1. 報告企業
LINEヤフー(株)(以下、当社という。)は日本で設立され、同国に本社を置いており、当社および子会社(以下、当社グループという。)の親会社は、Aホールディングス(株)であり、最終的な親会社はソフトバンクグループ(株)です。登記している本店の所在地は、東京都千代田区紀尾井町1番3号です。
当社グループの主な事業内容は「6. セグメント情報」に記載しています。
なお、当社は、2023年10月1日を効力発生日として、当社ならびに中核完全子会社であるLINE(株)およびヤフー(株)を中心としたグループ内再編を実施し、商号をZホールディングス(株)からLINEヤフー(株)に変更しました。
2. 作成の基礎
当社グループの連結財務諸表は連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、連結財務諸表規則第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しています。
連結財務諸表は、「3. 重要性がある会計方針」に記載しているとおり、公正価値で測定している金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
連結財務諸表は日本円を表示通貨としており、百万円未満を切捨てて表示しています。
(連結損益計算書関係)
前連結会計年度において、「販売費及び一般管理費」に含めていた「減損損失」および「子会社の支配喪失に伴う利益」は重要性が増したため、独立掲記しています。前連結会計年度において独立掲記していた「子会社株式売却益」は、重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「販売費及び一般管理費」に含めて表示しています。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
前連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローの「その他」、「法人所得税の支払額」に含めて表示していた「減損損失」「子会社の支配喪失に伴う利益」および「法人所得税の還付額」は重要性が増したため、当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローにて独立掲記しています。また、営業活動によるキャッシュ・フローの「子会社株式売却益」は、重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しています。
この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示していた1,332百万円は、営業活動によるキャッシュ・フローの「減損損失」3,036百万円、「子会社の支配喪失に伴う利益」△1,703百万円として、「法人所得税の支払額」に含めて表示していた1,636百万円は、「法人所得税の還付額」1,636百万円としてそれぞれ組替えています。また、前連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローの「子会社株式売却益」△4,392百万円は、「その他」△4,392百万円として組み替えています。
前連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示していた「貸付金の回収による収入」は重要性が増したため、当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローにて独立掲記しています。また、投資活動によるキャッシュ・フローの「無形資産の取得による支出」「子会社の支配獲得による収入」は、重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しています。
この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示していた7,067百万円は、投資活動によるキャッシュ・フローの「貸付金の回収による収入」7,067百万円として組替えています。また、前連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローの「無形資産の取得による支出」△56,144百万円、「子会社の支配獲得による収入」397,291百万円は、「その他」341,147百万円として組み替えています。
前連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示していた「非支配持分からの払込による収入」「子会社の自己株式の取得による支出」は重要性が増したため、当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローにて独立掲記しています。また、財務活動によるキャッシュ・フローの「短期借入金の純増減額(△は減少)」「新株式の発行による収入」「自己株式の取得による支出」「社債の発行による収入」は、重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しています。
この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示していた8,198百万円は、財務活動によるキャッシュ・フローの「非支配持分からの払込による収入」9,712百万円、「子会社の自己株式の取得による支出」△1,513百万円として組替えています。また、前連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローの「短期借入金の純増減額(△は減少)」90,961百万円、「新株式の発行による収入」16,855百万円、「自己株式の取得による支出」△16,861百万円、「社債の発行による収入」60,000百万円は、「その他」150,955百万円として組替えています。
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書および解釈指針の新設または改訂は以下のとおりです。当連結会計年度において当社グループはこれらを早期適用していません。
IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」の適用による影響は検討中です。
3. 重要性がある会計方針
以下の会計方針は、他の記載がない限り、連結財務諸表に記載されている全ての期間に適用しています。
(1) 連結の基礎
① 連結の基本方針
連結財務諸表は、当社および当社が支配している企業(子会社)の財務諸表に基づき作成しています。支配とは、投資先に対するパワー、投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利、投資者のリターンの額に影響を及ぼすように投資先に対するパワーを用いる能力の全てを有している場合をいいます。当社による支配の有無は、議決権または類似の権利の保有割合や投資先に関する契約内容等の諸要素を勘案し総合的に判断しています。
子会社については、支配獲得日から支配喪失日までの期間を連結しています。子会社の包括利益は、たとえ非支配持分が負の残高になる場合でも、親会社の所有者と非支配持分に配分されます。
子会社が採用する会計方針が当社グループで採用した会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えています。
当社グループ内部での債権債務残高、取引、当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表作成にあたり消去しています。
② 子会社として存続する場合における当社グループの所有持分の変動
子会社に対する当社グループの所有持分の変動で支配の喪失にならない取引は、資本取引として会計処理しています。当社グループの持分および非支配持分の帳簿価額は、子会社に対する相対的な持分の変動を反映して調整しています。非支配持分を調整した額と支払対価または受取対価の公正価値との差額は資本に直接認識し、親会社の所有者に帰属しています。
当社グループが子会社の支配を喪失する場合、処分損益は(i)「受取対価の公正価値および残存持分の公正価値の合計」と(ⅱ)「子会社の資産(のれんを含む)、負債、非支配持分の従前の帳簿価額」との間の差額として算定され、それまで認識していたその他の包括利益累計額は、純損益に振り替えています。
③ 企業結合
事業の取得は「取得法」で会計処理をしています。企業結合時に引き渡した対価は、当社グループが移転した資産、被取得企業の従前の所有者に対する当社グループの負債、被取得企業の支配と交換に当社グループが発行した資本持分の取得日の公正価値の合計として測定されます。取得関連費用は発生時に純損益で認識しています。
取得日において、識別可能な取得した資産および引受けた負債は、以下を除き、取得日における公正価値で認識されます。
・繰延税金資産(または繰延税金負債)および従業員給付契約に関連する資産(または負債)は、それぞれIAS第12号「法人所得税」およびIAS第19号「従業員給付」に従って認識し測定されます。
・「被取得企業の株式に基づく報酬契約」または「被取得企業の株式に基づく報酬制度を当社グループの制度に置換えるために発行された当社グループの株式に基づく報酬契約」に関する負債または資本性金融商品は、取得日にIFRS第2号「株式に基づく報酬」に従って測定されます。
・IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って売却目的保有に分類される資産または処分グループは、当該基準書に従って測定されます。
のれんは、移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額、取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計金額が、取得日における識別可能な取得した資産と引受けた負債の正味価額を上回る場合にその超過額として測定されます。この差額が負の金額である場合には、直ちに純損益で認識しています。
現在の所有持分であり、清算時に企業の純資産に対する比例的な取り分を保有者に与えている非支配持分は、当初認識時に公正価値、または被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する非支配持分の比例的な取り分相当額によって測定されます。上記以外の非支配持分は、公正価値、または該当する場合には、他の基準書に特定されている測定方法によって測定されます。
段階的に達成される企業結合の場合、当社グループが以前に保有していた被取得企業の資本持分は取得日(すなわち当社グループの支配獲得日)の公正価値で再評価され、発生した利得または損失があれば純損益に認識されます。取得日以前にその他の包括利益に計上されていた被取得企業の持分の金額は、取得企業がその持分を直接処分した場合と同じ方法で会計処理されます。
④ のれん
事業の取得から生じるのれんは、事業の取得日に計上された取得原価から減損損失累計額を控除した金額で計上されます。
のれんが配分される資金生成単位については、のれんが内部報告目的で監視される単位に基づき決定し、集約前の事業セグメントの範囲内となっています。
のれんは償却を行わず、資金生成単位または資金生成単位グループに配分し、配分された資金生成単位については、連結会計年度の一定時期、またはその生成単位に減損の兆候がある場合は、より頻繁に減損テストを行っています。当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額未満の場合、まず減損損失を資金生成単位に配分されたのれんに配分し、次に資金生成単位におけるその他の資産の帳簿価額の比例割合で各資産に配分しています。
のれんの減損損失は、純損益に直接認識され、以後の期間に戻入れは行いません。
なお、関連会社の取得により生じたのれんに関する当社グループの会計方針は、「⑤ 関連会社および共同支配企業への投資」に記載しています。
⑤ 関連会社および共同支配企業への投資
関連会社とは、当社グループが議決権の20%以上を所有し、投資先の財務および営業の方針決定に重要な影響力を行使し得ない反証が存在しない会社、もしくは20%未満の保有でも重要な影響力を行使し得る会社をいいます。
共同支配企業とは、当社グループを含む複数の当事者が、事業活動の重要な意思決定に関し全員一致の合意を必要とする契約上の取決めに基づき共同支配を有し、当該取決めの純資産に対する権利を有する投資先をいいます。
関連会社および共同支配企業に対する投資は、投資先が関連会社および共同支配企業になる日から持分法を適用して会計処理されます。関連会社および共同支配企業に対する投資の取得時には、取得原価が、取得日に認識されている投資先の識別可能な資産および負債の正味の公正価値のうち当社グループの持分相当額を超過する額は、のれんとして認識し、投資の帳簿価額に含まれます。再評価後、識別可能な資産および負債の正味の公正価値の当社グループの持分相当額が取得原価を超過する場合は、超過差額を投資が実施された期間に純損益に直ちに認識しています。
持分法では、関連会社および共同支配企業に対する投資額は、連結財政状態計算書において取得原価で当初認識し、その後、関連会社および共同支配企業の純損益およびその他の包括利益の当社グループの持分を認識するために修正しています。関連会社および共同支配企業の損失に対する当社グループの持分相当額が、当社グループの関連会社および共同支配企業に対する持分(実質的に当社グループの関連会社および共同支配企業に対する正味投資持分の一部を構成するいかなる長期持分を含む)を超過する場合、当社グループは追加的な損失について当社グループの持分相当額を認識していません。追加的な損失は、当社グループが関連会社および共同支配企業に代わって法的債務または推定的債務を負う、または関連会社および共同支配企業の代わりに支払いを行う範囲で認識しています。
当該投資が関連会社および共同支配企業でなくなった日もしくは売却目的保有に分類された日から、当社グループは持分法の適用を中止しています。当社グループが以前の関連会社および共同支配企業に対する残存持分を保持しており、残存持分が金融資産である場合には、当社グループは、残存持分をその日時点の公正価値で測定し、当該公正価値はIFRS第9号「金融商品」(以下、IFRS第9号という。)に従って金融資産としての当初認識時の公正価値とみなされます。持分法適用が中止された日における関連会社および共同支配企業の帳簿価額と、残存持分の公正価値および関連会社および共同支配企業に対する一部持分の処分による収入との差額は、関連会社および共同支配企業の処分損益の決定に含まれます。
当社グループの関連会社および共同支配企業投資に関する減損損失を認識するかどうかを決定するため、IFRS第9号の要求が適用されます。減損テストは、(のれんを含む)投資全体の帳簿価額に対し、IAS第36号「資産の減損」に従って行われています。
(2) 外貨換算
① 外貨建取引
当社グループの財務諸表は、各社の機能通貨で作成しています。機能通貨以外の通貨(外貨)での取引は、取引日の為替レートで機能通貨に換算しています。外貨建貨幣性項目は、各四半期末の為替レートで機能通貨に換算しています。公正価値で測定している外貨建非貨幣性項目は、測定日の為替レートで機能通貨に換算しています。
換算によって発生した為替換算差額は、「② 在外営業活動体」を除いて、その期間の純損益で認識しています。
② 在外営業活動体
連結財務諸表を作成するために、在外営業活動体の資産および負債(取得により発生したのれんおよび公正価値の調整を含む)は、各四半期末の為替レートで日本円に換算しています。収益および費用は、その各四半期の平均為替レートで日本円に換算しています。在外営業活動体の財務諸表の換算によって生じた為替差額は、その他の包括利益で認識し、在外営業活動体の換算差額勘定に累積しています。
在外営業活動体の持分全てまたは持分の一部処分を行った場合、当該在外営業活動体の換算差額は、処分損益の一部として純損益に振り替えています。
(3) 金融商品
① 認識
金融資産および金融負債は、当社グループが金融商品の契約上の当事者になった時点で認識しています。
金融資産および金融負債は当初認識時において公正価値で測定しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(以下、FVTPLの金融資産という。)および純損益を通じて公正価値で測定する金融負債(以下、FVTPLの金融負債という。)を除き、金融資産の取得および金融負債の発行に直接起因する取引コストは、当初認識時において、金融資産の公正価値に加算または金融負債の公正価値から減算しています。FVTPLの金融資産およびFVTPLの金融負債の取得に直接起因する取引コストは純損益で認識しています。
② 非デリバティブ金融資産
非デリバティブ金融資産は、「償却原価で測定する金融資産」、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産(以下、FVTOCIの負債性金融資産という。)」、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産(以下、FVTOCIの資本性金融資産という。)」、「FVTPLの金融資産」に分類しています。この分類は、金融資産の性質と目的に応じて、当初認識時に決定しています。
通常の方法による全ての金融資産の売買は、約定日に認識および認識の中止を行っています。通常の方法による売買とは、市場における規則または慣行により一般に認められている期間内での資産の引渡しを要求する契約による金融資産の購入または売却をいいます。
a. 償却原価で測定する金融資産
以下の要件がともに満たされる場合に「償却原価で測定する金融資産」に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
当初認識後、償却原価で測定する金融資産は実効金利法による償却原価から必要な場合には減損損失を控除した金額で測定しています。実効金利法による利息収益は純損益で認識しています。
b. FVTOCIの負債性金融資産
以下の要件がともに満たされる場合に「FVTOCIの負債性金融資産」に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
当初認識後、FVTOCIの負債性金融資産は公正価値で測定し、公正価値の変動から生じる評価損益は、その他の包括利益で認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、その累計額を純損益に振り替えています。FVTOCIの負債性金融資産に分類された貨幣性金融資産から生じる為替差損益、FVTOCIの負債性金融資産に係る実効金利法による利息収益は、純損益で認識しています。
c. FVTOCIの資本性金融資産
資本性金融資産については、当初認識時に公正価値の変動を純損益ではなくその他の包括利益で認識するという取消不能な選択を行っている場合に「FVTOCIの資本性金融資産」に分類しています。当初認識後、FVTOCIの資本性金融資産は公正価値で測定し、公正価値の変動から生じる評価損益は、その他の包括利益で認識しています。
FVTOCIの資本性金融資産の公正価値は、「31. 金融商品の公正価値 (1) 公正価値ヒエラルキーのレベル別分類」で記載している方法により測定しています。
認識を中止した場合、もしくは著しくまたは長期に公正価値が取得原価を下回る場合に、その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額を直接利益剰余金へ振り替えています。なお、FVTOCIの資本性金融資産に係る受取配当金は、純損益で認識しています。
d. FVTPLの金融資産
以下の要件のいずれかに該当する場合には「FVTPLの金融資産」に分類しています。
・売買目的保有の金融資産
・「償却原価で測定する金融資産」、「FVTOCIの負債性金融資産」、「FVTOCIの資本性金融資産」のいずれにも分類しない場合
売買目的保有には、デリバティブ以外の金融資産で、主として短期間に売却する目的で取得した売却目的保有の金融資産を分類しています。なお、いずれの金融資産も、会計上のミスマッチを取り除くあるいは大幅に削減させるために純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定していません。
当初認識後、FVTPLの金融資産は公正価値で測定し、公正価値の変動から生じる評価損益、配当収益および利息収益は純損益で認識しています。
FVTPLの金融資産の公正価値は、「31. 金融商品の公正価値 (1) 公正価値ヒエラルキーのレベル別分類」で記載している方法により測定しています。
e. 金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産、FVTOCIの負債性金融資産に係る予想信用損失について、貸倒引当金を認識しています。期末日毎に、金融資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを評価しています。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、金融資産に係る貸倒引当金を12か月の予想信用損失と同額で測定しています。一方、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合、または信用減損金融資産については、金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しています。ただし、営業債権および契約資産については常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しています。
予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積っています。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況、将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコスト労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
当該測定に係る貸倒引当金の繰入額、および、その後の期間において、貸倒引当金を減額する事象が発生した場合は、貸倒引当金戻入額を純損益で認識しています。
金融資産の全体または一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、当該金額を貸倒引当金と相殺して帳簿価額を直接減額しています。
f. 金融資産の認識の中止
金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、または金融資産を譲渡し、その金融資産の所有に係るリスクと経済価値を実質的に全て移転した場合に、当該金融資産の認識を中止しています。
③ 非デリバティブ金融負債
非デリバティブ金融負債は、「FVTPLの金融負債」または「償却原価で測定する金融負債」に分類し、当初認識時に分類を決定しています。
FVTPLの金融負債は当初認識後、公正価値で測定し、公正価値の変動から生じる評価損益および利息費用は純損益で認識しています。
償却原価で測定する金融負債は当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しています。
金融負債は義務を履行した場合、もしくは債務が免責、取消しまたは失効となった場合に認識を中止しています。
④ デリバティブ金融資産および金融負債
デリバティブは、デリバティブ取引契約が締結された日の公正価値で当初認識しています。当初認識後は、各四半期末の公正価値で測定しています。デリバティブの公正価値の変動額は、直ちに純損益で認識しています。
デリバティブ金融資産は「FVTPLの金融資産」に、デリバティブ金融負債は「FVTPLの金融負債」にそれぞれ分類しています。
⑤ 金融資産および金融負債の相殺
金融資産および金融負債は、認識された金額を相殺する法的に強制力のある権利を有し、かつ純額で決済するかまたは資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しています。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、現金、随時引出し可能な預金、および容易に換金可能でかつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から満期日までの期間が3ヶ月以内の短期投資で構成されています。
(5) 棚卸資産
棚卸資産は、原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しています。原価は、主として移動平均法を用いて算定しており、正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積販売価格から、販売に要する見積費用を控除して算定しています。
また、棚卸資産の内訳は、主として商品です。
(6) 有形固定資産
有形固定資産は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で計上しています。取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、資産の解体・除去および土地の原状回復費用が含まれます。
減価償却費は、土地および建設仮勘定を除き、見積耐用年数にわたって定額法で計上しています。
主要な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりです。
・建物および構築物 2年~50年
・工具、器具および備品 2年~20年
・機械装置および運搬具 2年~15年
減価償却方法、耐用年数および残存価額は、連結会計年度末に見直しを行い、変更がある場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
(7) 無形資産
個別に取得した耐用年数を確定できる無形資産は、原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で計上しています。個別に取得した耐用年数を確定できない無形資産は、取得原価から減損損失累計額を控除した額で計上しています。
企業結合により取得し、のれんとは区別して認識された無形資産は、取得日の公正価値で当初認識されます。当初認識後、企業結合により取得した無形資産は、個別に取得した無形資産と同様に、取得原価から償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で計上されます。
研究段階で発生した支出は、発生した期間の費用として計上しています。開発段階で発生した自己創設無形資産は、資産計上の要件を全て満たした日から、開発完了までに発生した支出の合計額で認識しています。当初認識後、自己創設無形資産は、個別に取得した無形資産と同様に、取得原価から償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で計上しています。
償却費は、見積耐用年数にわたって主に定額法で計上しています。
耐用年数を確定できる主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりです。
・ソフトウェア 3年~15年
・顧客基盤 10年~25年
償却方法、耐用年数および残存価額は、連結会計年度末に見直しを行い、変更がある場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
商標権の一部について、事業を継続する限り基本的に存続するため、耐用年数を確定できないと判断し、償却していません。
(8) リース
当社グループでは、契約の開始時に、契約がリース又はリースを含んだものであるのかどうかを判定しています。リースを含む契約の開始日または再評価日に契約における対価を、リース構成部分の独立価格と非リース構成部分の独立価格の総額との比率に基づいてそれぞれに配分することにより、リース構成部分を非リース構成部分から区分して会計処理しています。また、リース期間は、リースの解約不能期間に、行使することが合理的に確実な延長オプションの対象期間および行使しないことが合理的に確実な解約オプションの対象期間を加えたものとしています。
(借手側)
① 無形資産のリース取引
当社グループは無形資産のリース取引に対して、IFRS第16号「リース」(以下、IFRS第16号という。)を適用していません。
② 使用権資産
リースの開始日に使用権資産を認識しています。使用権資産は開始日において、取得原価で測定しており、当該取得原価は、リース負債の当初測定の金額、リース開始日以前に支払ったリース料から受け取ったリース・インセンティブを控除した金額、発生した当初直接コストおよびリースの契約条件で要求されている原資産の解体及び除去、原資産の敷地の原状回復又は原資産の原状回復の際に借手に生じるコストの見積りの合計で構成されています。
開始日後においては、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除して測定しています。使用権資産は、当社グループがリース期間の終了時に原資産の所有権を取得する場合を除き、開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方まで定額法を用いて減価償却しています。使用権資産の耐用年数は有形固定資産と同様の方法で決定しています。
③ リース負債
リースの開始日にリース負債を認識しています。リース負債はリース開始日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定しています。当該リース料は、リースの計算利子率が容易に算定できる場合には、当該利子率を用いて割り引いていますが、そうでない場合には、追加借入利子率を用いて割り引いています。リース負債の測定に含まれているリース料は、主に固定リース料、延長オプションの行使が合理的に確実である場合の延長期間のリース料およびリース期間が借手によるリース解約オプションの行使を反映している場合の解約に対するペナルティの支払額で構成されています。
開始日後においては、リース負債は実効金利法を用いて償却原価で測定しています。その上で、指数またはレートの変更により将来のリース料に変更が生じた場合、残価保証に基づいた支払金額の見積りに変更が生じた場合、または延長オプションや解約オプションの行使可能性の評価に変更が生じた場合、リース負債を再測定しています。
リース負債が再測定された場合には、リース負債の再測定の金額を使用権資産の修正として認識しています。ただし、リース負債の再測定による負債の減少額が使用権資産の帳簿価額より大きい場合、使用権資産をゼロまで減額したあとの金額は純損益で認識します。
(9) のれんを除く有形固定資産、使用権資産および無形資産の減損
当社グループは、各四半期末に、有形固定資産、使用権資産および無形資産が減損損失に晒されている兆候の有無を判定しています。
減損の兆候がある場合には、減損損失の程度を算定するために、回収可能価額の見積りを行っています。個別資産の回収可能価額を見積もることができない場合には、当社グループは、その資産の属する資金生成単位の回収可能価額を見積もっています。
耐用年数が確定できない無形資産および未だ利用可能でない無形資産は、減損の兆候がある場合、および減損の兆候の有無に関わらず連結会計年度の一定時期に、減損テストを実施しています。
回収可能価額は、「処分コスト控除後の公正価値」と「使用価値」のいずれか高い方となります。
使用価値の評価に際しては、貨幣の時間的価値および当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率により見積もった将来キャッシュ・フローを、現在価値に割り引くことにより測定しています。
資産(または資金生成単位)の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合、資産(または資金生成単位)の帳簿価額は回収可能価額まで減額されます。
減損損失を事後に戻入れる場合、当該資産(または資金生成単位)の帳簿価額は、過去の期間において当該資産(または資金生成単位)について認識した減損損失がなかったとした場合の資産(または資金生成単位)の帳簿価額を超えない範囲で、改訂後の見積回収可能価額まで増額しています。
(10) 引当金
引当金は、過去の事象から生じた現在の法的または推定的債務で、当該債務を決済するために経済的便益が流出する可能性が高く、当該債務について信頼性のある見積りができる場合に認識しています。
引当金は、貨幣の時間的価値の影響が重要な場合、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値および当該負債に特有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて、現在価値に割り引いています。時の経過に伴う割引額の割戻しは純損益で認識しています。
主な引当金の内容は以下のとおりです。
① 資産除去債務
賃借契約終了時に原状回復義務のある賃借事務所の原状回復費用見込額について、資産除去債務を計上しています。これらの費用の金額や支払時期の見積りは、現在の事業計画等に基づくものであり、将来の事業計画等により今後変更される可能性があります。
② ポイント引当金
販売促進を目的とするポイント制度に基づき、会員へ付与したポイントの利用に備えるため、将来利用されると見込まれる額を計上しています。なお、当該ポイントの会員による利用には不確実性があります。
(11) 売却目的保有に分類された資産および処分グループ
継続的使用よりも主に売却取引により回収が見込まれる資産および処分グループについて、1年以内に売却する可能性が高く、現状で直ちに売却することが可能で、経営者が売却計画の実行を確約している場合には、売却目的保有に分類しています。
当社グループが、子会社に対する支配の喪失を伴う売却計画を確約し上記の条件を満たす場合は、当社グループが売却後にその子会社の非支配持分を保有するか否かにかかわらず、その子会社の資産および負債を売却目的保有に分類しています。
売却目的保有に分類した資産は、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しています。
また、売却目的保有への分類後は、有形固定資産および無形資産の減価償却または償却は行いません。
(12) 株式に基づく報酬
当社グループは、取締役および従業員等に対するインセンティブ制度として、ストック・オプション制度、役員報酬BIP信託を用いた株式報酬制度、株式交付制度、株式給付信託(J-ESOP)を導入しています。ストック・オプション制度および役員報酬BIP信託を用いた株式報酬制度は持分決済型株式報酬として、株式交付制度および株式給付信託(J-ESOP)は持分決済型株式報酬または現金決済型株式報酬として会計処理しています。持分決済型の株式に基づく報酬は付与日における資本性金融商品の公正価値で測定しています。ストック・オプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズモデルや二項モデル、モンテカルロ・シミュレーション等を用いて算定し、役員報酬BIP信託を用いた株式報酬制度、株式交付制度、株式給付信託(J-ESOP) の公正価値は、付与日の株価を用いて算定しています。
持分決済型の株式に基づく報酬の付与日に決定した公正価値は、権利確定期間にわたって定額法により費用計上し、同額を資本の増加として認識しています。また、条件については各四半期末において定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しています。
現金決済型の株式に基づく報酬は、発生した負債の公正価値で測定しています。当該負債の公正価値は、期末日および決済日に再測定し、公正価値の変動を純損益に認識しています。
(13) 売上収益
IFRS第15号における以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するに応じて)収益を認識する。
顧客に支払われる対価は、それが顧客から受け取る財又はサービスの対価であるものを除き、取引価格から控除しています。
また、顧客との契約の獲得又は履行のためのコスト(以下、契約コスト)のうち、回収が見込まれる部分について、資産として認識しています。契約コストから認識した資産については、顧客との見積契約期間にわたり定額法で償却しています。
当社グループにおける各事業の主要な収益認識基準は以下のとおりです。
① メディア事業
メディア事業は、主に広告商品の企画・販売・掲載をするための各サービスの企画・運営、情報掲載サービス の提供およびその他法人向けのサービスを提供しています。主な売上収益は、検索広告、ディスプレイ広告、アカウント広告等であり、以下のとおり収益を認識しています。
a. 検索広告
検索広告は、広告主や広告代理店向けに販売している広告商品です。「Yahoo! JAPAN」等で検索をした際、その検索キーワードに応じて検索結果ページに表示され、掲載された広告がクリックされた場合に課金されます。 広告主および広告代理店に広告運用ツールを提供し、その設定依頼に従い掲載を行うことが履行義務になります。検索広告は、ウェブサイト閲覧者が検索広告をクリックした時点で、顧客が設定したクリック料金に基づき収益を認識しています。
b. アカウント広告
アカウント広告は、主にLINE公式アカウント、LINEスポンサードスタンプから構成されます。LINE公式アカウントは、企業等の広告主が、当該広告主を「友だち」として追加したLINEユーザーに直接メッセージを送信する ことができるサービスです。LINE公式アカウントを契約期間にわたり維持するとともに、広告主がいつでもLINE ユーザーにメッセージを送信できるようにすることが履行義務となります。そのため、契約期間にわたりLINE公式アカウント登録利用の収益を認識しています。LINEスポンサードスタンプは、LINE公式アカウントの広告主が、無料でダウンロードすることができるLINEスポンサードスタンプをLINEユーザーに提供することができるサービスです。契約期間にわたりユーザーが望むときにいつでもスポンサードスタンプを利用できるようにすることが広告主に対する履行義務となります。そのため、契約期間にわたり収益を認識しています。
c. ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、ディスプレイ広告(予約型)およびディスプレイ広告(運用型)からなります。 ディスプレイ広告(予約型)は、「ブランドパネル」や「プライムディスプレイ」等、「Yahoo! JAPAN」の各種プロパティ内に表示され、画像や映像等を用いた多彩な広告表現が可能な広告商品です。主な顧客は広告代理店です。ビューアブルインプレッション購入型、枠購入型、時間帯ジャック購入型の期間販売で、契約に則して掲載することが履行義務になります。ディスプレイ広告(予約型)は、ウェブサイト上に広告が掲載される期間にわたって収益を認識しています。
ディスプレイ広告(運用型)は、主にYahoo!広告およびLINE VOOM、LINE NEWSから構成されます。Yahoo!広告は、広告主や広告代理店向けに販売している広告商品であり、ターゲット条件を設定し、条件に一致するユーザーが閲覧している「Yahoo! JAPAN」や提携サイトに広告配信を行います。広告主および広告代理店に広告運用ツールを提供し、その設定依頼に従い掲載を行うことが履行義務になります。Yahoo!広告は、ウェブサイト閲覧者がコンテンツページ上の広告をクリックした時点で、顧客が設定したクリック料金に基づき収益を認識しています。LINE VOOM、LINE NEWSに掲載される広告は、インプレッション、ビュー、クリック 等の特定のアクションを基に対価を受領します。随時ユーザーに対して広告を表示することが履行義務となり、契約条件で規定された特定のアクションを充足した時点で、収益を認識しています。
d. その他
その他は、主に「LYPプレミアム」であり、個人ユーザー向けに様々な会員特典を受けられる「LYPプレミアム」を販売しており、会員資格が有効な期間にわたって収益を認識しています。
② コマース事業
コマース事業は、主に中小企業や個人向けにインターネットを介して商品の販売やサービスの企画・提供をしています。
主な売上収益は、アスクルグループの物品販売サービス、「ZOZOTOWN」や「Yahoo!オークション」等のeコマース関連サービスであり、以下のとおり収益を認識しています。
a. アスクルグループの物品販売サービス
アスクルグループは、オフィス関連商品等の販売事業を行っており、主な顧客は中小企業等の法人および個人ユーザーになります。物品販売の収益は、顧客が物品の使用を指図し、当該物品から残りの便益のほとんど全てを獲得する能力を有することとなる、顧客が物品に対する支配を獲得した時点で認識しています。
b. 「ZOZOTOWN」
主に「ZOZOTOWN」内にテナント形式で出店する各ブランドの代理人として、個人ユーザー向けに商品の受託販売を行っており、顧客が物品に対する支配を獲得した時点で、商品取扱高に各手数料率を乗じた受託販売手数料を収益として認識しています。
c. 「Yahoo!オークション」
個人ユーザーや法人向けにネットオークションサービスを提供しており、オークション取引が成立した時点で、落札金額に応じた出品者に対する落札システム利用料を収益として認識しています。
(14) 退職給付
当社グループでは主に確定拠出制度を採用しています。
確定拠出制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した基金に拠出し、その拠出額以上の支払いについて法的または推定的債務を負わない退職給付制度です。
確定拠出制度への拠出は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識し、未払拠出額を債務として認識しています。
(15) 法人所得税
法人所得税は当期税金および繰延税金から構成され、企業結合から生じる税金、およびその他の包括利益または直接資本に認識する項目から生じる税金を除き、純損益で認識しています。
① 当期税金
当期税金は税務当局に対する納付または税務当局からの還付が予想される金額で測定し、税額の算定は、当連結会計年度末に制定または実質的に制定されている税率および税法を使用しています。
② 繰延税金
繰延税金資産は、将来減算一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除について、将来の課税所得により使用できる可能性が高い範囲内で認識しています。また、繰延税金資産は各四半期末に回収可能性の見直しを実施しています。繰延税金負債は、原則として将来加算一時差異について認識しています。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産または負債を認識していません。
・企業結合以外の取引で、かつ会計上の利益にも課税所得にも影響を及ぼさない取引における資産または負債の当初認識から生じる一時差異
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・子会社および関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異のうち、予測可能な将来に当該一時差異が解消する可能性が高くない場合または当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が高くない場合
・子会社および関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、一時差異の解消時期をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産および負債は、当連結会計年度末に制定または実質的に制定されている法律に基づいて、当該資産が実現されるまたは負債が決済される時点において適用されると予測される税率を用いて測定しています。
繰延税金資産および負債は、当期税金資産および負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ、法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しています。
IAS第12号(改訂)の一時的な救済措置に応じて、第2の柱モデルルールの法人所得税に係る繰延税金資産および繰延税金負債に関する認識および情報の開示に対する例外規定を適用しています。
(16) 自己株式
自己株式を取得した場合は、直接取引費用を含む税効果考慮後の支払対価を、資本の控除項目として認識しています。自己株式の購入、売却または消却において損益は認識していません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本剰余金として認識しています。
(17) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。
希薄化後1株当たり当期利益は、全ての希薄化効果のある潜在株式が転換されたと仮定して、親会社の所有者に帰属する当期利益および自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数を調整することにより算定しています。
(18) 政府補助金
政府補助金は、補助交付のための付帯条件を満たし、補助金を受領することについて合理的な保証が得られた時に認識しています。収益に関する政府補助金は、補助金により保証される費用が認識される期間にわたって、純損益として認識しています。純損益として認識された補助金については、関連する費用から控除しています。資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しています。
(19) 会計方針の変更
当社グループが当連結会計年度より適用している基準書および解釈指針は以下のとおりです。
IAS第12号(改訂)「法人所得税」の適用が、前連結会計年度および当連結会計年度の連結財務諸表(連結財務諸表
注記を除く)に与える重要な影響はありません。
なお、同基準改正の適用に伴い、単一の取引から生じた資産及び負債に係る同額の繰延税金資産および繰延税
金負債の認識を行った結果、連結財務諸表注記において、前連結会計年度を遡及して修正を行っています。詳細は「15. 法人所得税 (1) 繰延税金」をご参照ください。
4. 見積り及び判断の利用
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は会計方針の適用および資産、負債、収益、費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り、仮定を設定することが義務付けられています。実際の業績はこれらの見積りと異なる場合があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間および将来の会計期間において認識しています。
会計方針の適用に際して行う判断のうち、連結財務諸表上で認識する金額に最も重要な影響を与える事項は以下のとおりです。
・子会社および関連会社の範囲の決定(「3. 重要性がある会計方針 (1)」)
当連結会計年度末および翌連結会計年度において重要な修正をもたらすリスクのある将来に係る仮定および当連結会計年度末におけるその他の見積りの不確実性に関する事項は、主に以下のとおりです。
・企業結合により取得した資産および引き受けた負債の公正価値の見積り(「3. 重要性がある会計方針 (1)」、「5.企業結合」)
・有形固定資産、使用権資産、のれんおよび無形資産の減損に関する見積り(「3. 重要性がある会計方針 (1) (9)」、「13. のれん及び無形資産」)
・関連会社株式の減損に関する見積り(「3. 重要性がある会計方針 (1)」)
・金融商品の公正価値の測定方法(「3. 重要性がある会計方針 (3)」、「31. 金融商品の公正価値」)
・償却原価で測定する金融資産、FVTOCIの負債性金融資産および貸出コミットメント等の減損に関する見積り(「3. 重要性がある会計方針 (3)」)
・有形固定資産、使用権資産および無形資産の耐用年数および残存価額の見積り(「3. 重要性がある会
計方針 (6) (7)(8)」)
・引当金の認識・測定における判断および見積り(「3. 重要性がある会計方針 (10)」、「21. 引当
金」)
・ストック・オプションの公正価値(「3. 重要性がある会計方針 (12)」、「29. 株式に基づく報酬」)
・収益の認識・測定における判断および見積り(「3. 重要性がある会計方針 (13)」、「33.売上収
益」)
・繰延税金資産の回収可能性(「3. 重要性がある会計方針 (15)」、「15. 法人所得税」)
5. 企業結合
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
PayPay(株)
(1) 企業結合の概要
2022年10月1日付で、株式交付(以下本株式交付という。)の効力が発生し、Bホールディングス(株)はPayPay(株)の普通株式を譲り受け、PayPay(株)はBホールディングス(株)の連結子会社となり、また当社は、ソフトバンク(株)とのBホールディングス(株)を対象会社とする株主間契約(以下本株主間契約という。)においてBホールディングス(株)の過半数の取締役の指名権を保有することとなるため、PayPay(株)は当社の連結子会社となりました。
当社グループは、2021年3月に実施した当社とLINE(株)との経営統合以来、日常生活に欠かせない「情報と人をつなぐ(Yahoo! JAPAN)」「人と人をつなぐ(LINE)」「人と金融サービスをつなぐ(PayPay)」という3つの起点を中心に、多様なグループ会社とのシナジーを通じて、様々な社会課題の解決に取り組んでまいりました。各グループ企業が連携することで、他のグローバルIT企業とは一線を画した独自の経済圏を確立し、世界をリードするAIテックカンパニーへと成長することを目指しています。3つの起点のうちの1つであるPayPay(株)が提供するキャッシュレス決済サービスのPayPayは、サービス開始から4年6カ月で登録ユーザー数5,664万人、登録箇所数410万ヵ所(注)に利用していただき、社会インフラとして急速な成長を遂げています。PayPay(株)は、これまではソフトバンクグループ(株)を親会社とし、当社グループならびにソフトバンク(株)らの株主が強みを持ち寄り成長を遂げてきました。本取引を通じ、当社とソフトバンク(株)によりBホールディングス(株)を共同経営し、PayPay(株)を連結子会社化することで、更なる社会課題の解決はもとより、当社グループおよびPayPay(株)の企業価値の最大化に資すると考え、この度当社は、本取引の実行判断に至りました。
(注) 2023年3月末時点(PayPayへの登録箇所数の累計)
(2) 被取得企業の概要
(3) 支配獲得日
2022年10月1日
(4) 取得した議決権付資本持分の割合
LINEヤフー株式会社(旧会社名:Zホールディングス株式会社、以下LINEヤフー(株)とする)のPayPay(株)に対する持分割合5.9%(実質保有割合5.9%)
Bホールディングス(株)のPayPay(株)に対する持分割合57.9%(実質保有割合29.0%)
(当社の実質保有割合の合計34.9%)
なお、Bホールディングス(株)が、株式交付計画に基づいて、ソフトバンク(株)およびZホールディングス中間(株)に対して、PayPay(株)の普通株式1株に対してBホールディングス(株)のA種類株式1株を割当て交付していることから、実質的にZホールディングス中間(株)が保有していたPayPay株式を取得対価とした連結子会社化という取引の実態を重視してLINEヤフー(株)およびZホールディングス中間(株)がBホールディングス(株)を通じて保有するPayPay(株)に対する実質的な保有割合に基づき会計処理を行っています。
(5) 支配獲得日における取得対価、取得資産および引受負債の公正価値、非支配持分およびのれん
(注)1 暫定的な金額の修正
取得対価は、支配獲得日における公正価値を基礎として、取得した資産および引き受けた負債に配分しています。前連結会計年度において、取得対価の配分が完了しています。取得した資産および引き受けた負債のそれぞれの合計について、当初の暫定的な金額と最終的な金額の間に重要な変動はありません。
2 無形資産
識別可能な無形資産51,368百万円が含まれています。内容は顧客関係で、見積耐用年数は10年です。また、企業結合により識別した無形資産は、見積将来キャッシュ・フロー、割引率、既存顧客の逓減率から生み出される将来売上収益、ロイヤルティレート等の仮定に基づいて測定しています。
3 非支配持分
非支配持分は、支配獲得日における識別可能な純資産に企業結合後の非支配持分比率を乗じて測定しています。
4 のれん
今後の事業展開や当社グループと被取得企業とのシナジーにより期待される将来の超過収益力を反映したものです。
(6) 企業結合に伴う再測定益
当社はPayPay(株)の連結子会社化に伴い、当社が既に保有していたPayPay(株)に対する資本持分を支配獲得日の公正価値で再測定した結果、前連結会計年度において、147,321百万円の再測定益を認識しています。この利益は連結損益計算書上「企業結合に伴う再測定益」に計上しています。
(7) 企業結合に係る支配獲得日以降の損益情報
前連結会計年度の連結損益計算書に認識している当該支配獲得日以降における被取得企業の売上収益は66,232百万円、当期損失は15,971百万円です。
(8) プロフォーマ情報(非監査情報)
上記の企業結合が前連結会計年度期首に完了したと仮定した場合の当社グループのプロフォーマ情報は売上収益1,720,480百万円、当期利益175,313百万円です。プロフォーマ情報には、実際の支配獲得日に認識した無形資産の償却費の増加および企業結合に伴う再測定益等が反映されています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度に生じた重要な企業結合はありません。
6. セグメント情報
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、「メディア事業」、「コマース事業」および「戦略事業」の3つを報告セグメントとしています。
「メディア事業」は、主に広告商品の企画・販売・掲載をするための各サービスの企画・運営、情報掲載サービスの提供およびその他法人向けサービスの提供をしています。
「コマース事業」は、主に中小企業や個人向けにインターネットを介して商品の販売やサービスの企画・提供をしています。
「戦略事業」は、主に決済金融関連サービスの提供をしています。
「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、クラウド関連サービス等を含みます。
各報告セグメントの会計方針は、「3.重要性がある会計方針」で参照している当社グループの会計方針と同一です。セグメント利益は連結損益計算書の営業利益と調整を行っており、セグメント利益の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社費用です。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費です。セグメント間の売上収益は市場実勢価格に基づいています。
なお、2024年3月期第1四半期より、サービスの効率的な提供に重点を置き、迅速に市場の変化に対応するため、一部のサービスおよび子会社をセグメント間で移管しています。主な変更内容は、その他に区分されていたヤフー(株)のデータソリューションサービスおよび子会社であるdely(株)のサービスをメディア事業に移管し、また、その他および調整額に配賦していたLINE(株)およびその子会社に関する費用の一部をメディア事業、コマース事業および戦略事業に配賦しています。
また、2023年10月1日付のグループ内再編に伴い、2024年3月期第3四半期より一部のサービスおよび費用をセグメント間で移管しています。主な変更内容は、コマース事業に区分されていたプレミアム会員、戦略事業に区分されていた「LINE Search」およびその他に区分されていたメールサービスをメディア事業に移管し、調整額に計上されていたスタッフ部門およびテクノロジー部門の人件費、データセンターおよび社内インフラに関わる費用をメディア事業、コマース事業、戦略事業およびその他に配賦しています。
これらに伴い、前連結会計年度のセグメント情報を修正再表示しています。
当社グループのセグメント情報は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1 使用権資産償却費を含みます。
2 2023年10月1日付のグループ内再編に伴い、科目振替の方針を変更したことにより減価償却費及び償却費を遡及修正しています。
3 「メディア事業」のセグメント利益には、企業結合に伴う再測定益9,180百万円を含みます。(「36. 企業結合に伴う再測定益」参照)
4 「戦略事業」のセグメント利益には、企業結合に伴う再測定益147,321百万円を含みます。(「36. 企業結合に伴う再測定益」参照)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 使用権資産償却費を含みます。
2 「戦略事業」のセグメント損失には、減損損失12,242百万円を含みます。(「35. 減損損失」参照)
3 「戦略事業」のセグメント損失には、事業分離における移転利益10,458百万円を含みます。(「37. 事業分離における移転利益」参照)
4 「コマース事業」のセグメント利益には、受取損害賠償金9,426百万円を含みます。(「38. 受取損害賠償金」参照)
5 「コマース事業」のセグメント利益には、子会社の支配喪失に伴う利益5,071百万円を含みます。(「39. 子会社の支配喪失に伴う利益」参照)
(2) サービス別情報
サービス別の外部収益については、「33. 売上収益」に記載のとおりです。
7. 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりです。
(注) 当連結会計年度の現金及び現金同等物のうち利用が制限されている資産は256,605百万円(前連結会計年度361,197百万円)です。主な内容は、銀行事業を営む子会社の日銀預け金です。銀行事業を営む子会社は「準備預金制度に関する法律」により、受け入れている預金等の一定比率以上の金額(法定準備預金額)を日本銀行に預け入れる義務があり、法定準備預金額以上の金額を日本銀行に預け入れています。
8. 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりです。
当社グループは、資金決済法の規制を受けます。そのため、当該法律にて定められた一定の金額を、金銭もしくは国債で法務局に供託するか、金融機関と保証契約を締結することが要求されています。追加の供託をした場合には、当該拠出は保証金として計上されることとなり、金融機関との信用保証契約により対応した場合には、当該金額に契約上の保証料率を乗じた額が保証料として発生します。
当社グループは、資金決済法に準拠するため、一部の供託実施と、銀行との間に信用保証契約を締結しています。
9. 銀行事業の有価証券
銀行事業の有価証券の内訳は、以下のとおりです。
(注) 銀行事業を営む子会社において、主に資金調達や為替決済の担保として資産を差し入れています。銀行事業の有価証券のうち、銀行事業を営む子会社が差し入れた資産の帳簿価額は当連結会計年度で186,847百万円(前連結会計年度97,265百万円)です。
10. その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は、以下のとおりです。
(注) 銀行事業を営む子会社において、為替決済等の担保として中央清算機関に対して差し入れている現金です。
11. 有形固定資産
有形固定資産の帳簿価額の増減および取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額は、以下のとおりです。
帳簿価額
取得原価
減価償却累計額および減損損失累計額
12. 使用権資産
使用権資産の帳簿価額の増減および取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額は、以下のとおりです。
使用権資産の帳簿価額
取得原価
減価償却累計額および減損損失累計額
13. のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の帳簿価額の増減および取得原価、償却累計額および減損損失累計額は以下のとおりです。
帳簿価額
(注) 「5.企業結合」参照
取得原価
償却累計額および減損損失累計額
商標権の一部について、事業を継続する限り基本的に存続するため、耐用年数を確定できないと判断し、償却していません。
顧客基盤は、被取得企業の企業結合時に存在した顧客から期待される将来の超過収益力を反映したものです。
償却費は、連結損益計算書上、「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に含めて表示しています。
前連結会計年度および当連結会計年度において費用として認識した研究開発費は、それぞれ39,054百万円、42,332百万円です。
当連結会計年度における、ソフトウェアに関連する自己創設無形資産の帳簿価額は91,813百万円(前連結会計年度83,687百万円)です。
のれんおよび耐用年数を確定できない無形資産の資金生成単位グループへの配分額は、以下のとおりです。
のれん
(注) 1 メディア資金生成単位グループは、主にLINEヤフーのマーケティングソリューション資金生成単位および
LINEヤフーグループのメディア資金生成単位により構成されています。
金融資金生成単位グループは、主にPayPay資金生成単位、PayPay銀行資金生成単位およびPayPayカード
資金生成単位により構成されています。
企業結合によるシナジー効果は資金生成単位グループ全体に及んでおり、のれんはこれら資金生成単位に
対し合理的で首尾一貫した基礎により配分できないことから、メディア資金生成単位グループおよび金
融資金生成単位グループにそれぞれ配分しています。
(注) 2 資金生成単位グループを見直し、従来の「ショッピング」から、「ショッピング」、「アスクル」およ
び「ZOZO」に分割しています。
耐用年数を確定できない無形資産
(単位:百万円)
(注) 1 LINEヤフー(株)が主にYahoo!およびYahoo! JAPANに関連する日本での商標権を取得したことによるもの
です。
(注) 2 資金生成単位グループを見直し、従来の「ショッピング」から、「ショッピング」、「アスクル」およ
び「ZOZO」に分割しています。
上記ののれんおよび耐用年数を確定できない無形資産の減損テストにおける回収可能価額は、金融資金生成単位グループ、アスクル資金生成単位グループおよびZOZO資金生成単位グループは処分コスト控除後の公正価値、その他の資金生成単位グループは使用価値に基づき算定しています。
使用価値は、経営者が承認した事業計画と成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しています。事業計画は原則として5年を限度としており、業界の将来の趨勢に関する経営者の評価と過去のデータを反映したものであり、外部情報および内部情報に基づき作成しています。永続成長率は資金生成単位が属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案して決定しています。前連結会計年度において使用した永続成長率は0.9%、当連結会計年度において使用した永続成長率は1.5%です。また、使用価値の測定で使用した税引前割引率は、前連結会計年度は4.8~12.0%、当連結会計年度は8.2~11.7%です。
金融資金生成単位グループにおける処分コスト控除後の公正価値は、主に割引キャッシュ・フロー法によって算定しています。
割引キャッシュ・フロー法における継続価値の算定は、類似企業のEV/EBITDA倍率を参照し算定しており、将来キャッシュ・フローの算定は、経営者が承認した事業計画と成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しています。事業計画は原則として10年を限度としており、業界の将来の趨勢に関する経営者の評価と過去のデータを反映したものであり、外部情報および内部情報に基づき作成しています。前連結会計年度において使用した税引前割引率は26.7%、EV/EBITDA倍率は13.2倍、当連結会計年度において使用した税引前割引率は22.4%、EV/EBITDA倍率は10.0倍です。当該公正価値の公正価値ヒエラルキーは、測定に用いた重要なインプットに基づきレベル3に該当します。
アスクル資金生成単位グループおよびZOZO資金生成単位グループにおける処分コスト控除後の公正価値は、活発な市場における相場価格を用いて測定しています。当該公正価値の公正価値ヒエラルキーはレベル1に該当します。
資金生成単位グループについて、使用価値および処分コスト控除後の公正価値は当該資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、減損テストに用いた主要な仮定について合理的な範囲で変動があった場合にも、回収可能価額が帳簿価額を下回ることはないと考えています。
また、キャッシュ・フローの見積額の不確実性について、事業計画に含めて測定をしています。
14. 他の企業への関与の開示
(1) 子会社
当社の主要な子会社の状況は、以下のとおりです。
(注) 1 「議決権所有割合」欄の(内書)は間接所有割合です。
2 当社はアスクル(株)の議決権の過半数を保有していませんが、議決権の分散状況および過去の株主総会の投票パターン等を勘案した結果、当社がアスクル(株)を実質的に支配していると判断し、同社を子会社としています。
3 当社はPayPay銀行(株)の議決権の過半数を保有していませんが、同社の取締役会の構成員の過半数を占めているため、実質的に支配していると判断し、同社を子会社としています。
4 当社は、2023年10月1日付で、当社を吸収合併存続会社、ヤフー(株)を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行い、ヤフー(株)は同日付で消滅しています。また、2023年10月1日付で、LINE(株)を吸収分割会社、当社を吸収分割承継会社とする吸収分割を行い、LINE(株)はZ中間グローバル(株)へ商号を変更しています。
(2) 当社にとって重要な非支配持分がある子会社の要約連結財務情報等
a. 一般的情報
b. 要約連結財務情報
(注) 当連結会計年度において、アスクルグループから非支配持分に支払われた配当金は1,983百万円(前連結会計年度1,716百万円)です。
a. 一般的情報
b. 要約連結財務情報
(注) 当連結会計年度において、PayPay銀行(株)から非支配持分に支払われた配当金は418百万円(前連結会計年度840百万円)です。
a. 一般的情報
b. 要約連結財務情報
(注) 当連結会計年度において、(株)ZOZOから非支配持分に支払われた配当金は13,226百万円(前連結会計年度8,811百万円)です。
④ PayPayグループ(株)(PayPay(株)およびその傘下の会社)
a. 一般的情報
b. 要約連結財務情報
(注) 前連結会計年度の金額はPayPay(株)の支配獲得日以降の売上収益、当期利益および当期包括利益です。
(注) 前連結会計年度の金額はPayPay(株)の支配獲得日以降のキャッシュ・フローです。
(3) 持分法で会計処理されている投資
個々に重要性のない持分法で会計処理されている投資の帳簿価額は、以下のとおりです。
個々に重要性のない持分法で会計処理されている投資に関する財務情報は、以下のとおりです。
(4) ストラクチャード・エンティティ
当社グループは、国内外での投資活動を行うため、投資事業組合等を通じて投資活動を行っています。投資事業組合は、組合員たる投資家から資金を集め、出資先企業に対し主として出資の形で資金を供給する組合であり、支配しているかを決定する際の決定的要因が議決権でないように組成されています。
また、非連結のストラクチャード・エンティティとして、投資先の選定等の経営方針について支配していない投資事業組合等への投資を行っています。非連結のストラクチャード・エンティティについては、資産および負債に対して財務的支援を提供する取り決め等は行っていません。
当社グループが非連結のストラクチャード・エンティティへの関与により晒されている損失の最大エクスポージャーは以下のとおりです。
当該最大エクスポージャーは、投資の帳簿価額および追加投資に係るコミットメントの合計額に限定されます。
連結財政状態計算書上、投資の帳簿価額は「その他の金融資産」、「持分法で会計処理されている投資」に含めて表示しています。
なお、当該最大エクスポージャーは、生じ得る最大の損失額を示すものであり、その発生可能性を示すものではありません。
15. 法人所得税
繰延税金資産および繰延税金負債の変動の内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注1) 従業員給付に係る負債には、賞与および有給休暇にかかる負債を含みます。
(注2) 当社グループは当連結会計年度よりIAS第12号 法人所得税(2021年5月改訂)を適用し、単一の
取引から生じた資産および及び負債に係る同額の繰延税金資産および繰延税金負債をそれぞれ
認識しています。当該会計方針の変更に伴い、前連結会計年度の数値を遡及して修正しています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 従業員給付に係る負債には、賞与および有給休暇にかかる負債を含みます。
当社グループにおいて、損失が生じている納税主体に帰属している繰延税金資産は前連結会計年度末29,646百万円、当連結会計年度末31,976百万円です。これらの繰延税金資産については、将来の課税所得により使用できる可能性が高い範囲で認識しています。
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異および繰越欠損金(繰越期限別内訳)は以下のとおりです。なお、将来減算一時差異および繰越欠損金は税額ベースです。
繰延税金負債を認識していない子会社等に対する持分に係る将来加算一時差異の総額(所得ベース)は、前連結会計年度末1,666,050百万円、当連結会計年度末353,789百万円です。
法人所得税の内訳は以下のとおりです。
(注) 1 当期税金費用には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除または過去の期間の一時差異か
ら生じた便益の額が含まれています。これに伴う当期税金費用の減少額は、当連結会計年度におい
て5,566百万円です。
(注) 2 繰延税金費用には、繰延税金資産の評価減または以前に計上した評価減の戻入により生じた費用の
額が含まれています。これに伴う繰延税金費用の減少額は、当連結会計年度において23,400百万円
です。
各年度の法定実効税率と実際負担税率との調整は以下のとおりです。実際負担税率は税引前利益に対する法人所得税割合を表示しています。
(注) 1 主に2023年10月1日付で実施したグループ内再編に伴い、繰延税金資産の回収可能性の見直し等を
行った影響により、当連結会計年度はマイナス調整となりました。
経済協力開発機構(OECD)が公表した第2の柱に係る法制が、当社グループが事業活動を行っている一部の国・
地域で制定、または実質的に制定されています。日本では令和5年度税制改正において、グローバル・ミニマム
課税に対応する法人税が創設され、それに係る規定を含めた税制改正法(「所得税法等の一部を改正する法律」(
令和5年法律第3号))(以下、改正法人税法)が2023年3月28日に成立しています。改正法人税法では、グロー
バル・ミニマム課税ルールのうち、所得合算ルール(IIR)が導入され、2024年4月1日以後開始事業年度より、
日本に所在する親会社の子会社等の税負担が最低税率(15%)に至るまで、日本に所在する親会社に対して追加で
上乗せ課税されることになりますが、これらが当社グループの連結財務諸表へ与える影響は軽微であると判断し
ています。
16. その他の資産
その他の資産の内訳は、以下のとおりです。
(注)1「17. 売却目的保有に分類された処分グループ」参照
(注)2 財又はサービスが顧客へ移転した時点で収益の減額処理を要する、顧客に支払われた対価です。
17. 売却目的保有に分類された処分グループ
当社の子会社でありバリューコマース株式を保有する Zホールディングス中間(株)(以下、ZHD中間という。)は、バリューコマースとの間で、ZHD中間が保有するバリューコマース普通株式の一部をバリューコマースが実施する自己株式の公開買付けに応募する旨の公開買付応募契約を2024年3月11日付で締結しました。これに伴い、当社の子会社ではなくなる可能性が非常に高まったため、バリューコマースグループの資産および負債を売却目的保有に分類された処分グループに分類しています。当該処分グループは、売却コスト控除後の公正価値(売却予定価額)が帳簿価額を上回っているため、帳簿価額で測定しています。
なお、2025年3月期第1四半期において、当社の子会社から除外となります。
当社の子会社でありLINE NEXT株式を保有する Z中間グローバル(株)およびLINE NEXTは、CrescendoおよびCrescendoが主導するコンソーシアムとの間で、総額約200億円のLINE NEXTの新株引受契約を締結しました。これに伴い、当社の子会社ではなくなる可能性が非常に高まったため、LINE NEXTグループの資産および負債を売却目的保有に分類された処分グループに分類しています。当該処分グループは、売却コスト控除後の公正価値(売却予定価額)が帳簿価額を上回っているため、帳簿価額で測定しています。
なお、2025年3月期第1四半期において、当社の子会社から除外となります。
(注) 連結財政状態計算書上、「その他の資産」に含めて表示しています。
(注) 連結財政状態計算書上、「その他の負債」に含めて表示しています。
18. 営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 当社グループのキャッシュレス決済サービスにおいてユーザーがチャージした残高および決済サービスの利用等によって付与した外部サービス利用が見込まれるポイント残高を含めています。
(注) 2 金融機関による支払代行にかかる未払金 70,481百万円(前連結会計年度64,704百万円)を含みます。短期かつ正常営業循環の範囲内であるため未払金としています。
19. 銀行事業の預金
銀行事業の預金の内訳は、以下のとおりです。
20. 有利子負債
有利子負債の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 平均利率は、当連結会計年度末の残高に対する加重平均利率を記載しています。
2 返済期限は、当連結会計年度末の残高に対する返済期限を記載しています。
3 社債の発行条件の要約は、以下のとおりです。
(注) (内書)は、1年以内の償還予定額です。
21. 引当金
引当金の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 各引当金の詳細は「3. 重要性がある会計方針」に記載のとおりです。
2 「その他」の引当金は、主にポイント引当金です。
引当金の増減内容は、以下のとおりです。
22. 購入コミットメント
当連結会計年度末における有形固定資産・無形資産の購入に関するコミットメントは、54,344百万円(前連結会計年度末は53,169百万円)です。主としてデータセンターに係る資産の購入に関する未履行の契約によるものです。
23. その他の負債
その他の負債の内訳は、以下のとおりです。
(注) 「17. 売却目的保有に分類された処分グループ」参照
24. 退職給付
当社および一部の子会社は、主に確定拠出年金制度を採用しています。
確定拠出制度に係る退職給付費用は、以下のとおりです。
25. リース取引
(借手側)
(1)使用権資産
使用権資産に係る資産クラス毎の帳簿価額の内訳、使用権資産の減価償却費、使用権資産の増加額は、「12. 使用権資産」をご参照ください。
(2)キャッシュ・アウトフロー
リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、「46. 連結キャッシュ・フロー計算書の補足情報」をご参照ください。
(3)リース負債
リース負債に係る最低支払リース料総額の内訳は、「30. 金融商品 (2) 財務リスク管理 ③ 流動性リスク 金融負債の期日別残高」をご参照ください。
リース負債に係る金融費用は、「46. 連結キャッシュ・フロー計算書の補足情報」をご参照ください。
(4)リース活動の性質
当社グループは、主に資金の効率的な運用を目的として、データセンター、事務所、物流倉庫等のリース取引を行っています。
リース契約の一部については、事業上の柔軟性を高めるため、解約オプションおよび延長オプションが付与されています。当該オプションの多くは一定の事前通知期間の後に当社グループのみが行使できるオプションです。リース期間を決定する際に、延長オプションを行使するまたは解約オプションを行使しない経済的インセンティブを創出する全ての事実および状況を検討しており、この評価は当該評価に影響を与えるような事象または状況の重大な変化が発生した場合に見直されます。
リースにより保有する主要な使用権資産の原資産クラス毎の主なリース期間は、以下のとおりです。
・データセンター 3~28年
・事務所 2~15年
・物流倉庫 1~20年
なお、データセンター、事務所および物流倉庫は、主に有形固定資産の「建物および構築物」に該当するものです。
(5)借手が契約しているがまだ開始していないリース
当社グループの一部の契約は、定期建物賃貸借予約契約を締結しているものの、リース期間がまだ開始していないために、現状のリース負債の測定に反映されていません。当該リース契約により保有する使用権資産の原資産クラスは主に物流倉庫であり、翌連結会計年度にリースの開始日を迎え、リース期間は3年~10年です。翌連結会計年度以降の総支払予定額は15,634百万円です。
26. 流動・非流動の区分
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
27. 資本金及びその他の資本項目
(1) 資本金および自己株式
当社の授権株式数および発行済株式数は以下のとおりです。
(注) 1 新株予約権の行使、および譲渡制限付株式の発行、ならびに株式給付信託(J-ESOP)、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託導入に伴う有償第三者割当募集株式発行による増加です。
2 新株予約権の行使による増加です。
上記の発行済株式数に含まれる自己株式数は、それぞれ前連結会計年度末103,047,215株、当連結会計年度末 103,150,424株です。なお、株式給付信託(J-ESOP)、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式は、それぞれ前連結会計年度末33,773,403株、当連結会計年度末32,948,954株となり、上記自己株式に含めていません。
(2) 剰余金
① 資本剰余金
会社法では、株式の発行に対しての払込み又は給付に係る額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれる資本準備金に組み入れることが規定されています。資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
② 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金および利益剰余金に含まれる利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金または利益準備金として積み立てることが規定されています。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
28. 配当金
配当金の総額は以下のとおりです。
また、配当の効力発生日が翌年度となるものは以下のとおりです。
29. 株式に基づく報酬
当社および一部の子会社は、株式に基づく報酬として、ストック・オプション制度、役員報酬BIP信託を用いた株式報酬制度、株式交付制度、株式給付信託(J-ESOP)および譲渡制限付株式報酬制度を導入しています。譲渡制限付株式報酬制度は重要性が乏しいため制度の内容に関わる記載を省略しています。
株式に基づく報酬は、各社の株主総会・取締役会において承認された内容に基づき、各社の役員および従業員に付与しています。
株式に基づく報酬は、持分決済型株式報酬および現金決済型株式報酬として会計処理しています。
① 制度の内容
当連結会計年度において存在する当社のストック・オプション制度は、以下のとおりです。なお、一部の子会社の発行するストック・オプションは重要性が乏しいため、開示を省略しています。
当社は当社または当社子会社の役員および従業員に対し、ストック・オプションを付与しています。ストック・オプションの行使により付与される株式は、当社が発行する株式です。
(注) 1 当社関係会社の役職員に対して発行する新株予約権
2019年12月23日に締結された経営統合後の当社グループのガバナンス・運営等について定めた資本提携契約書に基づき、Aホールディングス(株)(旧社名:LINE(株))および同社の関係会社の役職員を対象として発行していたストック・オプションと同等の規模感を持つ代替の報酬制度として、当社および当社の関係会社の役職員を対象に当社が新たに発行したストック・オプションです。
(注) 2 権利確定条件
① 新株予約権者は、権利行使時においても当社又は当社の関係会社(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則に定める関係会社をいう。以下同じ。)の取締役の地位にあることを要する。但し、当社又は当社の関係会社における取締役の地位を任期満了により退任した場合又は当社が正当な理由があると認めた場合はこの限りでない。
② 当社普通株式の株価が以下の(イ)から(ハ)に定める条件を満たす場合に限り、当該(イ)から(ハ)に掲げる個数の新株予約権を行使することができます。
(イ) 2022年7月29日から2025年7月29日までの間のいずれの日においても、当該日を含む直前営業日10日間(当社普通株式の普通取引が成立しない日を除く。以下(イ)から(ハ)において同じ。)の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値の平均値が、640円(以下、基準株価という。)を超える場合
割当てを受けた新株予約権の総数の20%
(ロ) 2023年7月29日から2026年7月29日までの間のいずれの日においても、当該日を含む直前営業日10日間の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値の平均値が、基準株価を超える場合
割当てを受けた新株予約権の総数の30%
(ハ) 2024年7月29日から2027年7月29日までの間のいずれの日においても、当該日を含む直前営業日10日間の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値の平均値が、基準株価を超える場合
割当てを受けた新株予約権の総数の50%
③ 権利行使期間(2022年7月29日から2029年7月8日とする。但し、行使期間の最終日が当社の休日に当たるときは、その前営業日を最終日とする。)にかかわらず、新株予約権者は、新株予約権を、次の各号に掲げる期間(いずれの期間も、初日および末日を含むものとする。)において、すでに行使した新株予約権を含めて当該各号に掲げる限度において行使することができます。この場合において、かかる割合に基づき算出される行使可能な新株予約権の個数につき1個未満の端数が生ずる場合には、かかる端数を切り捨てた個数の新株予約権についてのみ行使することができるものとします。
A.2022年7月29日~2029年7月8日:新株予約権者が割当てを受けた新株予約権の総数の20%行使可能
B.2023年7月29日~2029年7月8日:新株予約権者が割当てを受けた新株予約権の総数の50%行使可能
C.2024年7月29日~2029年7月8日:新株予約権者が割当てを受けた新株予約権の総数の100%行使可能
(注) 3 権利確定条件
① 新株予約権者は、権利行使時においても当社又は当社の関係会社の取締役、監査役、執行役、執行役員又は従業員のいずれかの地位にあることを要する。但し、当社又は当社の関係会社における取締役、監査役又は執行役の地位を任期満了により退任した場合又は当社が正当な理由があると認めた場合はこの限りでない。
② 権利行使期間(2022年7月29日から2029年7月8日とする。但し、行使期間の最終日が当社の休日に当たるときは、その前営業日を最終日とする。)にかかわらず、新株予約権者は、新株予約権を、次の各号に掲げる期間(いずれの期間も、初日および末日を含むものとする。)において、すでに行使した新株予約権を含めて当該各号に掲げる限度を原則とする個数において行使することができます。この場合において、かかる割合に基づき算出される行使可能な新株予約権の個数につき1個未満の端数が生ずる場合には、かかる端数を切り捨てた個数の新株予約権についてのみ行使することができるものとします。
A.2022年7月29日~2029年7月8日:新株予約権者が割当てを受けた新株予約権の総数の20%行使可能
B.2023年7月29日~2029年7月8日:新株予約権者が割当てを受けた新株予約権の総数の50%行使可能
C.2024年7月29日~2029年7月8日:新株予約権者が割当てを受けた新株予約権の総数の100%行使可能
(注) 4 権利確定条件
① 新株予約権者は、権利行使時においても当社又は当社の関係会社の取締役の地位にあることを要する。但し、当社又は当社の関係会社における取締役の地位を任期満了により退任した場合又は当社が正当な理由があると認めた場合はこの限りでない。
② 新株予約権者は、当社普通株式の株価が以下の(イ)から(ハ)に定める条件を満たす場合に限り、当該(イ)から(ハ)に掲げる個数の新株予約権を行使することができます。
(イ) 2023年11月5日から2026年11月5日までの間のいずれの日においても、当該日を含む直前営業日10日間(当社普通株式の普通取引が成立しない日を除く。以下(イ)から(ハ)において同じ。)の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値の平均値が、640円(以下、基準株価という。)を超える場合
割当てを受けた新株予約権の総数の20%
(ロ) 2024年11月5日から2027年11月5日までの間のいずれの日においても、当該日を含む直前営業日10日間の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値の平均値が、基準株価を超える場合
割当てを受けた新株予約権の総数の30%
(ハ) 2025年11月5日から2028年11月5日までの間のいずれの日においても、当該日を含む直前営業日10日間の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値の平均値が、基準株価を超える場合
割当てを受けた新株予約権の総数の50%
③ 権利行使期間(2023年11月5日から2030年11月5日とする。但し、行使期間の最終日が当社の休日に当たるときは、その前営業日を最終日とする。)にかかわらず、新株予約権者は、新株予約権を、次の各号に掲げる期間(いずれの期間も、初日および末日を含むものとする。)において、すでに行使した新株予約権を含めて当該各号に掲げる限度において行使することができます。この場合において、かかる割合に基づき算出される行使可能な新株予約権の個数につき1個未満の端数が生ずる場合には、かかる端数を切り捨てた個数の新株予約権についてのみ行使することができるものとします。
A.2023年11月5日~2030年11月5日:新株予約権者が割当てを受けた新株予約権の総数の20%行使可能
B.2024年11月5日~2030年11月5日:新株予約権者が割当てを受けた新株予約権の総数の50%行使可能
C.2025年11月5日~2030年11月5日:新株予約権者が割当てを受けた新株予約権の総数の100%行使可能
(注) 5 権利確定条件
① 新株予約権者は、権利行使時においても当社又は当社の関係会社の取締役、監査役、執行役、執行役員又は従業員のいずれかの地位にあることを要する。但し、当社又は当社の関係会社における取締役、監査役又は執行役の地位を任期満了により退任した場合又は当社が正当な理由があると認めた場合はこの限りでない。
② 権利行使期間(2023年11月5日から2030年11月5日とする。但し、行使期間の最終日が当社の休日に当たるときは、その前営業日を最終日とする。)にかかわらず、新株予約権者は、新株予約権を、次の各号に掲げる期間(いずれの期間も、初日および末日を含むものとする。)において、すでに行使した新株予約権を含めて当該各号に掲げる限度を原則とする個数において行使することができます。この場合において、かかる割合に基づき算出される行使可能な新株予約権の個数につき1個未満の端数が生ずる場合には、かかる端数を切り捨てた個数の新株予約権についてのみ行使することができるものとします。
A.2023年11月5日~2030年11月5日:新株予約権者が割当てを受けた新株予約権の総数の20%行使可能
B.2024年11月5日~2030年11月5日:新株予約権者が割当てを受けた新株予約権の総数の50%行使可能
C.2025年11月5日~2030年11月5日:新株予約権者が割当てを受けた新株予約権の総数の100%行使可能
(注) 6 権利確定条件
① 新株予約権者は、権利行使時においても当社又は当社の関係会社の取締役、監査役、執行役、執行役員又は従業員のいずれかの地位にあることを要する。但し、当社又は当社の関係会社における取締役、監査役、執行役の地位を任期満了により退任した場合又は当社が正当な理由があると認めた場合はこの限りでない。
② 新株予約権者は、当社普通株式の株価が以下の(イ)から(ハ)に定める条件を満たす場合に限り、当該(イ)から(ハ)に掲げる個数の新株予約権を行使することができます。
(イ) 2024年11月11日から2027年11月11日までの間のいずれの日においても、当該日を含む直前営業日10日間(当社普通株式の普通取引が成立しない日を除く。以下(イ)から(ハ)において同じ。)の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値の平均値が、640円(以下、基準株価という。)を超える場合
割当てを受けた新株予約権の総数の20%
(ロ) 2025年11月11日から2028年11月11日までの間のいずれの日においても、当該日を含む直前営業日10日間の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値の平均値が、基準株価を超える場合
割当てを受けた新株予約権の総数の30%
(ハ) 2026年11月11日から2029年11月11日までの間のいずれの日においても、当該日を含む直前営業日10日間の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値の平均値が、基準株価を超える場合
割当てを受けた新株予約権の総数の50%
③ 権利行使期間(2024年11月11日から2031年10月24日とする。但し、行使期間の最終日が当社の休日に当 たるときは、その前営業日を最終日とする。)にかかわらず、新株予約権者は、新株予約権を、次の各号に掲げる期間(いずれの期間も、初日および末日を含むものとする。)において、すでに行使した新株予約権を含めて当該各号に掲げる限度において行使することができます。この場合において、かかる割合に基づき算出される行使可能な新株予約権の個数につき1個未満の端数が生ずる場合には、かかる端数を切り捨てた個数の新株予約権についてのみ行使することができるものとします。
A.2024年11月11日~2031年10月24日:新株予約権者が割当てを受けた新株予約権の総数の20%行使可能
B.2025年11月11日~2031年10月24日:新株予約権者が割当てを受けた新株予約権の総数の50%行使可能
C.2026年11月11日~2031年10月24日:新株予約権者が割当てを受けた新株予約権の総数の100%行使可能
(注) 7 権利確定条件
① 新株予約権者は、新株予約権の権利行使時においても、当社又は当社の関係会社の取締役、監査役、執行役、執行役員又は使用人の地位にあることを要します。ただし、任期満了による退任等当社取締役会が正当な理由があると認めた場合はこの限りではありません。
② 割り当てられた本新株予約権の個数の全部又は一部を行使することができる。但し、1個の本新株予約権を分割して行使することはできないものとする。
③ その他の新株予約権の行使の条件は、当社と新株予約権者との間で締結する「新株予約権割当契約書」に定められます。
期中に付与したストック・オプションについて、測定日時点の加重平均公正価値と公正価値の測定方法は、以下のとおりです。
前連結会計年度において、期中に付与したストック・オプションの測定日時点の加重平均公正価値は普通株式1株当たり158円です。
公正価値の測定方法は以下のとおりです。
(注)満期までの期間に応じた直近の期間の株価実績に基づき算定しています。
当連結会計年度の期中に付与されたストック・オプションはありません。
期中におけるストック・オプションの増減および期末におけるストック・オプションの状況は、以下のとおりです。
(注)(1) ストック・オプション制度 「①制度の内容」参照
なお、2024年3月31日における未行使残高の状況は以下のとおりです。
期中に権利が行使されたストック・オプションの権利行使時の加重平均株価は、以下のとおりです。
当社および一部の子会社において、取締役向け株式報酬制度を導入しています。
② 期中に付与されたポイント数およびポイントの加重平均公正価値
ポイントの付与日時点の公正価値は、付与日における当社株式の株価に近似していることから、付与日の株価を使用しています。期中に付与されたポイント数およびポイントの付与日時点の加重平均公正価値は、以下のとおりです。
当社および一部の子会社(以下、対象会社という。)において、執行役員および従業員向け株式交付制度を導入しています。
② 期中に付与されたポイント数およびポイントの加重平均公正価値
ポイントの付与日時点の公正価値は、付与日における当社株式の株価に近似していることから、付与日の株価を使用しています。期中に付与されたポイント数およびポイントの付与日時点の加重平均公正価値は、以下のとおりです。
導入時に当社の子会社であったLINE株式会社(以下、LINEという。)において、執行役員および従業員ならびにLINEの役職員向け株式給付信託(J-ESOP)を導入しています。
LINEが定めた株式給付規程に基づき、一定の要件を満たしたLINEの従業員等(LINEおよびLINE関係会社の従業員等を含むものとする。以下同じ。)に対し当社株式および当社株式を時価で換算した金額相当の金銭(以下、当社株式等という。)を給付する制度です。LINEは、LINEの従業員等に対し個人の貢献度等に応じてポイントを付与し、株式給付規程に定める一定の条件により受給権の取得をしたときに当該付与ポイントに相当する当社株式等を給付します。
株式に基づく報酬は、持分決済型株式報酬または現金決済型株式報酬として会計処理しています。
② 期中に付与されたポイント数およびポイントの加重平均公正価値
ポイントの付与日時点の公正価値は、付与日における当社株式の株価に近似していることから、付与日の株価を使用しています。期中に付与されたポイント数およびポイントの付与日時点の加重平均公正価値は、以下のとおりです。
株式に基づく報酬に係る費用
(単位:百万円)
株式に基づく報酬から生じた負債
(単位:百万円)
30. 金融商品
当社グループは、中長期に持続的成長を続け企業価値を最大化するために、最適な資本構成を実現し維持することを資本管理の基本方針としています。
なお、当社グループは各種法令諸規則に基づく資本規制の対象となっており、一定水準以上の自己資本規制比率や純資産の額を維持しています。
当社グループが適用を受ける重要な資本規制は以下のとおりです。
① PayPay(株)
PayPay(株)は資金決済法、割賦販売法および貸金業法その他関連する法令諸規則に基づき、純資産の額(資産の合計額から負債の合計額を控除した額)を一定水準以上に保つことが義務付けられています。具体的には、次の金額が最低限満たすべき純資産の額となります。
a. 100百万円
② PayPayカード(株)
PayPayカード(株)は資金決済法および割賦販売法その他関連する法令諸規則に基づき、純資産の額(資産の合計額から負債の合計額を控除した額)を一定水準以上に保つことが義務付けられています。具体的には、次の2つの金額が最低限満たすべき純資産の額となります。
a. 100百万円
b. 資本金または出資の額の100分の90に相当する額
③ PayPay銀行(株)
PayPay銀行(株)は銀行法および金融庁長官の告示に基づく自己資本比率規制に基づき、海外に支店等の営業拠点を有しない銀行として、同規制に基づいて算出する自己資本比率を4.0%以上に保つことが義務付けられています。
前連結会計年度および当連結会計年度において、資本規制の計算に重要な影響を及ぼすような法令の変更は行われていません。
当社グループは、事業を営む上で様々な財務上のリスク(為替リスク、価格リスク、金利リスク、信用リスクおよび流動性リスク)が発生します。当社グループは、当該財務上のリスクの防止および低減のために、一定の方針に従いリスク管理を行っています。
銀行事業を営む子会社は、インターネット専業銀行として、顧客からの預金受入れ等により調達を行い、貸付金および有価証券の購入等にて運用を行っています。
主として金利変動による時価変動を伴う金融資産および金融負債を有しているため、金利変動による不利な影響が生じないよう、銀行事業を営む子会社では、資産および負債の総合的管理(ALM)を行っています。その一環として、デリバティブ取引を行っています。
a. 為替リスク
当社グループは外貨建取引を行っているため、主に米ドルレートの変動により生じる為替リスクに晒されていますが、当該リスクを回避する目的で為替予約取引および通貨先物取引を利用しています。また、外国為替証拠金取引における為替変動リスクに対しては、顧客等との間の取引により生じる為替ポジションをカウンターパーティとの間で行うカバー取引によってリスクを回避しています。
為替感応度分析
当社グループが保有する外貨建金融商品について、他の全ての変数が一定であると仮定した上で、日本円が米ドルに対して1%高くなった場合の連結損益計算書の税引前利益および連結包括利益計算書のその他の包括利益(税効果考慮前)に与える影響は、以下のとおりです。なお、当該分析には在外営業活動体の資産および負債の表示通貨への換算による影響額は含みません。
b. 価格リスク
当社グループは、事業戦略上の目的で上場株式等の資本性金融商品を保有しており、市場価格の変動リスクに晒されています。また、市場価格の変動リスクを管理するため、発行体の財務状況や市場価格の継続的モニタリングを行っています。
価格感応度分析
当社グループが保有する活発な市場で取引される有価証券について、他の全ての変数が一定であると仮定した上で、市場価格が10%下落した場合の連結包括利益計算書のその他の包括利益(税効果考慮前)に与える影響は、以下のとおりです。
c. 金利リスク(銀行事業を営む子会社を除く)
当社グループは、主に投資活動に伴う資金の運用において金利変動リスクに晒されています。また、金利変動リスクの未然防止または低減するため、固定金利と変動金利の有利子負債の適切な組み合わせを維持し、変動金利の有利子負債について、金利変動の継続的モニタリングを行っています。
金利感応度分析
当社グループが保有する金利変動の影響を受ける金融商品について、他の全ての変数が一定であると仮定した上で、金利が1%上昇した場合の連結損益計算書の税引前利益に与える影響は以下のとおりです。
d. 銀行事業を営む子会社における金利リスク管理
銀行事業を営む子会社では、金利変動リスクの管理の対象となる資産・負債を特定した上で、そのポートフォリオから生じる現在価値変動額に対してリスク量上限を設定し、日次でその遵守状況を管理しています。また、定期的にイールドカーブの形状変化(パラレルシフトやスティープニング等)に対する現在価値変化の分析も実施し、資産・負債に与える影響をモニタリングしています。リスクモニタリングにあたっては、フロント・ミドル・バックオフィスの組織的な分離を行った上で、業務部門から独立したリスク管理部において実施する体制としています。モニタリング結果は日次で社内報告を行うとともに、定期的にALM委員会や取締役会にも報告し、相互牽制体制を確保しています。
同子会社では、主要なリスク変数である金利変動リスクの影響を受ける金融資産は、主として銀行事業の有価証券および銀行事業の貸付金であり、金融負債は銀行事業の預金、デリバティブ取引は金利スワップです。
これらの金融商品について、金利変動によるポートフォリオの現在価値の変化額として「BPV(ベーシス・ポイント・バリュー:金利が0.01%変化したときの時価評価変化額)」を算定し、金利変動リスク管理にあたっての定量的分析に利用しています。BPVの算定にあたっては、対象となる金融商品を商品分類毎に、それぞれ金利期日等に応じて適切なキャッシュ・フローに分解し、同子会社が定める期間毎の金利変動による変化額を用いています。
金利以外の全てのリスク変数が一定であることを仮定し、当連結会計年度(2024年3月31日)において、指標となる金利が全て1ベーシス・ポイント(0.01%)上昇したものと想定した場合には、当該金融商品の時価評価額が純額で72百万円(税効果考慮前)減少し、逆に1ベーシス・ポイント(0.01%)下落したものと想定した場合には、純額で72百万円(税効果考慮前)増加するものと認識しています。
なお、当該変化額は、金利を除くリスク変数が一定の場合を前提としており、金利とその他のリスク変数との相関を考慮していません。
当社グループは、事業を営む上で、営業債権及びその他の債権、契約資産およびその他の金融資産(株式およびデリバティブ等)において、取引先の信用リスクに晒されています。
カード事業の貸付金には、個人向けローンが含まれており、これらは個人顧客の信用リスクに晒されています。
銀行事業の有価証券には、内国債、外国債等の有価証券および信託受益権が含まれており、債券は主に発行体の信用リスク、信託受益権は原資産の信用リスクに晒されています。
銀行事業の貸付金には、個人向けの非事業性ローン、住宅ローンおよび事業性ローンが含まれており、これらは顧客の信用リスクに晒されています。
当社グループは、保有するこれらの金融資産について主に国内の信用リスクに集中していますが、当該リスクの未然防止または低減のため、当社グループの債権管理規程に従い、取引先毎に与信調査および与信極度額を設定し、取引先の信用状態に応じて必要な担保・保証等の取り付けを行っているほか、取引先毎に期日管理および残高管理を行い、信用状況を定期的にモニタリングしています。
また、銀行事業の貸付金のうち、個人向け非事業性ローンおよび保証付き事業性ローンについては、原則として保証会社による債務保証を受けており、住宅ローンは担保付貸出金です。
外国為替証拠金取引については、顧客との取引を行うほか、顧客との取引により生じるリスクを回避するためにカウンターパーティとの相対によるカバー取引を行っており、顧客が預け入れた証拠金等以上に損失を被ることにより発生する顧客の信用リスクおよびカウンターパーティに対する信用リスクを有しています。顧客の信用リスクに対しては、自動ロスカット制度を採用しているため、信用リスクに対するエクスポージャーは限定的です。カウンターパーティの信用リスクに対しては、信用力の高い金融機関とのみ行っており、契約不履行になる可能性は僅少です。また、カバー取引の実施にあたっては、社内管理規程に基づき為替ポジションや売買損益についてチェックを行う管理体制を整えています。
連結財政状態計算書で表示している金融資産の減損後の帳簿価額および貸出コミットメントは、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値です。なお、保有する担保の評価およびその他の信用補完は考慮していません。貸出コミットメントについては、「48. 偶発事象」を参照ください。
なお、営業債権及びその他の債権については、信用補完として保証金(前連結会計年度18,503百万円、当連結会計年度1,161百万円)を受け入れており、銀行事業の貸付金のうち個人向け非事業性ローンおよび保証付き事業性ローンについては、信用補完として債務保証(前連結会計年度167,477百万円、当連結会計年度213,582百万円)を受けています。
また、外国為替証拠金取引については、顧客から証拠金(前連結会計年度11,714百万円、当連結会計年度10,944百万円)を受け入れています。
営業債権および契約資産については、全期間の予想信用損失を測定しています。営業債権および契約資産以外の債権ならびに貸出コミットメント等については、信用リスクの著しい増加を評価の上、将来の予想信用損失を測定しています。信用リスクが著しく増加しているか否かは、債務不履行発生リスクの変動に基づいて判断しており、その判断にあたって、取引先の期日経過情報や経営成績の悪化、外部信用格付等を考慮しています。営業債権および契約資産以外の債権ならびに貸出コミットメント等は、原則として12ヶ月の予想信用損失と同額で予想信用損失を測定していますが、信用リスクが当初認識時点より著しく増加した場合には、全期間の予想信用損失と同額で測定しています。
当社グループは、信用減損をもって債務不履行としており、金融資産の見積将来キャッシュ・フローへのマイナスの影響を与える以下のような事象等が発生した場合は、信用減損している金融資産として個別債権毎に予想信用損失を測定しています。金融資産が個別に重要でない場合は、信用リスクの特性や発生した取引の性質に基づいて集合的評価により検討しています。
・発行体または債務者の重大な財政的困難
・利息または元本の支払不履行または遅延等の契約違反
・債務者の破産または財務的再編成に陥る可能性が高くなったこと
a.信用リスク・エクスポージャー
カード事業の貸付金に係る当社グループの信用リスク・エクスポージャーは以下のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
なお、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、上記以外は、信用リスクが著しく増加していると判断したものはなく、その帳簿価額に対する信用リスクに重要性はありません。
b.貸倒引当金の増減分析
カード事業の貸付金に係る当社グループの貸倒引当金の増減は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
当社グループは、主に営業取引および投資活動に伴う資金の調達・運用や返済支払において、流動性リスクに晒されています。当該リスクの未然防止または低減のため、資金運用については原則として1年超の運用は行わず、1年以内で資金運用を行う場合は、流動性があり元本欠損リスクが極めて小さいものに限定して行っています。資金調達については、主に銀行借入や社債発行、債権流動化の直接調達を行っており、その返済・償還期間は市場の状況や長期、短期のバランスを調整して決定しています。
なお、銀行事業を営む子会社における資金運用については、市場流動性の高い債券を多く運用する等、緊急時の資金調達力を重視した運営を行っています。資金調達については、短期資金への過度の依存を防ぐために、短期の要資金調達額に対して上限を設定し、日次でその順守状況をモニタリングしています。また大量の預金流出等の緊急時の資金調達に備えるため、資金化が可能な資産の残高状況についてもモニタリングしています。
金融負債の期日別残高
前連結会計年度(2023年3月31日)
(注) 1 要求払いのものについては「1年以内」に含めています。「銀行事業の預金」には、1,371,525百万円の要求払預金を含みます。
2「48. 偶発事象」参照
3 非支配株主に係る売建プット・オプションには、一部買取請求権が付されていますが、行使される時期が不明なため、「その他の金融負債」の5年超の金額に含めています。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注) 1 要求払いのものについては「1年以内」に含めています。「銀行事業の預金」には、1,557,965 百万円の要求払預金を含みます。
2「48. 偶発事象」参照
3 「その他の金融負債」には、非支配株主に係る売建プット・オプションが含まれています。
金融商品(現金及び現金同等物を除く)の分類別内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(4) FVTOCIの資本性金融資産
① 主な銘柄毎の公正価値
主として出資を通じた協業により当社のサービスを強化し、利益の最大化を目指すことを目的として保有する投資については、FVTOCIの資本性金融資産として指定しています。
主な銘柄は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
② 期中に認識を中止したFVTOCIの資本性金融資産
当社のサービスを強化し、利益の最大化を期待出来ないと判断された金融資産の売却等により、期中に認識を中止したFVTOCIの資本性金融資産の公正価値および累積利得または損失(税引前)は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
③ 利益剰余金への振替額
当社グループでは、FVTOCIの資本性金融資産の公正価値の変動による累積利得または損失は、認識を中止した場合、もしくは著しくまたは長期に公正価値が取得原価を下回る場合に利益剰余金に振り替えることとしています。利益剰余金へ振り替えたその他の包括利益の累積利得または損失(税引後)は、前連結会計年度107,266百万円、当連結会計年度5,637百万円です。
31. 金融商品の公正価値
当初認識後に経常的に公正価値で測定する金融商品は、測定に用いたインプットの観察可能性および重要性に応じて、公正価値ヒエラルキーの3つのレベルに分類しています。
レベル1 - 同一の資産または負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により測定した公正価値
レベル2 - レベル1以外の直接または間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3 - 重要な観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値
公正価値測定に複数のインプットを使用している場合には、その公正価値測定の全体において重要な最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値のレベルを決定しています。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各四半期の期首時点で発生したものとして認識しています。
なお、前連結会計年度および当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間における振替はありません。
連結財政状態計算書上の金融商品の帳簿価額は、公正価値と一致または合理的に近似しているため、金融商品のクラス毎の帳簿価額と公正価値の比較表を省略しています。
連結財政状態計算書上、経常的に公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーに基づくレベル別分類は、以下のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
外国為替証拠金取引については、公正価値は類似契約の相場価格に基づき評価しているため、レベル2に分類しています。
株式のうち、上場株式の公正価値については各四半期末の市場の終値、非上場株式の公正価値については割引キャッシュ・フロー法および類似会社の相場価格等を使用して測定しています。測定に使用する相場価格および将来キャッシュ・フローにかかる永久成長率等のインプットのうち、全ての重要なインプットが観察可能である場合はレベル2に分類し、重要な観察可能でないインプットを含む場合はレベル3に分類しています。
債券および信託受益権の公正価値は、売買参考統計値、ブローカーによる提示相場等、利用可能な情報に基づく取引価格を使用して測定しているほか、リスクフリーレートや信用スプレッドを加味した割引率のインプットを用いて、割引キャッシュ・フロー法で測定しており、インプットの観察可能性および重要性に応じてレベル2またはレベル3に分類しています。
上記以外の連結財政状態計算書上の金融商品の公正価値は帳簿価額と一致または合理的に近似していることから、帳簿価額を公正価値とみなしています。
レベル3に分類した金融商品の公正価値の評価技法およびインプットについて開示すべき重要事項はありません。
レベル3に分類した金融商品の調整表は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1 連結損益計算書上、「その他の営業外収益」および「その他の営業外費用」に含めています。
2 連結包括利益計算書上、「FVTOCIの資本性金融資産」、「FVTOCIの負債性金融資産」、「在外営業活動体の換算差額」に含めています。
3 投資先が取引所に上場したことによるものです。
4 PayPay(株)を連結子会社化したことによる振替です。
5 「株式」の「その他」にはPayPay(株)の優先株式に配分した超過損失額2,574百万円が含まれています。
6 金融負債の「その他」の金額は主に非支配株主に係る売建プット・オプションによるものです。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 連結損益計算書上、「その他の営業外収益」および「その他の営業外費用」に含めています。
2 連結包括利益計算書上、「FVTOCIの資本性金融資産」、「FVTOCIの負債性金融資産」、「在外営業活動体の換算差額」に含めています。
3 投資先が取引所に上場したことによるものです。
4 「株式」の「その他」には会社分割による株式の移転に伴う減少額6,755百万円、および有償減資に伴う減少額10,307百万円が含まれています。
5 金融負債の「その他」の金額は主に非支配株主に係る売建プット・オプションによるものです。
③ 感応度分析
レベル3に分類した金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に重要な公正価値の増減は見込まれていません。
レベル3に分類した金融商品について、当社の投資管理部門担当者は、外部の評価専門家の助言を得ながら公正価値測定の対象となる金融商品の性質、特徴およびリスクを適切に反映できる評価技法およびインプットを用いて公正価値を測定しています。実施した金融商品の公正価値の測定結果は、外部専門家の評価結果を含めて部門管理者によりレビューされ、当社上級執行役員 CFO(最高財務責任者)が承認しています。
32. 金融資産の譲渡
当社グループは、主に「営業債権及びその他の債権」に含まれる営業債権の一部および「カード事業の貸付金」に含まれるマンスリークリア債権の一部について流動化取引を行っています。しかし、債務者が支払いを行わない場合に、当社グループに遡求的に支払義務が発生する等、流動化債権の回収までの信用リスクは当社グループが負担しています。このような流動化債権については、金融資産の認識の中止の要件を満たさないことから、認識の中止を行っていません。また、当該譲渡により生じた入金額は、「有利子負債」「営業債務及びその他の債務」に含めて表示しています。
認識の中止の要件を満たさない方法で譲渡された金融資産のうち、主に「営業債権及びその他の債権」には前連結会計年度末および当連結会計年度末において、それぞれ30,116百万円、26,729百万円、「カード事業の貸付金」には、それぞれ6,169百万円、8,291百万円計上しています。また、当該譲渡された金融資産に関連する負債は、それぞれ174,398百万円、208,208百万円計上しています。当該負債は、譲渡資産に対して原債務者からの支払いが行われた場合に重要な遅滞なしに決済されますが、当該負債の決済または原債務者からの支払いが行われるまでの間、当社グループは当該譲渡資産を利用できません。なお、前連結会計年度および当連結会計年度における譲渡された金融資産と関連する負債の主な差額は、「カード事業の貸付金」の回収額になります。
33. 売上収益
(1) 売上収益の分解
報告セグメント毎の売上収益について「検索広告」、「アカウント広告」、「ディスプレイ広告」、「LINEヤフー」、「ZOZO、アスクル」、「FinTech」に分解しています。これらのビジネスから生じる収益は顧客との契約に基づき計上しており、変動対価等を含む売上収益の額に重要性はありません。また、約束した対価の金額に重要な金融要素は含みません。なお、2024年3月期第1四半期より、サービスの効率的な提供に重点を置き、迅速に市場の変化に対応するため、一部のサービスおよび子会社をセグメント間で移管しています。また、2023年10月1日付のグループ内再編に伴い、2024年3月期第3四半期より一部のサービスをセグメント間で移管しています。詳細につきましては、「6. セグメント情報」をご参照ください。
これに伴い、前連結会計年度の売上収益の情報を修正再表示しています。
売上収益の内訳は以下のとおりです。
その他の源泉から生じる収益には、金融収益90,207百万円(前連結会計年度68,125百万円)を含み、主に償却原価で測定される金融資産から生じる収益で構成されています。
各セグメントの主なサービス・商品
(※1) 「Yahoo!ロコ」は、2024年3月27日にサービスを終了しました。
(※2) 「MySmartStore」は、2024年7月31日にサービスを終了予定です。
(※3) 「ヤフオク!」は、2023年11月1日に「Yahoo!オークション」にサービス名称を変更しました。
(※4) 「PayPayフリマ」は、2023年11月1日に「Yahoo!フリマ」にサービス名称を変更しました。
(※5) バリューコマース(株)は2024年5月2日に当社の持分法適用関連会社へ移行したことから、以降、バリューコマース(株)のサービスを含みません。
(2) 契約残高
契約残高の内訳は以下のとおりです。
当連結会計年度に認識した収益のうち、期首現在の契約負債残高に含まれていたものは44,202百万円(前連結会計年度は40,873百万円)です。また、前連結会計年度および当連結会計年度において、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
当連結会計年度末における未充足(又は部分的に未充足)の履行義務に配分した取引価格の総額は6,614百万円(前連結会計年度末は7,584百万円)です。当該履行義務は、LINE関連サービスから生じており、主に17年以内に認識されると見込まれています。
なお、当社グループは、実務上の便法を適用し、当初の予想期間が1年以内である契約の取引価格およびサービス提供量に直接対応する金額で顧客から対価を受ける契約の取引価格は、上記の未充足の履行義務に配分した取引価格には含めていません。
(4) 契約コストから認識した資産
① 契約コスト
契約コストから認識した資産は、以下のとおりです。
契約獲得のためのコストは、主にカード会員を獲得するために発生した販売手数料です。なお、認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、契約獲得のためのコストを発生時に費用として認識しています。
契約履行のためのコストは、LINE関連サービスに係るコンテンツ手数料です。
② 償却費および減損損失
契約コストから認識した資産から生じた償却費および減損損失は、以下のとおりです。
34. 売上原価および販売費及び一般管理費
売上原価および販売費及び一般管理費の性質別内訳は、以下のとおりです。
2023年10月1日付のグループ内再編に伴い、科目振替の方針を変更したことにより前期の売上原価および販売費及び一般管理費の性質別内訳を遡及修正しています。
35. 減損損失
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度末において、各資産グループの属する事業環境等を勘案し、減損の兆候の有無を検討しました。主に一部の遊休資産について、転用や売却の可能性が低く、投資額の回収が見込めなくなったため、帳簿価額をIAS第36号「資産の減損」に従い回収可能価額まで減額し、12,242百万円の減損損失を認識しています。回収可能価額は使用価値により測定し、使用価値については備忘価額等で評価しています。
36. 企業結合に伴う再測定益
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
2022年10月1日に行われたPayPay(株)の連結子会社化に伴い、同社に対する資本持分を支配獲得日の公正価値で再測定した結果、147,321百万円の企業結合に伴う再測定益を認識しています。また、2022年9月29日に実施されたLINE MUSIC(株)の連結子会社化に伴い、同様に9,180百万円の企業結合に伴う再測定益を認識しています。
37. 事業分離における移転利益
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
LINE(株)が営むAIカンパニー事業を、ワークスモバイルジャパン(株)(現 LINE WORKS(株))に会社分割により承継し、その対価として同社の株式を取得しました。会社分割の対価と、承継した事業に係る純資産との差額を事業分離における移転利益として認識しています。
38. 受取損害賠償金
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
アスクル(株)が提起していた「ASKUL Logi PARK首都圏」物流センター火災に係る損害賠償請求訴訟の判決確定に伴い、9,426百万円の受取損害賠償金を認識しています。
39. 子会社の支配喪失に伴う利益
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
2023年8月31日にJDW Co.,Ltd.に対して第三者からの出資が実施されたことおよび、2023年12月27日に(株)yutoriの新規上場による公募増資に加え(株)ZOZOが所有する持分の一部を売却した結果、当社の子会社に該当しないこととなり、子会社の支配喪失に伴う利益を認識しています。
40. 持分変動利益
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
主に、当社グループの保有するWebtoon Entertainment Inc.に対する持分比率が変動したことに伴い発生した利益です。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
主に、当社グループの保有するWebtoon Entertainment Inc.に対する持分比率が変動したことに伴い発生した利益です。
41. 持分法による投資の減損損失
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(株)出前館に係る持分法で会計処理されている投資の帳簿価額を回収可能価額まで減額した結果、31,303百万円の持分法による投資の減損損失を認識しています。これは、(株)出前館に係る持分法で会計処理されている投資について減損の兆候があると判断し、減損テストを実施した結果、(株)出前館に係る持分法で会計処理されている投資の帳簿価額を回収可能価額まで減額したことによるものです。当該回収可能価額は使用価値により測定しており、見積将来キャッシュ・フローを税引前割引率12.0%で割り引いて算定しています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
主に、(株)出前館に係る持分法で会計処理されている投資の帳簿価額を回収可能価額まで減額した結果、22,345百万円の持分法による投資の減損損失を認識しています。これは、(株)出前館に係る持分法で会計処理されている投資について減損の兆候があると判断し、減損テストを実施した結果、(株)出前館に係る持分法で会計処理されている投資の帳簿価額を回収可能価額まで減額したことによるものです。当該回収可能価額は使用価値により測定しており、見積将来キャッシュ・フローを事業の将来予測に対する不確実性を考慮した税引前割引率34.2%で割り引いて算定しています。
42. その他の営業外収益
その他の営業外収益の内訳は、以下のとおりです。
43. その他の営業外費用
その他の営業外費用の内訳は、以下のとおりです。
44. その他の包括利益に係る組替調整額および税効果額
その他の包括利益の項目別の当期発生額および組替調整額、ならびに税効果の影響は、以下のとおりです。
45. 1株当たり利益
親会社の所有者に帰属する基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益の算定基礎は以下のとおりです。
(注) 基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益の算定において、株式給付信託(J-ESOP)、役員報酬BIP信託および株式給与ESOP信託が保有する当社株式を自己株式として処理していることから、期末株式数および加重平均株式数から当該株式数を控除しています。
46. 連結キャッシュ・フロー計算書の補足情報
(1) 重要な非資金取引の内容
重要な非資金取引(現金及び現金同等物を使用しない投資および財務取引)は、以下のとおりです。
リースにより取得した資産の金額は、「(2) 財務活動に係る負債」の新規リースの欄をご参照ください。
前連結会計年度において、PayPay(株)を連結子会社化するために実施した株式交付は、非資金取引に該当します。詳細については、「5. 企業結合」をご参照ください。
当連結会計年度において、LINE(株)が営むAIカンパニー事業を、ワークスモバイルジャパン(株)(現 LINE WORKS(株))に会社分割により承継した取引は非資金取引に該当します。詳細については、「37. 事業分離における移転利益」をご参照ください。
(2) 財務活動に係る負債
財務活動に係る負債の変動は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) リース負債の増加は、主にリース負債の再測定によるものです。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) リース負債の減少は、主にリース負債の再測定によるものです。
「借入金」のキャッシュ・フローを伴う変動は、連結キャッシュ・フロー計算書の財務活動によるキャッシュ・フローにおける「その他」に含まれる「短期借入金の純増減額」、「長期借入による収入」および「長期借入金の返済による支出」の純額のほか、一部は営業活動によるキャッシュ・フローに含めています。
「コマーシャル・ペーパー」のキャッシュ・フローを伴う変動は、連結キャッシュ・フロー計算書の財務活動によるキャッシュ・フローにおける「コマーシャル・ペーパー発行による収入」および「コマーシャル・ペーパー償還による支出」の純額です。
「社債」のキャッシュ・フローを伴う変動は、連結キャッシュ・フロー計算書の財務活動によるキャッシュ・フローにおける「その他」に含まれる「社債の発行による収入」および「社債の償還による支出」の純額です。
「リース負債」のキャッシュ・フローを伴う変動は、連結キャッシュ・フロー計算書の財務活動によるキャッシュ・フローにおける「リース負債の返済による支出」の金額です。また、リース負債に係る金利費用の支払額は 2,828百万円(前連結会計年度2,268百万円)です。
47. 関連当事者
当社グループの最終的な親会社はソフトバンクグループ(株)(日本企業)です。
当社グループと当社の関連当事者である子会社との間の取引は、連結上消去されており、注記には開示されていません。当社グループとその他の関連当事者との取引高および債権債務残高の総額は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 取引条件は、市場価格および役務提供内容等を勘案し、交渉の上決定しています。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
役員およびその他の経営幹部の報酬は以下のとおりです。
(注) 主要な経営幹部に対する報酬は、当社の取締役(社外取締役を含む)およびその他の経営幹部に対する報酬です。
48. 偶発事象
(1) 貸出コミットメント
当社グループの貸出コミットメントは、主に当社グループのクレジットカード会員へのショッピングおよびキャッシングの利用限度額であり、貸出コミットメントの総額および貸出未実行残高は以下のとおりです。
なお、当該利用限度額は、クレジットカード会員がその範囲内で随時利用できるため利用されない額もあり、かつ、当社グループが任意に増減させることができるため、貸出未実行残高は必ずしも全額が貸出実行されるものではありません。また、当該貸出コミットメントの未実行残高の期日は、要求払いのため1年以内となります。
(2) 保証債務
49. 重要な後発事象
(1) LINE NEXT Corpにおける新株引受契約の締結
当社の子会社でありLINE NEXT株式を保有するZ中間グローバル(株)およびLINE NEXT Corp(以下、LINE NEXT)は、PE(プライベートエクイティ)ファンドであるCRESCENDO EQUITY PARTNERS LIMITED(以下Crescendo)およびCrescendoが主導するコンソーシアムとの間で、約60億円のLINE NEXTの新株引受契約を2024年4月24日付で締結し、2024年5月で資金調達を完了しました。資金調達の総額は2024年3月で完了した約140億円と合わせて約200億円となります。
なお、本資金調達完了日をもって、Z中間グローバル(株)は、保有するLINE NEXTの議決権が過半数を下回ることから、当社はLINE NEXTグループ(LINE NEXTおよびその子会社)に対する支配を喪失し、LINE NEXTグループ(LINE NEXTおよびその子会社)は新たに当社の持分法適用関連会社となります。
連結除外に係る支配喪失益は算定中であり、2025年3月期第1四半期に計上する見込みです。
(2) IPX Corpにおける株主間契約の変更契約の締結
当社の子会社でありIPX株式を保有するZ中間グローバル(株)およびIPX Corp(以下、IPX)は、他の株主との間で、株主間契約の変更契約を2024年5月24日付で締結しました。
これに伴い、関連性のある活動に関する意思決定には、全ての株主の事前同意が必要となることから、当社はIPXグループ(IPXおよびその子会社)に対する支配を喪失し、IPXグループ(IPXおよびその子会社)は新たに当社の共同支配企業となります。
連結除外に係る支配喪失益は算定中であり、2025年3月期第1四半期に計上する見込みです。
50. 連結財務諸表の承認
本連結財務諸表は、2024年6月14日に当社代表取締役社長CEO 出澤 剛 および当社上級執行役員CFO (最高財務責任者) 坂上 亮介 によって承認されました。