名称 ビー・エックス・ジェイ・シー・ツー・ホールディング株式会社
所在地 東京都港区虎ノ門五丁目1番4号
ア 2013年5月9日開催の当社取締役会決議に基づき発行された新株予約権(以下「2013年度新株予約権」といいます。)(行使期間は2013年6月1日から2043年5月31日まで)
イ 2014年5月15日開催の当社取締役会決議に基づき発行された新株予約権(以下「2014年度新株予約権」といいます。)(行使期間は2014年6月7日から2044年6月6日まで)
ウ 2015年5月19日開催の当社取締役会決議に基づき発行された新株予約権(以下「2015年度新株予約権」といいます。)(行使期間は2015年6月10日から2045年6月9日まで)
エ 2016年5月20日開催の当社取締役会決議に基づき発行された新株予約権(以下「2016年度新株予約権」といいます。)(行使期間は2016年6月14日から2046年6月13日まで)
オ 2017年5月19日開催の当社取締役会決議に基づき発行された新株予約権(以下「2017年度新株予約権」といいます。)(行使期間は2017年6月13日から2047年6月12日まで)
カ 2018年5月18日開催の当社取締役会決議に基づき発行された新株予約権(以下「2018年度新株予約権」といいます。)(行使期間は2018年6月12日から2048年6月11日まで)
キ 2019年5月20日開催の当社取締役会決議に基づき発行された新株予約権(以下「2019年度新株予約権」といいます。)(行使期間は2019年6月12日から2049年6月11日まで)
ク 2020年5月20日開催の当社取締役会決議に基づき発行された新株予約権(以下「2020年度新株予約権」といいます。)(行使期間は2020年6月12日から2050年6月11日まで)
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
当社は、2024年6月18日開催の取締役会において、下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨すること、及び本新株予約権を本公開買付けに応募するか否かは本新株予約権者の皆様に委ねることを決議いたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
本「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
公開買付者は、本公開買付けを通じて株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社株式(但し、譲渡制限付株式報酬として当社の取締役(社外取締役を除きます。)及び執行役員に付与された当社の譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式」といいます。)並びに本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式(以下に定義します。以下同じです。)を除きます。)及び本新株予約権の全てを所有し、当社の事業活動を支配及び管理することを主な目的として、2024年5月13日に設立された株式会社であるとのことです。本書提出日現在、公開買付者の発行済株式の全ては、ブラックストーン(以下に定義します。以下同じです。)が管理、助言又は運営するファンドが発行済株式の全てを間接的に保有するビー・エックス・ジェイ・シー・ワン・ホールディング株式会社(以下「公開買付者親会社」といいます。)によって所有されているとのことです。なお、本書提出日現在、ブラックストーン、公開買付者親会社及び公開買付者は、当社株式及び本新株予約権を所有していないとのことです。
Blackstone Inc.(その関係会社及びその他の関連事業体を含め、以下「ブラックストーン」といいます。)は1985年に設立され、世界最大規模を誇るオルタナティブ投資運用会社であるとのことです。ブラックストーンは2024年5月11日時点でエクイティ総額約165兆円(注:1ドル=150円、以下同じです。)の資産を運用しており、ブラックストーンの投資運営事業にはプライベート・エクイティ・ファンド、不動産ファンド、ヘッジファンド・ソリューション、クレジット関連投資、クローズドエンド型ミューチュアル・ファンドが含まれているとのことです。本取引(以下に定義します。)の出資主体となるプライベート・エクイティ・ファンドは、グローバルに約47兆円を126のポートフォリオ企業(2023年12月31日時点)にて運用しており、世界最大級の規模を有しているとのことです。また、ブラックストーンのプライベート・エクイティチームは東京、シンガポール、ムンバイ、上海、シドニー、ソウルのアジア及びオセアニアにおける6拠点を含むグローバルにオフィスを構え、地域ファンド(北米、欧州、アジア、日本等)に分割されず、一つのチームとして活動することで、緊密なグローバル連携が可能となっているとのことです。ブラックストーンは高い競争力、成長性、付加価値の創出能力を持つ企業に着目をし、その強い基盤に、必要に応じてブラックストーンの有するグローバルネットワークや各種経営資源を機動的かつ集中的に提供することで、更なる成長を実現いただく、ということを目指して投資活動を行っているとのことです。日本国内では、2007年に東京オフィスを開設して以来、2024年5月11日時点までに事業投資及び不動産投資の分野で累計2兆円を超える投資を実施しているとのことです。2019年3月のあゆみ製薬株式会社への資本参加、2021年3月の武田コンシューマーヘルスケア株式会社(現アリナミン製薬株式会社)の買収、2024年1月のソニー銀行株式会社とのソニーペイメントサービス株式会社の買収といった実績を構築してきたとのことです。また、2024年5月13日に、臨床試験業務支援の業界大手である株式会社アイロムグループの非公開化に向けた株式公開買付けの開始予定を発表したとのことです。
ブラックストーンは、当社が事業を営むメディア、ITサービス領域のいずれについても、優先度が高い投資領域として定めております。メディア領域では、動画IP(知的財産)、音楽IP、デジタルコンテンツの成長性に着目し、テーマに沿った投資を実行してきたとのことです。元Walt Disney Company経営陣と共同で設立したCandle Mediaでは、IPを保有する企業を取得するプラットフォームとして、グローバルに事業を展開するとともに、マルチチャネルでのIP価値最大化を推進する支援を行っているとのことです。加えて、ITサービスの領域では、アジア太平洋地域においても、過去10件以上の投資実績を有しており、M&Aによるデジタルソリューションの強化やブラックストーンのポートフォリオへの拡販、オフショアリングによるエンジニアリソースの確保等を通じて成長をサポートしているとのことです。
今般、公開買付者は、2024年6月18日、当社株式(但し、本譲渡制限付株式及び本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得することにより、当社株式を非公開化することを目的とした一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
なお、公開買付者は、当社の親会社である帝人株式会社(以下「帝人」といいます。)との間で、2024年6月18日付で取引基本契約書(以下「本取引基本契約」といいます。)を締結し、帝人が所有する当社株式の全て(31,760,000株、所有割合(注1):57.65%。以下「本不応募合意株式」といいます。)を本公開買付けに応募しないこと、及び、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本公開買付けの成立後に行われる当社の株主を公開買付者及び帝人のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)の効力発生後に当社が実施する予定の本不応募合意株式を対象とする自己株式取得(以下「本自己株式取得」といい、本自己株式取得に係る株式併合前1株当たりの自己株式取得価格を「本自己株式取得価格」といいます。)に応じて本不応募合意株式を売却することに合意しているとのことです。本取引基本契約の詳細については、下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「①本取引基本契約」をご参照ください。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2024年4月25日に公表した「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2024年3月31日現在の当社の発行済株式総数(57,600,000株)から、当社決算短信に記載された2024年3月31日現在の当社が所有する自己株式数(2,714,682株)を控除した株式数(54,885,318株)に、2024年3月31日現在残存する本新株予約権の数の合計である516個(注2)の目的となる当社株式の数(206,400株)を加算した株式数(55,091,718株)、以下「潜在株式勘案後株式総数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の計算において同じです。)をいいます。
(注2) 本新株予約権516個の内訳と目的となる当社株式の数は以下の表のとおりです。
本取引は、①本公開買付け、②本公開買付けが成立した場合であって、公開買付者が本公開買付けにおいて、当社株式の全て(但し、本譲渡制限付株式及び本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)を取得できなかった場合に当社が行う本株式併合(下記(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)で定義します。以下同じです。)を通じて、当社の株主を公開買付者及び帝人のみとすること、③本自己株式取得を実行するための資金を確保すること及び本自己株式取得を実行するための分配可能額を確保することを目的として、公開買付者が当社に対して、本自己株式取得に係る対価に充てる資金を提供すること(以下「本資金提供」といいます。)並びに当社において会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第447条第1項及び第448条第1項に基づく当社の資本金及び資本準備金の額の減少((注3)、以下「本減資等」といいます。)を行うこと、並びに④本公開買付けの成立及び本株式併合の効力発生を条件として当社による本自己株式取得を行うことからそれぞれ構成され、最終的に、公開買付者による当社の完全子会社化を企図しているとのことです。なお、本株式併合の詳細につきましては、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」をご参照ください。
(注3)本減資等においては、当社の資本金及び資本準備金の額を減少し、その他資本剰余金又はその他利益剰余金へ振り替える予定とのことです。
本公開買付けにおいては、買付予定数の下限を5,036,700株(所有割合:9.14%)に設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(5,036,700株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、公開買付者は、本公開買付けにおいて当社株式(但し、本譲渡制限付株式及び本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得し、当社株式を非公開化することを目的としているとのことですので、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(5,036,700株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(5,036,700株)は、当社決算短信に記載された2024年3月31日現在の当社の発行済株式総数(57,600,000株)から、当社決算短信に記載された2024年3月31日現在の当社が所有する自己株式数(2,714,682株)を控除した株式数(54,885,318株)に3分の2を乗じた株式数の1単元(100株)未満に係る数を切り上げた株式数(36,590,300株)に、当社から報告を受けた2024年3月31日現在残存する本新株予約権の数の合計である516個の目的となる当社株式の数(206,400株)を加算した株式数(36,796,700株)から、本不応募合意株式数(31,760,000株)を控除した株式数(5,036,700株)に設定しているとのことです。かかる買付予定数の下限(5,036,700株)は、本取引においては当社株式を非公開化することを目的としているところ、本新株予約権が、いずれもストックオプションとして、当社の取締役及び執行役員に対して付与されたものであり、権利行使の条件のひとつとして、当社、当社の子会社及び当社の関連会社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から5年(2013年年度新株予約権~2018年度新株予約権)、又は10年(2019年度新株予約権~2020年度新株予約権)を経過する日までの間に限り権利行使することができることとされていることを受け、仮に応募株券等に本新株予約権が含まれ本公開買付けを通じて公開買付者が当該新株予約権を取得すること(以下「本新株予約権取得」といいます。)になった場合においても、公開買付者が当該新株予約権を行使し当社株式を取得することができないことにより本公開買付けの成立後に本新株予約権取得分に関する当社株式の議決権を確保できずに当社の総株主の総議決権数の3分の2以上を確保できなくなる事態を回避する必要がある中で、本株式併合の手続を実施する場合には、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされており、本新株予約権取得を行うことになった場合においても、公開買付者及び帝人が当社の総株主の総議決権数の3分の2以上を確実に所有することとなるように設定したものとのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、本公開買付けに係る決済に要する資金を、公開買付者親会社から最大142,000,000千円の資金の提供(以下「本親会社出資」といいます。)を受けることにより賄うことを予定しているとのことであり、本公開買付けの成立等を条件として、本公開買付けに係る決済開始日の前営業日までに本親会社出資を受けることを予定しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、当社株式の全て(但し、本譲渡制限付株式及び本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、当社に対して、本スクイーズアウト手続の実施を要請する予定とのことです。
また、本スクイーズアウト手続後、本不応募合意株式について、本自己株式取得を実施し、当社の株主を公開買付者のみとすることを予定しているとのことです。公開買付者は、本自己株式取得について、帝人において、法人税法(昭和40年法律第34号。その後の改正を含みます。)に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを考慮し、当社の少数株主の皆様への配分をより多くすることで、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)の最大化と株主間の公平性を両立させることができるとの考えの下、本自己株式取得を実施することとしたとのことです。なお、公開買付者は、当社及び帝人との協議・交渉を踏まえ、(ⅰ)本自己株式取得が行われた場合の帝人の税引後手取り額が、(ⅱ)仮に帝人が本公開買付けに応じた場合に得られる税引後手取り額とほぼ同等となるよう算出した結果、本公開買付価格を1株当たり6,060円とし、本自己株式取得価格を1株当たり4,231円とすることとしたとのことです。
なお、本取引のストラクチャーを図で表示すると大要以下のとおりとのことです。
<本取引のストラクチャー図>
Ⅰ.現状(2024年6月19日時点)
・ 本書提出日現在において、帝人が当社株式31,760,000株(所有割合:57.65%)を、その他の一般株主が当社株式23,125,318株(所有割合:41.98%)及び本新株予約権516個(本新株予約権の目的である当社株式数206,400株(所有割合:0.37%))を所有しております。

Ⅱ.公開買付者による公開買付け及びその決済に要する資金の調達(~2024年8月上旬)
・ 公開買付者により、本不応募合意株式及び当社が所有する自己株式を除く当社株式及び本新株予約権の全てを対象として、本公開買付けを実施するとのことです。
・ 本公開買付けに係る決済に要する資金を、本親会社出資によって調達する資金によって賄うことを予定しているとのことです。

Ⅲ.株式併合を用いたスクイーズアウト(~2024年10月上旬)
・ 本公開買付けの成立後、公開買付者が当社株式の全て(但し、本譲渡制限付株式及び本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)を取得できなかった場合には、公開買付者は、当社に対して、本株式併合を実施することにより、当社の株主を公開買付者及び帝人のみとすることを要請する予定とのことです。
・ なお、本株式併合は、本公開買付け成立後に開催される本臨時株主総会(下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」で定義します。)による承認を経た後の効力発生を想定しているとのことです。
・ 本譲渡制限付株式については、本譲渡制限付株式に係る割当契約書において、同日において譲渡制限期間中に、株式の併合(当該株式の併合により本譲渡制限付株式の割当者の有する本譲渡制限付株式が1株に満たない端数のみとなることとなる場合に限ります。)が行われる場合には、当社は、当該株式の併合の効力発生日の前営業日において、同日において譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式の全てを無償で取得するものとされていたことから、当社は、2024年6月18日開催の取締役会において、本譲渡制限付株式を本株式併合の対象とするため、本譲渡制限付株式の各所有者との間で、譲渡制限期間中に、株式の併合(当該株式の併合により本譲渡制限付株式の割当者の有する本譲渡制限付株式が1株に満たない端数のみとなることとなる場合に限ります。)が行われる場合には、当社は、当該株式の併合の効力発生日の前営業日において、同日において譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式のうち、役務提供期間に応じた数の株式を無償で取得することとする旨を含む割当契約書の変更契約(以下「本変更契約」といいます。)を締結することを決議いたしました。したがいまして、本譲渡制限付株式のうち役務提供期間に応じた数については、本株式併合の対象となる予定とのことです。

Ⅳ.当社による帝人からの自己株式取得並びに自己株式取得を実行するための資金を確保すること及び自己株式取得を実行するための分配可能額を確保することを目的とした公開買付者から当社に対する資金提供及び当社による減資等(~2024年10月上旬)
・ 公開買付者は、本自己株式取得に要する現金の額及び当社の所有する現預金やその事業運営に要する現預金の水準等を勘案し、本資金提供として、本自己株式取得の原資として当社に対し出資、貸付け又は社債の引受け(又はこれらの組合せ)を行い、当社において当該資金を本自己株式取得に際して帝人に支払う金額の一部に充てることを予定しているとのことです。
• 公開買付者は、本自己株式取得に必要な分配可能額を確保するために、当社にて速やかに本減資等を実施することを予定しているとのことです。
• なお、公開買付者は、本減資等、本資金提供及び本自己株式取得に関する議案を付議する臨時株主総会が、本株式併合の効力発生を経て、当社の株主が帝人と公開買付者のみになった後に、実施される(書面決議による場合を含みます。)ことを予定しているとのことです。
• 本公開買付け、本株式併合、本資金提供及び本減資等の完了後、当社が、その時点において帝人が所有する当社株式(本不応募合意株式)の全てを、本自己株式取得を通じて取得する予定とのことです。


Ⅴ.本取引後(2024年10月上旬~)
・ 本取引後、公開買付者は当社の発行済株式(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)の全てを所有する予定とのことです。

当社は、1983年2月、日商岩井株式会社(現 双日株式会社)の情報システム部門が分離し、日商岩井株式会社の子会社として、資本金5,000万円をもって、日商岩井コンピュータシステムズ株式会社として設立され、1987年6月には日商岩井インフォコムシステムズ株式会社に、1999年4月には日商岩井インフォコム株式会社に、2000年4月に現商号であるインフォコム株式会社にそれぞれ商号変更を行いました。また、当社は、2001年4月に帝人の子会社である株式会社帝人システムテクノロジーと合併した後、2002年3月に日本証券業協会の店頭登録銘柄として登録し、2004年12月に日本証券業協会への店頭登録を取消し、株式会社ジャスダック証券取引所(以下「ジャスダック証券取引所」といいます。)に株式を上場、2010年4月にジャスダック証券取引所と株式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」といいます。)の合併に伴い、大阪証券取引所JASDAQ市場に株式を上場、2010年10月に大阪証券取引所ヘラクレス市場、同取引所JASDAQ市場及び同取引所NEO市場の各市場の統合に伴い、大阪証券取引所JASDAQ市場(スタンダード)に株式を上場、2013年7月の大阪証券取引所及び東京証券取引所の現物市場の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ市場(スタンダード)に株式を上場、2018年11月に東京証券取引所市場第一部へ株式の上場市場の変更を行った後、2022年4月に東京証券取引所の市場区分の見直しにより東京証券取引所プライム市場へ移行し、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しております。
当社及び当社の連結子会社12社で構成される企業グループ(以下「当社グループ」といいます。)は、本書提出日現在、一般消費者に対して、スマートフォン向けの電子コミック配信サービスを展開し、また、企業、医薬・医療機関、介護事業者や公共、教育研究機関等に対しては、情報システムの企画・開発・運用・管理等のITサービスを展開しています。また、当社グループは、「テクノロジーの進化を通じて社会のイノベーションに貢献する」ことを企業理念とし、『利益ある成長を持続するとともに企業価値の向上を目指す。』、『コンプライアンスを規範とした経営を行う。』、『市場の変化や技術の進化へのスピーディな対応を行う。』、『働き甲斐のある企業を志向し、社員の能力向上に努める。』、『共創とICTを通じて社会の発展に貢献する。』の5つの経営方針のもと、グループ一体の経営を行っております。
当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症が拡大と縮小を繰り返しながらも、2023年度後半には行動制限の緩和が行われ、社会経済活動は正常化へ向けた動きが進んだ一方、物価が高騰する等、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いていると認識しております。電子書籍市場は、海賊版サイトの影響の鎮静化により回復基調となりましたが、コロナ禍の巣ごもり特需の終息等により、成長は緩やかになってきていると認識しております。IT関連市場は、クラウド市場が拡大を牽引する一方で従来のITビジネスは緩やかな拡大傾向となっていると認識しております。
このような状況の下、当社グループは、2023年5月16日、2023年度から2025年度までの3ヶ年の中期経営計画(以下「本中期経営計画」といいます。)の詳細を公表いたしました。本中期経営計画では、「United Innovation “価値共創 and beyond”」をスローガンに、社会に必要とされる存在価値のある企業グループへの成長を実現するための期間と位置付け、成長戦略を実行しております。当社グループは、本中期経営計画を着実に推進し、ICTとリアルビジネスの共創により新たな価値を提供するサービスカンパニーを目指しております。
ブラックストーンは、高い競争力、成長性、付加価値の創出能力を持つ企業に、ブラックストーンの有するグローバルネットワークや各種経営資源を機動的かつ集中的に提供することで、更なる成長を実現いただくことを目指しており、当社以外も含めた企業に対する投資機会の探索を目的とした提案活動の中で、新たな投資機会に関して情報交換を行っていたとのことです。上記の提案活動の一環として、2024年1月には帝人に対して予備的提案もしていたとのことです。
こうした中、ブラックストーンは、2024年2月28日に、帝人のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)より、帝人が所有する当社株式の譲渡に関する「第一次入札手続きに関するご案内」(以下「本第一次プロセスレター」といいます。)を受領したとのことです。
なお、帝人が当社株式の100%買収の提案を募る入札プロセス(以下「本入札プロセス」といいます。)を開始した経緯及び当社が本特別委員会(下記「③当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」で定義します。)を設置した経緯等については、下記「③当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおりです。
ブラックストーンは、2024年3月上旬、ブラックストーン、公開買付者、公開買付者親会社、当社及び帝人(これらを総称して、以下「公開買付関係者等」といいます。)から独立したファイナンシャル・アドバイザーとしてゴールドマン・サックス証券株式会社(以下「ゴールドマン・サックス証券」といいます。)を、公開買付関係者等から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)をそれぞれ選任し、当社のネットビジネス・ITサービス各事業の成長性・収益性、ブラックストーンとの協業プランについて、公開情報を基に分析を行ったとのことです。その結果、ネットビジネス事業は、強固な電子コミックプラットフォームをもとに当社の成長を牽引し、ITサービス事業は安定事業として当社の業績を支えてきた一方で、両事業ともに今後より一層の投資が必要な局面にあると認識しているとのことであり、ブラックストーンのグローバルな投資経験及びネットワークの活用や、ポートフォリオ企業との連携、ベストプラクティスの共有などにより当社の事業ビジョンに向けて中長期的に貢献が可能であると考えるに至ったとのことです。
かかる検討を踏まえ、ブラックストーンは本取引に係る第一次入札プロセス(以下「本第一次入札プロセス」といいます。)へ参加することを決定し、2024年3月21日、公開買付けを通じて当社株式を非公開化することに関する意向、本公開買付けにおける買付け等の価格、ストラクチャー概要、想定スケジュールの概要等に係る意向表明書(以下「本第一次意向表明書」といいます。)を野村證券に対して提出したとのことです。なお、本第一次意向表明書において、株主価値の最大化及び円滑な案件遂行の観点から、本公開買付け、本スクイーズアウト手続及び本自己株式取得と同様のストラクチャーを提案したとのことです。
その後、帝人は、2024年3月下旬に、ブラックストーンを含む複数の本入札プロセスにおける候補者(以下「本候補者」といいます。)から意向表明書を受領したことから、その内容について慎重に検討を行い、本第一次入札プロセスを通過する複数の候補者を選定したとのことであり、当社は、帝人より、当該複数の候補者の通知を受けるとともに、第二次入札プロセス(以下「本第二次入札プロセス」といいます。)を開始する旨の通知を受けました。
その後、ブラックストーンは、2024年4月1日に、野村證券より本第二次入札プロセスへの参加が認められる旨の通知を受け、本第二次入札プロセスに参加する機会を得たとのことです。同年4月1日から同年5月17日まで、約7週間にわたって、ブラックストーンは、当社の事業・財務・法務等に関する本格的なデュー・ディリジェンスや当社の経営陣との面談、実務者インタビュー等を通じて、当社の事業計画の精査、当社株式の取得に係るシナジー、非公開化に伴うデメリット等の検証を行い、企業価値算定及び本取引後の協業プランを含む更なる分析と検討を進めたとのことです。
かかる検討の結果、ブラックストーンは、2024年4月1日から同年5月17日まで実施したデュー・ディリジェンスの結果を踏まえて、帝人に対し、2024年5月17日、(ⅰ)本公開買付価格を5,570円(提案日の前営業日である2024年5月16日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値3,730円に対して49.33%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値3,002円(円未満を四捨五入しております。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して85.54%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値2,725円に対して104.40%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値2,570円に対して116.73%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とし、(ⅱ)本公開買付けにおける本新株予約権1個当たりの買付け等の価格(以下「本新株予約権買付価格」といいます。)を1円とする旨を含む意向表明書(以下「本第二次意向表明書」といいます。)を提出したとのことです。
その後、ブラックストーンは、帝人との間で、本第二次意向表明書とともに提出した本取引基本契約及び本移行サービス契約(リバースTSA)(下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「②本移行サービス契約(リバースTSA)」で定義します。以下同じです。)の内容並びにその他の本取引に係る諸条件等について協議を行ったとのことです。また、ブラックストーンは、2024年5月17日以降も継続して、本取引による当社の中長期的な企業価値向上の可能性等について検討を行っておりましたが、同月30日、かかる検討結果及び本第二次入札プロセスにおける競争状況等を総合的に勘案し、帝人に対して、本公開買付価格を6,060円(提案日の前営業日である2024年5月29日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値4,550円に対して33.19%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値3,638円に対して66.58%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値2,997円に対して102.20%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値2,696円に対して124.78%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする提案を書面で行ったとのことです。
同日、ブラックストーンは帝人より、公開買付価格を含む本第二次意向表明書の内容が最も優れていた最終買付候補者としてブラックストーンを選定し、本自己株式取得を含む本取引の実施に向けた協議及び検討を開始する旨の連絡を受け、独占交渉権付与に関する覚書を締結したとのことです。
その後、公開買付者は、帝人及び当社が、本第二次意向表明書を受諾したことを受けて、2024年6月18日、本公開買付けを実施することを決定し、帝人との間で本取引基本契約を締結し、本公開買付価格を6,060円、本新株予約権買付価格を1円、本自己株式取得価格を4,231円とすることで帝人と合意に至ったとのことです。
なお、本公開買付価格である6,060円は、帝人による当社株式の売却に関するMergermarketによる憶測報道(2024年3月8日の立会時間終了後)により、当社株価が影響を受けていないと考えられる2024年3月8日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,185円に対して177.35%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,257円に対して168.50%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値2,374円に対して155.27%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値2,497円に対して142.69%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっており、帝人による当社株式の売却に関するBloombergによる憶測報道(2024年5月9日の立会時間終了後)により、当社株価が影響を受けていないと考えられる2024年5月9日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,981円に対して103.29%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,765円に対して119.17%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値2,610円に対して132.18%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値2,521円に対して140.38%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。
また、ストラクチャーについては、本第一次意向表明書及び本第二次意向表明書から変更はなく、公開買付者及び帝人は、本公開買付け、本スクイーズアウト手続及び本自己株式取得と同様のストラクチャーの合意に至ったとのことです。
ブラックストーンは、高い競争力、成長性、付加価値の創出能力を持つ企業に、ブラックストーンの有するグローバルネットワークや各種経営資源を機動的かつ集中的に提供することで、更なる成長を実現いただくことを目指しているとのことであり、公開買付者は、本取引を実行して当社株式を非公開化した後は、当社に対して、ブラックストーンがこれまでに蓄積してきた投資先に対するバリューアップの知見、ネットワーク、資金等を提供し、当社の事業の潜在価値の最大化を実現するための施策を推進していく予定とのことです。
公開買付者は、当社のネットビジネス事業は、強固な電子コミックプラットフォームをもとに当社の成長を牽引してきたと認識しているとのことです。また、収益性の面では、特に30代以上の女性における高い支持・ロイヤリティを武器に、安定的な利益率を維持されているものと理解しているとのことです。一方で、電子コミック市場の競争環境は引き続き激化しており、顧客データの更なる活用によるライフタイムバリューの向上やオリジナル・独占配信作品による差別化などが中長期的な成長を実現するために必要であると認識しているとのことです。ブラックストーンは既存投資先であるCandle Media社の有するノウハウ・ネットワークを活用し、当社の海外展開やIP(知的財産)の360度収益化などを加速するためのサポートを提供する予定とのことです。
公開買付者は、当社のITサービス事業については、過去数年間、売上・利益ともに概ね横ばいで推移しているものの、ERP「GRANDIT」の導入・販売や、放射線情報システム(RIS)等の病院向け部門システム等、いずれも市場において高いシェアを擁するポジショニングを確立していると認識しているとのことです。また、今後、高成長を実現するためには、既存事業における売上・利益最大化に加えて、新規事業の立ち上げ、及び一定規模のM&Aも検討しているとのことです。
また、公開買付者は、本取引の実行後も、現在の従業員に継続して従事いただくことを想定しているとのことであり、日常の事業運営の体制について、特段変更は予定しておらず、当社グループの従業員のリテンション及びモチベーション維持のための施策の実施を予定しているとのことです。
公開買付者は、当社の経営陣が引き続き、事業運営に際して主導的な役割を果たすことを想定しているとのことですが、事業の成長のために必要な追加の経営人財の採用については、今後当社と協議の上で決定する予定とのことです。また、当社の中長期の成長を株主として支援することを目的に、ブラックストーンから取締役を派遣するとともに、ブラックストーンのネットワークを活用し外部より取締役を数名指名する予定とのことです。その他の当社の経営体制、経営方針等については本書提出日現在で想定しているものはなく、本公開買付け成立後に、公開買付者及び当社の間で協議・検討していくとのことです。
ブラックストーンとしては、ブラックストーンが国内外で有するネットワーク及び各種経営支援リソースを結集し、当社グループの成長を支援する予定とのことです。
なお、本取引後、当社が帝人の子会社でなくなることによる影響については、本入札プロセスで開示された情報や当社の経営層へのインタビューを通じて、当社は帝人より高い独立性を有していることを確認しているとのことであり、本取引後も当社の事業運営に支障をきたすことはないものと考えているとのことです。公開買付者は、当社の人財確保(流出防止、新規採用)については、ブラックストーンの実績・ノウハウを活用し、十分に手当てすることが可能であると考えているとのことです。当社の将来の成長性、個人に与えられる裁量権の大きさを採用においてアピールすることが重要であり、非公開化後の施策を通じてそのような打ち出しがより可能になると考えているとのことです。
さらに、公開買付者は、本第一次入札プロセス及び本第二次入札プロセス並びにその後の協議・交渉の場において、当社より、当社はこれまでネットビジネス事業とITサービス事業を一体で経営することにより、「B to C」のノウハウやIT人財の活用、AIを活用したマーケティング、事業拡大のためのインフラの構築並びに優秀な人財の確保及び交流等の両事業間でのシナジーを活かして企業価値を向上させてきたことから、本取引の実施後に両事業が分割されることにより、両事業間のシナジーが失われ、当社の企業価値が毀損することを懸念している旨の説明を受けてきたことを踏まえて、本取引の実施後においても、当社の経営陣の同意を取得しない限り、当社のネットビジネス事業とITサービス事業の分割は原則として2年間実施しないこととし、公開買付者親会社及び当社は、2024年6月18日付けで、かかる内容を含む事業分割の禁止等に関する合意書(詳細については下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③事業分割の禁止等に関する合意書」をご参照ください。)を締結いたしました。
また、当社が帝人に対して提供しているITサービスに関して当社、公開買付者及び帝人の三社間で締結した本移行サービス契約(リバースTSA)(詳細については下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「②本移行サービス契約(リバースTSA)」をご参照ください。)においても、三社の協議・交渉の結果、公開買付者は、原則として、当社のネットビジネス事業とITサービス事業の分割は2年間実施しないことに合意しております。
なお、ブラックストーンは、本取引を通じて当社の事業成長及び企業価値の向上が実現した後は、当社株式の再上場を行うことを基本方針としているとのことです。
当社は、上記「②公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載の経営環境を踏まえ、かねてより中長期的な観点から当社の企業価値を最大化する施策についての検討を行ってまいりました。
そのような状況の下、当社は、2022年7月下旬、当社の親会社である帝人(所有株式数:31,760,000株、所有割合:57.65%)より、事業ポートフォリオ変革の必要性を理由に、帝人並びにその子会社及び関連会社(以下「帝人グループ」といいます。)における当社の位置づけについて、帝人が所有する当社株式のうち議決権ベースで約34%は帝人が継続保有し、残りの部分については第三者に売却することについて正式に検討を開始したとの通知を受けましたが、その後2022年10月上旬、帝人より、帝人の業績悪化を理由に、帝人が所有する当社株式の一部の売却の検討を一旦見送りたい旨の通知を受けました。なお、当該時点においては、帝人が所有する当社株式のうち議決権ベースで約34%は帝人が継続保有し、残りの持分については第三者に譲渡する方針は変わっていないとのことでした。その後、当社は、2023年9月中旬、帝人より、2022年以降も帝人と当社のシナジーを継続検討したものの、将来にわたってお互いの価値を高めるようなシナジーを見出すことができなかったため、事業ポートフォリオの変革の必要性が高いことを理由に、帝人が所有する当社株式の全部を、当社の市場株価に対し一定のプレミアムを付した価格で、売却価格の最大化を目指した上で、第三者に売却する意向がある旨の通知を受けました。これに対し、当社より、帝人に対し、帝人が想定する当社株式の売却を含む取引は、当社株式の非公開化を伴うものであるか確認を行ったところ、帝人より、当社株式に対する第三者による公開買付け及びその後の一連の取引により、当社株式の非公開化を伴う取引を行うことを想定しているとの説明を受けました。当該通知及び説明を受け、当社は、帝人の意向及び想定について慎重に検討いたしましたが、当社の初期的な見解としては、帝人による当社株式の売却意向は尊重する必要があるものの、当社株式が上場廃止となることが当社の企業価値に与える影響について十分な検討を行う必要があると考え、2023年9月下旬、帝人に対して、当該時点においては、当社株式の非公開化を伴う取引に関する協議を進めることには合意できない旨を伝達いたしました。
もっとも、当社は、上記のとおり帝人による当社株式の全部を売却するという意向は尊重すべきものであると考えていたことから、2023年10月初旬、帝人が所有する当社株式の売却方法の検討を含めた当社における様々な資本政策の検討を行うにあたり、公開買付関係者等から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてビヨンドアーチパートナーズ株式会社(以下「BAP」といいます。)を、公開買付関係者等から独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所をそれぞれ選任した上で、帝人が所有する当社株式を自己株式取得の方法により取得することを含め、具体的な検討を開始いたしました。また、当該検討の実施に並行して、仮に帝人が所有する当社株式の全てを自己株式取得により取得する場合には多額の資金及び分配可能額が必要になることから、資本性資金の出資先の探索も開始いたしました。当社は、かかる検討及び出資先の探索を十分に実施するため、2023年10月初旬に、本入札プロセスを開始する前に、帝人に対して、当社内で1ヶ月程度検討期間を設けたい旨の要請を行い、帝人より要請に応じる旨の回答を受領いたしました。
そして、当社は、少なくとも、帝人が想定する第三者による当社株式への公開買付け等についての具体的な提案を当社において受領していない段階においては、当社株式の上場を維持することを前提に当社の資本政策を検討することが適切であると考えるに至り、また、複数の出資候補先との面談を行った結果、2023年11月上旬に、出資候補先(以下「優先株式引受候補先」といいます。)から、帝人が所有する当社株式の全てを自己株式取得するために必要な水準まで当社の資金及び分配可能額を確保するために当社が優先株式引受候補先に対して優先株式を発行した上で、帝人が所有する当社株式の全てを自社株公開買付けの方法により自己株式取得するスキーム(以下「自社株TOBスキーム」といいます。)の初期的な提案を受領したことから、2023年11月上旬、帝人に対して、帝人が所有する当社株式の全部を売却する方法として、自社株TOBスキームによることを提案しました。しかしながら、2023年11月下旬、帝人より、自社株TOBスキームによる場合には、当社株式の公開買付価格が市場株価に対してディスカウントした金額となる可能性が高く、当社株式の売却価格の最大化に沿わないこと、また、そのことにより自社株公開買付けを開始した後により高い買付価格による対抗提案がなされる可能性もあるなど取引の実行可能性が不安定になるおそれがあること等から、帝人の株主への説明責任を果たすことが困難であるほか、当社の企業価値及び株主共同の利益の観点からも本入札プロセスを行うことが望ましいと考えている旨の回答を受けました。
しかしながら、当該時点においては、当社としては、自社株TOBスキームによる方が当社の中長期的な企業価値の向上につながる可能性があることから、自社株TOBスキームの検討を進めるべきであると考えていたこと、及び帝人が所有する当社株式の全てを売却するという点では帝人の意向にも沿っていると考えたことから、2024年1月から2月にかけて優先株式引受候補先によるビジネス、財務会計、税務及び法務の各分野に関するデュー・ディリジェンスを受けることといたしました。
一方で、当社は、帝人との間では、双方の株主の利益の最大化を図るべく、自社株TOBスキームや本公開買付けを含む選択肢について継続的に議論を重ね、2024年1月中旬、帝人より、本入札プロセスを開始することが決定された旨の通知を受領するともに、2023年8月31日に経済産業省より公表された「企業買収における行動指針」(以下「企業買収行動指針」といいます。)に定められるいわゆる「真摯な買収提案」に該当し得る当社の買収提案を帝人が複数受領している旨の説明を受けたことから、2024年2月上旬、帝人に対して、当社株式の上場を維持することが当社の中長期的な企業価値の成長につながる可能性があるとの当社の考えには当該時点においても変更はないものの、帝人による本入札プロセスへの対応については、当社取締役会において継続して慎重に検討を進める旨の回答をいたしました。そして、当社は、本候補者から当社株式の非公開化を含む提案を受領することが想定されることから、企業買収行動指針を踏まえ、当社における検討プロセスの公正さと透明性を確保しつつ、真摯な検討を行う観点より、(ⅰ)当社株式の非公開化提案だけでなく、(ⅱ)当社株式の上場を維持する前提での企業価値向上策(以下「本企業価値向上策」といいます。)及び(ⅲ)自社株TOBスキームについても検討すべきであると判断し、また、帝人から自己株式取得を行う場合には、当該自己株式取得は東京証券取引所の有価証券上場規程に規定される支配株主との取引等に該当するため、支配株主との間に利害関係を有しない者からの「少数株主にとって不利益なものではないことに関する意見」を入手する必要があることから、2024年2月28日開催の取締役会における決議により、藤田一彦氏(独立社外取締役)、津田和彦氏(独立社外取締役)及び森川紀代氏(独立社外監査役)の3名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。なお、本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本諮問事項(下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」で定義します。)を諮問しました。なお、本特別委員会の各委員は、公開買付関係者等のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
その後、当社は、帝人より、野村證券を通じて、複数の候補者に対して関心の有無を確認した上で、2024年2月下旬、複数の事業会社及びブラックストーンを含む複数の投資会社の合計13社を対象とし、本第一次入札プロセスを開始する旨の通知を受けました。その後、帝人は、2024年3月下旬に、複数の候補者から意向表明書を受領したことから、その内容について慎重に検討を行い、本第一次入札プロセスを通過する複数の候補者を選定したとのことであり、当社は、帝人より、当該複数の候補者の通知を受けるとともに、本第二次入札プロセスを開始する旨の通知を受けました。その後、当社は、2024年3月下旬から2024年5月中旬にかけて、複数の候補者によるビジネス、財務会計、税務、法務及びITの各分野に関するデュー・ディリジェンスを受けました。
また、当社は、優先株式引受候補先との間では、2024年1月から2月にかけてデュー・ディリジェンスを受けた後、優先株式の発行に関する諸条件の交渉等を行い、2024年5月中旬、優先株式引受候補先より、法的拘束力のある最終提案(以下「自社株TOBスキーム最終提案」といいます。)を受領し、2024年5月下旬に帝人に対し、自社株TOBスキームに係る法的拘束力のある提案を行いました。
その後、2024年5月下旬に、帝人より、複数の候補者から最終提案書を受領した旨、及びブラックストーンが最終候補者に選定された旨の通知を受け、また、ブラックストーンの最終提案(以下「公開買付者最終提案」といいます。)及び他の候補者の最終提案の共有を受けました。なお、当社の自社株TOBスキームの提案については、公開買付者最終提案に含まれる当社株式の売却価格との間に大きな差があることや買付予定数に上限が設定されていることを踏まえ、帝人及び当社双方の株主共同の利益の最大化などの観点から選択されなかったとのことです。
当社は、公開買付者最終提案及び自社株TOBスキーム最終提案の比較検討を慎重に行い、株式価値総額、本取引実施後の当社の財務健全性、事業分割の可能性を含む本取引実施後の事業戦略の方向性、シナジー効果、従業員の処遇等の観点で総合的に検討を行いました。2024年5月28日、当社において自社株TOBスキームは帝人が当社による自社株公開買付けに応募しない限り成立しないスキームであるところ、帝人には上記の観点からその意思はなく実現可能性が低いこと、公開買付者最終提案に含まれる当社への提案内容は、本取引実施後の財務健全性、当社の事業分割の可能性の観点から当社と公開買付者の間で協議を要する課題は残るものの、公開買付者の経営支援を最大限活用することが当社の企業価値向上の実現を十分に達成し得る選択であるとの可能性は否定できないと判断し、当該時点において各候補者から提示された価格のうち最も高い公開買付価格の提示を含む提案を行う公開買付者を最終候補先として選択し、当社と公開買付者の間で残った課題について協議を継続していくことが望ましいという結論に至りました。その後、当社は、2024年5月30日に、帝人より、公開買付者が本第二次入札プロセスにおける競争状況等を総合的に勘案し、帝人が本公開買付価格を6,060円とする提案を受領したこと、公開買付者を最終候補先とすることは変わらない旨の通知を受け、当社としても、当社とブラックストーンの間で引き続き協議すべき事項を検討・協議していくことが望ましいという結論は変わらず、ブラックストーンとの協議を継続することといたしました。
なお、公開買付者は、本自己株式取得について、帝人において、法人税法に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを考慮し、当社の少数株主の皆様への配分をより多くすることで、本公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させることができるとの考えの下、(ⅰ)本自己株式取得が行われた場合の帝人の税引後手取り額が、(ⅱ)仮に帝人が本公開買付けに応じた場合に得られる税引後手取り額とほぼ同等となるよう算出した結果、本公開買付価格を1株当たり6,060円とし、本自己株式取得価格を1株当たり4,231円とすることを決定したとのことです。本公開買付価格について、公開買付者が提示した条件と比べて、当社の株主の皆様にとってより有利な条件を提示する候補者は存在しなかったとのことです。
その後、当社はブラックストーンとの間で協議を要する課題として、(ⅰ)本取引の実施後の当社の財務健全性、(ⅱ)当社の事業分割の可能性、(ⅲ)当社、公開買付者及び帝人の三社間での、帝人グループが利用するITシステムの開発・運用保守に関する本移行サービス契約(リバースTSA)の締結、(ⅳ)当社が役職員に対して発行している本新株予約権の取扱い等を重要な課題として認識し、ブラックストーン及び帝人と協議を重ねてまいりました。
具体的には、(ⅰ)本取引の実施後の当社の財務健全性について、本自己株式取得において当社グループが保有する現預金が取得費用に充てられる予定であること及び実質的には当社がLBOローンによる借入金を負担することによる、当社の財務負担が見込まれるところ、ブラックストーンからは、当社の事業運営における悪影響は特段ないこと及び必要に応じて追加出資等のサポートも検討することが可能である旨の説明を受けました。当該説明を受け、当社としても再度検討した上で、本取引実施後の当社の定期的な返済又は手元流動性に関して検討する必要があり、当社は、帝人に対して、本自己株式取得価格の引下げを打診したものの、応じられない旨の回答を受領しました。その後、当該回答をもとに当社において改めて検討を重ねる中で、当社の資金計画の確認を行うとともに、エクイティによる拠出と借入れによる拠出の比率自体は適正なものであり、かつ、更なる資金需要が生じた場合にはブラックストーンによる追加出資が期待できることもあり、本取引の実施による財務負担が、当社の事業に重大な悪影響を及ぼすものではないとの判断に至りました。
(ⅱ)当社の事業分割の可能性について、当社は公開買付者親会社との間で、2024年6月18日付で、本取引の実施後においても、当社の経営陣の同意を取得しない限り、当社のネットビジネス事業とITサービス事業の分割は原則として2年間実施しない旨を含む事業分割の禁止等に関する合意書(詳細については、下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③事業分割の禁止等に関する合意書」をご参照ください。)を締結しております。
(ⅲ)本移行サービス契約(リバースTSA)については、本取引の実施による当社株式の非公開化、あるいは、仮に当社のネットビジネス事業とITサービス事業の分割がなされた場合、帝人グループ向け開発・運用保守サービスの提供体制の維持が困難になるリスクがあることから、当該リスクを考慮した本移行サービス契約(リバースTSA)とする必要があったところ、当社、ブラックストーン及び帝人の三社間にて協議を重ね、内容の合意に至りました(詳細については、下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「②本移行サービス契約書(リバースTSA)」をご参照ください。))。
(ⅳ)当社の役職員に発行している本新株予約権について、当社の本新株予約権は付与対象者が当社を退職することが権利行使条件となっており、退職金制度に類似した設計となっているところ、本取引の実施によって当社の役職員の退職を促してしまうリスクについては、当社とブラックストーンとの間で協議を重ね、ブラックストーンより、当社が発行している本新株予約権と経済的に同等以上の新株予約権を新たに発行することを検討している旨の回答を得られたため、当該リスクは軽減できるものと考えております。
なお、株式の非公開化によるデメリットとして、上記のブラックストーンとの間で協議を行った各事項のほか、一般論としては、取引先に対する信用が悪化することが想定されるものの、ブラックストーンとしては、当社は事業活動を通じて取引先からの信用を維持・獲得してきたことから、当社の取引先との関係における当社株式の非公開化による影響は限定的であると考えているとのことであり、当社としても同様に考えております。
また、以下の点を踏まえて、当社取締役会は、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当なものであり、本公開買付けは当社の株主の皆様に対して合理的な株式売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(a) 本公開買付価格は、本第二次入札プロセスにおいて各候補者から提示された価格のうち最も高い価格であり、また、公開買付者が、本第二次入札プロセスの競争状況等を総合的に勘案した結果、公開買付者が本第二次意向表明書において当初提示した価格から更なる引上げが行われた金額であること
(b) 本公開買付価格は、BAPによる株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(BAP)」といいます。)における当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価平均法のレンジの上限を上回るものであり、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」又は「DCF方式」といいます。)による算定結果のレンジの中央値を超えるものであること
(c) 本公開買付価格は、PwCアドバイザリー合同会社(以下「PwC」といいます。)による株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(PwC)」といいます。)における当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価基準方式及びDCF方式のレンジの上限を上回るものであること
(d) Mergermarketによる憶測報道(2024年3月8日の立会時間終了後)により、当社株価が影響を受けていないと考えられる2024年3月8日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,185円に対して177.35%、また、2024年3月8日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,257円に対して168.50%、2024年3月8日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値2,374円に対して155.27%、2024年3月8日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値2,497円に対して142.69%のプレミアムを加えたものであり、近時の同様の事案(経済産業省による「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」の公表日である2019年6月28日以降に公表され、2024年6月14日までに成立した事例のうち、日本国内の上場企業の非公開化を目的とした他の公開買付けの事例91件におけるプレミアムの水準の平均値は、公表日前営業日の終値に対して49.94%、公表日前1ヶ月間の終値単純平均値に対して52.67%、公表日前3ヶ月間の終値単純平均値に対して54.99%、公表日前6ヶ月間の終値単純平均値に対して56.57%)と比較して相当程度プレミアムが付された価格であること
(e) 下記「(6)買付け等の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られており、当社の少数株主の利益への配慮がなされていると認められること
以上より、当社は、2024年6月18日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した取締役(当該取締役会を欠席した森山直彦氏を除く取締役合計7名のうち、竹原教博氏、黒田淳氏及び久保井基隆氏を除く4名)の全員一致で、本公開買付けに賛同するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議しました。また、本新株予約権については、本新株予約権買付価格が1円とされていることから、本新株予約権を本公開買付けに応募するか否かは本新株予約権者の皆様に委ねることを決議しました。
なお、上記取締役会決議に至る意思決定過程の詳細は、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
ア BAPからの株式価値算定書の取得
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に係る当社の意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付関係者等から独立した当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるBAPに対して、当社の株式価値の算定及び付随する財務分析を依頼し、BAPより、2024年6月17日付で本株式価値算定書(BAP)を取得しております。なお、BAPは、公開買付関係者等の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、BAPの報酬は、本取引の公表等を条件に支払われる成功報酬が一部含まれておりますが、意見表明の内容及び本取引の成否に対する成功報酬ではなく、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、当該報酬が含まれていることをもってBAPが本取引の成否に関して少数株主と異なる重要な利害関係を有するものとは認められず、独立性が否定されるわけではないと判断しております。また、本特別委員会は、BAPの独立性及び専門性に問題がないことから、当社の第三者算定機関として承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。
なお、当社は、当社及び公開買付者が本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置(具体的には、下記「(6)本公開買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」記載の措置)を実施し、当社の少数株主の利益に対する十分な配慮がなされていると考えていることから、BAPから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
イ PwCからの株式価値算定書の取得
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に係る当社の意思決定の過程における公正性の担保につき、より一層の慎重を期するために、公開買付関係者等から独立した第三者算定機関であるPwCに対して、当社の株式価値の算定及び付随する財務分析を依頼し、PwCより、2024年6月17日付で本株式価値算定書(PwC)を取得しております。なお、PwCは、当社、公開買付関係者等の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、当社、公開買付関係者等との間で重要な利害関係を有しておりません。また、PwCの報酬には、本取引の公表等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会は、PwCの独立性及び専門性に問題がないことから、当社の第三者算定機関として承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。
なお、当社は、当社及び公開買付者が本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置(具体的には、下記「(6)本公開買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」記載の措置)を実施し、当社の少数株主の利益に対する十分な配慮がなされていると考えていることから、PwCから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
(ⅱ)算定の概要
ア BAPによる算定の概要
BAPは、当社の株式価値の算定にあたり必要となる情報を収集・検討するため、当社の経営陣より、当社の事業の現状及び将来の見通し等の情報について説明を受け、それらの情報を踏まえて、当社の株式価値の算定を行いました。BAPは、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価平均法を、また、将来の事業活動の状況を算定に反映させるためDCF法をそれぞれ算定方法として採用し、当社の株式価値を算定いたしました。
上記各手法に基づきBAPにより算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。
市場株価平均法 2,185円 ~ 2,497円
DCF法 4,943円 ~ 6,200円
市場株価平均法においては、評価基準日をMergermarketによる憶測報道(2024年3月8日の立会時間終了後)により、当社株式の市場株価が影響を受けていないと考えられる2024年3月8日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の評価基準日の終値2,185円、評価基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値2,257円、評価基準日までの3ヶ月間の終値単純平均値2,374円、評価基準日までの6ヶ月間の終値単純平均値2,497円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,185円から2,497円までと算定しております。なお、市場株価平均法の採用に際しては、複数の期間における終値単純平均値を参照することにより短期的な株価変動を平準化し、当社株式の株式価値を算定しております。
DCF法では、当社グループの事業を、ネットビジネス事業とITサービス事業に分類して事業価値算定を行うサム・オブ・ザ・パーツ分析を実施しております。当社が作成した2025年3月期から2030年3月期までの事業計画(帝人は作成に関与しておりません。以下同じです。)に基づく財務予測及び一般に公開された情報等の諸要素を考慮した当社の収益予想に基づき、2025年3月期以降に当社のネットビジネス事業及びITサービス事業がそれぞれ生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を計算し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を4,943円から6,200円までと算定しております。割引率は加重平均資本コスト(WACC:Weighted Average Cost of Capital)とし、ネットビジネス事業は5.3%から6.3%、ITサービス事業は5.8%から6.8%を採用しております。継続価値の算定にあたっては、永久成長率法を採用し、永久成長率法では永久成長率をネットビジネス事業は0.0%から0.5%、ITサービス事業は▲0.25%から0.25%としております。
BAPがDCF法の算定の前提とした当該事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。また、当該事業計画は、本取引の実行を前提としたものではありませんが、各財務予測数値について各々の前事業年度と比較して大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、ITサービス事業において、2026年3月期及び2028年3月期に、ヘルスケア分野では既存の大病院顧客・データ基盤という強みを生かし大病院向けの更なるソリューション展開、データを活用した製薬業界への展開に伴い、また、サービスビジネス分野ではクラウド型ERPサービスの拡販加速に伴い、2026年3月期は営業利益37億円(対前年度比で約48%の増益)、2026年3月期のフリー・キャッシュ・フローは28億円(対前年度比で約68%の増加)、2028年3月期のフリー・キャッシュ・フローは42億円(対前年度比で約45%の増加)、と大幅な増益となることを見込んでおります。なお、ネットビジネス事業及びITサービス事業の事業間におけるシナジー効果は、それぞれの財務予測数値に含まれているものと判断しております。
ネットビジネス事業(億円)
ITサービス事業(億円)
なお、本公開買付けの対象には本新株予約権も含まれますが、本新株予約権買付価格に関しては、当社は、BAPから算定書及びその公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
(注)BAPは、当社の株式価値算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであること、かつ、当社の株式価値算定に重大な影響を与える可能性がある事実でBAPに対して未開示の事実はないことを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて当社の財務予測(事業計画及びその他の情報を含みます。)に関する情報については、当社の経営陣による算定時点で得られる最善の予想と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。BAPによる当社の株式価値算定は、2024年6月17日までの上記情報を反映しております。
イ PwCによる算定の概要
PwCは、当社の株式価値の算定にあたり必要となる情報を収集・検討するため、当社の経営陣より、当社の事業の現状及び将来の見通し等について説明を受け、それらの情報を踏まえて、当社の株式価値の算定を行いました。PwCは、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価基準方式を、また、将来の事業活動の状況を算定に反映させるためDCF方式をそれぞれ算定方法として採用し、当社の株式価値を算定いたしました。
上記各手法に基づきPwCにより算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。
市場株価基準方式① 2,185 円 ~ 2,526 円
市場株価基準方式② 2,993 円 ~ 5,740 円
DCF方式 4,856 円 ~ 5,708 円
市場株価基準方式①においては、算定基準日をMergermarketによる憶測報道等により、当社株式の市場株価が影響を受けていないと考えられる2024年3月8日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の算定基準日終値2,185円、並びに算定基準日までの1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間の終値単純平均値(1ヶ月間:2,257円、3ヶ月間:2,374円、6ヶ月間:2,497円(小数点以下四捨五入。本「イ PwCによる算定の概要」における終値単純平均値、出来高加重平均値の計算について同じです。))及び出来高加重平均値(1ヶ月間:2,256円、3ヶ月間:2,366円、6ヶ月間:2,526円)を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,185円から2,526円までと算定しております。また、市場株価基準方式②においては、算定基準日を本公開買付けの公表日の前営業日である2024年6月17日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の算定基準日終値5,740円、並びに算定基準日までの1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間の終値単純平均値(1ヶ月間:4,903円、3ヶ月間:3,557円、6ヶ月間:2,993円)及び出来高加重平均値(1ヶ月間:5,002円、3ヶ月間:4,296円、6ヶ月間:3,763円)を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,993円から5,740円までと算定しております。
DCF方式では、当社グループの事業を、ネットビジネス事業とITサービス事業に分類して事業価値算定を行うサム・オブ・ザ・パーツ分析を実施しております。当社が作成した2025年3月期から2030年3月期までの事業計画に基づく財務予測及び一般に公開された情報等の諸要素を考慮した当社の収益予想に基づき、当社が2025年3月期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の事業価値や株式価値を計算し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を4,856円から5,708円までと算定しております。割引率は加重平均資本コスト(WACC:Weighted Average Cost of Capital)とし、ネットビジネス事業では、6.7%から7.7%、ITサービス事業では6.9%から7.9%をそれぞれ採用しております。継続価値の算定にあたっては、永久成長率法を採用し、永久成長率法では永久成長率を1.5%としております。
PwCがDCF方式の算定の前提とした当社作成の事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。また、当該事業計画は、本取引の実行を前提としたものではありませんが、各財務予測数値について各々の前事業年度と比較して大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、ITサービス事業において、2026年3月期及び2028年3月期に、ヘルスケア分野では既存の大病院顧客・データ基盤という強みを生かし大病院向けの更なるソリューション展開、データを活用した製薬業界への展開に伴い、また、サービスビジネス分野ではクラウド型ERPサービスの拡販加速に伴い、2026年3月期は営業利益37億円(対前年度比で約48%の増益)、2026年3月期のフリー・キャッシュ・フローは28億円(対前年度比で約68%の増加)、2028年3月期のフリー・キャッシュ・フローは42億円(対前年度比で約45%の増加)、と大幅な増益となることを見込んでおります。なお、ネットビジネス事業及びITサービス事業の事業間におけるシナジー効果は、それぞれの財務予測数値に含まれているものと判断しております。
ネットビジネス事業(億円)
ITサービス事業(億円)
なお、本公開買付けの対象には本新株予約権も含まれますが、本新株予約権の買付価格に関しては、当社は、PwCから算定書及びその公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
(注)PwCは、当社の株式価値算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであること、かつ、当社の株式価値算定に重大な影響を与える可能性がある事実でPwCに対して未開示の事実はないことを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて当社の財務予測(事業計画及びその他の情報を含みます。)に関する情報については、当社の経営陣による算定時点で得られる最善の予想と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。PwCによる当社の株式価値算定は、2024年6月17日までの上記情報を反映しております。
公開買付者は、本公開買付価格を決定するに際して、当社が開示している財務情報等の資料、当社に対して2024年4月1日から同年5月17日にかけて実施したデュー・ディリジェンスの結果、当社の事業財務及び法務の状況等、本公開買付価格に関する当社及び帝人との協議・交渉の結果等を踏まえ、最終的に2024年6月18日、本公開買付価格を6,060円と決定したとのことです。
本公開買付価格である6,060円は、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年6月17日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値5,740円に対して5.57%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値4,903円に対して23.60%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値3,557円に対して70.37%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値2,993円に対して102.47%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。
本公開買付価格である6,060円は、帝人による当社株式の売却に関するMergermarketによる憶測報道(2024年3月8日の立会時間終了後)により、当社株価が影響を受けていないと考えられる2024年3月8日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,185円に対して177.35%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,257円に対して168.50%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値2,374円に対して155.27%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値2,497円に対して142.69%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。
また、本公開買付価格である6,060円は、帝人による当社株式の売却に関するBloombergによる憶測報道(2024年5月9日の立会時間終了後)により、当社株価が影響を受けていないと考えられる2024年5月9日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,981円に対して103.29%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,765円に対して119.17%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値2,610円に対して132.18%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値2,521円に対して140.38%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。また、本公開買付価格である2,950円は、本書提出日の前営業日である2024年6月18日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値6,030円に対して0.50%のプレミアムを加えた価格とのことです。
なお、公開買付者は、当社による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けの成立の見通し等、上記の諸要素を総合的に勘案しつつ、当社及び帝人との協議・交渉を経て本公開買付価格を決定したため、第三者算定機関からの株式価値算定書は取得していないとのことです。
本新株予約権は、いずれもストックオプションとして、当社の取締役及び執行役員に対して付与されたものであり、権利行使の条件のひとつとして、当社、当社の子会社及び当社の関連会社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から5年(2013年度新株予約権~2018年度新株予約権)、又は10年(2019年度新株予約権~2020年度新株予約権)を経過する日までの間に限り権利行使することができるとされているため、公開買付者が本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないことから、公開買付者は、2024年6月18日、本新株予約権買付価格を1円と決定したとのことです。
なお、公開買付者は、本新株予約権買付価格の決定に際し、第三者算定機関からの算定書等を取得していないとのことです。
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場していますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。
また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けが成立した後に、公開買付者は、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を実行することを予定しているとのことですので、その場合、当社株式は、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。
公開買付者は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「①本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより、当社株式(但し、本譲渡制限付株式及び本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得することができなかった場合には、本公開買付けの成立後、当社に対し、以下の方法により、当社の株主を公開買付者及び帝人のみとし、当社株式を非公開化することを目的とした本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
具体的には、公開買付者は、会社法第180条に基づき当社株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに当社に要請する予定とのことです。また、公開買付者及び帝人は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。なお、本書提出日現在においては、本臨時株主総会の開催日は、2024年9月上旬を目途に予定しております。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。
当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(但し、公開買付者、帝人及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、当社に対して、公開買付者及び帝人が当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(但し、公開買付者、帝人及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。
本株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社の株主の皆様(但し、公開買付者、帝人及び当社を除きます。)は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。
上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(但し、公開買付者、帝人及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、本株式併合に反対する当社の株主の皆様(但し、公開買付者、帝人及び当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができるようになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
なお、本譲渡制限付株式については、本譲渡制限付株式に係る割当契約書において、譲渡制限期間中に、株式の併合(当該株式の併合により本譲渡制限付株式の割当者の有する本譲渡制限付株式が1株に満たない端数のみとなることとなる場合に限ります。)が行われる場合には、当社は、当該株式の併合の効力発生日の前営業日において、同日において譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式の全てを無償で取得するとされております。但し、当社は、本譲渡制限付株式の各所有者との間で、本変更契約を締結する予定であるため、公開買付者は、本スクイーズアウト手続において、本譲渡制限付株式のうち役務提供期間に応じた数についても、本株式併合の対象とする予定とのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けにおいて、本新株予約権の全部を取得できず、かつ、本新株予約権が行使されず残存した場合には、当社に対して、本新株予約権の取得、本新株予約権者に対する本新株予約権の放棄の勧奨その他本取引の実行に必要な合理的な手続を実施することを要請し、又は実施する予定とのことですが、本書提出日現在において詳細は未定とのことです。なお、当社は、当該要請を受けた場合には、これに協力する意向です。
上記の手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(但し、公開買付者、帝人及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定です。
以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者及び当社間で協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の手続における税務上の取扱いについては、当社の株主及び本新株予約権者の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
本書提出日現在において、公開買付者は当社株式及び本新株予約権を所有しておらず、本公開買付けは、支配株主による取引には該当いたしません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメントバイアウト取引にも該当いたしません。もっとも、公開買付者が当社の親会社である帝人との間で(ⅰ)本不応募合意株式を本公開買付けに応募しないこと、及び、本株式併合の効力発生後に本自己株式取得に応じて本不応募合意株式を売却することに合意し、本取引基本契約を締結していること、(ⅱ)当社の株主を公開買付者と帝人のみとする当社株式の非公開化を公開買付者が企図していること、(ⅲ)当社において本不応募合意株式を取得する本自己株式取得を実施することを踏まえ、本公開買付けの公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、また利益相反の疑いを回避する観点から、以下の措置を実施いたしました。
なお、公開買付者は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「②本公開買付けの概要」に記載のとおり、当社の親会社である帝人が当社株式31,760,000株(所有割合:57.65%)を所有しているところ、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定していないとのことですが、以下の措置が講じられていることから、当社の少数株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。
また、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、帝人の説明によれば、帝人は、2024年2月下旬より、野村證券を通じて、複数の候補者に対して本入札プロセスへの参加を打診した上で、ブラックストーンを含む複数の候補者を対象とする本第一次入札プロセスを開始し、2024年3月下旬に、ブラックストーンを含む複数の候補者から意向表明書を受領したことから、その内容について慎重に検討を行い、本第二次入札プロセスへの参加を打診する複数の候補者を選定したとのことです。その後、帝人は、2024年3月下旬より、本第二次入札プロセスを開始し、複数の候補者による当社のデュー・ディリジェンスを経て、2024年5月下旬に、複数の候補者から最終提案書を受領し、複数の候補者と提案内容に関する協議を実施したとのことです。その後、提案内容及び協議の内容を総合的に検討した結果、ブラックストーンが最適な売却先であるとの結論に至ったとのことです。なお、公開買付価格について、ブラックストーンが提示した条件と比べて、当社の株主の皆様にとってより有利な条件を提示する候補者は存在しなかったとのことです。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に係る当社の意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付関係者等から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるBAPに対して、当社の株式価値の算定及び付随する財務分析を依頼し、BAPより、2024年6月17日付で本株式価値算定書(BAP)を取得いたしました。
なお、BAPは当社、公開買付関係者等の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、BAPの報酬は、本取引の公表等を条件に支払われる成功報酬が一部含まれておりますが、意見表明の内容及び本取引の成否に対する成功報酬ではなく、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、当該報酬が含まれていることをもってBAPが本取引の成否に関して少数株主と異なる重要な利害関係を有するものとは認められず、独立性が否定されるわけではないと判断しております。また、本特別委員会は、BAPの独立性及び専門性に問題がないことから、当社の第三者算定機関として承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。本株式価値算定書(BAP)の概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
また、当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に係る意思決定の過程における公正性の担保につき、より一層の慎重を期するために、公開買付関係者等から独立した第三者算定機関であるPwCに対して、当社の株式価値の算定及び付随する財務分析を依頼し、PwCより、2024年6月17日付で本株式価値算定書(PwC)を取得いたしました。
なお、PwCは当社、公開買付関係者等の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係るPwCの報酬には、本取引の成否等を条件とする成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会は、PwCの独立性及び専門性に問題がないことから、当社の第三者算定機関として承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。本株式価値算定書(PwC)の概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
当社は、本公開買付けを含む本取引に関する当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、公開買付関係者等から独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任し、本公開買付けを含む本取引に関する当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の本取引に関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。なお、TMI総合法律事務所は、公開買付関係者等の関連当事者には該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有しておらず、TMI総合法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会は、TMI総合法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことから、当社のリーガル・アドバイザーとして承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。
当社は、2024年1月中旬に、帝人から、本入札プロセスを開始した旨の伝達を受けました。その後、当社は、本候補者から当社株式の非公開化を含む提案を受領することが想定されることから、企業買収行動指針を踏まえ、検討プロセスの公正さと透明性を確保しつつ、真摯な検討を行う観点より、(ⅰ)当社株式の非公開化提案だけでなく、(ⅱ)本企業価値向上策及び(ⅲ)自社株TOBスキームについて検討すべきであると判断し、2024年2月28日開催の取締役会における決議により、藤田一彦氏(当社社外取締役)、津田和彦氏(当社社外取締役)及び森川紀代氏(当社社外監査役)の3名(なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。)から構成される本特別委員会を設置し、本特別委員会に対し、(a)(ⅰ)非公開化提案、(ⅱ)本企業価値向上策及び(ⅲ)自社株TOBスキームについて、企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかという観点から比較検討を行い、いずれが望ましいかについて取締役会に提言又は勧告を行うこと(以下「本諮問事項①」といいます。)、(b)(a)において、非公開化提案が最も望ましいという判断になった場合には、非公開化提案について、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかの観点から検討し、当社の取締役会において非公開化提案を承認するべきか否かについて、取締役会に提言又は勧告を行うこと(①非公開化提案の目的の合理性、②非公開化提案の取引条件の妥当性、③非公開化提案の手続の公正性、④上記①乃至③その他の事項を踏まえ、当社取締役会が非公開化提案の実施を決定することが少数株主に不利益か否かを含む。)(以下「本諮問事項②」といいます。)、(c)(a)において、自社株TOBスキームが最も望ましいという判断になった場合には、自社株TOBスキームについて、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかの観点から検討し、当社の取締役会において自社株TOBスキームを承認するべきか否かについて、取締役会に提言又は勧告を行うこと(種類株式発行の必要性、種類株式発行の相当性、帝人との応募契約の締結を含む、自己株式取得の決定が少数株主にとって不利益でないことを含む。)(本諮問事項①及び本諮問事項②と総称して、以下「本諮問事項」といいます。)について諮問しました。なお、本特別委員会の各委員は、公開買付関係者等のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
当社取締役会は、本特別委員会の設置に当たり、本特別委員会を当社取締役会から独立した合議体として位置付け、①当社取締役会は、(ⅰ)非公開化提案、(ⅱ)本企業価値向上策及び(ⅲ)自社株TOBスキームについての決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重すること、②当社は、本候補者及び帝人等の関係者と当該(ⅰ)乃至(ⅲ)の取引条件について交渉するにあたり、本特別委員会に適時にその状況を報告し、重要な局面でその意見、指示及び要請を受けることを決議しております。
なお、本特別委員会の委員の報酬は、答申内容にかかわらず支給される固定金額の報酬のみとしており、本取引の成立等を条件とする成功報酬は採用しておりません。
本特別委員会は、2024年3月6日から2024年6月14日までの間に合計26回にわたって開催され、特別委員会の各開催日間においても電子メール等を通じて審議・意思決定等を行う等して、本諮問事項に関して、慎重に協議及び検討を行いました。
その上で、本特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から、その独立性及び専門性に鑑み、本取引における公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置の内容その他本取引に関する事項全般について法的助言を受けています。
また、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるBAPの独立性及び専門性に鑑み、当社の依頼により、当社のファイナンシャル・アドバイザーである同社から説明を受け、公開買付者との交渉方針等について審議・検討しました。
さらに、本特別委員会は、非公開化提案、本企業価値向上策及び自社株TOBスキームのそれぞれの意義及びメリット、当社事業への影響等を検討するために、当社、ブラックストーンを含む本入札プロセスに参加した候補者及び帝人に対してヒアリングを行い、質疑応答を行いました。
また、本特別委員会は、当社から、当社と公開買付者及び帝人との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会において協議し、公開買付者との交渉過程に実質的に関与いたしました。
本特別委員会は、以上の経緯の下で、本諮問事項について慎重に検討・協議を重ねた結果、2024年6月17日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の答申書(以下「本答申書」といいます。)を提出しております。
Ⅰ 本特別委員会の意見
1.本諮問事項①
非公開化提案、本企業価値向上策及び自社株TOBスキームの比較検討を行った結果、本取引を実施することが、当社にとって最も望ましく、かつ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上に資する。
2.本諮問事項②
(1)本取引の目的は合理的である。
(2)本取引の取引条件は妥当である。
(3)本取引に係る手続は公正である。
(4)本諮問事項①に対する答申、上記(1)乃至(3)その他の事項を踏まえ、当社取締役会が本取引の実施を決定することは、当社の少数株主にとって不利益であるとはいえない。
Ⅱ 意見の理由
1.本取引の目的の合理性
(1)本取引の目的の概要
本特別委員会は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「②公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」及び「③当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載の本取引の目的及び本取引により向上することが見込まれる当社の企業価値の具体的内容等について、当社、公開買付者及びブラックストーンに対してヒアリングを行った。
(2)事業分割による影響
当社は、当社がこれまでネットビジネス事業とITサービス事業を一体で経営することにより、「B to C」のノウハウやIT人財の活用、AIを活用したマーケティング、事業拡大のためのインフラの構築並びに優秀な人財の確保及び交流等の両事業間でのシナジーを活かして企業価値を向上させてきたことから、本取引の実施後に両事業が分割される場合、両事業間のシナジーが失われ、当社の企業価値が毀損することを懸念している。
この点に関して、公開買付者親会社及び当社は、両者の協議・交渉の結果、公開買付者親会社が、原則として、本取引の完了後2年間は、ネットビジネス事業又はITサービス事業が当社グループ(公開買付者を含む。)から分離することとなる会社再編行為(合併、会社分割、事業譲渡及び株式譲渡を含むが、これらに限られない。以下「分割行為」という。)を行わない義務を負う旨を含む事業分割の禁止等に関する合意書を締結する予定である。
また、当社が帝人に対して提供しているITサービスに関して当社、公開買付者及び帝人の三社間で締結予定の本移行サービス契約(リバースTSA)においても、三者の協議・交渉の結果、公開買付者は、原則として、本取引の完了後2年間は、分割行為を行わないことに合意しており、かつ、公開買付者は、公開買付届出書においても、分割行為を行わない旨を表明する予定である。
以上より、本取引の実施によって、直ちに当社の事業に影響を及ぼす事業分割がなされる具体的な懸念があるわけではない。
(3)当社株式の非公開化による影響
本取引は当社株式の非公開化を前提とするものであるところ、当社株式の非公開化がなされた場合、以下の点を含め、当社の企業価値に対する影響が生じないかという点についても検討を行った。
・ 当社は、サービスカンパニー、価値共創を中期ビジョンとして掲げており、リアルビジネスを営む事業者との共創及び新規ビジネスを生み出すための他事業者との共創を強く推し進めており、その基盤となる優秀な人財の確保が必須であるところ、当社株式を非公開化した場合、優秀な人財の確保、協業パートナー探索や事業推進に影響を及ぼす可能性はないか。
・ ITサービス・ソフトウェア企業である当社にとって有能な人財の採用・リテンションは経営の根幹であり、現在は上場企業かつ業績好調の企業であることにより人財の採用・リテンション戦略が奏功している状況である。今回の当社株式の非公開化によって、人財の採用・リテンションに影響を及ぼす可能性はないか。
・ 一般論として、事業運営の透明性が上場企業に比して損なわれることにより既存取引先との関係性に影響を及ぼす可能性はないか。
この点について、公開買付者は、本取引の実施後も、現在の当社従業員が継続して従事することを想定し、日常の事業運営の体制について特段変更は予定していない。公開買付者は、当社の人財確保(流出防止、新規採用)について、ブラックストーンの実績・ノウハウを活用し、十分に手当てすることが可能と考えており、当社グループの人財のリテンション及びモチベーション維持のための施策の実施を予定している。
また、優秀な人財の取り合いになっているITサービス業界において安定的にエンジニアリソースを確保するために、協業先となるシステムエンジニアリングサービスの開拓、ストックオプションを活用したプロジェクトマネージャー級の人財の採用強化、オフショアリングの活用などが期待される。
さらに、当社の取引先との関係においても、取引先に対し丁寧に説明することにより、当社株式の非公開化による取引先との関係性への影響を最小限にすることができるとのことであり、公開買付者からの丁寧な説明により、当該影響を最小限に抑えることも期待することができる。
加えて、ブラックストーンは、当社への投資期間終了後におけるExitの手法としては、当社の再上場を想定しているとのことであり、非公開化への懸念についても一定程度配慮されている。
以上より、本取引による当社株式の非公開化によって、当社の事業に重大な悪影響が生じるとはいえない。
(4)LBOローンによる財務負担
ブラックストーンは、本取引に必要な資金について、エクイティ出資及び借入れによって調達する予定であり、エクイティによる拠出で約1,550億円、借入れによる拠出で約800億円に加え、当社の保有現預金約400億円を利用する想定であった。
当該想定に従うと、定期的な返済又は手元流動性に関して検討する必要があり、当社は、帝人に対して、本自己株式取得価格の引下げを打診したものの、応じられない旨の回答を受領した。
また、当社の資金計画も踏まえて、当社とブラックストーンとの間で協議を行ったところ、①800億円の借入金については、ブラックストーンより、財務健全性が担保されている水準であること及び資本効率最適化の観点から、変更せずとも問題のない水準である旨の回答を受けた。一方で、②手元流動性に関して、必要な手許現金を確保することに加え、機動的な資金ニーズに応えるためにコミットメントラインを増枠できる見込みである旨の回答を受けた。
上記結果をもとに、当社において改めて検討を重ねる中で、当社の資金計画の確認を行うとともに、エクイティによる拠出と借入れによる拠出の比率自体は適正なものであり、かつ、更なる資金需要が生じた場合にはブラックストーンによる追加出資が期待できるとのことである旨の事情も踏まえて、本取引の実施による財務負担が、当社の事業に重大な悪影響が生じるとはいえないと考えるに至った。
(5)小括
以上の(1)乃至(4)を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであると認められ、本取引の目的は合理的であると判断するに至った。
2.本取引の取引条件の妥当性
(1)価格の妥当性
ア 本公開買付価格
以下の点から、本公開買付価格は妥当であると考えられる。
・ 本公開買付価格は、透明性や公正性に疑義がない本入札プロセスにおいて提示された最も高い価格である。
・ 当社が、公開買付関係者等から独立した第三者算定機関であるBAPから取得した株式価値算定書によれば、当社株式の1株当たり株式価値は、市場株価平均法によると2,185円から2,497円、DCF法によると4,943円から6,200円とされているところ、本公開買付価格は、市場株価平均法による算定結果の上限値を上回るとともに、DCF法による算定結果の中央値を超える金額である。
そして、本特別委員会は、株式価値評価に用いられた算定方法等について、BAPから、評価手法の選択、割引率の算定根拠等について説明を受けるとともに、質疑応答を行った上で検討した結果、一般的な評価実務に照らして不合理な点は認められなかった。
また、本特別委員会は、BAPのDCF法による算定の基礎となる当社の事業計画についても、その作成方法・作成過程(本取引と利害関係を有する者が事業計画の作成に関与していないことを含む。)及び内容(事業計画が過度に保守的な見積もりに基づくものとなっていないことを含む。)について確認し、その合理性を承認した。
・ また、当社が、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に係る当社の意思決定の過程における公正性の担保につき、より一層の慎重を期するために、公開買付関係者等から独立した第三者算定機関であるPwCから取得した株式価値算定書によれば、当社株式の1株当たり株式価値は、市場株価基準方式①によると2,185円から2,526円、市場株価基準方式②によると2,993円から5,740円、DCF方式によると4,856円から5,708円とされているところ、公開買付者による本公開買付価格は、市場株価基準方式①及び市場株価基準方式②並びにDCF方式による算定結果の上限値を上回る金額である。
そして、本特別委員会は、PwCから株式価値評価に用いられた算定方法等について、一般的な評価実務に照らして不合理な点は認められなかった。
また、本特別委員会は、PwCのDCF方式による算定の基礎となる当社の事業計画についても、その作成方法・作成過程(本取引と利害関係を有する者が事業計画の作成に関与していないことを含む。)及び内容(事業計画が過度に保守的な見積もりに基づくものとなっていないことを含む。)について確認し、その合理性を承認した。
・ 加えて、本公開買付価格(6,060円)は、帝人による当社株式の売却に関するMergermarketによる憶測報道(2024年3月8日の立会時間終了後)により、当社株価が影響を受けていないと考えられる2024年3月8日の当社株式の東京証券取引所プライム市場における終値2,185円に対して177.35%(小数点以下第三位を四捨五入)のプレミアムを加えた金額であって、本公開買付価格には近時の同様の事案(経済産業省による「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」の公表日である2019年6月28日以降に公表され、2024年6月14日までに成立した事例のうち、日本国内の上場企業の非公開化を目的とした他の公開買付けの事例91件におけるプレミアムの水準の平均値は、公表日前営業日の終値に対して49.9%、公表日前1ヶ月間の終値平均値に対して52.7%、公表日前3ヶ月間の終値平均値に対して55.0%、公表日前6ヶ月間の終値平均値に対して56.6%)と比較して相当程度のプレミアムが付されていると考えられる。
・ さらに、本公開買付価格(6,060円)は、当社の上場以降評価基準日までの当社株式の最高値である4,455円を上回る金額である。
イ 本新株予約権買付価格
本新株予約権は、いずれもストックオプションとして、当社の取締役及び執行役員に対して付与されたものであり、権利行使の条件として、当社、当社の子会社及び当社の関連会社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から5年(2013年度新株予約権~2018年度新株予約権)、又は10年(2019年度新株予約権~2020年度新株予約権)を経過する日までの間に限り権利行使することができるとされているため、公開買付者が本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないと解されることから、本新株予約権買付価格をいずれも1円とすることには、合理性が認められる。
(2)本公開買付け後の手続において交付される対価
公開買付者は、本公開買付けにより公開買付者が当社株式(但し、本譲渡制限付株式及び本新株予約権の行使により交付される当社株式を含むが、当社が所有する自己株式及び帝人が所有する当社株式を除く。)及び本新株予約権の全てを取得することができなかった場合には、本スクイーズアウト手続を行うことを予定しており、本公開買付けに応募しなかった少数株主は、本スクイーズアウト手続において、最終的に金銭が交付されることになる。本スクイーズアウト手続において交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定される予定であり、かつ、その旨が、本公開買付けに関するプレスリリース等で明示される予定である。
なお、本スクイーズアウト手続の完了後、本自己株式取得を実施することを予定しているところ、本自己株式取得の取得価格について、帝人において、法人税法に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを考慮して、帝人が本公開買付けに応募した場合の税引後手取り額と本自己株式取得に応じた場合に得られる税引後手取り額がほぼ同等となる金額を設定する予定であり、かつ、その旨が、本公開買付けに関するプレスリリース等で明示される予定である。
以上のような条件設定によれば、帝人が実質的にも当社の少数株主と同等の利益を本取引によって得る予定である(すなわち、帝人のみが当社の少数株主と比べて相対的に大きい利益を本取引によって享受することはない)ことを意味するから、本取引の全体を通じて、当社の少数株主の利益確保を目指した合理的なスキームが構築されているものと認められる。
(3)小括
以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本特別委員会として、本公開買付価格を含む本取引の取引条件は妥当であると判断するに至った。
3.本取引の手続の公正性
(1)本入札プロセスの実施
本取引は、本入札プロセスにおいて帝人が本入札プロセスに参加した候補者(以下「本件候補者」という。)から非公開化提案を受領後、複数の本件候補者との間で提案内容に関する協議を行った上で、帝人が提案内容及び協議内容を総合的に検討した結果選定された公開買付者により実施されるものである。また、本入札プロセスにおいて、公開買付者が提示した条件と比較して当社の少数株主にとってより有利な条件を提示する候補者は存在しなかったことも踏まえると、本入札プロセスに関して透明性や公正性を疑わせるような事情を見いだすことはできない。
以上を踏まえると、マーケット・チェックが適切に機能していると評価できる。
(2)特別委員会の設置
当社は、帝人から、本入札プロセスを開始した旨の伝達を受けてから速やかに本特別委員会を設置した。また、本特別委員会に対してアドバイザー等の選任権限が付与された上で、当社において、本特別委員会の答申内容について最大限尊重する旨が決議されており、加えて、本特別委員会の独立性、専門性・属性などの構成、アドバイザー及び社内の検討体制についても特段の問題は認められない。
(3)当社による検討方法
当社が本取引等について検討するにあたっては、公開買付関係者等から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるBAP並びにリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から助言・意見等を得ながら、当社の企業価値の向上ひいては株主共同の利益の観点から、本取引等の取引条件の妥当性及び本取引等の一連の手続の公正性といった点について慎重に検討及び協議を行っている。
本特別委員会は、TMI総合法律事務所及びBAPの独立性及び専門性に問題がないことを確認し、当社のリーガル・アドバイザー並びにファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認している。また、本特別委員会としても、必要に応じてTMI総合法律事務所及びBAPから専門的助言を受けることができることを確認し、現に助言・意見等を得ている。
(4)当社における独立した検討体制の構築
当社は、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付関係者等から独立した立場で、本取引等に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築している。
(5)本取引等の交渉等の過程及び意思決定過程における特別利害関係人の不関与
当社の立場で本取引等を検討・交渉する取締役には、本取引等に特別な利害関係を有する者は含まれておらず、その他、本取引等に係る協議、検討及び交渉の過程で、帝人、本件候補者及びその他の本取引等に特別な利害関係を有する者が当社側に不当な影響を与えたことを推認させる事実は認められない。
なお、利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、当社の役員のうち、帝人の常務執行役員を兼任している取締役である森山直彦氏及び帝人の監査役を兼任している監査役である中石昭夫氏は、当社取締役会における本取引等の検討に関する議題の審議には一切参加しておらず、当社の立場において本取引等の検討、本取引等に係る公開買付者及び帝人との協議・交渉にも一切参加していない。また、当社の役員のうち、代表取締役会長である竹原教博氏、代表取締役社長CEOである黒田淳氏及び取締役CSROである久保井基隆氏は、本譲渡制限付株式に関して、本変更契約を締結する予定であるため、利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、本変更契約を締結する可能性が生じた以降、当社取締役会における本取引等の検討に関する議題の審議には一切参加しておらず、当社の立場において本取引等の検討、本取引等に係る公開買付者及び帝人との協議・交渉にも一切参加していない。
(6)本取引に関するその他の公正性担保措置の実施等
ア マジョリティ・オブ・マイノリティ条件
いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ条件は本公開買付け成立の条件とはされない予定である。
もっとも、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けへの応募を希望する一般株主の利益に資さない可能性があること、及び本公開買付けにおいては、適切な公正性担保措置が実施されており、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えられることからすれば、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないことのみをもって、必要な公正性担保措置が講じられていないと評価されるものではない。
イ 公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保
公開買付者は、公開買付期間を、法令において定められた最短期間(20営業日)よりも長期である30営業日に設定する予定であることから、当社の株主及び本新株予約権者に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式及び本新株予約権について公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」という。)にも対抗的な買付け等を行う機会が確保されているものと考えている。
また、公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社と接触することを制限するような内容の合意は一切行っていない。
このように、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮している。
(7)小括
以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引において適切な公正性担保措置が講じられており、本取引に係る手続は公正であると判断するに至った。
4.比較検討
(1)非公開化提案
本入札プロセスにおいて、帝人は、公開買付者最終提案以外の非公開化提案を二案受領しているところ、以下の理由から、非公開化提案のうち公開買付者最終提案が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかという観点から最も望ましいといえる。
・ そもそも、本入札プロセスにおいて、帝人は公開買付者を最終候補者に選定したことから、公開買付者最終提案以外の非公開化提案は当社の親会社である帝人が賛同するものではなく、実現可能性がないこと。
・ 非公開化提案の中に、公開買付者最終提案において提示された当社株式の公開買付価格を超える金額を提示したものは存在しなかったこと。
・ 公開買付者最終提案以外の非公開化提案のうちの一案は、当社株式の非公開化後に当社のネットビジネス事業及びITサービス事業を分割することを前提とするものは、上記「1.本取引の目的の合理性」の「(2)事業分割による影響」記載の懸念が払拭されないものであったこと。
・ 公開買付者最終提案以外の非公開化提案のうちのもう一案は、当社株式の非公開化後一定期間は当社のネットビジネス事業及びITサービス事業を分割しないとするものであったものの、公開買付者最終提案の施策の方が、当社内での検討の結果、当社の企業価値の向上のために資するものと判断されたこと。
(2)自社株TOBスキーム
当社は、帝人に対して自社株TOBスキームの提案を行ったが、以下の理由から、公開買付者最終提案が、自社株TOBスキームと比較して当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかという観点から望ましいといえる。
・ 帝人は、本入札プロセスにおいて、その所有する当社株式の売却価格の最大化を重視していたところ、自社株TOBスキームにおける自己株式取得価格と、公開買付者最終提案における当社株式の売却価格には大きな差があり、帝人から当社に対して、自社株TOBスキームを採用する意向はない旨を伝えられており、実現可能性がないこと。
・ 自社株TOBスキームのメリットは、当社株式の上場が維持されることにより、当社株式の非公開化による影響を受けないことにあるところ、上記「1.本取引の目的の合理性」の「(3)当社株式の非公開化による影響」に記載のとおり、本取引の実施に伴い当社株式が非公開化されることによる影響は限定的であること。
・ 上記のとおり、公開買付者最終提案の方が、価格が高く、かつ、買付予定数の上限設定がないことから、一般株主に対するより高い価格での売却機会の確保が図られていること。
(3)本企業価値向上策
本特別委員会は、当社株式の上場維持を前提とした自社株TOBスキームによらない本企業価値向上策においても検討を行ったが、以下の理由から、公開買付者最終提案が、本企業価値向上策と比較して当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかという観点から望ましいといえる。
・ 帝人は当社株式の売却意向を有しており、実際に、本入札プロセスにおいて公開買付者を最終候補者として選定したことからすると、帝人が本企業価値向上策を採用する意向はなく、本企業価値向上策には実現可能性がないこと。
・ 本企業価値向上策のメリットは、当社株式の上場が維持されることにより、当社株式の非公開化による影響を受けないことにあるところ、上記「1.本取引の目的の合理性」の「(3)当社株式の非公開化による影響」に記載のとおり、本取引の実施に伴い当社株式が非公開化されることによる影響は限定的であること。
・ 上記のとおり、公開買付者最終提案が、株価算定機関の株価算定のレンジの範囲内にあり、かつ、買付予定数の上限設定もないことから、一般株主に対して妥当な価格での売却機会の確保が図られていること。
(4)小括
以上の(1)~(3)より、非公開化提案、本企業価値向上策及び自社株TOBスキームのうち公開買付者最終提案が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかという観点から最も望ましいものであり、また、本取引が、本入札プロセスにおいて公開買付者が最終候補者に選定された後に、公開買付者、帝人及び当社間で協議及び交渉を行った結果公開買付者により決定された条件に基づくものであることを踏まえると、本取引を実施することが、当社にとって最も望ましく、かつ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上に資するといえる。
5.当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募推奨をすること等並びに本取引の実施を決定することが少数株主に不利益か否か
本特別委員会において、上記1.乃至4.その他の事項を踏まえ慎重に検討した結果、当社取締役会が、公開買付者による本取引の実施の決定(本公開買付けに賛同するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨すること、及び本新株予約権を本公開買付けに応募するか否かは本新株予約権者の皆様に委ねることの決定を含む)をすることは当社の少数株主にとって不利益ではないと判断するに至った。
当社は、本株式価値算定書(BAP)の内容、本株式価値算定書(PwC)の内容及びTMI総合法律事務所から受けた法的助言並びに公開買付者及び帝人との間で実施した本取引に関連する協議の内容その他の関連資料を踏まえて、本特別委員会から取得した本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引の意義及び諸条件について慎重に審議及び検討を行った結果、当社は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2024年6月18日に、当社の取締役8名のうち、審議及び決議に参加した取締役(当該取締役会を欠席した森山直彦氏を除く取締役7名のうち、竹原教博氏、黒田淳氏及び久保井基隆氏を除く4名)の全員一致で、当社の意見として、本公開買付けに賛同するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨すること、及び本新株予約権を本公開買付けに応募するか否かは本新株予約権者の皆様に委ねることを決議いたしました。
また、本新株予約権は、譲渡による取得について当社取締役会の承認を要するものとされておりますが、当社は、2024年6月18日開催の取締役会において、本新株予約権者がその所有する本新株予約権を本公開買付けに応募することにより公開買付者に対して譲渡することについて、本公開買付けの成立することを条件として包括的に承認することを決議いたしました。
なお、当社の取締役8名のうち、森山直彦氏は、帝人の取締役及び専務執行役員を兼務しているため、同社と当社の少数株主の利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、当該取締役会における本取引の検討に関する審議及び決議には一切参加しておらず、当社の立場において、本取引の検討、本取引に係る公開買付者及び帝人との協議及び交渉にも一切参加しておりません。また、当社の取締役8名のうち、竹原教博氏、黒田淳氏及び久保井基隆氏は、本変更契約を締結する予定であるため、利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、本変更契約を締結する可能性が生じた以降、当社取締役会における本取引等の検討に関する議題の審議には一切参加しておらず、当社の立場において本取引等の検討、本取引等に係る公開買付者及び帝人との協議・交渉にも一切参加しておりません。
また、当社監査役4名のうち、審議及び決議に参加した当社監査役3名はいずれも異議が無い旨の意見を述べております。当社の監査役である中石昭夫氏は、帝人の監査役を兼務しているため、利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、上記取締役会における本取引の検討に関する審議には参加しておらず、意見を述べることを差し控えております。
⑥ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保
公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、比較的長期間である30営業日としているとのことです。公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間と比較して比較的長期に設定することにより、当社の株主及び本新株予約権者の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式及び本新株予約権について公開買付者以外の者にも買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。
公開買付者は、当社の親会社である帝人との間で、2024年6月18日付で本取引基本契約を締結しているとのことです。
公開買付者及び帝人は、本取引基本契約において、(ⅰ)公開買付者による本公開買付けの実施、(ⅱ)帝人が所有する当社株式の全てを本公開買付けに応募しないこと、(ⅲ)当社の株主として、本臨時株主総会において、本株式併合を行う旨の議案について、自らが有する議決権の全てにつき賛成の議決権の行使を行うとともに、本スクイーズアウト手続に必要な一切の行為を行うこと、及び(ⅳ)帝人が、本スクイーズアウト手続の効力発生後に当社が実施する予定の本自己株式取得に応じて帝人の所有する当社株式の全てを売却すること等に合意しているとのことです。
また、公開買付者及び帝人は、(ⅱ)帝人が所有する当社株式の全てを本公開買付けに応募しないことに関連して、本取引基本契約において、第三者からの対抗提案等について、以下のとおり合意しているとのことです。
(a)本取引基本契約の締結後、公開買付期間の末日までに、公開買付者以外の者により、本公開買付価格を5%以上上回る金額に相当する取得対価による当社株式の取得に関する申出、提案又は公表等(但し、帝人が以下の(c)に違反することなく行われた場合に限ります。以下、総称して「対抗提案」といいます。)が行われた場合には、帝人は、公開買付期間の末日の正午までに限り、公開買付者に対し、本公開買付価格及び本自己株式取得価格の引上げについて協議を申し入れることができるものとします。
(b)(ⅰ)公開買付者の協議の申入れを受けた日から起算して5営業日を経過する日又は本公開買付期間の末日の前営業日のいずれか早い日(以下「本対抗提案検討期間満了日」といいます。)までに、公開買付者が、本公開買付価格を対抗提案に係る取得対価に相当する金額を上回る金額に適法に引き上げない場合、(ⅱ)本対抗提案検討期間満了日までに、公開買付者が、本自己株式取得価格を、本スクイーズアウト手続及び本自己株式取得によって帝人に対して交付される金銭に係る税引後手取額の総額が、対抗提案に応じることによって帝人に対して交付される取得対価に相当する金額(取得対価が金銭の場合には税引後手取額)を上回ることとなる金額に適法に引き上げない場合、又は(ⅲ)帝人が対抗提案に応じないことが帝人の取締役の善管注意義務に違反する可能性があると帝人が合理的に判断する場合には、帝人は、対抗提案に応じる旨決定をすることができるものとします。帝人は、本項の規定に基づいて、対抗提案に応じることを決定した場合、公開買付者に対して、速やかに通知するものとします。
(c)帝人は、公開買付期間の末日までの間、(ⅰ)公開買付者以外の者との間で、本公開買付けと実質的に抵触し又は本公開買付けの実行を困難にする取引に関連する合意を行ってはならず、(ⅱ)公開買付者以外の者に対し、かかる取引に関連して当社に関する情報その他の情報を提供してはならず、(ⅲ)帝人又は当社が公開買付者以外の第三者から、直接又は第三者を通じて当社株式の取得を行わない旨の誓約を受けている場合には、免除又はこれらを行うことに合意してはならず、かつ(ⅳ)かかる取引の申込み若しくは申込みの勧誘又はかかる取引に関するいかなる協議若しくは交渉を含む、本公開買付けの実行に抵触し又は本公開買付けの実行を困難にする一切の行為を行ってはならないものとします。但し、帝人が本項に違反することなく公開買付者以外の者が対抗提案を行った場合において、帝人が(b)に従い対抗提案に応じること、及び対抗提案を行った者との間で、対抗提案に関連して、情報提供、協議、交渉又は合意を行うこと、並びにその他本公開買付けの実行に抵触し又は本公開買付けの実行を困難にする行為を行うことは妨げられないものとします。但し、対抗提案を行った者に対して提供した情報と同一の情報を、法令等により許容される範囲で、公開買付者に対しても実務上可能な限り速やかに提供することを条件とします。
(d)帝人は、公開買付期間の末日までの間、公開買付者以外の者から対抗提案を受け、又は対抗提案が存在することを知った場合、実務上可能な限り速やかに、公開買付者に対し、その旨及び当該対抗提案の内容(但し、帝人が現に保有し、通知可能なものに限ります。)を通知するものとします。但し、当該対抗提案の内容が公表されている場合は、この限りでないものとします。
当社は、帝人グループの円滑かつ継続的な事業運営のために、当社が帝人グループに提供しているITサービス等に関し、公開買付者及び当社の親会社である帝人との間で、2024年6月18日付で移行サービス契約(以下「本移行サービス契約(リバースTSA)」といいます。)を締結しております。
公開買付者、当社及び帝人は、本移行サービス契約(リバースTSA)において、(ⅰ)当社による帝人グループのITシステムの開発等に係るプロジェクトに関する各業務の継続遂行、(ⅱ)当社による帝人グループのITシステムの運用及び保守に関する各業務の継続遂行、(ⅲ)当社による一定の資産についての帝人グループに対する利用等の許諾又は帝人グループが利用等するための必要な措置の実施等に合意しております。
そのほか、公開買付者は、当社が公開買付者の完全子会社となった日から2年が経過するまでの間、公開買付者が、当社グループのネットビジネス事業又はITサービス事業が当社グループから分離することとなる分割行為を行わず、当社グループをして、分割行為を行わせない(但し、事業環境の大きな変化等により、分割行為を行わないことによって当社グループの企業価値の重大な毀損が生じると公開買付者、当社及び帝人が合理的に認める場合は、この限りではない。)旨も合意しております。
③ 事業分割の禁止等に関する合意書
当社は、公開買付者親会社との間で、2024年6月18日付で、大要以下の内容の事業分割の禁止等に関する合意書(以下「本合意書」といいます。)を締結しております。
(a)公開買付者親会社は、当社が公開買付者の完全子会社となった日から2年が経過するまでの間、公開買付者親会社が、当社グループのネットビジネス事業又はITサービス事業が当社グループ(公開買付者を含む。)から分離することとなる分割行為を行わず、当社グループをして、分割行為を行わせないものとします(但し、事業環境の大きな変化等により、分割行為を行わないことによって当社グループの企業価値の重大な毀損が生じると公開買付者及び当社が合理的に認める場合は、この限りではない。)。
(b)公開買付者が、投資期間の終了後の当社株式の全部又は一部のEXITの方法として、株式市場に再上場させることを想定していることを確認しております。
(c)公開買付者親会社は、本取引の検討及び協議に関連して、公開買付者が当社及び当社の特別委員会に対して提供した意向表明書等に記載された事項が真実かつ正確であり、虚偽の内容を含まず、また、当社が本取引の検討を行うにあたって重要な事項又は当社に誤解を生じさせないために必要な事項を欠いていないことを表明し、保証します。
(d)(c)に基づく公開買付者親会社の表明保証違反又は本合意書上の義務違反があった場合、かかる違反に起因して当社に費用、損失、又は損害が生じた場合、公開買付者親会社は、当社に対して当該損害等を補償します。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
(注1) 役名、所有株式数及び議決権数は、2024年3月31日現在のものです。
(注2) 取締役津田和彦、藤田一彦、粟井佐知子、藤田明久の各氏は社外取締役です。
(注3) 監査役仲田和正、森川紀代の両氏は社外監査役です。
(注4) 所有株式数には、株式累積投資における持分に相当する株式の数(小数点以下切捨て)を含めております。
(注) 役名、所有個数、株式に換算した株式数及び株式に換算した議決権の数は、2024年3月31日現在のものです。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
7 【公開買付者に対する質問】
8 【公開買付期間の延長請求】