第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

経営方針、経営指標及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 企業理念・経営方針

 当社グループは「チャレンジあふれる未来をつくる」をパーパスに掲げ、「『人』×『Tech』で人的資本の最大化に貢献する」をミッションとしております。

 

 また、当社グループのFCEの由来や経営方針は以下となっております。

Future Created by Entrepreneurs

「社会の課題をビジネスで解決する」をコンセプトに

「人の可能性を高め、社会の未来を切り開く」新事業創造企業

 

■日本社会の問題を解決するビジネスを創り出し、その過程で関わる多くの人達の持つ無限の可能性を引き出していきます。

■これからの日本を創っていくため、当社グループは「独創的企業家集団」として、社会の問題を解決する新事業に次々と取り組んでまいります。

 

(2) 経営環境

当社グループは、持株会社である当社と事業を担う連結子会社5社で構成されており、DX推進事業、教育研修事業、その他事業を展開しております。なお、販売体制としては、本社営業部門を中心とし、DX推進事業は、それ以外に代理店を活用して提供しており、販売網としては本社(東京)以外に大阪と福岡に拠点を設けています。当社グループは全社員を『コンサルタント』として育成しており、各事業に共通して、クライアントの根本的な課題解決の実現をサポートしていることが他社との差別化・強みと考えております。

当社グループを取り巻く経営環境としては、新型コロナウイルス感染症の感染法上の5類への分類引き下げが実施され、経済活動の正常化が進むものと期待される一方で、資源価格の高騰や金融資本市場の変動など、先行き不透明な状況が続いております

当社グループにおいても、教育研修事業では、学校法人及び学習塾向けに、「7つの習慣J®」という授業プログラムを提供し、企業向けには対面での集合型の研修を提供しているため、休校、集合型研修のキャンセル・延期等による影響を一時的に受けました。また、DX推進事業においても、企業向けに純国産RPAソフトウェア「Robo-Pat DX(ロボパット ディーエックス)」を開発、提供(コンサルティング含む)しているため、対面での営業活動を自粛する等の影響を受けました。

当社グループの教育研修事業は、国内向けに展開されていることから、日本において加速している少子高齢化の動向については、重要な経営環境として認識しておりますが、めまぐるしく変化する環境において、当社の提供しているアクティブ・ラーニング教育の重要性については益々高まっているものと考えております。

さらに、少子高齢化、働き方改革並びに新型コロナウイルス感染症拡大などの課題解決の一助として、DX推進の流れは、今後も継続するものと考えており、こうした経営環境を踏まえ、当社グループのDX推進事業で提供しているRPAサービス及びDX化支援事業については注力していく方針であります。

 

このような状況の中で当社グループにおいては、経営方針である「社会の課題をビジネスで解決する」をコンセプトに、「人の可能性を高め、社会の未来を切り開く」方針は変わらず、「チャレンジあふれる未来をつくる」というパーパスのもと、お客様と従業員の安全を確保しつつ、当社グループ自らがチャレンジし続けることで、事業の拡大と収益性の向上に取り組んでおります。

特に新型コロナウイルス感染症の拡大により、経営環境が変化した中で、適時に環境に適応すべく、オンラインツールを用いたサービス提供を行うことで変化に対応してまいりました。また、営業活動においても、展示会等の参加による対面での見込み顧客の発掘からWEBマーケティング等への注力により、事業の成長を継続することが出来ております。これらの取り組みの結果、当社グループの影響は軽微なものに留まっております。

 

(3) 経営戦略

当社グループは、経営方針に基づき、これまで様々な事業を立ち上げ取り組んだ結果、現在の事業はDX推進事業と教育研修事業、その他から構成されます。今後も、社会の問題を解決するとともに、そこに関わる人たちの人財価値を革新することで、企業価値をさらに高めていくことを目指してまいります。また、これまで新しい事業に取り組んできたのは当社グループの人財によるものと考えており、引き続き、人財育成にも注力します。

 

そのため、経営戦略については、以下のとおりとなります。

 

① 当社グループの人財に関する事項

当社グループでは、人財育成のノウハウをすべて標準化・仕組み化(下図)し、ライン(営業等、業務の遂行に直接かかわるメンバー)からスタッフ(事務等、事業のサポートを行うメンバー)に至るまでの『全社員コンサルタント化』をテーマに育成しています。

『コンサルタント』として育成することにより、クライアントに対して単なるサービス提供の範囲にとどまらず、根本的な課題解決、ありたい姿の実現をサポートすることを他社との差別化・強みとしています。

現在、Great Place to Work®が主催する「働きがいのある会社ランキング」にて11年連続ベストカンパニーを受賞しておりますが、引き続き、「働きやすさ」や「やりがい」の維持・向上により、既存事業の拡大や新規事業の創出が出来るような人財育成を継続します。

 

 

(標準化・仕組み化した人財育成のノウハウ)

 


 

※コロナ禍以降は研修やトレーニングをすべてオンラインでの参加・配信に切り替えております。

 

② DX推進事業に関する事項

当社グループの「Robo-Pat DX」の導入企業数は、2019年9月末時点で449社、2020年9月末で648社、2021年9月末で850社、2022年9月末で995社、2023年9月末で1,192社となっております。
 今後の継続的な成長を実現するべく、当社グループの「Robo-Pat DX」の機能充実・認知度向上はもとより、販売体制の強化を重点施策として取り組んでまいります。特に地方企業に向けた展開スピードを速めるため、代理店網の強化や販売パートナーの増強などを起点に地方における認知拡大、販売体制を構築してまいります。

 

 

③ 教育研修事業に関する事項

「7つの習慣®」は研修プログラムとしても体系化されており、世界160カ国にて展開。それらをベースにした「7つの習慣J®」「7つの習慣®研修」のオンライン事業化をスタートした結果、従来の集合型・対面型の受講形式に比べて受講時の利便性が高まり、世界中から講師・受講生を募ることが可能となっています。今後は、全方位的な年代・層に合わせてコンテンツラインナップを増加し、コンテンツ間のシナジーによる認知拡大・クロスセルなども目指します。

 

eラーニング市場は、コロナ禍による需要の高まりを受け市場の拡大が期待されます。株式会社FCEトレーニング・カンパニーが提供する「Smart Boarding」(従業員エンゲージメントを高めるeラーニング構築・運用支援サービス)の拡販により、事業の拡大を目指します。

 

④ DX推進事業並びに教育研修事業に関する事項

当社グループの特徴として、顧客に対して単なるサービス提供にとどまらず、ありたい姿の実現をサポートすることにより、本質的な課題の把握に努め、顧客基盤を構築して参りました。今後は、こうした既存の顧客基盤に対しても当社グループが有する様々な商材を提供(クロスセル)していくことで、収益の安定化と高い成長の両立を目指します。

例えば、「7つの習慣®研修」のフォローツールとして「Smart Boarding」をセット提供していくことにより、ストック比率をさらに高めることが可能になります。また、「Smart Boarding」の導入から研修やコンサルティングなどに展開していくなど、コンテンツ間のシナジーを生み出してまいります。更にDX推進事業と教育研修事業の事業間のクロスセル、具体的には、「Robo-Pat DX」と「Smart Boarding」のそれぞれの顧客にサービスを紹介することで更なる成長を企図します。

すでに「7つの習慣®研修」はこれまでに2,600社以上が導入しており、「Smart Boarding」の導入企業数は、2019年9月末時点で99社、2020年9月末で188社、2021年9月末で348社、2022年9月末で468社、2023年9月末で607社となっており、「Robo-Pat DX」の導入企業数は2023年9月末で1,192社となっております。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、継続的な成長による企業価値の向上を図るため、「連結売上高」と「連結経常利益」及び「連結経常利益率」を重要な経営指標として位置付けております。連結売上高は事業規模の成長を示す重要な指標として、連結経常利益率は事業規模の追求だけではなく、収益性も考慮した上で、グループ全体としての成長を示す重要な指標として考えております。

なお、連結売上高は、2023年9月期実績は4,174百万円(2022年9月期実績は3,753百万円)となっており、連結経常利益は、2023年9月期実績は575百万円(2022年9月期実績は454百万円)となっており、連結経常利益率は、2023年9月期実績は13.8%(2022年9月期実績は12.1%)となっております。

また、事業別には、教育研修事業においては、既存の顧客に対するクロスセルや、リスキングのニーズを追い風としたeラーニングの需要の高まりを捉え、「Smart Boarding」(eラーニング)の導入社数を重視しており、DX推進事業においては、RPA市場を拡大期と捉え、販売体制の強化を重点施策としており、「Robo-Pat DX」の導入社数を重視しております。

 

(5) 当社グループの対処すべき課題

① DX推進事業の商品力強化

DX推進事業は近年市場の拡大が著しく、既存事業者や新規参入企業の競合商品との競争はさらに激化するものと想定しております。

当社グループが顧客対象とする「企業のユーザー部門」への更なる浸透を考えると、商品の使いやすさを高めていく余地が十分に存在していると認識しており、ユーザーフレンドリーな操作性の向上、マニュアル類やトレーニング環境の充実、作成サポート体制の充実も含めて、商品力強化に継続的に努めてまいります。

 

② DX推進事業の認知度向上、販売体制強化

当社グループが「Robo-Pat」の商品名でDX推進事業を開始してから約6年と年数が浅く、また小規模の組織体制で運営してきたことから、知名度の向上と販売体制の拡充が不可欠であります。

そのため、費用対効果を検討のうえ、効果的な広告宣伝活動により知名度を向上させることに加え、首都圏以外の地方都市圏においてもプロモーション展開や販売パートナーの確保に取り組み、日本全国での認知度向上と販売体制の強化に取り組んでまいります。

 

③ 人材確保、社員教育

当社グループが、経営環境の変化に適応し、継続的な発展を実現していくためには、各事業において主体的に課題解決に向け行動する人材の確保が重要であると考えております。当社グループの理念・価値観に共鳴する人材の採用活動及び社内研修を継続してまいります。

 

④ 社内管理体制の強化

当社グループの成長を維持していくためには、社内管理体制の強化が不可欠であると考えております。そのために内部統制体制を強化し、コーポレート・ガバナンス体制を充実させていくとともに、情報セキュリティ、労務管理等のコンプライアンス体制の構築に取り組んでまいります。

 

⑤ 新型コロナウイルス感染症の影響について

当社グループにおいて、新型コロナウイルスの感染拡大の終息を迎え、経済活動はアフターコロナに向けて回復に向かいつつありますが、新たな労働環境が浸透する中で、これまでにセグメント別では以下のような影響等があり、対応を図ってまいりました。引き続き、経営環境の変化に適時に適応すべく柔軟な運営を図ってまいります。

 

(DX推進事業)

DX推進事業においては、主たる事業領域であるRPA市場の成長が継続しているものと認識しております。しかし、新型コロナウイルスの感染者数が拡大していた状況下においては、RPAに関する展示会等での対面での営業が従来よりも困難となっておりました。当社グループは、適時にWEBでのマーケティングや見込み顧客の発掘にシフト・注力することで課題へ対処いたしました。今後は、引き続き、対面・WEBの双方を柔軟に組み合わせながら安定的な事業運営を図れるように体制を構築してまいります。

 

(教育研修事業)

研修事業においては、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、対面での集合型研修の延期やキャンセル等で抑制傾向にありましたが、Zoom等によるオンラインを用いた開催により柔軟に環境変化に対応することでサービスの提供を継続してまいりました。その他、eラーニングの市場は、コロナ禍による需要の高まりを受け、その後においても市場の拡大が継続しており、当社グループのeラーニングの「Smart Boarding」においてもニーズが高まり拡販に注力しています。

 

 

(その他管理体制面等)

新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が終息しているものの、当社グループはお客様と従業員の安全を最優先に事業運営を行うべく、感染防止策にも注力しております。引き続き、部分的なテレワークの導入やフレックスの勤怠による時差出勤等を推奨しながら、オンラインツールを用いた会議体の設定等、柔軟な組織運営を図ってまいります。

 

⑥ 財務上の課題

純資産と負債の適切なバランスを保ちながら、事業収益や金融機関の借入等を通じて事業の成長資金を確保することで既存事業の強化や新規事業創出のための機動的な資金調達を実現することが財務上の課題として認識しております。2023年9月末時点における自己資本比率は51.6%でありますが、引き続き、財務体質の維持・向上を図ってまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサスティナビリティに関する考え方及び取り組みは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、企業価値の向上の観点からも、サステナビリティをめぐる課題の重要性は認識しておりま

す。サステナビリティの取り組みについては、環境に関する要素に加え、人的資本や知的財産への投資などの社

会に関する要素の重要性が指摘されている点も踏まえて、必要に応じて適切な対応を検討してまいります。

 また、経営環境の変化に迅速に対応できる組織体制を構築し、維持していくことが重要であると考えておりま

す。詳しくは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

 

(2)戦略

(人的資本に関する戦略)

 当社グループでは、パーパスである「チャレンジあふれる未来をつくる」やミッションである「『人』×

『Tech』で人的資本の最大化に貢献する」に共感し、高い専門性やスキルを有する人材(人財)を育成すること

が重要であると認識しております。
  具体的には、人財育成のノウハウをすべて標準化・仕組み化し、ライン(営業等、業務の遂行に直接かかわる

メンバー)からスタッフ(事務等、事業のサポートを行うメンバー)に至るまでの『全社員コンサルタント化』

をテーマに育成しています。『コンサルタント』として育成することにより、クライアントに対して単なるサー

ビス提供の範囲にとどまらず、根本的な課題解決、ありたい姿の実現をサポートすることを他社との差別化・強

みとしています。

 

 (社内環境整備に関する方針)

 当社グループでは、社会の問題を解決するとともに、そこに関わる人たちの人財価値を革新することで、企業

価値をさらに高めることを実現するために、多様な人財を確保するために、年齢・性別・国籍等に関係なく、

個々の能力を最大限に発揮できる人事・評価制度の設計や多様な働き方を推進します。
   現在、Great Place to Work®が主催する「働きがいのある会社ランキング」にて11年連続ベストカンパニーを

受賞しておりますが、引き続き、「働きやすさ」や「やりがい」の維持・向上により、既存事業の拡大や新規事

業の創出が出来るような人財育成を継続します。

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、リスク管理規程やコンプライアンス規程等に基づき、全社的にコンプライアンスの遵守を

徹底する体制を構築しております。また、サステナビリティの観点においても社外の弁護士等の専門家とも連携

しながら重要なリスク要因の分析・把握できる体制の構築に努めております。当社グループのリスク管理及びコ

ンプライアンスの遵守につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に

記載のとおりであります。

 

(4)指標及び目標

   当社グループは、多様性を確保しつつ、優秀な人財の確保・定着や社内環境整備が事業基盤を安定させ、強固

  な経営体制を構築し、グループの企業価値を高めていくうえで重要であると認識しております。当社グループ

  は、現在、特定の指標及び目標を定めておりませんが、当期における管理職の女性比率は22.7%、育児休暇取得

  後の復帰率は100%となっており、多様性確保に向けた取り組みを継続して行ってまいります。

 

3 【事業等のリスク】

(1)当社のリスク管理体制

当社は、当社グループの事業活動において、予期せぬ損害、損失等を発生させる可能性のあるものをリスクとして定義し、リスク管理規程を定め、代表取締役を委員長とするリスク管理委員会を設置しております。リスク管理体制の整備の状況等については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。

 

(2)事業等のリスク

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

なお、「発生可能性」については、3年以内に発生する頻度・確率より評価、「影響度」については、発生した際にグループ連結営業利益に与える影響より評価しております。

 

 

発生可能性

発生する時期

影響度

1.教育事業に関するもの

 ① 少子化の影響について

不特定

 ② 教育制度の変更について

不特定

 ③ 競合について

不特定

 ④ 提携先との関係について

不特定

 ⑤ 学校法人を通じた提供について

不特定

2.研修事業に関するもの

 ① 業界環境の変化について

不特定

 ② 競合について

不特定

 ③ 提携先との関係について

不特定

3.DX推進事業に関するもの

 ① DX推進事業の市場について

不特定

 ② 競合について

不特定

 ③ 提携先との関係について

不特定

 ④ 販売パートナーとの委託契約について

不特定

4.グループに共通するもの

 ① 人材確保、労務について

中長期

 ② IT技術革新について

不特定

 ③ 法的規制について

不特定

 ④ 個人情報の管理について

不特定

 ⑤ 自然災害について

不特定

  新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

不特定

  特定人物への依存について

不特定

 ⑧ インフルエンザ等の感染症の流行や

   新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響について

不特定

   業績の季節変動性について

不特定

 

 

 

1.教育事業に関するもの

① 少子化の影響について

当社グループは、連結子会社株式会社FCEエデュケーションにおいて、教育事業を行っております。

教育業界は、出生率低下に伴う少子化により、学齢人口の減少という問題に直面しており、今後ますます生徒数確保に向けた競争が激化していくことが予想されます。

このような状況の中、当社グループは、子どもたちに対しては、サービスを通して主体性、協調性を育み、社会で活躍できる能力を身につけてもらうことを目指し、また当社グループのサービスを導入される学校法人に対しては、教育理念の実現と生徒数確保の両立をしていただくことを目指して事業展開をしてまいります。

しかしながら、今後急速に少子化が進行し、教育業界全体が著しく縮小した場合、当社グループの教育事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 教育制度の変更について

近年、教育分野においては、変化の激しいこれからの社会で活躍できる人材育成を目指し、学習指導要領の改訂や大学入試制度の変更など、行政による教育制度の変更が行われ、今後も子どもたちの学び方や学校での教え方が大きく変わっていく可能性があります。

この教育制度変更の目的に関しては、当社グループが提供するサービスの目的と合致しており、今後も顧客ニーズを満たすべく商品・サービスの強化・改善に努めてまいります。

しかしながら、今後の教育制度の変更等に、当社グループが早期の対応を行えなかった場合は、当社グループの教育事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 競合について

当事業で提供する「7つの習慣J®」「フォーサイト手帳」「Find!アクティブラーナー」等の教育サービスの市場には、競合が多数存在しています。

当社グループでは、「7つの習慣®」のブランド力を強みに、子どもたちの主体性を高める教育サービスの強化・充実を図り、他社との差別化を図っています。

しかしながら、当社同様に主体性を高める教育サービスをもって、新たに教育業界に新規参入してくる企業や、当社の対応を上回るスピードで事業展開をしていく企業が現れた場合、競争激化となり、顧客の流出やコストの増加等、当社グループの教育事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 提携先との関係について

当事業のサービスである「7つの習慣J®」は、フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社より「7つの習慣®」に係るライセンスの提供を受け、学校法人及び学習塾に対して提供しております。

当社グループでは、業務提携先との良好なパートナーシップを構築するよう注力しております。しかしながら、何らかの事情によりライセンス提供や業務提携の内容が変更する状況が生じた場合、当社グループの教育事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 学校法人を通じた提供について

当事業のサービスの幾つかは、学校法人を通じて生徒が利用するという提供形態をとっており、提携する多くの学校法人とは5年、10年と長期に渡る継続した関係を構築・維持しております。

しかしながら、少子化、教育環境の変化、他社サービスの切り替えといった様々な理由により、当社サービスの利用が終了となった場合、あるいは学校法人の受講生徒数が著しく減少するなど、当社サービスを利用する生徒数の大幅な減少があった場合、当社グループの教育事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

2.研修事業に関するもの

① 業界環境の変化について

当社グループは、連結子会社株式会社FCEトレーニング・カンパニーにおいて、企業向け研修事業を行っております。

日本国内では労働力人口の減少に伴い、生産性向上のニーズは高く、当事業分野の需要は今後も増加していくとの予測に基づき事業を拡大していく方針です。しかしながら、国内外の経済情勢や景気動向等の理由により、顧客企業の教育費用が減退するような場合には、当社グループの企業向け研修事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競合について

当事業は、研修会社、コンサルティング会社等多数の企業が参入しており、今後一層、競争が激化するものと認識しております。当社グループでは、現場に寄り添ったコンテンツ開発力や支援方法において強みを有していると認識しておりますが、今後、競合他社に対する優位性が維持できなくなった場合、当社グループの企業向け研修事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 提携先との関係について

当事業のサービスの「7つの習慣研修®Business Ownership」は、フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社より「7つの習慣®」のライセンスを受け、顧客企業に提供しております。当社グループでは、業務提携先との良好なパートナーシップを構築するよう注力しております。しかし、何らかの事情により、同社からライセンス提供を受けられない状態となった場合には、当社グループの企業向け研修事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.DX推進事業に関するもの

① DX推進事業の市場について

当社グループは、連結子会社株式会社FCEプロセス&テクノロジーにおいて、DX推進事業を行っております。日本国内では少子高齢化、労働力人口の減少が今後も進むことから、当事業分野の需要は今後も増加していくとの予測に基づき事業を拡大していく方針ですが、国内外の経済情勢や景気動向等の理由により、顧客企業の投資マインドが減退するような場合には、当社グループのDX推進事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競合について

当事業には競合が複数存在しております。当社グループでは、提携企業との連携したサービス改善や顧客支援体制の整備・充実等を通じて他社との差別化を図っておりますが、今後の市場の拡大により、当事業の既存事業者や新規参入企業との競争激化による顧客企業の流出や、その対策のためのコスト負担等により、当社グループのDX推進事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 提携先との関係について

当事業の主力商品である「Robo-Pat DX」は、株式会社PKSHA Associatesとのパートナー契約により、RPAソフトウェアライセンスのOEM提供を行っております。当社グループでは、業務提携先との良好なパートナーシップを構築するように注力しています。しかしながら、何らかの事情により、同社からのライセンスの供給や業務提携の内容に変更が生じた場合、当社グループのDX推進事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 販売パートナーとの委託契約について

当事業では、顧客企業の獲得・維持、それらに付随する業務の一部を、他社(販売パートナー)に委託しております。当社グループでは、販売パートナーの営業支援活動を通じて、販売パートナーと良好なパートナーシップを構築するよう注力しています。しかし、何らかの事由により、販売力の高い販売パートナーとの契約関係が終了となる場合には、顧客の獲得や維持に影響することとなり、当社グループのDX推進事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4.グループに共通するもの

① 人材確保、労務について

当社グループが展開する各事業では、各事業を拡大するうえで必要な人材を確保し、育成していくことが重要な経営課題と捉えております。そのため、新卒や中途採用の活動を計画的に実施し、また採用した人材の能力開発につながる教育や人事諸制度の構築運用を講じております。

しかしながら、労働人口が減少する中で採用環境が厳しくなり、必要な人材を確保できない状況が生じたり、あるいは、想定より多くの離職が生じた場合には、当社グループの競争力に影響を及ぼす可能性があります。

また、昨今の労働法制を鑑みると、従業員の労働環境に関して雇用者のきめ細かな管理や対応が求められております。

当社グループとしては、法令等を遵守して運営できていると認識しておりますが、今後法規制に変化があった場合、それに対応するための人件費等の増加により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② IT技術革新について

当社グループで提供するサービスには、RPAやeラーニングサービスなど、IT技術を用いるものが含まれています。当社グループでは、最新技術に関する社員教育や提携企業との連携強化及び新たな協力企業との連携によって、環境変化に対応するよう努めております。しかし、この分野では新技術や新サービスの開発の動きが激しく、当社グループが環境変化に適切に対応できない場合には、サービスの競争力の低下を招き、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 法的規制について

当社グループで展開する各事業では、特定商取引に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法、消費者契約法、著作権法、個人情報の保護に関する法律等の規制を受けております。

当社グループでは、各事業における社内管理体制の構築を通じ、法令遵守に努めておりますが、不測の事態によりこれらの規制を遵守できない状況が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 個人情報の管理について

当社グループの各事業では、商品・サービスの提供や営業活動に際し、顧客及び潜在顧客の氏名やメールアドレス等の個人情報を保有し、情報システム上で管理を行っております。

これらの情報システムの管理にあたっては、外部からの侵入の防止、社内規程の整備、従業員の教育指導等、個人情報の管理には十分な注意を講じております。しかしながら、第三者によるセキュリティ侵害、ハッキング、従業員の故意または過失等によって、当社グループで保有する個人情報が外部に漏えいした場合は、社会的信用やブランド価値が毀損され、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 自然災害について

当社グループが展開している地域において、大規模な地震等の自然災害が発生した場合、業務遂行が困難になる可能性があります。

当社グループでは、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、これら自然災害等が想定を大きく上回る規模で発生した場合には、サービスの提供が困難となり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社グループでは、取締役、従業員に対するインセンティブ等を目的としたストック・オプション制度を採用しております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社株式の1株当たりの価値が希薄化し、将来における株価形成に影響を及ぼす可能性があります。なお、本書提出日現在、新株予約権による潜在株式は454,200株あり、株式総数(潜在株式を含む)の12.72%に相当します。

 

⑦ 特定人物への依存について

当社代表取締役社長である石川淳悦は、当社の創業者及び経営の最高責任者であり、本書提出日現在、当社株式の40.17%を所有する大株主であるとともに、経営方針や事業戦略の立案・決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。

当社グループでは、過度な依存を回避すべく、持株会社制度を採って経営管理体制の強化、経営幹部の育成等を図ると共に、取締役会及びグループ報告会議等における役員及びグループ報告会議参加社員の情報共有を行い、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、現時点において同氏に対する依存度は高い状況にあるといえます。そのため、何らかの理由により同氏が当社グループの経営を行うことが困難な状態となり、また、後任となる経営層の採用・育成が進展していなかった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ インフルエンザ等の感染症の流行や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響について

インフルエンザ等の感染症の流行や新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、経済活動が停滞し、国内消費が悪化する可能性があり、予断を許さない状況にあります。当社グループでは従業員やその家族、インターナショナルスクールに通う生徒、取引先の方々など、あらゆる方の安全や健康を守ることを最優先としながら事業活動を継続しておりますが、インフルエンザ等の感染症の大規模な流行や、新型コロナウイルス感染症が長期化し、それに伴い経済活動の停滞が長期化した場合には、各事業において以下のような可能性があります。

教育事業では、インターナショナルスクールに通う生徒数の減少に伴い、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

研修事業では、当社の顧客の業績が悪化し当社サービスが解約に至るほか、商談中の案件が延期や失注となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

DX推進事業では、当社の顧客の業績が悪化し当社サービスが解約となる可能性があります。また、現在Webによる営業活動を積極的に取り入れてはおりますが、展示会等の延期・中止等により十分な広告宣伝活動を行う事ができず、当社サービスへの問い合わせの減少、それに伴う新規顧客からの申し込みの減少により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨  業績の季節変動性について

当社グループのうち、教育研修事業では、教育関係の年度の変わり目である4月から当社グループの商品を利用するニーズがあることから、主として毎年第2四半期(1月から3月)に、商品の出荷・販売を行います。その影響により、当社グループの売上高及び利益には一定の季節変動があり、当社としては偏重状況の予測とモニタリング等により対応しております。

また、当社グループの年間の予算達成状況等を見ながら、第4四半期(7月から9月)に翌期の成長に向けた戦略的な投資(主に広告宣伝)を行う場合があります。そのため、第4四半期の損益は他の期間と比較して低位または赤字となる場合があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染法上の5類への分類引き下げが実施され、経済活動の正常化が進むものと期待される一方で、資源価格の高騰や金融資本市場の変動など、先行き不透明な状況が続いております。

このような状況の中、当社グループは、「チャレンジあふれる未来をつくる」をパーパスに掲げ、人口減少による労働力不足に対しても「『人』×『Tech』で人的資本の最大化に貢献する」をミッションとして事業の拡大と収益性の向上に取り組んでおります。

以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高4,174百万円(前期比11.2%増)、営業利益581百万円(前期比28.1%増)、経常利益575百万円(前期比26.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益318百万円(前期比6.6%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(DX推進事業セグメント)

当社グループ商品「RPA Robo-Pat DX」は一人ひとりのパソコン業務を自分で自動化できる「パーソナルRPA」という考え方に基づき現場の業務フローと必要な機能を追究し、継続的に改善を重ねながら、更なる事業拡大に向けて広告宣伝等も積極的に行ってまいりました。現場の最前線で業務にあたりながらRPAを使いこなすための「ロボパットマスター認定プログラム」の受講者数を継続的に増やし、DX推進並びに生産性向上を実現する人財の育成にも注力することで市場と事業の両面の拡大を実現しております。

導入社数は2023年9月末時点で1,192社となっており、その結果、当連結会計年度においてセグメント売上高は2,139百万円(前連結会計年度比20.7%増)、セグメント利益は405百万円(前連結会計年度比60.8%増)となりました。

 

(教育研修事業セグメント)

教育事業は主に、「7つの習慣J®」オンラインやWonder Code(子供向け英語プログラミング教育)といった新規事業への広告宣伝等の投資を行いつつも、事業全体は堅調に推移しました。研修事業においては、当社グループ商品「Smart Boarding」(クラウド型オンボーディングサポートサービス)が、eラーニングの市場ニーズの成長を背景に、引き続き、導入企業数を伸ばすことができました。(導入社数は2023年9月末時点で607社)。教育研修事業全体としては、2022年1月に学習塾運営事業を外部へ売却したことによる減収・減益の影響を受けましたが、その他の既存事業は事業全体が堅調に推移しました。その結果、当連結会計年度においてセグメント売上高は1,901百万円(前連結会計年度比3.3%増)、セグメント利益は185百万円(前連結会計年度比1.9%増)となりました。

 

(その他セグメント)

その他セグメントにおいては、主に出版事業を行っております。当連結会計年度においてセグメント売上高は133百万円(前期比4.2%減)、セグメント損失は18百万円(前期はセグメント損失17百万円)となりました。

 

 

サービス別の売上高は、次のとおりであります。

(DX推進コンサルティングサービス) 

DX推進コンサルティングサービスでは、DX推進事業セグメントに加えて教育研修セグメントのうち、Education DXとHR DXの分野にサービスを提供しております。

RPAサービスの継続的な拡大に加えて、企業向けでは(HR DX)「Smart Boarding」においても引き続き、拡販を実現しました。

  その結果、当連結会計年度において売上高は2,492百万円(前連結会計年度比22.4%増)となりました。

 

(人財育成コンサルティングサービス)

 人財育成コンサルティングサービスでは、教育研修セグメントのうち、EducationとHR(Human Resource)の分野にサービスを提供しております。

 Educationの分野は2022年1月に学習塾運営事業を外部へ売却したことにより減収の影響を受けたものの、その他の既存事業は堅調に推移しました。HRの分野でも事業全体が堅調に推移し、その結果、当連結会計年度において売上高は1,548百万円(前連結会計年度比0.8%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べて1,059百万円増加し、3,298百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比べて954百万円増加し、2,882百万円となりました。これは主に現金及び預金が859百万円、売掛金が58百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末と比べて105百万円増加し、415百万円となりました。これは主に有形固定資産が10百万円、無形固定資産が27百万円、投資その他の資産が67百万円増加したこと等によるものであります。

 

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べて157百万円増加し、1,593百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末と比べて189百万円増加し、1,236百万円となりました。これは主に買掛金が39百万円、未払費用が69百万円増加したこと等によるものです。固定負債は、前連結会計年度末と比べて31百万円減少し、357百万円となりました。これは主に長期借入金が30百万円減少したこと等によるものであります。

 

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べて901百万円増加し、1,704百万円となりました。これは主に利益剰余金が318百万円、新株の発行による88百万円、自己株式の処分により472百万円増加したこと等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて859百万円増加し、2,246百万円となりました。

  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度末において営業活動の結果獲得した資金は、501百万円(前連結会計年度は180百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益504百万円等の増加要因と、法人税等の支払額183百万円等の減少要因によるものであります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度末において投資活動の結果支出した資金は、178百万円(前連結会計年度は2百万円の獲得)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出100百万円、事業譲受による支出39百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出43百万円等の減少要因によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度末において財務活動の結果獲得した資金は、535百万円(前連結会計年度は478百万円の支出)となりました。これは主に自己株式の処分による収入472百万円等の増加要因等によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループが提供するサービスには、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b.受注実績

当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごと並びにサービスごとに示すと、次のとおりであります。

 

(セグメント別販売実績)

セグメントの名称

販売高

前年同期比(%)

DX推進事業(千円)

2,139,014

20.7

教育研修事業(千円)

1,901,755

3.3

その他(千円)

133,546

△4.2

合計(千円)

4,174,316

11.2

 

 

(サービス別販売実績)

サービスの名称

販売高

前年同期比(%)

DX推進コンサルティング(千円)

2,492,673

22.4

人財育成コンサルティング (千円)

1,548,096

0.8

その他(千円)

133,546

△26.2

合計(千円)

4,174,316

11.2

 

(注) 1.前年同期比は小数点以下第2位を四捨五入しております。

2.セグメント間・サービス間の取引については相殺消去しております。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、総販売実績の100分の10未満であるため記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

  重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りとは異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、重要な会計上の見積りを要する項目はないと判断しております。

 

② 経営成績の分析
a.売上高、売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費、営業損益

該当項目についての経営成績の分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりです。

b.営業外収益、営業外費用、経常損益

営業外収益として主に、償却債権取立益4百万円を計上しました。営業外費用として主に、新規上場に伴う株式公開費用19百万円を計上しました。結果として、経常利益は575百万円(前期比26.5%増)となりました。

c.特別損益、特別損失、法人税等、親会社株主に帰属する当期純損益

特別利益として主に、投資有価証券売却益8百万円を計上しました。特別損失として主に、投資有価証券評

価損を78百万円を計上しました。結果として、税金等調整前当期純利益は、504百万円(前期比11.0%増)とな

りました。

また、法人税等は、当期に新たに一部費用等が税務計算上加算調整されたこと等により繰延税金資産が48百万円増加しました。これに伴い、結果として法人税等調整額が減少し法人税等は186百万円(前期比19.5%増)となりました。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は318百万円(前期比6.6%増)となりました。

 

③ 財政状態の分析

第7期連結会計年度における財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりです。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

 

⑥ 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。当社グループの資金需要の主なものは、当社グループの売上拡大に係る人件費、販売促進費等の販売費及び一般管理費に加え、拠点開設に係る有形固定資産への投資等があります。これらの資金需要に対して安定的な資金供給を行うための財源については、短期の運転資金については自己資金や金融機関からの短期貸越枠にて充足し、長期の設備投資等については自己資金に加え、金融機関からの長期借入金、新株発行による調達資金により充当いたします。なお、当面の資金繰りのための資金は十分に確保していると判断しております。

当社グループの現在の資金需要は主に運転資金となっており、金融機関からの借入と事業収益をもとに資金運営を行っております。また現在の当社グループの事業として、設備を投資する等により資金が固定化することがないため、流動性リスクは軽微であると考えております。

資金繰りが悪化した場合の対策に関しては、金融機関からの借入を想定しますが、資金需要としての運転資金の範囲内の事項であると考えております。

 

⑦ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループにおける経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標の進捗は、連結売上高について、2023年9月期実績は4,174百万円(2022年9月期実績は3,753百万円)となっており、連結経常利益は、2023年9月期実績は575百万円(2022年9月期実績は454百万円)となっており、連結経常利益率は、2023年9月期実績は13.8%(2022年9月期実績は12.1%)となっております。また、当社グループの製品であるRobo-Pat DX(RPA)の導入企業数は2023年9月末時点で1,192社(2022年9月末時点では995社)及びSmart Boarding(eラーニング)の導入企業数は2023年9月末時点で607社(2022年9月末時点で468社)と現時点で堅調に推移しているものと認識しております。今後も事業規模の成長と収益性の成長の両立を目指し、経営戦略を着実に遂行いたします。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

 

当社または

連結子会社

契約名

契約年月日

契約期間

契約相手先

契約内容

株式会社FCE
エデュケーション

ライセンス契約

2004年
2月19日

2004年2月19日から

2027年1月31日まで

フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社

7つの習慣J®のフランチャイズビジネス展開のライセンス契約

株式会社FCE
トレーニング・カンパニー

知的財産権の使用に関する契約書

2013年
2月28日

2013年2月28日から

2027年2月28日まで

フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社

『7つの習慣』をベースとした企業向け研修実施ライセンス契約

株式会社FCE
 プロセス&テクノロジー

販売パートナー契約

2017年
 2月15日

2017年2月15日から

2024年2月14日まで

株式会社PKSHA Associates

RPAソフトウェアライセンスを代理販売形態もしくはOEM形態により販売するパートナー契約

 

(注) 上記1及び2については、ロイヤルティとして売上高の一定率を支払っております。

   上記3については、ライセンス販売価格に仕切率を乗じた利用料を支払っております。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、既存DX推進事業とのシナジーを創出できる分野の探求を目的に、DX推進事業と関連性の高い領域を選定し、当該領域に関する事業化の前提として当社既存商品との連動性やコストパフォーマンスの向上を克服すべく研究を日々積み重ねております。研究開発体制は、当社の研究開発提携先であるグループ外部の企業と共同開発を行い、プロトタイプ版の製品を完成させ、クライアント企業で実現が可能なのかどうかを確認・判断するために実施される実験・検証作業を行いました。今後も効果的かつ迅速的に活動を推進してまいります。 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は1百万円であります。