第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループの理想は「福祉社会の創造」です。地域社会とのコミュニケーションを通じ、ホスピタリティ(厚遇)の創造を追求し、住み良い環境、福祉社会の実現に貢献してまいります。

また、当社グループの目的は「生き甲斐の創造」です。「人のケア」「家族のケア」「街のケア」のトリプルケアを通し、お客様の生き甲斐を創造してまいります。そのために、当社グループは、「お客様第一主義」を徹底し、全社員が“お客様から片時も目を離さないこと”を念頭に安心と満足と喜びという信頼を、サービスと商品で提供してまいります。この「お客様第一主義」を推進することにより、当社グループの安定成長につながるものと考えております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、継続的な成長及び株主価値の最大化を目標としており、売上高成長率6~7%(2021年3月期:6.4%)、売上高営業利益率6%(同6.1%)の達成、維持に努めてまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、介護サービスの領域におけるお客様の多様なニーズに対応した付加価値の高いサービス・商品を提供し、お客様や家族、地域にとって利便性の高いチャネルネットワークの構築を図り、ワンストップ・ショッピング機能を拡充していくことを基本戦略としております。

介護保険制度においては、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを継続できるよう、医療、介護等のサービスが切れ目なく、有機的かつ一体的に提供される体制である「地域包括ケアシステム」が推進されております。

当社グループは、成長戦略として訪問看護、看護小規模多機能型居宅介護、小規模多機能型居宅介護を重点投資サービスと定め、積極展開を進めております。

 

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これらのサービスを中心に、様々な関係者との連携を強化した多機能型拠点のモデル構築を推進し、地域介護の担い手として、求められる多様なニーズへ対応できるサービス提供体制を整備してまいります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、当社グループは感染症予防及び拡大防止対策を実施し、安全を確保した上で可能な限りサービス運営を継続してまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上の課題

①地域包括ケアシステムの構築・推進

わが国では、今後も高齢者人口の増加が見込まれるなか、高齢者が要介護状態となっても住み慣れた地域で生活が続けられるよう、市町村がそれぞれの地域介護の課題を分析し、自主性や主体性をもって地域の特性に応じた地域包括ケアシステムを構築する取り組みが進んでおります。

そのなかでは、専門的なケアを通して医療と連携し、地域包括ケアシステムの構築に関与する取り組みが介護サービス事業者に必要となります。

当社グループといたしましては、コミュニティNo.1拠点の構築を戦略として掲げ、「看護小規模多機能型居宅介護又は小規模多機能型居宅介護」・「訪問介護」・「訪問看護」の3サービスをユニット化した展開を推進してまいります。それぞれの拠点において、地域包括ケアシステムの中核を担い活躍できるような人材を「ソーシャルコミュニティリーダー」と位置付け、医療ニーズ・重度化対応・重度化防止・自立支援などの地域の課題解決に向けて、地域における認知向上・関係確立を行うなかで、自社サービスの枠を超えた同業他社や地域組織、そして医療法人との連携を推進してまいります。

 

   コミュニティNo.1拠点イメージ

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人材の確保の取り組み

介護サービス業界では、サービスの提供にあたり、運営基準上必要となる有資格者(看護師・介護支援専門員(ケアマネジャー)・介護福祉士等)が必要不可欠であるものの、慢性的に人材が不足しております。さらに当社におけるコミュニティNo.1拠点の構築を目指す上では、その中核となるソーシャルコミュニティリーダーの育成も必要となってまいります。

当社グループといたしましては、新型コロナウイルス感染症の収束がいまだ不透明な状況のなか、対応フローや衛生用品の確保など、スタッフが安心して働ける職場環境の整備を図るとともに、継続した待遇改善やWebによる研修体制の整備に取り組んでおります。また、介護スタッフのキャリアアップの取組みとしては、営業所やエリアのマネジメントを担う管理職、サービス現場のスペシャリストのほか、次世代の育成者としてインストラクターといった複数のキャリアパスを用意しており、スタッフが様々な場面で活躍できる環境を整備することで、より魅力的で選ばれる企業グループを目指してまいります。

 

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収益基盤の強化について

当社グループでは、医療ニーズへの対応のため、訪問看護や看護小規模多機能型居宅介護を中心とした新規開設を進めてまいります。そのなかでは、既存営業所との相乗効果による事業規模拡大の成長戦略を描いており、新規営業所の開設と併せて、既存営業所の更なる収益性向上を図ることが必要となってまいります。

当社グループといたしましては、これまで蓄積してきた新規開設におけるノウハウの活用により早期黒字化を図るとともに、既存営業所においても経営資源の投入や介護保険法の定める加算取得を積極的に進めていくことで成長を促進させるほか、ICTの活用などにより業務の適正化を図ることで収益基盤を確保し、更なる事業展開を目指してまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)介護保険制度について

当社グループの主要な事業であります介護サービス事業のうち、介護保険法上の訪問介護、訪問入浴介護、居宅介護支援、訪問看護、福祉用具貸与・販売、通所介護(デイサービス)、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、小規模多機能型居宅介護、特定施設入居者生活介護(介護付有料老人ホーム)、短期入所生活介護(ショートステイ)、看護小規模多機能型居宅介護等のサービスが、当社グループの連結売上高の大部分を占めるため、当社グループの事業は介護保険法の影響を強く受けることとなり、次のようなリスクがあります。

①  法的規制について

介護保険法に基づく介護サービスを行うには、事業所としての指定を都道府県知事等から受ける必要があります。指定を受けた事業所は、サービス毎に定められた事業の人員、設備及び運営に関する基準、並びに労働法規(労働基準法及び最低賃金法等)を遵守する必要があります。この基準及び労働法規を遵守することができなかった場合やサービス費を不正に請求した場合などにおいては、指定の取消又は停止処分を受ける可能性があります。

また、事業所の指定取消処分がなされ、その理由となった不正行為に対して事業者(法人)の組織的関与が認められた場合、当該事業者及びそのグループ会社(当該事業者の親会社、子会社、兄弟会社)は、同一のサービス類型の他事業所について新規指定や更新を受けることができないものとされております(連座制)。なお、指定事業所としての指定は6年ごとに更新を受けなければ効力を失うものとされております。

当社グループでは、介護サービスを提供する子会社各社において、選任された法令遵守責任者を中心とした業務管理体制の中で事業所の運営体制を常時指導・監督するとともに、当社品質管理部を中心として、各種マニュアルの整備及び研修を充実させることで管理体制の強化や教育の徹底を行い、適切な事業経営に努めております。また、当社人事部を中心として、研修・指導を実施することで各事業所における労働法規の遵守に努めております。

なお、当該リスクが顕現する可能性については、近年において軽微な指導や自主的な過誤調整などが発生しているものの、指定の取消又は停止処分を受ける事案は発生しておりません。しかし万一、一部の事業所において指定の取消又は停止処分を受けた場合には、当該事業所の収益を失う可能性があります。さらに、連座制が適用された場合には、当該子会社及びグループ各社における当該サービス類型の事業所の新規指定及び更新を受けられず、計画している収益を達成できない可能性があります。

②  介護保険制度の改正について

介護保険法については、定期的に法律全般に関する検討が加えられ、その結果に基づき必要な見直し等が行われるとともに、概ね3年に1度介護報酬の改定が行われることとされております。2021年4月に行われた介護報酬改定では、全体として0.70%のプラス改定となっており、引き続き給付の適正化が行われる一方で、介護サービス事業者として感染症等への対応力強化やICT化の促進が求められるなど、メリハリある改定内容となっております。

介護サービスに係る単位数、地域区分による一単位の単価及び一人当たりの支給限度額等については、介護保険法及びその他の省令により定められているため、その変更等は当社グループの収益性に影響を与える可能性があります。さらに、高齢化の進展に伴い年金・医療・介護等の社会保障財政上の課題が生じ、お客様や介護サービス事業者にとって不利となるような制度の見直しが行われた場合には、お客様数や売上単価の減少によって当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、当社グループでは、多様なサービスアイテムを揃えることで地域性やお客様ニーズの変化に対応していく方針のもと、引き続き制度改正に対して広く情報収集に努め、柔軟に対応してまいります。

 

(2)有資格者の確保について

当社グループがお客様に提供するほとんどの介護サービスについては、看護師・介護支援専門員(ケアマネジャー)・介護福祉士・実務者研修修了者等の有資格者によるサービスが義務付けられております。

当社グループでは、給与や待遇の改善により労働環境の改善を図り、有資格者の採用を強化すると同時に、実務経験に応じた段階的な技術向上を図り資格の取得を推奨するなど、有資格者の確保に努めております。

しかし、いずれの職種においても同業他社及び医療機関等と雇用関係で継続的に競合しているため、今後有資格者の確保が思うように進まない場合、当社グループの事業の維持、拡大に影響を与える可能性があります。

(3)安全管理及び健康管理について

当社グループの提供する介護サービス事業のお客様は主に要介護認定を受けた高齢者を対象としており、お客様の転倒事故の発生や状態急変といった体調悪化の危険が高いものと考えられます。また、新型コロナウイルス等の感染症等がお客様やスタッフにおいて生じた場合には状況に応じて当社グループの判断や自治体からの要請によりサービスの縮小や休止となる状況が生じるおそれがあります。

当社グループは、介護サービス手順のマニュアルによる標準化や社内研修の充実により、事故の発生防止や感染症の感染・拡大の防止、お客様の状態急変等の緊急時対策について積極的に取り組んでおり、緊急時には当社において対策本部を立ち上げ、グループの状況を把握・指示できる体制をとっております。しかし万一、サービス提供時に重大な事故等が発生し、又は感染症が拡大し、当社グループの責任が問われた場合には、当社グループへの信用が低下し、業績に影響を与える可能性があり、その程度につきましては、当該事象の内容により様々であると認識しております。

 

(4)災害等発生時の対応について

グループホームや有料老人ホーム等の介護施設において地震・洪水等の災害や火災が発生した場合、入居されているお客様は主に要介護認定を受けた高齢者であるため、避難が困難となる危険性を有しております。

当社グループでは、お客様が宿泊される全ての施設においてスプリンクラーを設置しております。また、防災マニュアルを作成し周知徹底するほか、防火管理者等を選任し避難訓練や防火訓練を実施する等火災の予防や被害発生の最小化に努めております。

しかし、万一災害等が発生し、当社グループの責任が問われた場合には、当社グループへの信用が低下し、業績に影響を与える可能性があり、その程度につきましては、当該事象の内容により様々であると認識しております。

 

(5)お客様の情報管理について

当社グループが提供しているサービスは主にお客様個人を対象としているため、当社グループのスタッフは、お客様本人の個人情報はもちろん、そのご家族等を含めた様々な個人情報に日々接することになります。これらの情報は、その機密保持について十分な配慮をしなければならないと認識しております。

当社グループでは、個人情報の管理方法についての教育研修を定期的に実施するほか各種マニュアルを整備するなど、様々な機会でその重要性を周知徹底しておりますが、万一情報管理上の問題が発生した場合、当社グループへの信用が低下し、業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)コンプライアンスについて

当社グループが提供している介護サービスは、社会的信用が企業価値に大きな影響を及ぼすものと認識しております。当社グループでは、コンプライアンスの徹底による社会的信用の構築を図るため、コンプライアンス推進の方針を定め、教育研修を行うなどにより、事業の適切性や運営の透明性維持を図り、コンプライアンスに対する意識の啓蒙・強化に努めております。また、コンプライアンス違反の早期発見・是正を図るために、従業員から通報・相談を受け付ける内部通報窓口を整備しております。

しかし、万一コンプライアンスに反する、お客様の尊厳を損なう様な不適切なサービスが発生した場合などには、当社グループへの社会的信用が低下し、業績に影響を与える可能性があり、その程度につきましては、当該事象の内容により様々であると認識しております。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、少子高齢化の進行を背景に今後も高齢者人口の増加が見込まれるなか、高齢者が要介護状態となっても住み慣れた地域で生活が続けられるよう、市町村がそれぞれの地域介護の課題を分析し、自主性や主体性をもって地域の特性に応じた地域包括ケアシステムを構築する取り組みが進んでおります。その一方で、生産年齢人口の減少とともに人材の確保がより一層厳しさを増しており、重要な経営課題となっております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、医療・介護業界は社会インフラとしての役割を果たすべく、サービスの安定供給の確保がより一層求められており、当社グループとしましてもお客様、従業員及びその家族の安全確保、感染予防、感染拡大防止対策を講じ、事業継続に向けた対策に取り組んでまいりました。

当社グループは、介護サービスの領域におけるお客様の多様なニーズに対応した付加価値の高いサービス・商品を幅広く提供しております。このような事業展開により、感染拡大・再拡大下においては、主にデイサービスでは利用控え等の影響はあったものの、訪問入浴や訪問看護等の訪問系サービスのニーズが増え、お客様数やサービス利用回数は伸長しました。一部の拠点ではサービスを休止する等の状況は発生しているものの、適時、安全確保に向けた対策を講じながら、サービス全体としましては順調に集客が進みました。

新規開設においては、訪問看護や看護小規模多機能型居宅介護、小規模多機能型居宅介護などを先駆的に開設し、医療ニーズ等に対応するとともに運営実績を積んでまいりました。超高齢社会において、介護における医療的ニーズが高まることは不可避であり、前期において積極的に進めた医療系サービスを中心とした新規開設拠点が堅調に成長したことで業績に大きく寄与しました。今期においては新規開設数こそやや抑えたものの、同サービスを中心に17ヶ所を新規開設し、営業所数を持分法適用会社含め26の都道府県で551ヶ所(2020年3月期比10ヶ所増)と拡げ、さらなる地域連携を進めてまいりました。

利益面においては、ICTを活用したWEB会議やリモートワーク等による業務効率化を推進するとともに、仕入れや外注派遣費等の見直しにも取り組んだことで各種経費が抑制され、売上原価と販売費及び一般管理費の売上高に占める割合はともに減少いたしました。

この結果、売上高は459億9百万円(前年同期比6.4%増)、営業利益は28億6百万円(同91.1%増)、経常利益は27億83百万円(同104.6%増)となりました。その他、特別損失として、主に減損処理による投資有価証券評価損3億31百万円を計上しており、親会社株主に帰属する当期純利益は14億86百万円(同79.0%増)となりました。

第3四半期以降、感染再拡大の傾向が強まっており、依然として先行きは不透明な状況が続いておりますが、引き続き安全確保に取り組み、サービス継続に努めてまいります。

 

当連結会計年度におけるセグメントの業績を示すと、次のとおりであります(セグメント間取引を含む)。

 

・介護サービス事業

介護サービス事業においては、新型コロナウイルス感染症の拡大により訪問系サービスが見直される契機ともなりました。訪問入浴においては、お客様数の増加や稼働の向上により売上を大きく伸ばすとともに、外注派遣費の見直し等の経費抑制に取り組んだことで増益となりました。また、訪問看護においても前期に開設した16ヶ所の営業所が順調に成長したことで売上を大きく伸ばすとともに、採用による稼働の適正化や人材紹介料等の経費が抑えられたことも収益に寄与いたしました。

施設系サービスでは、デイサービスにおいて新型コロナウイルス感染症の拡大によりお客様の利用控えや一部の営業所での休止等の影響があり減収減益となりました。一方で、看護小規模多機能型居宅介護では今期8ヶ所の開設を進めたことで営業所数は35ヶ所となっており、前期に開設した10ヶ所の営業所を含む既存営業所も順調に成長したことで売上を大きく伸ばしております。また、小規模多機能型居宅介護においても堅調に推移したことから、施設系サービス全体として増収増益となりました。

の結果、売上高は448億45百万円(前年同期比6.3%増)、営業利益は21億89百万円(同67.1%増)となりました。

 

・その他

その他においては、ケアボット株式会社の介護ロボット販売事業が好調に推移した一方、セントワークス株式会社で担っていたバックオフィス業務をセントケア・ホールディング株式会社へ移管したことから、売上高及び営業利益が減少しました。この結果、売上高は14億95百万円(前年同期比8.6%減)、営業利益は1億18百万円(同50.8%減)となりました。

また、当連結会計年度末の財政状態は次のとおりであります。

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ23億48百万円増加し260億11百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ12億41百万円増加し137億62百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ11億7百万円増加し122億49百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、有形固定資産の取得による支出等の要因により相殺されたものの、税金等調整前当期純利益23億11百万円(前年同期比70.8%増)等により、前連結会計年度末に比べ15億86百万円増加し、当連結会計年度末には57億83百万円となりました。

 

  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、22億80百万円(前年同期比1.8%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益23億11百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果使用した資金は、6億91百万円(同69.2%減)となりました。これは主に補助金の受取4億4百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出10億87百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果使用した資金は、2百万円(前年同期は1億26百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入れによる収入15億円があった一方で、長期借入金の返済による支出9億25百万円、配当金の支払3億72百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出1億90百万円によるものであります。

生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

該当事項はありません。

 

b.商品仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

介護サービス事業

1,438,047

104.7

その他

128,749

152.3

合計

1,566,797

107.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額は仕入価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

該当事項はありません。

 

d.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

介護サービス事業

44,842,321

106.3

その他

1,067,253

107.4

合計

45,909,574

106.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

当連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

千葉県国民健康保険団体連合会

5,622,859

13.0

5,970,541

13.0

神奈川県国民健康保険団体連合会

4,784,294

11.1

5,044,597

11.0

東京都国民健康保険団体連合会

4,210,037

9.8

4,432,022

9.7

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループ当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、売上高は459億9百万円(前年同期比6.4%増)、営業利益は28億6百万円(同91.1%増)、経常利益は27億83百万円(同104.6%増)及び親会社株主に帰属する当期純利益は14億86百万円(同79.0%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります(セグメント間取引を含まない)

・介護サービス事業

各サービスの売上高では、小規模多機能型居宅介護(2021年3月末時点43ヶ所)において4億43百万円、前期10ヶ所を開設した看護小規模多機能型居宅介護(同35ヶ所)において12億1百万円、お客様数の増加によりそれぞれ増収となりました。また、前期16ヶ所を開設した訪問看護(同96ヶ所)においても集客が進み、5億22百万円の増収となったほか、訪問入浴においてもお客様数の増加や稼働の向上により、2億48百万円の増収となりました。訪問介護においては各種加算を取得したことなどにより、4億17百万円増加しました。

利益面では、デイサービスにおいて新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けた一方で、グループホームにおいて外注派遣費やその他経費の削減などが進み、ショートステイにおいても、看護小規模多機能型居宅介護へのサービス転換をはかったことなどにより収益体質が改善されました。また、訪問看護や訪問入浴においても採用による稼働の適正化などにより外注派遣費や人材紹介料等の経費が抑えられたことで利益貢献いたしました。

 

・その他

売上高において、ケアボット株式会社の介護ロボット販売事業が好調に推移したことで、81百万円増加しております。

 

計画に対する状況としては、売上高の計画に対する達成率は101.0%、営業利益の計画に対する達成率は102.4%、経常利益の計画に対する達成率は104.1%、親会社株主に帰属する当期純利益の計画に対する達成率は94.7%となりました。

 

②財政状態の分析

当社は、今後展開する事業活動のための資金確保を前提とした、健全なバランスシートの維持に努めることを財務方針としております。

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末(以下「前期末」という)より23億48百万円(前期末比9.9%)増加し、260億11百万円となりました。

流動資産は、前期末より29億62百万円(同28.3%)増加し、134億14百万円となりました。増加の主な要因としては、現金及び預金が15億86百万円(同37.8%)、売掛金が12億75百万円(同23.8%)増加したことによるものであります。

固定資産は、前期末より6億14百万円(同4.6%)減少し、125億97百万円となりました。減少の主な要因としては、有形固定資産の内、建物及び構築物が5億44百万円(同15.8%)増加した一方で、建設仮勘定が5億61百万円(同94.8%)、リース資産が1億65百万円(同5.2%)、投資その他の資産の内、投資有価証券が3億25百万円(同68.3%)減少したことによるものであります。

当連結会計年度末の負債は前期末より12億41百万円(同9.9%)増加し、137億62百万円となりました。

流動負債は、前期末より9億67百万円(同16.2%)増加し、69億50百万円となりました。増加の主な要因としては、未払金が3億26百万円(同12.4%)、未払法人税等が2億76百万円(同82.9%)、1年内返済予定の長期借入金が1億85百万円(同29.7%)、賞与引当金が1億1百万円(同9.1%)増加したことによるものであります。

固定負債は、前期末より2億73百万円(同4.2%)増加し、68億11百万円となりました。増加の主な要因としては、リース債務が2億2百万円(同5.7%)減少した一方で、長期借入金が3億89百万円(同28.8%)、退職給付に係る負債が1億39百万円(同10.5%)増加したことによるものであります。

当連結会計年度末の純資産は前期末より11億7百万円(同9.9%)増加し、122億49百万円となりました。増加の主な要因としては、利益剰余金が11億13百万円(同14.6%)増加したことによるものであります。

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。

a.資金需要

新規事業所の開設に伴う建物やソフトウェア等の取得を中心とした設備投資や運転資金、借入金の返済、利息の支払い、配当金の支払い及び法人税の支払い等に充当しております。

b.資金の源泉

主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入により、必要とする資金を調達しております。

また、新型コロナウイルス感染症の影響により不確実性が高まっていることから、売掛債権流動化、当座貸越契約及びコミットメントライン契約による手元流動性と資金調達枠の確保に努めております。なお、当座貸越契約及びコミットメントライン契約に係る当連結会計年度末の借入実行残高はありません。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり必要な見積りについては、合理的な基準に基づき実施しております。

特に、固定資産の減損損失及び繰延税金資産の回収可能性については重要な会計上の見積りが必要となります。当該見積り及び仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響などは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりです。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。