当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)経営方針
①中長期経営計画
当社グループでは、グループ企業理念として「あしたを、つなぐ」を掲げております。この企業理念に基づき、2022年4月に当社グループが今後、持続的かつ高い利益成長を実現していくため、中長期経営計画を策定いたしました。
a.全体コンセプト
・野村不動産グループ 2030年ビジョン「まだ見ぬ、Life & Time Developerへ」の実現に向けて、
価値創造の考え方・手法を進化・変革
・高い利益成長、高い資産・資本効率を実現。高還元と高成長を両立
・「当社グループの持続的な成長」と「持続可能な社会への貢献」を一体と捉え、サステナビリティを推進
当社グループ経営体系図
「将来当社グループがどういった価値を社会やお客様に提供している企業グループになりたいのか」という目指す姿を明確にすべく、「野村不動産グループ 2030年ビジョン」を定めました。そして、そのビジョンのもと、価値創造の考え方・手法を、進化させ、また変革してまいります。
b.野村不動産グループ 2030年ビジョン
c.価値創造の進化・変革
本計画では、「高い利益成長と高い資産・資本効率の実現」を目指し、「国内デベロップメント事業の更なる拡大」「サービス・マネジメント分野の高い利益成長」「海外事業の着実な成長」を成長に向けた重点戦略と位置付け、計画を推進してまいります。そして、本計画を通じた当社グループの成長の成果を、しっかりとステークホルダーの皆さまに還元してまいります。
(2)経営環境
経営環境に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①外部環境
国内外における様々な社会課題、当社事業を取り巻く環境の変化、人々の住まいや働き方等に関する価値観・志向の変化等を踏まえ、特に注視する外部環境は以下のとおりです。
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■ 全社 <中長期的に注視していく事業環境> ・ 労働人口の減少や人材獲得競争の激化 ・ ライフスタイル・ワークスタイル・消費や余暇に関する価値観の変化 ・ デジタルテクノロジーの加速度的な進化 ・ サステナビリティに対する意識の高まり、リノベーション・既存ストック活用ニーズの増加 ・ 国内における少子高齢化の進展や人口の減少、世帯構成の多様化 ・ インバウンドの増加 ・ 国内における富裕層の増加継続と関連マーケットの動向 ・ 激甚化する自然災害の増加 ・ サイバー攻撃の増加
<今期特に注視する事業環境(不動産関連市場・資金調達環境・海外情勢)> ・ 国内外の金利上昇、インフレ進行等による経済情勢・資金調達市場・企業業績・個人消費等への影響 ・ 不動産売買マーケットやREIT 投資口価格の動向、機関投資家・個人富裕層等の不動産投資意欲の変化 ・ 国内外の資材価格や人件費の高騰による更なる工事費の上昇 ・ 海外事業の投資対象国における政治情勢・経済環境(金利・為替等)の動向
■ 各部門 <住宅部門> ・ 少子高齢化の進展による市場規模の変化 ・ 建築費の上昇 ・ 住宅ローン金利環境の変化 ・ ライフスタイルの変化・住まいに対するニーズの多様化 ・ サステナビリティ・カーボンニュートラルへの消費者意識の高まり ・ 地域活性化・建物老朽化・木密地域の解消など再開発や建替の社会ニーズ ・ 首都圏への人口流入回復による住宅需要の拡大 ・ 中長期的な、インバウンド顧客の増加の可能性
<都市開発部門> ・ 顧客の価値観の変化、個の重視、コミュニティの重視、健康重視、時間価値重視 ・ サステナビリティ・カーボンニュートラルへの消費者意識の高まり ・ 消費者物価、建築費、動光熱費などにおけるインフレの進行 ・ 国内外における金利上昇による、不動産売買市況への影響 ・ ワークスタイルとオフィスに求める機能への従業員の意識の変化 ・ スタートアップ企業の増加などによる、サービスオフィスなど多様なオフィスニーズの増加 ・ EC化の加速と2024年からの時間外労働の上限規制による、物流拠点ニーズの高まり ・ コロナ禍の終息による、ショッピングセンターや飲食店舗の来館数や売上の回復
<海外部門> ・ 各国の中長期的な経済成長 ・ アジア各国における金利高止まりによる住宅市場への影響 ・ 政策金利水準と収益不動産売買市場の動向 ・ 不動産開発を通じた社会課題解決への期待の高まり ・ 英国における厳しい環境規制に対する高機能なオフィスのニーズ拡大 |
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<資産運用部門> ・ 伝統的資産運用からオルタナティブ資産運用へ ・ 国内外における金利上昇による不動産売買市況及び機関投資家の需要への影響 ・ 投資対象セクターの拡大(データセンター/インフラなど) ・ ESG投資の拡大
<仲介・CRE部門> ・ 都心部の中古不動産市場の価格上昇および堅調な反響の継続と郊外の購入ニーズの落ち着き ・ 地政学リスクの高まりに起因したアジア圏の投資家による収益不動産取引ニーズの増加 ・ 製造業の国内回帰による新規投資ニーズの増加 ・ 機関投資家のオルタナティブ投資ニーズの増加 ・ 業績好調な中小企業による、株高、資産ポートフォリオ見直しを背景とした堅調な購入ニーズ
<運営管理部門> ・ デジタル技術の進化 ・ 暮らし方、働き方の変化、入居者属性の多様化 ・ 人材獲得競争の激化(労働人口減少、少子高齢化) ・ 建物の高経年化 ・ インフレによる資材費や人件費のコスト上昇 |
②当社グループの競争優位性
長年にわたる豊富な事業実績を通じて培ってきた、当社グループの競争優位性は以下のとおりです。
(3)経営戦略
外部環境の認識及び当社グループの競争優位性を踏まえ、高い株主還元と年平均事業利益成長率8%水準を達成するため、事業ポートフォリオ戦略と部門別の成長に向けた基本方針を策定しております。
①事業ポートフォリオ戦略
各事業の特性を活かし、高い資産効率と利益安定性を両立する事業ポートフォリオを追求していきます。
②成長に向けた部門別の基本方針
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部門 |
成長に向けた基本方針 |
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住宅 |
・住宅分譲事業における「プラウド」の更なる進化(4,000~5,000戸の安定供給) ・多様化する顧客ニーズへ対応する商品・サービスメニューの拡充 ・再開発・建替事業の取組強化 ・賃貸住宅・ホテル等の収益不動産事業における事業量拡大への取組強化 |
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都市開発 |
・働き方の変化等に対応したサービス提供の強化や、高機能物流などの成長分野への投資 拡大など、環境変化を事業機会に繋げる価値創造の進化 ・戦略的な資産入れ替えによる、含み益の実現化と賃貸ポートフォリオの強化 ・サステナブルな社会への貢献やデジタル技術を活用した新たな商品・サービス等の構築 |
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海外 |
・成長著しいアジア各国における分譲住宅事業の着実な成長 ・先進国における収益不動産事業の取組強化 ・国内で培ったノウハウ・知見を活かした価値貢献領域の拡大 |
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資産運用 |
・賃貸バリューチェーンの活用によるREIT事業の着実な成長 ・オルタナティブ投資ニーズの獲得に向けた私募ファンド事業の強化 ・野村グループとの協業による新たな領域(新規投資家層、新規セクター等)における 事業機会の獲得と拡大 |
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仲介・CRE |
・高い効率と高い生産性を実現する人材育成やDXの活用による高品質なサービスの提供 ・リテール事業における、都心エリアへの人員増強による富裕層対応の強化 ・ミドル事業※における、野村グループや金融機関等との協業による各種ニーズの獲得 ・ホールセール事業における、顧客基盤に基づくCRE提案の推進・ファンドの 投資ニーズの獲得 |
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運営管理 |
・お客様視点に立ったサービス追求による競争力のある商品・サービスの開発・展開 ・DXを活用した業務効率化・省人化の促進とサービス品質向上の両立 ・お客様資産の価値向上に資する高品質な改修・修繕工事の提案及び提供 |
※ 中堅・中小企業、企業オーナー、一部の個人投資家や富裕層向け不動産仲介事業
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
①利益目標に関する指標
国内における事業に加え、現地パートナー企業との共同投資を基本とする海外における投資・開発事業の利益及び戦略投資(M&A)の成果を適切に反映させるため、利益目標に関する指標を「事業利益」※とし、段階的な成長を図るべく以下のとおり中長期的な指針を掲げております。
※ 事業利益=営業利益+持分法投資損益+企業買収に伴い発生する無形固定資産の償却費
+海外部門におけるプロジェクト会社(※1)の持分売却損益
※1 不動産の保有・開発を主としたSPC等を指します。
※2 従前の事業利益の定義に「海外部門におけるプロジェクト会社の持分売却損益」を追加いたします。
なお、本定義への変更は、2025年3月期から適用いたします。
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2025年3月期 |
2028年3月期 |
2031年3月期 |
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事業利益 |
1,150億円 |
1,400億円~ |
1,800億円~ |
②財務・資本政策に関する指標
30%水準の自己資本比率を維持しながら、事業活動を通じた付加価値の創造により持続的な企業価値向上を図り、高い資本効率と安定的な株主還元を実現するため、財務・資本政策に関する指標を「ROA」・「ROE」・「総還元性向/配当性向」とし、以下のとおり中長期的な指針を掲げております。
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2023年3月期~ 2025年3月期 |
2026年3月期~ 2028年3月期 |
2029年3月期~ 2031年3月期 |
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ROA |
4.5%水準 |
5%水準 |
5%以上 |
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ROE |
9%水準 |
10%水準 |
10%以上 |
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総還元性向/配当性向 |
総還元性向 40~50% |
配当性向 40%水準 |
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加えて、2025年3月期より、配当の安定性の向上を目的に、年間の配当金について、DOE4%を満たす水準を下限とすることを指針としております。
※ROA=事業利益/期中(平均)総資産
※ROE=親会社株主に帰属する当期純利益/期中(平均)自己資本
※総還元性向=(1株当たり配当額+1株当たり自己株式取得金額)/1株当たり当期純利益
※配当性向=1株当たり配当額/1株当たり当期純利益
※DOE=年間配当額÷期中平均自己資本
(5)重点的に取り組む経営施策
①着実な事業の推進と利益の積上げを図るための事業ポートフォリオの構築
各部門において、重点的に取り組む施策は以下のとおりです。
a.住宅部門
住宅分譲事業においては、事業量の確保に向け、再開発・建替事業の取組強化、多様化するニーズへ対応する商品ラインナップの拡充に努めてまいります。また、既存の住宅事業で培ってきた商品企画力等の強みを活かしてホテル事業のさらなる成長を図ってまいります。
b.都市開発部門
オフィス事業においては、テナント企業やワーカー向けに働き方の変化に対応した新しい商品・サービスの提供に努めてまいります。物流事業において、引き続き拡大する大型・高機能物流施設へのニーズや、輸送費の高騰を受けて変化するエリア毎のニーズに対応し、用地取得や商品企画を進めてまいります。商業事業においては、「モノ消費」から「コト消費」への消費スタイルの変化等に対応した商品企画、施設運営を進めてまいります。また、2025年2月に竣工を予定する「BLUE FRONT SHIBAURA(芝浦プロジェクト)S棟」の開業に向け、リーシングや開業に向けた運営体制の整備を進めてまいります。
c.海外部門
中長期的な経済成長が見込まれるアジア諸国での開発事業において、当社グループがこれまで国内で培ってきたノウハウ・知見を発揮すると共に、新たな現地パートナー企業の探索、英米をはじめとした収益不動産事業への取り組みの加速、ガバナンス体制の強化によるリスク管理機能の向上にも取り組んでまいります。
d.資産運用部門
REIT事業における着実な運用資産残高の拡大に加え、商品ラインナップの拡充等を通じた私募ファンド事業の拡大、野村リアルアセット・インベストメント株式会社の運用資産残高の早期積み上げ等に努めてまいります。
e.仲介・CRE部門
不動産の仲介・コンサルティング事業において、高度な専門性とデジタル領域での先進性を融合させ、法人・個人、国内・海外を問わず、多様化する顧客ニーズにワンストップで対応し、顧客満足度と生産性の向上に取り組んでまいります。
f.運営管理部門
運営管理事業において、デジタルテクノロジーの積極的な活用により、高効率且つ高品質なサービスの提供と省人化を推進してまいります。また、請負工事事業において、お客様の資産価値向上に資する改修・修繕提案を通じた、受注量の拡大に努めてまいります。
②賃貸資産ポートフォリオの戦略的入替の継続
当社グループにおいては、中長期的な視点で、賃貸資産の戦略的な入れ替えを実施し、良質な賃貸資産ポートフォリオの構築に努めるとともに、適切な時期での売却により開発利益・含み益の実現化を図り、回収した資金を再度不動産開発事業に投資することで、高い資産効率と持続的な成長を実現させる方針としております。
当連結会計年度においては、オフィスビルでは「PMO銀座Ⅱ」、物流施設では「Landport戸田」等が竣工しております。
引き続き、2025年3月期以降に竣工予定となる芝浦・日本橋等の大型複合開発プロジェクトを着実に推進するとともに、国内外の不動産市況の動向を踏まえた戦略的な売却を実践し、競争力のある賃貸資産ポートフォリオの構築に努めてまいります。
③価値創造の進化・変革につながるDXの推進強化
当社グループが関係する様々な事業分野においては、お客様への商品・サービスの提供におけるデジタルテクノロジーの活用が必要不可欠となってきており、急速な技術革新や革新的な新規参入企業の出現による顧客ニーズの変化等への対応が遅れた場合には、当社グループの競争優位性が低下し、業績にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。
当社の「DX戦略委員会」においては、デジタル技術の活用によりビジネスモデルそのものを変革することで競争優位性を確立する『DX領域』の審議を強化しております。また、DX・イノベーション推進部にて、新領域事業の研究・開発、イノベーション創発、DX戦略等の企画・推進・支援等を行っております。今後も、加速度的に進化するテクノロジーとそれに伴う顧客ニーズの変化を的確に把握のうえ、各部門のDXに関する重点実行テーマを選定し、デジタル技術を活用した既存ビジネスモデルの深化を進めるとともに、業態変革・新規ビジネスモデルの創出に向けた取り組みを強化することにより、当社グループの競争優位性の向上に努めてまいります。
④継続的な成長に向けた、よりチャレンジングな組織風土の醸成のための本社移転
当社グループは、2022年4月に策定した中長期経営計画、及び2030年をターゲットとする当社グループビジョン「まだ見ぬ、Life & Time Developerへ」のもと、高い利益成長と高い資産・資本効率を実現するためには、ビジネス領域の拡大と、その基盤となる組織としての成長を継続的に行う必要があると考えており、これを実現するために、当社グループ各社の本社※を、2025年2月に竣工を予定している大規模複合開発「BLUE FRONT SHIBAURA(芝浦プロジェクト)S棟」に移転することを決定しております。
この本社移転プロジェクトにより、グループのシナジー効果を最大化すると共に、下記の3つの環境を実現し、都心で空・海・緑を感じながら、自らその日の働きかたをデザインする新たな働きかた「TOKYO WORKation(トウキョウ ワーケーション)」を体現することで、継続的な成長に向けて、グループ全体でこれまで以上にチャレンジングな組織風土を醸成し、新たなビジネスへの挑戦・探索意欲を向上させ、 イノベーションの誘発や創出を実現していきたいと考えています。
本社移転を通じて実現したい3つの環境
・ ウェルビーイング
東京の利便性と自然環境が融合した稀有な立地環境・最新鋭のスペックを備えたオフィス環境を活かし、
社員一人一人が生き生きと充実した人生を過ごし、活力を持ち合わせられる環境
・ エンゲージメントハブ
グループビジョンを象徴する「BLUE FRONT SHIBAURA(芝浦プロジェクト)」を通して、社員が自然に
グループビジョンを理解・体感できる環境
・ ダイバーシティ&インクルージョン
働き方や働く環境に求められる価値観が変化した今だからこそ、オフィスの価値を再定義し、基準階
面積1,500坪の広大なスペースを活かした多様な働き方ができる空間づくりを計画。出社時の社員同士の
つながりの質を高め、多様な社員が積極的に協同し、知恵を出しあう仕組みを備えた環境
※当社グループ各社の移転対象範囲については検討中です。
(1)サステナビリティ課題全般
①サステナビリティに関する基本的な考え方
当社グループは、世界共通の課題である気候変動や災害の激甚化、人々の価値観の多様化など、経営・事業環境における変化を、新たな成長機会と捉えています。その機会を活かすには、グループとしての方向性を明確化し、社員一人ひとりが長期的な方向性をしっかりと共有することが必要であると考え、2050年のありたい姿として、サステナビリティポリシー「Earth Pride-地球を、つなぐ-」を策定・公表しています。このポリシーは、企業理念「あしたを、つなぐ」、そして、野村不動産グループ2030年ビジョン「まだ見ぬ、Life & Time Developerへ」と一体のものであり、私たちの進むべき道を示す指針と位置づけています。また、当社ならではのサステナビリティのあり方として、「人」にフォーカスしたポリシーになっているのが大きな特長と言えます。
サステナビリティポリシーは、当社グループが大切にしたい「人間らしさ」「自然との共生」「共に創る未来」の3つのテーマをベースにしています。さらに、これらを実現するために、2030年までに特に取り組むべき5つの重点課題(マテリアリティ)として、「ダイバーシティ&インクルージョン」「人権」「脱炭素」「生物多様性」「サーキュラーデザイン」を特定しています。
a.サステナビリティポリシー(2050年のありたい姿)
b.2030年までの重点課題(マテリアリティ)及び特定理由
(特定理由)
「ダイバーシティ&インクルージョン」
・様々なバックグラウンドや価値観を持つ多様な人材が、お互いを受け入れ、尊重し合い、それぞれが能力を最大限に発揮する状態の組織を目指すことが、当社の持続可能な成長には重要
「人権」
・社内外の関心・期待が高く、企業活動を行う上では必ず取り組まなければならないものであり、人権を軽んじると企業として存続することが出来なくなる
・事業に関わる全ての方々が、お互いを尊重してこそ、当社グループ自身が持続可能
「脱炭素」
・当社グループの事業は、天然資源やエネルギーを多く利用しており、環境問題は事業継続に影響する
・環境問題は、当社グループの事業だけでなく、ステークホルダーの生活や事業にも影響する大きな課題
「生物多様性」
・自然環境への貢献のほか脱炭素社会の実現にも貢献できる
「サーキュラーデザイン」
・資源が循環するための仕掛けを予め製品・サービスに組み込むことや、製品そのものの寿命を延ばすことで、出来るだけ廃棄物を抑制するような取組みであり、この取組みは、脱炭素社会の実現にも貢献できる
②ガバナンス
当社グループは、サステナビリティ活動の一層の強化・推進を図るために、2020年4月にサステナビリティ推進部及び「サステナビリティ委員会」を新設し、2021年4月より野村不動産ホールディングス代表取締役社長兼グループCEOが委員長を務めています。
サステナビリティ委員会では、サステナビリティ方針とその目標に対する進捗状況の確認、及び活動計画の審議を行っています。また、審議した内容については、定期的に取締役会及び経営会議に報告し、経営計画や事業活動に反映させることで、監督される体制としています。
なお、2024年3月期は、3回実施したサステナビリティ委員会にて、各重点課題(マテリアリティ)の推進として「再生可能エネルギー調達方針」、「TCFD定量インパクトの開示拡充」、「生物多様性方針」、「人権デューデリジェンス推進」、「社内浸透施策」等に関する審議を実施しました。あわせて、社内の議論をより活発化する目的で設定した部門事務局会議、環境分科会、人権分科会を計9回開催しました。引き続きこの方針に沿ってPDCAサイクルを回し、サステナビリティ活動を推進していきます。
③戦略
当社グループは、「サステナビリティに関する基本的な考え方」において示した、サステナビリティポリシー(2050年のありたい姿)「Earth Pride-地球をつなぐ-」の実現、2030年までの重点課題(マテリアリティ)への取組みによって、「当社グループの持続的な成長」と「持続可能な社会への貢献」に向け、事業を通じてサステナビリティを推進していきます。
④リスク管理
サステナビリティ関連のリスクに関しては、取締役会及び経営会議が管理・監督するとともに、経営会議の下部組織であるサステナビリティ委員会及び人材・ウェルネス・D&I委員会で都度審議しています。また、事業に関する個別事項(ビジネス企画・商品企画等)については各事業部門で管理しています。
・サステナビリティ委員会は、サステナビリティ推進に関する方針・計画策定及び実績管理、グループ社員への理解浸透・各種情報開示等に関する事項、並びにグループ全体としての気候変動関連の方針・目標・リスク等について審議しています。
・人材・ウェルネス・D&I委員会は、事業戦略と連動した人的資本戦略の推進等を目的として、グループ共通の人材面での課題およびグループ各社の適所適材(配置・登用、育成、確保)に関する事項、働く環境の整備(ウェルネス・D&I)に関する事項等について審議しています。
上記に加え、グループ経営に関する様々なリスクの審議を行うため、経営会議をリスクの統合管理主体として定め、主要なリスクの状況について定期的にモニタリング、評価及び分析を行い、各部門及びグループ各社に対して必要な指導及び助言を行うとともに、その内容を定期的に取締役会に報告を行う体制としております。
また、経営会議の下部組織として設置しているリスクマネジメント委員会では、リスク管理の実践を通じ、事業の継続及び安定的発展を確保するため、内部統制に関する事項及びグループ経営に係るリスクに関する事項等について審議しています。更に、各事業部門においても、マーケット(顧客企業、消費者)や法規制(建築、不動産等)に関するリスクを個々に調査・把握し、事業・商品等の企画に都度反映させるとともに、各事業部門で検討された事項のうち当社グループ全体に影響が大きい事項については、内容に応じて、取締役会・経営会議・サステナビリティ委員会・リスクマネジメント委員会に適宜報告されています。
当社グループにおけるサステナビリティ関連のリスク(および機会)を含む各種リスクの識別・評価・管理体制については、「
(2)テーマ別
①気候変動
当社グループは、土地やその他の天然資源、エネルギーを利用して事業活動を行っており、気候変動は当社グループの事業継続に大きな影響を及ぼす重要な経営課題であるとの認識のもと、2020年9月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、国内賛同企業による組織「TCFDコンソーシアム」へ加入しています。
a.ガバナンス
(ⅰ)取締役会による監督
気候変動関連のグループ全体の方針・目標等については、「サステナビリティ委員会」で審議しています。同委員会は、これまで毎年3回以上開催のうえ、気候変動に関するリスク・機会の検討、グループGHG削減目標等の検討及びモニタリング等を行っています。また、サステナビリティ委員会の審議内容については、原則として半年に1回以上、取締役会及び経営会議に報告され、あわせて、グループ経営において重要な事項がある場合は、都度、取締役会及び経営会議に報告する体制としています。
(ⅱ)経営陣の役割
当社グループでは、野村不動産ホールディングス代表取締役社長兼グループCEOがサステナビリティ委員会の委員長を務め、グループ全体でサステナビリティ・気候変動への対応を進めています。なお、グループCEOは、取締役会及び経営会議における執行側の最高責任者であり、サステナビリティや気候変動課題への対応を含む、企業としての持続的な成長を実現するために最善の意思決定を下し、関連する重要な業務を執行する責任を負います。
b.戦略
当社グループは、気候変動の戦略を検討するにあたり、IPCC第6次評価報告書及びパリ協定における合意内容等を踏まえ、シナリオを用いた定性的な分析を行いました。気候変動が当社グループにとってどのようなリスク・機会をもたらしうるかを検討し、それらのリスク・機会をとらえる戦略と施策を検討・実施しています。
(ⅰ)分析の範囲
当社グループは、住宅部門(マンション・戸建住宅の開発・分譲、ホテルの開発・賃貸・販売等)、都市開発部門(オフィスビル、商業施設、物流施設等)、海外部門(海外における不動産の開発等)、資産運用部門(REIT・私募ファンドの運用等)、仲介・CRE部門(不動産の仲介等)、運営管理部門(不動産の管理等)、その他より構成されますが、グループ全事業を分析の対象範囲としています。
なお、GHG排出量の算定範囲として、当社グループのスコープ1・2・3すべてを対象としています。
(気候変動シナリオ分析の概要)
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時間的範囲 |
2051年3月期迄 |
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|
シナリオの設定 |
1.5℃シナリオ |
パリ協定の達成および脱炭素社会の実現を念頭に置いた社会 |
|
4℃シナリオ |
気候変動対策が十分に進展せずその結果として自然災害が激甚化した社会 |
|
|
参照文献 |
・国連IPCC第5次評価報告書(2014年) 「代表濃度経路(RCP)2.6」 「代表濃度経路(RCP)8.5」 ・国連IPCC第6次評価報告書(2021年) ・IEA World Energy Outlook(2020年) 「持続可能な開発シナリオ(SDS)」 「すでに公表済みの政策によるシナリオ(STEPS)」 |
|
(ⅱ)リスク(及び機会)の特定
TCFD提言では、気候変動に関わるリスク・機会について、移行リスク・機会(政策・法規制、技術、市場、評判)・物理的リスク・機会(急性、慢性)に分類しています。当社グループは、この分類に従い、各リスク・機会項目について、財務インパクトにおける影響度(小・中・大に分類)、時間軸における影響度(長・中・短に分類)を特定しています。
|
財務インパクト 影響度基準 |
影響度設定 |
連結事業利益への影響度 |
2023年3月期実績 (金額/年) |
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大 |
10%~ |
105億円~ |
|
|
中 |
5%~10% |
52~105億円 |
|
|
小 |
~5% |
~52億円 |
|
時間軸基準 |
影響期間設定 |
想定期間 |
|
短期 |
~2025年 |
|
|
中期 |
~2030年 |
|
|
長期 |
~2050年 |
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分類 |
項目 |
1.5℃ |
4℃ |
|||
|
大分類 |
小分類 |
影響度 |
期間 |
影響度 |
期間 |
||
|
リスク |
移行リスク |
政策・法規制 |
ZEB、ZEH規制対応による工事費増 |
小 |
中~長 |
無 |
無 |
|
炭素税:自社排出への課税(Scope1、2) |
小 |
中~長 |
小 |
短 |
|||
|
市場 |
炭素税:開発コスト増 (Scope3カテゴリ1) |
中 |
中~長 |
小 |
短 |
||
|
省エネ設備等の投資 |
小 |
中~長 |
無 |
無 |
|||
|
評判 |
非ZEB物件の年間賃料損失 |
中 |
中 |
無 |
無 |
||
|
技術 |
事業・商品等に対する信頼性等の変化 |
- |
- |
- |
- |
||
|
物理的リスク |
急性 |
風水害の激甚化による損害増(洪水) |
小 |
長 |
小 |
長 |
|
|
慢性 |
海面上昇被害(洪水) |
小 |
長 |
中 |
長 |
||
|
気温上昇被害(猛暑日) |
小 |
長 |
小 |
長 |
|||
|
機会 |
移行機会 |
政策・法規制 |
省エネ技術、ZEB、ZEH等の補助金制度の拡充 |
- |
- |
- |
- |
|
市場 |
太陽光発電収益 |
小 |
- |
- |
- |
||
|
評判 |
ZEB物件売却収益増 |
中 |
中 |
無 |
無 |
||
|
ZEH物件売上増 |
大 |
中 |
無 |
無 |
|||
|
技術 |
事業・商品等に対する信頼性等の変化 |
- |
- |
- |
- |
||
|
CO2削減による資金調達コスト減 |
小 |
短 |
小 |
短 |
|||
|
省エネ性能向上による光熱費減 |
小 |
中 |
小 |
中 |
|||
c.リスク管理
気候変動関連のリスクは、サステナビリティ委員会で審議され、取締役会及び経営会議が監督しています。
上記に加え、経営会議をリスクの統合管理主体として定めた当社グループのリスク管理体制のなかでも、気候変動に関するリスクをモニタリング・評価・分析し、取締役会に報告しています。なお、当社グループにおけるサステナビリティ関連のリスク(および機会)を含む各種リスクの識別・評価・管理体制については、「
d.指標と目標
当社グループでは、気候変動への対応を進めるために、GHG排出量及びエネルギー使用量の削減に関して、以下4つの目標を掲げております。
(ⅰ)2050年までのカーボンニュートラルの実現
(長期目標)
2050年までに、当社グループ全体での Scope1・2及び3※1におけるカーボンニュートラルを実現。
(ⅱ)CO2排出量の削減
(中期目標)
2031年3月期までに、当社グループ全体でのScope1・2及び3(カテゴリ1・11)※2のGHG排出量(総量)について、2020年3月期比、35%削減。 ※2020年11月SBT(Science Based Targets)認定取得済
(短期目標)
2026年3月期までに、当社グループ全体でのScope1・2及び3(カテゴリ1・11)のGHG排出量(総量)について、2020年3月期比、15%削減。
※1 Scope1:燃料の燃焼などの直接排出量
Scope2:自社で購入した電気・熱の使用に伴う間接排出量
Scope3:Scope1・2以外の間接排出量
※2 Scope3については、カテゴリ1(建物の建設時等)およびカテゴリ11(販売した商品の使用時)を対象としており、2020年3月期実績で、Scope3の約94.21%をカバーしています。
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CO2排出量(Scope1・2) (千t-CO2) |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
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CO2排出量(Scope3) (千t-CO2) |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
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(ⅲ)エネルギー使用量の削減
(中長期目標)
2050年までに、当社グループ全体の消費電力を、100%再生可能エネルギー由来の電力とする。
(2022年1月RE100加盟済)
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エネルギー消費量 (MWh) |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
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422,490 |
381,817 |
379,428 |
382,231 |
(短期目標)
2024年3月期までに、野村不動産㈱が保有する国内すべての賃貸資産※1の消費電力を、100%再生可能エネルギー由来の電力とする※2。
※1 野村不動産㈱が電力会社と直接電力契約を実施する賃貸資産(テナント使用分含む)、野村不動産㈱が他者と区分・共有して保有する資産、売却・解体対象資産及び一部賃貸住宅の共用部は除く。
※2 2024年3月期における目標の達成状況については、現在精査中。
(ⅳ)新築物件における省エネルギー性能指標ZEH/ZEB oriented水準を確保(BEI値※の達成)
2030年までにZEH/ZEB oriented水準を確保するために、単年度ごとに達成すべきBEI値を設定し、同値の達成度を計測する。
※BEI値:Building Energy-efficiency Indexの略。建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)の省エネ基準に基づく、建築物の省エネルギー性能を評価する指標。建築物の一次エネルギー消費量の水準を示す。
②人的資本
a.人的資本に対する考え
当社グループは、グループ企業理念「あしたを、つなぐ」を実現するためには、全ての価値創造の源泉となる「人的資本」を最大化することが不可欠であると考えています。経営戦略と連動した人材戦略により、人的資本が最大化され、目指す姿を実現することを、当社グループにおける「人的資本経営」と定義しています。
当社グループ「価値創造プロセス」における人材戦略の位置付け/人的資本経営の定義
また当社グループにおける人的資本は、「個人」と「組織」のかけ合わせで成り立ち、「個人」の力が「能力」と「意欲」を高めることで強化されることで、それが「組織」の「生産性」と「価値創造力」の向上にもつながると捉えています。人的資本を構成するこれらの要素を最大化するため、「適所適材」につながる配置・登用、育成、人材の確保および「環境整備」につながるウェルネス、ダイバーシティ&インクルージョンの各施策を講じることが、当社グループにおける人材戦略です。
b.人材戦略
上記の考え方に基づく、当社の人材戦略は下記の通りです。なお、当連結会計年度においては、野村不動産グループ各社が参加する「人的資本タスクフォース」を設置し、人的資本経営の方針について議論を行っております。また今後は、2024年4月に発足した社長執行役員(グループCEO)を委員長とする「人材・ウェルネス・D&I委員会」において、グループ共通の課題を審議し、グループ各社における具体的施策の検討を進めます。
(ⅰ)適所適材(配置・登用、育成、確保)の方針
主に2022年4月に策定した中長期経営計画において掲げた戦略を実行するために、「成長の起点となるデベロップメント分野の人材確保・育成」と「サービス・マネジメント分野の注力事業への人員配置」の2軸を中心に取り組む方針です。具体的には、以下の施策に取り組んでいます。
(成長の起点となるデベロップメント分野の人材確保・育成)
・採用の強化による複合開発・再開発・建築など専門性の高い人材の獲得
・グループ間の人材流動化により成長分野にリソース配分
・グローバル人材の育成
・事業進出国におけるナショナルスタッフの採用・育成
(サービス・マネジメント分野の注力事業への人員配置)
・グループでのDX人材獲得・育成による生産性向上
・上記により確保した人材を注力事業へ配置
・注力事業:私募ファンド事業(資産運用部門)、ミドル事業※(仲介・CRE部門)、
受注工事事業(運営管理部門)
※ミドル事業:中堅・中小企業、企業オーナー、一部の個人投資家や富裕層向け不動産仲介事業
(ⅱ)環境整備(ウェルネス・D&I)の方針
当社グループが目指す姿の実現に向けては、「多様な人材の活躍」が必要です。その実現に向けた施策としては、「社員一人ひとりが活き活きと働くウェルネスの実現」と「多様な人材が活躍できるダイバーシティ&インクルージョンの推進」に取り組む方針です。具体的には、グループ合同での健康測定会や食育セミナーを、地方含む当社グループの拠点において開催すること等を通じ、社員の健康が企業活動のベースであることをグループ全体に向けて発信しています。さらにグループ全体で社員の育児休業の取得を促進しており、2024年3月期は特に、男性社員の取得率が大幅に向上しました。このような施策を通じ、多様な人材が活躍できる柔軟な職場づくりを推進しています。
c.指標と目標
当社グループでは、サステナビリティポリシーの実現に向けた重点課題(マテリアリティ)として「ダイバーシティ&インクルージョン」及び「人権」を特定しており、計測指標(KPI)として以下を設定しております。その目標及び実績は下記の通りです。
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目標 |
2023年3月期実績 |
2024年3月期実績 |
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13.9% |
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64.5% |
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83.0% |
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― |
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※1 分母は該当年度に出産した女性社員および配偶者が出産した男性社員の数、分子は該当年度に出生時育児休業・育児休業・育児を目的とした休暇制度による休暇等を取得した女性社員および男性社員の数。
※2 グループ合同で実施したオンライン研修の参加率。
(1)リスク管理の基本方針
当社グループでは、リスク管理を「企業グループの組織・事業目的の達成に関わる全てのリスクを統合的かつ一元的に管理し、自社のリスク許容限度内でリスクをコントロールしながら企業価値の向上を目指す経営管理手法」と捉え、リスクの適切な管理及び運営によって経営の健全性を確保することを目的として、「リスク管理規程」を定めております。
「リスク管理規程」において、リスク管理の実践を通じ、事業の継続及び安定的発展を確保することを基本方針と定め、主要なリスクを「A:投資リスク」、「B:外部リスク」、「C:災害リスク」、「D:内部リスク」の4つのカテゴリーに分類し、そのうち以下に該当するリスクを管理すべき重要なリスクと定め、リスクの規模・特性等に応じた有効かつ効率的な管理を行うこととしております。
<主要なリスクのうち管理すべき重要なリスクに該当するもの>
・グループ経営に大きな影響を及ぼすおそれのあるリスク
・社会的に大きな影響を及ぼすおそれのあるリスク
・訴訟等の重大なトラブルが発生するリスク
・その他野村不動産グループとして管理すべき重要なリスク
(2)リスク管理体制
当社では、グループ経営に関する様々なリスクの審議を行うため、経営会議をリスクの統合管理主体として定め、主要なリスクの状況について定期的にモニタリング、評価及び分析を行い、各部門及びグループ各社に対して必要な指導及び助言を行うとともに、その内容を定期的に取締役会に報告を行う体制としております。
「A:投資リスク」、「B:外部リスク」については、統合管理主体である経営会議が直接モニタリング等を行い、「C:災害リスク」及び「D:内部リスク」については、経営会議の下部組織として設置している「リスクマネジメント委員会」が定期的なモニタリング、評価及び分析を行うとともに、発生前の予防、発生時対応、発生後の再発防止等についての対応策の基本方針を審議しております。また、リスクマネジメント委員会委員長により指名されたグループ各社の取締役、執行役員等で構成される「グループリスク連絡会議」を設置し、グループ内でのリスク情報及び対応方針を共有しております。
リスク管理については、各部門長が所管する部門のリスク管理を統括し、その状況を必要に応じて経営会議またはリスクマネジメント委員会に報告するとともに、グループ各社の社長(野村不動産㈱においては各本部長)は、リスク管理に関する事項について適時適切に部門長に報告することとしております。
また、グループ各社において事業を掌る組織をリスク管理の「第1線」、当社及びグループ各社においてコーポレート業務を掌る組織を同「第2線」、当社及びグループ各社において内部監査を掌る組織を同「第3線」と定義し、当社の第2線及び第3線がグループ各社の第2線及び第3線に支援・指導・協働を行う等、それぞれの立場からリスク管理における役割を担うことで、ガバナンスとリスクマネジメントを支援する効率的な組織及びプロセスを構築しております。
緊急を要する重要な問題が発生した場合には、「リスク管理規程」に則り、リスクマネジメント委員会委員長が関係部室の担当役員等と協議のうえ対応策等の基本方針を決定し、社長執行役員(グループCEO)に報告を行い、その基本方針に則った対応等の指示を行います。


(3)主要なリスクの内容
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、主要なリスクのうち当社グループの事業に与える影響の大きさや外部環境等を踏まえ、2025年3月期において特に注視するリスクを選定しております。
なお、文中の将来に関する事項及びリスクの認識は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ないまたは重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
(主要なリスク)
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リスクカテゴリー |
定義 |
主要なリスク |
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A:投資リスク |
個別の投資(不動産投資・戦略投資(M&A)等)に関するリスク |
1 |
不動産投資に伴うリスク |
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2 |
戦略投資(M&A)・新規事業に伴うリスク |
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B:外部リスク |
事業に影響を及ぼす外的要因に関するリスク |
3 |
市場の変化によるリスク |
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4 |
経済情勢の変化によるリスク |
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5 |
政治・社会情勢・制度(法規制・税制・会計制度等)の変化によるリスク |
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6 |
事業の前提となる社会構造の変化・イノベーションに遅れることによるリスク |
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C:災害リスク |
顧客及び事業継続等に大きな影響を与える災害に起因するリスク |
7 |
顧客及び事業継続等に大きな影響を与える災害(地震・台風・洪水・津波・噴火・大火災・感染症の流行等)に起因するリスク |
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D:内部リスク |
当社及びグループ各社で発生するオペレーショナルなリスク |
8 |
法令違反によるリスク |
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9 |
品質不良の発生によるリスク |
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10 |
情報システム危機発生によるリスク |
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11 |
人材に関する事項への対応不備によるリスク |
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12 |
不正、過失等の発生によるリスク |
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(特に注視するリスク)
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A:投資リスク |
・用地取得の競争激化等により、想定した事業量が確保できず、中長期経営計画で見込んでいる利益成長が実現困難なリスク ・新築工事に関して、事業計画や予算で見込んでいる想定以上のコストの上昇や工期の長期化、またゼネコンによる工事受注の制約等により、事業収益が悪化するリスク ・再開発事業など事業期間が長期間でかつ投資金額が大きいプロジェクトについて、経済情勢の変動により収益性の悪化や想定事業スケジュールの遅延等が生じるリスク |
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B:外部リスク |
・国内不動産市場や金融情勢の変化により、分譲住宅・収益不動産、更には資産入替物件の売却価格に影響が生じるリスク ・海外各国の経済・不動産市場の悪化やゼネコンやJVパートナーの財務状況悪化等により、海外事業の収益性悪化や利益回収時期の遅延が生じるリスク ・ライフスタイルや価値観の変化への対応、デジタルテクノロジーの加速度的な進化への対応、またサステナビリティ・人材への対応等が遅れることにより、当社事業の競争優位性が低下するリスク |
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C:災害リスク |
・激甚化する地震、台風、豪雨等の自然災害により事業が継続できないリスク |
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D:内部リスク |
・不動産開発事業における設計・施工の不備の発生によるリスク ・多様な人材を確保し、人材が活躍し続けるための人事制度の整備・浸透が遅れることによるリスク ・サイバー攻撃・システム障害による情報流出、事業継続への影響、損害等の発生・拡大によるリスク ・資材価格、エネルギーコストなどの上昇を踏まえた受注者の適正な価格転嫁を実現するための取引体制の強化が遅れることにより、法令等に抵触し、また相手方との円滑な取引の実現に支障が生じるリスク |
(主要なリスクの内容と主な取り組み)
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リスク項目 |
1 不動産投資に伴うリスク |
リスクカテゴリー |
A:投資リスク |
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リスクの内容 |
・予期せぬ土壌汚染等の判明、許認可の取得の遅れ、追加工事の発生、ゼネコンによる工事受注の制約、工期の長期化、及び工事費・エネルギーコストの上昇等により、計上時期の遅れや収益性の悪化が発生し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼすリスク |
||
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主な取り組み |
不動産投資・開発事業については、予めリスクの抽出及び分析・評価、リスクテイクまたはリスク回避の方針を検討の上、当社またはグループ会社の経営会議または取締役会等において判断をしております。特に、工事費の上昇リスクについては、事業用地の取得時に一定の追加コストを織り込む等の対応の実施、並びに工事費の動向及び工事費上昇に伴う影響について取締役会または経営会議において定期的にモニタリングを行っております。 なお、事業用地の取得後は、スケジュールが遅延するリスクや建築コストの状況等について、事業を所管する組織にて把握し、特に重要な事象が発生した場合には必要に応じて当社またはグループ会社の経営会議または取締役会等にて審議のうえ、課題への対応を行っております。 また、推進中及び完了した事業において、各事業の進捗のモニタリングや実績の振り返りを行い、事業種別ごとの課題や傾向等について把握・分析を行っております。 |
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リスク項目 |
2 戦略投資(M&A)・新規事業に伴うリスク |
リスクカテゴリー |
A:投資リスク |
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リスクの内容 |
・戦略投資(M&A)において、投資した対象会社に期待する利益成長やシナジー効果等が実現できなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク ・新事業領域への取り組みや新たなアセットタイプへの投資等において、当初計画する事業計画やグループ各社とのシナジー効果等が実現できなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク |
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主な取り組み |
戦略投資(M&A)にあたっては、当社グループの既存事業とのシナジー効果や、対象会社の経営計画・財務内容・契約関係等を慎重に調査・検討し、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合に実行しております。また、戦略投資(M&A)実行後には、対象会社と当社グループとの統合プロセスの状況、経営課題及びその対応方針等について、取締役会または経営会議において定期的にモニタリングを行っております。 新規事業の検討にあたっては、当社グループの既存事業とのシナジー効果や、事業計画等を慎重に調査・検討し、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合に実行をしております。また、新規事業への参画後は、事業の推移等を定期的にモニタリングし、計画の修正や再生等が必要な場合には、当社またはグループ会社の経営会議または取締役会にて審議を行っております。 |
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リスク項目 |
3 市場の変化によるリスク |
リスクカテゴリー |
B:外部リスク |
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リスクの内容 |
・競合他社の動向、革新的な新規参入企業の出現、経済情勢・政治・社会情勢の変動、地政学リスクの発現、及び災害の発生等が事業環境や市況の変化につながり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク |
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主な取り組み |
当社グループでは、各事業についての外部環境の認識を定期的に更新し、業績への影響の把握と事業の進捗管理や精度の向上に努めております。 不動産投資・開発事業における投資決定にあたっては、現在及び将来の市況を把握または予測するとともに、過去のマーケットの推移等も確認し、市況の変動が発生した場合においても影響を一定程度に抑えることを基本としております。 また、市況に急激な変動が生じた場合でも、財務状況に関して一定の健全性を確保することができるように、リスク評価を実施したうえで、投資予算を策定しております。 |
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リスク項目 |
4 経済情勢の変化によるリスク |
リスクカテゴリー |
B:外部リスク |
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リスクの内容 |
・国内外の景気後退により、住宅分譲事業における顧客の購買意欲の減退や、オフィスビル等の賃料水準の低下や空室率の上昇等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク ・市中金利の上昇により、当社グループの資金調達コストの増加、住宅ローン金利の上昇による住宅分譲事業における顧客の購買意欲の減退、及びキャップレートの上昇による資産価格の下落等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク ・為替レートの変動により、円換算での投資額・回収額の変動や、連結財務諸表上の外貨建ての資産及び負債額の変動等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク ・海外各国のゼネコンやJVパートナーの財務状況悪化等により、海外事業の収益性悪化や利益回収時期の遅延が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク |
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主な取り組み |
経済情勢の変化については、外部環境の認識を定期的に更新し、業績への影響の把握に努めております。 借入金による資金調達にあたっては、長期・固定での借入を主とすることにより、短期的な金利上昇のリスクへの対応を図っております。 不動産投資・開発事業においては、賃料の低下やキャップレートの上昇による資産価格の下落等が発生した場合においても影響を一定程度に抑える投資判断を行っております。 為替変動のリスクについては、海外で展開する事業種別を踏まえた為替ヘッジ方針を定め、これに沿った運営をしております。 また、海外事業におけるゼネコンやJVパートナーの状況については、第1線による定期的なモニタリングとともに、海外事業リスク会議等を通じて、事業に影響を及ぼす事象やその対応について定期的に確認・審議し、必要に応じて当社またはグループ会社の経営会議または取締役会等においても審議を行っております。 |
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リスク項目 |
5 政治・社会情勢・制度(法規制・税制・会計制度等)の変化によるリスク |
リスクカテゴリー |
B:外部リスク |
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リスクの内容 |
・地政学リスクの顕在化等、政治・社会情勢の変化が生じた場合、為替市場、エネルギー市場、及びサプライチェーンの混乱等により、建築費やエネルギーコストの上昇や事業スケジュールの遅延等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク ・海外事業において、その国固有の政治・社会情勢に基づくカントリーリスクにより、事業開始時には想定していない政治・社会情勢の変化が生じた場合、事業推進上の障壁等につながり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク ・当社グループの各事業に適用される国内外の各種法規制等について変更等が生じた場合、また今後の事業範囲の拡大により新たな法規制等の影響を受けることになった場合、新たな義務や費用負担等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク ・不動産事業に影響がある国内外の各種税制・会計制度等について変更等が生じた場合、資産の取得・保有・売却時の費用の増加、顧客の購買意欲の減退、及び企業のファシリティ戦略の転換・投資計画の修正等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク ・バリューチェーン上の人権課題に対し、適切な対応を取らないことにより、顧客との取引停止等事業活動の制限や、当社グループのブランド価値の毀損が発生するリスク |
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主な取り組み |
国内外の政治・社会情勢、各種法規制、税制及び会計制度の動向については、業界団体や専門家、取引関係先等からの情報を収集・分析して当社の第2線の各組織にて対応の検討を行い、重大な影響が予想されるものについては内容に応じて取締役会または経営会議にて審議を行っております。 特に海外事業においては、事業参画時に外部の専門家の知見を踏まえ、今後の政治・社会情勢の見通し、適用される法規制及び税制等を確認し、参画後には海外事業リスク会議等を通じて、事業の戦略・収支・推進等に影響を及ぼす政治・社会情勢、重要な関連法令の変更の状況等を定期的に確認し、変更がある場合には影響の評価・対応の方針等を検討のうえ、取締役会または経営会議にて審議を行っております。 人権については、社長執行役員(グループCEO)を委員長とする「サステナビリティ委員会」が、「野村不動産グループ人権方針」に則った方針の策定、各目標に対する進捗状況の確認、及び活動計画の審議を行っております。また、下部組織である「人権分科会」が、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく、人権デュー・デリジェンスのプロセスの構築・運用に取り組んでおります。 |
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リスク項目 |
6 事業の前提となる社会構造の変化・イノベーションに遅れることによるリスク |
リスクカテゴリー |
B:外部リスク |
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リスクの内容 |
・社会構造の変化や、急速な技術革新・革新的な新規参入企業の出現による産業構造の変化への対応が遅れた場合、当社商品及びサービスの競争優位性が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク ・少子高齢化の進展による人材確保難が当社商品及びサービスの展開能力を制約するリスク ・温室効果ガス削減規制等の施行・強化による顧客の環境・省エネルギー・防災に関する要求の変化や、高い環境性能・エネルギー性能に関する技術への対応に遅れた場合、当社商品及びサービスの競争優位性が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク |
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主な取り組み |
当社グループはこれまでも事業環境の変化の中で、マーケットインの発想に基づく不動産開発力や、街づくり・不動産関連サービスにおける品質へのこだわりといった強みを活かし、独自性の高い新たな価値を創造し、社会とお客様に提供してまいりました。 この強みをベースに、社会構造・産業構造の変化や、社会や顧客のサステナビリティへの意識の高まりに対応すべく、当社に「DX・イノベーション推進部」と「サステナビリティ推進部」を設置し、新領域事業の研究・開発、イノベーション創発・デジタル戦略等の企画・推進、及びサステナビリティに関する取り組み等を行っております。 DX・イノベーション推進部を事務局として、当社グループ各社の従業員が、日常の業務の枠組みを超えて取り組める「イノベーション推進制度」を設け、イノベーション人材の育成を図るとともに新たな領域探索活動を推進しております。 また、コーポレートベンチャーキャピタルを通じて、出資先となる革新的技術やサービスを持つベンチャー企業と協業し、デジタルテクノロジーを活用したサービスの提供も継続しております。 価値創造に挑戦する風土の形成やグループ連携の強化については、コーポレートコミュニケーション部を事務局としてグループ内表彰制度「野村不動産グループアワード」を設けて取り組んでおります。 さらに、人材確保難への対応として、デジタルテクノロジー等の活用による業務効率化・省力化に取り組むと共に、「適所適材」につながる配置・登用、育成、人材の確保及び「環境整備」につながるウェルネス、ダイバーシティ&インクルージョンの各施策を講じております。当社グループの人的資本経営に関する取り組みについてはP.29~30をご参照ください。 なお、当社グループにおける温室効果ガスの削減、当社商品及びサービスに係る環境性能・エネルギー性能の向上等を含むサステナビリティに関する取り組みについては、P.22~P.30をご参照ください。 |
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リスク項目 |
7 顧客及び事業継続に大きな影響を与える災害(地震・台風・洪水・津波・噴火・大火災・感染症の流行等)に起因するリスク |
リスクカテゴリー |
C:災害リスク |
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リスクの内容 |
・大規模な地震、風水害、感染症の流行等の災害により、当社グループの役職員の生命・身体の安全が脅かされ、事業継続に必要な人員確保が滞ることにより、当社グループの事業継続が困難になるリスク ・大規模な地震、風水害等の災害により、当社グループが分譲・賃貸・管理する物件等が毀損し、当該物件等にかかわる顧客等の安心・安全が脅かされるリスク |
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主な取り組み |
当社グループでは、様々な災害発生の増加を重要な社会課題と認識し、行政及び防災の専門家等との協議を踏まえ、災害時の安心・安全の確保に努めるとともに、災害が発生した場合には、その影響を最小限に抑え、生活や事業を継続できるように防災に取り組むとともに、災害発生時における事業継続に関する行動計画(BCP)を策定しております。 地震、風水害に関しては、BCPにて、非常時の指揮命令系統、事業継続のための任務分担などを定め、災害の影響を最小限に抑える体制を整備し、年に一度「災害対策本部設置訓練」を実施することで、規定内容の確認(役職員の生命や安全の確保、指揮系統の確立、事業復旧)を行い、非常時に備えています。感染症については、新型コロナウイルス感染症の当社グループにおける対応実績を踏まえ、今後の新たな感染症の発生に備えて、感染確認時から蔓延時まで、感染状況に応じた対応(指揮系統の確立、事業継続を目的としたコア事業の選定、感染予防等に関する共通ルールの策定等)について取りまとめた感染症に関するBCPを策定しております。また、国内だけでなく、海外における様々な地政学リスク・テロ・災害発生等に対する初動対応や国外退避基準等を定めたBCPも策定しております。 地震・火災・風水害等の突発的な事故の発生に関しては、当社グループの「品質マニュアル」における集中豪雨対策や浸水対策の規定、防災対応マニュアルの整備や防災ガイドブックの配布等の管理物件における居住者・管理組合・テナント企業・施設利用者等に対する防災支援等を行い、災害時の安心・安全を確保するための取り組みを行っております。 |
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リスク項目 |
8 法令違反によるリスク |
リスクカテゴリー |
D:内部リスク |
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リスクの内容 |
・宅地建物取引業法、建築基準法、金融商品取引法、会社法、個人情報保護法、独占禁止法、下請法その他関係法令に違反し、信用の失墜や行政処分、罰金等が課されることにより、経営成績に影響を及ぼすリスク |
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主な取り組み |
当社グループでは、役職員が法令及びグループ各社が定める社内規程等を遵守し、さらに、より高い倫理観に従って行動することを目的とし「野村不動産グループ倫理規程」を定め、役職員に対する継続的な教育、研修を行っております。 宅地建物取引業法等の主要な法令に関しては、法令遵守のため、各法令に応じた業務フローの策定を行い、研修やOJTによる周知徹底と法令遵守状況の定期的な自主点検を行っております。独占禁止法等に関しては、資材価格、エネルギーコストなどの上昇を踏まえた受注者への適正な価格転嫁を実現するため、グループ各社の業務特性や事業規模に応じた業務ルールの策定や、マニュアルの作成、研修の実施などを行い、法令遵守体制の強化に取り組んでおります。また、外国公務員等への不適切な接遇に関しては、規程等を制定し、海外事業に関係する役職員及び海外現地採用職員を対象として、定期的な研修を実施しております。 |
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リスク項目 |
9 品質不良の発生によるリスク |
リスクカテゴリー |
D:内部リスク |
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リスクの内容 |
・不動産開発事業における設計・施工等の不備、また、賃貸・管理する施設における管理上の不備等により、信用の失墜や想定外の費用及び開発計画、運営計画の遅延が生じ、経営成績に影響を及ぼすリスク |
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主な取り組み |
不動産開発事業においては、一定の信用力・技術力を有する第三者に建物の設計・施工業務等を発注し、その設計・施工における品質を確保するため、当社グループにて「設計基準」(構造・建築・設備・電気)及び「品質マニュアル」等を定め、発注先による遵守徹底を図るとともに、発注者として施工状況の確認及び品質検査を実施しております(但し、他社との共同事業や再開発組合が主体となる再開発事業等においては、事業形態に応じて異なる方法を採用する場合があります)。また、賃貸・管理する施設に関しては、管理に係る業務標準書、修繕工事における安全・仮設ガイドライン等を策定して業務を行うとともに、万一の不備や事故等に備え、損害保険を付保しております。 |
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リスク項目 |
10 情報システム危機発生によるリスク |
リスクカテゴリー |
D:内部リスク |
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リスクの内容 |
・サイバー攻撃、不正アクセス、及びシステム障害等の不測の事態により、万一、情報システムが正常に利用できない場合や個人情報が外部へ漏洩した場合、当社グループの営業活動や業務処理の遅延、信用の失墜及びそれに伴う売上高の減少や損害賠償費用の発生等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼすリスク |
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主な取り組み |
インターネットやクラウドサービスを活用した業務変革や、持続的な成長の実現へ向けたDXへの取り組みを積極的に推進している状況において、情報セキュリティの確保はこれまで以上に重要性を増してきており、インターネットからの不正アクセス遮断や情報端末のウイルススキャン、万一マルウェアやボット等が侵入した場合に振る舞いを検知して不正送信を阻止する等のセキュリティシステムを導入し、さらにこれらのシステムからのアラート監視を行い、サイバー攻撃や情報漏洩に備えたICT環境の整備を進めています。また、クラウドサービスの利用においては、事前にセキュリティチェックを行っており、安全に利用するよう確認しております。 システム障害による事業継続への対応として、ネットワークやシステムの稼働状況を監視し、万一の障害発生に備えた速やかな復旧手段や業務代替手段の整備拡充に取り組んでおります。 個人情報に関しては、関係する諸法令の遵守と適正な取扱いの確保に努めており、当社グループにおける情報の組織的管理とセキュリティのレベルの維持向上を図ることを目的として「情報セキュリティ規程」及び「情報取扱ガイドライン」を定め、定期的に役職員への情報セキュリティ啓蒙を行い、顧客の権利や利益の保護と当社グループにおけるICT環境の安定的な運用を図っております。 また、万一の情報漏洩等の事故発生に備え、サイバー保険を付保しております。 |
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リスク項目 |
11 人材に関する事項への対応不備によるリスク |
リスクカテゴリー |
D:内部リスク |
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リスクの内容 |
・当社グループの従業員の勤務時間が適切に把握されず、長時間労働が行われることによって従業員の健康が害されるリスク ・人事制度やその運用が労働基準に関する法制度に適合しないことで、当局から行政処分等を受けた場合に人材流出や信用の失墜、罰金等が課されること等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼすリスク ・多様な人材(育児・介護等による短時間勤務者、性的マイノリティ、障がい者、シニア、外国人等)を受け入れる労働環境の整備が遅れることにより、必要な人材を確保できず、または確保した人材が活躍し続けられず、企業競争力の低下につながるリスク ・海外拠点における人事労務面において、現地労働関係法令・慣習等に反する制度の導入や運用により、当局から行政処分等を受けるリスク、現地従業員の退職によりノウハウを喪失するリスク、駐在員の現地での生活を適切にサポートする仕組みがないことにより駐在員の健康が害されるリスク |
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主な取り組み |
当社グループは「活き活きと働くウェルネスの実現」を行動指針として掲げ、持続可能な社会の実現に向けて、事業活動を継続し、企業価値を向上していくために、すべての役職員が心身ともに健康で活き活きと仕事に取り組むことが企業の持続的成長につながる「ウェルネス経営」を目指しております。 多様な人材が働きやすい労働環境の構築のため、有給休暇の取得推奨、テレワークの推進、育児・介護等による休業や短時間勤務制度等を導入するとともに、定期的な研修により、役職員の多様性に関する理解度向上に取り組んでおります。また、野村不動産など一部のグループ会社において、男性の出生時育児休業の一部有休化や積立有休制度を導入しております。 勤務時間の適切な把握のため、勤怠管理システムを導入して管理を行い、特に長時間労働については定期的な状況のモニタリングを行っており、また、人事制度やその運用の遵法性については、定期的に社外の専門家による検証を行い、リスク顕在化の予防に努めております。 また海外においては独自の法律、文化、慣習があることから、外部の専門家等の知見を活用した人事労務制度の構築、駐在員の相談窓口の整備、医療機関の斡旋や受診のサポートを行うサービスの整備等を行っております。 なお、当社グループでは、ウェルネス・働き方改革・人材の多様性の確保を一体的に推進すべく、社長執行役員(グループCEO)を委員長とする「人材・ウェルネス・D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)委員会(ウェルネス・D&I推進委員会から名称変更)」、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に係る専任組織「グループ人材開発部/ウェルネス・D&I推進室」を設置しております。前連結会計年度には、当社グループのD&I推進方針及び中期・短期の推進ロードマップを策定・公表し、当連結会計年度までをステップ1としてD&I意識醸成に取組んで参りました。翌連結会計年度からはステップⅡとして『D&I意識醸成』の継続的な取り組み、『D&Iが事業活動に組み込まれる文化形成』を目指し、キーゴールとして『①グループ新本社での新たな働き方スタートに向けてD&Iの推進、②インクルーシブデザインの認知向上、体験会等の実施継続』を設定しております。 また、当連結会計年度において、経営戦略と人材戦略の連動による『人的資本経営』を推進すべく、野村不動産グループ各社が参加する「人的資本タスクフォース」を設置し、人的資本経営の方針について議論を行っております。当社グループにおける人的資本経営の方針についてはP.29~P.30をご参照ください。 |
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リスク項目 |
12 不正、過失等の発生によるリスク |
リスクカテゴリー |
D:内部リスク |
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リスクの内容 |
・役職員の不正、不適切な管理による情報の流出、業務上の過失等により、信用の失墜や、それに伴う売上高の減少や損害賠償費用の発生等が生じ、経営成績に影響を及ぼすリスク |
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主な取り組み |
当社グループでは、役職員が法令及びグループ各社が定める社内規程等を遵守し、さらに、より高い倫理観に従って行動することを目的とし「野村不動産グループ倫理規程」を定め、役職員に対する継続的な教育、研修を行っております。 また、当社及びグループ会社の各部室店にコンプライアンス推進責任者を配置することで、各職場におけるコンプライアンス活動の実効性を高める体制を構築しております。さらにグループ各社共用の内部通報制度「野村不動産グループ・ヘルプライン」によって、通報及び相談窓口を内部及び外部にそれぞれ設ける等、公益通報者保護法に基づく体制整備及び運用を行っております。 |
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当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況および分析の内容は次のとおりであります。
(1)経営成績及び財政状態の状況及び分析の内容
①当連結会計年度の事業環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善と各種政策の効果等により、緩やかな回復基調が続きました。
不動産市況について、住宅分譲市場では、首都圏において2年連続で年間供給戸数が減少する中、旺盛な需要が継続した結果、販売価格の上昇が見られました。旺盛な需要の背景としては、住宅ローンの金利が安定的に推移したこと、及び共働き世帯の増加等により購入者における世帯所得が向上したこと等が影響したと想定されます。賃貸オフィス市場では、働き方の多様化に即した、より付加価値の高いオフィスへの需要等が見られ、都心エリアを中心に空室率が改善しました。また、これまでコロナ禍の影響を大きく受けていた商業施設・ホテル市場では、行動制限や入国制限が概ね解除されたことにより、サービス消費やインバウンド需要の回復が進みました。不動産投資市場では、国内において長期金利は緩やかな上昇傾向にあるものの、依然として良好な資金調達環境と投資家の旺盛な投資意欲によって、物件取引量が堅調に推移し、市場規模の拡大が継続しました。中古住宅の流通市場では、旺盛な需要によって、首都圏中古マンションの取引件数は高い水準で推移し、取引価格の上昇が継続する等、堅調な市況が続きました。
②当社グループの経営成績の状況及び分析の内容
このような事業環境の下、当社グループの経営成績は、売上高は734,715百万円(前連結会計年度比79,979百万円、12.2%増)、営業利益は112,114百万円(同12,516百万円、12.6%増)、事業利益は113,665百万円(同8,493百万円、8.1%増)、経常利益は98,248百万円(同4,127百万円、4.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は68,164百万円(同3,643百万円、5.6%増)となりました。
a.売上高
住宅部門において、収益不動産事業の物件売却収入が増加したこと、都市開発部門において、収益不動産事業の物件売却収入が増加したこと等により、734,715百万円(前連結会計年度比79,979百万円、12.2%増)となりました。
b.事業利益
都市開発部門において、収益不動産事業の物件売却収入が増加したこと、住宅部門において、収益不動産事業の物件売却収入が増加したこと等により、113,665百万円(前連結会計年度比8,493百万円、8.1%増)となりました。
c.経常利益
事業利益が増加したこと等により、98,248百万円(前連結会計年度比4,127百万円、4.4%増)となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益が増加したこと等により、68,164百万円(前連結会計年度比3,643百万円、5.6%増)となりました。
2024年3月期 経営成績の概要
事業利益の増減
e.経営上の目標の達成状況
経営上の目標の達成状況については以下のとおりであります。
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指標※1 |
指針※1 |
当連結会計年度 |
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事業利益 |
115,000百万円 (2025年3月期) |
113,665百万円
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ROA |
4.5%水準 (2023年3月期~2025年3月期) |
5.2%
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ROE |
9%水準 (2023年3月期~2025年3月期) |
10.1%
|
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総還元性向 |
40~50% (2023年3月期~2025年3月期) |
46.0%※2
|
※1 2022年4月に策定した中長期経営計画にて掲げている指標・指針となります。
※2 当連結会計年度の総還元性向については、2023年10月26日開催の取締役会決議による自己株式の取得(取得期間:2023年10月27日~2024年3月22日)における取得価額の総額を考慮して算出しております。
事業利益の推移 ROA・ROEの推移

※ROA=事業利益÷期中(平均)総資産
※ROE=当期純利益÷期中(平均)自己資本
1株当たり配当額・総還元性向の推移
※総還元性向=(1株当たり配当額+1株当たり自己株式取得金額)
÷1株当たり当期純利益
③部門別の経営成績の状況及び分析の内容
部門ごとの業績の状況及び分析の内容は、以下のとおりであります。
(注)1.各部門の売上高は、部門間の内部売上高、振替高を含みます。
2.端数処理の関係で合計数値があわない場合があります。
3.2023年4月1日付で、㈱プライムクロスを存続会社、武蔵㈱を消滅会社とする合併を行っており
ます。
a.住宅部門
当部門の売上高は351,812百万円(前連結会計年度比49,332百万円、16.3%増)、事業利益は40,848百万円(同7,514百万円、22.5%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。
これは主に、収益不動産事業において、物件売却収入が増加したことによるものであります。
マンション分譲では「プラウドタワー目黒MARC」(東京都品川区)、「プラウドシティ豊田多摩平の森」(東京都日野市)、「プラウドシティ大津京」(滋賀県大津市)等を、戸建分譲では「プラウドシーズン光が丘グレイス」(東京都練馬区)等、計4,298戸(前連結会計年度比156戸増)を売上に計上いたしました。
また、当連結会計年度末における契約済未計上残高は3,461戸(前連結会計年度末比358戸減)となっており、次期計上予定売上高に対する期首時点の契約率は69.5%となっております。
なお、共同事業における戸数、売上高、契約残高については事業シェア按分で計算しております。
当連結会計年度の取り組みとして、東京 23 区内の城南・城西エリアなどの高額建売戸建の複数物件を、お客さまに検討いただける拠点として「プラウドシーズンギャラリー駒沢」を新たにオープンしました。ニーズが高まっている高額建売戸建の分譲を積極的に進めています。
さらに、当社マンション「プラウド」に対する外部評価として、2023年「SUUMO AWARD」において、「総合評価」で「最優秀賞」を受賞しました。
住宅分譲事業 売上高・粗利益率の推移
売上高等内訳
|
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前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|||
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計上戸数 |
売上高 |
計上戸数 |
売上高 |
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|
住宅分譲 |
首都圏 |
2,718戸 |
199,905 |
3,069戸 |
220,858 |
|
|
関西圏 |
650戸 |
34,730 |
582戸 |
32,304 |
|
|
その他 |
773戸 |
39,025 |
647戸 |
29,825 |
|
|
小計 |
4,142戸 |
273,662 |
4,298戸 |
282,988 |
|
|
(うち戸建住宅) |
(353戸) |
(25,186) |
(385戸) |
(31,537) |
|
収益不動産(注) |
― |
8,603 |
― |
35,644 |
|
|
シニア・その他 |
― |
20,214 |
― |
33,179 |
|
|
合計 |
― |
302,480 |
― |
351,812 |
|
(注)不動産投資市場向けに開発・販売する賃貸住宅を指します。
住宅分譲 期末完成在庫数(販売中)
|
|
前連結会計年度末 (2023年3月31日) |
当連結会計年度末 (2024年3月31日) |
|
首都圏 |
119戸 |
133戸 |
|
関西圏 |
43戸 |
52戸 |
|
その他 |
60戸 |
62戸 |
|
合計 |
222戸 |
248戸 |
|
(うち戸建住宅) |
(0戸) |
(2戸) |
住宅分譲 期末完成在庫数(未販売)
|
|
前連結会計年度末 (2023年3月31日) |
当連結会計年度末 (2024年3月31日) |
|
合計 |
199戸 |
279戸 |
|
(うち戸建住宅) |
(0戸) |
(2戸) |
住宅分譲 契約済未計上残高
|
|
前連結会計年度末 (2023年3月31日) |
当連結会計年度末 (2024年3月31日) |
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|
戸数 |
契約残高 |
戸数 |
契約残高 |
|
|
首都圏 |
2,968戸 |
251,819 |
2,800戸 |
272,838 |
|
関西圏 |
421戸 |
23,501 |
266戸 |
15,385 |
|
その他 |
429戸 |
21,090 |
394戸 |
23,047 |
|
合計 |
3,819戸 |
296,411 |
3,461戸 |
311,271 |
|
(うち戸建住宅) |
(205戸) |
(15,810) |
(153戸) |
(11,405) |
b.都市開発部門
当部門の売上高は223,752百万円(前連結会計年度比24,442百万円、12.3%増)、事業利益は49,976百万円(同10,447百万円、26.4%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。
これは主に、収益不動産事業において、物件売却収入が増加したことによるものであります。
オフィスビルでは「PMO銀座Ⅱ」、物流施設では「Landport戸田」等、計20物件が竣工しております。
今後の大規模複合開発として、「BLUE FRONT SHIBAURA(芝浦プロジェクト)」(所在地:東京都港区/用途:オフィス、商業、ホテル、住宅/竣工:2025年3月期(S棟)、2031年3月期(N棟))や、「日本橋一丁目中地区再開発」(所在地:東京都中央区/用途:オフィス、商業、ホテル、住宅、カンファレンス/竣工:2026年3月期)を予定しています。
当連結会計年度では、木質サステナブルオフィス「野村不動産溜池山王ビル」が竣工しました。建材や内装に木材を活用し、耐火性・耐震性を確保しつつ環境配慮とワーカーのウェルネスを実現しています。本事業は令和3年度の国土交通省サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)※に採択されました。
※ 再生可能な循環資源である木材を大量に使用する大規模な木造建築物等の先導的な整備事例について、木造建築物等に係る技術の進展に資するとともに普及啓発を図ることを目的にする国土交通省の事業です。
売上高内訳 (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
賃貸(オフィス) |
41,191 |
37,756 |
|
賃貸(商業施設) |
16,195 |
16,414 |
|
賃貸(その他) |
3,323 |
3,128 |
|
収益不動産(売却)(注) |
97,471 |
115,517 |
|
収益不動産(賃貸)(注) |
16,786 |
17,422 |
|
フィットネス |
15,040 |
16,113 |
|
その他 |
9,301 |
17,399 |
|
合計 |
199,309 |
223,752 |
(注)不動産投資市場向けに開発・販売するオフィスビル・商業施設・物流施設等を指します。
賃貸収入(オフィス・商業施設)の増減分析
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|
増減額(百万円) |
主な要因 |
|
新規・通期稼働資産 |
△94 |
― |
|
既存資産 |
△1,170 |
建替計画推進中の物件等におけるテナント退去の影響 |
|
売却・振替え |
△1,951 |
― |
賃貸床面積
|
|
前連結会計年度末 (2023年3月31日) |
当連結会計年度末 (2024年3月31日) |
|
オフィス |
538,982㎡ |
523,371㎡ |
|
商業施設 |
158,102㎡ |
158,137㎡ |
|
合計 |
697,085㎡ |
681,509㎡ |
空室率(オフィス・商業施設)
|
前連結会計年度末 (2023年3月31日) |
当連結会計年度末 (2024年3月31日) |
|
4.8% |
4.4% |
収益不動産の売却額の推移

c.海外部門
当部門の売上高は4,616百万円(前連結会計年度比△2,153百万円、31.8%減)、事業損失は357百万円(前連結会計年度は事業利益7,288百万円)と、前連結会計年度と比べ減収減益となりました。なお、当部門の事業利益に含まれる持分法投資損益は851百万円であります。
住宅分譲事業では、前連結会計年度に引き続き、ベトナム・ホーチミンにおける「グランドパーク第3期」等を計上いたしました。
当連結会計年度の取り組みとして、イギリス・ロンドンでは、オフィスビルの開発事業である「ザ・フィッツロヴィア」への参画と、既存オフィスビルである「55 セントジェームズストリート」の取得を決定しました。欧州全域で高まる環境性能への需要に応えるべく、2案件とも高い環境評価指標を獲得しています。
さらに、フィリピン・マニラでは、住宅と商業施設の大型複合開発における、商業施設「ミツコシ BGC」がグランドオープンしました。「日本」らしさを表現したこだわりの外観・内装は、「フィリピンと日本の架け橋になる」という想いを表現していて、日系のテナントも誘致しています。
当社グループでは中長期経営計画の中で海外事業を成長分野の一つと位置付け、2023年3月期から2031年3月期までに海外事業への約5,500億円の投資と、海外事業による利益比率を全体の15%以上とする方針を掲げています。
売上高内訳 (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
住宅分譲 |
5,876 |
3,359 |
|
賃貸 |
657 |
536 |
|
その他 |
235 |
720 |
|
合計 |
6,770 |
4,616 |
d.資産運用部門
当部門の売上高は14,356百万円(前連結会計年度比724百万円、5.3%増)、事業利益は8,571百万円(同481百万円、6.0%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。
国内REIT事業では、野村不動産マスターファンド投資法人(以下「NMF」) 及び野村不動産プライベート投資法人(以下「NPR」)が野村不動産株式会社より「MEFULL茶屋町」、「プラウドフラット渋谷笹塚」等、計19物件(取引額計80,225百万円)を取得したほか、投資家のニーズを捉えた私募ファンド組成が進む等、運用資産残高が順調に拡大しました。
当連結会計年度の取り組みとして、野村ホールディングス株式会社との合弁会社「野村リアルアセット・インベストメント株式会社」がファンド運用事業を開始しました。事業開始時点よりオフィス、住居、ホテル、ヘルスケア、底地など、運用資産残高約900億円の多様なアセットタイプを扱い、質の高い運用サービス提供を目指します。
さらに、NMFでは、GRESB※リアルエステイト評価では「4 Stars」評価、GRESB開示評価では最上位の「Aレベル」評価、またNPRでは、GRESBリアルエステイト評価では最上位の「5 Stars」評価を取得し、本投資法人でのESGへの取り組みや開示が高く評価されました。
※ 不動産会社・ファンドのESG配慮を測る年次のベンチマーク評価
(単位:百万円)
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前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
売上高 |
13,632 |
14,356 |
運用資産残高 (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度末 (2023年3月31日) |
当連結会計年度末 (2024年3月31日) |
|
|
国内運用会社 |
REIT |
1,465,984 |
1,557,617 |
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私募ファンド等 (注) |
252,957 |
246,546 |
|
|
海外運用会社 |
238,735 |
218,442 |
|
|
合計 |
1,957,676 |
2,022,606 |
|
(注)当社の出資比率換算に基づく野村リアルアセット・インベストメント㈱の運用資産残高を含みます。
なお、当連結会計年度末における同社の運用資産残高は、89,741百万円となります。
期末運用資産残高の推移
e.仲介・CRE部門
当部門の売上高は49,588百万円(前連結会計年度比1,888百万円、4.0%増)、事業利益は13,447百万円(同△375百万円、2.7%減)と、前連結会計年度と比べ増収減益となりました。
当部門におけるリテール事業では、2024年1月に「津田沼センター」をオープンし、当連結会計年度末における個人のお客様向けの店舗数は88店舗となりました。
当連結会計年度の取り組みとして、運営する不動産情報サイト「ノムコム」ではお客様の希望する間取り図の特徴を抽出する「ハッシュタグ・間取り図検索」機能を導入しました。また、株式会社 LIFULLと共同開発した、チャット型コミュニケーションの相談AIサービス「AI ANSWER Plus(ベータ版)※」の提供も開始しました。当社はAIを活用し、不動産情報提供の新たなサービス・体験を提供しています。
さらに、「ノムコム LINE 公式アカウント」の運用を開始しました。日本の人口の約8割が利用しているLINEを通じて、おすすめ物件情報や住宅ローン等のコンテンツを定期的に配信、物件見学予約なども行うことができ、お客様の住まい探しの利便性向上を図っています。
※ ベータ版の注意点:ベータ版は、正式版とは異なる場合があります。正式版で提供される機能やサービス、デザインや性能などが、ベータ版と同じであることを保証するものではありません。
売上高内訳 (単位:百万円)
|
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前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
売買仲介 |
45,257 |
47,750 |
|
(リテール) |
(24,071) |
(25,670) |
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(ミドル) |
(9,613) |
(11,889) |
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(ホールセール) |
(11,571) |
(10,190) |
|
その他 |
2,442 |
1,838 |
|
合計 |
47,700 |
49,588 |
(注)売買仲介の区分は以下の通りであります。
・リテール:個人向け
・ミドル:中堅・中小企業、企業オーナー、一部の個人投資家や富裕層向け
・ホールセール:大企業、ファンド、海外投資家向け
売買仲介取扱件数・取扱高
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前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
取扱件数(件) |
9,985 |
10,204 |
|
取扱高(百万円) |
1,060,313 |
1,221,849 |
リテール仲介手数料推移 ミドル仲介手数料推移

ホールセール仲介手数料推移
f.運営管理部門
当部門の売上高は108,190百万円(前連結会計年度比2,716百万円、2.6%増)、事業利益は10,088百万円(同209百万円、2.1%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。
当連結会計年度末におけるビル等管理件数は794件(前連結会計年度末比12件増)、住宅管理戸数は193,959戸(同4,385戸増)となっております。
当連結会計年度の取り組みとして当部門は、管理受託をしているマンション「アーバニティ王子」における取り組みが、国土交通省が支援する令和5年度の「マンションストック長寿命化等モデル事業」に「先導的再生モデルタイプ(改修工事支援)」として採択されました。また、一般社団法人マンション管理業協会主催「マンションバリューアップアワード2023」においても工事・メンテナンス部門で最上位の部門賞を獲得しています。これらは今後急増する高経年マンションの適切な維持管理を行うための修繕積立金会計を健全化する取り組みであり、マンションの長寿命化に向けた先導性が高く創意工夫を含む取り組みとして高い評価を受けました。
また、2023年版の「SUUMO AWARD」(関西版「管理会社の部」)の顧客満足度ランキングで、「総合評価」最優秀賞を受賞しました。さらに、「スタッフホスピタリティ部門」など他3部門でも最優秀賞・優秀賞を受賞しました。
売上高内訳 (単位:百万円)
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前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
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運営管理 |
59,502 |
60,817 |
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受注工事 |
39,875 |
41,067 |
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その他 |
6,096 |
6,305 |
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合計 |
105,474 |
108,190 |
管理受託数
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前連結会計年度末 (2023年3月31日) |
当連結会計年度末 (2024年3月31日) |
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ビル等管理件数(件) |
782 |
794 |
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住宅管理戸数(戸) |
189,574 |
193,959 |
ビル等管理件数・住宅管理戸数の推移
g.その他
売上高は280百万円(前連結会計年度比△1百万円、0.6%減)、事業利益は161百万円(同13百万円、9.2%増)となりました。
④財政状態の状況及び分析
a.資産、負債及び純資産の状況
(単位:百万円)
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前連結会計年度末 (2023年3月31日) |
当連結会計年度末 (2024年3月31日) |
増減額 |
増減率 |
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総資産 |
2,110,693 |
2,251,456 |
140,762 |
6.7% |
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総負債 |
1,454,956 |
1,559,015 |
104,059 |
7.2% |
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(うち有利子負債) |
(1,121,548) |
(1,192,728) |
(71,179) |
6.3% |
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純資産 |
655,737 |
692,440 |
36,702 |
5.6% |
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(うち自己資本) |
(653,307) |
(690,930) |
(37,622) |
5.8% |
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自己資本比率 |
31.0% |
30.7% |
― |
― |
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D/Eレシオ |
1.7倍 |
1.7倍 |
― |
― |
(注)D/Eレシオ=有利子負債/自己資本
b.資産
当連結会計年度末における総資産は2,251,456百万円となり、前連結会計年度末に比べ140,762百万円増加いたしました。これは主に、投資有価証券(36,918百万円増)、建設仮勘定(28,246百万円増)、前渡金(28,111百万円増)、並びに現金及び預金(25,879百万円増)が増加したことによるものであります。
各部門の資産は下表のとおりであります。
(単位:百万円)
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部門 |
前連結会計年度末 (2023年3月31日) |
当連結会計年度末 (2024年3月31日) |
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住宅 |
607,382 |
596,016 |
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(内棚卸資産) |
(514,774) |
(487,084) |
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都市開発 |
1,225,125 |
1,287,099 |
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(内棚卸資産) |
(485,188) |
(525,876) |
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(内有形固定資産) |
(682,994) |
(701,393) |
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海外 |
160,942 |
216,896 |
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資産運用 |
44,064 |
58,865 |
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仲介・CRE |
29,088 |
29,091 |
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運営管理 |
51,368 |
49,920 |
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その他 |
1,324 |
1,310 |
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調整額 |
△8,602 |
12,256 |
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合計額 |
2,110,693 |
2,251,456 |
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(内棚卸資産) |
(999,125) |
(1,011,917) |
主な用途別の有形固定資産の残高は下表のとおりであります。
(単位:百万円)
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前連結会計年度末 (2023年3月31日) |
当連結会計年度末 (2024年3月31日) |
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オフィス |
506,854 |
528,124 |
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商業施設 |
92,564 |
89,353 |
c.負債
当連結会計年度末における総負債は1,559,015百万円となり、前連結会計年度末に比べ104,059百万円増加いたしました。これは主に、有利子負債(71,179百万円増)、支払手形及び買掛金(12,845百万円増)、並びに預り金(10,296百万円増)が増加したことによるものであります。
d.純資産
当連結会計年度末における純資産は692,440百万円となり、前連結会計年度末に比べ36,702百万円増加いたしました。これは主に、自己株式(6,447百万円減)の取得を行った一方で、利益剰余金(45,088百万円増)が増加したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況及び分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フローの状況及び分析の内容
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から26,041百万円増加し、53,811百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、70,878百万円の資金の増加(前連結会計年度比113,687百万円増)となりました。これは主に、法人税等の支払いがあった一方で、税金等調整前当期純利益96,653百万円の計上があったことによるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、83,638百万円の資金の減少(同20,741百万円減)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産、投資有価証券の売却及び精算を行った一方で、有形及び無形固定資産、投資有価証券の取得による支出があったことによるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、39,921百万円の資金の増加(同25,753百万円減)となりました。これは主に、配当金の支払い及び社債の償還を行った一方で、長期借入れによる資金調達を行ったことによるものであります。
②資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.資金調達の方法及び状況
当社グループは、事業活動及び成長投資等に必要な資金を、営業活動により得たキャッシュ・フローで賄うことを基本とし、不足している場合については、外部からの調達により確保しております。
外部からの調達に関しては、財務健全性の指標として自己資本比率を30%水準と設定した上で、中長期にわたる不動産開発事業の特性を踏まえ、主に、国内金融機関からの長期借入金や社債の発行等により、長期資金を中心とした資金調達を行っております。また、将来の金利上昇に備えて金利の固定化を進めるとともに、償還額の年度別の分散等を図ることで、借換えリスクの低減を図っております。
当連結会計年度におきましては、金融機関からの借入金等により、必要資金の調達を行いました。なお当社グループは、持続可能な社会の発展に貢献するための資金調達を行うことを目的とし、2028年3月期までに、累計7,000億円をサステナブル・ファイナンスにより調達することを目標に掲げています。当連結会計年度は、この取り組みの一環として、「BLUE FRONT SHIBAURA(芝浦プロジェクト)」(S棟:2025年2月竣工予定、N棟:2031年3月期竣工予定)を資金使途とした「芝浦グリーンボンド」を発行し、200億円を調達しました。
手許資金に関しては、資産効率性を損なうことなく、必要な資金を柔軟に確保するため、入出金管理に基づく必要最小限の現預金の確保と合わせて、当座貸越及びコミットメントライン契約を締結する等の対応を講じております。また、当社にて、グループ各社の資金を一元管理するキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金効率の向上を図っております。
なお、当連結会計年度末時点の有利子負債の状況については以下のとおりです。
(単位:百万円)
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前連結会計年度末 (2023年3月31日) |
当連結会計年度末 (2024年3月31日) |
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有利子負債残高(A) |
1,121,548 |
1,192,728 |
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総資産(B) |
2,110,693 |
2,251,456 |
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EBITDA(注)1 |
125,661 |
134,180 |
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支払利息 |
10,221 |
14,093 |
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有利子負債依存度(A/B) |
53.1% |
53.0% |
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D/Eレシオ(注)2 |
1.7倍 |
1.7倍 |
(注)1.EBITDA=営業利益+受取利息・配当金+持分法による投資利益+減価償却費+のれん償却額
2.D/Eレシオ=有利子負債残高/自己資本
有利子負債残高の内訳 (単位:百万円)
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前連結会計年度末 (2023年3月31日) |
当連結会計年度末 (2024年3月31日) |
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長期借入金 |
853,684 |
945,040 |
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社債 |
130,000 |
140,000 |
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短期借入金 |
38,750 |
30,483 |
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1年以内返済長期借入金 |
79,113 |
67,204 |
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1年以内償還予定社債 |
20,000 |
10,000 |
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合計 |
1,121,548 |
1,192,728 |
有利子負債/支払利息の推移
b.資金の主要な使途を含む資金需要の動向
当社グループの主要な資金需要は、国内における分譲・売却事業における販売用不動産等の取得・開発等に係る資金、保有・賃貸事業における固定資産の取得・開発・運用等に係る資金、海外における投資・開発等に係る資金、M&A・資本業務提携等の戦略投資に係る資金、株主還元に係る資金等であります。
(成長投資と株主還元の考え方)
当社グループは、2022年4月に策定した中長期経営計画において、高い利益成長、高い資産・資本効率の実現を重点テーマに掲げ、年平均8%水準の高い利益成長と高い株主還元の両立により企業価値の向上を図っております。当社グループでは、株主資本コストを7~8%と想定しており、これを上回る資本効率性を維持しながら、持続的な利益成長実現に向けた投資を拡大してまいります。
株主還元については、安定的且つ経営環境に応じた機動的な株主還元を行うため、配当に自己株式の取得を組み合わせることで、2023年3月期~2025年3月期における各連結会計年度の総還元性向を40~50%程度とすること、並びに、2026年3月期以降における配当性向40%水準にむけて段階的に配当性向を引き上げることを指針としております。加えて、2025年3月期より、配当の安定性の向上を目的に、年間の配当金について、DOE※4%を満たす水準を下限とすることを指針としております。
この指針のもと、当連結会計年度の配当については、期末配当を従来予想から増額し1株当たり75.0円とし、これにより実施済みの第2四半期末配当金とあわせた1株当たり年間配当金は140.0円、配当性向は35.7%となりました。
また当連結会計年度において、財務健全性、株価水準、事業環境等を総合的に勘案し、自己株式について6,999百万円の取得を実施しており、結果、当連結会計年度の総還元性向は46.0%となりました。
※DOE=年間配当額÷期中平均自己資本
(3)生産、受注及び販売の実績
生産、受注及び販売の状況については、「(1) 経営成績及び財政状態の状況及び分析の内容 ③部門別の経営成績の状況及び分析の内容」に記載のとおりであります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、その作成にあたっては、経営者の主観的な判断を伴う見積りが必要になる項目があります。
経営者はその見積りが合理的であると判断していますが、市況の変化等により将来の結果が異なるものとなり、連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
当社グループの重要な会計方針のうち、特に重要性の高い会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループでは、顧客ニーズや社会環境の変化に着目し、商品・技術・サービスにおける革新や付加価値創造を実現するため、ハード・ソフト両面にわたる幅広い研究開発活動を行っております。
主な活動として、環境に配慮した建材に関する研究や、新規事業領域の探索及び検証等に関する調査研究等を行っております。
なお、当社グループの研究開発活動は、報告セグメントに含まれない本社部門を主体として実施しており、当連結会計年度における研究開発費の総額は