第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループの経営理念は、介護保険制度の目的に沿って、社会的ニーズのあった介護サービスを中心として、特に心身に多少なり障害のある要支援者から要介護認定者に対して、リハビリテーションを中心としたサービスを積極的に行い、また在宅要介護者については、適切な訪問看護、訪問介護、訪問リハビリテーションを行い、より人間らしくその人らしく生きるために積極的な生活支援並びに社会への参加を促すことにより、地域社会に貢献することであります。

 また、経営方針につきましては、
 1.利用者・入居者およびその家族の尊厳とニーズを尊重し、質の高いサービスを提供する。
 2.地域一番を目指し信頼され必要とされるサービスを提供する。
 3.積極的なリハビリテーションを中心としたサービスを提供し自立できる生活支援を行うこととしております。

 こうした経営理念、経営方針のもと、当社グループは「いつも春の陽だまりでありたい」をコンセプトに、介護サービス事業を展開してまいりました。今や、高齢社会を迎え、地域に根差したノーマライゼーションのまちづくりが改めて見つめ直される中、当社グループでは介護サービスを通してより良い健康文化を提供しております。今後においても、常に利用者やその家族の立場に立ち、ニーズを幅広く収集しながら、きめ細かなサポートを提供し地域に信頼される企業を目指して積極的に取り組んでまいります。

(2)中長期的な会社の経営戦略

 2020年初頭より世界中で感染の猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症は、衛生資材の調達や感染予防への取り組み、利用者や入居者、職員等に陽性者や濃厚接触者が発生した場合の対応並びにサービスの利用控えや入居への抵抗、職員のメンタル面を留意した介護へのモチベーションの維持など様々な影響を介護現場に及ぼしました。2023年5月8日より感染症法上の分類が2類相当から5類に変更され社会全体は感染対策が緩んできていますが、重症化しやすい高齢者を対象とする介護事業としては現在も継続して感染対策を実施しています。

 一昨年から行われた介護保険制度の改正や介護報酬の改定が2024年4月からスタートしています。地域包括ケアシステムの深化・推進が更に図られ在宅サービスの基盤整備や医療・介護連携、科学的介護の推進が進められます。そして、介護現場の生産性向上や介護保険制度の持続可能性向上が図られようとしています。更には、介護人材の確保として技能実習生制度の廃止や外国人介護人材の活用拡大が図られようとしています。

 当社グループといたしましては、介護保険法の趣旨である要介護者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように、リハビリテーションを中心としたサービスの提供に取り組み、更なる事業規模の拡大を図る考えであります。主力事業であるデイサービス事業においては、介護保険制度の改定や推進に伴い、機能訓練加算や科学的介護に関わる加算など利用単価の変動等がありますが、介護予防に対応したサービスや利用者のニーズにあったサービスを提供することで幅広い新規顧客の獲得を積極的に推進してまいります。もう一方の主力事業として成長した施設サービス事業については、介護付き有料老人ホーム等の施設を、関東を中心とした1都3県や政令指定都市などの介護保険事業計画に基づいた公募に応募し積極的に展開し、将来の事業基盤を構築していく考えであります。既存施設の効率的な運営とサービスの充実を図り、施設稼働率を高く安定的に維持していくことで、新規の施設展開に伴う多額の開設経費の吸収を図ってまいりたいと考えております。

 北海道地区、東北地区、関東地区、甲信・東海地区、関西地区、中国・四国地区、九州地区等に展開した有料老人ホームやデイサービスを核としてドミナントエリアの拡大を目指し、在宅サービスとの連携やM&Aなどの実施などシナジーを最大限に活用することで利用者の利便性を向上させ営業収益の増加を図ります。また、介護保険制度の改定等による影響を受けない介護保険外のサービス事業を開発することで、事業の多角化を推進していく考えです。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、わが国の介護保険を取り巻く環境を踏まえ、継続的な売上成長と、スケールメリットを追求することが必要と認識しております。これらを実現するためには、収益性、投資効率等の観点から、売上高伸長率、売上高経常利益率並びにROE(自己資本利益率)を主要な経営指標として位置づけております。当連結会計年度における売上高伸長率は5.2%(前連結会計年度は4.4%)であり、売上高経常利益率は3.7%(前連結会計年度は0.1%)であり、ROE(自己資本利益率)は20.6%(前連結会計年度は△27.0%)でした。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。

(4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①感染症の施設蔓延防止について

 インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症の施設蔓延防止について、当社グループにおきましては、感染症対策マニュアルに沿った対応を続け、職員や面会される家族、外部業者などが施設にウイルスを持ち込まない体制を継続する考えであります。

②介護保険制度の改正について

  2019年10月に実施された介護報酬改定では、消費税増税を踏まえた改定率0.54%のプラスとなっており、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、国民1人1人が個々の状態に応じた適切なサービスを受けられるよう、質の高い効率的な介護の提供体制の整備を推進し、経験・技能のある職員に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を進めるために特定処遇改善加算の創設が行われております。

 また、2021年4月に実施された介護報酬改定では、改定率0.70%であり、そのうち0.05%は新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な評価(2021年9月末まで)となっています。

 また、2022年10月に実施された介護報酬改定(臨時改定)では、介護職員以外の職種にも配分することが可能な介護職員等ベースアップ等支援加算の創設が行われております。

 また、2024年度に実施された介護報酬改定では、介護報酬全体の改定率は1.59%プラスとなり、内訳としては、1.59%のうち0.98%が介護職員の処遇改善を目的として、また残り0.61%が介護職員以外の処遇改善を目的として引き上げとなっています。

 当社グループといたしましては、介護保険制度のもと事業活動を行う中で、今後も予想される制度リスクともいうべき法改正に柔軟に対応しつつ、当社グループの強みであるリハビリテーションにおける豊富なノウハウを積極的に活用し、快適、上質なサービスで他社との差別化を目指す考えです。また、社会的にも多くの需要が見込まれるリハビリテーションに特化したサービスをさらに強化し、サービスの向上と業容の拡大を図ってまいりたいと考えております。

③人材の確保について

 当社グループといたしましては、グループの事業拡大に伴い、サービスを提供する人材の確保は重要な課題の一つとして認識しております。有資格者や介護経験の豊富な職員を適正に配置するため、雇用条件の見直しや働きやすい職場環境を構築することに努めております。また、各種教育研修プログラムの充実を図ることでサービスの質の向上や優秀な人材の育成に取り組んでおります。さらに、長期的に介護人材の確保・定着の推進を図るためには、介護職員が将来展望を持って介護の職場で働き続けることができるよう、能力・資格・経験等に応じた処遇が適切になされることが重要となります。「介護職員処遇改善加算」等を活用して、こうしたキャリアパスに関する仕組みを整備・拡充することで、社内の人事考課制度をさらに充実させる必要があると考えております。

 また、日本人介護スタッフとは別に外国人技能実習生の受入れについては最長5年とのことでありましたが、新たな就労資格(特定技能1号)を得れば、最長10年にわたって滞在できるようになり、受け入れ態勢や技術やノウハウの教育に力をいれていく必要があると考えております。

④法令遵守への取り組みについて

 当社グループといたしましては、介護保険制度のもと、介護サービス事業を営んでいく上で関係法令を遵守することは勿論、社会的な責務の遂行や地域での信頼関係を構築することを第一に考えております。また、事業所での教育指導の徹底を図るとともに、内部監査体制の強化や社員教育、マニュアルの整備、制度改正の勉強会、ハラスメント対策等を行うことで、法令を遵守した適切な事業運営に努めてまいる所存です。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(当社グループのサステナビリティ経営の基本方針)

 当社グループは、「社会的ニーズである介護サービスを中心として、リハビリテーションを中心としたサービスを積極的に行い、より人間らしく生きるために積極的な生活支援を行うことにより、社会に貢献すること」を経営理念としております。

 この経営理念のもと、当社グループは、要介護者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにリハビリテーションを中心としたサービスの提供に取り組み、常に利用者やその家族の立場に立ち、ニーズを幅広く収集しながらきめ細かなサポートを提供し、地域に信頼される企業を目指して積極的に取り組んでおります。今後も当社グループは社会の持続的な発展と当社グループの持続的な成長を目指します。

(1)ガバナンス

 当社グループは、当社グループの持続的な成長とともに社会の持続的な発展への取り組みを重要な経営課題の一つと考え、取締役会を中心としたガバナンス体制を構築しております。取締役会によりサステナビリティ活動に関する重要なリスク・機会の特定、計画の立案、重要課題の推進、進捗状況のモニタリング、達成状況の確認を行います。

 

(2)戦略

 当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材育成の方針や社内環境整備の方針は、次のとおりであります。

 当社グループは、「社会的ニーズである介護サービスを中心として、リハビリテーションを中心としたサービスを積極的に行い、より人間らしく生きるために積極的な生活支援を行うことにより、社会に貢献すること」を経営理念としており、経営理念の実現のために、介護サービスにおける人的資本や知的財産への投資を重要課題と位置づけております。

 介護に関する正しい知識と技術を身につけるための教育・研修への投資により、より良い介護サービスの提供、経営基盤の強化を図り、社会の持続的な発展と当社グループの持続的な成長に資すると考えております。

①女性社員等の活躍推進

 当社グループは、女性従業員や中途採用者の比率が高いことから、女性社員等の活躍が会社の持続的な成長を確保する上での必要事項と認識しております。女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等で特に制限は設けておらず、多様性確保に取り組んでおります。

②教育研修の充実

 各種教育研修プログラムの充実を図ることで、サービスの質の向上や優秀な人材の育成に取り組むため、入社6カ月間でスキルアップ確認試験に合格できるように教育しております。

③キャリアパス等に関する仕組みの整備拡充

 当社グループでは、人材の多様性を確保するため、適正な人員配置に加え、他業種からの転職者を受入れ、キャリアにあった業務(理美容のサービス、車両の整備、音楽演奏等)で個々人の能力を発揮する事が出来る環境を作って参ります。さらに、長期的な介護人材の確保・定着の推進を図るためには、介護職員が将来展望を持って介護の職場で働き続けることができるよう、主任試験やリーダー試験を実施しております。また、能力・資格・経験等に応じた処遇が適切になされるよう「介護職員処遇改善加算」等を活用して、給与面の整備拡充を図っていきます。

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、取締役会により、リスクの対応方針や課題について、優先度を選別・評価し迅速な意思決定を図ります。リスク管理については、リスクを把握し管理を行うため、リスク管理規程を定め、社長を委員長とするコンプライアンス・リスク委員会を設置しております。リスク管理規程に基づき、リスク管理に関する体制にかかる責任者及び各部門のリスク管理に係るリスク管理担当者を定め、リスクを適時に認識・把握し適切な対応を行っております。

 

(4)指標及び目標

 人材の多様性の確保を含む人材育成、社内環境整備については、次の指標を用いており、当該指標に関する実績及び目標は次のとおりであります。

指  標

実  績

(当連結会計年度)

目  標

管理職に占める女性労働者の割合(提出会社)

63.6

今後も50%以上を維持

管理職に占める女性労働者の割合(連結子会社)

2030年度まで50以上

男性労働者の育児休業取得率(提出会社)

50.0

2030年度まで85%以上

男性労働者の育児休業取得率(連結子会社)

株式会社パイン

100.0

2030年度まで85%以上

味屋フーズ株式会社

2030年度までに85%以上

労働者の男女の賃金の差異(全労働者)(提出会社)

77.5

格差を少なくする

労働者の男女の賃金の差異(全労働者)(連結子会社)

株式会社パイン

84.8

格差を少なくする

味屋フーズ株式会社

48.8%

格差を少なくする

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

1 デイサービス事業・施設サービス事業に伴うリスク

(1)施設設置基準について

 当社グループは、2024年3月末現在、デイサービスセンター29施設、有料老人ホーム44施設、グループホーム2施設を運営しております。

 デイサービスセンター(通所介護施設)については、人員、設備等に関して「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年3月31日厚生省令第37号)」(以下「基準省令」という)により各種基準が定められており、介護保険上の通所介護事業者となるためには、設備基準として食堂及び機能訓練室(3㎡に利用定員を乗じて得た面積以上)、相談室、事務室、その他必要な設備及び備品を設けること、また、人員基準として利用定員が11人以上の事業所の場合、生活相談員、介護職員、看護職員、管理者を配置することとされており、さらには機能訓練加算を請求する場合は機能訓練指導員を配置する必要があります。

 有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)については、基準省令第177条において耐火建築物又は準耐火建築物であること、居室の定員は原則1名とされ13㎡以上の床面積を確保すること等が定められており、基準省令第175条においては看護職員及び介護職員の合計数は、常勤換算方法で要介護者である利用者の数が3またはその端数を増すごとに1人を(3対1基準)、看護職員は、利用者の数が30を超える特定施設にあっては、常勤換算方法で1に利用者の数が30を超えて50又はその端数を増すごとに1を加えた人数、機能訓練指導員、計画作成担当者はそれぞれ1名ずつ、生活相談員は利用者の数が100又はその端数を増すごとに1名以上配置することが定められております。現在国の方でICTや介護ロボットを導入した場合の実証実験を行い3対1基準の見直しの検討が行われています。

 グループホーム(認知症対応型共同生活介護施設)については、設備基準として1ユニット定員は5人以上9人以下とし、居室においては定員を1名、床面積7.43㎡以上とし、ほかに居間、食堂、台所、浴室など日常生活を営む上で必要な設備を設けること、人員基準として介護従事者、計画作成者に加えて施設ごとに認知症介護に関する専門知識を有する常勤で専任の管理者を置くことなどが定められております。

 現在、開設済みの当社グループ施設は、上記基準に定めるすべての基準を満たしておりますが、今後欠員が生じた場合や上記基準の変更により追加的な人員補充が必要となった場合等、上記基準を満たせなくなった場合には、現在提供している介護保険法上のサービスが通常の介護報酬で請求できなくなる(減額請求)可能性があります。

 また、事業拡張に伴う施設の増設に当たっては、建物や有資格者の人員の確保について、制約を受けることとなります。

 当社においては、人員基準を満たす人材獲得及び研修等に積極的に取り組み、職員定着率の向上に努めております。

(2)デイサービスセンター及び有料老人ホームの新規開設について

 当社グループの今後の事業拡大においては、主力事業であるデイサービスセンター及び有料老人ホームを展開していく必要があります。しかし、デイサービスセンター及び有料老人ホームの開設については、訪問系介護サービス施設に比べ、施設規模が大きいため多額の資金負担が生じます。また、デイサービスセンター及び有料老人ホームの運営は人件費等の固定的な費用が多いため、新規施設では多くの利用者や入居者を獲得し経営が軌道に乗るまでは赤字が継続することとなり、一時期に複数のデイサービスセンターや有料老人ホームを新設した場合は、業績が一時的に悪化する可能性があります。さらに、有料老人ホームについては市町村もしくは広域連合の公募により選定されますので、時期や開設数を当社グループでコントロールできない可能性があります。

 当社においては、各行政の施設整備計画を定期的に確認して公募の状況を把握し、用地に関する情報を多方面から収集して、事業所新設が円滑に行われるように努めております。

 

2 在宅サービス事業に伴うリスク

(1)設置基準について

 当社グループは、2024年3月末現在、訪問看護ステーション6事業所、ヘルパーステーション3事業所、ケアプランセンター23事業所を運営しております。

 これらの在宅サービス事業を行うには、各事業所ごとに厚生労働省令で定められた人員基準を満たす必要があります。また、人員基準を満たすには所定の有資格者を配置することが必要となります。現在、当社グループが運営している事業所は、人員基準をすべて満たしておりますが、今後欠員が生じた場合や基準の変更により追加的な人員補充が必要となった場合等、人員基準を満たせなくなった場合には、現在提供している介護保険法上のサービスが通常の介護報酬で請求できなくなる可能性があります。

 当社においては、人員基準を満たす人材獲得及び研修等に積極的に取り組み、職員定着率の向上に努めております。

 

3 事業全体に係るリスク

(1)競合について

 2000年4月の介護保険法の施行により、介護サービス業者の新規設立、大手企業や異業種の新規参入、地方自治体、医療法人等の様々な事業主体が介護市場に参入しました。高齢化社会の進展により要介護認定者の増加基調が予想されることから、今後も既存事業者の事業拡大及び新規参入業者の増加が予想されます。従って、今後の新規参入や競争の激化に伴い、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。このため、当社グループにおきましては、経営理念に基づいたきめ細やかなサポートを提供することで競合他社との差別化を図る考えであります。

(2)従業員の確保について

 当社グループが事業規模を維持・拡大していくためには、それに見合った人員の確保が必要となります。介護保険事業の拡大に伴い、全般的に有資格者に対する需要が増大している中、こうした資格を持つ人材の獲得は容易ではなく、また、人材の育成も施設の増設を中心とした事業規模の拡大に追いつかないおそれがあります。このことは、新たな施設の増設ができない等、当社グループの事業拡大に当たり影響を与える可能性があります。当社グループにおきましては、人材育成及び職員定着率の向上を重要な課題と考え、研修等に積極的に取り組んでおります。

(3)介護保険法に基づく指定等について

 当社グループは、介護保険法第70条及び第79条により都道府県知事の指定を受け、デイサービス事業、施設サービス事業、在宅サービス事業を行っております。

 2006年4月1日の法改正により、指定介護予防サービス(指定介護予防通所介護事業、指定介護予防訪問看護事業、指定介護予防訪問介護事業、指定介護予防特定施設入居者生活介護事業)を法第115条の二による都道府県知事の指定を受け、当該事業を行っております。居宅介護支援事業につきましては、法第115条二十一により指定介護予防支援事業者(地域包括支援センター)より一部業務の委託を受けて支援事業を行っております。認知症対応型共同生活介護事業につきましては、指定・監督権限が都道府県知事から市町村長に移行し、地域密着型サービス事業(指定認知症対応型共同生活介護事業)及び地域密着型介護予防サービス事業(指定介護予防認知症対応型共同生活介護事業)を法第78条の二及び第115条の十一により市町村長の指定を受け、当該事業を行っております。また、これらの指定に関して、介護保険法では2006年4月より6年間の有効期限が設けられており、引き続き指定事業所として事業を行う場合は、更新手続が必要になっております。

 さらに有料老人ホームの開設に当たっては老人福祉法第29条により都道府県知事への届け出が必要となります。

 また、介護保険法第77条及び第84条、第115条の八、十七及び二十六に指定の取消し事由として、設備基準や人員基準等の各種基準が充足できなくなった場合のほか、介護報酬の不正請求、帳簿書類等の虚偽報告、検査の忌避等が定められております。現在、当社グループには、これらの指定の取消し事由に該当する事実は発生しておりません。

 万一、指定の取消し事由に該当する事実が発生した場合には、上記指定が取消されることとなり、当社グループ事業の継続に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、今後も業務管理体制及び法令遵守の体制を整えていく考えであります。

(4)介護保険法による影響について

 当社グループの事業は、介護保険法の適用を受けるサービスの提供を内容とし、各種介護サービス費用の約9割(収入に応じて8割及び7割)とケアプランの10割は、介護保険により給付されるため、当社グループの事業には介護保険制度の影響を受ける部分が多くあります。

 介護保険法は、施行後5年を目処として法律全般に検討が加えられ、その結果に基づいて見直しが加えられることとされておりますが(同法附則第2条)、法令解釈や自治体等の実務的な取扱が必ずしも一定していない側面があるため、関係法令の改正や法解釈、実務的な取扱いの変更により、現状の当社グループ事業の円滑な運営が阻害され、または、事業内容の変更を余儀なくされる可能性があります。

 また、介護報酬の基準単位もしくは一単位当たりの単価又は支給限度額は、当社グループの事業の状況に関わりなく介護保険法及びそれに基づく政省令により定められているため、その改定により事業の採算性に問題が生じる可能性もあります。さらに、不況による保険料徴収の減少や少子高齢化による負担者層の減少が予想されるなど、介護保険の財政基盤は磐石ではなく、介護保険の自己負担分が引上げられた場合などには、介護保険制度の利用が抑制される可能性があり、この場合、当社グループの業績も影響を受けるおそれがあります。

 さらに、介護保険法及びそれに基づく政省令等においては、利用者の保護という観点から、事業者の利用者に対する行為について詳細に規定されており、当社グループも介護サービス事業者としてこれらの規定に従って事業を行うことが法令上求められております。当社グループは、従業員の教育や業務マニュアルの整備等により法令遵守のために必要な体制を構築してまいりましたが、万一、法令違反等により監督官庁から何等かの処分を受けることとなった場合には、施設の運営に影響を受ける可能性があります。

 当社グループでは、施設運営を円滑に行えるよう、介護保険法改正について社内研修を行っております。

(5)情報管理について

 当社グループが提供しているサービスは業務上、極めて重要な個人情報を取り扱います。在宅介護サービスでは、利用者の家庭に上がってサービスを実施しているため、当社グループスタッフは利用者本人のみならず、その家族等を含めた様々な個人情報に接することになります。

 当社グループは、顧客情報については十分な管理を行っておりますが、万一、顧客の情報が外部に流出した場合には、当社グループの信用力が低下し、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、利用者の増加に伴って管理すべき情報の電子化や高度なセキュリティシステムが必要になるなど情報管理に関するコストが増加する可能性があります。

 当社グループでは今後も内部統制の整備及び適正な運用を行う考えであります。

(6)高齢者等に対する事業であることについて

 当社グループの事業は、要介護認定を受けた高齢者等に対するものであることから、サービス提供中の転倒事故や感染症の集団発生等、施設内並びに在宅介護サービス提供中の安全衛生管理には細心の注意を払い、従業員の教育指導はもとより運営ノウハウが蓄積された業務マニュアルの遵守を徹底するなど、万全を期しております。しかしながら、万一、事故等が発生した場合には、当社グループの信用力が低下し、連鎖的に利用を控える方が増えるおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)自然災害や感染症の流行について

 地震、台風、大雨、大雪等の自然災害が発生しやむなく業務を停止せざるを得なくなる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、インフルエンザ等の感染症が流行した場合には、利用者が当社グループ施設の利用を控えることが想定されるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループでは、自然災害時に安否確認を迅速に行う体制、避難所として施設を開放することで、利用者だけで無く、地域住民と密接な関係を構築するように努力しております。また感染症に関する情報を早期に発信し、自宅での予防対策までフォローするようにしております。

(8)風評等の影響について

 介護サービス事業は、利用者及びその介護に関わる方々の信頼関係や評判が当社グループの事業運営に大きな影響を与えると認識しております。社員には、当社グループの経営理念を浸透させ、利用者の信頼を得られる質の高いサービスを提供するよう日頃から指導・教育をしておりますが、何らかの理由により当社グループに対するネガティブな情報や風評が流れた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このため入社時のオリエンテーションや新人研修を綿密に計画し実施することで、ネガティブな情報や風評に左右されない社員を育て、経営理念に基づく施設運営を行っております。

(9)金利変動リスクについて

 新規施設の開設には多額の投資が必要であり、当社グループの事業計画を達成する上で新規施設開設のための資金調達が不可欠となります。当社グループは従来、新規施設開設資金を銀行からの借入金により調達してまいりましたので、有利子負債の残高が2024年3月期末現在15,218百万円となっており、総資産に占める有利子負債残高の比率は2024年3月期末74.9%と借入金依存度が高い水準にあります。

 なお、当社グループの売上高に対する支払利息の比率は、2024年3月期において1.8%となっております。今後は資本市場からの調達等、資金調達手段の多様化のための施策を講じてまいりますが、他の手段により必要な資金が調達できない場合には、引き続き銀行等からの借入により対応することとなり、それにより借入金が増加することが想定されます。この場合、今後金利が0.1%上昇した場合でも経営成績には10百万円程の影響があり、当社グループの利益を圧迫する可能性があります。このため、各施設は利益率向上に注力し、自己資本を高めて借入依存度を低下させる対策をとっております。

(10)固定資産の減損に関するリスク

 当社グループは、複数の事業所を運営しており、当該事業所に係る建物・土地などの固定資産を保有しております。事業所の収益性の悪化により、固定資産の簿価を割引前将来キャッシュ・フローで回収できない場合には、当該固定資産について減損処理を行うことになります。今後も減損損失を計上する可能性があるため、各事業所においてそれぞれの特色を出し、地域でも選ばれる事業所作りを行い、収益性を高めていく考えであります。なお、当連結会計年度においては減損損失を246百万円計上しております。

(11)環境・気候変動について

 当社グループは、気候変動に係るリスク及び収益機会を巡る課題への取り組みが重要であると考えております。今後は、更なる環境負荷低減を目指し、脱炭素社会実現への責務を果たすべく運営する老人ホームやデイサービスでの省電力設備導入等により温室効果ガスの排出量削減等の環境課題に取り組み、持続可能な社会の実現を目指してまいります。しかしながら、これらの対応が遅れた場合や適切に行われなかった場合、当社グループの企業イメージに対する社会的な信用低下を招き、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルスが5類感染症に見直され、経済活動の回復が見られる一方で、国際情勢の緊迫などの影響から、原材料価格が高騰するなど、依然として先行きは不透明な状況です。

 介護サービス業界におきましては、引き続き超高齢化社会への移行に伴い、介護サービスの利用者数は増加し、需要は更に高まっております。

 その一方で、様々な業種にて人材不足が叫ばれている中、介護サービス業界におきましても、海外の人材も含め、人材確保に取り組むことは急務となっており、有資格者の確保はとりわけ困難な状況となっております。それらを改善するために、業界では、介護事業に従事することが社会において魅力があり、生きがいを持てる環境造りが求められております。

 このような状況のもと当社グループにおきましては、収益面では、既存施設において施設稼働率を上昇させるため、新規利用者の獲得とサービスの向上に努めました。費用面では、介護職員に係る人件費の増加により売上原価が増加しましたが、販売費及び一般管理費は人件費や消耗品費の削減により減少しました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は17,304百万円(前連結会計年度比5.2%増)となり、営業利益は767百万円(同463.8%増)、経常利益は646百万円(前連結会計年度は経常利益24百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は203百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失276百万円)となりました。

 セグメント別の状況は次のとおりであります。

(デイサービス事業)

 当セグメントにおきましては、既存デイサービス施設のサービスの質の向上により施設稼働率の向上に努めました。また新型コロナウイルス感染症の流行により、ご利用を控えていた利用者が徐々に利用再開され、回復傾向にあります。その結果、売上高は3,658百万円(前連結会計年度比7.7%増)、セグメント利益は328百万円(同102.4%増)となりました。

(施設サービス事業)

 当セグメントにおきましては、既存の有料老人ホームの入居者獲得に注力し入居率の向上に努めました。その結果、売上高は12,427百万円(同4.8%増)、セグメント利益は1,663百万円(同42.4%増)となりました。

(在宅サービス事業)

 当セグメントにおきましては、利益率の改善のため人員配置や業務手順の見直し等、効率的な運営に取り組むことに注力してまいりましたが、売上高は1,119百万円(同3.3%増)、セグメント損失は55百万円(前連結会計年度はセグメント損失44百万円)となりました。

 

②財政状態の状況

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて78百万円増加して20,330百万円となりました。これは主として、現金及び預金が609百万円、売掛金が123百万円、土地が121百万円増加し、建物及び構築物が273百万円、リース資産が415百万円、敷金及び保証金が30百万円減少したことによるものであります。負債につきましては、前連結会計年度末に比べて117百万円減少して19,236百万円となりました。これは主として、預り金が111百万円、未払法人税等が145百万円、退職給付に係る負債が69百万円増加し、短期借入金が117百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が97百万円、長期リース債務が210百万円減少したことによるものであります。また、純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて196百万円増加して1,094百万円となりました。これは主として、利益剰余金が203百万円増加したことによるものであります。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて609百万円増加して1,637百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は1,474百万円(前連結会計年度比84.9%増)となりました。その主な内訳は、収入要因として税金等調整前当期純利益400百万円、減価償却費738百万円、減損損失246百万円、支出要因としては売上債権の増加額123百万円、リース解約損の支払額123百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は446百万円(同24.6%増)となりました。その主な内訳は、支出要因として有形固定資産の取得による支出470百万円、預り保証金の返還による支出137百万円、収入要因としては預り保証金の受け入れによる収入159百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動の結果、使用した資金は418百万円(同101.5%増)となりました。その主な内訳は、支出要因として短期借入金の返済による支出2,117百万円、長期借入金の返済による支出835百万円、リース債務の返済による支出203百万円、収入要因として短期借入れによる収入2,000百万円、長期借入れによる収入738百万円であります。

 

(3)生産、受注及び販売の実績

①生産実績

 当社グループは生産を行っていないため、該当事項はありません。

 

②受注実績

 当社グループは受注を行っていないため、該当事項はありません。

 

③販売実績

 当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、当社グループは一般顧客を対象とした介護サービス事業ですので、特定の販売先等はありません。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

   (自 2023年4月1日

    至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

デイサービス事業(百万円)

3,658

7.7%

施設サービス事業(百万円)

12,427

4.8%

在宅サービス事業(百万円)

1,119

3.3%

 報告セグメント計(百万円)

17,205

5.3%

その他事業(百万円)

99

△0.7%

合計(百万円)

17,304

5.2%

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

2 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

①経営成績の分析

a 当連結会計年度につきましては、既存施設の入居率向上に注力したことから売上高は17,304百万円(前連結会計年度比5.2%増)となりました。

b 売上原価につきましては、人件費の増加、仕入高や給食委託費が増加いたしました。その結果、15,091百万円(同1.6%増)となりました。

c 販売費及び一般管理費につきましては、人件費の減少、消耗品費や研修費が減少いたしました。その結果、1,445百万円(同0.6%減)となりました。

d 営業利益につきましては、有料老人ホームの入居者獲得及びデイサービス施設のサービスの質の向上により施設稼働率の向上に努めたことにより、営業利益767百万円(同463.8%増)となりました。

e 営業外収益につきましては、215百万円(同2.1%減)となりました。これは主に、処遇改善支援補助金、物価高騰対策支援補助金によるものであります。

  営業外費用につきましては、336百万円(同1.5%増)となりました。これは主に、銀行借入及びリース取引に伴う支払利息によるものであります。

f 特別損失につきましては、246百万円(同22.5%減)となりました。これは、建物及び構築物、リース資産等の減損損失によるものであります。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(デイサービス事業)

 当セグメントにおきましては、既存デイサービス施設のサービスの質の向上により施設稼働率の向上に努めました。また新型コロナウイルス感染症の流行により、ご利用を控えていた利用者が徐々に利用再開され、回復傾向にあります。その結果、売上高は3,658百万円(前連結会計年度比7.7%増)、セグメント利益は328百万円(同102.4%増)となりました。

(施設サービス事業)

 当セグメントにおきましては、既存の有料老人ホームの入居者獲得に注力し入居率の向上に努めました。その結果、売上高は12,427百万円(同4.8%増)、セグメント利益は1,663百万円(同42.4%増)となりました。

(在宅サービス事業)

 当セグメントにおきましては、利益率の改善のため人員配置や業務手順の見直し等、効率的な運営に取り組むことに注力してまいりましたが、売上高は1,119百万円(同3.3%増)、セグメント損失は55百万円(前連結会計年度はセグメント損失44百万円)となりました。

 当社グループは、わが国の介護保険を取り巻く環境を踏まえ、継続的な売上成長と、スケールメリットを追求することが必要と認識しております。これらを実現するためには、収益性、投資効率等の観点から、売上高伸長率、売上高経常利益率並びにROE(自己資本利益率)を主要な経営指標として位置づけております。当連結会計年度における売上高伸長率は5.2%(前連結会計年度は4.4%)であり、売上高経常利益率は3.7%(前連結会計年度は0.1%)であり、ROE(自己資本利益率)は20.6%(前連結会計年度は△27.0%)でした。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。

 

②財政状態の分析

a 流動資産

 当連結会計年度における流動資産は、4,718百万円(前連結会計年度比17.6%増)となり、前連結会計年度に比べ705百万円増加しました。この主な要因は、現金及び預金が609百万円増加及び売掛金が123百万円増加したことによるものであります。

b 固定資産

 当連結会計年度における固定資産は、15,612百万円(同3.9%減)となり、前連結会計年度に比べ627百万円減少しました。この主な要因は、有料老人ホーム及びデイサービス施設の建物及び構築物が273百万円減少及びリース資産が415百万円減少したことによるものであります。

c 流動負債

 当連結会計年度における流動負債は、6,430百万円(同3.6%増)となり、前連結会計年度に比べ221百万円増加しました。この主な要因は、預り金が111百万円増加、未払法人税等が145百万円増加及び1年内返済予定の長期借入金が83百万円増加、短期借入金が117百万円減少したことによるものであります。

d 固定負債

 当連結会計年度における固定負債は、12,806百万円(同2.6%減)となり、前連結会計年度に比べ339百万円減少しました。この主な要因は、長期借入金が180百万円減少及び長期リース債務が210百万円減少したことによるものであります。

e 純資産

 当連結会計年度における純資産は、1,094百万円(同21.8%増)となり、前連結会計年度に比べ196百万円増加しました。この主な要因は、利益剰余金が203百万円増加したことによるものであります。

 これらの結果、当連結会計年度における総資産は20,330百万円(同0.4%増)となり、前連結会計年度に比べ78百万円増加しました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、第2 事業の状況の「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

 当社グループの業容拡大についてはデイサービスセンターと有料老人ホームの新規開設に負う部分が大きく、今後も事業拡大のため積極的に事業所開設を行う考えでありますが、開設に係る用地取得資金、建設資金及び建物の賃借契約にかかる敷金・建設協力金等につきましては、獲得した営業活動によるキャッシュ・フローや銀行借入を含めた収支のバランスを勘案しながら最善の資金調達手段を検討していく考えであります。

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、連結財務諸表作成に際しては経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告に影響を与える見積りが必要ですが、この判断及び見積りは、過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した仮定や基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、第5 経理の状況の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりでありますが、以下に掲げる会計方針は連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えておりますので、特に記述いたします。

・固定資産の減損

当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、原則として、事業所を単位としてグルーピングを行い、減損処理の要否を検討しております。減損損失の認識に当たり使用する割引前将来キャッシュ・フローの算定においては、利用者数や入居者数の増減など、様々な仮定をおいて見積りを行っております。

ただし、これらの見積りには不確実性があり、経済状況の変動等により見直しが必要となった場合には損失額が増減する可能性があります。

なお、当連結会計年度においては、減損損失を246百万円計上しております。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。