第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
回次
|
第15期
|
第16期
|
第17期
|
第18期
|
第19期
|
決算年月
|
2020年3月
|
2021年3月
|
2022年3月
|
2023年3月
|
2024年3月
|
売上収益
|
百万円
|
1,300,843
|
1,249,528
|
1,296,163
|
1,518,619
|
1,603,672
|
税引前利益
|
〃
|
245,350
|
145,324
|
156,886
|
132,361
|
24,969
|
当期利益 (親会社の所有者に帰属)
|
〃
|
195,411
|
120,589
|
124,086
|
98,714
|
17,045
|
当期包括利益 (親会社の所有者に帰属)
|
〃
|
156,692
|
181,499
|
208,117
|
205,277
|
205,583
|
親会社の所有者に帰属する 持分
|
〃
|
1,289,168
|
1,386,115
|
1,460,308
|
1,507,954
|
1,595,988
|
資産合計
|
〃
|
2,315,169
|
2,273,628
|
2,332,395
|
2,456,518
|
3,569,603
|
1株当たり親会社所有者帰属 持分
|
円
|
694.03
|
748.03
|
799.26
|
839.26
|
890.07
|
基本的1株当たり当期利益 (親会社の所有者に帰属)
|
〃
|
104.15
|
64.93
|
67.08
|
54.24
|
9.51
|
希薄化後1株当たり当期利益 (親会社の所有者に帰属)
|
〃
|
104.08
|
64.90
|
67.05
|
54.09
|
9.47
|
親会社所有者帰属持分比率
|
%
|
55.7
|
61.0
|
62.6
|
61.4
|
44.7
|
親会社所有者帰属持分 当期利益率
|
〃
|
15.3
|
9.0
|
8.7
|
6.7
|
1.1
|
株価収益率
|
倍
|
16.0
|
26.2
|
28.5
|
34.7
|
172.9
|
営業活動による キャッシュ・フロー
|
百万円
|
221,998
|
306,843
|
257,444
|
327,767
|
172,475
|
投資活動による キャッシュ・フロー
|
〃
|
△389,793
|
△81,894
|
△62,413
|
△84,500
|
△845,802
|
財務活動による キャッシュ・フロー
|
〃
|
181,055
|
△229,479
|
△216,298
|
△195,623
|
614,060
|
現金及び現金同等物の 期末残高
|
〃
|
318,391
|
326,128
|
315,986
|
376,840
|
335,687
|
従業員数
|
人
|
15,883
|
15,455
|
14,522
|
14,484
|
14,754
|
(注) 1.国際会計基準 (以下「IFRS」) に基づいて連結財務諸表を作成しています。
2.百万円未満を四捨五入して記載しています。
3.第16期において企業結合に係る暫定的な会計処理を確定し、暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、連結財政状態計算書を遡及修正しています。これに伴い、第15期の関連する主要な経営指標等については、当該修正が反映された後の金額を表示しています。
(2) 提出会社の経営指標等
回次
|
第15期
|
第16期
|
第17期
|
第18期
|
第19期
|
決算年月
|
2020年3月
|
2021年3月
|
2022年3月
|
2023年3月
|
2024年3月
|
売上高
|
百万円
|
600,626
|
545,553
|
542,568
|
613,566
|
688,435
|
経常利益
|
〃
|
293,204
|
223,433
|
270,544
|
338,241
|
373,257
|
当期純利益
|
〃
|
240,645
|
193,055
|
225,095
|
314,210
|
292,161
|
資本金
|
〃
|
103,001
|
103,001
|
103,001
|
103,001
|
103,001
|
(発行済株式総数)
|
(千株)
|
(1,861,787)
|
(1,861,787)
|
(1,835,852)
|
(1,809,663)
|
(1,809,663)
|
純資産額
|
百万円
|
671,615
|
787,715
|
873,622
|
1,022,834
|
1,183,824
|
総資産額
|
〃
|
1,331,308
|
1,350,771
|
1,388,556
|
1,488,925
|
2,458,895
|
1株当たり純資産額
|
円
|
361.08
|
424.69
|
477.81
|
568.97
|
660.00
|
1株当たり配当額
|
〃
|
40.00
|
42.00
|
50.00
|
60.00
|
70.00
|
(内1株当たり中間配当額)
|
(〃)
|
(20.00)
|
(21.00)
|
(25.00)
|
(30.00)
|
(35.00)
|
1株当たり当期純利益
|
〃
|
128.26
|
103.95
|
121.69
|
172.64
|
162.92
|
潜在株式調整後 1株当たり当期純利益
|
〃
|
128.17
|
103.89
|
121.63
|
172.57
|
162.87
|
自己資本比率
|
%
|
50.4
|
58.3
|
62.9
|
68.7
|
48.1
|
自己資本利益率
|
〃
|
39.0
|
26.5
|
27.1
|
33.2
|
26.5
|
株価収益率
|
倍
|
13.0
|
16.4
|
15.7
|
10.9
|
10.1
|
配当性向
|
%
|
31.2
|
40.4
|
41.1
|
34.8
|
43.0
|
従業員数
|
人
|
4,560
|
4,647
|
3,943
|
4,867
|
4,806
|
株主総利回り
|
%
|
103.2
|
107.6
|
123.2
|
125.1
|
114.9
|
(比較指標:配当込TOPIX)
|
(〃)
|
(90.5)
|
(128.6)
|
(131.2)
|
(138.8)
|
(196.2)
|
最高株価
|
円
|
1,987.0
|
1,982.0
|
2,052.0
|
2,205.0
|
2,360.5
|
最低株価
|
〃
|
1,375.0
|
1,426.0
|
1,590.0
|
1,823.5
|
1,551.0
|
(注) 1.提出会社の財務諸表は日本基準に基づいて作成しています。
2.百万円未満を四捨五入して記載しています。
3.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所 (市場第一部) におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所 (プライム市場) におけるものです。
4.「収益認識に関する会計基準」 (企業会計基準第29号 2020年3月31日) 及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日) を第17期の期首から適用しています。
2 【沿革】
1923年4月
|
故山内健二が大阪市において当社の母体、山之内薬品商会を創立。
|
1939年3月
|
山之内薬品商会を株式会社組織に改組。(資本金18万円)
|
1940年10月
|
商号を、山之内製薬株式会社に改称。
|
1949年5月
|
東京証券取引所及び大阪証券取引所に株式を上場。
|
1968年11月
|
焼津工場 (製剤工場) 完成。
|
1974年11月
|
高萩工場 (合成工場) 完成。
|
1986年4月
|
アイルランドに山之内アイルランドCo.,Ltd. を設立。
|
1987年5月
|
西根工場 (製剤工場) 完成。
|
1989年3月
|
筑波研究センター完成。
|
2005年4月
|
藤沢薬品工業株式会社と合併し、アステラス製薬株式会社発足。 同合併に伴い、海外・国内グループ会社を順次再編。
|
2005年4月
|
製剤生産機能を統合・分社化し、アステラス東海株式会社を設立。
|
2006年4月
|
原薬製造機能を統合・分社化し、アステラスファーマケミカルズ株式会社を設立。
|
2007年12月
|
がん領域の抗体医薬を専門とするバイオベンチャー、アジェンシス Inc. (米国) を買収。
|
2008年4月
|
米国にグローバル開発本社機能を有するアステラス ファーマ グローバル ディベロップメントInc. を設立。
|
2008年11月
|
インドに医薬品販売子会社アステラス ファーマ インディア PVT.Ltd. を設立。
|
2009年7月
|
ブラジルに医薬品販売子会社アステラス ファーマ ブラジルを設立。
|
2010年6月
|
がん、糖尿病/肥満の領域に事業基盤を持つOSI ファーマシューティカルズ Inc. (米国) を買収。
|
2010年12月
|
オーストラリアに医薬品販売子会社アステラス ファーマ オーストラリア Pty Ltdを設立。
|
2011年4月
|
アステラス富山株式会社及びアステラスファーマケミカルズ株式会社をアステラス東海株式会社に統合し、その社名をアステラス ファーマ テック株式会社に変更。
|
2013年7月
|
シンガポールに医薬品販売子会社アステラス ファーマ シンガポール Pte.Ltd. を設立。
|
2013年10月
|
Amgen Inc. (米国) との戦略的提携に伴う合弁会社アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社が業務開始。
|
2016年1月
|
マレーシアに医薬品販売子会社アステラス ファーマ マレーシア Sdn.Bhd. を設立。
|
2016年2月
|
眼科領域における細胞医療の研究開発に強みを持つオカタ セラピューティクス Inc. (米国) (後に社名をアステラス インスティチュート フォー リジェネレイティブ メディシンに変更) を買収。
|
2016年12月
|
がんに対する抗体医薬を開発するガニメド ファーマシューティカルズ AG (ドイツ) を買収。
|
2017年5月
|
Gタンパク質共役受容体を標的とする低分子薬を開発するオジェダ SA (ベルギー) を買収。
|
2018年1月
|
ミトコンドリア関連疾患領域における共同研究・開発提携先であるマイトブリッジ Inc. (米国) を買収。
|
2018年12月
|
がん免疫領域における共同研究・開発提携先であるポテンザ セラピューティクス Inc. (米国) を買収。
|
2020年1月
|
神経筋疾患を対象に、アデノ随伴ウイルスに基づく遺伝子治療薬を研究開発するオーデンテス セラピューティクス Inc. (米国) (後に社名をアステラス ジーン セラピーズ Inc. に変更) を買収。
|
2022年4月
|
医薬品・治験薬・原薬の製造子会社であるアステラス ファーマ テック株式会社を吸収合併。
|
2023年7月
|
眼科領域に特化した治療薬の研究開発を行うバイオ医薬品企業IVERIC bio, Inc. (米国) を買収。
|
3 【事業の内容】
当社グループは、当社及び連結子会社82社、持分法適用会社5社から構成されており、医薬品の研究開発、製造及び販売を主要な事業としています。
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。
なお、当社グループは、区分すべき事業セグメントが存在しないため、報告セグメントは医薬品事業単一となっています。
当社は研究開発、製造及び販売を行っており、各地域の関係会社へ原料及び製品の一部を供給しています。
また、主に以下の関係会社が、研究開発、製造及び販売の各機能を担っています。
機能
|
主な関係会社の名称
|
研究開発
|
アステラス ファーマ グローバル ディベロップメント Inc. (米国) アステラス インスティチュート フォー リジェネレイティブ メディシン (米国) アステラス ジーン セラピーズ Inc. (米国)
|
製造
|
アステラス アイルランド Co.,Ltd. (アイルランド) アステラス ファーマ ヨーロッパ B.V. (オランダ) アステラス製薬 (中国) 有限公司 (中国)
|
販売
|
アステラス ファーマ US, Inc. (米国) アステラス ファーマ GmbH (ドイツ) 北京アステラス医薬有限公司 (中国) アステラス ファーマ S.A.S (フランス) アステラス ファーマ S.A. (スペイン) 韓国アステラス製薬株式会社 (韓国)
|
以上で述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
4 【関係会社の状況】
名称
|
住所
|
資本金
|
主要な事業の内容
|
議決権 の所有 割合 (%)
|
関係内容
|
役員の 兼任
|
営業上の取引等
|
(連結子会社)
|
|
|
|
|
|
|
アステラス US ホールディング Inc.
|
米国 イリノイ州
|
千米ドル 0
|
医薬品事業
|
100
|
有
|
―
|
アステラス US LLC
|
米国 イリノイ州
|
―
|
医薬品事業
|
100 (100)
|
有
|
当社へロイヤルティ支払
|
アステラス ファーマ US, Inc.
|
米国 イリノイ州
|
千米ドル 0
|
医薬品事業
|
100 (100)
|
無
|
―
|
アステラス ファーマ グローバル ディベロップメント Inc.
|
米国 イリノイ州
|
千米ドル 0
|
医薬品事業
|
100 (100)
|
有
|
当社より開発の受託
|
アステラス インスティ チュート フォー リジェネレイティブ メディシン
|
米国 マサチューセッツ州
|
千米ドル 0
|
医薬品事業
|
100 (100)
|
有
|
―
|
アステラス ジーン セラピーズ Inc.
|
米国 カリフォルニア州
|
千米ドル 0
|
医薬品事業
|
100 (100)
|
有
|
―
|
アステラス ファーマ ヨーロッパ B.V.
|
オランダ ライデン
|
千ユーロ 33,750
|
医薬品事業
|
100 (100)
|
無
|
当社より仕入
|
アステラス ファーマ ヨーロッパ Ltd.
|
英国 アドルストン
|
千ユーロ 138,858
|
医薬品事業
|
100 (100)
|
無
|
当社より仕入 当社へロイヤルティ支払
|
アステラス ファーマ GmbH
|
ドイツ ミュンヘン
|
千ユーロ 14,001
|
医薬品事業
|
100 (100)
|
無
|
―
|
アステラス アイルランド Co.,Ltd.
|
アイルランド ダブリン
|
千ユーロ 3,472
|
医薬品事業
|
100 (100)
|
無
|
当社より仕入 当社へ原料・製品の供給及びロイヤルティ支払
|
アステラス ファーマ S.A.S
|
フランス パリ
|
千ユーロ 4,022
|
医薬品事業
|
100 (100)
|
無
|
―
|
アステラス ファーマ S.A.
|
スペイン マドリード
|
千ユーロ 2,981
|
医薬品事業
|
100 (100)
|
無
|
―
|
アステラス (中国) 投資有限公司
|
中国 北京市
|
千中国元 1,787,883
|
医薬品事業
|
100
|
無
|
―
|
北京アステラス医薬有限公司
|
中国 北京市
|
千中国元 20,000
|
医薬品事業
|
100 (100)
|
無
|
―
|
アステラス製薬 (中国) 有限公司
|
中国 遼寧省 瀋陽市
|
千中国元 299,191
|
医薬品事業
|
100 (100)
|
無
|
当社より仕入
|
韓国アステラス製薬株式会社
|
大韓民国 ソウル市
|
百万ウォン 11,500
|
医薬品事業
|
100
|
無
|
当社より仕入
|
その他 66社
|
|
|
|
|
|
|
(持分法適用会社)
|
|
|
|
|
|
|
その他 5社
|
|
|
|
|
|
|
(注) 1.主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しています。
2.議決権の所有割合欄の( )内は間接所有割合を内数で示しています。
3.役員の兼任については、当社の取締役及び担当役員が該当会社の役員を兼任している場合に、「有」と記載しています。
4.アステラス US ホールディング Inc.、アステラス US LLC、アステラス ファーマ ヨーロッパ Ltd.及びアステラス (中国) 投資有限公司は、特定子会社に該当します。
5.アステラス ファーマ US, Inc.については売上収益 (連結会社相互間の内部売上収益を除く) の連結売上収益に占める割合が10%を超えています。
主要な損益情報等
|
(1) 売上収益
|
965,416
|
百万円
|
|
(2) 税引前利益
|
8,565
|
百万円
|
|
(3) 当期利益
|
6,662
|
百万円
|
|
(4) 資本合計
|
25,009
|
百万円
|
|
(5) 資産合計
|
365,423
|
百万円
|
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
(2024年3月31日現在)
セグメントの名称
|
従業員数 (人)
|
医薬品事業
|
14,754
|
合計
|
14,754
|
(注) 従業員数は就業人員を記載しています。
(2) 提出会社の状況
(2024年3月31日現在)
従業員数 (人)
|
平均年令 (歳)
|
平均勤続年数 (年)
|
平均年間給与 (円)
|
4,806
|
42.7
|
16.5
|
11,104,334
|
セグメントの名称
|
従業員数 (人)
|
医薬品事業
|
4,806
|
合計
|
4,806
|
経営基幹職に占める 女性労働者の割合 (%)
|
男性労働者の 育児休業等取得率 (%)
|
男女の賃金の差異 (%)
|
全労働者
|
うち 正規雇用労働者
|
うちパート・ 有期労働者
|
16.3
|
93.1
|
73.6
|
74.3
|
71.5
|
(注) 1.従業員数は就業人員を記載しています。
2.平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含む総年間賃金を人数で除して算出しています。
3.経営基幹職に占める女性労働者の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」 (平成27年法律第64号) の規定に基づき算出したものです。労働者の母数には取締役及び担当役員を含めていません。
4.男性労働者の育児休業等取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」 (平成3年法律第76号) の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」 (平成3年労働省令第25号) 第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。なお、同第71条の4第1号における育児休業等のみの取得率は 41.5%です。
5.男女の賃金の差異は、男女別に対象労働者の年間平均賃金 (対象労働者の総年間賃金÷対象労働者数) を算出し、女性年間平均賃金÷男性年間平均賃金×100として算出しています。
なお、差異の主な要因は男性の方が高い職務グレードに就いている割合が高いことであり、同等の期待役割を持つ職務レベルであれば男女で賃金に差異が生じることはありません。
(3) 労働組合の状況
当社の従業員は、アステラス労働組合を構成し、上部団体として医薬化粧品産業労働組合連合会に加盟しています。2024年3月31日現在における組合員数は2,869名です。また、労使は健全な関係を構築しています。