第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」というロマン(志)を社員一人ひとりの行動の原点として共有し、当社グループの力を結集して長期ビジョンの実現に全力を尽くすことを企業活動の指針としております。

そのため、グローバルチェーンの確立により、世界のより多くのお客様に、品質が維持された商品をお求めになりやすい価格で提供すること、並びに住空間をトータルコーディネートする楽しさを提案することを基本方針としております。

(2) 目標とする経営指標と中長期経営戦略

[2032年度ビジョン3,000店舗3兆円 / 2025年度買上客数2億人以上]

当社グループは、「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」というロマンを実現するために、中長期ビジョンである「2032年3,000店舗3兆円」の達成に向けた経営戦略を策定しております。また、社会貢献のバロメーターは増え続けるお客様の数であるとし、中間目標として「2025年度買上客数2億人以上」を掲げ、会社が対処すべき課題を5か年計画(2021年度から2025年度)として策定し、実行しております。以上のような当社グループの掲げる壮大なロマンとビジョンを実現するために、事業活動にかかわる全ての人々と信頼関係を構築し、「製造物流IT小売業」というビジネスモデルを通じ、社会における共有価値を創出し相互繁栄を図ってまいります。

[中長期経営戦略]

事業領域の拡大と顧客の支持獲得

世界情勢の不確実性の高まりや、日本国内の人口減少・少子高齢化・単身世帯や共働き世帯の増加・低所得化の進行、テクノロジーの進化による購買行動や価値観の多様化等、大きなビジネス環境の変化に直面しています。

既存事業においては、今まで以上に魅力ある品揃え、品質、価格を実現し、客層の拡大と客数の増加を図ってまいります。

利用頻度が高いホームセンター事業においては、当社グループの強みを活かして、品揃え、品質、価格に、より磨きをかけて、客数の増加を図る一方、ローコストオペレーションを一層推し進めることで利益の拡大に努めてまいります。

また、お客様から支持し続けていただけるよう、変容する消費者のニーズ・ウォンツに対応した商品開発や、変わりゆく消費者の買い方に応じた販売方法に変革をしてまいります。

② グローバルチェーン展開の加速

中国大陸においては、上海市、天津市、北京市に続き、重慶市にも出店し、全ての直轄市に出店をいたしました。今後は更なるエリアの拡大と、ドミナント化を加速し、事業を拡大してまいります。

台湾においては、新規フォーマットも視野に、更なる事業の拡大を進めてまいります。

また、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、香港、韓国に続いて、2024年以降は、フィリピン、インドネシア、インドにも出店を計画し、経済成長に伴い中間所得者層が急激に伸びるアジア各国・各地域における事業を拡大してまいります。

③ サプライチェーンマネジメント・IT・組織戦略によるビジネス基盤改革

長期ビジョンの実現を下支えするビジネス基盤として、創業以来培ってきたサプライチェーン全般を自社ネットワークでコントロールする「製造物流小売業」の姿を、近年いっそう重要性が増すデジタルテクノロジーの活用により「製造物流IT小売業」へと進化させ、さらに発展させてまいります。そして、中長期経営戦略に沿った組織戦略と、従業員のキャリアアップとライフイベントとを両立させる人事制度により、従業員一人ひとりの成長を企業の成長の機動力とし、グループとしてロマン実現と社会貢献を果たしたいと考えております。これらにより、当社グループの持つ店舗網・物流網・自社EC等の多様なチャネルの強みを最大限に活用するビジネス基盤を構築し、成長を加速させてまいります。

④ ビジネス領域拡大に向けたM&A、アライアンスの推進

双方にとってのスケールメリットなど、事業や機能といった強化の両面からM&Aも視野に入れ、戦略的なアライアンスを模索してまいります。

⑤ 社会課題解決とロマン実現を両立するサステナビリティ経営

「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。

(3) 会社の対処すべき課題

上記に掲げた中長期経営戦略に基づき、3つの重点課題を中心とした5か年計画(2021年度から2025年度)を策定し、実行しております。

① 事業領域と地域の拡大

国内事業については、当社グループの核事業である家具・ホームファニシング専門店のニトリに加え、小型フォーマットであるデコホーム、アパレルブランドのNプラス、子会社化したホームセンターの島忠等により事業領域を広げ、より多くのお客様のより多くの生活シーンをカバーするべく店舗数を拡大しドミナントエリアを構築します。また、島忠をはじめとするグループ企業・事業・ブランド間のシナジーを最大化し、より便利で楽しい買い物体験を提供してまいります。

海外事業につきましては、これまで戦略的に踊り場を作り、仕組み・システム・教育体制の構築に集中してまいりました。今後、中国及びASEAN地域を中心に出店を再加速させてまいります。

(イ) 国内ホームファニシング事業(ニトリ・デコホーム・通販事業)

今後も、当社グループの核事業として成長を持続してまいります。より多くのお客様に楽しんでいただけるよう、家電やキッズ・ベビー用品などの品揃えも充実させ、コーディネート提案の強化も進めてまいります。

また、お客様一人ひとりの購買体験が向上するよう、実店舗との連携や最新情報の提供によって、オンラインとリアルの垣根のないシームレスな消費行動を支えるECとアプリを構築してまいります。

そして、ECサイトの品揃えや、全国に有する店舗や配送網を一層拡充させ、お客様が欲しい商品を、気軽に、便利に受け取ることができる購買体験の提供を実現してまいります。

(ロ) ホームセンター事業(島忠)

利用頻度が高いホームセンター事業においては、当社グループの強みを活かして、品揃え、品質、価格に、より磨きをかけ、ホームセンター本来のDIYや園芸といったカテゴリーを強化し、客数の増加を図る一方、ローコストオペレーションを推し進めることで、利益の拡大に努めてまいります。

(ハ) 海外販売事業

中国大陸においては、上海市、天津市、北京市に続き、重慶市にも出店し、全ての直轄市に出店をいたしました。今後は更なるエリアの拡大と、ドミナント化を加速し、事業を拡大してまいります。

台湾においては、新規フォーマットも視野に、更なる事業の拡大を進めてまいります。

また、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、香港、韓国に続いて、2024年以降は、フィリピン、インドネシア、インドにも出店を計画し、経済成長に伴い中間所得者層が急激に伸びるアジア各国・各地域における事業を拡大してまいります。

(二) その他育成事業

30代~50代の大人の女性のアパレルブランドNプラスは、年齢を重ねながらも若々しさや感性を失わない「大人の女性」が毎日着たいと思うファッションを提案していきます。引き続きビジネスモデルを確立させ多店舗展開を行ってまいります。

② 顧客中心の経営~商品開発・業態~

当社グループでは、お客様から更なるご支持をいただけるよう、お客様の「声」を商品開発や売場提案につなげられるよう、言葉の掘り起こしを仕組化してまいります。

また、従来のマスマーケティングで捉えきれない消費者を「個客」として捉えるビジネスに進化させるため、アプリを中核とした顧客分析機能の強化と、アプリ会員を中心としたお客様との継続的な関係構築を強力に進めてまいります。2025年度におけるアプリ会員数の目標を2,500万人とし、アプリを通じたオンラインとオフラインの融合施策により、お客様の買物利便性を向上させ、購買頻度や年間買上品目数の増加、さらにはLTV(ライフタイムバリュー)の向上につなげてまいります。

従来の店舗やEコマースでの販売に加え、テクノロジーを使用した遠隔でのカーテンや家具などの接客・販売やライブコマース等、顧客との新たな接点・販売チャネルを強化してまいります。加えて、コロナ禍における消費者のショートタイムショッピング・非接触・セルフサービス等のニーズの高まりを踏まえ、接客の無人化・セルフレジ導入・お客様自身で必要な情報を探せるアプリの店内モード等の業態変革を推進してまいります。

③ グローバルサプライチェーンマネジメント戦略

今後、グローバルでの出店が急速に進み、グループの販売拠点と製造・調達先がグローバルの各地域に複雑にまたがっていくことが予測される中、商品供給の短納期化と原材料費や輸送費高騰による原価上昇の抑制に取り組んでまいります。また、環境の変化や地政学リスクに対し安定的な商品供給を実現するために、サプライチェーンの在り方をより最適な形へと進化させてまいります。

また、国内の物流網につきましては、DC拠点の最適な配置と機能の集約を柱とし、オペレーション、発送・宅配網の整備、業務プロセスを改革テーマとして掲げ、石狩DC(北海道石狩市)、神戸DC(兵庫県神戸市)に続いて、2024年度以降は、約2,000億円を投資し、全国6箇所にDCを整備し、ローコストの実現とともに在庫やリードタイムの適正化を図ってまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、独自のビジネスモデル「製造物流IT小売業」を通じて、お客様の快適な暮らしと環境・社会課題の解決を両立した事業推進に努め、7つのサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)を特定し、その重要課題に基づき、持続可能な社会の実現を目指しております。

気候変動への対応として、TCFD提言への賛同を表明しており、温室効果ガス削減目標をはじめとするTCFD提言に基づく情報開示を実施しております。

資源循環の取組みとして、当社グループは、「未来にいいこと。みんなにいいこと。」のキャッチフレーズのもと、「つくる」「はこぶ」「つかう」「つかいおわったあと」それぞれの段階で、環境に配慮したものづくりやサービスを「Nitori’s ecology」と位置付け、サステナブルな取組みを進めております。

中でも「Nitori’s ecology」における「つかいおわったあと」の取組みとしては、販売元や状態に関わらずお持ち込みいただけるカーテン回収においては、2023年6月より、ニトリ及び島忠の全店舗において、カーテンのお持ち込みの常時受付を開始いたしました。また、2023年10月から12月において羽毛ふとんの回収も実施いたしました。同時期に販売を開始した「再生羽毛」使用の羽毛ふとんは、1枚あたりの再生羽毛使用量を大幅に増やし、より一層限りある資源を守る取組みへとつながりました。さらに、2024年1月からは期間限定で、一部店舗において、不要なタオルを回収する取組みを実施しております。今回のタオルの回収はニトリ初となる試みです。お客様よりお持ち込みいただいたタオルは、ウエス (油や汚れを拭き取る布製品)としてリサイクルし、自社物流拠点等での再活用を予定しております。これにより「新しい資源をできる限り使わず、限りある資源を守る」といった、自社内での循環の仕組みを構築してまいります。また、第72回日経広告賞(主催:株式会社日本経済新聞社)において、8,000点を超える作品の中から、「環境部門 最優秀賞・環境大臣賞」に「リサイクル原材料を使用したカーペット製造」「カーテンのリサイクル回収の取組み」のシリーズ広告が選定されました。

また、当社グループでは、環境・社会課題に配慮して調達することを目的とし、サプライチェーン全体で「持続可能な調達」を推進しています。中でも、「持続可能な木材調達」においては、森林破壊や違法伐採、人権侵害とは無関係なサプライチェーンの構築を目指しており、サプライヤーとともに生物多様性にも配慮したトレーサビリティの 仕組みづくりを行ってまいりましたが、仕組みの構築もおおむね完了し、2023年度からトレーサビリティの本番運用を開始しております。

また、当社グループがサステナビリティの重要課題の一つとして取り組んでいる「地域社会への貢献」の一環として、戦禍によって日本へ避難されているウクライナ避難民の方々が自立した生活を送れるよう、生活支援及び就労支援を実施しております。生活支援では、株式会社ニトリと当社代表取締役会長似鳥昭雄個人の寄付を原資として、公益財団法人似鳥国際奨学財団を通じて、ウクライナ避難民の方々を対象に1人あたり月額8万円 (20歳未満の方は月額4万円)の生活支援金を毎月支給しており、就労支援では、全国の当社グループの店舗や 物流拠点への就労機会を提供しております。さらに、2024年1月に発生した能登半島地震においては、震災発生後直ちに被災自治体と連携して布団や枕、スリッパなど生活必需品の寄贈を行ったほか、2024年3月には株式会社クレディセゾンと協同して、同社及び同社カード会員並びに当社からの寄付を原資とした総額1.2億円の被災地支援の枠組みを構築いたしました。今後も同枠組みの中から、被災地に順次建設されている仮設住宅等に向けて、暮らしに寄り添う「ニトリ商品」での支援を行ってまいります。

また、サステナビリティ経営推進体制については、取締役会直下の組織として「サステナビリティ経営推進委員会」を位置づけ、代表取締役社長が委員長をとしてリーダーシップ取り推進する体制としているほか、専任部署(事務局)として「SDGs推進室」を設置しております。

「サステナビリティ経営推進委員会」は、気候変動をはじめとする環境・社会課題に対し、リスクと機会の観点から、国内のみならずグローバルでのESG課題への対応を進め、ビジネスモデルのレジリエンス強化と企業としての社会的責任を果たすため、各マテリアリティの目標を達成するための取組みを実施しております。当社取締役会は、サステナビリティ経営推進委員会の取組みの進捗状況に応じた助言等を行い、当社グループとしての方向性と対応策等を決定しております。

今後も、サステナビリティを経営の重要課題と位置づけ、企業として求められる環境・社会課題解決への取り組みを推進してまいります。

 

(1)気候変動に関する取り組み

  ①ガバナンス

当社グループでは、気候変動への対応を重要な経営課題と捉えております。

当社代表取締役社長を委員長とした「サステナビリティ経営推進委員会」においては、サステナビリティ全般に関する課題をグループ全体で把握し、「サステナビリティ経営推進会議」においては、事業会社の部門責任者を構成員とし、具体的な対応策や目標設定について協議しております。

その議論・決定内容は取締役会に報告され、取締役会においては、当社グループで実施する対応策の承認と必要な助言を行っております。

気候変動への対応については、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)の一つである「環境に配慮した事業推進」の活動の一環としてアプローチを進めてまいります。気候変動への対応を含む当社グループのサステナビリティに関わる取り組みの進捗は、年一回以上取締役会に報告する運用としております。

 

(サステナビリティ推進体制)


 

(サステナビリティ重要課題(マテリアリティ))

1.「お、ねだん以上。」の商品・サービス提供による豊かな暮らしへの貢献

2.品質管理の徹底による製品安全・安心の提供

3.環境に配慮した事業推進

4.サプライチェーンにおける公平公正な取引と人権尊重

5.地域社会への貢献

6.働きがいのある環境づくりとダイバーシティの推進

7.実効性のあるコーポレート・ガバナンス

各マテリアリティに対する当社グループのアプローチや主に関連するSDGsの項目等詳細については、当社WEBサイト(https://www.nitorihd.co.jp/sustainability/policy/#policy-4)内に記載しております。

 

  ②戦略

温暖化防止の状況により、気候変動は様々なシナリオが考えられますが、当社グループでは代表とされる「+4℃」シナリオと「+2℃(未満)」シナリオについてサステナビリティ経営推進体制の下で検討いたしました。

「+4℃」シナリオにおいては、十分な対策がなされずに酷暑と激甚な暴風雨が発生することが想定されるため、物理リスクの影響を中心に検討し、「+2℃(未満)」シナリオにおいては、温暖化抑止に向けて技術革新や規制強化が進み、社会が変化することが想定されるため、移行リスクの影響を中心に検討いたしました。

 

リスク

重要な変化

主なリスク

主な取り組み

+4℃シナリオ

「物理リスク」
の影響大

・台風洪水等異常気象の激甚化(急性リスク)

・平均気温の上昇(慢性リスク)

・工場被災による生産停止・復旧コスト増加

・商品・原材料供給網の寸断

・販売シーズンのズレによる商品価値の低下

・事業継続リスクや保険料・運営コスト上昇

・被災時の店舗休業による機会損失

・従業員の安全に係る脅威

・複数サプライヤーからの調達

・産地分散、グローバルマーチャンダイジング

・商品販売時期の適正化、消化率向上

・事業継続計画(BCP)の見直し

・安否確認システムの見直し、定期訓練、災害備蓄品の確保

+2℃(未満)
シナリオ

「移行リスク」
の影響大

・脱炭素化

・政策

・法規制強化

・技術革新

・エネルギーコスト上昇

・再生可能エネルギー・省エネルギー対応設備投資の増加

・「炭素税」や「カーボンプライシング」の導入による事業コスト増加

・原材料の高騰

・市場評価や評判の低下

・再生可能エネルギーの活用拡大

・エネルギー使用の効率化、低排出技術の活用

・グリーンロジスティクスの推進

(共同輸送・モーダルシフト)

・原材料の脱炭素化

・再生原材料の活用

 

 

機会

重要な変化

主な機会

主な取り組み

+4℃シナリオ

「物理リスク」の影響大

・台風洪水等異常気象の激甚化(急性リスク)

・平均気温の上昇(慢性リスク)

・商品供給体制のレジリエンス(強靭性)確保

・被災時の店舗の早期営業体制の構築

・産地分散、グローバルマーチャンダイジング

・サプライチェーンマネジメントの確立

・事業継続計画(BCP)の見直し

+2℃(未満)
シナリオ

「移行リスク」の影響大

・脱炭素化

・政策

・法規制強化

・技術革新

・新たな顧客ニーズの高まり(価値観の変化)への対応(エシカル消費、省エネ・省資源化ニーズ等)

・生産力・資産価値の向上と差別化

・公的支援(減税等)の活用

・市場評価や評判の向上

・環境配慮型機能性商品づくりの推進

・循環型商品づくり(サーキュラーエコノミー)の推進

・独自のビジネスモデルと事業領域の拡大

・社会課題解決ノウハウの事業化

 

 

 ③リスク管理

当社グループは、気候変動関連の規制や事業への影響等のリスク要因を幅広く情報収集・分析を実施しております。

留意すべき重要な機会とリスクについては各事業部の環境部門責任者が参画する「サステナビリティ経営推進会議」で評価・特定しております。

評価・特定されたリスク・機会については、前述のサステナビリティ経営推進体制の下で監督・モニタリングし、リスク・コンプライアンス委員会と問題を共有することで、組織の総合的リスク管理を統合しております。

 

 ④指標及び目標

温室効果ガス排出量削減目標として、スコープ1+2の排出量(海外拠点含む)削減を以下のとおり目指します。

2030年度 2013年度比で50%削減

     (売上高1億円あたり排出量)

2050年度 カーボンニュートラル

     (排出量実質ゼロ)

 

また今後、お客様の商品使用段階における排出量削減も含めた環境配慮型機能性商品の開発や、資源循環への取り組みを推進し、スコープ3における排出量削減に関する開示についても検討してまいります。

 

(施策)

上記目標を達成するための施策として、再生可能エネルギーの利活用や、エネルギー効率の高い電気・ガス設備への入替え、当社グループ施設への熱遮断性の高い建築方法・建築素材の採用等、複数の施策を進めてまいります。また、これらの温室効果ガス削減につながる設備投資を促進するため、将来見込まれるカーボンコスト(炭素税・排出量取引等)を踏まえた投資判断を行うためのツールとして「インターナルカーボンプライシング(ICP:社内炭素価格)」を2023年度から導入しております。なお、再生可能エネルギーの利活用につきましては、一部ニトリ店舗にて太陽光発電の稼働を開始いたしました。太陽光パネルを設置した店舗で使用する分以上の電力を発電し、その余剰電力を当社グループの他店舗に供給する循環型の仕組みとなっており、順次、物流拠点も含めて拡大してまいります。さらに、当社グループのニトリ及び島忠の約300店舗に、実質100%再生可能エネルギーによる電気自動車用充電インフラを構築し、お客様の利便性向上に加え、温室効果ガスの削減にも貢献してまいります。

 

(進捗)

中間目標:   2030年度 2013年度比で50%削減(売上高1億円あたり排出量)

2023年度進捗: 2013年度(売上高1億円あたり排出量原単位 33.6t-CO2)比で32.8%削減

 

温室効果ガス排出量

単位

2013年度
(基準年)

2021年度

2022年度

2023年度

 グループ合計

t-CO2

183,904

215,014

226,082

202,223

 

スコープ1 国内

t-CO2

33,980

23,660

26,166

22,451

 

スコープ1 海外

t-CO2

244

4,472

5,831

4,499

 

スコープ2 国内

t-CO2

143,533

138,454

141,133

128,942

 

スコープ2 海外

t-CO2

6,147

48,428

52,952

46,331

原単位

t-CO2/億円

33.60

26.49

23.85

22.57

売上高原単位削減率(2013年度比)

△ 21.2%

△ 29.0%

△ 32.8%

 

 

 ※当社及び連結子会社が対象範囲

  国内:店舗(ニトリ・デコホーム・Nプラス・島忠・みんなのグリル)・ホームロジスティクス

         本社本部(札幌・東京・大阪・大宮・目黒)・ホームデコ等

  海外:店舗(中国大陸・台湾・韓国・香港・マレーシア・タイ・シンガポール・ベトナム・アメリカ)

         事務所・倉庫・製造工場(ニトリファニチャー・サイアムニトリ)

 

(2)多様性の確保に向けた人材育成方針と社内環境整備方針

当社グループは、社会に貢献する真のスペシャリストの育成を目指し、幅広い領域の配転教育により人材力を高め、「多数精鋭」の組織づくりの実現を目指しております。業界や職種の垣根を越えた課題解決を余儀なくされる今の時代に求められるのは、広範囲にわたる領域の知見を活かし、幾多の専門性を組み合わせてイノベーションを起こせる人材であり、当社グループは配転教育によって個人が専門性の柱を増やし、広い視野から課題を解決に導ける「ニトリ型スペシャリスト」を数多く輩出しております。この強力な“多数精鋭”の組織を強みに、今後も持続的成長を目指します。

また、当社グループは従業員一人ひとりの人権を尊重し、職場におけるあらゆるコミュニケーションにおいて、多様性が損なわれないように調和を図り、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しております。結婚や出産、育児、介護や、国籍、LGBTQなどさまざまな事情や背景をもつ従業員が、互いを認め合い、尊重し合える企業文化を醸成することで、働きがいのある環境がつくられ、企業成長にも繋がると考えております。

今後も中長期経営戦略の実現に向けて、多様な人材が個々の力を最大限発揮できる環境の整備を進めてまいります。

 

  ①女性の管理職への登用について

当社グループの管理職における女性比率は増加傾向にあり、㈱ニトリと㈱島忠とを合計した管理職に占める女性労働者の割合は17.5%となっております。当社グループは、ライフイベントの到来等の個々の事情を踏まえ、女性管理職ポストの拡大、短時間勤務で活躍可能なポストの拡充、より利用しやすい支援制度の実現等について、全社員を対象としたアンケートや、取締役を交えた定期的な討議を実施しております。また、従業員のワークライフバランス向上を目的として、2023年には転勤なし・報酬の減額なしの「マイエリア制度」を導入するなど、多様な働き方が選択できるように取り組みを行っております。

今後も女性のキャリア形成を支える環境整備を進め、2030年代には女性管理職比率を40%程度まで高めることを目指します。

 

  ②外国人の管理職への登用について

「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」というロマンを実現し、2032年度ビジョン3,000店舗3兆円を達成すべく、当社グループはグローバル展開を加速してまいります。その方針に基づき外国人採用を進めており、現地法人におけるローカル採用を中心に、広く外国人の管理職登用を行っております。今後も外国人の管理職登用を進め、外国人管理職比率の向上を目指します。

 

  ③中途採用者の管理職への登用について

当社グループは、事業領域及び事業規模拡大に必要なスペシャリストのスカウトを継続的に行っており、取締役・経営幹部のみならず全社に中途採用者の活躍の場を用意しております。今後も、2032年度ビジョンの達成に向けて必要となるスペシャリストのスカウトを継続し、中途採用者管理職比率の向上を目指します。

 

 

3 【事業等のリスク】

⑴当社のリスクマネジメント体制

当社は、当社グループ内で発生しうる様々なリスクに対し、発生防止と適切なリスク対応を行うため、2009年に「リスク管理規程」を定め、当社グループの企業価値にマイナスの影響を及ぼす恐れのあるリスクを軽減するため、当社代表取締役社長を最高責任者とし、各グループ会社の社長等を各社のリスクマネジメント責任者とする全社横断的なリスクマネジメント体制を確立しています。

また、全社的なリスクマネジメントの向上を図ることを目的に、「リスク・コンプライアンス委員会」、「サステナビリティ経営推進委員会」を設置し、討議部門である「社内役員会」等で審議することにより、それぞれが関係するリスクを管理し、当社グループに影響を及ぼすリスクの特定と評価を定期的に実施しております。

<ガバナンス体制図>


具体的な活動として、「リスク・コンプライアンス委員会」は、企業価値毀損の未然防止・最小化の視点から、当社グループ全体に内在するリスクとその状態を把握し、当社グループ全社のリスク対策方針の決定や各種ガイドライン設計を行うとともに、毎年当社グループリスクリストを見直ししております。当社取締役会は、リスク・コンプライアンス委員会の取組みの進捗状況に応じた助言等を行い、(4)重要な事業リスクに記載するリスクを中心に議論のうえ、リスク対策の検討を行っております。

<リスクマネジメント体系図>


「サステナビリティ経営推進委員会」は、気候変動をはじめとする環境・社会課題に対し、リスクと機会の観点から、国内のみならずグローバルでのESG課題への対応を進め、ビジネスモデルのレジリエンス強化と企業としての社会的責任を果たすため、各マテリアリティの目標を達成するための取組みを実施しております。当社取締役会は、サステナビリティ経営推進委員会の取組みの進捗状況に応じた助言等を行い、当社グループとしての方向性と対応策等を決定しております。

これらの活動の他に、3つのディフェンスライン(グループ会社事業部門等を第1ディフェンスライン、グループ各社の管理部門と機能会社を第2ディフェンスライン、内部統制部門を第3ディフェンスライン)の考え方で、個々のリスク管理の担当と役割を定め、現場と経営層がリスク情報を共有するガバナンス体制を構築しています。

 

⑵当社のクライシスマネジメント体制

当社グループでは、大規模な災害や事件・事故等のインシデントが現実に発生した場合に備えるため、2008年に「危機管理規程」を制定し、企業価値の損失を最小限に抑制することを目的に、BCP基本方針を定めております。

その基本的な行動指針は、以下のとおりです

1.『お客様、従業員、地域住民の人命尊重を最優先します。』

2.『危機発生時においては、可能な限りの安全確保を行い、地域社会貢献のための事業継続をすみやかに再開します。』

また、重大インシデント発生時には、当社リスク対策担当執行役員が本部長となる「災害復旧対策本部」又は「事件・事故対策本部」を立上げ、初期対応を円滑に進めるこどで、グループ経営に及ぼす影響を最小限にとどめる体制を整えております。

なお、被害の規模が大きい非常事態の場合は、当社代表取締役社長が本部長を担うこととしております。

<クライシスマネジメント体制図>


 

⑶リスクマネジメント評価体制

当社グループは、各グループ会社における自律的なリスク管理を基本とし、その中でもリスクの対応状況について、当社取締役会の事前審議機関となる社内役員会等が定期的に監督しております。

また、リスク・コンプライアンス委員会は、年度ごとの経営環境の変化に対して、特に影響が大きい(又は大きくなる可能性の高い)リスクを「重要リスク」ととして特定し、社内役員会にて討議の上、当期のグループ重要リスクとして選定しており、そのプロセスは、次のとおりです。

 ①リスクの特定・・・時期:7月~9月、全社リスクの網羅的な洗出し

 ②リスクアセスメント・・・時期:10月~11月、各社各部署のリスクマネジャーによるセルフ評価

 ③「重要リスク」の特定・・・時期:12月、重要リスクの選定、社内役員会の事前審議による当社取締役会報告

 ④重要リスク対策の策定・・・時期:1月~3月、次年度リスク対応計画策定

⑤対応計画の推進・モニタリング・・・時期:翌年度、リスク対策実施状況の四半期評価、半期・期末のモニタリング

なお、当社取締役会は、リスク・コンプライアンス委員会からの報告を議論のうえ、年間目標を決定しております。

 

<リスク評価プロセス>


上記、リスク評価プロセスに基づき、特に当社グループの企業価値の損失影響の高いリスクを「重要リスク」としております。2023年度における当社グループが対策を行った「重要リスク」は次のとおりです。

<重要リスク> 2023年度(2023年4月1日~2024年3月31日)

①災害リスク

②感染症リスク

③情報セキュリティリスク

④品質リスク

⑤公正取引に関する法令違反リスク

⑥風評リスク

⑦経済安全保障リスク

⑧為替変動リスク

なお、各社事業部門や各社管理部門における年度経営計画のコミットメント達成を阻害する可能性があるリスクで、「重要リスク」として選定されないリスクについては「機能別リスク」と定め、当該年度に重点的に取り組むものは各社各部署のコミットメントとしてリスク対策のPDCA体制が継続的に行われるように管理を強化しています。

<リスクマップ>


 

⑷重要な事業リスク

経営者が当社グループの業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりです。

ただし、これらは当社グループにかかる全てのリスクや不確実性を網羅したものではなく、現時点において予見できない、あるいは重要とみなされていない他の要因の影響を将来的に受ける可能性があります。

当社グループを取り巻くリスクや不確実性に関して、当社グループでは取締役会の事前審議機関となる社内役員会等において定期的に議論し、これらのリスクや不確実性を機会として活かす、あるいは低減するための対応を検討しています。その検討結果は、取締役会へ報告・議論されており、以下に記載したリスクや不確実性には、取締役会における議論も反映しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年3月31日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

①為替変動に関するリスク

当社グループは、「使う・買う」立場に立って、全ての商品で「お、ねだん以上。」の実現を目指すため、商品の約90%をプライベートブランドとして開発輸入しております。そのため、外貨建取引について為替予約の実行や、輸入為替レートの平準化を図ることで、仕入コストの安定化を推進しておりますが、各国基軸通貨に対して、米ドル高が急激に進む場合、為替相場の変動が当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対して、当社グループは外貨建取引について為替予約の実行や、海外子会社においては決済通貨を米ドルにすることで、相対的に為替変動を抑えるように努めております。

また、「デリバティブ基本方針」に基づき、為替予約を利用したヘッジ取引を機動的に行うことで対応するとともに、当社取締役会にて情報の共有化とモニタリングを実施しております。

 

②商品の海外調達に関するリスク

当社グループは、適正な品質を維持しながら、どこよりも安い価格で商品を提供するため、販売する商品の大半を、中国をはじめとするアジア諸国等にて生産し輸入しております。そのため、地震、風水害等大規模な自然災害の発生等により、商品供給体制に影響を及ぼすほか、アジア諸国の政治情勢、経済環境、治安状態、法制度に著しい変動があった場合、工場従業員や港湾従業員によるストライキの発生、主要な取引先等を含む、サプライチェーンの寸断等による物流の停滞や社員の避難等により、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対して、当社グループは安定した調達を継続するため、商品毎に生産国の見直しや産地分散、複数のサプライヤーから調達可能な体制を構築しております。危機発生時には、調達先の現状と納入可否の確認を実施するとともに、代用可能な採用実績のある他社相当品への切り替えを検討することで影響を最小限に留めるよう努めております。

 

③品質に関するリスク

当社グループは、販売する商品について独自の厳格な品質基準に基づき、品質不良や不具合の発生防止を含め、商品の品質確保に万全な対策を講じておりますが、全ての商品において、予想できない品質問題の発生可能性があり、品質問題に起因する当社グループのブランドイメージの低下や社会的信用の失墜による売上高の減少や対策コストの発生等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対して、当社グループは品質保証を所管する組織を設置し、独自の厳格な基準に沿った調査を行ったうえで取引先の工場を選定しております。また、2020年の珪藻土関連商品リコール事案の反省から、使用制限物質リストの刷新を行い、商品への対象物質の使用禁止・含有規制を徹底しております。さらに、「原材料安全性の確認」、「規制・基準などの遵守」、「工場管理体制の監視と指導」の3項目など、商品開発に関わる部署と合同で確認する「企画設計評価会」を2021年2月に設立しております。

また、新素材・新機能を伴う商品については、この評価会を経ずには商品化されない仕組みとしたうえ、商品の使用上の安全性を確認する「開発技術評価会」と並行して行うことで品質問題の未然防止に努めております。その他の取り組みとして、製造物責任賠償保険に加入する等の対策を講じております。

 

④知的財産に関するリスク

当社グループでは、第三者の知的財産権を侵害することのないように常に注意を払っておりますが、万が一、当社グループの事業活動が第三者の知的財産権を侵害した場合、第三者から当該事業活動に対する中止要請や、損害賠償を請求されることにより、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対し、当社グループは国内外で自らが使用するロゴ等の商標登録や、商品等を意匠登録することにより対策を講じております。また、知的財産権に対する従業員教育等を徹底することにより、未然防止体制の整備・運用改善を図っております。

 

 

⑤人材に関するリスク

当社グループでは、製造物流IT小売業としての優位性を確保するため、人材採用と人材育成が重要となります。今後の事業拡大や事業環境変化への対応のためには、多様な社員が活躍するダイバーシティ経営の推進が、中長期ビジョンの実現に向けて経営の重要課題であり、優秀な人材の確保がなかった場合、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、代表取締役 似鳥 昭雄、白井 俊之をはじめとする経営陣は、各担当業務分野において重要な役割を果たしているため、これら役員が業務執行できない事態となった場合には、同様に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対して、当社グループは優秀な人材の確保に向け、多様な人材が活躍し、多様な働き方が実現できるよう労働環境の改善及び整備等、当社グループの魅力を高める取り組みに努めるとともに、役員の業務分掌の見直しや、次期役員候補の育成等の施策に加え、業務の省力化、省人化を実現する先端技術の活用をする等、効率化を図っております。

さらに、当社グループは人権侵害や差別・ハラスメントにつながる行為を禁止するとともに、日々の活動において人権を尊重することがグループの事業活動の基盤であり、持続的な成長のために必要不可欠であることを示すために、「ニトリグループ人権ポリシー」を定め、グループ全体への周知・啓蒙活動に取り組んでおります。

 

⑥気候変動に関するリスク

当社グループでは、気候変動により近年発生が増加傾向にある台風、集中豪雨等の異常気象により、当社グループが商品を生産・調達・流通・供給する業界が甚大な被害を受けた場合、その復旧まで生産もしくは出荷が長期間にわたり停止する可能性があります。また、冷夏、暖冬、長雨等による異常気象により、商品供給への影響が発生する場合、及び季節的な要因による販売状況が左右される商品の取り扱いが多く、売れ行き不振や販売シーズンの経過による商品価値の下落が発生する場合には、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対して、当社グループは安定した調達を継続するため、複数のサプライヤーから調達できるように取り組みを進めており、商品力の強化や商品企画・投入時期の見直しで販売比率を向上させること、及びお客様のニーズに即した商品販売時期の適正化による消化率の向上や在庫の適正化により、収益性の改善を図っております。

さらに、当社グループは、気候変動に関する対応を重要な経営課題と捉え、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明するとともに、その枠組みに沿って、2030年度時点、2050年度時点の温室効果ガス排出量削減目標を設定しております。温室効果ガス発生の低減に努めるとともに、共同輸送やモーダルシフト等グリーンロジスティクスの推進を通じて、サプライチェーンにおけるCO2削減への貢献に努めてまいります。また、具体的な対策につきましては、当社代表取締役社長を委員長とした「サステナビリティ経営推進委員会」と各事業会社の部門責任者を構成員とする「サステナビリティ経営推進会議」において、今後も検討を重ねてまいります。

 

⑦自然災害・大規模事故等に関するリスク

当社グループでは、日本全国に820店舗以上、また海外においては中国大陸に90店舗以上、台湾に60店舗以上、さらにマレーシア、シンガポール、タイ、韓国、ベトナム等のアジア諸国へ出店を果たしております。その他アジア諸国に商社機能・製造機能・物流機能を有しており、これらの地域において、大規模な自然災害により店舗、製造工場、物流センター等の設備や棚卸資産、人的資源等に被害が発生した場合には、営業活動に支障が生じ、復旧等のコスト発生により、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対して、当社グループは事業継続計画(BCP)や毎月実施しているリスク・コンプライアンス会議にて、管理体制の整備・構築と運用の遵守・徹底を図っております。また、危機発生時に備え、従業員等の安全確保・安否確認等の初動対応フローの見直し、定期訓練や必要物資等の備蓄対策を実施するとともに、あらゆる事象を想定したリスク・影響度分析に基づく、継続的なPDCAサイクルの実施等、包括的なリスクマネジメント活動を推進し、各種危機に備えております。

 

⑧感染症及びパンデミックに関するリスク

新型感染症の発生や感染症の世界的流行が発生した場合、国内外の経済活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。最大のリスクは、お客様、従業員、お取引先様が健康被害を受けてしまうことですが、それによる事業の中断や社会的信用が失墜する可能性があるために、当社グループでは、従業員の安全と商品の安定供給を引き続き確保するため、感染症対策に伴う事業環境の急変に最優先に対応しております。その感染拡大等の状況次第では、経済活動がより一層停滞し、需要の減退、サプライチェーンの混乱、当社グループの生産活動への悪影響等、当社グループが事業展開するうえで、重大なリスクに繋がる可能性があり、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対し、当社グループは海外子会社も含むグループ全体の日常の感染症対策として、手洗い消毒・マスク着用等の衛生対策のほか、WEB会議の活用等の対策を徹底しております。また、販売対策として、Eコマース強化、店舗の非接触化・接客省人化、ショートタイムショッピングの推進、OMO(Online Merges with Offline)推進等、消費者の買物に対する意識変化を見極めながら、お客様が安心して買物できる環境の整備に努めております。

 

⑨情報セキュリティに関するリスク

当社グループでは、製造物流IT小売業という一気通貫のビジネスモデルを活かす独自のIT開発を行っており、そのノウハウ管理や多くの個人情報を取り扱うため、社内管理体制を整備してその取扱いを厳重に行っておりますが、万が一、コンピューターウイルスやサイバーテロ、従業員や委託先の管理ミス等の要因により、社内情報や個人情報の漏洩等が発生した場合には、当社グループのブランドイメージの低下や社会的信用の失墜による売上高の減少が考えられ、法的な責任の追及によるコストの発生等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対して、当社グループは「情報セキュリティ基本規程」に基づく積極的な情報セキュリティ活動(教育訓練含む)を展開するとともにセキュリティ関連の情報収集に努め、より高度なコンピューターウイルス対策の実行、基幹系サーバの二重化等の適切なIT管理体制の構築に取り組んでおります。さらに、不正アクセスが発生したことから、対象となるお客様のアカウントへのパスワードリセット及びパスワードの使いまわしをしないことに関する周知等を実施するとともに、通販等の公開システムの監視の強化、アプリケーションのセキュリティ機能強化を行っております。

 

⑩M&A、事業提携に関するリスク

当社グループでは、事業拡大及び企業価値向上のためにM&A及び事業提携を日々検討しております。特にこれらの経営戦略を実施する場合は、対象会社への十分なデューデリジェンスを実施するとともに、取締役会等にて、出資・取得価額の妥当性について十分に検討したうえで実行することとしております。しかしながら、当該M&Aや資本提携等実施時に見込んだ成果が計画どおりに進捗しないこと等によるのれんや株式取得価額の減損等、当初予期していなかった事業上の問題の発生、取引関連費用の負担等によって当社グループの事業、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある場合、公表している中期経営計画の見直しを行う可能性があります。

 

⑪コンプライアンスに関するリスク

当社グループでは、コンプライアンスを最優先とした経営を推進しております。しかしながら、商品・サービスや労働・安全、サプライチェーン全体におけるコンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、各種法令に抵触する事態が発生した場合、当社グループのブランドイメージの低下や社会的信用の失墜による売上高の減少が考えられ、発生した事象に対する追加的な費用の発生等により、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対して、当社グループはグループ経営の健全性を高めるため、グローバル共通の基本的な姿勢・行動の指針となる「ニトリグループ行動憲章」を改定いたしました。昨今の社会情勢や価値観に応じて見直しを実施することで、従業員の一人ひとりが実践でき、日々の業務の中で迷ったら立ち返ることができる指針として、グループ全体への周知・啓蒙活動に取り組んでおります。また、様々な目的の情報が開示される中、公開される文書やナレーション、映像や画像などの表示物に対するコンプライアンスリスクを回避するため、表示物の作成に関連するすべての部署に表示管理責任者を設置するなど、表示管理体制の再整備を行うとともに、適正な表示指針を示した「ニトリグループ表示ガイドライン」を制定しました。この他、従業員へのコンプライアンス教育の実施、グループ内部通報制度及び協力会社・パートナーに対するアンケートを通じた不適正事案の早期発見と適切な対応等、グループガバナンスの強化に取り組んでおります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日)におけるわが国経済は、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっておりますが、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されております。家具・インテリア業界におきましては、業種・業態の垣根を越えた販売競争の激化や、人手不足による人件費の高騰及び供給面での制約や原材料価格の上昇等により、依然として厳しい経営環境が続いております。

当連結会計年度における主な経営成績は次のとおりであります。

なお、前連結会計年度は決算期変更の経過期間にあたるため、2022年2月21日から2023年3月31日までの13か月11日間となっております。当連結会計年度は12か月であるため比較対象期間が異なりますが、参考数値として増減額及び増減率を記載しております。

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

売上高

948,094

895,799

△52,295

△5.5

営業利益

140,076

127,725

△12,350

△8.8

(利益率)

(14.8%)

(14.3%)

 

 

経常利益

144,085

132,377

△11,707

△8.1

親会社株主に帰属する
当期純利益

95,129

86,523

△8,605

△9.0

 

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

ニトリ事業

売上高

821,782

785,404

△36,377

△4.4

(外部顧客への売上高)

(813,734)

(776,835)

(△36,899)

(△4.5)

営業利益

135,329

125,075

△10,254

△7.6

島忠事業

売上高

134,664

119,263

△15,400

△11.4

(外部顧客への売上高)

(134,360)

(118,964)

(△15,395)

(△11.5)

営業利益

4,112

2,108

△2,003

△48.7

 

 

① ニトリ事業

国内の営業概況といたしましては、当連結会計年度において、ニトリ41店舗、デコホーム17店舗の出店を進めてまいりました。結果として、2024年3月29日の「ニトリ敦賀店」の出店によりニトリグループ1,000店舗を達成いたしました。また、売上対策として、既存店の改装をはじめ、テレビ番組による取材の機会を利用して商品の魅力をアピールするなど、客数対策を積極的に進めてまいりました。売上原価につきましては、円安の進行に起因して輸入コストが上昇いたしましたが、荒利改善による円安対策を継続しております。2024年2月には、バーコード決済を利用したいというお客様の声にお応えし、「ニトリ」「デコホーム」「Nプラス」の店舗にて新たなお支払方法として、バーコード決済サービスの取り扱いを開始いたしました。また、より多くのお客様にご満足いただくために、一部商品の期間限定価格でのご提供を「創業祭」「もうすぐ世界で、ニトリグループ1,000店舗達成記念祭」等各種キャンペーン施策で実施してまいりました。販売費及び一般管理費につきましては、物流の内製化や拠点再配置による発送配達費の削減などを行い、経費の抑制に努めてまいりました。

 

当連結会計年度における販売実績といたしましては、3層構造でお好みの高さに変えることができる「横向き寝がラクなまくら(ナチュラルフィット)」や、つっぱるだけで壁に穴を開けない壁面収納シリーズ「Nポルダ」、高さ調整ができるスチールワゴン「トロリ」などの売上が好調に推移いたしました。また、2023年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)におきましては、「アップサイクルパーソナルカーペット」「ハイブリッドオーガニックコットン寝具シリーズ」「消臭ファブリックシリーズ」「保管付き布団洗いサービス」の4項目において受賞いたしました。この度の受賞により、2013年度より11年連続でのグッドデザイン賞受賞となりました。

新しい買い方のご提案に関する取組みといたしましては、顧客参加型のライブコマース「ニトリLIVE」において、キャンプフェス「GO OUT JAMBOREE 2023」に初出展し、今季のアウトドア用品について、初めて屋外イベント会場から生配信いたしました。また、「ニトリLIVE」では収納やコーディネートを学べる講座として「みんなで学ぼう!#ニトコーデ」を定期開催し、ご好評をいただいております。「ニトリLIVE」の視聴者数は当連結会計年度において延べ633万人を超え、多くの方にご視聴をいただいております。引き続き、オンラインとオフラインの融合施策を推進し、お客様との継続的な関係性の構築と、買い物利便性の向上に努めてまいります。

物流施策といたしましては、当連結会計年度においては2023年9月に福岡DCを着工、2023年11月に名古屋DCを竣工いたしました。川上から川下までの物流機能の全体最適の実現を目的とした物流戦略プロジェクトを推進し、DC拠点の最適配置と機能集約を進めております。また、自社車輌による国内コンテナ輸送網や、ラストワンマイルを担う自社物流網を拡大するだけでなく、中継輸送やモーダルシフト、搬入頻度の見直しや積み下ろし時間の変更なども組み合わせ、いわゆる「2024年問題」への対策も進めております。また、当社グループが運営する配車システムに富士通株式会社の配送最適化技術を導入、全国各地の配送センターにて本格的に運用を開始し、ラストワンマイル配送のDX化により、配送ルートを適正化し配送効率を向上してまいりました。

海外の営業概況といたしましては、当連結会計年度においてタイ、香港、韓国、ベトナムの4つの国・地域に相次いで初出店を果たしました。また、台湾で10店舗、中国大陸で30店舗、マレーシアで4店舗を出店し、アジア地域への出店を加速しております。特に、台湾において、ニトリブランド認知度を向上させるため「台北敦北店」を、台湾最大の床面積を誇る旗艦店へとリニューアルオープンいたしました。「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」という企業理念の下、今後も未出店の国・地域も含め店舗網の積極的な拡大を進めてまいります。

 

② 島忠事業

島忠事業につきましては、経営統合後初の新規出店となる「ホームズ横浜鶴見店」を、2023年12月にオープンいたしました。同店舗は、34年間地域のお客様にご愛顧いただいた「島忠横浜店」の跡地に建築し、1階にホームセンター商品を、2階に家具及びホームファッション・日用品を展開し、自転車やペットシーツ、カジュアル衣料品など2,200点以上の島忠のプライベートブランド商品に加えて、ニトリのプライベートブランド商品や豊富なナショナルブランドまで幅広く取り揃えております。また、ドラッグ・コスメの売場も充実し、スーパーマーケットも併設するなど、「衣食住を兼ね備え、ワンストップでお買い物ができる店舗」のモデル店として、今後の新規出店に活かしてまいります。また、当社グループにおける重点施策として、お客様の暮らしに密着した「お、ねだん以上。」のプライベートブランド商品開発の拡大と、商品力の強化を図っております。従業員が実際に商品を使用することで、顧客視点の意見をより良い商品の開発に反映させる取り組みを開始した他、プライベートブランド商品の売上拡大に必要な在庫保管場所の確保のため、野田瀬戸DC(千葉県野田市)を竣工いたしました。今後も、より一層地域のお客様の豊かな暮らしに貢献してまいります。

 

2025年までの目標として設定した指標の進捗は次のとおりであります。

 

2025年の目標

当連結会計年度実績

グループ合計

買上客数(年間)

2億人超

1億42百万人

店舗数(期末)

1,400店舗

1,001店舗

日本国内

アプリ会員(期末)

2,500万人

1,933万人

EC売上高(年間)

1,500億円

871億円

 

 

 

店舗の出退店の状況は次のとおりであります。

 

2023年3月31日

店舗数

出店

退店

2024年3月31日

店舗数

 

 

ニトリ(EXPRESS含む)

523

41

556

 

 

デコホーム

167

17

10

174

 

 

Nプラス

30

15

38

 

国内小計

720

73

25

768

 

 

台湾

53

10

61

 

 

中国大陸

67

30

95

 

 

米国

 

 

マレーシア

11

 

 

シンガポール

 

 

タイ

 

 

香港

 

 

韓国

 

 

ベトナム

 

海外小計

129

55

179

ニトリ事業

849

128

30

947

島忠事業

53

54

合計

902

129

30

1,001

 

 

当社では、お買い上げいただけるお客様の数が増え続けることが社会貢献のバロメーターになると考え、より多くのお客様に豊かな暮らしを提供すべく、日本そして世界へと店舗展開を拡大し、グローバルチェーンの整備を進めております。今後も引き続き、お客様数の増加と買い物利便性の向上のため、事業領域と店舗網の拡大を進めてまいります。

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

ニトリ事業

776,835

△4.5

島忠事業

118,964

△11.5

合計

895,799

△5.5

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(3) 財政状態

流動資産は、現金及び預金が60億15百万円、受取手形及び売掛金が218億38百万円、それぞれ増加した一方で、商品及び製品が111億95百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ173億83百万円増加いたしました。固定資産は、建物及び構築物の増加等により有形固定資産が874億17百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ875億24百万円増加いたしました。これらの結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,049億7百万円増加し、1兆2,386億79百万円となりました。

流動負債は、短期借入金が244億89百万円、未払金が218億74百万円、それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ545億67百万円増加いたしました。固定負債は、長期借入金が273億30百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ278億71百万円減少いたしました。これらの結果、当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ266億96百万円増加し、3,423億70百万円となりました。

純資産は、利益剰余金が697億97百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ782億11百万円増加し、8,963億8百万円となりました。

 

(4) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローにより1,435億93百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローにより1,318億24百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローにより206億6百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ78億1百万円減少し、1,173億13百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果獲得した資金は、1,435億93百万円(前連結会計年度は913億98百万円の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益1,239億4百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は、1,318億24百万円(前連結会計年度は1,325億38百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出1,186億64百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は、206億6百万円(前連結会計年度は369億3百万円の獲得)となりました。これは主として、短期借入金の純増減額(△は減少)402億22百万円及び長期借入金の返済による支出430億68百万円並びに配当金の支払額167億13百万円によるものであります。

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの主な資金需要は、商品仕入や販売費及び一般管理費等の運転資金及び出店や物流施設、工場拡張、システム投資等の設備投資資金であります。これらの資金需要につきましては、主に自己資金により賄うことを予定しておりますが、2032年の目標店舗数3,000店舗に向け、今後のM&A等を検討する場合に借入や社債発行等の資金調達が機動的かつ低コストで行えるよう、充実した内部資金を元とした健全な財務基盤を構築・維持することが重要であると考えております。

 

(5) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況

世界情勢の不確実性の高まりや、日本国内の人口減少・少子高齢化・単身世帯や共働き世帯の増加・低所得化の進行、テクノロジーの進化による購買行動や価値観の多様化等、大きなビジネス環境の変化に直面しています。

当社グループにおいては、独自のビジネスモデルである「製造物流IT小売業」を通じ、社会における共有価値を創出し相互繁栄を図ってまいります。既存事業における魅力ある品揃え・品質・価格の実現、ホームセンター事業におけるローコストオペレーションの実現、グローバル展開の加速を進めてまいります。また、お客様から支持し続けていただけるよう、変容する消費者ニーズ・ウォンツに対応した商品の開発や、変わりゆく消費者の買い方に応じた販売方法に変革をしてまいります。

 

次期の連結業績見通しは、次のとおりであります。

 

次期予想

当期

増減額

増減率

売上高(百万円)

960,000

895,799

64,200

7.2

営業利益(百万円)

129,600

127,725

1,874

1.5

経常利益(百万円)

134,000

132,377

1,622

1.2

親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)

92,000

86,523

5,476

6.3

1株当たり当期純利益(円)

814.07

765.62

48.46

6.3

 

 

(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。