独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書

 

 

 

2024年6月19日

株式会社ヤマト

取締役会 御中

太陽有限責任監査法人

 東京事務所

 

 

指定有限責任社員
業務執行社員

 

公認会計士

西 村 健 太

 

 

 

指定有限責任社員
業務執行社員

 

公認会計士

丸 田 力 也

 

 

<財務諸表監査>

監査意見

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社ヤマトの2023年3月21日から2024年3月20日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。

当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社ヤマト及び連結子会社の2024年3月20日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

 

連結決算に使用する子会社の個別財務諸表の正確性を担保する内部統制に関する重要な不備の是正状況の評価及び重要な虚偽表示リスクへの対応

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

会社は、前連結会計年度において、連結決算手続の過程で一部の子会社の個別財務諸表を会社が誤って修正した結果、開示した連結決算の訂正を行っている。また、他の子会社(株式会社スズデン)においても経理人員の不足から決算資料のチェックを十分に行うことができず、連結決算手続の過程で会計処理の誤りが識別され、同社の個別財務諸表を修正する必要が生じた結果、連結決算の確定に時間を要していた。そのため、会社は、前連結会計年度において、連結決算に使用する子会社の個別財務諸表の正確性を担保する内部統制に重要な不備が存在すると判断していた。

当連結会計年度において、会社は、内部統制の重要な不備に対する是正措置を講じている。具体的には、経理部内でのチェック体制の見直しとして、外部の専門家(公認会計士)を利用して決算チェックリストの整備を行うとともに、当該チェックリストを用いた検証を多重的に実施している。また、決算開示の業務経験を有する経理人材の採用や会計的な知見の向上のための資格取得や外部セミナーへの参加等を行っている。

これらの是正措置を講じた結果、会社は、当連結会計年度末日において、重要な不備は解消されたと判断している。

 

当連結会計年度の監査においては、前連結会計年度末において連結決算に使用する子会社の個別財務諸表の正確性を担保する内部統制に重要な不備が存在していたという事実、及び当該不備の是正が当連結会計年度を通じて行われたという事実を踏まえ、当連結会計年度の連結財務諸表に重要な虚偽表示をもたらす可能性について慎重な検討が必要となる。仮に、不備の是正が不十分であった場合には、連結決算に使用する子会社の個別財務諸表について、依然として重要な虚偽表示が発生する可能性が高い状況が続くこととなる。

そのため、当監査法人は、連結決算に使用する子会社の個別財務諸表の正確性を担保する内部統制に関する重要な不備の是正状況の評価及びそれを踏まえた重要な虚偽表示リスクへの対応について監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。

当監査法人は、連結決算に使用する子会社の個別財務諸表の正確性を担保する内部統制に関する重要な不備の是正状況を評価し、関連する重要な虚偽表示リスクに対応するため、主として、以下の監査手続を実施した。

 

(1) 重要な不備の是正状況の評価

会社の取締役会で報告された重要な不備の是正に関する文書を閲覧し、必要に応じて経営者や経理責任者に質問を行うことで是正措置の内容を理解するとともに、その実効性を確かめる目的で、以下の監査手続を実施した。

・経理部内でのチェック体制の見直しとして整備された決算チェックリストについて、会計処理の正確性が担保されるかという観点から検討を行うとともに、チェックリストの再実施を行った。

・会社及び株式会社スズデンにおいて採用された経理人員の経歴を閲覧するとともに、監査手続の実施過程でこれらの経理人員に対する質問等を行った。

・経理部員の資格取得や外部セミナーへの参加等の実績がわかる資料を閲覧した。

 

(2) 連結決算に使用する子会社の個別財務諸表の正確性の検証

関連する内部統制に関する不備の是正が当連結会計年度を通じて行われたという事実を踏まえ、内部統制に依拠できない場合も想定したうえで、実証手続の種類及び範囲を見直すとともに、以下の監査手続を実施した。

・株式会社スズデンで記録された取引高及び期末の勘定残高を検証するため、同社の個別財務諸表における主要な勘定科目について、取引先への確認、証憑突合、入出金記録の閲覧、現場視察等を実施した。

・連結決算手続の過程で子会社の個別財務諸表の修正が適切に行われているかを確かめるため、以下の監査手続を実施した。

- 修正仕訳の根拠となる集計資料の網羅性と正確性を検証したうえで、修正仕訳が適切に作成・入力されているかを検討した。

- 会社修正後の子会社の個別財務諸表に対して分析的手続を実施した。

・会社修正後の子会社の個別財務諸表が、連結精算表に適切に反映されているかを検討した。

 

 

 

株式会社ヤマトにおける工事原価総額の見積りの合理性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

株式会社ヤマト及びその連結子会社は、建設工事業において、空調・衛生設備工事等の設計・施工を提供する工事請負契約を顧客と締結している。

【注記事項】(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、工事請負契約については、期間がごく短い工事を除き、履行義務の充足に係る進捗度を見積ることにより、一定の期間にわたり収益を認識する方法を適用しており、履行義務の充足に係る進捗度の見積りは、各期末までに発生した工事原価が、予想される工事原価総額に占める割合(インプット法)に基づいている。当該方法が適用される工事請負契約のうち、当連結会計年度末時点で株式会社ヤマトが未完成の工事請負契約について計上した売上高は7,939,431千円であり、当連結会計年度の売上高48,296,211千円に対して重要な割合を占めている。また、工事請負契約について、工事原価総額が工事収益総額を超過する可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、その超過すると見込まれる額のうち、当該工事請負契約に関して既に計上された損益の額を控除した残額を、工事損失引当金として255,978千円計上している。

工事原価総額は、工事請負契約ごとに、実行予算を基礎として見積られ、工事の進捗に伴い必要に応じて見直されているが、仕様や工期等は案件ごとに異なり個別性が強く、画一的な判断尺度が得られにくいことから、工事原価総額の見積りと見直しには、工事施工や原価管理に関する専門的な知識と経験に基づく一定の仮定と判断を伴う。また、工事着手後に仕様や工期等が変更となり当初想定していなかった追加原価が発生する可能性があり、工事原価総額の見積りには不確実性を伴う。

以上のことから、当監査法人は、株式会社ヤマトにおける工事原価総額の見積りの合理性が、当連結会計年度の監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。

当監査法人は、株式会社ヤマトにおける工事原価総額の見積りの合理性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。

・ 工事原価総額の見積りの基礎となる実行予算の策定と修正のプロセスに関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。

・ 当連結会計年度の完成工事について、工事原価総額の見積りと実績との比較検討を行い、工事原価総額の見積りの不確実性を評価した。

・ 当連結会計年度末時点において未完成の工事請負契約のうち、工事収益総額、工事損益、工事の施工条件等に照らして、工事原価総額の見積りの不確実性が相対的に高い工事を識別し、以下の手続を実施した。

- 実行予算に含まれる各原価項目の見積額を、資材仕入先や外注先が作成した見積書等の金額と照合した。

- 工事現場責任者や工事原価管理責任者に対して質問を行うとともに、実行予算の見直しに係る資料等を閲覧し、工事着手後の仕様や工期の変更の有無及びそれに伴う実行予算の見直しの要否に関する判断について検討した。

- 現場視察を実施し、工程表に基づき現場作業の進捗を確かめるとともに、履行義務の充足に係る進捗度との整合性を検討した。

 

 

その他の記載内容

その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

連結財務諸表監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・  不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・  連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・  経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・  経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・  連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

・  連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

<内部統制監査>

監査意見

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社ヤマトの2024年3月20日現在の内部統制報告書について監査を行った。

当監査法人は、株式会社ヤマトが2024年3月20日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。

監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。

なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。

 

内部統制監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。

・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。

・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

 

利害関係

会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

 

以 上

 

(注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しています。

  2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

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