当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 基本方針
企業理念
当社グループは2017年、創業90周年を機に、企業活動の原点に立ち返り、先人たちが創り上げてきたマンダムの存在意義をさらに突き詰め、そして進化させ、新たに「人間系」という考え方を根幹に据えて、理念体系を生まれ変わらせました。理念体系は、私たちマンダムの存在意義であり、社会において果たすべき使命である「MISSION」、マンダム社員が常に遵守すべき考働原則である「PRINCIPLES」、マンダム社員が創業時から引き継いできた、そしてこれからも引き継がれていく大切な礎である「SPIRIT」から構成されています。押し寄せるデジタル化の波や発達し続けるAIなどが当たり前の時代だからこそ、人にしか成しえない価値、すなわち人の気持ちを思いやる心を持ち、人が喜ぶ姿を想像し、人に役立つ価値を創造していくことを「人間系」という言葉で表現し、これを尊重する企業でありたいと考えています。
VISION2027
当社グループは不確実性の高い、予測困難な経営環境を踏まえて、100周年を迎える2027年における「ありたい姿」として、VISION2027を策定しております。VISION2027においては、過去からの積み上げに捉われない、未来志向の視点に立ったバックキャスト型で、「総合化粧品ではなく唯一無二の強みを持った化粧品会社」を目指してまいります。
VISION2027は、2017年から2027年の11年間を3つの中期経営計画(MP)のフェーズに分け、MP-12(2017年4月~2020年3月)を「基盤整備期」、プレMP-13(2020年4月~2021年3月)を挟んでMP-13(2021年4月~2024年3月)を「変革・挑戦期」、MP-14(2024年4月~2028年3月)を「成長加速期」と位置付けておりました。
MP-13では新型コロナウイルスの世界的な蔓延に伴い、事業環境は大幅に変化し、当社グループの業績にも多大な影響がありました。VISION2027策定時には想定外だった外部環境の変化に適応するため、MP-14の取り組みを「成長基盤構築」という新たな方向性に再定義します。これには、以前からの事業課題及び経営課題に迅速に対応し、解決することが含まれます。VISION2027の最終年度となる2027年、そして2027年以降の更なる成長を目指し、成長基盤を固める期間と位置づけます。
マトリックス経営体制
当社グループではMP-12開始時より、グループシナジーの最大化を目的にマトリックス体制による経営体制を採用しております。事業(縦軸)と機能(横軸)とが連携を高め、同時にグループ経営基盤を整備することで成果の最大化とガバナンス強化を図ってまいります。また、2024年度よりこのマトリックス体制の更なる強化を目的として、新たにCxO体制を導入しています。このCxO体制のもと、特に機能軸の観点から各事業(日本事業・インドネシア事業・海外事業)を横断した業務執行を通じて、グループ経営執行体制を強化し、経営資源の配分の最適化と意思決定の迅速化を図り、イノベーションの加速と成長性の向上を目指してまいります。
(2) 中期経営計画
当社グループの事業活動は、企業理念に掲げる「社会との共存・共生・共創」=当社グループのサステナビリティそのものと捉え、社会環境課題の解決に向けてサステナブル経営(ESG経営+SDGs経営)を根幹に据えた取り組みによるお役立ちの進化と企業価値の創造を目指しております。すなわち、当社グループは事業活動における企業価値は経済的価値と社会的価値の総和として理解しております。MP-14中期経営基本方針の策定にあたっては、経済的価値の最大化に向けた重要課題と社会的価値の最大化に向けてマテリアリティを解決することを目的としております。
<MP-14中期経営基本方針>
当社グループは、「事業」「機能」「経営基盤(グループ経営)」の3つの軸からMP-14中期経営基本方針を策定しています。
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基本方針1.各事業の成長ステージに応じた構造変革 |
・日本事業およびインドネシア事業における収益性改善と新たな成長エンジン獲得に向けたチャレンジ
・海外事業のASEANエリアを中心とした量的成長の実現
・グループにおけるEC体制の確立による顧客接点の拡大・深耕
・社会課題・環境課題への対応を考慮した事業活動の推進
当社グループでは、3つのセグメント区分でアジアを中心にグローバルに事業を展開しております。MP-14では各エリアにおける的確な事業課題を設定したうえで、事業推進を図ってまいります。MP-13からEC体制の構築を開始しておりましたが、MP-14ではグループシナジーを創出するべくEC体制の確立を目指します。また、サステナブル経営を根幹に据えた社会課題・環境課題への対応も併せて推進してまいります。なお、サステナビリティに関する具体的な取り組みにつきましては、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照下さい。
(優先的に対処すべき課題)
・日本事業の収益性改善
社会活動・経済活動や人々の生活様式の急速な変化が著しく、将来の人口減少もあり、安定的な成長を見込むことが難しい時代となっております。また、MP-13では市場競争の激化や原価の高騰などに加えてコロナ禍の影響により収益性が棄損し、営業損失に陥るなど苦しい経営状況となる時期も経験しました。当社グループでは、連結業績の中核である日本事業の業績回復が優先的に対処すべき事業上の課題だと考えております。筋肉質な収益構造への転換による利益創出に向けてバリューチェーンの各要素の見直し(開発・生産・営業・マーケティング等)をスピーディーに進めてまいります。MP-14でも継続して全社を挙げて質的成長を果たすべく、製品を通じた生活者へのお役立ちを第一にした事業推進に取り組んでまいります。
・インドネシア事業の収益性改善
MP-13ではコロナ禍の影響により売上高が減少したことに加え、減価償却費負担の増加や人件費上昇により、原価率が上昇しております。また、マーケティング投資を控えた結果、市場での製品競争力の低下を招きました。この問題解決のために、MP-14では経営体制を一新し、構造改革を実施いたします。先ず、製品の品質を維持しつつ、原材料のコストダウンや包材開発の抜本的見直し等、日本事業と連動する形で調達と生産体制の改革を進め、原価率の低減を図ります。さらに、ブランドの価値を高め、市場競争力回復を目的に、積極的なマーケティング投資を行います。特に、ブランドマーケティング活動や流通に関する施策の強化を通じて市場での競争力を向上させます。MP-14の1年目、2年目ではマーケティング投資強化のため原価率低減効果よりも費用増加が大きく利益を圧迫しますが、MP-14最終年度には適正な利益を持続的に創出することが可能な体制に再生すべく、改革を進めてまいります。
・海外事業のASEANエリアにおける事業推進
ASEANエリアの人口は継続的に増加しており、経済成長率も日本よりも高い伸長率となっております。このような外部環境なども考慮し、今後ASEANエリア(インドネシアは除く)の事業は当社グループの中で成長ドライバーの位置づけとして量的成長に向けて取り組みを進めてまいります。更なる事業推進を目指し、現地の生活者に根差した価値提案および新カテゴリーへの参入を進めてまいります。
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基本方針2.「生活者発・生活者着」を基本とした価値共創による新たなお役立ちの実践 |
・生活者から共感が得られる商品・サービス提供による市場創造と拡大
・生活者のウェルビーイング実現につながる新規事業の探索
・デジタルを活用した新価値創造(DX)のための顧客データ活用の仕組み構築
当社グループを取り巻く事業環境は、生活者のニーズ・ウォンツや価値観の多様性が進み、様々なスモールマスが数多く生まれております。MP-13ではそのようなスモールマス時代に対応したお役立ちを行うべく、新たな手法を取り入れ、あらためて生活者に寄り添い、多様化する価値観やライフスタイルを見つめ直し、真の課題を発見し、生活者の共感が得られる製品づくりとSNSを中心としたコミュニケーションの強化を図ってまいりました。生活者から選ばれ続ける企業となるべく、MP-14でも継続して生活者から共感が得られるお役立ちを強化してまいります。また、生活者のウェルビーイングの実現に向けて新規事業の探索も併せて進めてまいります。MP-13より進めているDXにおいても業務効率化の観点から新価値創造への観点へとシフトしていく段階と位置付け、取り組みを進めていく方針としております。
(優先的に対処すべき課題)
・マーケティング革新
MP-13よりスモールマス時代に対応するマーケティング革新を進めており、「gatsby THE DESIGNER」や「CYQ(シーワイキュー)」など新ブランドの上市も実施しました。世の中の常識や他人の目、自分の中にある固定観念に捉われることなく、理想のなりたい自分を追求するというコーポレートスローガン「BE ANYTHING, BE EVERYTHING.」の実現に向けた価値の創造・提供をMP-14も継続して取り組んでまいります。また、MP-14では、EC流通におけるトレンドカテゴリーへのタイムリーな対応やD2Cコミュニケーションのノウハウの蓄積が重要であると考えており、現状では未構築となっているグループシナジー最大化への取り組みを強化してまいります。
・DX推進
グローバル規模でデジタル技術を活用した事業構造の変革が進む中、当社グループにおいても新価値創造企業への展開に向けて、DXの推進を通じた変革をMP-13では進めてまいりました。DX推進委員会を中心とした現場主導による変革を推進し、業務効率化の観点からデジタルを活用する機会が増加いたしました。
MP-14からはDXの目的である競争優位性の獲得・確立に向けて顧客データ活用の仕組みを構築してまいります。
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基本方針3.グループ経営実践に向けた経営基盤の継続強化 |
・人的資本の最大化による組織能力の向上
・グループ経営体制の整備による経営効率の最大化と更なるガバナンス強化
・グローバルでの企業ブランドのイメージ確立を目指したコーポレートブランディングの実践
当社グループでは、MP-14においてもグループ経営基盤の継続強化を図ってまいります。MP-13では、各テーマにおいて日本事業を中心に取り組みを進めてまいりましたが、MP-14からは取り組みの範囲をグループ全体に広げてまいります。各国のビジネス環境に対応し適切なサポートを提供するために、日本にヘッドクオーター機能を配置し、グループ全体の成長と持続可能な発展を目指してまいります。
(優先的に対処すべき課題)
・グループ視点での人的資本経営の推進
当社ではMP-14よりCxO体制を導入し、機能軸の観点における各事業を横断した経営執行を通じて、グループ経営執行体制を強化してまいります。これに伴い人事機能に関しても、従来のような日本事業を主軸とした取組推進から視点を変え、当社グループを束ねるヘッドクオーターを設け、グループ全体視点での人的資本に対する取組みを通じて、当社グループ全体での人的資本の最大化による組織能力の向上を目指してまいります。これら取り組みの詳細に関しては、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (5)重要なサステナビリティの項目」をご参照ください。
<MP-14財務戦略>
当社グループは、持続的な経済的価値と社会的価値を提供するとともに、企業価値の最大化に向けてPBRの改善に取り組んでまいります。
現在のPBR低迷は収益性の低迷の結果であり、その要因は次の2点と考えております。
・工場増強投資に、コロナ禍、原材料高が重なり原価率をはじめとしたコスト率が上昇
・キャッシュの効率的活用による新規事業を含めた成長投資不足とそれに伴うステークホルダーの期待未充足
この2点を転換すべく、以下の対応策を実行してまいります。
1. MP-14の前半2年でバリューチェーンを抜本的に見直し、収益性の劇的な改善を実現します。
2. 有利子負債活用を含めたキャピタルアロケーションを策定し、新規事業やM&Aなども含めた戦略投資を実行します。
以上の対応策実行により、MP-14最終年度にはROIC8.0%以上を実現し、PBRの大きな改善につなげてまいります。
(キャピタルアロケーションの考え方)
財務の安定性を維持したうえで、キャッシュを成長投資として「新規領域投資」に振り向けるとともに、「株主還元」「IT投資を含む設備投資」に適切に配分して実行してまいります。
新規事業につきましては、新ブランド、新規事業、新エリアへの進出等以外に、M&Aも積極的に検討してまいります。株主還元につきましては、安定的かつ継続的な利益還元を実施することを基本方針とし、連結配当性向40%以上を数値目標としております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
MP-14中期経営基本目標
MP-14でも収益性目標として資本効率の観点からROICを採用し、"稼ぐ力"を重視した経営に取り組んでまいります。
・連結売上高 1,000億円
・連結営業利益率 9.0%以上
・ROIC 8.0%以上
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
サステナビリティの考え方
当社グループの事業活動は、「E:環境」や「S:社会」が健全で持続可能であることが大前提です。しかし、気候変動や生物多様性の減少、海洋プラスチック問題、サプライチェーンにおける人権問題など、さまざまな問題が顕在化しており、適切な対応とそれを支える健全な「G:ガバナンス」体制の構築が必要であると考えています。
企業理念に掲げる「社会との共存・共生・共創」=当社グループのサステナビリティそのものと捉え、社会環境課題の解決に向けてサステナブル経営(ESG経営+SDGs経営)を根幹に据え、サステナビリティ方針の策定ならびに、サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)を特定し、本業を通じた取り組みによるお役立ちの進化と企業価値の創造を目指していきます。
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サステナビリティ方針 |
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健・清・美・楽を通じた、日常生活の豊かさと社会課題の解決を両立する 独自のサステナブル経営を推進します |
■独自のサステナブル経営の構成要素
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「上記3テーマを中長期にわたって実現していくための基盤」 ゴーイングコンサーンに向けた取り組み |
(1)ガバナンス
当社グループは、社長執行役員を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、多様化・複雑化する社会課題と生活者課題の解決を両立させる、サステナビリティ推進活動に取り組んでおります。サステナビリティ委員会の傘下には、環境・社会・ガバナンスの観点から想定されるリスクおよび機会の抽出、実務部門による実行を推進するための各種委員会が設置されており、サステナビリティ委員会がそれら傘下各委員会で識別されるリスク及び機会の監視から、関係部門を通じて行われるリスク及び機会に対処するための取組みに至るまでを統括管理する体制をとっております。
(2)戦略
当社グループの経営方針・経営戦略に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会を抽出し、特に対処すべき重要課題として、「サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)」を特定しております。特定したマテリアリティに対するコミットメントに基づく具体的な取組みについては、中期経営計画の中で戦略を立案して対応を行っており、関連部門の事業計画に落し込んで対応します。
■サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)
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マテリアリティ |
コミットメント |
関連するSDGs |
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強みを活かした価値創造による未来へのチャレンジ |
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気軽に楽しめる おしゃれ文化の創造 |
「健康」「清潔」「美」の根底に、気軽に楽しむという「楽」軸を配した独自の「健清美楽」の概念を持ち、唯一無二のユニークな商品やサービスを提案することでときめきや晴れやかな気持ちを与え、多様な価値観を持つ生活者のなりたい自分を実現します。 |
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多様な生活者への お役立ち拡大 |
変化する生活者の多様な消費行動に対し常に臨機応変に対応し、生活者満足につながる商品・サービスが目に触れやすい、選択しやすい環境を整え、グローバル10億人にお役立ちします。 |
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社員と会社の 相互成長の実現 |
社員全員が会社や社会を支える「人財」となるために、「単位あたりの生産性」「個の成長と働き甲斐」「創造性」が向上する働き方改革を推進します。 |
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社会と企業の持続可能性の実現にむけた課題解決 |
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持続可能な 地球環境への取り組み |
循環型社会への移行を目指し、脱プラスチックを含めた製品のライフサイクルにおける環境負荷低減への取り組みを進めます。特に温室効果ガスの削減については、2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロの実現を目指します。 |
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持続可能な原材料調達 |
パーム油や紙などの倫理的な調達を行い、森林や生物多様性の保全に努める他、環境、労働環境、人権への対応など、サプライチェーン全体を通じて企業の社会的責任を果たします。 |
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企業基盤の継続強化 |
わたしたちの使命はお役立ちを広く深く続けることであり、その前提としてゴーイングコンサーンがあります。安心・安全の確保はもちろん、理念経営を根幹とした更なる企業基盤の強化を進めます。 |
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(3)リスク管理
当社グループでは、サステナビリティ委員会傘下の関連委員会にてサステナビリティ関連のリスクと機会を識別、評価を行った上で、サステナビリティ委員会での審議・承認、経営会議、取締役会への報告により、各重要課題(マテリアリティ)及び目標に対する進捗管理を行っております。
(4)指標及び目標
サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)に関する中長期目標は以下のとおりであります。
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マテリアリティ |
取り組みテーマ |
評価指標 |
中長期目標 |
2023年度実績 |
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目標値 |
達成年度 |
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強みを活かした価値創造による未来へのチャレンジ |
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気軽に楽しめる おしゃれ文化の 創造 |
自分らしさを 表現することへのお役立ちの深さの拡大 |
「自分らしさを自由に表現できる」新しい化粧品分野や生活者属性への提案件数 |
毎年3件以上 |
毎年 |
6件 |
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生活者課題解決につながる新たな技術提案件数 |
2021年~2027年の 累計35件以上 |
2027年 |
累計16件 |
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おしゃれ文化の 創造に関する 人財育成 |
考働原則 (MANDOM PRINCIPLES)の 実践率 |
80%以上 |
2027年 |
68% |
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多様な生活者へのお役立ち拡大 |
お役立ちの広さの拡大 |
流通網拡張に向けた チャレンジ数 |
毎年13件以上 |
毎年 |
102件 |
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社員と会社の 相互成長の実現 |
チャレンジする 風土の醸成 |
理念サーベイによる 『活躍社員』比率 |
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毎年 |
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多様な人財の活躍 |
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女性管理職比率 |
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社会と企業の持続可能性の実現にむけた課題解決 |
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持続可能な 地球環境への 取り組み |
脱炭素社会への 取り組み |
スコープ1+2における CO2排出削減量 (2013年度比) |
日本国内+海外のスコープ1+2におけるCO2排出量について、2013年度比で43%以上の削減 |
2027年 |
22.0% 削減 |
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CO2排出量ネットゼロの実現 |
2050年ネットゼロに向けたシナリオが完成している |
2027年 |
海外各社におけるスコープ3算定に取り組み中 |
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化石資源由来のバージンプラスチック排出抑制率 (2016年度比) |
25%以上 |
2027年 |
4.0% |
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製品の環境配慮 |
自社基準による 環境配慮製品比率 |
日本国内で販売する当社製品の90%を環境配慮製品(自社基準クリア)とする |
2027年 |
61.3% |
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廃棄物削減 |
製品・販促物廃棄物の削減率 (2022年度比) |
65%以上 |
2027年 |
20.4% |
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持続可能な 原材料調達 |
パーム油 |
原料の起源となるパーム油におけるRSPO(※1)認証パーム油比率 |
福崎工場で使用するパーム由来原料について、RSPO(※1)認証パーム油(ブックアンドクレーム対応を含む)を100%とする |
2026年 |
50.2% |
|
紙製容器包装 |
紙製容器包装の FSC(R)(※2)認証紙、古紙再生紙比率 |
紙製容器包装の全量をFSC(R)(※2)認証紙、古紙再生紙とする |
2027年 |
93.8% |
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マテリアリティ |
取り組みテーマ |
評価指標 |
中長期目標 |
2023年度実績 |
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目標値 |
達成年度 |
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企業基盤の 継続強化 |
安心・安全・ 高品質の提供 |
品質に関するご指摘件数 |
重大ご指摘数0 |
毎年 |
0 |
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社員の安心・安全 |
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データセキュリティ強化 |
サイバーセキュリティ経営ガイドラインへの対応 |
重要10項目すべてに対応できていること |
2027年 |
達成度62% |
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理念経営の実践 |
理念をベースにした全社員による個々の業務判断の実施率 |
80%以上 |
2027年 |
64% |
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※1 RSPO:Roundtable on Sustainable Palm Oil(持続可能なパーム油のための円卓会議)
※2 FSC(R):Forest Stewardship Council(R)(森林管理協議会)
(5)重要なサステナビリティの項目
上記の重要課題(マテリアリティ)で識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。
・気候変動
・人的資本
それぞれの項目に係る当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
①気候変動
当社グループは気候変動をサステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)の一つとして捉え、「脱炭素社会に向けた取り組み」と「環境に配慮した製品づくり」を取り組みテーマとして掲げております。時代を生き抜くダイナミズムと共に社会生活を送る善良なる企業市民として、また、本業を通じたお役立ちの進化と企業価値の創造に向けてより効果的な活動につなげるため、2022年6月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同を表明しました。TCFD提言の枠組みを活用することで気候変動に関するガバナンスをより強化するとともに、各種イニシアティブから開示されているシナリオを参考にシナリオ分析、気候変動に伴って生じるリスクと機会の抽出、その財務的な影響に対しての評価を行っております。また取り組みテーマに基づく各種対応を進めるとともに、積極的な情報開示を実施しております。
・ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティにおけるガバナンスに組み込まれています。詳細につきましては、「
・戦略
気候変動課題については、温暖化防止策の状況により、さまざまなシナリオが考えられます。当社グループでは、各種資料を参考に、代表的とされる平均気温「1.5℃シナリオ」と「4℃シナリオ」を参照し、事業経営における移行リスクと物理的リスクの検討を行っております。当社事業のドメインである製品を通じたお役立ちへの影響に関して、リスクと機会、およびそのインパクトを分析し、積極的に取り組んでまいります。
<気候変動におけるリスクと機会>
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シナリオ |
分類 |
リスク・機会 |
事業インパクト |
影響度 /顕在化時期 |
対処 |
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1.5℃ シナリオ |
移行 リスク |
炭素税の導入・上昇 |
炭素税の導入による運用コストの増加 |
++/中期 |
・再エネ証書付き電力の導入 ・太陽光パネルの導入 |
|
再エネ電力のエネルギーコストの上昇 |
再エネ電力の需要拡大により、エネルギーコストの上昇 |
++/短期 |
|||
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包装材やプラスチック製品の「持続可能な製品」への移行によるコスト |
包装材やプラスチック製品に関する「持続可能な製品」への移行が進まなければ、市場から締め出されるリスク |
++/長期 |
・環境配慮型製品の推進 ・製品包材におけるプラスチック使用量の削減(継続的な仕様変更、外装削除、詰め替えの発売等) |
||
|
市場の変化による収益の減少、事業コストの増加 |
市場の変化(消費者嗜好の変化)や特定の市場における競争が激化することで収益が減少、事業コストが増加するリスク |
++/中期 |
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機会 |
新しい製品・技術の開発によるコスト削減や収益増加、資産価値の向上等 |
新しい製品・技術の開発によるコスト削減や収益増加、資産価値の向上等 |
++/長期 |
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|
消費者の嗜好を反映することによる収益の増加、市場競争力の強化 |
消費者の嗜好を反映することによる収益の増加、市場競争力の強化 |
++/中期 |
|
4℃ シナリオ |
物理 リスク |
サプライヤーの被害によるサプライチェーンの分断 |
異常気象等により、事業拠点やサプライヤーの被害、サプライチェーン分断により、収益が減少するリスク |
++/長期 |
・サードパーティロジスティクスの活用 ・OEMメーカーとの協働体制の構築 ・グループ生産拠点間での生産移管、原料調達の戦略的実施 ・原材料の複数購買の実施 |
|
熱波や干ばつでの水不足による事業活動が停滞するリスク |
熱波や干ばつの頻度増加が予測されているため、水不足による事業活動が停滞するリスク |
++/長期 |
・上質な水源を確保できる地域から水を調達 ・取水量低減に向けた目標設定(予定) |
||
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移行 リスク |
再エネ電力のエネルギーコストの上昇 |
再エネ電力の需要拡大により、エネルギーコストの上昇 |
++/短期 |
・再エネ証書付き電力の導入 ・太陽光パネルの導入 |
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機会 |
物理的リスク関連の製品開発・市場拡大およびコスト削減、それに伴う投資家からの評判向上 |
物理的リスク関連の製品開発・市場拡大およびコスト削減、それに伴う投資家からの評判向上 |
++/長期 |
・独自技術* を活用した製品開発 |
影響度 ++:大きな影響がある、+:一定程度の影響がある、-:影響が小さいもしくは、ほぼ無い
顕在化時期 短期:0~1年、中期:3~5年、長期:10年~
・リスク管理
気候変動に関するリスク管理は、サステナビリティにおけるリスク管理に組み込まれています。詳細につきましては、「
・指標及び目標
気候変動に関する指標及び目標は、サステナビリティにおける指標及び目標に組み込まれています。詳細につきましては、「
②人的資本:人的資本・多様性に関する取組み
・ガバナンス
人的資本に関するガバナンスは、サステナビリティにおけるガバナンスに組み込まれています。詳細につきましては、「
・リスク管理
人的資本に関するリスク管理は、サステナビリティにおけるリスク管理に組み込まれています。詳細につきましては、「
・戦略、指標及び目標
A.「人的資本(人財)」および「人的資本経営」の考え方
(1) 当社グループの企業理念と人財理念
当社グループは、企業理念における考働原則「MANDOM PRINCIPLES」の一つに「人財主義」を掲げています。これは、当社グループのすべての社員をグループにおける貴重な「財産」と捉える考え方であり、当社の創業から現在において変わらず受け継がれている考働原則です。
この人財主義の考え方に基づき、当社グループの人財理念「個と会社のHAPPY」が策定されています。これは、社員と会社が対等なパートナーであり、会社は社員の成長に対して積極的に投資を行い、すべての社員が最大限に活躍することを通じて会社も同時に成長し、当社グループのミッションである社会へのお役立ちを実現できるという「社員と会社の相互成長の実現」を目指すものです。そのため当社グループでは、この「社員と会社の相互成長の実現」をサステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)の1つとして掲げ、「相互成長」の考え方に基づいた人財に対する取組みを推進しています。
(2) 当社グループの人的資本経営の考え方
特に近年では、社会環境における不確実性の高まりや、DXを通じたビジネスモデルの変革が顕著となっており、当社グループのミッションである社会へのお役立ちを通じて継続的に企業価値を高めていくためには、これらの社会環境に的確に対応し、今まで以上のイノベーションを生み出し、新価値を創造し続けることが重要です。当社グループでは、「多彩な個性と強みを持つ人財」こそが、多様なイノベーションを生み出すための「最大の源泉」であると捉え、人財への投資は不可欠であると考えています。
そして当社グループが多様な新価値を創造し続けるためには、社員一人ひとりが持つ多彩な個性や強みを最大化し、それらを活かした知の融合・コラボレーションを起こし続けることが必要であると考えています。そのため当社グループでは、この実践に向けた経営としての一連の取組みを「人的資本経営」と位置づけ、この具体的な取組観点として「①企業理念と人財理念の共有と実践」をベースに、「②ダイバーシティ&インクルージョン」「③健康経営」「④自律協働型ワークスタイル」そして「⑤タレントマネジメント」の5つに重点を置き、②~⑤の取組みをサイクルとして有機的に循環させていくことで、当社グループ全社員の個性と強みの最大化を目指します。なお本書では、取組観点のうち①、②及び⑤が人材育成方針、③及び④が社内環境整備方針にそれぞれ該当します。
■図A-1. 当社グループの人的資本経営全体像
■図A-2. 人財に対する取組5観点の概要
B. 各取組観点の概要と取組事例
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01.企業理念と人財理念の共有と実績 |
(1) 考え方
当社グループでは企業理念の考働原則の一つに「人財主義」を掲げ、それに基づき人財理念「個と会社のHAPPY」を策定しており、創業以来社員一人ひとりをグループの財産とみなし、永らく社員に対する様々な投資を行ってきました。そのため、当社グループの長年にわたる人財に対する取組みは、当社グループの根幹であるグループ企業理念に紐づいた「理念考働」の一環といえるものです。
また当社グループの考働原則には、「人財主義」のほか、「チャレンジ・チェンジ・イノベーション」や「全員参画」といった項目も含まれており、社会へのお役立ちの実現に向けて「社員が自ら考え、自律的に行動する」ことを重視しています。そのため当社グループでは、グループ企業理念の深い理解とそれに基づく理念考働の実践が、当社グループの目指す「社会へのお役立ち」の実践だけでなく、自律的な考働を通じた社員一人ひとりの「仕事のやりがいや社員のエンゲージメントの向上」にも寄与できるものであると考えています。この考え方に基づき、当社グループでは人財に対する取組みの基盤となる「社員の企業理念に対する理解と実践の度合い」、およびそれに基づく「社員のエンゲージメント」を測るため、2017年よりマンダムサーベイを導入しました。そしてこのサーベイ結果から見えた諸課題に対応していくことで、社員の企業理念に対するより深い理解・共感の促進とエンゲージメント向上を目指しています。
(2) 2023年度および今後の取組み
2023年度は、2022年度に日本で実施した当社グループのコーポレートスローガン「BE ANYTHING, BE EVERYTHING.」(意味:なりたい自分に、全部なろう。)の理解・共感の促進を目的とした「理念共創ワークショップ」を海外各拠点に水平展開し、現地各国スタッフ主導のもとで実施しました。このワークショップを通じて、当社グループ全体におけるコーポレートスローガンの更なる理解・共感を図るとともに、これに基づくグループ社員一人ひとりの考働実践に向けた基盤づくりに寄与することができました。
また日本においては、上述の2022年度に実施したワークショップに引き続き、特に「企業理念とコーポレートスローガンのつながり」に関する更なる理解促進に向けて、2023年度に新たな理念共創ワークショップを実施しました。2023年度のワークショップでは、職種や部門を超えて、役職・年齢の近しい社員同士でコーポレートスローガンに関する意見交換やディスカッションに取り組みました。このワークショップを通じて、社員が当社グループの企業理念とコーポレートスローガンの意味やつながりを深く理解するとともに、生活者の「BE ANYTHING, BE EVERYTHING.」を実現するために各社員が実践したい具体的なアクションを社員同士で検討し議論することで、社員一人ひとりに対する企業理念やコーポレートスローガンの更なる理解・共感の促進と、これらに基づく理念考働の実践に向けた布石とすることができました。
そして2024年度以降では、当社グループの企業理念の共有と実践を主導する「エバンジェリスト」を中心に、カスケード方式を通じて、組織の上位から下位に向けた企業理念に関する理解・共感を図る機会を設けることで、当社グループ全体での更なる企業理念の理解・共感の促進と実践に取り組んでいきます。
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02.ダイバーシティ&インクルージョン |
(1) ダイバーシティ&インクルージョンに関する考え方
当社グループでは、人財に対する取組みにおいて、この「ダイバーシティ&インクルージョン」を特に重要な取組観点として位置付けています。これは、当社グループの目指す「社会へのお役立ち」の実現に向けて、「多彩な個性と強み(専門性)を持つ人財」の活躍が必要不可欠であると考えているためです。
当社グループでは、このダイバーシティ&インクルージョンの取組みを、「DEIB(Diversity, Equity, Inclusion and Belonging)」の観点から推進しています。これらの観点に基づいて、当社グループの多彩な個性と強みを持つ人財(Diversity)が、公平・公正であり(Equity)、かつ各人の個性やちがいを尊重し相互信頼のある環境を通じて(Inclusion)、社員一人ひとりがやりがいをもってイキイキと楽しく働くことができる状態(Belonging)を目指します。
(2) 人財の多様性(Diversity)に関する考え方
ダイバーシティが必要とされる背景は、各社の置かれている状況や社会動向等によって異なると考えています。その中で当社グループでは、このダイバーシティ&インクルージョンを人的資本経営における取組観点として位置づけるにあたり、「当社グループがダイバーシティ推進を必要とする」目的を再整理しました。上述の通り、当社グループが社会へのお役立ちを継続的に実現するためにはイノベーションが重要であり、この多様なイノベーションを生み出すには「多彩な個性と強みを持つ人財」が必要不可欠であると考えています。そのため当社グループでは、ダイバーシティ推進の目的として、この「イノベーションの創出」が特に重要であると考えており、この観点に基づいて多彩な個性と強みを持つ人財の獲得と育成を目指します。
特に人財の多様性(Diversity)に関して、当社グループでは「組織内ダイバーシティ」と「個人内ダイバーシティ」の2つの観点から取組みを推進していきます。前者については、当社グループの目指す多様なイノベーションの創出に寄与しやすい「認知的ダイバーシティ」の観点を主軸として、多彩な経験や価値観を持つ人財の獲得・育成を目指します。また後者については、組織内における人財の多様性だけではなく、社員一人ひとりが様々な経験や知識を増やしていくことで、多彩な価値観やものの見方を通じて更なるイノベーション創出に寄与できる状態を目指します。
■表02-1. 多様性の2観点
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観点 |
考え方 |
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組織内 ダイバーシティ |
イノベーションの創出に寄与しやすい価値観・経験といった「認知的ダイバーシティ」の観点を主軸に、人財の獲得・育成を推進する |
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個人内 ダイバーシティ |
社員一人ひとりが様々な経験や知識を増やしていくことで、自身の多彩な価値観やものの見方・捉え方を養う |
これらの考え方に基づき、当社グループでは今後のグループのイノベーション創出に向けて、特に次の4つのいずれかの要素を持つ人財の獲得・育成を目指し、取組みを推進していきます。
■表02-2. 当社グループが今後獲得・育成したい人財の4要素
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要素 |
考え方 |
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文化的背景 |
今後のグループ経営の推進に向けて、多彩な異なる文化的背景を持ち、異なる発想や考え方ができる人財を育成・獲得する |
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職歴 (他業界・他社経験、職種) |
従来の発想や手法にとらわれない、他業界や他社等からの新たな視点で発想ができる人財を育成・獲得する |
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性 |
性に基づく多彩な価値観を持つすべての生活者へのお役立ち実現に向け、性の観点における人財の多様性を目指す |
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年代 |
各年代への的確なお役立ちを実現するため、ブランドターゲットに近い行動文化や価値観を持つ同年代の人財を育成・獲得する |
※「性の多様性」及び「年代の多様性」に関しては「統計学的多様性」の一要素ですが、当社グループでは事業特性上の理由から、当社グループのイノベーションの創出に寄与できる人財の要素であると考えています。
(3) ダイバーシティに関する取組事例と今後の取組み
① 女性活躍推進
1) 考え方
当社グループの主力事業である化粧品事業においては、生活者の価値観の多様化やライフスタイルの変化に伴って、従来のような「男性化粧品」「女性化粧品」といったカテゴリだけではなく、このような既存の性の枠組みにとらわれない新たな化粧品を生み出す必要性があると考えています。そのため、当社グループがこの変化し続ける生活者の価値観やウォンツを的確に把握し、継続的な社会へのお役立ちを実現するためには、女性をはじめとした社内の人財における性の多様化を推進し、これらの人財が最大限に活躍することが重要であると考えています。
そのため当社では、人財における性の多様化の一つとして、社内における女性の活躍推進とそれを成しえる社会の実現に向けて、次のような取組みを実践しています。
2) 取組事例と今後の取組み
当社では、女性社員がよりイキイキと活躍できる環境を整備するため、2023年度では主に「仕事と育児の両立支援」、そしてキャリア開発視点での「異業種女性キャリアデザインフォーラムへの参画」や「女性営業社員へのヒアリング」に取り組んできました。仕事と育児の両立支援では、従来に引き続き取得対象者の休業取得に向けた人事総務部からの積極的なアナウンスや、対象者全員とその上長・人事総務部担当者の3者における面談をもれなく実施しています。また、「異業種女性キャリアデザインフォーラムへの参画」では、若手社員と管理職候補層の2グループに分かれ、女性社員が活躍するロールモデルを学び、他業種の女性社員との交流を通じて自身のキャリアについて考える場を提供しています。
今後も引き続き、男女ともに育児休業の取得を推進するとともに、キャリア面に関しても女性社員が活躍できる環境づくりを目指します。特に後者については、上述の「女性営業社員へのヒアリング」を踏まえ、営業領域における女性社員のキャリア上の課題を抽出し、その対策案を検討・実践することで、職種に関係なく女性社員が活躍できる環境を創っていきたいと考えています。
また、引き続き管理職層への女性社員の積極登用も合わせて推進していきます。この推進に向けて、当社では今後も継続的な「単年度毎の女性社員の経営基幹職登用計画の策定」や「女性社員向けの各種研修の実施」、そして「経営層や管理職層に対する女性活躍に向けた各種教育の拡充」に取り組んでいきます。
■図02-3. 育児休業取得率の推移 (注1) ■図02-4. 女性管理職比率の推移 (注2)
(注1)
・当社の年度別実績。
・「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出。
・2021年度における男性社員の実績、および2023年度における女性社員の実績については、前事業年度における一部取得対象者が対象事業年度中に育児休業を取得したことから、対象事業年度における合計取得者数が取得対象者数を上回ったことにより、100%を超える実績となっている。
(注2)
・当社の各年度3月31日時点の実績。
・「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出。
・管理職には部長・次長および課長を含み、執行役員および専門職は含まない。
②多彩な職歴(他業界・他社経験、職種)を持つ人財の拡大
1) 考え方
「多彩な職歴(他業界・他社経験、職種)」を有する人財については、それらを有する「新たな人財の獲得と活躍推進」、そして「在籍社員の育成・強化」の2つの観点から取組みを進めていきます。
「新たな人財の獲得と活躍推進」に関しては、当社の幅広い職種におけるキャリア人財の新規採用を強化するとともに、特に当社の意思決定層である管理職ポジションへの任用を強化し、従来の当社には無い多彩な経験や観点・知見を取り入れることで、更なるイノベーションの創出を目指していきます。また、既存の在籍社員に関しても、当社以外の経験や価値観に積極的に触れる機会を提供することで、社内全体における「多彩な経験を持つ人財」を増やしていけるよう、次のような取組み等を通じてこれを推進していきます。
2) 取組事例と今後の取組み
特に「在籍社員の育成・強化」に対する取組みとして、社外副業が挙げられます。当社の社外副業制度は2020年から開始していますが、従来の認可条件が厳しく実施者が少ない傾向にありました。そのため2024年度より認定要件を緩和し、厚生労働省の定める管理モデルに基づく雇用契約型の社外副業も全面的に解禁しました。これにより、新規キャリア採用人財だけでなく、既存の在籍社員に関しても他業界の新たな経験や知見をより吸収しやすくすることで、更なるイノベーションの創出に寄与できる環境づくりを推進していきます。
今後は継続的な「新規キャリア人財の採用の強化と活躍推進」をはじめ、社内人財に対しては社外副業の拡充や社外との交換就業、外部との交流機会への積極的な参加等を通じた「社内人財に対する多彩な経験や知見の吸収の促進」を通じて、より幅広い経験や価値観を持つ人財の獲得・育成を目指します。
■図02-5. 管理職 キャリア採用者比率の推移 (注3)
(注3)
・当社の各年度3月31日時点の実績。
・管理職には部長・次長および課長を含み、執行役員および専門職は含まない。
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03.健康経営 |
(1) 考え方
当社グループが新価値創造を実現するためには、多彩な個性と強みを持つ人財の獲得・育成だけでなく、社員と家族の安全・安心のもと、人財が最大限に活躍できる環境整備も必要不可欠です。その中で当社グループでは、特に社員の精神的・身体的・社会的な健康(ウェルビーイング)が新価値創造において重要であり、グループ全社員のウェルビーイングが当社グループの人的資本経営の推進における基盤であると考えています。そのため、社員の健康に関わる不安を取り除き、豊かで充実した仕事と生活が送れる職場環境を作り出す一連の取組みを当社グループの「健康経営」と定義し、この健康経営の視点に基づく5つのステップ(ウェルネスSTEP、図03-1)を通じて、図03-2の推進体制のもとでグループ社員のウェルビーイングを実現し、業績向上へとつなげていきます。
■図03-1. 当社グループの健康経営推進のウェルネスSTEP
参考: 「未来を築く、健康経営」 NPO法人 健康経営研究会 2021年7月19日
■図03-2. 当社グループの健康経営推進体制
(2) 健康経営の推進状況と取組事例
当社は2024年3月に「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」の認定を受けており、2022年より3年連続でこの認定を取得しています。一方で当社では、更なる健康経営の推進に向けた体制基盤の構築が必要であると考え、2023年度の取組テーマを「健康経営の推進に向けた基盤整備」とし、様々な取組みを進めてきました。
例えば当社では、2023年6月に「健康経営の型づくりと成果創出のためのソリューションの共創および産業界への実装」を目的として設立された「健康経営アライアンス」に加盟し、参画企業の取組共有を通じて健康経営の型と成果の共創を目指す活動をスタートさせました。これにより、健康経営に関する参画企業の先行事例や最新情報をいち早くキャッチし、他企業ともスピーディに連携できる環境を構築しています。また、当社内部においては、健康経営の推進体制を整備し、グループ全体の健康経営を推進する統括責任者として社長執行役員を据え、日本と海外各社が連携しながらグループ視点での健康経営に向けた取組みを推進できる体制基盤を構築しています。
また、これら基盤整備に関する取組みに加えて、2023年度では、前期報告書にも記載しています当社の健康経営に関する課題の一つである「長時間労働」の改善に対する取組みも継続して行っています。例として、全社員の長時間労働の状況を的確に把握することを目的に、新たに毎月の上位会議体において時間外労働時間に関連する実績データを共有することで、経営層を巻き込んだ時間外労働削減に向けた取組みが推進できる環境を整備しています。また、時間外労働時間は業務の繁閑期等により部門ごとに異なる特性があると考えていることから、部門長を中心に部門ごとに時間外労働削減に対する課題を検討し、その解決に向けた実行策を実践する取組みを行いました。
(3) 健康経営に関する現状課題と今後の取組方向性
当社では2023年度に「健康経営の推進に向けた基盤整備」をテーマに取組みを進めてきましたが、現在も依然として、この基盤部分の整備におけるいくつかの課題が存在しています。そのため2024年度以降も引き続き、この基盤整備に向けた取組み、特に当社のウェルネスSTEPにおける基盤部分となる「①労働安全衛生(健康管理)」そして「②心と身体の健康づくり」の段階を中心に、「社員のプレゼンティーズムの改善」を主軸とした取組みを進めていきます。
例えば「①労働安全衛生(健康管理)」の段階においては、健康診断やストレスチェック等で得られた社員の健康データに対する明確なアクションが取れていないことを当社における課題の一つと捉えています。そのため今後は、時間外労働関連のデータを含めた社員の健康に関する各種データを再整備することを通じて、その中での重点管理指標と改善目標値を設定し、その達成に向けた取組みを進めていきます。
また、「②心と身体の健康づくり」の段階においては、社員の健康経営への参画意識向上に欠かすことのできない「社員個々の健康に対する意識レベル(ヘルスリテラシー)の向上」を目指し、この実現に向けてヘルスリテラシー向上につながる包括的な教育施策の定期開催や、産業医・保健師との連携強化等を行っていきます。
そしてこれらの基盤整備を確実に行ったうえで、その先のウェルネスSTEP「③働きやすさ」~「⑤生きがい」に関する取組みを将来的に実践することで、グループ社員全員の精神的・身体的・社会的な健康(ウェルビーイング)の実現を目指していきます。
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04.自立協働型ワークスタイル |
(1) 考え方
当社グループの人財が持つ多彩な個性や強みを最大限に発揮するためには、社員の健康(ウェルビーイング)に対する取組みに加えて、それを実現できる「働く環境づくり」も同時に必要であると考えています。
当社グループでは、「WORK LIFE BALANCE(ワーク・ライフ・バランス)」をさらに発展させた「WORK IN LIFE(ワーク・イン・ライフ)」の考え方に基づき、働きやすさと働きがいの両方を向上させることで、「社員一人ひとりの人生を豊かにするための働き方」の実現を目指します。またこの実現に向けて、当社グループでは「社内外の『知的にぎわい』を最大化する自律協働型ワークスタイルの実践」をこの推進のキーコンセプトとして掲げています。そして表04-1の各観点に基づき、社員が「自身の人生を自律的に豊かにしていくための労働」を自ら実践することで高いパフォーマンスを発揮し(自律)、これらの多彩な個性や強みを持つ社員がコラボレーション(協働)することで、社員一人ひとりのやりがいの向上、そして多彩な知の融合(知的にぎわい)を通じたイノベーションの創出による新価値創造
(Co-Creation)を実現することができると考えています。
■表04-1. 自律協働型ワークスタイルの推進に向けた4観点
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観点 |
考え方 |
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働く時間 |
社員同士のコラボレーション(協働)を前提に、社員が自身の健康やプライベートの充実・キャリアアップ等に費やす時間を確保するため、自律的にメリハリのある勤務ができるような「働く時間」の実現を目指す |
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働く場所 |
・会社(オフィス)は、「社員同士の知の集う場」「コラボレーション(協働)のための中心の場」としての「象徴」となることを目指す ・心理的安全性が担保された環境下で、個人事由による勤務場所の制約がなく、能力を発揮しやすい環境で働ける状態を目指す |
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社員の関係性 |
相互尊重を前提に、キャリア形成・人脈形成や自己研鑽等、社員一人ひとりのありたい姿の実現に向けて、多彩な知の集合(有機的なつながり)として相互にとって有益な関係性となることを目指す |
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風土醸成 |
社員が自ら、マンダムグループで働く内発的な動機や意義を見出し、モチベーション高くやりがいを持って働くことができている状態を目指す |
(2) 取組事例と今後の取組み (表04-2)
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観点 |
これまでの取組事例 |
今後の取組事項 |
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働く時間 |
・コアタイムを完全撤廃したフルフレックス勤務の導入 ・個人事情に柔軟に対応可能な勤務時間中の「中抜け」の認可 ・各部門の時間外労働削減に向けた計画づくりと実践 |
・社員の個人事由に基づく制約がなく、多彩な社員が活躍できる働く時間・場所の継続的な整備 ・社員同士のコラボレーションを促進するオフィスづくりの推進 ・社員の“知的にぎわい”を促進するコミュニケーション活性化の推進 ・社内クラブ活動の拡充 |
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働く場所 |
・個人の家庭事情等に合わせ、所属部署の拠点事業所以外の事業所でも勤務可能とする「遠隔地勤務」のトライアル実施 |
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働く人の関係性 |
・年1回の研修旅行の実施 ・社内のコミュニケーションの活性化を目的とした自由談話会の実施 |
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05.タレントマネジメント |
(1) 考え方
多彩な個性や強みを活かす環境づくりとともに、それらを最大化するためのジョブ起点の人財マネジメントも推進していきます。当社グループでは、タレントマネジメントを「社員一人ひとりが持つ能力や資質・才能を把握し、戦略的に企業経営に活かすことを目的とする取組み」と捉え、「ジョブ×キャリア自律」の考え方に基づき、後述の「MHRX」の取組みをはじめとした様々な取組みを引き続き実践していきます。
■表05-1. 「ジョブ×キャリア自律」に関する考え方
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観点 |
考え方 |
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ジョブ |
変化の激しい時代の中で常に新たなお役立ちを実現するため、社員一人ひとりの個性と強みに基づく“ジョブ(役割)”を基軸に、専門性の向上と適所適財の実現を目指す |
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キャリア自律 |
社員一人ひとりが自律的な学びや成長を通じて、高度化・複雑化する環境に対応できる強み(専門性)を持ったプロフェッショナル人財への成長を目指す |
(2) 取組事例:ジョブ×自律を起点とした人事の仕組み改革(MHRX)
当社グループのタレントマネジメントに関する取組事例として、日本におけるMHRX(Mandom HR Transformation、マークス)が挙げられます。これは当社における新たな価値創出によるお役立ちの実現に向けた、変革・挑戦できる組織と人財創造を実現するための「ジョブ×キャリア自律」を起点とした人事の仕組み改革であり、当社では2019年からこの取組みに着手しました。このMHRXを通じて、当社では2023年度から新しいジョブ型人事制度の運用を開始しています。
このMHRXでは、「人事制度改革」「キャリア開発」そして「タレントマネジメント」の3つの柱から構成されており、それぞれ次のような取組みを行っています。
■図05-2. MHRXの全体像
(3) MHRXに関する取組事例の詳細と今後の取組み
①キャリア開発
当社におけるこのMHRXの改革を実現するためには、これを実行する当社社員一人ひとりの成長が必要不可欠だと考えています。そのため当社では、社員のキャリア自律を目指すための「キャリア開発」を、このMHRXの3つの柱における中心として位置付けており、社員一人ひとりの強みや個性を最大限引き出し、専門性を強化するためのキャリア開発を推進しています。このキャリア開発では、主に「キャリア形成後押し」「活躍の場づくり」、そしてそれを支える「基盤整備」の3つの観点から取組みを行っています。
具体的な施策事例は下表の通りとなり、今後も引き続きこれらの施策の継続実施を通じて、社員の自律的なキャリア形成と、プロフェッショナル人財化に向けた支援を行っていきます。
■図05-3. キャリア開発 体系図
■表05-4. キャリア開発支援に関する制度・取組企画事例(2023年度)
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取組観点 |
制度・企画名 |
概要 |
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キャリア形成 後押し (キャリア自律軸) |
役職・年代別 キャリア研修 |
30~40代を中心に自身のキャリアを内省する機会を提供 管理職向け研修では、自身のキャリア形成に加えて部下のキャリア支援に関するコンテンツも合わせて提供 |
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自己申告制度 |
社員が自身のキャリアプランを内省する機会を提供 記載内容は、部下へのキャリア支援や人事異動に活用 |
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アセスメント& フィードバック |
社員自身の特性やスキル・強みを把握するツールとして提供 アセスメント結果は、管理職任用時の参考資料にも活用 |
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教えて課長さん |
社員の他部署業務の理解促進の観点から、各課長へ直接職務内容やキャリアパス等を質問・相談できる機会を提供 |
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キャリア形成 後押し (能力開発軸) |
部門長研修 |
事業運営の要となる部門長に対するマインドセットや部門長同士・経営層との連携強化を目的に実施 |
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挙手制研修 |
社員の自律的な能力開発・キャリア形成の後押しに向けた研修機会を提供 |
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自己投資支援制度 |
社員の職務に関わるスキルの向上や資格の取得、語学学習に対する一部費用を会社が負担 |
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語学学習支援制度 |
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活躍の場づくり |
社内公募制度 |
「社員と会社のマッチング」の一環として、社員自ら希望するポジションに応募し、異動を可能とする機会を提供 |
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副業制度 |
社員の専門性の強化と社外における経験・知見の拡大を目的に、副業を推進 |
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基盤整備 |
職務記述書(JD) 社内公開 |
管理職以上の全ポジションにおける役割・達成責任等を記載した職務記述書を作成し、社内全体に開示 |
②人事制度改革
当社の従来の人事制度は「経験年数」を重視する制度であり、これまでの当社の事業運営を支える仕組みとして機能してきました。しかし昨今のVUCA時代における大きな社会変化に伴って、一部社員において職務上の役割と等級のアンマッチが顕在化してきました。このような中、今後の変化の激しい時代に適応し、社員が高度化・複雑化する問題に的確に対応できるようになるためには、社員一人ひとりが各人の役割を認識し、職責を果たすために自律的・継続的にスキルを向上させていくことが必要不可欠であると考えています。そのため当社では、このような外部環境の変化に適応し生活者にお役立ちし続けるため、「役割に求められる職責やスキルの明確化」を通じて社員一人ひとりの自己研鑽による専門性の向上と成長を促進するとともに、「役割の大きさに応じた公平公正な評価と処遇」を行うことで社員がやりがいを感じ、成果に繋げることができるジョブ型の新人事制度を2023年度より導入しました。今後はこの新人事制度の社内定着と社員への理解浸透に向けて、引き続き取り組んでいきます。
■表05-5. 各人事制度の特徴
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制度 |
概要 |
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等級制度 |
経験年数を重視し、職務遂行能力の獲得・保有に応じて等級を付与する「職能等級制度」から、役割を基準としたジョブ型の「役割等級制度」に変更 |
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報酬制度 |
役割の大きさやチャレンジによる成果を適切に処遇に結び付け、処遇面でもやりがいを感じられる仕組みを整備 |
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評価制度 |
役割等級制度に変更することに合わせ、各等級に求められる役割定義に基づいて創出した成果をはかる公平公正な評価制度へ変更 |
③タレントマネジメント
当社ではタレントマネジメントを「社員一人ひとりが持つ能力や資質・才能を把握し、戦略的に企業経営に活かすことを目的とする取組み」と捉えており、この実践に向けて表05-6の5つの観点に基づき取組みを進めています。
■表05-6. タレントマネジメント5観点の考え方
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観点 |
考え方 |
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採用 |
「適所適財」の観点から、事業戦略を踏まえて社内外問わず最適な人財を採用 |
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配置 |
社員のキャリア意向と会社意向の「マッチング」を前提として、社員の専門性を踏まえた適所適財な異動配置を実施 |
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育成 |
それぞれの個性と強み(専門性)を持った、社外でも通用するプロフェッショナル人財を育成 |
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評価 |
社員一人ひとりの役割(ジョブ)の大きさやチャレンジによる成果に基づき、公平公正に評価 |
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処遇 |
年齢や経験年数に関係なく、個人の役割(ジョブ)の大きさや創出した成果に応じて公平公正に処遇 |
C. MP-14 マンダムグループ人財戦略
(1) 考え方
当社グループでは、2024年度より第14次中期経営計画(MP-14)がスタートしました。このMP-14経営基本方針(経営戦略)では、取組事項の一つとして「グループ経営実践に向けた経営基盤の継続強化」に向けた「人的資本の最大化による組織能力の向上」を掲げており、当社グループへの人財に対する取組みをMP-14経営基本方針における重要取組事項の一つとして位置付けています。
また当社グループでは第12次中期経営計画(MP-12)より、グループ経営執行体制として事業軸と機能軸によるマトリックス体制を導入していますが、2024年度よりこのマトリックス体制の更なる強化を目的として、新たにCxO体制を導入しています。このCxO体制のもと、当社グループでは、特に機能軸の観点から各事業(日本事業・インドネシア事業・海外その他事業)を横断した経営執行を通じて、グループ経営執行体制を強化し、経営資源の配分の最適化と意思決定の迅速化を図ることで、イノベーションの加速と成長性の向上を目指していきます。これに伴って、人事機能に関しても、従来のような日本を主軸とした取組推進から視点を変え、グループ視点に基づいた人的資本への取組みを通じて、当社グループ全体での人的資本の最大化による組織能力の向上を目指していきます。
そのため、今回のMP-14における人財戦略の策定にあたっては、各事業戦略と同様に、各事業(日本事業・インドネシア事業・海外その他事業)の現状とありたい姿に即した人財と組織に関する戦略を検討し、策定することが重要であると考えました。そこでMP-14より新たに当社グループ戦略の体系を刷新し、当社グループを束ねるGHQ(Global Headquarters)の人財戦略を最上位に据え、このGHQの方針に基づいて各セグメントの人財戦略を策定し、この各戦略に沿って取組みを推進していきます。
■表C-1. 各事業別人財戦略に基づくMP-14の主要取組
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セグメント |
主要取組 |
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GHQ (Global Headquarters) |
・グループ経営の中枢となる、グローバル人事を推進するGHQの体制やポリシー、グローバル人事制度の整備 ・グループの経営を担う次世代人財候補の育成 |
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日本事業 |
・更なる新価値創造に向けて、社員の持つ多様性を最大限に活かした、適所適財に基づくタレントマネジメントの推進 ・社員のプロ人財化に向けた、キャリア・能力開発体制の構築と実践 ・「ジョブ×キャリア自律」の考え方に基づき、社員がより一層自律的にやりがいを持って働くことができる環境づくりと風土醸成 |
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インドネシア事業 |
・組織設計や人事制度改定を通じた、公平・公正な処遇の実現と生産性向上 ・イノベーションを創出し続けられる、強固で柔軟な組織づくりと人財育成 ・組織全体におけるチャレンジングな風土の醸成 |
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海外その他事業 |
・現地各社の安定的・永続的な組織運営を可能とする仕組みの構築 ・グループ各国における適所適財に基づく経営人財の任用 |
D. MP-14 人的資本・多様性に関する設定指標
当社グループの人的資本経営の各取組観点、およびMP-14における当社グループの事業セグメントごとの戦略と取組事項を踏まえ、事業セグメントごとに主要項目に関する目標値を設定しています。また、各種取組みを通じて達成すべき最終指標として、当社グループ連結における人的資本RoIの目標値を設定し、この達成を目指します。
設定指標の詳細は、下の表をご参照ください。
■MP-14 人的資本・多様性に関する設定指標一覧 (表D-1)
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セグメント |
設定指標 |
2023年度 実績 (注2) |
目標 |
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人的資本RoI |
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GHQ (グループ全体) |
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理念の共有と実践 |
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GHQ (グループ全体) |
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ダイバーシティ&インクルージョン |
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日本事業 (当社) |
女性管理職比率 |
12.8% |
20%以上 |
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管理職 キャリア採用者比率 |
21.1% |
30%以上 |
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健康経営・自律協働型ワークスタイル |
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日本事業 (当社) |
正社員1人あたり月間平均時間外労働時間 |
16.6時間 |
10時間以下 |
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経済産業省 健康経営度調査偏差値 |
51.0 |
55.0以上 |
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タレントマネジメント |
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GHQ (グループ全体) |
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グループ経営人財育成研修における外国籍社員 参加比率 |
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日本事業 (当社) |
新卒正社員 入社後3年間定着率 |
93.8% |
毎年度90%以上 |
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マンダムサーベイ「当社には、私の能力を伸ばし成長する機会があると思う」肯定的スコア |
63pt |
80pt以上 |
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マンダムサーベイ「私の担当業務に要するスキル向上のための研修機会は十分である」肯定的スコア |
56pt |
80pt以上 |
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正社員 自己投資支援制度活用率 |
3.9% |
15%以上 |
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正社員 語学学習支援制度活用率 |
7.2% |
15%以上 |
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インドネシア 事業 (PT MANDOM INDONESIA Tbk) |
マンダムサーベイ「イノベーション」カテゴリ 肯定的スコア |
78pt |
82%以上 |
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新卒正社員 入社3年以内離職率 |
- |
0% |
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自己都合退職率 |
- |
1.8%以下 |
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海外その他事業 |
グループ人事ポリシーに基づく グループ各社人事制度の策定および実施率 |
- |
100% |
(注1)・人的資本RoI=営業利益額÷人件費にて算出。
・人件費は、賃金に加えて福利厚生および教育・研修に関する費用も含む。
(注2)・実績の集計を2024年度より開始する設定指標については記載していない。
また、当社グループにおける人的資本に関する考え方や取組事例の詳細については、当社ホームページにて随時開示しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありますが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。
当社グループでは、社会環境課題の解決に向けてサステナブル経営を根幹に据え、中長期的に解決すべきリスク・機会としてサステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)を特定し、中期経営計画に反映させて取り組んでおります。
また、事業継続に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクにつきましては、「トータルリスクマネジメント推進規程」を制定した上で、トータルリスクマネジメント委員会を推進母体として、リスク管理体制の統括管理を行っております。同委員会は、事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があるリスクの顕在化の兆候の把握・分析・評価を行い、早期発見・未然防止に注力しております。
(1) 生活者のニーズ・ウォンツの多様化への対応について
日本を含めたアジアの化粧品市場では、市場がボーダーレス化し、同業他社に加えグローバル企業・異業種企業の参入により競争が激化しております。さらに、人口動態の変化、生活者のニーズ・ウォンツの多様化、生活者の購買スタイルの急激な変化(ECの台頭)等により、経営環境はますます予測困難となっており、市場環境等への対応の遅れが当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、これから実現していきたい「お役立ち」をコーポレートスローガンとして表現しており、「自分らしく生きること」や「ありたい自分」を実現することをサポートする価値創造を推進してまいります。またこのスローガンに基づいた商品提案を通じて、LGBTQを含む多様性を尊重する社会的要請に応え、性別、年齢、障害の有無等に起因する各生活者の課題に対処するとともに、全ての生活者が自己実現できる環境を提供することを目指してまいります。
(2) 事業投資について
当社グループは、VISION2027ありたい姿の実現および持続的成長に向けて、製品の競争力維持のための設備投資は投資効率等を勘案して実施するとともに、M&Aや戦略的提携も有効な手段として検討を進めております。
2019年にはアジア地域での事業の拡大の一つとしてACG INTERNATIONAL SDN. BHD.の株式を100%取得いたしました。このような事業投資は、当初の想定を超える経営環境の悪化等により、想定していたキャッシュ・フローを生み出せない場合には設備投資により計上した固定資産や、ACG INTERNATIONAL SDN. BHD.の株式取得により計上したのれん等に係る減損処理等を行う必要が生じ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループは事業投資の結果が投資判断時から乖離していないかを継続的に確認しております。また、新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、その事業固有のリスクが新たに加わる可能性があります。当社では投資管理規程を制定し、投資の承認までの事前評価プロセスおよび、投資実行後の事後評価のプロセスもルール化を図っております。
(3) 環境問題への対応について
気候変動や海洋プラスチック問題に代表される環境問題は、その深刻度が年々増しており、将来の当社グループの事業活動の継続性にも影響を与えるものと認識しております。このため、当社グループは、環境リスクの低減および環境への貢献と経営の両立を目指す環境マネジメントシステムである国際規格「ISO14001」を認証取得しております。また、環境配慮を製品価値の一つと位置付け、「マンダムグループ環境配慮製品基準」を設定し、社会から共感の得られる価値づくりへの取り組みを推進しております。具体的には、洗顔等で使用していたマイクロプラスチックビーズを2019年末にすべて代替品に変更しているほか、従来の石油を原料とするプラスチックに代わる材料として、持続可能な植物原料を使用したバイオマスプラスチックへの切り替えを段階的に進めております。さらに当社グループでは調達方針を策定し、わたしたちを取り巻く社会そして地球の持続可能な発展への貢献を目指し、取組先様との協働により設計・生産・物流にかかる全ての活動において環境への負荷低減を進めております。
(4) 新規人財獲得の競争激化や優秀な人財の流出について
当社グループ各国においては、労働市場における人財流動性の高まり等に伴い、優秀人財の獲得競争の激化や、当社グループに所属する優秀人財の社外への流出リスクも高まってきていると考えております。そのため当社グループでは、ジョブの内容に基づいた市場競争力のある報酬体系やグループ社員一人ひとりがやりがいを持ってイキイキと働くことができる労働環境の整備等を通じて、優秀人財の新規獲得やリテンションに取り組んでまいります。これら取組みの詳細に関しては、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (5)重要なサステナビリティの項目」をご参照ください。
(5) 機密情報漏洩について
当社グループは、事業を展開する上で、当社グループおよび取引先の機密情報を保持しております。近年のイン ターネット環境をはじめとするネットワーク環境は、コンピュータウイルスやセキュリティ侵害による情報漏洩、 滅失または毀損のリスクが増大する傾向にあります。万一不測の事態により情報漏洩、滅失または毀損が発生した 場合は、社会的信頼の失墜、機密保持契約違反による損害賠償責任等の発生、当社グループのノウハウの流出また は逸失による競争力の低下等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループとしては、情報管理対策をシステムのハード面とソフト面の両面で進めております。
(6) 原材料調達について
当社グループは、国内だけでなく複数の国から原材料を調達しており、世界景気や地政学的リスク、需給バランス、異常気象、為替・市場価格の変動が当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、原材料の中には調達上希少なものも一部含まれており、安定調達に関わるリスクがあるほか、自然災害等のトラブル発生によりサプライチェーンが寸断され、製品供給責任を果たせなくなる可能性があります。
このため、当社グループでは、災害等が発生した際に、製品ごとの原材料供給影響の早期抽出を可能とする原材料BCPデータの整備、有事に備えた代替原料の準備、リスク分散のための複数社購買・グローバル調達の検討等を実施しております。また、サプライチェーン全体で持続可能な調達に取り組むため、「調達先CSRガイドライン」を策定し、社会・環境に与える影響への配慮やリスクの軽減につながるサプライチェーンの透明化にむけて、段階的に取り組んでおります。
(7) 為替変動について
当社グループは、市場として今後も成長が見込まれるアジア地域での事業に注力しており、2024年3月期における連結売上高の海外売上高比率は、49.6%となっております。今後、海外売上高比率は更に高くなると想定しており、為替相場の大幅な変動が当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性もより高まっております。
このため、当社グループでは、月別通貨別に為替相場の変動状況を定期的に把握した上で、事業への影響を軽減する対策を検討しております。
(8) 海外での事業展開について
当社グループは、経営戦略の成長エンジンとして位置付けているアジア地域での事業の拡大に注力しておりますが、展開する各国において、法律・規制の予期せぬ変更、政治・経済の急激な変化、テロ・戦争等の社会的混乱が発生した場合には、当該エリアの生活者の購買意欲の低下や事業活動に制限が生じ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、展開先各国の政治・経済・社会的状況や、各国における事業に関連する法規制等の情報を日々収集した上で、必要な対応を行っております。
(9) 事故・災害・感染症について
不測の事故・自然災害・感染症等による被害は完全に排除できるものではなく、当社グループの経営成績等に悪影響をおよぼす可能性があります。このため、当社では、労働安全衛生マネジメントシステムに関する国際規格である「ISO45001」を認証取得し、安全で衛生的な職場環境づくりに努めております。大規模な災害(地震、水害等)が発生した場合に、重要な事業の継続あるいは早期復旧を可能とするための対応強化を進めております。また、感染症が発生した場合は、速やかに対策本部を設置し、危機管理マニュアルに則り対応しております。
(10) 訴訟について
当連結会計年度において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりませんが、訴訟等が提起された場合、事業活動における制限や、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらに対応するため、製品や事業に関わる各種法令を遵守するとともに、重要法令に関する社内での研修、取引条件を明確化したうえでの契約の締結、調査や侵害対応を含めた知的財産権の当社グループ内での一元管理を実施し、訴訟等の発生を未然に防ぐよう取組んでおります。訴訟等の事案が発生した場合に適切に対応できるようにするために、当社グループ内で情報が迅速に共有される体制を整えるとともに、いずれの展開国で発生しても対応できるよう、各展開国における法律事務所とのネットワークを確立して相談できる体制を整備しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行され、社会経済活動の正常化が一段と進むなか、個人消費も持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復を見せました。一方、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクになっており、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。
当社海外グループの事業エリアであるアジア経済については、東南アジアを中心に景気は概ね堅調に推移した一方で、中国では景気持ち直しの動きに足踏みがみられ先行きが懸念されます。
このような経済状況のもと、当社グループは2027年のありたい姿「VISION2027」実現のための「変革・挑戦期」と位置付けた中期経営計画の経営基本方針に基づき諸施策を推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,260百万円増加し、93,265百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ237百万円増加し、20,058百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,023百万円増加し、73,207百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は73,233百万円(前期比9.2%増)、営業利益は2,020百万円(同43.3%増)、経常利益は2,981百万円(同35.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,601百万円(同171.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績(売上高は外部顧客への売上高)は次のとおりであります。
日本は、売上高は38,010百万円(前期比6.3%増)、セグメント利益は79百万円(同71.7%減)となりました。
インドネシアは、売上高は14,708百万円(前期比3.7%増)、セグメント損失は770百万円(前期は676百万円のセグメント損失)となりました。
海外その他は、売上高は20,513百万円(前期比20.0%増)、セグメント利益は2,710百万円(同50.3%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,524百万円増加し、当連結会計年度末には22,006百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は6,812百万円(前期は4,065百万円の収入)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益3,872百万円および減価償却費4,415百万円による増加と、事業構造改善費用の支払額645百万円および法人税等の支払額651百万円による減少であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は887百万円(前期は1,257百万円の支出)となりました。主な内訳は、定期預金の預入による支出5,855百万円および有形固定資産の取得による支出1,451百万円による減少と、定期預金の払戻による収入5,127百万円および投資有価証券の売却及び償還による収入1,543百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2,110百万円(前期は2,072百万円の支出)となりました。主な内訳は、配当金の支払額1,754百万円による減少であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
47,156 |
103.2 |
|
インドネシア(百万円) |
20,423 |
90.7 |
|
海外その他(百万円) |
2,263 |
111.2 |
|
合計(百万円) |
69,843 |
99.4 |
(注)金額は製造業者販売価格で表示しております。
b.受注実績
OEM等による受注生産を行っておりますが、金額は僅少であります。
c.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
2,078 |
106.9 |
|
海外その他(百万円) |
4,232 |
120.1 |
|
合計(百万円) |
6,310 |
115.4 |
(注)金額は実際仕入価格で表示しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
38,010 |
106.3 |
|
インドネシア(百万円) |
14,708 |
103.7 |
|
海外その他(百万円) |
20,513 |
120.0 |
|
合計(百万円) |
73,233 |
109.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱PALTAC |
20,914 |
31.2 |
21,833 |
29.8 |
|
PT. Asia Paramita Indah |
11,605 |
17.3 |
12,135 |
16.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は55,960百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,387百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が5,487百万円増加したことによるものであります。固定資産は37,304百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,126百万円減少いたしました。これは主に、減価償却により有形固定資産が1,434百万円、売却により投資有価証券が1,725百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、93,265百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,260百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は13,603百万円となり、前連結会計年度末に比べ182百万円減少いたしました。これは主に未払金が641百万円減少したことによるものであります。固定負債は6,454百万円となり、前連結会計年度末に比べ419百万円増加いたしました。これは主に退職給付に係る負債が694百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は20,058百万円となり、前連結会計年度末に比べ237百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は73,207百万円となり、前連結会計年度に比べ2,023百万円増加いたしました。これは主に為替換算調整勘定が1,652百万円増加したことによるものであります。
2)経営成績
(売上高および売上原価)
当連結会計年度における売上高は73,233百万円(前期比9.2%増)となりました。これは主として海外その他における売上高が好調に推移したことによるものであります。売上原価は41,703百万円(同8.7%増)となりました。これは主として国内外での増収に伴うものであります。
この結果、売上総利益は31,530百万円(同9.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は29,509百万円(同8.2%増)となりました。これは主として日本でのマーケティング投資に伴う広告宣伝費の増加に加えて、円安により海外子会社の販売費及び一般管理費の円換算額が増加したことによるものであります。
この結果、営業利益は2,020百万円(同43.3%増)となりました。
(経常利益および税金等調整前当期純利益)
経常利益は2,981百万円(前期比35.1%増)となりました。これは主として営業利益が増加したことに加えて、持分法による投資利益などの営業外収益が増加したことによるものであります。
税金等調整前当期純利益は3,872百万円(同143.6%増)となりました。これは主として経常利益が増加したことに加えて、投資有価証券売却益などの特別利益が増加したことによるものであります。
(法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益および親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等は1,108百万円(前期比94.0%増)となりました。これは主として国内外での法人税等の増加によるものであります。また、非支配株主に帰属する当期純利益は162百万円(同173.0%増)となりました。これは主として連結決算上のインドネシア子会社の当期純利益を反映したことによるものであります。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,601百万円(同171.4%増)となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(日本)
売上高は38,010百万円(前期比6.3%増)となりました。これは新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行したことなどにより、社会経済活動の正常化が一段と進み、生活者の外出機会が増加したことで男性事業の「ギャツビー」ブランドの売上高が好調に推移したこと、男性事業の「ルシード」ブランドのスキンケア製品や男性事業の新製品の寄与、および女性事業の「ビフェスタ」ブランドのラインナップ拡充等の効果によるものであります。利益面においては、主として新製品へのマーケティング投資に伴う広告宣伝費の増加により、セグメント利益は79百万円(同71.7%減)となりました。
セグメント資産は主として有形固定資産と投資有価証券の減少により、前連結会計年度末に比べ1,511百万円減少の45,707百万円となりました。
(インドネシア)
売上高は14,708百万円(前期比3.7%増)となりました。これは主として女性事業の「PUCELL」ブランドの売上高が増加したことに加えて、円安により売上高の円換算額が増加したことによるものであります。利益面においては、主として原価率の改善が進まず、セグメント損失は770百万円(前期は676百万円のセグメント損失)となりました。
セグメント資産は主として現金及び預金の増加により、前連結会計年度末に比べ1,641百万円増加の21,594百万円となりました。
(海外その他)
売上高は20,513百万円(前期比20.0%増)となりました。これは主としてマレーシアの女性事業をはじめとして東南アジア各国で売上高が増加したことによるものであります。利益面においては、主として売上総利益の増加により、セグメント利益は2,710百万円(同50.3%増)となりました。
セグメント資産は主として現金及び預金の増加により、前連結会計年度末に比べ2,130百万円増加の25,963百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
1)資本の財源
当社グループは、堅固なバランスシートの維持と適切な流動性の確保を財務政策の基本方針としております。主たる資金需要である運転資金、事業投資および株主還元につきましては、原則として営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金の活用を優先し、不足分については金融機関からの借入により調達を行っております。ただし、国内子会社の資金不足に対しては当社が貸付けを行っております。
2)資金の流動性
当社グループにおける手元資金は主たる資金需要の待機資金であることを前提に流動性・安全性を確保して運用しております。また、当社グループは、不測の資金需要に備えるため、金融機関との間にコミットメントラインを設定しており、常時月商の3か月分以上の資金を確保できる体制を構築しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社経営陣は、連結財務諸表の作成にあたって決算日現在における資産・負債の報告数値および偶発債務の開示ならびに連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定を含めた前提条件の設定を行わなければなりません。経営陣は、当社グループの事業に重要な影響を及ぼす貸倒引当金、投資、従業員給付、偶発事象や訴訟等に関する見積りおよび判断に対して、継続して評価を行っております。
当社グループの連結財務諸表の作成に際し、重要な影響を与える主たる会計方針は以下のとおりであります。
a.収益の認識
当社グループの売上高のうち、輸出以外の取引は製品等のリニューアル等にともなって返品取引を行うことがあります。発生が見込まれる返品部分については、過去の返品率等を勘案して算定した金額について収益を認識しておりません。ただし、予期せぬ返品の増加により、収益が減少する可能性があります。
b.棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しております。事業環境の変化等にともない、さらなる棚卸資産の収益性の低下が生じた場合は、追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。
c.貸倒引当金
当社グループは、顧客に対する債権額の回収不能および一部投資勘定に対する損失を見積り、貸倒引当金を計上しております。
d.投資および固定資産の減損
当社グループは、中長期的な取引関係強化等のために、特定の顧客および金融機関に対する少数持分等を所有しております。これらの投資に対しては、その時価または発行法人等の純資産額が取得原価に比べ50%以上下落した場合に、回復可能性等を考慮して必要と認められる額について減損処理を行っております。なお、当連結会計年度において減損損失は発生しておりません。
また当社グループは、事業投資の結果生じた有形固定資産やのれん等の無形固定資産に対し、固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 2002年8月9日))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 2003年10月31日)を適用しております。事業環境の変化等にともない、将来キャッシュ・フローによる回収が見込めなくなった場合は固定資産の減損損失が発生する可能性があります。企業結合取引により計上したのれん及びその他の無形固定資産の評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。なお、当連結会計年度においては減損損失を280百万円計上しております。
e.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の算定にあたって、将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。事業環境の変化や予期せぬ税制の大幅な改正等にともない、課税所得の見積りおよび繰延税金資産の回収可能性の判断に変更が生じた場合は、繰延税金資産が取崩されることにより、税金費用が計上される可能性があります。
f.従業員給付
当社グループの従業員給付のうち、賞与費用および債務は、過去実績および業績考課の支給原資配分予測等に基づく支給見込額により、また退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しております。前提条件の変動により将来費用および債務は影響を受けますが、退職給付制度の一部を確定拠出年金制度に移行することにより影響度合いを軽減しております。
④経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは、2021年度にサステナビリティ方針とマテリアリティを特定しております。サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)である「気軽に楽しめるおしゃれ文化の創造」の取り組みとして、国内および海外各国の生活者へお役立ちできる独自技術の創出を目指し、積極的な研究開発活動を展開しております。当連結会計年度における研究開発活動の概略は以下のとおりです。なお、当社の研究開発活動については、特定のセグメントに関連づけられないため、全社一括で記載しております。
当連結会計年度におきましても、生活者にとっての価値を重視し、生活者にお役立ちできる機能を持った製品の創出に向けた活動を行いました。具体的には「頭髪」「皮膚」「体臭」の3つの主要な科学分野に対してそれぞれ以下の項目に重点を置き、マンダムらしい独自の研究開発に注力し製品開発を行ってまいりました。
①頭髪科学分野では、
・ヘアダメージに対するケア技術の開発
・トレンドに合わせたスタイリング剤の開発とその機能性評価技術の開発
・毛髪の加齢変化に対応したスタイリング剤の開発
・洗い流し等の使用性に優れたスタイリング剤の技術開発
・機能、使いやすさ、安全性に優れたヘアカラー技術の開発
②皮膚科学分野では、
・女性のビューティサイクルに着目した皮膚科学研究や感性研究
・皮膚浸透性の向上を図るスキンケア製剤技術開発
・快適な使用感や使い心地に関わる製剤技術の開発
・安心、安全に繋げる刺激低減技術の開発
・男性のアンチエイジング(シミ、シワ)に関わる皮膚生理研究やスキンケア製剤の開発研究
・印象肌研究知見に基づいたスキンケア製品やメイク製品の開発研究
・皮脂の制御、抑制に関する研究
③体臭科学分野では、
・若年男性およびミドル男性、および女性の体臭に関する研究
・発汗の制御、抑制に関する研究
・男女ボディケア素材およびデオドラント素材の開発
・次世代のグルーミング、ボディケアを想定した製剤技術の開発
当社グループにおける研究開発は、「人間系」企業として生活者へのお役立ちを目指した、新しい価値創造を支える独自技術の開発や、新素材の探索と応用に関して中長期的な活動に取り組んでおります。体臭科学分野における発汗の抑制に関する研究では、発汗時の汗腺の収縮メカニズムを解明し、発汗時の汗腺の収縮にギャップジャンクションが大きく関与していることに加え、このギャップジャンクションの機能を止める阻害剤やその類縁体のグリチルリチン酸モノアンモニウムがヒトの温熱性発汗や精神性発汗を抑制することを見出しました。当連結会計年度では、発汗時の汗腺の収縮に直接作用して制汗する、従来にはない次世代制汗剤の開発が可能となりました。また、この研究成果は、第33回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC) バルセロナ大会 2023において、ポスター部門「最優秀賞」の初受賞に至りました。
また、皮膚科学分野では、高機能スキンケア製品の開発を目指して美容成分を皮膚深部に送達させる浸透制御の研究を行っております。当連結会計年度では、水溶性成分の皮膚浸透性向上を可能とする、自然由来指数100%(※1)の原料のみで構成されたナノキャリアである「ナチュラルバイセル」の開発に成功しました。本技術は皮膚浸透性に優れたスキンケア製品に応用しております。
一方で、製品の機能的価値の追求だけでなく情緒的価値を高めるため、さまざまな感性研究に取り組んでおり、「香り」はスキンケア製品をはじめとした化粧品の情緒的な価値において極めて重要な要素であると捉えております。当連結会計年度においては、言葉では表現しづらい「香り」の印象を、情景画像を用いた評価アプローチにより可視化することができました。これにより、生理計測や心理検査だけではわからない、感情的な情緒価値を多面的に把握した香料の開発が可能となりました。この評価アプローチをスキンケア製品に応用しております。
※1 化粧品の自然・オーガニックに関する国際規格 ISO16128 準拠(水を含む)
当連結会計年度に上市した主なシリーズおよび製品等は以下のとおりです。
(1) 国内マンダム化粧品事業
①男性化粧品市場
当社のコア事業である男性化粧品におきまして、ボディケア製品では「GATSBY(ギャツビー)」ブランドから、先端汗腺研究から生まれた制汗力×殺菌力で、根本(※2)からニオイの発生を防ぐEXプレミアムタイプデオドラントシリーズとしてロールオンとスプレーの2品を発売しました。また「LUCIDO(ルシード)」ブランドからは、40才からのニオイケアを提案する「ニオイケアシリーズ」より、同シリーズ初の香り付きラインアップとして「薬用スカルプデオシャンプー ハーバルシトラス」と「薬用デオドラントボディウォッシュ ノンメントール ハーバルシトラス」を発売しました。
フェイスケア製品におきましては、「GATSBY(ギャツビー)」ブランドから、男性特有の頑固な毛穴の汚れや皮脂汚れをゴッソリ除去する毛穴洗浄バーム「EXディープクリアバーム」と、毛穴が目立ちやすい男性の肌をひきしめる「EXパーフェクトマスク」を発売しました。また、心身ともに変化を感じ始める30代を中心とした男性の肌と心に着目したメンズオーガニックコスメ「aono(アオノ)」ブランドより洗顔料、化粧水、美容液、クリームの計4品をEコマースにて発売しました。
またヘアスタイリング製品では、「GATSBY(ギャツビー)」ブランドの新スタイリングシリーズ「メタラバー」より、髪の内部からうるおってまとまりが続く「メタラバー オイル アクアティックモイスト」と、セットしたヘアスタイル・質感が超持続する「メタラバー スプレー エクストラ」を発売しました。
②男性美容家電市場
初めて美容家電を手に取る方でもスタイリングを気軽に楽しめ、「自分らしさ」を自由に表現できる美容家電「ium(イウム)」ブランドを立ち上げ、ヘアドライヤー、ストレートアイロン、ボディトリマーの計3品を発売しました。
③女性コスメタリー市場
女性コスメタリーにおきまして、「LUCIDO-L(ルシードエル)」ブランドの「質感再整シリーズ」より、サロン技術発想の酸熱トリートメント成分配合(※3)で、ハイダメージヘアも指通りよく、扱いやすい髪に導く「#質感再整シャンプー/#質感再整トリートメント」を発売しました。
④女性コスメティック市場
女性コスメティックにおきまして、「Bifesta(ビフェスタ)」ブランドから贅沢なミルク泡でメイクを吸着して落とし、うるおいに満ちた素肌に導く「もっちりミルク泡クレンジング」を発売しました。また、ストレスフルな毎日を過ごす現代女性のため、独自の皮膚科学研究や感性研究に基づき、肌と心のビューティサイクルに着目した新ブランド「HOLIDEA(ホリーディア)」より、クレンジング、保湿化粧水、保湿クリーム、シート状美容液の計4品をEコマースにて発売しました。
※2 汗・ニオイ菌 ※3 レブリン酸(毛髪補修)
(2) インドネシア事業
インドネシア事業におきまして、2023年は新製品開発を強化し、19テーマ全53SKUsの新製品を発売しました。
①男性化粧品市場
男性ヘアスタイリング製品ではインドネシアスタイリング市場No.1シェアを獲得し続けている「GATSBY(ギャツビー)」ブランドからトレンドスタイルと自然な仕上がりが実現できる新剤型 「THE Nature Styling Balm」 3品を発売しました。3品全てが2大コンビニエンスストア全店への導入を果たしており、インドネシアの若者層にとっての新剤型Hair Balmの市場定着に向けてマーケティング活動を実施しております。 近年アジア各国で成長しているヘアスプレーカテゴリーから「SET & KEEP Spray Super Hard 70ml」を発売しました。 また、ヘアスタイリングの中核製品であるPomadeシリーズからは「Styling Pomade Hyper Lift (75g、25g) 」の2品を発売しました。男性フレグランス製品では、落ち着いた上品な香りで毎日気軽に使う事が出来るお手頃な価格のコロンスプレー「Prime Body Perfume Mist」シリーズから4香調を発売しました。2022年に発売した「Eau de Blue Perfume」においてはミニサイズ 20ml 3品を発売すると共に、シリーズの追加別ラインとして、上品で奥深い香りを求める生活者に向けて、トレンド香調であるOud(ウード)系の「Eau de Bold Perfume 100ml」 3品を発売しました。「Eau de Bold」シリーズからはデオドラントである「Eau de Bold Roll-on 50ml」 3品も同時発売しております。またデオドラントパフュームスプレーからは、ヤング男性のアクティブな生活スタイルに対応し、不快なにおいの発生を抑えつつ快適な香りが長続きする「Nature Deodorant Perfume Spray」 4香調を発売しました。
②女性コスメタリー市場
フレグランスの「LOVILLEA(ラヴィリア)」ブランドからコロナ禍以降拡大しているリーズナブルな製品を求める生活者へ向けて「Aerosol Body Spray 100ml」3品、「Eau de Perfume Hijab 100ml」3品、「Happy Hype Perfume Body Mist 100ml」 3品の発売を通じて同ブランドの品揃えの強化を行い、お得感のある製品を提案しました。 また、「PUCELLE(ピュセル)」ブランドから「Eau de Luxe Perfume 50ml」 3品を発売しました。2大コンビニエンスストア全店への2品の導入を実現し、市場シェアNo.1ブランドへの返咲きを目指してマーケティング強化を行っております。
③女性ヘアケア市場
「LUCIDO-L(ルシードエル)」ブランドからコロナ禍以降のホームヘアケア習慣の定着に伴って好評を博している「Triple Beauty Vitamin Oil」シリーズからミニサイズ 30ml 2品を発売しました。 また、キレイでしなやかな髪を目指して本格的なインバスヘアケアを求める生活者に向けて、「Serum Boost Hair Mask 」 の Keratin 配合タイプ、Essential Oil 配合タイプ からそれぞれ 2サイズ(20g、250g)の計4品を発売しました。
④女性コスメティック市場
「PIXY(ピクシー)」ブランドからは、2022年に発売し好評を得ているBase Makeupシリーズから「Make It Glow Techno-Fixed Matte Cushion」のRefill 3品を発売しました。 また、Base Makeupの化粧崩れを防ぐProtecting Spray(プロテクティングスプレー)シリーズから、ツヤを抑え自然な仕上がりを求める生活者に向けてマットな仕上がりが実現できる「Aqua Beauty Protecting Mist Matte 60ml」を発売しました。デコラティブ製品ではマスクを常時着用する生活の定着によるリップケアを重視するウォンツに対応した「Lip Hydrating」シリーズから、うっすら色づくタイプでピンク系、オレンジ系の全2色を発売しました。 また、リップクリーム製品で軽くて柔らかいムースの様なテクスチャーであり、高発色でツヤを抑えた自然な仕上がりのマットタイプのリップクリーム 「Lip Mousse Moments」 全6色を発売しました。
(3) 海外事業
①男性化粧品市場
ヘアスタイリング製品では「GATSBY(ギャツビー)」ブランドから、海水由来のミネラル成分を配合し、まるで海上がりのようなボリュームやラフな動き・スタイルが簡単に作れる SEA SALT STYLINGシリーズの「Sea Salt Spray Volume Mat」「Sea Salt Wax Textured Mat」計2品を発売しました。また、アメリカにおいて、丹頂ブランドより、新製品「TIQUE CHERRY BLOSSOM SCENT」を発売しました。歴史ある鶴のデザインや丹頂の文字に「桜柄」を加え、中味もさくら色にすることで愛らしい仕上がりとなっております。フェイスケア製品では「GATSBY(ギャツビー)」ブランドより目が覚める超クールな使用感で顔の汗/アブラ/汚れがふきとれる「Facial Wipes Super Refresh Type」、そして超クールに洗顔できるジェルタイプ洗顔料の「Facial Wash Ice Cooling Gel」を発売しました。ボディケア製品においては、クセになる超過激なクール感のボディウォーター「Crazy Cool Body Water」シリーズからピーチの香り「Freeze Peach」を発売しました。
②女性コスメタリー市場
「LUCIDO-L(ルシードエル)」ブランドより、台湾において発売後好調に推移している「#髪のベタつきリセットスプレー」から新香調「アクアティックローズ」を発売しました。
③女性コスメティック市場
「Bifesta(ビフェスタ)」ブランドより、化粧水由来の洗浄成分で濃いメイク・アブラ・汚れをしっかり浮かして落とす「Micellar Cleansing」シリーズから、日本のゆず由来成分やビタミンCの効果で、肌のバリア機能を損なうことなく内側から輝くグロウスキンに導く「Micellar Cleansing Water Perfect Glow」「Micellar Cleansing Sheet Perfect Glow」の2品を発売しました。
引き続き生活者発・生活者着のお役立ちを拡げるべく、新たな価値提案を継続してまいります。
以上の結果、当連結会計年度の研究開発費の総額は、