当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、技術を磨き、お客様が望む優れた製品・部品を提供することで『従業員』『お客様』『地域社会』の満足と幸せを追求することを基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、事業規模拡大による持続的な成長と効率性の高い事業運営を目指し、売上高、営業利益及びROA(総資産営業利益率)を主要な経営指標としております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2024年3月期より中長期5か年計画「J-VISION 30」を新たにスタートいたしました。「J-VISION 30」では「技術で夢を –Make our dreams by Technology-」をビジョンとして掲げ、持続可能な100年企業を目指し、既存事業の技術を磨くとともに、新しい事業への探索と挑戦で企業価値を高め、従業員をはじめとするステークホルダーと夢を共有することを目指しております。
「J-VISION 30」の推進における基本戦略として以下の7項目を設定しております。
① ブランド力強化と新規顧客開拓による売上の拡大
② 新事業確立に向けた新商品の開発
③ デジタルを駆使しプロセスを変革させコア技術を進化
④ 次世代工場の構築と新しいモノづくりへのチャレンジ
⑤ DXの展開加速で経営構造の変革
⑥ 持続的な成長に向けた事業ポートフォリオの変革
⑦ サステナビリティ経営による企業価値の向上
なお、当社は2025年3月期年初より厳しさを増す自動車業界の環境を踏まえ、中長期5か年計画 「J-VISION 30」に掲げた当初の基本戦略(7項目)に加え、厳しい環境変化に対応し、客先の急激な生産変動にも耐えうる強い収益構造を確立するため、グループ全体で固定費削減等による企業体質の強化を図ってまいります。
(4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが属する自動車業界においては、コロナウイルス禍の収束に加え、半導体供給不足の緩和に伴い、回復基調が続くことが期待されております。また、脱炭素社会の実現に向けた世界的な電動化の加速及び自動車産業への異業種の参入に加え、自動運転や生産技術等に関連した技術革新が進展するなど、大きな変革期を迎えております。
当社は、このような市場環境変化の中、2024年3月期より中長期5か年計画「J-VISION 30」をスタートさせ、「既存事業の強化」と「新事業の創出」を成長戦略の2本柱として、更なる成長に向けた取り組みを推進しております。
「既存事業の強化」については、ボディ部品及び今後急速に成長拡大が見込める電動化部品における事業規模拡大を図るため、日本は西日本地区、中国は中国南東部地区において新工場を新たに展開し、生産能力及び売上規模の拡大を目指してまいります。また、AI及びIoTの活用により新しいモノづくりに挑戦し、生産体質の変革を図るほか、金型事業についてはデジタル技術と匠の技の融合で創業以来の金型技術を磨くとともに生産プロセスの進化やグループ間連携強化等により競争力強化を図り、強固な企業基盤を構築いたします。
「新事業の創出」については、経営資源の最適配分により研究開発活動をさらに加速させ、将来の新たな収益基盤の構築に向けて、自動車領域に限定しない社会課題の解決につながる新商品・新事業の開発に挑戦してまいります。また、伸長事業・不採算事業を見極め、成長事業に経営資源を集中させ、新たな成長市場への進出を含めたグループ全体の事業リスクを視野に入れた経営を推進するほか、アライアンス及びM&A等の外部資源の活用を図り、持続的な成長に向けた事業ポートフォリオへの変革を進めてまいります。
近年、アジアの自動車市場において、中国を中心に急速に電動化シフトが進んでおり、ローカル部品メーカーの台頭に加え、主要客先の減産が継続するなど、当社を取り巻く環境は厳しさを増しております。
このような事業環境の変化を踏まえ、当社は中長期戦略に加え、厳しい環境変化に対応し客先の急激な生産変動にも耐えうる強い収益構造を確立するため、グループ全体で固定費の抜本的な削減等による企業体質の強化を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に向け、2021年12月に「サステナビリティ方針」を制定し、2022年3月に優先的に取り組む「サステナビリティ重要課題」を特定いたしました。2022年4月には、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)等のグループ課題に取り組むため、専門組織であるサステナビリティ推進室(2024年4月管理部管理課に統合)を設置して、サステナビリティ重要課題の管理を行い、進捗状況と課題について、半期に1回の頻度で取締役会へ報告しております。取締役会は、サステナビリティ全般におけるリスクの監督に対する責任と権限を有しており、内部統制・企業倫理委員会及び下部組織のコンプライアンス・リスクマネジメント委員会に加え、安全衛生・防災委員会並びに環境管理委員会等の当社委員会組織で協議された内容の報告を受け、当社グループのサステナビリティのリスクへの対応方針及び活動計画等についての審議・監督を行っております。
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりであります。
① 人材育成方針
「個の力」を底上げし、管理職の「マネジメント能力」のブラッシュアップにより「強固なチーム」を作り上げ、グローバル人材・コア人材の管理・育成によるグローバルでの同一視点による最適人材配置の実現、有能人材定着・獲得のための企業価値の確立・向上へのアシストを実施することを人材育成方針としております。
② 社内環境整備方針
少子高齢化・都市部への人口流出等により、当社所在地における雇用環境が今後一層厳しくなることが想定される中、当社は、従業員一人ひとりの生産性の向上を図りつつグローバルに人材を確保するべく、経営状況の共有、健康経営の推進、キャリア形成、外国人材雇用の推進に努めることを社内環境整備方針としております。
当社グループにおける全社的なリスク管理は、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会において行っております。当社の取締役を委員長として、サステナビリティに係るリスクの対応方針や課題について、優先度を選別・評価し迅速な意思決定を図っております。リスクへの対応状況は、当該委員会においてモニタリングされ、上部組織の内部統制・企業倫理委員会より、監査役会へ報告され、監査役会においても審議・監督されております。
上記「(2)戦略」の、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針における、指標、目標及び実績は、以下のとおりであります。
(注) 無期雇用の労働者における外国籍労働者の比率
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性のある事業等のリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2024年6月20日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における世界経済は、賃金及び個人消費が増加するものの、ウクライナ及び中東での情勢悪化等を背景に、物流網の混乱及びエネルギー資源をはじめとした物価が上昇する等、世界経済の回復基調は弱含みとなり、依然として先行き不透明な状況が続いております。日本では物価上昇等により個人消費が停滞するものの、インバウンド需要の回復及び雇用・所得環境の持ち直しにより、景気は緩やかに回復しております。
当社グループが属する自動車業界においては、中国では政府による販売促進政策等により新エネルギー車を中心に生産台数は前年を上回り、好調を維持しております。一方で、日系自動車メーカーは、急速に高まる新エネルギー車への対応の遅れに対する生産台数の減少が顕著であり、厳しい状況が続いております。タイでは、高水準の家計債務及びローン審査の厳格化等に伴い自動車への需要が減退しており、生産台数が減少しております。また、中東情勢悪化による輸送航路への影響等によりタイからの輸出台数も減少しており、不安定な状況で推移しております。日本では、半導体供給不足の緩和等により、生産台数は回復傾向にあったものの、認証不正行為による一部自動車メーカーの生産停止に加え能登半島地震に伴う部品供給不足等の影響により生産台数が減少しており、市場回復は鈍化いたしました。
このような状況のもと、当社グループは、当連結会計年度を初年度とする中長期5か年計画をスタートさせ、既存事業の強化及び新事業の創出に向け取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は54,347百万円(前年同期比3.8%増)、営業利益は1,041百万円(前年同期比63.0%減)、経常利益は731百万円(前年同期比73.0%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は、タイ拠点及び広州拠点において、固定費削減による企業体質の強化を図るため実施した構造改革費用を特別損失に計上したこと等により、1,026百万円(前年同期は1,298百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
当社グループでは、事業規模拡大による持続的な成長と効率性の高い事業運営を目指し、売上高・営業利益・ROA(総資産営業利益率)をKPI(重要業績評価指標)としております。KPI(重要業績評価指標)については、中長期5か年計画最終年度において、売上高は70,000百万円、営業利益は4,000百万円、ROA(総資産営業利益率)は6.0%を目標数値としており、当連結会計年度において売上高は54,347百万円、営業利益は1,041百万円、ROA(総資産営業利益率)は2.0%となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度に新規設立した福建丸順新能源汽車科技有限公司及び広州恒邦倉儲有限公司は「広州」に含めております。
(J-MAX)
J-MAXにおいては、主要客先の生産回復及び原材料価格高騰による製品売価の増加により、売上高は増加いたしました。また、生産性改善や経費削減等の原価低減活動に取り組んだものの、生産車種構成の変化に伴う購入費及び年度後半における主要客先の生産変動に伴う労務費負担の増加等の影響により、利益は前年同期と同水準となりました。
以上の結果、売上高は21,473百万円(前年同期比23.1%増)、経常利益は1,269百万円(前年同期比2.9%増)となりました。
J-MAXにおいては、新規受注先の拡大や新たな生産拠点の整備に加え、今後の競争力強化につながる研究開発の推進等、グループ全体の成長を牽引しております。
(タイ)
タイにおいては、国内及び輸出用自動車部品の生産が増加したものの汎用エンジン部品の減産及び金型設備等の販売減少により売上高は現地通貨ベースでは減少いたしましたが、為替影響により邦貨ベースでは増加いたしました。また、要員適正化及び運送積載効率向上等の原価低減の取り組みを推進したものの、生産車種構成の変化等の影響により、利益は減少いたしました。
以上の結果、売上高は7,701百万円(前年同期比5.9%増)、経常損失は263百万円(前年同期は124百万円の経常利益)となりました。
タイにおいては、タイ国内及び輸出先である周辺国における市場が成熟化する中、固定費削減を中心とした構造改革推進により、利益体質の強化を図っております。
(広州)
広州においては、主要客先の減産に伴い、生産設備の集約や要員適正化等の固定費削減を中心とした構造改革を推進したものの、生産台数減少の影響に加え、前年同期は量産車種終了に伴う金型投資費用の回収があったこと等により、売上高、利益ともに減少いたしました。
以上の結果、売上高は16,020百万円(前年同期比18.5%減)、経常損失は249百万円(前年同期は1,001百万円の経常利益)となりました。
広州においては、中国で加速する自動車電動化の需要を取り込むため、電動化事業の拡大を展開するとともに、構造改革推進による持続可能な企業体質の構築を図っております。
(武漢)
武漢においては、主要客先の減産等の影響により売上高は現地通貨ベースでは減少したものの、為替影響により邦貨ベースでは前年同期と同水準となりました。また、生産性改善に伴う労務費削減や経費削減等の原価低減の取り組みを推進したものの、新型車種用設備投資に伴う償却費の増加等により、利益は減少いたしました。
以上の結果、売上高は11,707百万円(前年同期比0.1%増)、経常利益は261百万円(前年同期比54.9%減)となりました。
武漢においては、生産効率化及び原価低減活動等による企業体質強化の取り組みに加え、異素材加工技術の確立や新規受注先の拡大等に取り組み、新たな収益基盤の構築に努めております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,991百万円となり、前連結会計年度末に比べ120百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,895百万円の収入(前年同期は4,911百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失1,413百万円(前年同期は1,968百万円の税金等調整前当期純利益)、減価償却費4,682百万円(前年同期は3,999百万円)、固定資産廃棄損1,206百万円(前年同期は34百万円)、売上債権の増加額1,053百万円(前年同期は1,070百万円の減少)、特別退職金681百万円(前年同期は-百万円)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、5,958百万円の支出(前年同期は5,220百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出6,409百万円(前年同期は5,326百万円の支出)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,951百万円の収入(前年同期は174百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金339百万円の減少(前年同期は2,101百万円の増加)、長期借入金1,660百万円の増加(前年同期は1,027百万円の減少)、ファイナンス・リース債務の返済による支出540百万円(前年同期は8百万円の支出)、セール・アンド・リースバックによる収入1,627百万円(前年同期は-百万円の収入)等によるものであります。
当社グループでは、中長期5か年計画においてフリー・キャッシュフローを重視しており、「既存事業強化」及び「新事業の創出」を戦略の2本柱として掲げ、利益創出に取り組んでおります。また、投資については事業規模の拡大を最優先に捉え、将来の収益拡大に向けた戦略的成長投資を推進しております。
③ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によります。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月20日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社経営陣は連結財務諸表の作成に当たって、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー、特に以下に述べる項目に影響を与えるような見積り及び判断を行っております。経営陣は過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
a.棚卸資産
棚卸資産のうち、仕掛品に含まれる販売目的の金型、治具及び検具等(販売用金型等)は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)(1)棚卸資産(販売用金型等)の評価」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)(1)棚卸資産(販売用金型等)の評価」に記載のとおりです。
b.繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性の判断については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)(2)繰延税金資産の回収可能性の判断」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)(2)繰延税金資産の回収可能性の判断」に記載のとおりです。
c.退職給付引当金
当社は、退職給付債務の算定に当たり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。また、一部の連結子会社は、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算に、退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(退職給付関係)2確定給付制度(8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
d.減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失の認識及び測定において用いられる将来キャッシュ・フローは、当社グループが用いている内部の情報(予算)と経営環境などの外部要因に関する情報を整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮して見積もっております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において新たな減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
<経営成績等>
当連結会計年度の経営成績等について、当社グループは、新拠点立ち上げ等の成長投資の増加及び生産減少による償却回収の遅れ等により、営業利益、経常利益ともに減益となりました。また、タイ及び広州において、企業体質の強化を図るため実施した構造改革費用を特別損失に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は減益となりました。
当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高は、主要客先の減産の影響により海外拠点は現地通貨ベースで減収となるものの、原材料価格高騰分の転嫁及び為替影響により増収となったことで、前年同期比3.8%増の54,347百万円となりました。
売上原価は、前連結会計年度の46,427百万円から49,919百万円に増加し、売上高に対する比率は3.2ポイント増加し91.9%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の3,116百万円から3,385百万円に増加し、売上高に対する比率は0.2ポイント増加し6.2%となりました。以上の結果、営業利益は前連結会計年度の2,811百万円に対し、1,041百万円となりました。
営業外収益は、前連結会計年度の275百万円に対し、111百万円となりました。また、営業外費用は、前連結会計年度の374百万円に対し、420百万円となりました。以上の結果、経常利益は前連結会計年度の2,712百万円に対し、731百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,298百万円に対し、当連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純損失1,026百万円となりました。
当社グループの当連結会計年度末における資産総額は、51,738百万円となり、前連結会計年度末と比較し、2,793百万円の増加となりました。これは主に、リース資産が1,447百万円増加、工具、器具及び備品が1,447百万円増加、建設仮勘定が1,604百万円増加したこと等が要因であります。
負債総額は29,982百万円となり、前連結会計年度末と比較し、3,406百万円の増加となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が927百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が632百万円減少、長期借入金が2,406百万円増加、リース債務が1,475百万円増加、退職給付に係る負債が232百万円減少したこと等が要因であります。
純資産は21,756百万円となり、前連結会計年度末と比較し、613百万円の減少となりました。これは主に、利益剰余金が1,225百万円減少、自己株式の取得により220百万円減少、為替換算調整勘定が786百万円増加したこと等が要因であります。
当社グループの主たる事業である自動車業界では、脱炭素社会の実現に向けた電動化の加速及び海外における新興メーカーの台頭に加え、価格競争等により、大変厳しいものとなっております。
以上の現状を踏まえ、更なるグローバル競争及び価格低減競争が予想されるとともに、景気の状況等の影響も受けやすく、自動車関係市場の変動は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの連結売上高に占める海外子会社売上高の割合は60.5%と大きく、為替の変動が、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは3,895百万円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローが5,958百万円の支出となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローが1,951百万円の収入となった結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前連結会計年度末に比べ120百万円増加し、5,991百万円となりました。
当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金、借入、社債により調達しております。また、借入による調達に関しましては、運転資金については短期借入金、生産設備などは、原則として長期借入金で調達しており、当連結会計年度末の連結貸借対照表に計上されている短期借入金の残高は9,061百万円、1年内返済予定の長期借入金の残高は1,150百万円、長期借入金の残高は5,146百万円であります。
(1)技術受入等契約
(注)対価として一定料率のロイヤリティを支払っております。
(2)技術援助契約
(注)対価として一定料率のロイヤリティを受け取っております。
当社グループでは、環境への対応と安全性の向上を目標とし、自動車の主要部品である車体骨格、安全補強、機能部品、電動化部品及び精密部品について、研究開発活動に取り組んでおります。また、取引先の要望である自動車の軽量化、衝突安全性能の向上及び商品価値の向上等の課題に対応し、独自な新商品提案を実現することを目指しております。
近年では、カーボンニュートラルに貢献すべく、超ハイテン加工技術の電動化部品への適用及び展開に向けた研究開発を積極的に取り組んでおります。
さらには、自動車関連部品のほか、新たな研究開発活動として将来的に市場拡大が予想される事業を事前に検知するため、次世代の新事業及び新商品の開発に取り組んでおります。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は
また、当社の研究開発活動は以下のとおりであります。
(J-MAX)
J-MAXにおいては、研究開発活動は上石津工場を主な拠点とし、車体骨格、安全補強、電動化部品及び精密部品を中心に、主要取引先の研究開発部門と密接な連携をとり、効率的な商品開発のほか、次世代を見据えた新事業及び新商品の研究開発活動を行っております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
① 超ハイテン材等の加工技術及び自動車骨格部品・電動化部品等への適用に関する研究開発
② 超ハイテン材等のプレス加工に適した、金型技術、成形技術に関する研究開発
③ 精密加工部品の加工・製造技術等に関する研究開発
④ 自動車各種機能部品に関する研究開発
⑤ CAE技術の精度向上・活用分野拡大に関する研究開発
⑥ 自動車車体部品への効率的な接合技術に関する研究開発
⑦ 自動車電動化関連部品の要素技術の開発
⑧ 新事業及び新商品に関する研究開発