以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、お客さまの顕在ニーズ、潜在ニーズに応えながら地域社会やお客さまに必要とされ続ける企業グループを目指し、地域社会・お客さまと相互に発展するビジネスモデルを確立し、金融を中心とした総合サービス業へ進化することで、地域全体の付加価値を高めるとともに、グループ全体の企業価値向上を目指してまいります。

(2) 中長期的な会社の戦略
人口減少等の我が国の社会構造の変化や国内外の金融政策・金利環境の変化などに伴い、今後も不確実な事業環境が継続すると想定されます。
こうした事業環境を見据え、またテクノロジーの急速な進展など環境の変化にも対応し、持続可能なビジネスモデルを確立するため、当社グループでは2017年度を起点とする期間10年間の長期経営計画『Vision 2027「未来共創プラン」』を策定いたしました。
この長期経営計画では、「地域・お客さま・従業員と分かち合える豊かな未来を共創する」を長期ビジョンに掲げており、「豊かな未来を創る取組み」「経営の土台を創る取組み」をフレームワークとし、長期ビジョン達成に向けた各種取組みを着実に実施していきます。
中期経営計画『未来共創プラン ステージⅠ』(2017年度~2019年度)では、営業時間・人員捻出を目的とした店頭業務体制の整備や本部業務の見直しによる人的資源の再配置などの構造改革を推進したほか、コンサルティング機能の強化や人材紹介業務への参入など金融分野以外のサービスメニューの拡充を図ってきました。
また、2020年度からスタートした中期経営計画『未来共創プラン ステージⅡ』(2020年度~2022年度)では、ステージⅠの構造改革の成果のもと、地域やお客さまが抱える課題の解決力強化に向けて、当社グループの人財と組織力の向上を図るために、人事制度改定、新事業の創出及び持株会社体制への移行等に取り組んできました。
そして、2023年4月からスタートした中期経営計画『未来共創プラン ステージⅢ』(2023年度~2026年度)では、ステージⅠやステージⅡの改革をベースとして、成果を最大限発揮し、10年戦略で描いたビジネスモデルの実現を目指すとともに、ちゅうぎんフィナンシャルグループとしての「新たな挑戦」を実践していきます。

具体的には、地域社会・お客さまと相互に発展する持続的なビジネスモデルを構築するための戦略を3つの成長戦略と定義し、次のような施策に取り組み、地域社会の発展への貢献と企業価値の向上の好循環を創り出してまいります。

(3) 経営環境
2023年度の国内経済は、新型コロナウイルスの5類移行により、景気の自律的な循環を制約してきた要因が解消され、インバウンド需要が回復しました。また、春闘における30年ぶりの高い賃上げや企業の高い投資意欲等、国内の経済には前向きな動きが見られました。
一方で、世界的なインフレ及び資源・エネルギー価格高騰等により、世界経済の減速が見込まれており、国内経済への影響が懸念され、先行き不透明な状況にあります。
地元経済につきましては、海外経済や物価上昇の影響を受けつつも、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぎ、個人消費や設備投資は増加しており、景気は回復傾向にあります。
今後は海外経済の減速や物価の高止まり等の影響により、企業収益の悪化や個人消費への影響も懸念されます。地元経済の状況に注視するとともに、地元企業への積極的な資金供給や経営課題の解決への対応を通じて、地元経済発展への貢献に向けて取り組む方針です。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経営環境につきましては、日銀のマイナス金利政策が解除されたものの、海外経済の減速、物価上昇などを主因として不安定な状況が続くことが想定されており、企業収益の悪化や個人消費の落ち込み、それに伴う地域経済の停滞が懸念されます。
このような経営環境への対応やサステナビリティ経営を推進するため、これまでに手掛けた取組みをさらに強化するとともに、新たな成長に向けた挑戦に取り組んでまいります。
「1.地方創生SDGsの『深化』」では、地域社会やお客さまが抱える環境問題に取り組むため、地域プラットフォームを形成する取組みに注力し、当社グループを起点とした地域における共創の場を創出してまいります。当社グループは「ヒト・モノ・カネ」に関するご相談をワンストップで解決できるという利点を活かし、グループシナジーを発揮しながら、地域やお客さまが抱える課題やニーズに寄り添って解決してまいります。これらの取組みを通じて、地域の魅力やポテンシャルを引き出し、地域の持続的な発展に貢献してまいります。
「2.イノベーションの創出」では、当社グループ自らがDX企業グループになるよう、業務プロセスの変革やシステム開発に取り組んでまいります。また、当社グループのノウハウを活かし、地域社会のアライアンスパートナー等を積極的に活用し、新規事業の開発等、新たな価値の創出に取り組んでまいります。
「3.グループ経営基盤の強化」では、成長戦略を高度に実践していくために、強固なグループ経営基盤を確立してまいります。変化し続ける経営環境に柔軟に対応するため、持株会社であるちゅうぎんフィナンシャルグループの機能強化を目的として、組織体制の見直しを進めてまいります。また、人的資本投資の強化やダイバーシティの推進へより強力に取り組んでまいります。
以上の3つの成長戦略を組み合わせ、地域・お客さまの発展へ貢献することで、地域全体の付加価値を高めていきます。そして、その付加価値の一部が収益となり、株主の皆さまや従業員へ還元し、また事業に再投資することで、地域社会・お客さまと相互に発展する持続的なビジネスモデルを実現します。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等
2023年4月からスタートした中期経営計画『未来共創プラン ステージⅢ』(2023年度~2026年度)の策定に際し、足元の経営環境や今後の見通しを反映して、以下のKPIを設定し、長期経営計画『Vision 2027「未来共創プラン」』の最終年度(2026年度)の計数目標を更新しております。

※1:Scope1(ガス、ガソリン、軽油などの燃料消費を通じた直接排出量)、Scope2(他社から供給された電気、熱などの使用に伴う間接排出量)の2013年度対比削減率
※2:対象となる投融資は、社会分野(医療・介護・保育、教育 ほか)・環境分野(太陽光、風力、バイオマス、EVほか)のファイナンスに加え、地方創生やSDGs/ESGの取組支援を含む2020年度からの実行額
※3:事業承継・環境関連などの年間コンサルティング契約受託件数
※4:遺言信託、遺産整理業務等の年間取扱件数
※5:研修教育関連費用、勉学奨励金、ちゅうぎんオープンラボ活動費、研修受講時及び出向時の人件費等の従業員に対する投資額
ちゅうぎんグループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在においてちゅうぎんグループが判断したものであります。
(1)ちゅうぎんグループサステナビリティ基本方針
ちゅうぎんグループは、ミッション(グループ経営理念)、ビジョン(経営ビジョン)、バリュー(ちゅうぎんバリュー)、コードオブコンダクト(企業行動規範・行動指針)の実践を、サステナビリティへの取組みの基本方針とします。
ちゅうぎんグループは、さまざまなステークホルダーとの対話にもとづき、環境や社会の課題に長期的視点で向き合い、企業活動を通じて、「地域社会の発展への貢献」と「企業価値の向上」の永続的な好循環を創り出します。
また、グループ役職員一人ひとりが、これらの取組みの意義を理解し、自律的に行動することで、未来世代にとって安心・安全、そして豊かな地域づくりへ貢献します。
ちゅうぎんグループでは、気候変動への対応を重要課題と捉え、地域のリーディングバンクとして気候変動問題に対して先導的に取組みを行い、地域・お客さまの持続的な成長を支援するため、2021年5月に中国銀行として、2022年10月にちゅうぎんフィナンシャルグループとしてTCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しました。
(2)ガバナンス
ちゅうぎんグループでは、経営理念や経営ビジョンのもと、「地域経済・社会の活性化」「少子高齢化社会への対応」「DXの推進」「多様な人財の活躍推進」「環境経営の促進」「ガバナンスの高度化」の6つの重点課題(マテリアリティ)を定めています。「環境経営の促進」では、脱炭素や気候変動を特に重要性の高い課題と認識し、これまでの気候変動に関する取組みをより一層推進するとともに、TCFD提言に沿った情報開示の充実を図っています。
(監督体制)
ちゅうぎんグループは、サステナビリティ経営の取組み強化を目的として、取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を取締役会およびグループ経営会議の下部に設置しています。サステナビリティ委員会では、「マテリアリティの特定・見直し」「環境課題や社会課題に係る施策・方針・取組状況」および「地方創生・SDGsの施策・方針・取組状況」等の審議を年4回の頻度でおこなっています。
気候変動・生物多様性を含むサステナビリティに関する重要事項等については、同委員会およびグループ経営会議での審議・議論を経て、定期的に(年1回以上)取締役会へ付議・報告をおこなっており、取締役会が取組みを監督・指示し、審議結果を経営戦略やリスク管理・評価に反映させる体制としています。また、上記の取組みをグループ全体で推進するにあたり、サステナビリティ推進部を設置し、適切に管理する体制を整えており、施策推進の実効性を確保しています。

(3)戦略
①気候変動に関する事項
(経営戦略)
社会課題・環境課題を経営上のサステナビリティ課題として認識し、「地域社会の発展への貢献」と「企業価値の向上」の永続的な好循環を創り出すことを目指し、2022年4月に「ちゅうぎんグループサステナビリティ基本方針」を制定しました。中でも、気候変動はちゅうぎんグループおよびステークホルダーにおける重要課題であり、経営理念や経営ビジョンにもとづきサステナビリティ経営の戦略の一つとして取組みを強化していきます。
(リスクと機会)
気候変動に関する経営戦略策定やリスク管理強化には、気候変動関連のリスクと機会を評価し、お取引先ならびにちゅうぎんグループへの影響を把握することが重要な視点と考えます。
気候変動対応をビジネス機会として捉え、中長期的な目線でお取引先や地域のお客さまの課題やニーズを理解し、気候変動対応や脱炭素社会への移行の支援をおこなうことで、投融資をはじめとしたソリューションの提供などのビジネス機会の創出・拡大に取組んでいます。

(シナリオ分析)
気候変動リスクがちゅうぎんグループの財務に及ぼす影響を把握・分析することで、脱炭素経営を高度化させ、お取引先との対話(エンゲージメント)を強化していくことを目的として、「移行リスク」「物理的リスク」についてシナリオ分析をおこなっています。
● 移行リスク
脱炭素対応の必要性と中国銀行のエクスポージャーの2つの観点から分析をおこなうセクターを選定し、IEA(国際エネルギー機関)のシナリオにもとづき、脱炭素社会への移行に伴うお取引先ならびに中国銀行への影響を分析しました。
脱炭素社会への移行に向け、改めてお取引先の事業構造転換を支援することの重要性を認識しました。

● 物理的リスク
中国銀行の主要営業基盤である岡山県などにおいては、「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」などによる大規模な洪水被害を経験しており、2050年までに水災等発生に伴い想定される被害の影響額を分析しました。
物理的リスクに関する分析結果は、2050年までの与信コスト増加額合計が最大60億円となりました。単年度では相応の影響が生じる可能性はありますが、1年あたりでは2億円程度となり、影響は限定的であると評価しています。

(炭素関連資産)
2024年3月末の中国銀行の貸出金等に占める炭素関連資産の割合は、「35.9%」となっています。

(※)日銀業種分類をベースにお取引先の主たる事業に該当する業種を対象セクターと見做し集計。再生可能エネルギー発電事業者は除く。
(脱炭素に関するエンゲージメント)
(1)脱炭素に関するエンゲージメント戦略の概観
ちゅうぎんグループは、投融資ポートフォリオのカーボンニュートラルの実現に向けて地域・お客さま支援の体制整備を進めてきました。
現在の中期経営計画で掲げる『地方創生SDGsの「深化」』では脱炭素化支援を重点領域に位置付けて各種の取組みを推進しています。
サービスの提供体制においては、グループの中核である中国銀行に加え、Cキューブ・コンサルティング(コンサルティング)、ちゅうぎんエナジー(太陽光PPA事業等)、中銀リース(リース業)などグループ一体となった支援体制を構築しています。
金融・非金融支援の体制のもと地域・お客さまにはファイナンス・コンサルティングの両面でお客さまの事業規模やフェーズに沿った価値提供を行います。
これらの体制整備やお客さま支援、ソリューションの実施事項についてPDCAを回していく構図を「エンゲージメント戦略の概観」として体系的に表しています。
このPDCAを回していくことでちゅうぎんグループとしての中期経営計画の達成や開示の充実を図りつつ、地域・お客さまに対しては地域の脱炭素化およびサステナビリティ向上に貢献していく方針です。

(2)エンゲージメント活動のアプローチ
ちゅうぎんグループは、ファイナンスド・エミッションの対応に向けたエンゲージメント活動の実施が持続可能な地域発展の実現につながると考えています。
お客さまのCO2排出量削減を支援するにあたり、エンゲージメント活動のアプロ―チについて検討を行いました。

(3)お客さまのサステナビリティ向上を支援するソリューション
「お客さまとの積極的なエンゲージメント活動」および「コンサルティング・ファイナンス両面の支援」により地域全体のサステナビリティ向上をグループ一体となって推進することを中期経営計画で掲げています。
お客さまの取り組みフェーズに沿ったソリューションのラインアップは次のとおりです。

(取組み事例)ちゅうぎんポジティブ・インパクト・ファイナンス
・中国銀行は、2023年4月に「ちゅうぎんポジティブ・インパクト・ファイナンス」の取扱いを開始しました。
・本ファイナンスは、同社が「国連環境計画金融イニシアティブ」「ポジティブ・インパクト金融原則」にもとづき、お取引き先のSDGsに関する取組みや本業との関連性など分析・評価いたします。なお、ポジティブ・インパクト金融原則への適合性についての透明性を確保するため、外部評価機関である株式会社日本格付研究所より第三者意見を取得しております。
・ちゅうぎんグループでは、環境・社会課題の解決に向けたサステナビリティ経営の取組みをより一層推進するため、「2030年度末までにCO2排出量削減目標およびサステナブルファイナンス目標」を設定しております。
・今後も、幅広い金融サービスの提供とコンサルティング機能を通じ、持続性のある地域社会の実現に取組んでまいります。

②人的資本に関する事項
ちゅうぎんグループにおける人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は次のとおりであります。
(人財の育成に関する方針)
ちゅうぎんグループは、「地域・お客さま・従業員と分かち合える豊かな未来を共創する」というグループ経営理念を掲げており、「従業員」も重要なステークホルダーと位置付けています。
人事戦略のコンセプトは「性別や年齢を問わず、個性的でやる気のある従業員が育ち、活躍する」ことです。多様で自由な発想による組織の活性化のため、ダイバーシティ&インクルージョンを更に推し進めるとともに、業務軸の拡大を実現するため、従業員に対して多種多様なキャリアパスを提供し、専門性を持った人財を育成することを目指します。
従業員一人ひとりの自律的な「挑戦」をサポートし、ちゅうぎんグループの従業員として、さらには地域・社会の一員として自己実現できるよう人的資本へ積極的に投資することで、経営戦略を推し進め、グループ経営理念を実現できる人財の育成を進めます。
<~自律的な『挑戦』をサポート~ 公的資格の取得状況> 2024年3月31日現在
お客さまの多様なニーズに臨機応変に対応するためには、様々なジャンルに精通した人財がいることが重要です。ちゅうぎんグループでは、資格取得に対する『勉学奨励制度』や認定資格の資格継続の補助等、従業員のスキルアップ支援にも注力しています。
また、DX分野に関する注目度の高まりを踏まえ、デジタル分野に対する教育アプリケーションとして『Udemy Business』を斡旋し、3年間で800名を超える受講者がいる状況です。このように、従来型の金融知識に加え、デジタル分野の育成にも注力していく方針です。
<~自律的な『挑戦』をサポート~ キャリアチャレンジの応募状況>
従業員に高いモチベーションを持って業務に取組んでもらうためには、従業員が自律的にキャリアを描き、それが実現できる仕組みが重要です。ちゅうぎんグループでは、従業員が自ら手を挙げて、自身が描いたキャリアにチャレンジしていくことを後押しするため、『キャリアチャレンジ制度』を設けています。
<多様性への取組実績> 2024年3月31日現在
(社内環境整備に関する方針)
ちゅうぎんグループでは従業員がより良く働ける環境整備のため、転居を伴う転勤の選択制、スーパーフレックスタイム制度、テレワーク勤務、時間単位の年次有給制度等、ワークライフバランスがとれた「働きがいと成長の場」を提供します。
育児や介護などのライフイベントの際にも、安心して働き続けることができるよう、育児・介護休業制度等の整備を行っており、制度を必要なタイミングで取得できるように研修等を通して、周知を行っています。
その他にも、配偶者の転勤への同行や妊活(不妊治療)の際に利用できる「キャリアデザイン休職制度」の整備、D&I勉強会による病気や女性特有の健康課題の啓発活動を通して、両立支援および少子化対策に取組んでいます。
イノベーション創出の土台形成として、従業員一人ひとりが個性や強みを発揮し、活躍できる環境整備を進めています。「フラットミーティング(自部署の「ありたい姿」の実現のために、これまでの当たり前を問い直し、仲間と一緒に解決していくための「場」)」の実施や、役員から直接現場従業員へグループ方針などを伝え、意見交換する「場」として「『今』と『これから』を語る会」の開催などに取組んでいます。
また、従業員の資産形成支援として、従業員持株会制度(※)、選択型の確定拠出年金制度等、ファイナンシャル・ウェルネスの実現に向け取組んでいます。
一人ひとりが輝き、力を発揮するための各種の取組みを継続的に行い、地域社会の発展への貢献、従業員のエンゲージメント向上、企業成長につなげていきます。
※2024年4月より、従業員持株会制度の奨励金を5%から10%に引上げています。
<~ワークライフバランスの充実~ 有給休暇、超過勤務の状況>
ちゅうぎんグループでは、多様な人財が働きがいを持ち、いきいきと働けることが、お客さまへの付加価値の高いサービスにつながると考え、働き方改革に取り組んでいます。その一環として「テレワーク制度」やコアタイムなしの「スーパーフレックス制度勤務」などを活用し、グループ全体で時間外労働抑制や有給休暇の取得促進にも取り組んでいます。
2023年度
<~従業員エンゲージメント向上~ エンゲージメントサーベイ結果>
2年に一度実施をしてきたESアンケートを改め、より深く従業員エンゲージメントの状況把握を目的として、2023年度より「エンゲージメントサーベイ」を年に一度実施しています。
初回調査における設問は全69問、回答率は93.3%、788件のフリーコメントが寄せられました。これらの回答を分析し、組織の課題解決のため議論を行い、早期に具体的なアクションに結び付け、継続的なエンゲージメントスコアの向上を目指します。
(4)リスク管理
ちゅうぎんグループでは、気候変動に起因する移行リスクや物理的リスクが地域経済に重大な影響を及ぼしうるリスクであると認識し、サステナビリティ委員会にて定期的にリスクの識別・評価をおこない、管理する体制としています。
また、気候変動に伴うリスクについては、「信用リスク」「市場リスク」「流動性リスク」「オペレーショナル・リスク」などちゅうぎんグループが定める各リスクカテゴリーにわたることから、統合的なリスク管理など既存のリスク管理プロセスへの反映に取り組んでいます。
2021年4月に「責任ある投融資に向けた取組方針」を定め、環境や社会に対し負の影響を与える可能性がある投融資については慎重に判断し、その影響を低減・回避するよう努めるものとしており、加えて特定の業種・セクター(兵器製造、石炭火力発電所の新設、違法伐採や人権侵害の恐れのあるパーム油農園開発・森林伐採事業)に対する投融資は十分に留意した対応をおこなっています。
(5)指標と目標
①気候変動に関する事項
(CO2排出量)
Scope1、2の算出に加え、昨年度よりScope3のCO2排出量の算出を開始しました。実績は下記のとおりです。
今後もScope3の算出対象範囲の拡大や排出量数値の精緻化に努めてまいります。
(単位:t-CO2)
※Scope3の算出方法、排出係数等は、「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン ver.2.6(環境省・経済産業省 2024年3月)」 および「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer.3.4(環境省・経済産業省 2024年3月)」を使用。
(Scope3カテゴリー15について)
Scope3のうち、特にカテゴリー15の投融資によるCO2排出量は、金融機関において重要なCO2排出量削減の対象であり、PCAFスタンダード(※1)の手法に基づき、投融資先の排出量を試算しました。試算結果については、下記のとおりです(基準日:2024年3月末、対象:中国銀行の事業性融資)。
引続き、お取引先の脱炭素化の促進に向けたエンゲージメント活動への更なる活用や試算対象範囲の拡大を検討していきます。
(単位:t-CO2)
※1 PCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)
:投融資に関連するCO2排出量を測定・開示するための国際的な取組み
※2 業種 :TCFD提言での炭素関連資産(4セクター18業種)とその他
※3 炭素強度:投融資先の売上高1百万円当たりのCO2排出量
業種別の炭素強度=Σ(融資先毎の炭素強度)/融資先数
※4 排出量 :業種別の排出量=Σ{(炭素強度×売上高)×投融資シェア}
(CO2排出量の削減目標)
カーボンニュートラルの達成を目指し、ちゅうぎんグループのエネルギー使用に伴うCO2排出量に関する新たな削減目標を設定しました。引き続き使用エネルギー量の削減をおこなうとともに、今後はクリーンエネルギーへの切替えなどによる対応を進めていくことで目標達成に向けて意欲的に取組んでいきます。
中間目標として中期経営計画最終年度である2026年度は、2013年度比▲72%を目指します。
ちゅうぎんグループのScope1、2のCO2排出量推移は次のグラフのとおりです。

(単位:t-CO2)
(サステナブルファイナンス目標)
ちゅうぎんグループは、地域金融機関として地域のお客さまの気候変動に対する理解を深めていただき、脱炭素社会に向けた取組みを支援するため、新たに「サステナブルファイナンス目標」を設定しました。
中期経営計画の最終年度である2026年度までの中間目標として1兆円を掲げ、社会関連や環境関連の課題解決に向けた投融資等を通じてお客さまの取組みを積極的に推進しています。
なお、対象のサステナブルファイナンス目標は、次の分野のファイナンスに加え、地方創生やSDGs/ESGの取組支援を含む2020年度から2030年度までの実行額としています。
※1 サステナブルファイナンス実績値は銀行単体
ちゅうぎんグループは、持続可能な社会づくりに向けて、国内外のイニシアチブへの参画を積極的に進めております。
また外部からの評価、ステークホルダーとのパートナーシップをSDGs・ESGの取り組みの向上に活かしております。
②人的資本に関する事項
ちゅうぎんグループにおける人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針、社内環境整備に関する指標及び目標は次のとおりであります。
(人的資本投資の拡大)
人的資本投資を「企業価値の向上に資する、従業員への金銭的・時間的な投資」と定義し、事業戦略に沿った人財開発とエンゲージメント向上に関する投資を中心に、人的資本投資を大幅に拡大していきます。

(事業面と人財面の連携)
経営戦略の実現に必要な人財の質と量を充足させ、中長期的に維持することを目的として人的資本投資を実施します。
外部環境の変化へ柔軟に対応するため、業務の徹底的な効率化を通じて業務を事務から営業や成長・戦略領域へシフトします。最適な事業・人財ポートフォリオの実現に向けて、「強化領域」と「スリム化領域」を明確化することで、人的資本の重点領域を明確化します。

人財ポートフォリオを構築し、現状と「ありたい姿」とのギャップを把握します。経営戦略上の「強化領域」には、次の人財戦略により、人財の質と量を充足させます。

変革するビジネス環境に対応するため、新たな領域のスキル獲得や職務変更を組織的に推進しています。
DX戦略に沿ったリスキリングをはじめ、従業員が新たなスキルを習得できるように組織的・継続的にサポートしていきます。

(女性活躍推進)
人的資本の効果的活用、多様化するお客さまニーズを満たすイノベーション創出の観点から女性の活躍を推進します。


(キャリア採用・専門コース)
ちゅうぎんグループでは、事業軸の拡大に合わせて多様なスキルやキャリアを有する人財を積極的に採用することも、ダイバーシティ&インクルージョンの促進に繋がると考えています。そのため、近年は新しい事業領域を中心に、金融業界未経験者についても採用を行っています。
また、このような人財を、年齢・性別等を問わず柔軟に受け入れるため、2021年10月より『専門コース制度』を策定し、受け入れ態勢を整えています。

(外部評価)
両立支援、女性活躍推進、健康経営に関連して、次の外部評価の認定を受けています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
信用リスクとは、信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフ・バランス資産を含む)の価値が減少ないし消失し、損失を被るリスクです。
なお、世界的なインフレ、地政学リスクの高まりになどにより、世界経済の見通しは不透明な状況となっています。また、国内においても金融正常化が進み、今後金利が上昇基調となる可能性もあります。斯かる状況下、新型コロナウイルス関連融資の返済が本格化され、信用供与先の資金繰りに与える影響についても注視していく必要があります。これらの懸念に関連し、当社グループ与信先の経営状態が想定以上に悪化し、不良債権や与信コストの増加を余儀なくされるリスクがあります。
また、自己資本余力を活かし、市場性ローンを含むストラクチャードファイナンスや非日系融資など株式会社中国銀行での貸出金運用を実施しており、地元向け貸出金等と比べてリスク特性の異なる融資残高が増加しております。この点に関しても、リスクの所在を明確にしたうえで、厳正な審査やモニタリングによる予兆把握、各種リスクを統合した管理を行い適正にリスクを管理しております。
市場リスクとは、金利や為替、株式等の市場のリスク・ファクターの変動により、資産・負債(オフ・バランスを含む)の価値が変動し損失を被るリスク、または資産・負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスクです。
なお、市場リスクについても、(1)信用リスクで記載したように、様々な懸念から世界経済の見通しが不透明な状況となっていることに留意が必要です。こうした状況を背景とする、国内・海外の金利上昇や株価下落等の市場混乱により、想定どおりの資金利益が獲得できないリスク、または想定を上回る有価証券評価損益や売買損益の悪化が発生するリスクがあります。
流動性リスクとは、運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な資金確保が困難になる、または通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク(資金繰りリスク)、ならびに市場の混乱等により、市場において取引ができない又は通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスク(市場流動性リスク)です。
なお、外貨については市場からの資金調達が多いため、特に重点的に管理を行っております。外貨調達環境が悪化し市場での再調達が困難となる事態を想定したストレステストにおいて資金繰りが可能であることを検証しているほか、外貨運用・調達の安定度合を表す外貨安定比率を計測・管理し外貨バランスシートの中長期的な安定性維持を図っております。
オペレーショナル・リスクとは、業務の過程、役職員の活動もしくはシステムが不適切であることまたは外生的な事象により、損失を被るリスクです。
主なオペレーショナル・リスクを、①事務リスク、②システムリスク、③人的リスク、④有形資産リスク、⑤情報資産リスク及び⑥コンプライアンス・法務リスクの6つに分類し、管理しております。
オペレーショナル・リスク管理方法として、業務運営上の不備事例を収集・分析し、再発防止策を策定・実施しているほか、新たな商品・サービスの導入時も含め、各種業務のRCSA(リスクとコントロールの自己評価)を実施し、リスクの評価を行うとともに、対応策を策定・実施しております。
なお、日々高度化・巧妙化するサイバー攻撃の脅威等を踏まえ、サイバーセキュリティ事案の未然防止やインシデント発生時の迅速な復旧に向けた対応を目的に、サイバーセキュリティ管理態勢強化に取り組んでおります。
上記リスクのほか、当社グループの財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況などに重要な影響を与える可能性があると考えているリスクは次のとおりです。
また、銀行持株会社は、その収入の大部分を傘下の銀行子会社から受領する配当金等に依存しております。一定の状況下では、様々な規制上または契約上の制限により、その金額が制限される場合があります。また、銀行子会社が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当を支払えない状況が生じた場合には、当社株主に対する配当の支払が不可能となる可能性があります。
1 業績
当連結会計年度の業績は、連結経常収益は、有価証券売却益の減少がありましたが、資金運用収益の増加により、前年同期比48億1百万円(2.6%)増収の1,846億61百万円となりました。一方、連結経常費用では、有価証券売却損が減少したものの、外貨調達コストの増加による影響が大きく、前年同期比32億18百万円(2.1%)増加の1,534億69百万円となりました。その結果、連結経常利益は前年同期比15億83百万円(5.3%)増益の311億91百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比9億3百万円(4.4%)増益の213億89百万円となりました。
セグメントごとの業績は下記のとおりです。
〔銀行業〕
経常収益は、資金運用収益の増加により、前年同期比5億35百万円(0.3%)増収の1,680億81百万円となりました。経常利益は、外貨調達コストの増加による影響が大きく、前年同期比16億11百万円(5.3%)減益の287億49百万円となりました。
〔リース業〕
前年度に計上した組織再編に伴うグループ内での株式売却益の剥落により、経常収益は前年同期比16億55百万円(12.0%)減収の120億80百万円、経常利益は前年同期比28億34百万円(77.5%)減益の8億21百万円となりました。
〔証券業〕
株式・投資信託などの販売が順調に推移し、経常収益は前年同期比10億2百万円(33.7%)増収の39億75百万円、経常利益は前年同期比5億70百万円(238.4%)増益の8億9百万円となりました。
〔その他〕
前年度に計上した組織再編に伴うグループ内での株式売却益の剥落により、経常収益は前年同期比31億92百万円(21.6%)減収の115億77百万円、経常利益は前年同期比42億21百万円(35.2%)減益の77億49百万円となりました。
キャッシュ・フローの状況は下記のとおりです。
○ 営業活動によるキャッシュ・フロー
借用金が増加したこと等により、前年同期比5,189億円増加し、1,155億円のプラスとなりました。
○ 投資活動によるキャッシュ・フロー
有価証券の売却が減少したことにより、前年同期比3,625億円減少し、1,983億円のマイナスとなりました。
○ 財務活動によるキャッシュ・フロー
配当金の支払いや自己株式の取得が増加したことにより、前年同期比1億円減少し、79億円のマイナスとなりました。
上記の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前年同期比907億円減少し、1兆4,156億円となりました。
資金運用収支 :外貨調達コストの増加や投信解約益計上の剝落を主因に、国内は前連結会計年度に比べ2,458百万円減の61,993百万円、海外は前連結会計年度に比べ285百万円減の294百万円、合計で前連結会計年度に比べ2,743百万円減の62,288百万円となりました。
役務取引等収支:預り資産販売及び投資銀行業務を中心に好調に推移し、国内は前連結会計年度に比べ1,410百万円増の18,495百万円、海外は前連結会計年度に比べ14百万円増の46百万円、合計で前連結会計年度に比べ1,425百万円増の18,542百万円となりました。
その他業務収支:前連結会計年度に計上した国債等債券売却損の剥落を主因として、国内は前連結会計年度に比べ19,616百万円増の10,911百万円、海外は前連結会計年度に比べ172百万円増の1百万円、合計で前連結会計年度に比べ19,789百万円増の10,912百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び連結子会社(連結子会社が有する海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、当社の連結子会社が有する海外店であります。
3 資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度8百万円、当連結会計年度11百万円)を控除して表示しております。
4 本支店勘定利息を相殺消去しております。
5 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおり、当連結会計年度より割賦販売取引の売上高及び売上原価の計上基準を変更しており、前連結会計年度については遡及適用後の数値を記載しております。
資金運用勘定:平均残高は合計で前連結会計年度に比べ31,384百万円増の9,222,642百万円となりました。利息は国内で前連結会計年度に比べ28,830百万円増の119,692百万円、海外で前連結会計年度に比べ3,490百万円増の7,190百万円、合計では前連結会計年度に比べ30,963百万円増の124,120百万円となりました。
資金調達勘定:平均残高は合計で前連結会計年度に比べ236,129百万円増の9,457,848百万円となりました。利息は国内で前連結会計年度に比べ31,289百万円増の57,699百万円、海外で前連結会計年度に比べ3,774百万円増の6,895百万円、合計で前連結会計年度に比べ33,705百万円増の61,831百万円となりました。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、株式会社中国銀行以外の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国内」とは、当社及び連結子会社(連結子会社が有する海外店を除く)であります。
3 資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度30,941百万円、当連結会計年度27,532百万円)及び利息(前連結会計年度8百万円、当連結会計年度11百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
(注) 「海外」とは、当社の連結子会社が有する海外店であります。
(注) 資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度30,941百万円、当連結会計年度27,532百万円)及び利息(前連結会計年度8百万円、当連結会計年度11百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
役務取引等収益:個人向け預り資産販売及び法人向け投資銀行業務の好調な推移や、住宅ローン取扱手数料の増加等を主因に、国内は前連結会計年度に比べ1,475百万円増の21,965百万円、海外は前連結会計年度に比べ14百万円増の68百万円、合計で前連結会計年度に比べ1,489百万円増の22,034百万円となりました。
役務取引等費用:国内は前連結会計年度に比べ65百万円増の3,470百万円、海外は前連結会計年度に比べ1百万円減の21百万円、合計で前連結会計年度に比べ64百万円増の3,491百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは当社及び連結子会社(連結子会社が有する海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、当社の連結子会社が有する海外店であります。
(注) 1 「国内」とは当社及び連結子会社(連結子会社が有する海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、当社の連結子会社が有する海外店であります。
3 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
4 定期性預金=定期預金
(注) 1 「国内」とは当社及び連結子会社(連結子会社が有する海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、当社の連結子会社が有する海外店であります。
該当ありません。
(注) 1 「国内」とは当社及び連結子会社(連結子会社が有する海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、当社の連結子会社が有する海外店であります。
3 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は株式会社中国銀行1社であります。
(注) 共同信託他社管理財産はありません。
2 自己資本比率等の状況
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出においては標準的計測手法(2023年3月31日においては粗利益配分手法)を採用しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(2019年金融庁告示第12号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
連結自己資本比率(国際統一基準)
(単位:億円、%)
持株レバレッジ比率(国際統一基準)
3 資産の査定
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社中国銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
株式会社中国銀行(単体)の資産の査定の額
(注)表中の計数は、全て単位未満を四捨五入しています。
(生産、受注及び販売の状況)
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行持株会社における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(主要な項目の具体的な分析)
当連結会計年度における主な項目の具体的な分析は、以下のとおりです。
なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおり、当連結会計年度より割賦販売取引の売上高の計上基準を変更しており、前連結会計年度については遡及適用後の数値で比較・分析を行っております。
① 連結粗利益
資金利益は、邦貨貸出金利息が大幅に増加したものの、外貨調達コストの増加や前年度に計上した投資信託解約益の剥落により、前期比27億円減益の622億円となりました。
役務取引等利益は、個人向け預り資産販売及び法人向け投資銀行業務の好調な推移や、住宅ローン取扱手数料の増加等を主因に、前期比14億円増益の185億円となりました。
その他業務利益は、債券関係損益の大幅な増加により、前期比197億円増益の109億円となりました。
② 営業経費
人件費の増加等により、前期比21億円増加し、578億円となりました。
③ 貸倒償却引当費用
戦略的な貸出金の拡大に伴い、一般貸倒引当金が増加したため、貸倒償却引当費用は前期比32億円増加し、89億円となりました。
④ 株式等関係損益
株式等関係損益は、前年度に計上した株式等売却益の剥落により、前期比120億円減少の59億円の利益となりました。
⑤ 特別損益
特別損益は、減損損失の増加等により、前期比2億円減益のマイナス2億円となりました。
⑥ 当期純利益
以上から、当期純利益は前期比9億円増益の213億円となりました。
当連結会計年度の貸借対照表計上額は、「資産の部」につきましては、前期末に比べ9,147億円増加して10兆7,638億円となりました。
「負債の部」につきましては、前期末に比べ8,614億円増加して10兆1,826億円となりました。
「純資産の部」につきましては、株主資本合計では前期末に比べ139億円増加して5,154億円となりました。利益剰余金は、利益の積み上げから157億円増加し4,949億円となっています。
また、その他の包括利益累計額合計は、その他有価証券評価差額金の増加を主因に、前期比394億円増加して654億円となりました。以上から、純資産合計では前期比532億円増加の5,811億円となりました。
主要科目の状況は次のとおりです。
貸出金は事業性資金・個人向け貸出ともに増加し、前年同期比6,756億円増加の6兆2,313億円となりました。
有価証券は、株価や内外金利動向等に配意しつつ運用した結果、前年同期比2,724億円増加の2兆5,964億円となりました。
預金及び譲渡性預金は個人・法人預金の増加を主因に前年同期比2,560億円増加の8兆3,095億円となりました。
(連結リスク管理債権(再生法開示債権)の状況)
連結リスク管理債権は、前連結会計年度末比64億円増加し、1,155億円となりました。
(注)表中の計数は、全て単位未満を四捨五入しています。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。
なお、将来に関する事項については当連結会計年度末現在において判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積もりを必要としています。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積りを行っています。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
当社グループにおいては、与信業務は最大の収入源であり、連結貸借対照表上、貸出金、支払承諾見返等の信用リスク資産の占める重要性は高く、経営成績や財政状態に及ぼす影響が大きいことから、会計上の見積りにおいて重要なものと判断しております。
なお、当社グループの貸出金の有する次に掲げる特性が、会計上の見積りにおいても重要な影響を与えるものと認識しております。
当社グループは地域金融機関として、岡山県を中心とする東瀬戸内圏において、地域社会の発展に寄与するため、総合的な金融サービスを提供しており、多くの中小企業向け融資を実行しています。中小企業向け貸出金の2024年3月末残高は3兆4,510億円と総貸出金残高の55%を占めています。
また、当社グループは自己資本余力を活かし、市場性ローンを含むストラクチャードファイナンスや非日系融資など株式会社中国銀行本部での貸出金運用(以下「本部貸出金」という。)を実施しており、本部貸出金の2024年3月末残高は1兆2,346億円と総貸出金残高の20%を占めております。これら本部貸出金は、1案件当たりの貸出金額が相対的に多額であるほか、地元向け貸出金等と異なるリスク特性を有しているため、リスクの所在を明確にしたうえで、厳正な審査やモニタリングによる予兆把握、各種リスクを統合した管理を行い、リスク特性に応じて適正にリスクを管理しております。
貸倒引当金に係る見積り及び仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (重要な会計上の見積り)」の内容と同一であります。
当社グループにおいては、金融機関の特殊性として、多種多様な有価証券の運用を行っており、市場価格がない有価証券を保有するケースが比較的多く、連結貸借対照表計上額の金額的重要性が高いこと、また金融資産の運用及び調達のリスクヘッジ手段や営業上の目的として多くのデリバティブ取引を行っており、当社グループの経営成績、財政状態への影響が大きいことなどから、金融商品の時価情報が会計上の見積りにおいて重要なものと判断しています。
有価証券の評価は、株式は取引所の価格、債券は売買参考統計値または売買参考統計値を参考とした比準価格、取引所の価格、取引金融機関から提示された価格等によっております。また、投資信託は、公表されている基準価格によっております。自行保証付私募債は、将来キャッシュ・フローの合計額をリスクフリーレートに内部格付に基づく区分ごとの信用スプレッドを上乗せした利率で割り引いて算定しています。
デリバティブ取引は、金利関連取引(金利スワップ取引、金利キャップ取引)、通貨関連取引(通貨スワップ取引、通貨オプション取引、為替予約取引、ノンデリバラブル・フォワード取引)、債券関連取引(債券先物取引、債券オプション取引)、株式関連取引(株式先物取引、株式オプション取引)、クレジットデリバティブ取引(クレジット・デフォルト・スワップ取引)などであり、取引所の価格、割引現在価値、オプション価格計算モデルや取引金融機関から提示された価格等により算出した価額によっています。
金融商品の時価の算定方法及び重要な仮定は合理的であると判断しており、財務諸表等に適切に計上又は注記しています。
これらの見積りは不確実性を伴うため、実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える主な要因につきましては、「3.事業等のリスク」に記載のとおりです。
当連結会計年度の財政状態に関する主要な項目の認識及び分析・検討内容につきましては、「(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (主要な項目の具体的な分析)」に記載のとおりです。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する主要な項目の認識及び分析・検討内容につきましては、「(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (主要な項目の具体的な分析)」に記載のとおりです。
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績に関する主要な項目の認識及び分析・検討内容につきましては、「(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要)」に記載のとおりです。
当社グループの重要な資本的支出の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループは、銀行業という特殊性から資金利益を獲得することを本業としており、具体的には、お客さまから預け入れられた預金や資金市場から調達した資金を、地元の事業性融資や個人ローン、非日系貸出金、ストラクチャードファイナンスといった貸出金や国内外の有価証券への投資などで運用しています。
資金調達方法に関しては、特に外貨調達資金については、コマーシャル・ペーパー、コールマネー、売現先取引など、調達手段の多様化を図っており、資金満期、適用金利更改時期などに留意しつつ、その時々で最も有利なレートで調達できる手段を選択し、調達コストの削減に努めています。
また、店舗の新築等の設備投資計画に関しては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。これらの設備投資資金は、原則、自己資金でまかなうことを前提としています。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) 1 業績」に記載のとおりです。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標」に同一の内容を記載しているため、省略しております。
該当ありません。
該当ありません。