文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)が判断したものであります。
当社グループは、「快適な都市・生活環境を創造するプロパティマネジメント会社」として、「継続した成長により社会貢献する会社」を目指し、「個性豊かな会社」にすることを経営方針に掲げ、常に顧客サイドでの観点に立ち、良質なサービスの提供を行うことを基本方針としております。
当社グループは、常に事業効率向上と株主価値を高めるための資本効率の向上を目指し、自己資本当期純利益率10%以上、総資産経常利益率10%以上を維持することを経営目標としております。具体的には経常利益率を向上させるため、部門別に徹底した合理化を図り契約単位ごとの原価低減に努め、部門別独立採算制度により社員一人一人が常に利益を意識した活動を行っております。今後も引き続き目標達成に向けて諸施策を実施し、業績及び株主価値の向上を図ってまいりたいと存じます。
企業グループ間の連携強化を図るとともに、今後の業容拡大に備えた競争力の強化と企業体質の改善を図るべく、次の重点施策を掲げ推進しております。
① 新規営業充実のための体制強化を図り、都市開発プロジェクトへの積極的な参加、PFI事業や公共施設マネジメント事業への参加、周辺分野からの新規事業の開拓に努める。
② 国内外で当社グループに関連する企業へのM&Aを積極的に推進する。
③ グループノウハウを海外グループ会社に横展開することによるサービスの品質向上と事業の効率化を図る。
④ 外部と内部の双方へのIT技術のアプローチ、デジタルとアナログの融合をもってお客様への最適なサービスを実現する。
今後の見通しにつきましては、ウクライナ及びパレスチナ情勢や円安基調によるエネルギーコスト及び原材料価格の上昇並びに為替変動リスクにより、先行きは不透明な状況が続くものと予想されます。
当社グループのセグメントごとの経営環境及び対処すべき課題は次のとおりであります。
(建物管理運営事業)
主たる業務であるビル管理業務及び保安警備の建物管理運営事業につきましては、テレワークやサテライトオフィスなど様々な勤務形態が定着し始めたことにより、都市部のオフィスや商業ビルの空室率は、依然として高止まりしております。また、原材料価格の高騰や人件費の上昇による取引先企業のコスト削減意識は更に高まり、他社との競合も含め、市場環境は厳しい状況で推移するものと予想されます。このような状況のもと、当社グループといたしましては、サービス品質の継続的な改善に努め、付加価値の高い提案を積極的に行うことにより、お客様満足度と収益性の向上を図ってまいります。また、企画提案力を主軸に据え、PFI事業や公共施設マネジメント事業など一層の業容拡大を図ってまいります。
(住宅管理運営事業)
マンション及び公営住宅の管理を主体とする住宅管理運営事業につきましては、労働人口の減少による人手不足の影響で人材確保が困難な状況が続き、様々な経営上におけるコスト増加の影響もあり、小規模事業者や兼業業者の事業撤退も出てくると予想されます。このような状況のもと、当社グループといたしましては、顧客との共存共栄を図り、お互いをパートナーとしての関係を構築した上で、グループ全体のノウハウを活かした安定的かつ良質なサービスを提供することで、売上・利益の拡大を図ってまいります。また、非常時における事業継続計画を策定することにより危機対応能力を高め、お客様の安心・安全の確保に努めてまいります。
(環境施設管理事業)
上下水道処理施設等の生活環境全般にかかる公共施設管理を主体とする環境施設管理事業につきましては、主要な取引先である地方自治体の財政は、引き続き厳しい状況で推移されることが予想され、民間ノウハウの活用余地が大きく、潜在的に大きな市場であると捉えております。このような状況のもと、当社グループといたしましては、既存契約の業務を安定的に行いながら、国が推進するウォーターPPPなどの新しい契約形態にも対応し業容を拡大することに加え、原価率の高い案件の見直しや業務の効率化により、売上・利益の拡大を図ってまいります。また、顧客満足度調査を継続して実施し、PDCAによる業務改善を徹底することにより、お客様の声を反映した良質なサービスの提供に努めてまいります。
(不動産ファンドマネジメント事業)
不動産ファンドの組成・資産運用を行うアセットマネジメント及び匿名組合への出資を主体とする不動産ファンドマネジメント事業につきましては、アメリカのオフィス悲観論などが日本の市況にもネガティブな作用をもたらし、不動産投資の難易度は高まり、目利きが一層重要となるとともに、資産価値を高める運用がより厳しく求められていく状況となっております。このような状況のもと、当社グループといたしましては、不動産市場の変化に対応するため、高リスク・低採算物件の分析、改善計画の策定、人員配置の見直し等の利益率の改善と稼働率維持を考えた運用と長期的な視野に立った投資を行い、当社グループの強みである建物管理、不動産運営のノウハウを活かした事業展開を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティに関連する課題を「事業機会」と「リスク」の両面で捉え、中長期的な企業価値の向上を図るという方針のもと、グループ全体で様々な取組みを進めております。
当社は、グループ全体の中長期的な価値創造とサステナビリティをめぐる課題の解決を目指し、経営陣による業務執行上の意思決定、全社的なリスクマネジメントにサステナビリティの観点が戦略的かつ大局的に統合されるよう促すため、サステナビリティ委員会を設置しております。
当委員会は、取締役会及び経営会議の下部組織として、①サステナビリティ基本方針の策定、②サステナビリティ課題についての具体的な施策推進及びその体制に対する助言と監督、③サステナビリティ課題に関する開示方針及び開示内容の検討を行っております。また特定分野について深く議論するため専門部会を適宜開催しております。
当委員会の委員長は、原則として取締役会で任命された役員が務め、1年に2回以上委員会を開催し、活動状況については、少なくとも1年に1回以上、取締役会及び経営会議に報告を行っております。また全社的なリスクを管理する「リスクマネジメント委員会」とも情報共有を行い、連携が可能な体制を構築しております。
当社は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を下記のとおり特定し、持続可能な社会の実現に向けた各種取組みを行っております。
マテリアリティは、社会に求められ存続し続ける企業であるために、重点的に取り組む10のテーマとして定めております。
各テーマは「企業価値の創出を支える基盤」、「価値を生み出す資本」、「創出を目指す価値」の3つに大別し、それぞれの解決を通じて、お客様の大切な資産をいつまでも健康で安心して使え、さらなる価値創造に貢献するための重要課題と位置づけております。
各マテリアリティの定義
a 環境
(気候変動に関する取組み)
当社は、TCFD提言に基づき、気候変動がもたらすリスクと機会を下表のとおり特定し、財務にどの程度影響を与えるかインパクト評価を行っております。
評価にあたり、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)等の複数の外部シナリオを参照し、世界の平均気温の上昇が産業革命以前よりも1.5~2℃に抑えられた場合と、4℃に上昇した場合の分析を行っております。
各リスクと機会に対する現状の取組み例では、移行リスクにおいては所有不動産のLED化や、再生可能エネルギーへの切り替え、物理リスクにおいては、BCPマニュアルの作成や定期的な訓練等を行っております。今後も、リスクの軽減と機会創出による収益の拡大を目指し、各項目の分析や対応策の検討を行ってまいります。
b 人的資本に関する取組み
(人材の育成)
当社は、人材が最大の経営資源であるとの考え方に基づき、人材教育及び能力開発の支援を積極的に実施しております。教育面では、下表に記載のとおり年齢や等級に応じた研修や、コンプライアンス、情報セキュリティ、健康管理等多様なテーマの研修を年間教育計画に則り実施しております。能力開発面では、各種資格取得奨励制度、通信教育によるキャリアアップ支援、表彰・特別報酬制度等、社員のモチベーションアップや能力向上を目的とした様々な制度を設けております。
また、受講率の向上を目指し、多様な働き方に合わせて柔軟に研修を受講できるよう、2019年よりWebを活用したeラーニングも導入しております。
社員教育実績
(注) 対象範囲:日本管財ホールディングス㈱、日本管財㈱、㈱日本環境ソリューション
(社内環境整備方針)
当社は、ワークライフバランスの実現と女性活躍、ダイバーシティの推進を通じて、多様な人材が活躍し、だれもが自分らしく働ける職場環境の整備に取り組んでおります。働き方の多様化に合わせ、テレワークの推進や半日休暇・時間単位の有給休暇制度の導入、女性活躍推進策として、育児短時間勤務制度の期間延長、ベビーシッター利用補助、育児休業期間中の社内情報の提供による職場復帰サポート等を実施しております。
また、職種選択の多様化として一般職から総合職への職種転換制度、転勤のない地域総合職の導入も行っております。社内環境整備については、社員アンケートを年に1回実施し、問題点や会社に対する社員の意識を把握することで、適宜各種制度の改善に役立てております。
(3) リスク管理
(サステナビリティに関するリスク)
サステナビリティに関するリスクは、サステナビリティ委員会事務局を中心にリスクを横断的に拾い出し、評価・管理を行っており、その内容はサステナビリティ委員会で審議され、委員長を通じて経営会議及び取締役会へ報告されております。
経営に重大なインパクトがある可能性があるリスクについては、リスクマネジメント委員会と情報共有を行い、評価・対策の有効性の確認を行っております。
(注) リスクマネジメント委員会は経営会議の下部組織として位置し、最高責任者は代表取締役社長が、リスクマネジメント委員長はリスクマネジメント担当役員が務めております。各グループ会社からはリスク推進責任者を選任し、適宜委員会への報告を義務づけております。また、必要な研修を行い、グループ全体のリスクマネジメントの質の向上を図っております。
委員会は原則として毎月1回(グループ会社を含む会議体は年2回)開催し、適宜、経営会議へ報告を行っております。
リスク管理体制図
(情報セキュリティに関するリスク)
災害発生時のネットワークシステム障害の発生や故障、サイバー攻撃による機密情報の流出等、情報セキュリティに関するリスクは日々高まり、多様化しております。当社はこのような事態の発生を経営上の重要なリスクとして認識しており、ITソリューション室が中心となり、グループ全体で様々な情報セキュリティ対策の強化を行っております。
災害や事故への対応として、本社(東京)と本店(兵庫)の2か所にサーバーを設置し、双方にエンジニアを配置することで、有事の際に障害や故障が発生してもバックアップが取れる体制を構築しております。またサイバー攻撃やコンピューターウイルスへの感染などの外部からの攻撃対策としては、ネットワーク端末の監視やWeb閲覧制限、定期的な社員教育等を行っております。
(4) 指標及び目標
a 環境
(温室効果ガス排出量実績と目標)
当社グループは、西宮本店ビルにおけるISO50001認証の取得(2016年)や、再生可能エネルギーへの切り替え(2021年)など、温室効果ガスの削減に積極的に取り組んでおります。2021年度からグループ全体のScope1・2の温室効果ガス排出量の算定を行っており、2023年度の排出量の実績は、1,778t-CO2(前年比4.7%減)となりました。
温室効果ガス排出量実績
※排出量算定範囲:Scope1・2
※算定対象月:1月~12月
今後の排出量削減に向けた具体的な施策として、エネルギー消費量の多くを占めるガソリン社用車をEV自動車やハイブリッド車等の低燃費車両に積極的に切り替えることや、西宮本店ビルの空調機の高効率化による電力削減等を実施していく予定です。
b 人的資本
管理職比率等
(注) 1 対象範囲:日本管財ホールディングス㈱、日本管財㈱
2 労働者の男女の賃金の差異についての実績は「
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 法的規制について
当社グループの業務のうち警備業務におきましては、「警備業法」(1972年法律第117号)及び「警備業法施行規則」(1983年総理府令第1号)等の関係法令の規制を受けております。
この法律は警備業について必要な規制を定め、警備業務の適正実施を図ることを目的としており、警備業を営むためには、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会の認定を受けております。同法及び関係法令に定められた事項に違反があった場合、その都道府県における業務の一時的な営業停止、若しくは認定取消を含む行政処分がなされることがあります。
(2) 個人情報管理について
当社グループでは、マンション管理業務等の業務遂行上の必要性から個人情報を取り扱っており、関連諸法規の遵守と適正な管理に努めております。
しかし、万が一個人情報に関する事故等が発生した場合、当社グループへの評価と業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 匿名組合出資について
当社グループは、不動産ファンドマネジメント事業等への取組みにあたり、匿名組合に対して出資を行っております。
今後、不動産の市況等の要因により、投資元本の一部毀損や投資利回りの低下等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 関連当事者との取引について
当社グループは、その他の関係会社に該当し法人主要株主である日本サービスマスター㈲への損害保険料支払い等の関連当事者との取引があります。
詳細については、「関連当事者情報」をご参照ください。
(5) 運営管理業務の受託について
当社グループでは、契約形態の多様化に伴い、従来の施設等の維持管理業務の他に、施設そのものの運営を請負う契約が一部含まれております。
その運営管理の受託につきましては、社内において事前に可能な限りのリスクを検討した上で契約締結を行っておりますが、物価の高騰や事業環境の変化により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 売上高の季節変動について
当社グループの工事関連業務においては、顧客の決算期の関係上、完成時期が9月及び3月に集中するため、第2四半期連結会計期間及び第4四半期連結会計期間の売上高が、他の四半期連結会計期間に比べ多く計上される傾向があります。
一方で、手直し等により顧客への引き渡しの遅れが発生し、売上高及び利益の計上がずれ込む場合には、当社グループの通期業績及び各四半期の業績に影響が生じる可能性があります。
(7) 有価証券の時価変動について
当社グループは、投資有価証券を保有しております。
これらのうち、市場価格のない株式等以外のものについては、全て時価にて評価されており、金融市場における時価の変動が、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 減損会計について
当社グループは、企業買収等により発生したのれんをはじめ、建物や土地等、様々な固定資産を所有しております。
これらは時価の下落や将来のキャッシュ・フローの状況により減損会計を適用し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 海外事業について
当社グループは、海外での事業活動を展開しており、予期しない法律、規制、政策の変更、テロ、紛争等が発生した場合や経済情勢に重要な変化があった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 為替レートについて
海外の各地域において現地通貨にて作成された財務諸表は、連結財務諸表作成等のために円換算されますが、為替の変動があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(11) 自然災害・感染症等について
当社グループは、地震・台風等の自然災害や感染症等の発生に備え、必要とされる安全対策や事業継続・早期復旧のための対策を立て、危機管理の徹底に取り組んでおります。
しかしながら、大規模な自然災害や感染症等、全てのリスクを回避することは困難であり、当社グループの事業活動に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社は、2023年4月3日に単独株式移転により、日本管財株式会社の完全親会社として設立されたため、前連結会計年度との実績比較は行っておりません。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の撤廃により、正常化の動きが見られましたが、ウクライナ情勢の長期化による原材料価格の高騰や為替変動リスクの影響により、引き続き厳しい経済状況にあり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
不動産関連サービス業界におきましても、テレワークやサテライトオフィスなど様々な勤務形態が定着し始めたことにより、都市部のオフィスや商業ビルの空室率は、依然として高止まりしており、また原材料価格の高騰や人件費の上昇による取引先企業のコスト削減意識の高まりもあり、今後も厳しい経営環境が継続すると予想されます。
このような事業環境のもと、当社グループにおきましては、顧客ニーズに応えた良質なサービスを継続的に提供するため、先進的な技術と対応力で「最適な建物管理」を追求し続け、建物の資産価値の向上に努めております。
また、主力のビル管理業務の一層の強化・向上を図るとともに、PFI事業や公共施設マネジメント事業などの周辺分野にも積極的な展開を図っております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a 財政状態
当連結会計年度末の資産の合計は926億45百万円、負債の合計は234億92百万円、純資産の合計は691億52百万円となりました。
b 経営成績
当連結会計年度の売上高は1,226億74百万円、営業利益は82億71百万円、経常利益は82億25百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は56億80百万円となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
なお、セグメント利益は連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
(建物管理運営事業)
建物管理運営事業につきましては、当連結会計年度の売上高は805億28百万円、セグメント利益は75億50百万円となりました。
(住宅管理運営事業)
住宅管理運営事業につきましては、当連結会計年度の売上高は208億64百万円、セグメント利益は14億98百万円となりました。
(環境施設管理事業)
環境施設管理事業につきましては、当連結会計年度の売上高は145億90百万円、セグメント利益は18億47百万円となりました。
(不動産ファンドマネジメント事業)
不動産ファンドマネジメント事業につきましては、当連結会計年度の売上高は41億32百万円、セグメント利益は5億35百万円となりました。
(その他の事業)
その他の事業につきましては、当連結会計年度の売上高は28億72百万円、セグメント利益は4億69百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は308億64百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。
当連結会計年度における営業活動の結果増加した資金は54億73百万円となりました。その主なものは、税金等調整前当期純利益(85億29百万円資金増)、法人税等の支払額(36億54百万円資金減)等であります。
当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は29億18百万円となりました。その主なものは、投資有価証券の取得による支出(16億17百万円資金減)、預り保証金の返還による支出(5億40百万円資金減)等であります。
当連結会計年度における財務活動の結果減少した資金は33億42百万円となりました。その主なものは、配当金の支払額(21億18百万円資金減)等であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社グループの業務内容は、役務提供を主体としているため、該当事項はありません。
当連結会計年度の外注費及び商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 本表中の( )内は、商品仕入額で、( )外記載の内数であります。
2 外注仕入は、当社グループの管理受託業務の一部又は全部を下請(外注)業者に作業委託しているものであります。
3 商品仕入は、主として衛生・清掃用消耗品の仕入であります。
当社グループの業務内容は、役務提供を主体としているため、記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 本表中の( )内は、工事関連業務に係る売上高で、( )外記載の内数であります。
3 工事関連業務に係る売上高は、建物修繕・設備更新工事等に係る売上高であります。
4 当連結会計年度において、履行義務の充足に係る進捗度を見積り収益を認識する工事は、PFI等の維持管理・運営業務に含まれる長期修繕工事以外にありません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は926億45百万円となりました。その主な内訳は、現金及び預金312億39百万円など流動資産が555億9百万円、投資有価証券188億65百万円など固定資産が371億36百万円であります。
(負債)
負債は234億92百万円となりました。その主な内訳は、支払手形及び買掛金80億15百万円など流動負債が179億14百万円、長期預り保証金17億93百万円など固定負債が55億78百万円であります。
(純資産)
純資産は691億52百万円となりました。その主な内訳は、利益剰余金623億82百万円など株主資本が663億93百万円、その他有価証券評価差額金25億11百万円などその他の包括利益累計額が17億38百万円、非支配株主持分が10億20百万円であります。
これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は73.54%となりました。
当社グループは、経営に必要な流動性の確保と健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
b 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高につきましては、既存管理案件の契約更改及び工事関連業務の受注が順調に推移したことにより、1,226億74百万円となりました。
(売上原価)
売上原価につきましては、料金改定や仕様内容・作業効率の見直しを行ったことにより、原価率は77.9%となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費につきましては、体制強化に伴う費用や当社設立に伴う諸費用の発生により、188億63百万円となりました。
(営業外損益)
営業外収益につきましては、為替差益等により、9億18百万円となりました。
営業外費用につきましては、持分法による投資損失等により、9億64百万円となりました。
(特別損益)
特別利益につきましては、投資有価証券売却益等により、3億3百万円となりました。
特別損失につきましては、当連結会計年度の計上はありません。
(法人税等)
法人税等の合計につきましては、27億21百万円となりました。税効果会計適用後の法人税等の負担率につきましては、31.9%となりました。
c セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析
(建物管理運営事業)
主たる業務であるビル管理業務及び保安警備の建物管理運営事業につきましては、既存管理案件の契約更改及び工事関連業務の受注が順調に推移したことにより、当連結会計年度の売上高は805億28百万円となりました。
利益面におきましては、料金改定や仕様の見直し及びコスト削減に努めたことにより、セグメント利益は75億50百万円となりました。
当連結会計年度末のセグメント資産は、売上債権の減少等により、482億4百万円となりました。
(住宅管理運営事業)
マンション及び公営住宅の管理を主体とする住宅管理運営事業につきましては、既存管理案件の契約更改及び工事関連業務や臨時業務の受注が順調に推移したことにより、当連結会計年度の売上高は208億64百万円となりました。
利益面におきましては、継続的なコスト削減に努めたことにより、セグメント利益は14億98百万円となりました。
当連結会計年度末のセグメント資産は、関連会社への出資に伴う投資有価証券の増加等により、184億46百万円となりました。
(環境施設管理事業)
上下水道処理施設等の生活環境全般にかかる公共施設管理を主体とする環境施設管理事業につきましては、新規管理案件の受託や契約更改及び工事関連業務の受注が順調に推移したことにより、当連結会計年度の売上高は145億90百万円となりました。
利益面におきましては、適正な人員配置を中心にコスト削減に努めたことにより、セグメント利益は18億47百万円となりました。
当連結会計年度末のセグメント資産は、現金及び預金の減少等により、54億51百万円となりました。
(不動産ファンドマネジメント事業)
不動産ファンドの組成・資産運用を行うアセットマネジメント及び匿名組合への出資を主体とする不動産ファンドマネジメント事業につきましては、運用資産の売却や施設管理運営業務が順調に推移したことにより、当連結会計年度の売上高は41億32百万円となりました。
利益面におきましては、継続的なコスト削減に努めたことにより、セグメント利益は5億35百万円となりました。
当連結会計年度末のセグメント資産は、運用資産の売却に伴う販売用不動産の減少等により、72億16百万円となりました。
(その他の事業)
イベントの企画・運営、デザイン制作、給与計算業務を主体としたその他の事業は、イベント関連業務の受託が順調に推移したことにより、当連結会計年度の売上高は28億72百万円、セグメント利益は4億69百万円となりました。
当連結会計年度末のセグメント資産は、売上債権の増加等により、18億75百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、現場の運営にかかる人件費や外注費とこれらを管理するための販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は、業容拡大に向けたM&A、投資有価証券の取得や設備投資等によるものであります。
運転資金及び投資資金につきましては、主に営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金を活用することを基本とし、必要に応じて金融機関からの借入等、最適な資金調達を選択しております。
また、当社グループ内におきましては、資金を一括して管理し、資金調達・運用を効率化することを目的として、資金集中管理(CMS)を導入しております。
なお、当連結会計年度末における借入金、ノンリコースローン及びリース債務等の有利子負債の残高は17億55百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は308億64百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産、負債の報告数値、偶発債務等の予測並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。これらの見積り及び判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因等に基づき継続的に行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
技術援助等を受けている契約
(注) 上記についてはロイヤリティとして売上の一定率を支払っております。
該当事項はありません。