文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
「安全・健康・品質・コンプライアンスの徹底は、企業存続の生命線」との前提条件のもと、経営理念「会社はお客様のためにあり社員とともに会社は栄える」を基盤として、全ての従業員が参画するOne Team経営をテーマに、「もっといい会社・もっといい現場」を目指し、お客様のお困りごとやニーズにお応えすることにより、更なる価値創造を実現します。
(2)経営環境及び中長期的な経営戦略等
国内経済は、個人消費が堅調に推移する一方で、企業業績や物価は不透明な状況が続き、日銀の政策転換や海外経済の動向にも注意が必要な状況です。また、世界各地で発生する地政学のリスクの高まりや自然災害などにより、市場をとりまく環境は不透明な状況が予想されております。このような経営環境の中ではありますが、当社グループは、2024年3月27日に2027年3月期を最終年度とする「中期経営計画2026」を公表しました。
今回策定した「中期経営計画2026」は、前回の中期経営計画で取り組んでまいりました、一人ひとりが自らの力を発揮し、最大限に活かす「全員参画によるOne Team経営」の“基盤構築”のフェーズから、“戦略確立”のフェーズへと移行し、お客様から選んでいただける商品・サービスへと磨き上げることで、「キムラブランド」を確立し、創業150年、更にその先への成長・発展に繋げてまいります。
経営戦略等は以下のとおりです。
① 事業戦略・DX戦略
|
物流サービス事業×情報サービス事業 |
モビリティサービス事業×情報サービス事業 |
|
・物流品質のバラツキを無くし、効率的な事業運営を行っていくための「エリア戦略の推進強化」 ・「現場+ITによる拡販戦略」で最適なソリューションを提供 ・2024年問題に対するトラックの稼働率向上に向けた取り組み等の「新たな価値創造」 ・「豊田通商様との連携強化」を図り、更なる海外進出の検討 |
・お客様の第二の総務として、「KIBACOを軸としたビジネスの拡大」 ・お客様と整備工場、両方のメリットを追求する「唯一無二のカーメンテ」 ・車両架装事業をはじめとする「新たな価値創造」 |
② 財務戦略
|
企業価値向上に向けた取り組み |
キャッシュアロケーション |
株主還元 |
|
・本業での成長に加え資本コストを意識した経営に取り組むことで、更なるPBR向上を目指すとともに、収益性向上と最適な資本構成の追求で、ROE12%以上を目指す |
・成長投資と株主還元を戦略的に配分んし、事業の成長と資本収益性の向上を図る |
・還元方針に則り、配当性向40%を目安に、財務基盤を維持しつつ、還元向上を図る |
③ ESG戦略
|
Environment(地球環境のために) |
Social(人的資本の拡充) |
Governance(ガバナンスの向上) |
|
・環境に配慮した物流資材の開発・提供や車両整備等、事業活動を通じたサービスの提供により、CO₂削減や資源循環等の環境保全に取り組み、企業の責任として、地球温暖化等の環境課題の解決に取り組む |
・経営理念を共有した共に働くすべての人々に、成長できる環境、挑戦できる環境の下で、「全員参画によるOne Team経営」を推進することにより、働きがいに満ちた職場づくりに取り組む |
・コンプライアンスの徹底やリスクマネジメント活動の推進強化により、リスクの回避・抑制や不祥事の未然防止等に取り組み、開かれた透明性の高い経営を継続することで、ステークホルダーのベストパートナーであり続ける |
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、1株当たり当期純利益、ROE(自己資本利益率)であります。具体的な目標値としては、ROE(自己資本利益率)12.0%以上を目指し取り組みを推進しております。なお、ROE(自己資本利益率)につきましては、当社が属している「運輸に付帯するサービス」の業種平均値等を参考に設定しております。
|
|
2024年3月期実績 |
2027年3月期中期計画 |
|
売上高 |
61,493百万円 |
70,000百万円 |
|
営業利益 |
4,109百万円 |
5,300百万円 |
|
経常利益 |
4,897百万円 |
5,800百万円 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
3,168百万円 |
3,800百万円 |
|
1株当たり当期純利益 |
144.18円 |
175.80円 |
|
ROE(自己資本利益率) |
8.79% |
12.00% |
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
中期経営計画2026のスタート年度として、エリアを軸とした事業部へと組織変更し、引き続き、「全員参画によるOne Team経営」を推進し、人に寄り添い、プラス思考で主体性とスピード感を持った企業風土づくりへの取り組みを進めて参ります。
<重点実施事項>
1.“人財”の“採用・育成”
我々のビジネスは、非正規雇用労働者の方のおかげで成り立っており、改めて、“感謝の気持ちを持ったコミュニケーションを行う事で「どんな人材も輝く事ができる」職場風土の醸成を図ってまいります。
日々、現場の人財定着活動が着実に進展していることを実感している一方で、昨今の人手不足の状況は一層厳しさを増す中で“採用”を会社の最重要課題と位置づけ、経営資源を最優先で投入してまいります。
また、採用活動の結果、当社グループを選んでいただいた人財がずっと当社グループで頑張りたいと思っていただけるように、これまでより一段階レベルを上げた人財定着活動に取り組んでまいります。
2.各事業の戦略
当社グループの強みとは、“人”☓“機能”☓“知識と経験”であり、この強みを持って、「お客様が当社グループに頼みたいと思ってと思ってもらえる職場(商品)」こそ“キムラブランド”と位置づけております。当社グループが持っている豊富な商品ラインナップや、お客様のニーズを満たす企画力・設計力・システム開発力・改善力・現場管理能力といった“機能”を磨き、お客様への貢献を通じ“知識と経験”を活かすのは“人”です。「お客様のために」、その思いを持った“人”がいるからこそ、当社の強みを十二分に発揮することができると考え、会社を挙げて人財育成に力をいれてまいります。創業から当社グループが大切にしてきた経営理念を実現していくための“考え方(経営哲学)”、当社グループの強みの発揮に必要な“知識”、最前線で汗をかく“経験”、この3つの柱で、当社グループの強みを理解し、また、理解するだけでなく日々実践できる“活きた人財育成”に取り組んでまいります。
なお、各事業別には以下のとおりです。
①物流サービス事業
今後、物流サービス事業が成長するうえで、競合他社を圧倒する現場力、お客様との新たな関係構築、すべての従業員が活躍し続ける職場の構築が重要であると考えます。成長のためには「人」が最も重要であり、事業の継続・発展のカギとなります。人材不足が続く中、職場環境の改善に取り組み、採用力、定着率の向上を図ります。また、リーダーを中心とした研修の充実による人財育成、さらには現場力の強化を行いながら、お客様だけでなく従業員の満足度・貢献度を追求してまいります。
物流サービス+ITによる顧客提案力の更なる強化により、一層の新規顧客の獲得を図ってまいります。
さらに、物流企業として2024年問題への対応、SDGsへの取り組み、研究開発やDXの展開を進め、将来にわたりお客様からも従業員からも選ばれる企業となるよう、活動を進めてまいります。
②モビリティサービス事業
「所有から利用」へと車社会が大きな変革期を迎えた今、1958年から始まった車両整備や保険・交通事故削減・車両リース・車両販売・車両管理BPOなどの各種サービスでお客様に対して「安心・安全」で「高品質」なサービスを提供しております。今後の更なるモビリティ社会の発展に貢献するため、以下の2つの戦略を推進してまいります。「エリア戦略」では、自社整備工場周辺の法人・個人のお客様を中心に、それぞれのお困り事やニーズに「徹底的に寄り添いワンストップで解決する体制」で、お客様の快適なモビリティライフを実現し、既存の事業領域における収益基盤の強化を図ってまいります。「フリート戦略」では、全国に展開する大口法人顧客に対し、独自開発のクラウド型車両管理システム「KIBACO」を活用した新たなサービスを提供します。お客様の「車両・人・組織・行動」のデータを繋げることで最適な車両管理体制を構築し、安全・安心・コスト削減を実現しながら新しい事業領域で収益拡大を図ってまいります。
③情報サービス事業
積極的に取り組んでいる「物流サービス+IT」によるソリューション提案活動では新規顧客獲得を実現しました。今後は当社の強みを活かし物流サービス事業とより一層の連携強化を行い、更なる成長を目指すとともに既存顧客におきましては絶対的地位の獲得に向け、深耕拡販に取り組んでまいります。更に全社の持続的成長(人、組織)とDX推進を加速させるため、今年度内の社内インフラ更新を実現させます。
また、昨今のサイバーセキュリティーの情勢に鑑み、情報の機密性、完全性、可用性を担保するため、従来以上に危機管理能力を高め、情報セキュリティー強化に取り組み、安全で安心な作業環境の提供に邁進してまいります。
④人材サービス事業
物流サービス事業と人材サービス事業の連携による相乗効果を通じて、人財を活かしたお客様への価値提供と地域貢献に取り組んでまいります。定着にこだわった採用活動を強化する為、国内子会社ビジネスピープル株式会社との連携を強化してエリア軸でタイムリーかつスピーディーな人財戦略を展開してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、SDGsの視点を踏まえた企業活動を通じて、ステークホルダーの皆様から選ばれ続ける企業として持続的な成長を目指すとともに、自社の強みを活かして様々な社会課題の解決に向けて取り組むことにより、社会の持続可能な発展へ貢献してまいります。
また、当社グループが有する強みやリソースからどんな社会課題に向き合い、どんな価値を提供していくことが出来るのかについて、国際的な社会課題を網羅しているSDGs 169のターゲットを軸として、CSRやESGに関するガイドライン(GRIスタンダード、ISO26000 など)や、トヨタ環境チャレンジ2050などをもとに議論を進めました。
その結果、社会やステークホルダーにとって重要な課題も踏まえたうえで、優先的に取り組むべき「6つの重要課題(マテリアリティ)」を掲げ、課題解決に向けて具体的な施策への取り組みを進めております。
マテリアリティ
|
社会課題の解決と会社の成長を両立する最重要課題 |
会社の成長を支える土台となる最重要課題 |
||||
|
お客様価値 |
環境 |
交通安全 |
働きがい |
組織統治 |
安全・健康 |
|
お客様の成功が私たちの成長 |
地球環境のお困りごと解決への貢献 |
交通事故という言葉をなくす |
どんな人材も輝く人財に |
公正で健全な企業活動 |
安全で健康な職場づくり |
(1)ガバナンス
当社グループは、サステナビリティに関する重点課題の解決に向けた取り組みを積極的かつ自主的に推進していくため、サステナビリティ推進委員会を開催し、サステナビリティに関わる戦略や方針の達成に向けて、向き合うべき新たな社会課題なども含めて検討し、その内容や対応状況について適宜取締役会に報告しています。
委員会の推進体制といたしましては、代表取締役社長を全体推進委員長、各事業の担当取締役を推進責任者、そして各推進責任者が任命した者をワーキンググループリーダーとして、推進責任者とグループリーダーが協議のうえ、グループのメンバー構成を決定し、全社横断的な活動として推進しております。
尚、気候変動に関する対応につきましても、サステナビリティ推進委員会の中で、当社グループの事業活動を通じた環境課題への取り組みとして統制・推進いたしております。
(2)戦略
企業価値の創造を通じて取り組むサステナビリティ全般の考え方や方向性を受けて、当社グループは重要課題(マテリアリティ)に基づく、成長戦略やDX戦略、中期経営計画や方針、及びそれらの実行計画について議論し実践していくことで、ステークホルダーの皆様のご要望やご期待にもお応えすることが出来ると考えております。
(環境に対する基本的な考え方)
当社グループは、次世代に地球環境をより良い状態で引き継ぐために「環境方針」を定め、当方針のもとで推進体制を構築し、社会の一員として環境保全に全社をあげて取り組むとともに、それを妨げる事象の未然防止に努めております。
事業活動や提供するサービス・製品・商品が地球全体の環境に負荷を与えないようCO₂削減や資源循環などの環境保全に取り組み、企業と社会・地球環境が調和的に存続する環境経営に全力で取り組んでいきます。
(環境方針)
|
環境方針
キムラユニティーグループは、環境方針を定め地球環境の保全に配慮し、事業活動を通じて、その実現に取り組みます。
1.当社グループの事業が地球環境に深く関連していることを認識し、グループをあげて環境保全活動を推進する。 2.環境関連法規制及び当社グループが同意するその他の要求事項を遵守するとともに、環境汚染の防止に努める。 3.事業活動にかかわる環境影響を的確に把握し、環境目的・目標を定め、改善活動を行うとともに持続可能な環境改善に取り組む。 4.環境に関する教育を実施し、環境対応への意識向上を図る。 |
<気候変動に関するリスクと対応(カーボンニュートラルへの挑戦)>
当社グループは、気候変動に伴い発生する風水害等の物理的リスクだけでなく、気候変動を抑止するための諸制度や事業環境の変化等の移行リスクに対応するべく、社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、当社グループ各部門の事業活動を通じた環境課題への対応を統制・推進しております。気候変動の緩和に向け、環境性能が高い設備への切替えの推進、再生可能エネルギー使用の促進や運用時における省エネ啓蒙、既存物件の改修による環境性能の向上等による「省エネ」に注力し、脱炭素への取り組みを推進しております。
当社は「2050年までにCO₂排出量ゼロ化」の実現を目指し、これまで培ってきた各事業活動に加え、次世代自動車を見据えた新工法や製品・サービスの開発力を活かし、2050年度までの活動目標を実行計画に落とし込んで活動しております。更に中間の2030年度目標として、CO₂排出量を2018年度比で50%削減することを目標に掲げ、段階的かつ具体的なCO₂削減を進めてまいります。
(循環型社会の実現に向けて)
・限りある資源を有効に利用し循環型社会を実現するために、包装材の廃止・スリム化、環境負荷の低い素材の使用、製品材料の使用量低減、徹底的な分別による廃棄物の低減、リサイクルやリユースしやすい製品設計など、資源の有効利用に取り組んでおります。
(化学物質管理や環境に関連する法令遵守の徹底)
・製品含有化学物質の管理を強化するため、国内外の製品含有化学物質を対象とする管理手順を定めた「製品含有化学物質管理手順書」を制定し、当社ならびに関係お取引先様における化学物質管理の強化を図り「国内外の関係法令、関係業界基準および顧客要求事項に基づく禁止物質の不使用」の徹底に取り組んでおります。
<当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針>
(人財(ダイバーシティ&インクルージョン)に対する基本的な考え方)
当社グループは、国籍・性別・年齢・ハンディキャップ・経験や経歴・ライフステージ等にかかわらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として生かし、成長しつづけることのできる風土の醸成や仕組みの充実を推進していきます。また、管理職等の中核人財の登用については、個人の能力や成果を公平・公正に評価し、女性や中途採用社員に関係なく登用しており、海外子会社の幹部においてもローカル社員など、多様なバックグラウンドの人財が活躍できる環境づくりを進めています。
今後も更に多様性の尊重を促進するとともに、本音で議論できる風通しの良い職場づくりと多様な価値観を受け入れる風土を整え、従業員一人ひとりが意欲的にチャレンジでき、また充実した人生を送ることができるように、ダイバーシティマネジメントに積極的に取り組んでまいります。
(女性社員の働きやすさ向上にむけて)
育児・介護をサポートする環境づくりなどの取り組みをご評価いただき、愛知県からは「あいち女性輝きカンパニー」として、また名古屋市からは「女性の活躍推進企業」としての認証をいただきました。これからも、女性社員の働きやすさ向上への取り組みを継続的に進めると共に、定着と活躍の拡大を図っていきます。
(女性活躍推進法に基づく行動計画)
男女ともに全社員が活躍できる雇用環境を整備するための施策(3年間の行動計画)を厚生労働省に提出し、具体的な制度化と運用に向けて、継続して取り組んでおります。
・女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供(非正規社員から正社員、エリア正社員への登用)
・職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備(育児短時間勤務制度の取得率向上)
(次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画)
社員が仕事と子育てを両立させることができ、社員全員が働きやすい環境をつくることによって、全ての社員がその能力を十分に発揮できるようにするための施策(3年間の行動計画)を厚生労働省に提出し、具体的な制度化と運用に向けて、継続して取り組んでおります。
・育児短時間勤務制度の拡充等、両立支援制度の整備
・男性社員の積極的な子育て支援を目的とした、休暇制度の整備
(人財育成に対する基本的な考え方)
当社グループは、人的資本の拡充を経営基盤の重要な課題の一つとして捉え、成長戦略を支える人財育成に注力しております。また、社員一人ひとりが達成感を得ながら、グローバルに通用するコア人財やプロフェッショナルな人財などへの、さまざまな成長の機会を提供しております。
更に、リーダー育成研修や自己参加型研修など教育プログラムの充実や、自己啓発学習補助制度の実施などを通じて、更なる飛躍の源泉となりうる戦略的な人財育成を行っております。
(教育、研修体制の充実)
社員一人ひとりが達成感を得ながら、グローバルに通用するコア人財・プロフェッショナルな人財へと育成するため、階層ごとに体系立てた教育研修制度の充実を図っております。また、業務やキャリアなどに応じて自己啓発を目的にさまざまな通信教育講座を用意し、展開しております。
(個々のスキルに応じた教育研修の実施)
人財育成の目的は、「社員が職務を遂行する上で必要な知識・技能を習得し、自らの能力を向上させ、顧客および社員の各々のニーズを充足させること」としております。
※教育研修は以下の方針に基づいて行っております
(1) 厳しい競争時代に打ち勝つことができる、人財を育成する
(2) 教育体系にもとづいて教育研修を、計画的・継続的に実施する
(3) “自ら学ぶ” “学び合う” 職場への企業風土の変革を図り、組織の活性化につなげる
(4) 社員の働きがいや、キャリア形成を支援する
(5) 他の人事制度と密接に連動させ、展開する
(3)リスク管理
激変する経営環境の中で、企業(グループ)価値、株主価値及び顧客価値を最大化する為には、取り巻く環境を適時適切に認識し、様々なリスクに対して的確に対応することが重要と考えております。
当社グループでは、業態の改革、海外を含む新たな拠点の設置、大型の設備投資、他社とのアライアンスなど、経営上重要な意思決定に関するリスクに対して、関係部門でのリスク分析及び対策検討を行うと共に、必要に応じて外部の関係機関より助言等も受けております。また、品質クレームや職場災害などの事業遂行に関するリスクについては、専任部署及び各部門のスタッフが日常におけるリスク管理に取り組んでおります。
(BCP(事業継続計画)への取り組み)
大規模地震や津波等の自然災害や事故などにより、当社の施設あるいはお客様や取引先様の拠点が被災して事業活動が困難な状況にあっても、商品の供給・サービスの提供に向けて早期の復旧を図り、全てのステークホルダーの利益を守っていくことを目的として、全事業部のBCP(事業継続計画)行動計画書を策定いたしました。
策定したBCPの初期対応についての有効性を検証するためのBCP机上訓練の実施や、明確化された改善点の対応を進めると共に、活動の定着とレベルアップを図る為に「震災対応マニュアル」(各種手順書を含む)などの全面的な見直しと全社展開を実施しております。
(リスク管理体制の確保のために)
「リスク管理規程」により、リスク管理委員会を定期的に開催し、各事業または部門毎にリスクの調査、評価、対策の策定及び対策状況の確認等を実施し、リスクの把握及び管理を行っております。また、安否確認訓練、避難訓練や衛星携帯電話などを用いた通信訓練等のBCPに関する訓練も継続的に実施しております。
昨今のサイバーセキュリティー事件の発生状況に鑑み、社内ルールの整備、社員の啓蒙、各種防御システムの整備等、セキュリティー強化のための対策をこれまで以上に強力に推進してまいります。
(交通安全に向けた基本的な考え方)
「車社会に、夢・豊かさ・安心」をスローガンに掲げる当社グループは、1967年(昭和42年)に交通事故削減に特化した事業組織による交通安全・防災サービスを開始し、以来継続的にお客様や地域の安全・安心な車社会に貢献する活動に積極的に取り組んでいます。
「お客様へのお役立ち」「地域社会への貢献」「環境への配慮」などに繋がる商品・サービスをご提供する中で、常にお客様の身近に寄り添い、車両リース、車両整備、保険代理店などの様々な立場での事業展開を推し進め、お客様の業務運営や自社整備工場を中心とした現場運営によって培ったノウハウから、お客様視点・プロ視点の両視点で展開できるサービスを提供することにより、これからも「安全・安心」を全ての前提としたサービスを展開していきます。
①歩行者優先の理念と実践行動を世の中に広める
・Respect the law 38(略称: リスペクト 38)プロジェクトの推進
「横断歩道を渡る歩行者を守る」という道路交通法第38条に対する理念と実践行動を世の中に広めるための取り組みとして“Respect the law 38 プロジェクト”を立ち上げ、「3つの理念」と「8つの行動指針」の理解・浸透活動を展開しています。この様な活動の展開により、交通事故の無い優しい社会の実現を目指していきます。
②お客様と共に取り組む交通安全活動
・100日間無事故キャンペーンの継続開催
100日間無事故キャンペーンは、日頃からお世話になっている法人のお客様へ「交通事故防止」へのお役立ち、ご参加いただく皆様と共に「無事故」を目指し、交通事故の無い社会づくりへの貢献を目的として毎年開催し、今年度で12回目を迎えました。2023年9月2日から12月10日までの100日間無事故を目指して活動し、今回は624社(1,104事業所)の企業の皆様にご参加いただきました。
③交通事故撲滅へのお役立ち
・交通安全・防災サービスの提供
DSS(ドライバーズ・セーフティー・サービス)では、「安全運転教育」「運転適性診断」「事故再発防止教育」などの交通防災メニューをお客様に応じた最適なカリキュラムでご提供し、交通事故撲滅にお役立ちできるよう取り組んでいます。
(安全運転教育) (運転適性診断) (事故再発防止教育)
・管理、監督者研修 ・運転性格診断 ・再発防止カウンセリング
・一般社員研修 ・CRT運転適性検査 ・上司の日常管理アドバイス
・新入社員研修 ・視認能力検査 ・再発防止強化研修
④交通事故撲滅に向けた積極的な呼びかけ
・セーフティ・メッセージ
愛知県警察の交通安全啓発番組『セーフティメッセージ(東海ラジオ放送番組)』の朝1回・夕方2回 の放送を40年以上にわたり提供させていただいています。また、放送されたセーフティメッセージの内容は「交通安全ニュース」として当社のホームページ上にも掲載し、積極的に交通安全を呼びかけています。
(4)指標及び目標
当社グループはサステナビリティ実現に向け、気候変動に関するアクションについての具体的な管理指標(KPI)の指標及び目標を次のように設定しております。
|
|
目標 |
実績 |
|
定量面 |
・事業活動を通じて、地球環境の保全を取り組むことによりCO₂排出量の低減(2018年度実績:3,639t-CO₂) 2018年度比にて⇒2030年度: 50%削減 2050度年:100%削減 |
2023年度実績 ※「グリーン電力」及び「CO₂フリー電力」の利用により ( 省エネ法基準値(3,237t-CO₂)11%削減 |
|
定性面 |
・循環型社会に向けた包装仕様の改善による、再生材への転換及び脱プラスチック化の実現 ・ゼロエミッション工場化、次世代モビリティのシェアリングサービスの提供等によるモビリシティ構想(地域スマート化構想)への貢献 |
|
また、当社グループでは、上記「戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。
|
指標 |
目標(いつまでにどこまで) |
実績(当連結会計年度) |
|
|
|
未実施 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
総合健康リスク |
当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、取締役会が決定した「内部統制体制の整備に関する基本方針」に基づき、「リスク管理委員会」を設置しています。リスク管理委員会を中心として、リスクを認識・評価した上で、優先順位を付けて対策を立案・実行し、その改善状況をモニタリングする仕組みを確立しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)人財の確保及び育成について
当社グループでは、展開する事業の特性上、経営資源の中で「人財」が最も重要な経営資源と位置付けており、優れた人財の採用及び育成を経営の最重要課題と認識しております。当社グループは、新規採用、中途採用を積極的に行うことにより優秀な人財の確保に努めるとともに、教育・研修制度の充実や非正規社員も活躍できる人材育成制度の再編等を推進しております。しかし、必要な人財を継続的に確保するための競争は厳しく、人財を適時確保できない場合、あるいは人財の育成が計画どおりに進捗しない場合には事業展開、業績および成長見通しに大きな影響を及ぼす可能性があります。
(2)安全・品質管理について
当社グループは、リスクマネジメントの一環として、「安全・健康」及び「品質」の確保を重要な経営課題として取組み、SQ推進本部(S:Safety[安全] Q:Quality[品質])を中心として開催する「安全健康会議」「全社品質会議」及び各事業所又は各事業本部以下の組織で開催する「安全衛生委員会」「品質委員会」での活動を通して、損失の未然防止及び発生時の管理について対応します。品質管理には万全を期しておりますが、万が一、重大な安全・品質に係る問題が発生した場合は、多額のコストが発生し、当社グループに対する評価に重大な影響を与え、それにより当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)価格競争について
当社グループの展開する各事業に共通して価格の高騰が進んでおり、提供するサービス・製品・商品の高付加価値化、販売価格への転嫁や原価低減といった対応が重要課題となってきております。今後一層の価格の高騰が予想される中で、当社といたしましては、コスト対応力強化や品質・生産性の向上のための施策を展開していく方針ですが、価格高騰が過度に進む場合は、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制について
当社グループは、主力である物流サービス事業では倉庫業法、貨物自動車利用運送業法など物流に関する各種事業法、自動車サービス事業では道路運送車両法や保険業法、人材サービス事業では労働者派遣法など、さまざまな法令の規制を受けております。当社グループは、法令遵守・企業倫理の徹底は企業活動を行う上での根幹であると認識し、コンプライアンス研修を定期的に開催し、グループ内での法令遵守の周知徹底を図っております。しかし、社会情勢の変化に応じてこれらの法制度の改正、強化などが想定され、その対応により新たな負担の発生や事業展開の変更を求められる場合があります。
(5)特定取引先への依存について
当社グループは、トヨタ自動車株式会社に対する売上高が全体の23.0%、トヨタ自動車グループに対する売上高を含めますと、全体の売上高の35.3%(2024年3月期、提出会社ベース)となっております。当社といたしましては、各事業の拡大及び各事業の有するノウハウを結合した新しい業態の開発を積極的に推進し、国内外に展開していくなど一層努力をしていく方針です。しかし、トヨタ自動車株式会社の発注政策により、当社グループの財政状態及び業績に影響を受ける可能性があります。
(6)海外進出について
当社では、米国に1社と中国2社の子会社を、米国、ブラジル、タイ及びメキシコに大手商社との合弁会社7社を展開しております。これら海外への事業進出には、予期しない法律又は規制の変更、不測な政治又は治安混乱、雇用環境の変化、テロ・戦争等といったリスクが内在されており、これらは今後の事業に影響を与える可能性があります。
(7)災害等による影響
当社グループの日本国内における主力事業所は愛知県に集中していることから、特に南海トラフ巨大地震等の大規模地震の発生による被害が懸念されるため、BCP(事業継続計画)の策定、建物・設備等の耐震対策等を行うとともに、安否確認訓練、避難訓練や衛星携帯電話を用いた通信訓練等のBCPに関する訓練を実施しております。しかし、南海トラフ巨大地震等の大規模地震が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(8)情報管理について
当社グループは、事業活動を通じて取引先の個人情報や営業上の機密情報を取り扱うため、情報の取り扱い等に関する規程の整備、従業員への教育、またシステムを含めた情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、コンピュータウィルスへの感染、不正アクセス等予測の範囲を超える出来事により、情報システムの崩壊、停止または一時的な混乱、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(9)固定資産の減損について
|
当社グループでは、有形固定資産やのれん等の無形固定資産を保有していますが、これらの資産については減損会計を適用し、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるかどうか四半期毎に減損テストを実施しており、減損処理が必要な資産については適切に処理を行っております。しかし、将来の環境変化により将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合には、追加の減損処理により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)気候変動に関するリスク 当社グループは、気候変動に伴い発生する風水害等の物理的リスクだけでなく、気候変動を抑止するための諸制度や事業環境の変化等の移行リスクに対応するべく、社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会を設置し、当社グループ各部門の事業活動を通じた環境課題への対応を統制・推進しております。 気候変動の緩和に向け、環境性能が高い設備への切替の推進や運用時における省エネ啓蒙、既存物件の改修による環境性能の向上等による「省エネ」に注力し、脱炭素の取り組みを推進しております。 しかしながら、想定を超える規制や事業環境の急激な変化等により、建築コストや事業運営コストが高まること等により、当社グループの経営成績および財政状況が影響を受ける可能性があります。
|
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウィルス感染症による経済活動の混乱が収束し、経済及び社会活動の正常化が進み、長引くデフレからの脱却に向けて、企業の状況や収益の改善が進むなど緩やかな回復基調で推移しております。
また、当社グループと関係の深い自動車業界におきましては、従来の「グローバルに供給体制を構築し台数成長を取り込む」という競争原理は維持されつつも、量的には成長余地が不透明化、質的にはカーボンニュートラル・デジタル化への対応が求められる状況となりました。特に、電動化を軸としたグローバルシェア獲得競争、新技術への適応など、過去にない変貌を遂げた市場環境になりつつあり、変革への取り組みを加速させる状況となっております。
このような環境の中で当社グループにおきましては「中期経営計画2023」の最終年度として、中期計画の達成に向け、現場第一線による経営スピードの向上を図る「全員参画によるOne Teaⅿ経営」を展開、推進してまいりました。
当期の業績につきましては、物流サービス事業における受注量の増加等により、売上高は61,493百万円(前期比4.0%増収)となりました。営業利益は、主力事業である物流サービス事業の増収の影響も大きく、4,109百万円(前期比25.7%増益)、経常利益は、4,897百万円(前期比23.5%増益)、親会社株主に帰属する当期純利益が、3,168百万円(前期比28.2% 増益)となりました。
②財政状態
当連結会計年度末の総資産は64,711百万円となり、前連結会計年度末に比較して6,941百万円の増加となりました。その主な要因は、退職給付に係る資産の増加等により投資その他の資産が5,373百万円増加したこと等によるものであります。
負債合計は24,256百万円となり、前連結会計年度末に比較して1,600百万円の増加となりました。その主な要因は、繰延税金負債(固定)の増加により固定負債が1,963百万円増加したこと等によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比較して5,340百万円増加の40,454百万円となりました。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末比1.9ポイント上昇の59.8%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期に比較して2,714百万円増加の11,972百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、5,540百万円の収入で、前期比1,047百万円の収入増加となりました。
この主な要因は、税金等調整前当期純利益が増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、219百万円の支出で、前期比950百万円の支出減少となりました。
この主な要因は、有形固定資産の取得による支出が減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,826百万円の支出で、前期比297百万円の支出増加となりました。
この主な要因は、配当金の支払額の増加等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、セグメント間の取引については相殺消去しております。
イ.生産実績
|
セグメントの名称 |
品目 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
物流サービス事業 |
包装作業(百万円) |
1,035 |
114.7 |
|
|
梱包作業(百万円) |
3,928 |
86.7 |
|
|
入出庫作業(百万円) |
13,347 |
122.1 |
|
|
その他(包装作業)(百万円) |
19,853 |
102.7 |
|
|
鉄製格納器具(百万円) |
5,102 |
78.5 |
|
|
木製格納器具(百万円) |
217 |
198.4 |
|
|
小計(百万円) |
43,484 |
102.8 |
|
自動車サービス事業 |
車両整備(百万円) |
2,535 |
96.5 |
|
|
メンテナンス作業(百万円) |
2,433 |
111.4 |
|
|
小計(百万円) |
4,968 |
103.3 |
ロ.リース契約実行高
|
セグメントの名称 |
品目 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
自動車サービス事業 |
自動車リース(百万円) |
5,809 |
114.7 |
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績を、セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
品目 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
自動車サービス事業 |
自動車販売(百万円) |
1,685 |
105.7 |
|
|
カー用品販売(百万円) |
396 |
95.3 |
|
|
合計(百万円) |
2,082 |
103.6 |
c.受注実績
当社グループが行っております事業は、当日受注(指示)当日出荷(作業)が大部分でありますので、受注実績につきましては記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、セグメント間の取引については相殺消去しております。
|
セグメントの名称 |
品目 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
物流サービス事業 |
包装(百万円) |
38,160 |
106.9 |
|
格納器具製品(百万円) |
5,394 |
82.3 |
|
|
|
小計(百万円) |
43,555 |
103.1 |
|
|
自動車リース(百万円) |
6,715 |
100.0 |
|
自動車サービス事業 |
車両整備(百万円) |
4,968 |
103.3 |
|
自動車販売(百万円) |
2,128 |
119.5 |
|
|
カー用品販売(百万円) |
199 |
98.3 |
|
|
保険代理店(手数料) (百万円) |
607 |
96.5 |
|
|
その他(百万円) |
53 |
105.8 |
|
|
|
小計(百万円) |
14,672 |
103.4 |
|
情報サービス事業 |
情報サービス(百万円) |
2,169 |
121.0 |
|
人材サービス事業 |
人材派遣サービス(百万円) |
1,049 |
121.2 |
|
その他事業 |
売電サービス(百万円) |
46 |
99.7 |
|
|
合計(百万円) |
61,493 |
104.0 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
トヨタ自動車株式会社 |
11,452 |
19.4 |
10,853 |
17.7 |
(注)トヨタ自動車㈱と取引のある主なセグメントは、物流サービス事業であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、(1)①経営成績等の状況に記載のとおりでありますが、当社においては、世界的な物価上昇や地政学リスク等の厳しい経営環境の中、「全員参画によるOneTeaⅿ経営」での現場力の強化と、お客様のニーズを現場第一線で掴み、スピード感を持って行動することで、既存事業の枠を超えた事業戦略の推進と元より大切にしてきた現場での地道な活動を貫いたことにより、売上、利益において過去最高を達成することができました。また、2023年11月には自己株式の取得、期末においては一株当たりの配当金を前期比13円増配の55円とさせていただくなどのステークホルダー重視の施策を実施することにより、当社株式による時価総額が一時400億円を超える水準となり、株式市場でも一定の評価をいただいたと感じております。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の状況に関する分析については次のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は29,758百万円と前連結会計年度末に比べ1,765百万円増加いたしました。主な要因は、新規リース契約件数の減少によりリース投資資産が減少した半面、売上債権の回収等により現金及び預金が増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は34,953百万円と前連結会計年度末に比べ5,176百万円増加いたしました。主な要因は、退職給付に係る資産の増加等により投資その他の資産が増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は13,467百万円と前連結会計年度末に比べ362百万円減少いたしました。主な要因は1年内返済予定の長期借入金の減少等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は10,789百万円と前連結会計年度末に比べ1,963百万円増加いたしました。主な要因は長期借入金が増加したことと、繰延税金負債(固定)が増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は40,454百万円と前連結会計年度末に比べ5,340百万円増加いたしました。主な要因は、増益に伴う利益剰余金の増加、及びその他有価証券評価差額金の増加、退職給付に係る調整累計額の増加により増加したこと等によるものであります。
経営成績の状況に関する分析については次のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は61,493百万円(前年同期比4.0%増収)となりました。増収の主な要因は、物流サービス事業における主要顧客からの受注量の増加等によるものであります。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は11,968百万円(前年同期比11.2%増益)となりました。増益の主な要因は、売上高の増収、及び現場第一線での生産性向上の推進等による原価改善によるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は4,109百万円(前年同期比25.7%増益)となりました。増益の主な要因は、売上総利益の増益によるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は4,897百万円(前年同期比23.5%増益)となりました。主な要因は、営業利益の増益によるものであります。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は4,867百万円(前年同期比23.9%増益)となりました。主な要因は、経常利益の増益によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は3,168百万円(前年同期比28.2%増益)となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益の増益によるものであります。
セグメント別の経営成績に関する分析につきましては、次のとおりであります。
<物流サービス事業>
売上高は、国内包装事業、中国子会社広州広汽木村進和倉庫有限公司及び北米子会社KIMURA,INC.における受注量の増加等により、43,571百万円(前年同期比3.1%増収)となりました。営業利益は、主要顧客の工場停止等の影響はありましたが、現場第一線での日々決算活動の推進による収益向上等により、4,687百万円(前年同期比21.8%増益)となりました。
<自動車サービス事業>
売上高は、車両販売事業における販売台数の増加等により、14,716百万円(前年同期比3.4%増収)となりました。営業利益は、車両販売事業の収益改善の効果等もあり、847百万円(前年同期比11.0%増益)となりました。
<情報サービス事業>
売上高は、主要顧客からの受注量の増加等により、2,169百万円(前年同期比21.0%増収)となりました。営業利益は、外注委託費の増加等により、226百万円(前年同期比8.0%減益)となりました。
<人材サービス事業>
売上高は、市場の人材獲得競争の中、エリア貢献の拡販(中部、関西、関東への展開)実現に向けて積極的な拡販活動や新規顧客の獲得に注力したこと等により、1,755百万円(前年同期比14.1%増収)となりました。営業利益は売上高の増加等により29百万円(前年同期比293.4%増益)となりました。
<その他のサービス事業>
売上高は、売電サービスにより、46百万円(前年同期比0.3%減収)となりました。営業利益は13百万円(前年同期比0.7%増益)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度の財政状態は、(1)②財政状態、③キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。自己資本比率は、1.9ポイント上昇し59.8%となっております。
当社グループの財政政策としては、現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部留保又は外部借入により資金を調達しており、財政状態及びキャッシュ・フローの現況から資金調達については何ら問題はありませんが、負債の圧縮、総資産の効率化という方針を掲げ、財務構造のさらなる健全化に取り組んでまいります。なお、当連結会計年度末において短期借入金1,042百万円、長期借入金(1年以内返済予定の長期借入金を含む)3,000百万円で借入金合計は4,042百万円、社債1,000百万円となっております。金融機関との間では当座貸越及び貸出コミットメント契約として5,450百万円を設定し、不測かつ緊急な資金需要にも対応可能な体制をとっております。資金配分の考え方としては、企業体質強化の為の手元資金、積極的な事業展開の為の成長投資資金、継続的な安定配当の為の株主還元資金につきまして、中長期の目標、当期の業績及び配当性向等を総合的に勘案し、フレキシブルでバランスのとれた資金配分を目指しております。株主還元における配当金につきましては、配当性向40%を目標値としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社経営者は、この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える事項について、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。特に、投資の減損、繰延税金資産、貸倒引当金などの重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。将来に生じる実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、当社グループの見積りと異なる可能性があります。
なお、重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりです。
該当事項はありません。
当社グループでは、主に物流サービス事業分野で研究開発活動を行っており、物流機器・輸送機器の企画、設計、開発、試作を中心に活動するとともに、海外への事業展開を図るための調査、研究を実施しております。
なお、当連結会計年度のセグメント別の研究開発費は