(当社米国子会社に対する訴訟の件)
当社米国子会社であるデンカパフォーマンスエラストマーLLC(当社出資比率70%。以下「DPE」)は、2018年以降、米国DuPont社およびその関係会社(以下総称して「DuPont」)とともに、米国ルイジアナ州第40地区地方裁判所において複数(20件。2024年3月末日現在)の訴訟の提起を受け、現在係属中です。
これらの訴訟において、原告ら(累計7,308名。2024年3月末日現在)は、米国ルイジアナ州所在のクロロプレンゴム製造工場(1969年にDuPontが操業を開始し、2015年11月にDPEがDuPontから取得)から排出されたクロロプレンモノマーによって身体的、財産的、精神的損害を被っているとして、DPEおよびDuPontに対して、原告一人当たり5万ドルを超えない範囲での損害賠償を請求しております。
DPEは、引き続き原告らの主張内容を精査して、適切に対応することとしております。
また、DPEは、2023年2月28日付で、米国ルイジアナ州東部地区連邦地方裁判所において、米国環境保護庁を代理する米国司法省より訴訟の提起を受け、現在係属中です。
この訴訟において、米国司法省は、DPEに対してクロロプレンモノマーの排出に起因する危険を排除するための措置を取ることを求めており、2023年3月20日付で、DPEに対し同内容の措置を講じることを求める仮処分申立も提起しております。
DPE は、これらにおける主張内容を精査して、適切に対応することとしております。
なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおり、2024年4月9日付で、米国環境保護庁は、DPEを含むクロロプレンゴム製造施設に適用される新たな化学物質の大気排出規制を発表しました。詳細につきましては、重要な後発事象に記載のとおりですが、新たに発表された化学物質の大気排出規制の内容は、米国におけるクロロプレンゴム製造施設に対して、各種の排出対策を取ることにより、中間原料となるクロロプレンモノマー排出量の大幅な削減を求めるものとなっております。
今回の新規制においては、最新の科学に基づいた正当な毒性評価の見直しが行われたとは考えられず、また、DPEの操業継続に重大な影響を与える可能性のある内容となっていることから、DPEでは、排出量削減対策の実施に関する猶予期間の定めの停止や新規制の内容自体の見直しを求め、米国連邦控訴裁判所への提訴を行いました。DPEでは、新規制の見直しに向け、引き続きあらゆる措置を講じていくこととしております。