第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当行では、「共創力と提案力で地域の豊かな未来を実現する」を経営理念として掲げ、その実践に努めることで、企業価値の向上に取り組んでおります。地域金融機関として、地域のお客さまとより良い関係を構築していくことは重要なことと考えております。こうした関係性を基本とし、お客さまの良きパートナーとして、様々な悩みに対してその解決策を真剣に考えご提案することで、共に新たな価値を創造してまいりたいと考えております。このような取組みを通じて、地域の豊かな未来を創造してまいります。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

[経営環境]

当期におけるわが国経済は、コロナ禍からの回復が続く中で、企業経営は総じて改善が続きました。個人消費についても概ね持ち直しの動きが続きましたが、物価上昇等の影響により、一時持ち直しの動きに足踏みが見られました。また、世界的に金融引き締めが継続する中、わが国においては2%の「物価安定目標」の実現と安定的な持続を目指すという観点から、本年3月に金融政策の枠組みの見直しを決定しました。

当行の主たる営業基盤である福島県の経済動向をみますと、個人消費は緩やかな回復が続きました。設備投資はコロナ禍で見送られた投資が再開され、緩やかな持ち直しの動きが見られました。住宅投資は建設コストの上昇等を背景に減少が続いておりましたが、足元下げ止まりの動きが見られております。

[当期の経過及び成果]

当期は、「企業価値の更なる向上により、持続可能な経営基盤を確立する」という経営姿勢を掲げ、「第6次中期経営計画」(2023年4月~2026年3月)をスタートさせました。

(法人コンサルティングの取組み)

原材料価格の高騰や人手不足等の影響が懸念される中、事業を営んでおられるお客さまに対しては、資金繰り支援に加え、補助金情報の提供や申請支援の対応を強化するなど、お客さまの実態を踏まえた支援に取り組んでまいりました。また、お客さまが抱える経営課題や地域の産業構造変革に対応するため、事業承継・M&A、ICTコンサルティング、SDGs取組み支援、事業再生支援等にも積極的に取り組んでまいりました。

(資産形成支援の取組み)

個人のお客さまに対しては、新NISA制度への対応として投資信託ラインナップの充実を図りました。また、住宅ローンについて、東京ローンセンター開設による新たなマーケットの開拓と、若年層の住宅取得ニーズへの対応として取組期間最長50年へ商品改定を行いました。

(人財活躍促進の取組み)

年齢や性別にとらわれない多様な人財の活躍を促進するため、人材育成環境の整備に継続的に取り組んでまいりました。当事業年度は、お客さまサービスの一層の向上と生産性向上を両立させるため、若手職員の積極登用、女性活躍促進、育児支援、ワークライフバランスの拡充を盛り込んだ人事制度の全面的な改定を実施しました。また、働きやすい職場環境の創出や生産性向上に向け、従業員及びその家族の健康の維持・増進に取り組み、その結果、経済産業省が実施する健康経営優良法人認定制度において、「健康経営優良法人2024」の認定を受けました。

(サステナビリティ経営に向けた取組み)

当行グループでは、経営理念に基づく企業活動や気候変動等の環境問題など地域社会を取り巻く様々な課題の解決に向けた活動に取り組むため、「サステナビリティ方針」を制定しております。その中で、「地域経済・社会」、「ダイバーシティ」、「金融サービス」、「環境保全」をSDGs目標達成のための重点テーマとし、ESG経営を念頭においた活動を展開しております。今後もそれらの活動を通し、地域の発展と企業価値の向上の両立を目指す持続的経営に努めてまいります。

 

こうした取組みを客観的に評価する指標として、いくつかの経営指標を掲げておりますが、その達成状況は次のとおりであります。

〔目指す経営指標〕 第6次中期経営計画 2023年5月12日公表

目標項目

到達目標

2023年度実績

コア業務純益(除く投資信託解約損益)

最終年度30億円以上

27.7億円

当期純利益(単体)

毎期12億円

12.1億円

ROE(当期純利益ベース)

毎期3.5%以上

3.42%

 

[環境認識及び対処すべき課題]

当行を取り巻く経営環境は、地域の人口減少等の構造的な問題が残る中、デジタル化やサステナビリティの進展など、長期的な社会構造の変化が進んでいるものと認識しております。

足元では、コロナ禍からの回復が続く一方、原材料価格やエネルギー価格の高騰、人手不足等により企業経営への影響に対する懸念が高まっている状況にあります。

このような状況の中、国、地方自治体、金融機関が一体となって地域経済を支えていくことが重要であるとの認識のもと、当行は営業地域における金融仲介機能発揮のほか、お客さまが抱える課題の解決に全力で取り組んでまいります。

また、課題への対応にあたっては以下の基本方針(パーパス)を徹底してまいります。

①顧客保護

・地域の方々の大切なご預金の運用としてふさわしい運用商品を選定します。

・融資の可否のみならず、お客さまの利益を考えた与信判断・アドバイスを実践します。

②競争戦略

・リスクやコストを戦略的にコントロールすることで質的優位の経営を目指します。

③実質主義

・名実が一体となるよう、実質本位の行動を実践します。

これらの取組みにより、企業価値を一層高め、これまで構築した経営基盤を持続可能なものとすることを目指してまいります。

 

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

(1)ガバナンス

当行は、地域社会の課題解決に向けた活動を通し、地域の発展と持続的な企業価値の向上に努めるとする「サステナビリティ方針」を制定しております。この方針のもと、「ESG取組方針」や「SDGs取組方針」を掲げており、サステナビリティに関連する重要事項については常務会等で協議し、必要に応じて取締役会への付議または報告により、取締役会による監督が適切に行われる体制としております。

(2)戦略

人的資本・多様性

[人材育成方針・社内環境整備方針]

(第6次中期経営計画における人財戦略の位置づけ)

 第6次中期経営計画では、事業者の皆さまに対してのコンサルティング営業による本業支援や個人の皆さまに対する資産形成支援に取り組んでおります。また、当行の持続的な成長の実現のため、多様化・高度化が進むお客さまのニーズに応えることができる人財育成体制を構築し、以下の人財戦略に関する方針及び取組みを実践しております。

(人財戦略に関する基本方針)

 職員が日々の働き甲斐を実感し、活き活きと仕事に取り組むことを通じて、お客さまの満足度向上や生産性の向上を図ります。

 

(人財戦略に関する取組み)

①人財育成

・社内副業制度

 様々な職務経験を通じて職員一人ひとりの能力向上を図る観点から、所属部店に関わらず、副業として当行内の各本部グループの業務に取組むプロジェクトや育成プログラムにより、他部店職員の参加による本部組織の活性化を図っております。

・全店一斉職場研修

 従来実施している本部研修や資格取得による自己研鑽に加え、全店一斉の職場研修を業務時間内において毎週定例開催することで、職員の一層のレベルアップを図っております。

②ダイバーシティ

・昇進条件の見直し(脱・年功制)

 従来、職位あたり一定の滞留年数を条件としていたものを撤廃し、能力のある若手職員の登用を促進させております。

・女性活躍の促進と育児支援

 女性管理職の登用をさらに促進させるため、営業職や融資業務など男性比率の高い業務へのジョブローテーション、産休・育休者への職場復帰に向けたWeb相談、産休者へのスマホ・タブレット等による情報配信、育児時短制度の活用及び小学生までの適用拡充、夫婦帯同転勤など育児環境に配慮した人事異動、以上の施策に取り組んでおります。

③ワークライフバランス

・定時退行の取組み継続と休暇制度拡充

 原則として定時での退行の取組みを継続していくことに加え、休暇取得奨励日数を年間14日間とすることでワークライフバランスを拡充させております。

(3)リスク管理

当行は、気候変動に伴う移行リスクや物理的なリスクが当行の企業活動や戦略、財務内容等に影響を与えることを認識しております。当行は、省資源・省エネルギー化など自らの企業活動において環境負荷の低減に努めるとともに、気候変動・環境問題等の社会的課題の解決に向けた取組みを支援・促進する投融資や、お客さまの脱炭素社会への移行を支援するソリューション提供を通じて、脱炭素社会の実現に貢献しております。

さらに、今後は統合的リスク管理の枠組みの中で管理する態勢を構築してまいります。

(4)指標及び目標

人的資本・多様性

[人材育成方針・社内環境整備方針における指標目標及び進捗状況]

 人材育成方針・社内環境整備方針における指標目標及び進捗状況については、当行ホームページにおいて、女性活躍推進法に基づく「一般事業主行動計画」を開示しておりますのでご参照ください。

 なお、指標目標及び進捗状況における非財務KPIは、当行グループに代えて、当行グループにおいて主要な事業を営む当行単体の計数を記載しております。

(https://www.daitobank.co.jp/policy/joseikatuyaku/index.html)

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

当行は、リスク管理を経営の最重要課題のひとつとして位置づけ、取締役会において「リスク管理の基本方針」を定め、リスク管理の一層の強化・充実に取り組んでおります。

リスク管理体制については、経営部において銀行全体のリスクの統合的管理に努めるとともに、リスク管理の基本方針に則ってリスクを適切に管理する「リスク管理委員会」を設置しております。

 

当行の銀行全体のリスクを統合的に管理・コントロールする体制は次のとおりであります。

 

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■信用リスク管理体制

審査部門と営業推進部門を分離し独立性を堅持しながら、決して利益追求にのみ走ることのないよう相互に牽制できる体制としております。

与信取組みにおいては、明確なクレジットポリシーのもと、信用リスクに応じた取組みをモットーとし、リスクに見合ったリターンを確保するばかりでなく、全体の信用リスクの軽減に努めております。

■市場リスク管理体制

金利、有価証券の価格、為替等の変動により損失を被ることのないよう、これらの日次管理を行うことはもとより、予測される最大損失を常に想定し、自己資本にて十分対応できる体制としております。

■流動性リスク管理体制

予期しない資金の流出(払出し)にも十分対応できるように、常に流動性資金の管理を行っております。

■オペレーショナル・リスク管理体制

○事務リスク管理体制

事務リスクの状況を的確に把握し、事務リスクの防止・軽減のため適切な対策を講じ、その効果を検証する体制としております。さらに、事務処理のレベルアップを図るため、事務指導や本部主催の各種研修会を実施しております。

また、監査部では厳正な内部管理と事故の未然防止を図るため、営業店、本部、関連会社に対して内部監査を実施しております。

さらに、営業店及び本部各部において、各部店長を責任者として部店内検査を実施しております。

○システムリスク管理体制

コンピュータが常時正常に稼動できるよう、また、ウィルス等による誤作動や外部からの不正利用を防止できる体制をとっております。

また、お客さまの重要な情報が外部に決してもれることのないようにセキュリティ管理を強化しております。

○その他のオペレーショナル・リスク管理体制

法務リスク、人的リスク、有形資産リスク、風評リスクについても、それぞれの担当部門を定めてリスクの把握、評価、モニタリングを行う体制としております。

 

 

当行の財政状態及び経営成績等に特に重要な影響を与える可能性があると認識しているリスクとしては、以下に記載したリスクのうち、(1)信用リスク及び(2)市場リスクが挙げられます。

当行では、金融資産に係るこれらのリスクについて、統計的な算出手法であるVaRを用いて、ある一定期間において、ある一定の信頼区間(確率)のもと、被る可能性のある最大損失額(リスク量)を把握しております。

これらのリスクが顕在化した場合、当行の業績や業務運営に著しい影響を及ぼす可能性があるため、リスク量を自己資本の範囲内に収まるよう資本配賦(各リスクへの割当)を行うとともに、定期的に配賦状況を確認し、経営戦略と一体でリスク管理を行っております。

 

(1)信用リスク

当行は、厳格な資産の自己査定を行い、貸出先の状況や担保の価値等に基づいて、貸倒引当金を計上しております。

しかし、我が国の経済動向、特に当行の主たる営業基盤である福島県の経済動向、不動産価格及び株価の変動等によっては、当行の貸出先の経営状況を悪化させ、債務者区分の下方遷移や、担保価値の下落、又はその他の予期せぬ理由により、当行の不良債権及び貸倒償却引当費用が増加するおそれがあり、その結果、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)市場リスク

当行は、債券や市場性のある株式等を保有しております。債券は、市場金利の上昇により保有債券の含み損益及び債券関係損益が悪化するおそれがあり、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。株式は、株価下落により保有株式の含み損益及び株式等関係損益が悪化するおそれがあり、その結果、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、貸出金や有価証券等の資金運用と、預金等による資金調達には、金利又は期間のミスマッチが存在しており、その影響を抑えるべく適切に管理・運営を行っておりますが、想定以上に金利が変動した場合には、利益が低下ないし損失を被り、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)流動性リスク

当行は、常に適切な流動性資金の管理を行っておりますが、運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な資金確保が困難になる、又は通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被る可能性があります。また、市場の混乱等により市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被る可能性があります。

 

(4)オペレーショナル・リスク

① 事務リスク

当行は、事務リスクの所在、種類、特性等を適時・的確に把握し、事務リスクの防止・軽減のため適切な対策を講じておりますが、役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こすことにより、損失を被る可能性があります。

 

② システムリスク

 コンピュータシステムは、当行の業務遂行上重要なウェイトを占めております。当行は、日頃からトラブルの防止に努めておりますが、コンピュータシステムのダウンや誤作動等システムの不備等に伴い、当行の業務遂行に悪影響を及ぼす可能性や、コンピュータが不正に使用されることにより、損失を被る可能性があります。

 

③ 情報資産に関するリスク

当行は、保有するすべての情報資産を、あらゆる脅威から保護すべく、必要な対策を行っておりますが、顧客情報等の漏洩、紛失、不正利用等が発生した場合には、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 法務リスク

当行は、コンプライアンス(法令等遵守)に関する基本方針、規程を制定し、役職員への周知徹底を図るとともに、体制の整備強化に努めておりますが、法令等違反及び不適切な契約の締結、又はその他の法的原因により損失を被る可能性があります。

 

 

⑤ 風評リスク

当行の事業内容や業績について、事実と異なる風評により評判が悪化し、当行の信用が低下することにより、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)繰延税金資産に関するリスク

税効果会計の適用により発生する繰延税金資産については、「税効果会計に係る会計基準」等に基づき、将来の

損益、課税所得見込み及び同資産の回収可能性を十分検討して計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の

課税所得に関する様々な予測、仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測、仮定とは異なる可能性がありま

す。

また、当行が、将来の課税所得の予測、仮定に基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合や制度の変更等により、当行の繰延税金資産が減額され、その結果、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)自己資本比率に関するリスク

当行の連結自己資本比率及び単体自己資本比率は「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に基づき算出しており、国内基準を適用しております。

当行の自己資本比率が、要求される水準である4%を下回った場合には、業務の全部又は一部の停止等の命令を受けることとなります。当行の自己資本比率は、前述した貸倒償却引当費用の増加、有価証券関係損益の悪化、繰延税金資産の減額のほか、当行の業績悪化等の要因により、影響を受ける可能性があります。

 

(7)固定資産の減損に関するリスク

当行が保有する土地、建物等の固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」(企業会計審議会)を適用しており、収益力の低下、使用目的の変更及び価額の下落などの要因で、評価減による費用処理が発生する可能性があります。

 

(8)グループ経営に関するリスク

当行は、連結子会社を有しておりますが、当該子会社の業績悪化等により、支援費用等コストが発生する可能性があります。

 

(9)災害発生リスク

地震、津波、火災等の災害その他の事象により、当行の役職員及び有形資産等が被災し、当行の業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。また、災害の規模によっては、地域経済に甚大な被害が及ぶ可能性があり、その結果、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)感染症の流行に関するリスク

新型インフルエンザ等感染症の流行により、当行の役職員への感染が拡大し、業務運営上十分な人員が確保できなくなるなど、当行の業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行では、これらの緊急事態を想定しコンティンジェンシープランを策定しており、定期的にBCP(事業継続計画)に基づく訓練等を実施しております。

しかしながら、感染拡大の規模によっては、地域経済に甚大な被害が及ぶ可能性があり、その結果、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当行グループ(当行及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー

(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(財政状態)

当連結会計年度末の主要勘定は、以下のとおりとなりました。

預金(譲渡性預金を含む)につきましては、前連結会計年度末比65億円減少して7,920億円となりました。

貸出金につきましては、前連結会計年度末比74億円減少して6,526億円となりました。

預り資産につきましては、前連結会計年度末比151億円増加して1,359億円となりました。

また、有価証券につきましては、前連結会計年度末比104億円減少して1,316億円となりました。

 

(経営成績)

経常収益は、貸出金利息の増加等に伴い資金運用収益が増加したことなどから、前連結会計年度比5億55百万円増加して135億79百万円となりました。

一方、経常費用は、営業経費は減少したものの、国債等債券売却損の増加に伴うその他業務費用の増加などから、前連結会計年度比6億80百万円増加して116億86百万円となりました。

この結果、経常利益は、前連結会計年度比1億24百万円減少して18億92百万円となりました。

また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比27百万円減少して12億55百万円となりました。

 

(セグメントの業績)

〔銀行業務〕

銀行業務では、経常収益は122億61百万円(前連結会計年度比6億46百万円増加)、経常利益は18億8百万円(前連結会計年度比54百万円減益)となりました。

〔リース業務〕

リース業務では、経常収益は10億63百万円(前連結会計年度比36百万円減少)、経常利益は40百万円(前連結会計年度比54百万円減益)となりました。

〔その他〕

その他(クレジットカード業務、信用保証業務)では、経常収益は3億30百万円(前連結会計年度比36百万円減少)、経常利益は43百万円(前連結会計年度比15百万円減益)となりました。

 

(キャッシュ・フロー)

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比51百万円減少して

719億32百万円となりました。減少の要因は、主に営業活動によるキャッシュ・フローの減少によるものであります。

なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

営業活動によるキャッシュ・フローは、借用金の減少などから△91億13百万円(前連結会計年度比837億13百万円増加)となりました。

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

投資活動によるキャッシュ・フローは、保有有価証券のポートフォリオの見直し等に伴う売却及び償還による収入が取得による支出を上回ったことなどから94億23百万円(前連結会計年度比219億29百万円減少)となりました。

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などから△3億61百万円(前連結会計年度比23百万円増加)となりました。

 

(生産、受注及び販売の実績)

銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。

(参考)

(1)国内・国際業務部門別収支

当連結会計年度における資金運用収支は、国内業務部門では87億29百万円、国際業務部門では71百万円とな

り、相殺消去後の合計では88億円となりました。役務取引等収支は全体で15億52百万円、その他業務収支は全体で

△18億68百万円となりました。

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

8,258

172

0

8,431

当連結会計年度

8,729

71

0

8,800

うち資金運用収益

前連結会計年度

8,312

174

14

1

8,470

当連結会計年度

8,780

72

16

0

8,835

うち資金調達費用

前連結会計年度

53

1

14

1

39

当連結会計年度

51

0

16

0

35

役務取引等収支

前連結会計年度

1,667

49

2

1,715

当連結会計年度

1,554

△0

1

1,552

うち役務取引等収益

前連結会計年度

2,948

54

36

2,966

当連結会計年度

2,942

0

34

2,908

うち役務取引等費用

前連結会計年度

1,280

5

34

1,251

当連結会計年度

1,388

0

32

1,355

その他業務収支

前連結会計年度

△256

△725

1

△983

当連結会計年度

△1,095

△770

1

△1,868

うちその他業務収益

前連結会計年度

1,125

1

1,123

当連結会計年度

1,135

1

1,134

うちその他業務費用

前連結会計年度

1,382

725

2,107

当連結会計年度

2,231

770

3,002

(注)1 「国内業務部門」とは、当行及び連結子会社の円建取引であります。

2 「国際業務部門」とは、当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。

3 資金運用収益及び資金調達費用の合計額の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。

4 グループ内での取引は相殺消去しております。

 

(2)国内・国際業務部門別資金運用・調達の状況

 資金運用勘定平均残高は8,552億11百万円となり、利回りは1.03%となりました。この結果、受取利息は88億35百万円となりました。一方、資金調達勘定平均残高は8,614億75百万円となり、利回りは0.00%となりました。この結果、支払利息は35百万円となりました。

① 国内業務部門

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

(10,350)

896,475

(1)

8,312

0.92

当連結会計年度

(4,333)

857,890

(0)

8,780

1.02

うち貸出金

前連結会計年度

653,739

7,331

1.12

当連結会計年度

653,435

7,519

1.15

うち商品有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

うち有価証券

前連結会計年度

164,812

843

0.51

当連結会計年度

142,248

1,157

0.81

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

当連結会計年度

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引支払保証金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

67,573

135

0.20

当連結会計年度

57,872

103

0.17

資金調達勘定

前連結会計年度

896,157

53

0.00

当連結会計年度

863,785

51

0.00

うち預金

前連結会計年度

758,407

37

0.00

当連結会計年度

744,416

29

0.00

うち譲渡性預金

前連結会計年度

68,703

3

0.00

当連結会計年度

69,716

4

0.00

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

14,876

△4

△0.02

当連結会計年度

3,005

△0

△0.00

うち売現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコマーシャル・ペーパー

前連結会計年度

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

54,170

16

0.03

当連結会計年度

46,646

18

0.03

 

(注)1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、(連結)子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2 「国内業務部門」とは、当行及び連結子会社の円建取引であります。

3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度16,869百万円、当連結会計年度23,235百万円)を控除しております。

4 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。

 

② 国際業務部門

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

10,098

174

1.72

当連結会計年度

4,511

72

1.59

うち貸出金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち商品有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

うち有価証券

前連結会計年度

9,661

174

1.80

当連結会計年度

4,419

72

1.63

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

当連結会計年度

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引

支払保証金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

当連結会計年度

資金調達勘定

前連結会計年度

(10,350)

10,466

(1)

1

0.01

当連結会計年度

(4,333)

4,384

(0)

0

0.01

うち預金

前連結会計年度

115

0

0.30

当連結会計年度

50

0

0.13

うち譲渡性預金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

当連結会計年度

うち売現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコマーシャル・ペーパー

前連結会計年度

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

当連結会計年度

(注)1 「国際業務部門」とは、当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。

2 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。

 

③ 合計

種類

期別

平均残高(百万円)

利息(百万円)

利回り

(%)

小計

相殺消去額(△)

合計

小計

相殺消去額(△)

合計

資金運用勘定

前連結会計年度

896,222

2,551

893,670

8,485

14

8,470

0.94

当連結会計年度

858,067

2,856

855,211

8,852

16

8,835

1.03

うち貸出金

前連結会計年度

653,739

1,225

652,514

7,331

14

7,317

1.12

当連結会計年度

653,435

1,425

652,010

7,519

16

7,503

1.15

うち商品有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

うち有価証券

前連結会計年度

174,474

596

173,878

1,018

0

1,017

0.58

当連結会計年度

146,668

596

146,071

1,229

0

1,228

0.84

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

当連結会計年度

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引支払保証金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

67,573

730

66,842

135

0

135

0.20

当連結会計年度

57,872

835

57,037

103

0

103

0.18

資金調達勘定

前連結会計年度

896,274

2,055

894,218

54

14

39

0.00

当連結会計年度

863,836

2,360

861,475

51

16

35

0.00

うち預金

前連結会計年度

758,523

730

757,792

38

0

38

0.00

当連結会計年度

744,466

835

743,631

29

0

29

0.00

うち譲渡性預金

前連結会計年度

68,703

100

68,603

3

0

3

0.00

当連結会計年度

69,716

100

69,616

4

0

4

0.00

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

14,876

14,876

△4

△4

△0.02

当連結会計年度

3,005

3,005

△0

△0

△0.00

うち売現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコマーシャル・ペーパー

前連結会計年度

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

54,170

1,225

52,945

16

14

2

0.00

当連結会計年度

46,646

1,425

45,221

18

16

1

0.00

(注)1 グループ内での取引は相殺消去しております。

2 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度16,869百万円、当連結会計年度23,235百万円)を控除しております。

 

(3)国内・国際業務部門別役務取引の状況

 役務取引等収益は、29億8百万円となりました。このうち投信窓販業務が全体の29.1%、預金・貸出業務が全体の18.3%を占めております。一方、役務取引等費用は、13億55百万円となりました。このうち為替業務が全体の2.5%を占めております。

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

2,948

54

36

2,966

当連結会計年度

2,942

0

34

2,908

うち預金・貸出業務

前連結会計年度

560

6

553

当連結会計年度

538

6

532

うち為替業務

前連結会計年度

465

54

4

515

当連結会計年度

447

0

5

442

うち証券関連業務

前連結会計年度

2

2

当連結会計年度

2

2

うち代理業務

前連結会計年度

374

374

当連結会計年度

323

323

うち保護預り・

貸金庫業務

前連結会計年度

59

59

当連結会計年度

53

53

うち保証業務

前連結会計年度

300

25

274

当連結会計年度

295

22

272

うち投信窓販業務

前連結会計年度

666

666

当連結会計年度

846

846

うち保険窓販業務

前連結会計年度

519

519

当連結会計年度

435

435

役務取引等費用

前連結会計年度

1,280

5

34

1,251

当連結会計年度

1,388

0

32

1,355

うち為替業務

前連結会計年度

39

5

4

40

当連結会計年度

39

0

5

34

(注)1 「国内業務部門」とは、当行及び連結子会社の円建取引であります。

2 「国際業務部門」とは、当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。

3 グループ内での取引は相殺消去しております。

 

(4)国内・国際業務部門別預金残高の状況

○ 預金の種類別残高(末残)

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

725,707

97

844

724,961

当連結会計年度

722,684

21

827

721,878

うち流動性預金

前連結会計年度

517,573

796

516,776

当連結会計年度

528,493

779

527,713

うち定期性預金

前連結会計年度

206,651

47

206,604

当連結会計年度

193,111

47

193,064

うちその他

前連結会計年度

1,482

97

1,580

当連結会計年度

1,080

21

1,101

譲渡性預金

前連結会計年度

73,689

100

73,589

当連結会計年度

70,246

100

70,146

総合計

前連結会計年度

799,397

97

944

798,550

当連結会計年度

792,930

21

927

792,024

(注)1 「国内業務部門」とは、当行及び連結子会社の円建取引であります。

2 「国際業務部門」とは、当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。

3 預金の区分は次のとおりであります。

流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

定期性預金=定期預金+定期積金

4 グループ内での取引は相殺消去しております。

 

(5)国内・国際業務部門別貸出金残高の状況

① 業種別貸出状況(末残・構成比)

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内業務部門

660,029

100.00

652,621

100.00

製造業

39,611

6.00

37,347

5.72

農業,林業

966

0.15

1,152

0.18

漁業

209

0.03

171

0.03

鉱業,採石業,砂利採取業

581

0.09

506

0.08

建設業

39,720

6.02

33,999

5.21

電気・ガス・熱供給・水道業

29,458

4.46

27,637

4.23

情報通信業

2,374

0.36

2,878

0.44

運輸業,郵便業

19,893

3.01

17,622

2.70

卸売業,小売業

36,478

5.53

33,315

5.11

金融業,保険業

43,988

6.67

48,377

7.41

不動産業,物品賃貸業

48,539

7.35

46,706

7.16

各種サービス業

49,418

7.49

43,927

6.73

地方公共団体

73,028

11.06

73,500

11.26

その他

275,759

41.78

285,480

43.74

国際業務部門

政府等

金融機関

その他

合計

660,029

652,621

(注)1 「国内業務部門」とは、当行及び連結子会社の円建取引であります。

2 「国際業務部門」とは、当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。

 

② 外国政府等向け債権残高(国別)

 該当ありません。

(6)国内・国際業務部門別有価証券の状況

○ 有価証券残高(末残)

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

36,853

36,853

当連結会計年度

39,193

39,193

地方債

前連結会計年度

8,912

8,912

当連結会計年度

3,860

3,860

短期社債

前連結会計年度

当連結会計年度

社債

前連結会計年度

61,545

61,545

当連結会計年度

68,278

68,278

株式

前連結会計年度

4,268

596

3,672

当連結会計年度

6,478

596

5,882

その他の証券

前連結会計年度

23,916

7,142

31,059

当連結会計年度

12,841

1,575

14,417

合計

前連結会計年度

135,497

7,142

596

142,044

当連結会計年度

130,653

1,575

596

131,632

(注)1 「国内業務部門」とは、当行及び連結子会社の円建取引であります。

2 「国際業務部門」とは、当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。

3 「その他の証券」には、外国債券を含んでおります。

4 グループ内での取引は相殺消去しております。

 

(自己資本比率等の状況)

(参考)

 自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。

 なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。

 

連結自己資本比率(国内基準)

(単位:億円、%)

 

2024年3月31日

1.連結自己資本比率(2/3)

9.61

2.連結における自己資本の額

398

3.リスク・アセットの額

4,139

4.連結総所要自己資本額

165

 

単体自己資本比率(国内基準)

(単位:億円、%)

 

2024年3月31日

1.単体自己資本比率(2/3)

9.38

2.単体における自己資本の額

384

3.リスク・アセットの額

4,097

4.単体総所要自己資本額

163

 

 

(資産の査定)

(参考)

 資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当

行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証し

ているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の

私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上

されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用

貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分す

るものであります。

 

1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権

 破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

 

2.危険債権

 危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

 

3.要管理債権

 要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

 

4.正常債権

 正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

資産の査定の額

債権の区分

2023年3月31日

2024年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

36

48

危険債権

187

207

要管理債権

15

11

正常債権

6,396

6,293

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(業務運営)

当連結会計年度は、「企業価値の更なる向上により、持続可能な経営基盤を確立する」という経営姿勢を掲げ、「第6次中期経営計画」(2023年4月~2026年3月)をスタートさせました。

(法人コンサルティングの取組み)

原材料価格の高騰や人手不足等の影響が懸念される中、事業を営んでおられるお客さまに対しては、資金繰り支援に加え、補助金情報の提供や申請支援の対応を強化するなど、お客さまの実態を踏まえた支援に取り組んでまいりました。また、お客さまが抱える経営課題や地域の産業構造変革に対応するため、事業承継・M&A、ICTコンサルティング、SDGs取組み支援、事業再生支援等にも積極的に取り組んでまいりました。 

(資産形成支援の取組み)

個人のお客さまに対しては、新NISA制度への対応として投資信託ラインナップの充実を図りました。また、住宅ローンについて、東京ローンセンター開設による新たなマーケットの開拓と、若年層の住宅取得ニーズへの対応として取組期間最長50年へ商品改定を行いました。

 

(財政状態)

当連結会計年度の主要勘定は、以下のとおりとなりました。

預金(譲渡性預金を含む)の期中平均残高につきましては、個人預金及び法人預金が減少したことから、前連結会計年度比131億円減少して8,132億円となりました。原材料価格の高騰に伴う物価の上昇や人手不足に伴う人件費の引上げの影響などから、余裕資金が徐々に減少してきたこと等によるものと考えております。

預金については資金調達手段の源泉であることから、今後も法人取引先の預貸率の向上など、取引状況に見合った預金の積上げを図ってまいります。

貸出金の期中平均残高につきましては、中小企業向け貸出は減少したものの、住宅ローンの増加などにより個人向け貸出が増加したことなどから、前連結会計年度比ほぼ横ばいの6,520億円となりました。

有価証券の期中平均残高につきましては、内外金利の上昇をうけて、保有有価証券のポートフォリオの見直しに伴う売却等を行ったことなどから、前連結会計年度比278億円減少して1,460億円となりました。

 

主要勘定の期中平均残高

前連結会計年度

(億円)(A)

当連結会計年度

(億円)(B)

増減(億円)

(B)-(A)

預金(譲渡性預金を含む)

8,263

8,132

△131

貸出金

6,525

6,520

△5

有価証券

1,738

1,460

△278

 

また、当連結会計年度末における連結ベースの開示債権残高は267億円で前連結会計年度末比27億円増加し、総与信に占める比率は4.07%で前連結会計年度末比0.46ポイント上昇しました。

なお、開示債権残高合計に係る担保・保証並びに貸倒引当金の計上による保全割合は9割を超えております。

開示債権残高

(総与信に占める比率)

前連結会計年度末

(億円、%)(A)

当連結会計年度末

(億円、%)(B)

増減(億円、%)

(B)-(A)

開示債権残高合計

240(3.61)

267(4.07)

27(0.46)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

37(0.55)

49(0.74)

12(0.19)

危険債権

188(2.83)

207(3.15)

19(0.32)

三月以上延滞債権

0(0.00)

1(0.00)

0(0.00)

貸出条件緩和債権

15(0.22)

11(0.16)

△4(△0.06)

(注)表中( )内は、総与信に占める比率であり、金額は表示単位未満を四捨五入しております。

 

(経営成績)

経常収益は、貸出金利息の増加等に伴い資金運用収益が増加したことなどから、前連結会計年度比5億55百万円増加して135億79百万円となりました。

一方、経常費用は、営業経費は減少したものの、国債等債券売却損の増加に伴うその他業務費用の増加などから、前連結会計年度比6億80百万円増加して116億86百万円となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度比1億24百万円減少して18億92百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比27百万円減少して12億55百万円となりました。

〔主な収支の内訳〕

連結業務粗利益は、資金利益は増加したものの、その他業務利益の減少を主因に、前連結会計年度比6億77百万円減少して84億84百万円となりました。

資金利益は、貸出金利息の増加を主因に、前連結会計年度比3億69百万円増加して88億円となりました。

貸出金においては、中小企業向け貸出は減少したものの、住宅ローンの増加などにより個人向け貸出が増加したことなどから、平残ベースで前連結会計年度比ほぼ横ばいとなりました。一方、利回りについては前連結会計年度比上昇しており、利回りの上昇が利息増加の主な要因であります。今後も、地域金融機関として事業者向け貸出や住宅ローンを中心に残高の増加に努めるとともに、適正金利の確保を図ってまいります。

役務取引等利益は、昨年2月末をもって終了した「ブラジル向け送金サービス」業務の影響による受入為替手数料の減少や、住宅ローンの増加に伴う役務取引等費用の増加などにより、前連結会計年度比1億62百万円減少して15億52百万円となりました。今後も引き続き個人向けサービスの充実や、事業承継・M&A、ICTコンサルティング、SDGs取組み支援、事業再生支援など法人コンサルティングの強化に努めてまいります。

その他業務利益は、前連結会計年度比8億84百万円減少して△18億68百万円となりました。これは、ポートフォリオの見直しに伴い保有有価証券の入れ替れを行い、国債等債券売却損を計上したことが主因でありますが、今後も引き続き、リスク管理を適切に行いながら、相場変動に強いポートフォリオの構築を目指してまいります。

営業経費は、前連結会計年度比78百万円減少して71億80百万円となりました。

その他損益は、前連結会計年度比4億73百万円増加して5億88百万円となりました。これは、与信関連費用の減少及び株式等関係損益の増加によるものであります。

これらの結果、経常利益は前連結会計年度比1億24百万円減少して18億92百万円となりました。

主な収支の内訳

前連結会計年度

(百万円)(A)

当連結会計年度

(百万円)(B)

増減(百万円)

(B)-(A)

経常収益

13,023

13,579

555

業務粗利益

9,162

8,484

△677

資金利益

8,431

8,800

369

資金運用収益

8,470

8,835

365

うち貸出金利息

7,317

7,503

186

うち有価証券利息配当金

1,017

1,228

211

資金調達費用       (△)

39

35

△4

役務取引等利益

1,715

1,552

△162

役務取引等収益

2,966

2,908

△58

役務取引等費用      (△)

1,251

1,355

104

その他業務利益

△983

△1,868

△884

その他業務収益

1,123

1,134

10

その他業務費用      (△)

2,107

3,002

894

国債等債券損益

△1,051

△1,862

△811

営業経費           (△)

7,259

7,180

△78

その他損益

114

588

473

うち株式等関係損益

53

230

177

うち与信関連費用      (△)

263

△136

△399

うちその他

324

221

△103

経常利益

2,017

1,892

△124

 

 

特別損益は、前連結会計年度比13百万円減少して△30百万円となりました。

また、法人税等合計は、課税所得の減少に伴い税金費用が減少したことなどから、前連結会計年度比97百万円減少して5億91百万円となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比27百万円減少して12億55百万円となりました。

 

主な収支の内訳

前連結会計年度

(百万円)(A)

当連結会計年度

(百万円)(B)

増減(百万円)

(B)-(A)

経常利益

2,017

1,892

△124

特別損益

△16

△30

△13

税金等調整前当期純利益

2,000

1,862

△138

法人税等合計         (△)

689

591

△97

非支配株主に帰属する当期純利益(△)

28

14

△13

親会社株主に帰属する当期純利益

1,283

1,255

△27

 

 

(経営方針等に照らした、経営者による経営成績等の分析・検討内容)

第6次中期経営計画(2023年4月~2026年3月)において目標に掲げた経営指標に対し、計画初年度の達成状況については以下のとおりであります。

目標項目

2023年度

到達目標

実績

コア業務純益(除く投資信託解約損益)

最終年度30億円以上

27.7億円

当期純利益(単体)

毎期12億円

12.1億円

ROE(当期純利益ベース)

毎期3.5%以上

3.42%

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比51百万円減少して719億32百万円となりました。減少の要因は、主に営業活動によるキャッシュ・フローの減少によるものであります。

なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

営業活動によるキャッシュ・フローは、借用金の減少などから△91億13百万円(前連結会計年度比837億13百万円増加)となりました。

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

投資活動によるキャッシュ・フローは、保有有価証券のポートフォリオの見直し等に伴う売却及び償還による収入が取得による支出を上回ったことなどから94億23百万円(前連結会計年度比219億29百万円減少)となりました。

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などから△3億61百万円(前連結会計年度比23百万円増加)となりました。

 

 

前連結会計年度

(百万円)(A)

当連結会計年度

(百万円)(B)

増減(百万円)

(B)-(A)

現金及び現金同等物の期末残高

71,983

71,932

△51

営業活動によるキャッシュ・フロー

△92,826

△9,113

83,713

投資活動によるキャッシュ・フロー

31,352

9,423

△21,929

財務活動によるキャッシュ・フロー

△384

△361

23

 

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当行グループの中核事業は銀行業であり、主にお客さまからお預け入れいただいた預金を貸出金や有価証券で運用しております。

なお、当面の設備投資、成長分野への投資、株主還元等につきましては自己資金で対応する予定であります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当行及び連結子会社において、総資産に占める貸出金の比率は高く、「貸倒引当金の計上」が経営成績等に与える影響が大きいため、重要な会計上の見積りであると認識しております。

当該見積り等の内容は、第5 経理の状況 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当ありません。

 

6【研究開発活動】

該当ありません。