム開発事業及びPLM支援ソリューション事業において不調プロジェクトが発生したため、全体としては前連結会計年度を若干上回る結果での着地となりました。
[マネージメントサービス(BPO)事業]
(単位:百万円)
|
|
売上収益 |
セグメント利益 |
||||
|
|
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
対前年増減 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
対前年増減 |
|
人事給与関連アウトソーシング |
3,276 |
3,392 |
116 |
511 |
513 |
2 |
|
グローバル企業向けアウトソーシング |
1,889 |
2,072 |
183 |
42 |
△0 |
△42 |
|
外資系企業向けアウトソーシング |
1,012 |
1,105 |
93 |
85 |
94 |
9 |
|
オンサイトBPO |
2,281 |
2,286 |
5 |
107 |
134 |
27 |
|
(セグメント内事業別売上収益) |
△80 |
△119 |
△39 |
△70 |
△1 |
69 |
|
セグメント計 |
8,378 |
8,736 |
358 |
675 |
740 |
65 |
(MICS社の損益を除外したセグメント情報)
(単位:百万円)
|
|
売上収益 |
セグメント利益 |
||||
|
|
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
対前年増減 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
対前年増減 |
|
人事給与関連アウトソーシング |
3,276 |
3,392 |
116 |
511 |
513 |
2 |
|
グローバル企業向けアウトソーシング |
1,889 |
2,072 |
183 |
42 |
△0 |
△42 |
|
外資系企業向けアウトソーシング |
1,012 |
1,105 |
93 |
85 |
94 |
9 |
|
オンサイトBPO |
1,706 |
2,190 |
484 |
81 |
126 |
45 |
|
(セグメント内事業別売上収益) |
△80 |
△119 |
△39 |
△70 |
△2 |
68 |
|
セグメント計 |
7,803 |
8,640 |
837 |
649 |
731 |
82 |
マネージメントサービス(BPO)事業の当連結会計年度の売上収益は、8,640百万円(前連結会計年度比10.7%増)、セグメント利益731百万円(前連結会計年度比12.7%増)となりました。
当連結会計年度の売上収益につきましては、オンサイトBPO事業において(株)トゥインクル(以下「TWK社」)の取得による売上収益の増加426百万円が貢献し、前年より大きく伸長することとなりました。
セグメント利益につきましてもTWK社が47百万円と貢献し、全体として採用コストが増加するなどしている中、前年より大幅な増加で着地することができました。
② 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期増減率(%) |
|
コンサルティング・システム開発事業(千円) |
25,828,169 |
△11.6 |
|
マネージメントサービス(BPO)事業(千円) |
8,731,570 |
4.3 |
|
合計(千円) |
34,559,739 |
△8.0 |
(注)1. 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
ロ.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (千円) |
前年同期増減 率(%) |
受注残高 (千円) |
前年同期増減 率(%) |
|
コンサルティング・システム開発事業 |
25,809,143 |
△15.6 |
4,888,486 |
△34.0 |
|
マネージメントサービス(BPO)事業 |
8,882,014 |
△3.2 |
6,536,388 |
0.1 |
|
合計 |
34,691,157 |
△12.7 |
11,424,874 |
△18.0 |
(注)1. セグメント間の取引については相殺消去しております。
2. 前期以前に受注した案件で、契約の変更等によりその内容に変更のあるものについては、当連結会計年度の受注高にその増減額を含んでおります。
3. 当連結会計年度において、コンサルティング・システム開発事業の受注残高に著しい変動がありました。これは主に、当連結会計年度において、連結子会社であったグローバルセキュリティエキスパート(株)を連結の範囲から除外し、持分法適用関連会社としたことによるものであります。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期増減率(%) |
|
コンサルティング・システム開発事業(千円) |
25,723,377 |
△11.2 |
|
マネージメントサービス(BPO)事業(千円) |
8,494,514 |
5.1 |
|
合計(千円) |
34,217,891 |
△7.7 |
(注)1. セグメント間の取引については相殺消去しております。
③ 目標とする経営指標の達成状況
当社グループが目標とする経営指標の達成状況は以下のとおりです。
|
目標とする経営指標 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
|
|
連結営業利益率 |
目標 |
8.5% |
8.5% |
|
実績 |
8.7% |
60.5% |
|
|
自己資本利益率(ROE) |
目標 |
14.0% |
14.0% |
|
実績 |
13.0% |
64.4% |
|
|
マネージメントサービス事業売上の連結売上収益に対する比率 |
目標 |
30.0% |
30.0% |
|
実績 |
22.3% |
24.8% |
|
連結営業利益率につきましては、前連結会計年度比51.8ポイント増加し60.5%となり、目標の8.5%を達成しております。これは子会社の支配喪失に伴う利益を計上したことや、連結売上収益や連結売上総利益率は堅調に推移したためであります。
自己資本利益率(ROE)につきましては、前連結会計年度比51.4ポイント増加し64.4%となり、目標の14.0%を達成しております。
マネージメントサービス(BPO)事業売上の連結売上収益に対する比率につきましては、前連結会計年度比2.5ポイント増加したものの、当連結会計年度は24.8%と目標の30.0%に届きませんでした。マネージメントサービス(BPO)事業の連結売上収益は前連結会計年度比4.3%増と順調に伸長しました。
④ 財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は44,715百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,322百万円の増加となりました。
流動資産は、18,013百万円と前連結会計年度末に比べ2,698百万円減少しました。主な要因としては、連結売上収益の減少等に伴う営業債権及びその他の債権の減少1,169百万円、その他の流動資産の減少835百万円、契約資産の減少357百万円、現金及び現金同等物等の減少311百万円等によるものであります。
非流動資産は、26,702百万円となり、前連結会計年度末に比べ17,019百万円増加しました。主な要因としては、GSX社の持分法適用による持分法で会計処理されている投資16,584百万円の増加、連結子会社の取得によるのれんの増加1,877百万円、使用権資産の償却による減少358百万円、繰延税金負債との相殺による繰延税金資産の減少1,201百万円等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計額は15,312百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,114百万円の増加となりました。
流動負債は、8,048百万円と前連結会計年度末に比べ1,932百万円減少しました。契約負債の減少1,198百万円、未払法人所得税等の減少810百万円等によるものであります。
非流動負債は、7,263百万円と前連結会計年度末に比べ3,046百万円増加しました。GSX社の持分法適用に伴う株式評価益計上等による繰延税金負債の増加4,039百万円、リース負債の減少399百万円、株式報酬に係る負債の減少239百万円、借入金の減少180百万円等によるものであります。
(資本)
当連結会計年度末の資本合計は29,403百万円となり、前連結会計年度末に比べ13,208百万円増加しました。この主な要因としては、利益剰余金の増加13,565百万円等によるものであります。
⑤ キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末比311百万円減額の9,906百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、3,150百万円(前連結会計年度は3,306百万円の収入)となりました。この主な要因としては、業績が堅調に推移し税引前利益が前連結会計年度末比17,341百万円増加し、20,582百万円となったことに加え、営業債権及びその他の債権の増減による資金増加1,160百万円、減価償却費及び償却費の調整による資金増加1,040百万円の一方、GSX社の支配喪失に伴う利益の調整による資金減少18,154百万円、法人所得税の支払による資金減少2,197百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は,2,067百万円(前連結会計年度は1,315百万円の支出)となりました。この主な要因としては、子会社の取得に伴う支出2,017百万円の一方、有価証券の売却及び償還等による収入831百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,397百万円(前連結会計年度は415百万円の支出)となりました。この主な要因としては、リース負債の返済による支出726百万円、配当金の支払額715百万円の一方、自己株式の売却による収入90百万円等によるものであります。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
資金需要と流動性の確保
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、社員の給与や賞与等の人件費、ビジネスパートナーに支払う外注費等の通常の営業費用になります。さらに、当社グループでは、安定的に事業を拡大することを目指しており、そのために必要な人財の確保に要する費用やM&A投資等、事業拡大に向けて積極的に資金を投入する予定です。
これらの資金需要に備えるため当連結会計年度末に9,906百万円の現金及び現金同等物を有しております。さらに、預入期間が3か月を超える定期預金や有価証券・投資有価証券を保有し、中長期的に流動性を確保しつつ効率的な運用を行っております。また、取引銀行2行と当座貸越契約(極度額1,500百万円)を締結し、一時的な資金需要に備えております。
財政政策
当社グループは、事業運営上必要な流動性の確保と経常的に安定した資金源泉の確保を基本としております。短期的な資金調達については銀行借入によりますが、長期にわたる投資資金は銀行借入及び増資にて調達する方針です。
(2) 重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
1.当社と株式会社日立ソリューションズは、両者の経営資源を相互に活用することにより、両者の企業価値の極大化と事業基盤及び経営基盤の拡充を図ることを目指して、当初2005年12月28日付で締結した資本・業務提携を2013年2月27日付にて改正しております。
2.当社とJFEシステムズ株式会社(以下、「JFEシステムズ」という)は、2013年5月23日付にて業務・資本提携契約を締結しております。
業務提携の内容は、以下の通りであります。
(1)相互の顧客基盤・サービスをベースとしたソリューション拡販協力
・共同セミナー開催、相互顧客への紹介を通じた相互保有ソリューションの拡販協力
・相互保有ソリューションの連携による差別化商品の創出
(2)システム開発案件における共同受注・相互補完
・システム開発案件における共同受注
・JFEシステムズの案件に対する当社による会計・経営管理領域でのコンサルティング・開発支援
・当社の案件に対するJFEシステムズによる生産・販売・物流領域でのコンサルティング・開発支援
(3)相互の得意分野・ノウハウによる新規提携分野の開拓
3.当社と株式会社プロネクサスは、2015年8月25日付にて業務提携契約を締結しております。
業務提携の内容は、以下の通りであります。
(1)経理、決算、開示業務に関わるシステム・サービス分野における協業
・上場企業の決算~開示業務を効率化するシステムの開発、導入
・投資信託・J-REIT等金融商品運用会社向け業務支援システムの開発、導入
(2)相互の顧客、技術、人財等の情報交換と相互補完による協業
(3)相互の得意分野・ノウハウの活用による新規提携分野の開拓
4.当社は、2023年12月22日開催の取締役会において、株式会社トゥインクルの全株式を取得して完全子会社化することを決議し、2023年12月27日付で株式譲渡契約を締結しました。なお、2024年1月29日付で当該株式の取得を完了しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 6.企業結合」をご参照ください。
当社グループの研究開発は顧客の利益増加に貢献することを基本理念として、「顧客ニーズへの対応」にフォーカスした開発を中心に実施する方針であります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動に伴う研究開発費は
(コンサルティング・システム開発事業)
BBSソリューションにAIを含むBusiness Analyticsを融合させることを行っております。当該活動に係る研究開発費は
ChatGPTの業務活用及び将来的な顧客へのプロダクト開発事業化の検討に向けたPoCを行っております。当該活動に係る研究開発費は15百万円であります。
(マネージメントサービス(BPO)事業)
BPO業務のDX化におけるソリューション開発を行っております。当該活動に係る研究開発費は64百万円であります。