文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。なお、当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。
(1) 会社の経営の基本方針
「社会を構成するメンバーとして、尊敬され、関係する様々な方々の期待に応える企業」
それが我々の求めるラックランドグループの姿です。
我々は日々、様々な方々と関係を持ち、相互の協力の下、活動をしています。そして、その様々な方々からの期待を担っています。我々にとって期待に応える相手とは、お客様、協力会社、地域社会、株主の皆様、そして社員等、我々と関係するすべての方々(ステークホルダー)に他なりません。その期待に対し、誠実に応えていくことが我々の望む姿です。
「商空間創りを通じ、皆の笑顔を創りだす」
我々は商空間の企画・制作・保守メンテナンス等を通じ、様々な人々の期待に応え、笑顔を創りだしていきます。この笑顔とは、「お客様の笑顔」、「お店で働かれている方の笑顔」、「お店に集う方の笑顔」、「地球(すべての人)の笑顔」など様々です。企業として存続していくためには単なる「モノ作り」でなく、社会において様々な「笑顔になれるコト」を創りだしていかなければなりません。このことこそが、我々が自らの仕事をサービス業と考える原点です。
そして、時代のニーズは新たな技術とともに変化していきます。我々は安定した収益基盤を確立しながら、従来の枠組みに捉われず、時代の変化に柔軟に対応し、成長し続けられる企業でありたいと考えております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、2016年よりスタートいたしました第二次10年計画「世界でも期待される企業に成る」の下、最初の3ヵ年は「開拓してきた幅広いマーケットの深掘りと利益基盤の構築」を課題として邁進してまいりました。次期 2019年から2021年までの3ヵ年は、これまでの課題にも引き続き向き合いつつ、「時代が求めている企業に化ける」をメインスローガンとし、新たなステージを目指してまいります。当社グループが経営指標として重視しておりますのは、売上高営業利益率及び自己資本当期純利益率(ROE)であり、これら経営指標の向上に継続して取り組んでまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
2015年までの第一次10年計画は「未来へ進むための基盤作り」であり、その一環として2015年10月には東京証券取引所 市場第一部への指定替えを達成することができました。2016年からの第二次10年計画は「世界でも期待される企業」への進化を遂げ、遅くとも2025年までには売上高 500億円(国内 450億円、海外 50億円)、営業利益率6%を実現できるよう、グループ一丸となって邁進してまいります。
国内においては、当社がこれまで弱かった分野や技術の補強、及び未進出地域への営業網の拡大を目的として、積極的にM&Aを行っております。各専門分野を持つグループ会社がそれぞれの強みを活かして協業することにより、対応できる業務範囲が広がるとともに、新たな事業の創出も可能となり、また制作コストの削減を図ることもできるなど、様々なグループ会社間シナジーが生まれております。今後、グループ会社間の連携を深め、グループ会社間シナジーをさらに発揮することで、我々の目標に着実に近づけると考えております。
加えて、当社グループの成長には、日本より経済成長率が高く、日系企業の進出が盛んな東南アジア圏における海外事業の拡大が必須です。2013年1月のシンガポールを皮切りに、カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、台湾と、現在までに7ヶ国で現地法人を設立し、各国での施工実績も増えてまいりました。2017年7月には株式会社プロネクサス様との業務連携による、飲食・小売業界向けのアジア進出支援サービス「スグデル」の提供も開始しました。引き続き、アジア進出を目指す日系企業のお客様のご要望に迅速かつ真摯に応えられるよう、各国において現地に根付いた営業網を拡充し、信頼と実績に基づいた当社グループのブランドを確立します。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループは、2016年から第二次10年計画「世界でも期待される企業に成る」の下、2016年から2018年の3ヵ年は「進:利益基盤の構築」を目標に、即戦力となる人材を確保すると同時に、将来の戦力となる人材育成を行い、幅広いマーケットの開拓と深掘りを進め、次なる領域へステップアップするための足場固めをしてまいりました。
2019年から2021年の3ヵ年は、新たに「化:時代が求めている企業へ化ける」を目標に前進しております。社会の生活スタイルの変化、従業員ニーズも含め、環境・技術に適応できる企業へ変わっていかなければならないと考えております。そして、我々が作り出してきた企業群、他に見ないこのユニークなスタイルで、上場企業として株主の皆様に対して企業価値向上という結果を出していきます。
2019年は「化けたと結果を出す1年目」をスローガンとして、グループ全体では、様々な組み合わせで幅広いマーケットに対応できるよう、事業分野の間口・販路を広げ、シナジーを創出してまいりました。また、海外部門については、各拠点の体制・人員の拡充を図り、①店舗制作、②エンジニアリング(冷凍冷蔵物流倉庫)、③建築金物製作を3本柱として事業を軌道に乗せ、黒字化の定着を目指してまいりました。そして、当社単体においては、即戦力となる人材の確保と、就業人口の減少に備え、将来の戦力となる社員の育成に注力するとともに、社内体制・ルール等を全般的に見直した上で、IT・RPA等の技術を積極的に導入しながらあらゆる面でロスを削減し、社員がやりがいを持って目的のために力を十分に発揮できるよう業務量を適正化し、より生産性の高い、かつ磐石な社内体制の再構築を進めてまいりました。その結果、未だ道半ばではありますが、売上総利益率を大幅に引き上げることができました。
「化」の2年目である2020年は、子年で新たな12年サイクルのスタートであり、また当社が設立50周年を迎える節目の年でもあります。「化けきってみせる2年目」をスローガンとして、グループ全体では2019年から取り組んでいる課題に引き続き挑み、さらに当社単体の新たな課題として設計施工案件の管理体制及び粗利率を改善していくことでもう一段の進化を遂げてまいります。
こうした取り組みをもって、グループ全27社一丸となり、これまで構築してきた利益基盤を確実なものにしながら、新たなるステージに上るための課題をひとつずつ克服し、刻々と変化する時代のニーズに柔軟に対応できる企業として化け、そして、第二次10年計画の最終段階、2022年から2025年の「成」の4ヵ年に向けて邁進してまいります。
<当社グループが重要と位置付けている事業分野>
① 物流センターにおける冷凍冷蔵設備分野
② 新規店舗(これまでに取引のない店舗)へのメンテナンス及び営繕分野
③ 企画・設計・デザイン・コンサルティング等のソフトサービス分野
④ 省エネルギー機器や付加価値機器の開発・製造・販売・レンタル分野
⑤ デベロッパーが所有する大型店舗や商業ビルにおける建築設備分野
⑥ 中小規模の店舗・工場・物流施設における建築分野
⑦ 医療モールやクリニックを含むメディカル分野
⑧ ASEAN圏・台湾における海外分野
⑨ 店舗や食品工場における食品の生産機器や厨房設備分野
⑩ 宿泊施設・ホテルにおけるリノベーション分野
(特別調査委員会による調査結果を踏まえた今後の課題)
当社は、当社代表取締役社長(当時)による接待交際費等の経費精算申請に事実と異なる内容が含まれ、過年度を含む当社の経費計上について不適切な会計処理の疑義が生じたため、2024年2月14日、当社から独立した中立かつ公正な外部専門家のみで構成される特別調査委員会を設置し、事実関係の解明、発生原因及び問題点の調査分析を行なってまいりました。当社は、2024年4月12日に受領した調査報告書の内容を踏まえ、不適切な経費精算と認定された経費について、過年度に遡って費用計上を取り消すとともに、当該代表取締役社長(当時)に返還を求めるべく未収入金(流動資産その他)計上を行い、さらに関連当事者取引として当該代表取締役社長(当時)による当該不適切な経費精算及び当社からの仮払金の支払い等を注記するため、過年度に遡り決算の訂正を行うことといたしました。特別調査委員会の調査報告書によると、当社から当社代表取締役社長(当時)への仮払金の支払いに加え、当社の長期売掛金の回収に関して、当社代表取締役社長(当時)から、同氏が議決権の100%を所有する資産管理会社を経由し、長期売掛金の相手先会社へ資金の移動があったことが確認されており、当社代表取締役社長(当時)から流れた資金が、当社の長期売掛金への一時的な返済原資(2019年4月返済分から2020年3月返済分まで)となっていたことが認められております(長期売掛金の相手先会社に流された資金については2020年4月に同社から資産管理会社を介して当社代表取締役社長(当時)へ返金されております)。またこの実行に、当社代表取締役社長(当時)、取締役管理本部長(当時)及び管理本部部長代理(当時)が関与しておりましたが、これらの事実が取締役会に報告されておりませんでした(以下、これらを総称して「今般不適切交際費等事案」といいます。)。
加えて、前述の当社代表取締役社長(当時)に関する関連当事者取引としての注記の追記に際し、改めて関連当事者取引の網羅性について当社内の自主点検を行った結果、当該内容の他に、過年度より関連当事者取引として開示すべき当社役員による当社新株予約権の行使及び当社役員が議決権の過半数を所有している会社からの設備工事の受託等が新たに判明したため(以下、「その他関連当事者取引の未開示」という。)、上記と併せて過年度に遡り決算の訂正を行うことといたしました。
なお、訂正に際しては、当該不適切な経費計上の訂正に加え、2023年12月期第1四半期以前における当社グループの工事進行基準(履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識する方法)案件等に関する不適切な会計処理(特別調査委員会(2023年5月12日設置)より受領した調査報告書(同年7月25日)により認定された事案(以下、「当初工事原価付替え事案」といいます。)。過年度財務諸表(2018年12月期から2022年12月期)への影響は限定的であったため、過年度の決算の訂正は行わず、2023年12月期第1四半期連結累計期間の財務諸表に含めて処理したもの)、当社内の自主点検により判明した事項及びその他重要性の観点から過年度において修正を行わなかった事項も併せて、過年度に遡った訂正を行いました。
当社は、今般不適切交際費等事案において、当社代表取締役社長(当時)による不適切な経費精算に関して、財務諸表及び関連当事者取引注記における虚偽の表示が生じた原因として、同氏のガバナンス意識の低さ、すなわち、上場会社の経営者として、過誤によるとしても私的なものが一切混在しないよう公私を厳格に分け、利害関係者に対する説明責任を全うするという意識が不十分であった点がその根底にあったものと認識しております。
同時に取締役管理本部長(当時)及び管理本部部長代理(当時)のガバナンス意識が不十分であったことも原因であり、当社代表取締役社長(当時)に対する忖度から、十分な統制機能を果たせなかった点に加え、取締役会や監査等委員会に対しても適切な情報提供がなされず、その結果、当社代表取締役社長(当時)の行為に対し、取締役会及び監査等委員会が十分な批判的検討ができなかった点に繋がったものと認識しております。
その他関連当事者取引の未開示についても、関連当事者取引に関する決算・財務報告プロセスが形骸化し、十分網羅的な情報収集ができておりませんでした。
次に、前述の当初工事原価付替え事案に関する不適切な会計処理(具体的には①工事原価に関する見積書の変造の結果による工事収益の過少計上(当社)、②工事原価の付替え及び工事原価の過少計上、並びに工事原価の過少計上の結果としての簿外債務の存在(当社及び子会社(光電機産業株式会社))、③架空又は水増しした工事原価の計上による工事収益の過大計上(子会社(大阪エアコン株式会社))が生じた原因として、総じて工事担当者における工事進行基準の理解不足や、工事進行基準に対する指導・管理体制が必ずしも十分ではなかったという背景があったものと認識しておりますが、特に②主に当社における工事原価の付替え及び工事原価の過少計上に関しては、工事に関する社内承認の際の説明の手間を安易に避けようとした工事担当者等のコンプライアンス意識の低さと、同時に、当社による各従業員に向けた適切な財務報告の重要性に関する指導・教育が必ずしも十分ではなかった点を認識しております。また工事担当者が内装工事等の発注先からの協力を得て、工事原価の付替えや過少計上を行っていたような場合には、購買業務プロセスにおける工事原価の実在性や網羅性に関する内部統制が十分に機能しなかった点、さらにはこのような工事進行基準案件における不適切な会計処理に関して必ずしも十分なリスク認識ができておらず、十分な統制構築に至っていなかった、という点をその原因として認識しております。また、③大阪エアコンの工事進行基準案件における架空又は水増しした工事原価の計上による工事収益の過大計上に関しては、当該子会社における業務全般の統括責任者が、その事業計画や業績見込み値達成に対する心理的負担から実行に至ったものであり、上場会社の子会社としての適切な財務報告に関するコンプライアンス意識の低さをその原因の一つとして認識しておりますが、同時に2017年10月に子会社化した同社に対する当社側からの管理・統制が必ずしも十分に構築できていなかったことを認識しております。
当初工事原価付替え事案に対しては、特別調査委員会からの調査報告書受領後、再発防止策を検討のうえ、順次改善対応を進めてきており、本報告書時点での対応状況は以下のとおりです。
[当初工事原価付替え事案に対する再発防止策の実施状況]
① 工事担当者等のコンプライアンス意識の低さ及び各従業員に向けた適切な財務報告の重要性に関する指導・教育が必ずしも十分ではなかった点
コンプライアンス・リスク管理委員会において、コンプライアンス・マニュアルや企業憲章を改定の上、全従業員を対象としたコンプライアンス研修及び不適切会計研修を実施いたしました。また、当初工事原価付替え事案への関与者に関しては懲戒処分を実施、社内公表するとともに、全社員にコンプライアンス・アンケートも実施いたしました。今後も継続的にコンプライアンス研修等を通じて、従業員の意識改善を進めてまいります。
② 工事担当者が内装工事等の発注先からの協力を得て、工事原価の付替えや過少計上を行っていたような場合、購買業務プロセスにおける工事原価の実在性や網羅性に関する内部統制が十分に機能しなかった点
工事部門外からの牽制機能を強化するため、工事の着工許可時及び完了時に、工事担当者以外の積算部による工事原価の妥当性のチェックプロセスを追加するとともに、工事原価に関する各種証憑の回収の徹底と回収状況のチェックプロセス(工事担当者以外の工事アシスタントが確認する)を追加いたしました。特に工事原価の請求書については、回収確認の手続き及び外注先の都合でどうしても請求書発行が遅延する場合の取扱いを定め、支払遅延が生じないような統制を追加いたしました。
また各工事部門における共通メールアドレスを導入し、工事担当者と工事等の発注先(協力会社)とのやり取りについて、一担当者が単独では行えない仕組みに変更いたしました。
なお、積算部による工事原価の妥当性のチェックについては、2023年12月末時点において十分に網羅的なチェックがなされていなかったこと(チェックの証跡が残されていなかったことも含む)から、今後も工事原価に関する統制の継続的な改善を進めてまいります。
③ 工事進行基準案件における不適切な会計処理に関して必ずしも十分なリスク認識ができておらず、十分な統制構築に至っていなかった点
主要取引区分における会計リスクの洗い出しと分析を実施し、追加対応が必要だと識別されたリスクについては内部統制の追加や内部監査での追加チェック等の追加対応を行いました。特に子会社の工事進行基準案件について、当社管理部門におけるレビュープロセスを追加し、各社の工事進行基準処理(工事損失引当金の検討含む)についてチェックを実施いたしました。
④ 子会社における適切な財務報告に関するコンプライアンス意識の低さ
当初工事原価付替え事案において不適切な会計処理が確認された子会社に対しては、コンプライアンス研修及び不適切会計研修を実施するとともに、関与者への懲戒処分を実施し、社内公表しております。当社グループにおいて設備工事系及び建築内装系の業務を行う子会社(以下「工事子会社」といいます。)に対しては、コンプライアンス・リスク管理委員会での議事を共有することと、今後も継続的にコンプライアンス研修等を通じて、従業員の意識改善を進めてまいります。
⑤ 子会社に対し、当社側からの管理・統制が必ずしも十分に構築できていなかったこと
当社グループにおいて工事子会社への管理を強化するため、工事子会社担当執行役員を選任し、各工事子会社の執行責任者、施工責任者、経理担当者と定期的な面談を実施しております。
また、各工事子会社の事業規模やリスクに応じて、業務プロセスに係る内部統制の再整備や、当社内部監査における工事取引のサンプルテスト、当社管理部による会計仕訳のレビューを追加し、当社側からの牽制と統制(モニタリング)を強化いたしました。
次に、今般不適切交際費等事案及びその他関連当事者取引の未開示に対しては、特別調査委員会からの調査報告書及びガバナンス委員会からの答申書の内容等を踏まえ、以下に掲げる再発防止策を策定しております。
[今般不適切交際費等事案に対する再発防止策]
(1) 当社ガバナンス体制の抜本的な改善
① 当社取締役(監査等委員含む)の刷新(社外からの社長の招聘含む)
② 指名報酬委員会の設置と社外役員の過半数化
③ 当社代表取締役社長(当時)を含む当社取締役(監査等委員含む)に対する責任追及
(2) 取締役会・監査等委員会によるガバナンス機能の強化
① 取締役会への情報共有や情報伝達の改善
② 内部監査体制の位置づけの見直し(監査等委員直下とする)と体制の強化
③ 取締役会における重要リスクのモニタリング
④ リスク管理体制の再構築とリスク管理の強化
(3) 本件を踏まえた個別的な対応
① 関連当事者取引及び利益相反取引に関する規程の見直し
② 役員経費精算のルール設定(接待交際費に関する運用の厳格化含む)
(4) 当社企業風土の刷新
① 企業風土の刷新に向けた全役職員に対する研修の継続的な実施(営業関連役職員に対する技術営業に向けたワークショップの開催含む)
② 役員や管理職以上の社員に対するコンプライアンス及び職責・ガバナンスに関する研修の継続的な実施
③ 内部通報窓口の機能充実
[その他関連当事者取引の未開示に対する改善策]
(1) 関連当事者取引の情報収集と検証プロセスの改善
① 関連当事者との取引明細シートの改善
② 役員に対する関連当事者取引注記に関する説明会の継続的な実施
今回、投資家の皆様には、多大なるご心配とご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。当社はこれらの施策を着実に実行すると共に、適正な内部統制の整備及び運用のさらなる強化に取り組み、内部管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの一層の充実を図ることが重要であると考え、再発防止に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 特定の業界及び特定の取引先への依存について
当社グループは、新規顧客の開拓等による取引先分散の継続的な推進を行っており、特定取引先への販売依存はありませんが、飲食料品小売業界及び外食業界に属する企業への売上高が大きなウェイトを占めております。このため、景気動向やこれらの業界動向の変動により顧客企業の事業環境に急激な変化が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。2019年12月期(連結)における飲食料品小売業界への依存度は29.6%(2018年12月期(連結)38.4%)、外食業界への依存度は20.3%(2018年12月期(連結)16.1%)であります。
(2) 業績の季節変動及び大型案件の引渡し時期の変動について
当社グループは、食品スーパーマーケットや外食産業の店舗における企画・設計・施工・メンテナンスを主な事業としている関係上、顧客企業の出店政策や出店計画に影響を受け、業績に季節的な変動が見られます。売上高の季節的変動に伴い、営業利益も同様の傾向があります。当連結会計年度及び前連結会計年度の上半期・下半期のそれぞれの売上高及び営業利益は下記のとおりであります。
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(単位:千円) |
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上半期(1月~6月) |
下半期(7月~12月) |
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2018年12月期 |
売上高(構成比) |
20,072,713(46.9%) |
22,769,939(53.1%) |
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営業利益(構成比) |
501,077(131.7%) |
△120,676(△31.7%) |
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2019年12月期 |
売上高(構成比) |
15,983,373(39.7%) |
24,283,160(60.3%) |
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営業利益(構成比) |
△50,918(△4.6%) |
1,151,919(104.6%) |
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(注)上記売上高及び営業利益は、消費税等を含んでおりません。
なお、売上規模が多額の大型案件の受注増加に伴い、躯体工事等の請負範囲外の前工程の遅延、顧客の事情による工期延期・工期延長や天災その他予想し得ない事態による工期の遅延等により大型案件の引渡し時期が各四半期末もしくは期末を越えて遅延した場合、当社グループの業績が変動する可能性があります。
(3) 品質管理について
品質管理につきましては、設計及び制作分野における知識や経験の豊富な専門人員で構成する品質管理の専門部署を社内に設置し、設計及び施工の過程において同部署による複数回の品質チェックを行うなど、十分な品質管理体制を整備しております。
しかしながら、万が一に想定外の不良やチェック漏れ等により多額の工事のやり直しや顧客への補償金が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 債権管理について
債権管理につきましては、顧客企業からの受注に当たって事前の与信調査から債権発生・回収まで、一貫した管理体制を整備しております。また、原則として債権を長期間にわたり分割して回収する延払条件付き契約の締結は禁止しておりますが、諸々の事情を鑑み、当該契約の締結を行う場合には、連帯保証や担保差入れなどにより債権保全を図っております。
訴訟による和解決定など特殊な事情により締結した延払条件付き契約に係る債権については、当該債権残高に対して個別に回収可能性を検討し貸倒引当金を計上しております。
しかしながら、経済環境の激変などにより顧客企業の属する業界動向に急速な悪化が生じた場合には、債権の滞留や貸倒れが発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 財務制限条項について
当社は、2019年6月24日開催の取締役会決議に基づき複数の金融機関とシンジケートローン契約を締結し、また2019年6月28日 会社法第370条(取締役会の決議にかわる書面決議)による決議によって、三井住友信託銀行株式会社と金銭消費貸借契約を締結しております。これらの契約には、財務制限条項が付されており、これらの条項に抵触した場合、期限の利益を喪失し、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 業界に対する特有の法的規制並びに主要な業務に係る免許及び許認可等について
当社グループの主要な事業活動の継続には下記の許認可が必要ですが、「建設業法」においては第29条、「建築士法」においては第26条、「宅地建物取引業法」につきましては第66条に、取消、営業停止等の事由が定められております。当社グループは、2019年12月31日現在において、これらに該当する事実はないと認識しております。
しかしながら、将来、取消等の事由が生じた場合、当社グループの事業遂行に支障をきたし、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(2019年12月31日現在)
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許認可等の名称 |
根拠法令 |
許認可等の内容 |
有効期間 |
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特定建設業 |
建設業法 |
電気工事業、管工事業、建築工事業、熱絶縁工事業、内装仕上工事業、大工工事業、左官工事業、とび・土工工事業、石工事業、屋根工事業、鉄筋工事業、板金工事業、鋼構造物工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、ガラス工事業、塗装工事業、防水工事業、建具工事業の許可 (特-26)第10470号 |
2015年3月4日~ 2020年3月3日 (注) |
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解体工事業の許可 (特-26)第10470号 |
2019年1月10日~ 2024年1月9日 |
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一般建設業 |
建設業法 |
土木工事業、ほ装工事業、水道施設工事業、消防施設工事業の許可 (般-26)第10470号 |
2015年3月4日~ 2020年3月3日 |
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しゆんせつ工事業の許可 (般-26)第10470号 |
2019年1月10日~ 2024年1月9日 |
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一級建築士事務所 |
建築士法 |
一級建築士事務所の登録許可 東京都知事登録 第40172号 |
2015年8月10日~ 2020年8月9日 |
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一級建築士事務所の登録許可 宮城県知事登録 第19010112号 |
2019年10月27日~ 2024年10月26日 |
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宅地建物取引業 |
宅地建物 取引業法 |
宅地建物取引業の免許 国土交通大臣(1)第9568号 |
2019年7月4日~ 2024年7月3日 |
(注)特定建設業及び一般建設業は、2020年1月31日に更新手続きを申請しております。
また、当社グループの主要顧客先であるスーパーマーケット業界や外食業界に対する主な法的規制として、大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法、都市計画法、食品衛生法、食品リサイクル法があります。当社グループは、自社グループ及び顧客の事業に関連する各種法令を熟知し遵守して、要件の充足、免許の取得、必要な届出等を行い、事業の展開しております。
しかしながら、当該各種法令の改廃や新たな法的規制が導入された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 人材の確保について
当社グループは、設計・施工・メンテナンス業務の内製化による収益確保のため、数年前より先行して人員確保を行い、専門的な技能者の育成に努めてまいりました。しかしながら、今後の育成が計画通りに進まず、必要数の技能者の確保が困難な状態となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 資材価格の変動について
当社グループは、冷凍冷蔵機器や工事主要材料等につきまして、受注後に即時発注するなど資材価格の変動を極力抑制する原価管理体制を整備しております。しかしながら、原材料価格の高騰を請負代金に反映することが困難な状態となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 有価証券投資について
当社グループは、既存顧客との営業上の取引関係の更なる強化、あるいは新規顧客の開拓及び取引関係の強化のため、株式の持合を行っております。
2019年12月期末の残高は1,933,581千円でありますが、顧客企業が属する業界の株式市場の低迷などにより、株価が著しく下落した場合は評価損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) ストックオプションについて
当社はストックオプション制度を採用しており、当社役職員及び当社子会社役職員に対して新株予約権を付与しております。
これらの新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、今後、優秀な人材を確保するために同様のインセンティブプランの継続を検討しており、これから付与される新株予約権の行使が行われた場合にも、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。なお、短期的な需給バランスの変動が発生し、株価形成に影響を及ぼす可能性があり、ストックオプションに係る新しい会計基準が設定された場合、当該基準の変更内容によっては当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) M&A、組織再編等について
当社グループは、事業戦略上、企業価値の向上を目的として必要に応じて企業や事業の買収、組織再編等を行っております。
当該行為に際しては、入念な調査、分析、検討を行っておりますが、買収時点では想定できなかった収益性の低下等の不測の事態が生じる場合や、グループ会社間におけるシナジーが当初想定したほど発揮されない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 事故及び災害について
当社グループは、現場での安全確保・管理には万全を期して取り組んでおりますが、施工中に予期せぬ重大事故が発生した場合には、経営成績や社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。また、地震、風水害等の予期しない大規模災害が発生した場合にも、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績等の状況の概要
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、主要国経済の減速で景気回復を牽引してきた輸出関連・製造業部門の不振が続いたことから、底堅くは推移していたものの、回復テンポは鈍く、米国に端を発する貿易摩擦問題、英国EU離脱問題、米国とロシアの対立、日韓関係の悪化といった世界情勢に対する懸念、国内では消費税率引き上げも企業・消費者マインドを押し下げました。
ラックランドグループを取りまく経済環境は、主に街角景気判断DI(内閣府)、第3次産業活動指数(経済産業省)、及びマネタリー・ベース平均残高(日本銀行)の動向等から判断しております。街角景気判断DIは、2018年以降は下向きに転じて50(好況・不況の分岐水準)を割り込み、短期の調整局面に入っております。非製造業やサービス業の動向を示す第3次産業活動指数は緩やかな上昇傾向が続いていますが、2010年代後半の伸び率(前年比)は平均で+1%弱にとどまっており、近年、我々の主要顧客である飲食・小売業界では人手不足や人件費高騰といった問題が顕著になっております。また、マネタリー・ベース平均残高は日銀の緩和政策により増加基調が継続していますが、伸び率(前年比)は2014年初期の+50%超から、足元は+3%前後に低下しており、景気押し上げ効果は薄れております。今後、マネタリー・ベース平均残高の伸び率(前年比)が名目GDP成長率(前年同期比)を下回り、さらにマイナスに低下すれば、実質的な量的引き締めになることから、注視してまいります。これら指標の動向から、当連結会計年度の当社グループを取りまく経済環境は短期的には勢いが弱い状態が続きました。
長期サイクル(コンドラチェフ・サイクル 約50~60年)では、2010年代の日本経済・株式市場は1950年代あるいは1960年代当時に対応する局面にあります。経済の成熟化、人口減少・高齢化といった構造要因もあり、2010年代のGDP成長率は1950年代、1960年代当時の水準には及ばないものの、財務省 法人企業統計を見ますと、足元の企業の売上高経常利益率は依然として過去最高水準圏を維持しております。東京オリンピックを起爆剤とし、AIなどの新しいテクノロジーや産業を発展させ、インバウンド需要もうまく取り込む一方、TPP等の自由貿易協定を促進し、かつ金融経済の成長を促すことで、日本経済・株式市場は新たな成長・上昇局面に入るチャンスがあると見ております。また、国際商品市況は約30年サイクルが見られ、最初の10年が大幅低下局面、次の10年が横這い局面、最後の10年が大幅上昇局面で構成されており、2010年代は1950年代、1980年代当時に似た大幅低下局面から横這い局面への移行期にあります。原油(ガソリン)や原材料、食品等の価格が低位安定することで個人消費の下支えになると同時に、企業収益の拡大要因ともなり、設備投資の増加や賃金上昇の余地があると考えられます。
当社グループは、2016年から第二次10年計画「世界でも期待される企業に成る」の下、2016年から2018年の3ヵ年は「進:開拓してきた幅広いマーケットの深掘りと利益基盤の構築」を目標に、①当社単体の業容拡大にとどまらず、様々な専門分野を持つグループ会社を増やしてシナジーを創出し、②経済成長率が日本より高く、日系企業の進出も多い東南アジア7ヵ国においても事業を展開し、さらには、③即戦力となる人材を確保すると同時に、将来の戦力となる人材育成を行い、内製化を進め、幅広いマーケットに対応できる間口を広げ、次なる領域へステップアップするための足場を固めてまいりました。
2019年から2021年の3ヵ年の中期目標は「化:時代が求めている企業へ化ける」であり、社会や時代に適した企業に進化していかなければ、生き残れないと考えております。その第一歩である2019年は「化けたと結果を出す一年目」をスローガンとして、これまでに我々が作り出してきた企業群、すなわち、各種施設の企画・設計から建築・内装・設備等の施工、設備機器メンテナンスやビル管理まで総合的に請け負うという、他に見ないこのユニークなスタイルを当社グループ全27社で確立し、新たなるステージ(目標)に到達できるよう、いかなる環境下においても真摯に邁進してまいりました。
本年度の売上傾向は下期偏重型であることに加え、第1四半期においては顧客が事業展開や設備投資に対してやや慎重になっていたことと、第2四半期においては当社及び当社連結子会社で受注している複数の大型案件の工期変更が発生し、引渡しが下期に繰延べとなったことなどから、上期の売上高は伸び悩んでおりました。しかしながら、第3四半期以降は台風による風水害の影響が一部みられたものの想定どおり上向き、第4四半期においてはもともと予定されていた案件に加えて、上期で工期が延長になった大型案件が完工したこともあり、売上高を大幅に伸ばすことができました。利益面につきましては、上期は売上高の伸び悩みと営業外費用としてシンジケートローン手数料を計上したことなどもあり、営業損失及び経常損失となりましたが、これまで積極的に行ってまいりました人材採用・人材育成の効果が顕在化しつつあることで、売上総利益率は過去最高水準圏に上昇しており、第3四半期以降は売上高の伸びに伴い、営業利益、経常利益ともに積み上げることができました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高402億6千6百万円(前期比6.0%減)、営業利益11億1百万円(前期比186.2%増)、経常利益10億3千6百万円(前期比156.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9億1千8百万円(前期比889.4%増)となりました。
次に、部門別の売上高と各部門の営業概況についてご報告いたします。
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(単位:千円未満切捨) |
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関連部門の名称 |
前連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
対前連結会計年度比増減額 (△は減) |
対前連結会計年度比 増減率(%) |
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スーパーマーケット関連部門 |
13,300,787 |
13,139,147 |
△161,640 |
△1.2 |
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フードシステム関連部門 |
27,321,958 |
24,748,326 |
△2,573,631 |
△9.4 |
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保守メンテナンス部門 |
2,219,907 |
2,379,060 |
159,152 |
7.2 |
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計 |
42,842,653 |
40,266,533 |
△2,576,119 |
△6.0 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
《スーパーマーケット関連部門》
スーパーマーケット関連部門につきましては、主要顧客である中堅の小売店(中堅チェーン企業や複数店舗を有する企業)の経営環境は概ね底堅く推移しておりますが、スーパーマーケット販売統計調査(スーパーマーケット3団体)を見ますと、食品部門の伸び率(前年比)は2016年から鈍化傾向にあり、直近1年間は平均で約1%まで低下しております。このような状況の下でも、各グループ会社の強みを活かし、新規出店や既存店の改修案件等において、設計や内装施工だけではなく、給排水・空調設備工事や電気設備工事など、店舗内で対応できる事業領域の拡大をしてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は131億3千9百万円(前期比1.2%減)となりました。
《フードシステム関連部門》
フードシステム関連部門につきましては、中心顧客である飲食店の動向に関し、外食産業市場動向調査(日本フードサービス協会)を参考にして見ますと、2016年以降、店舗の売上高の伸び率(前年比)は平均で約3%と堅調が続いております。当部門におけるターゲットとして、飲食店だけではなく、大型ホテル、食品加工工場、物流倉庫などの開拓余地の大きい商業施設に関しても意欲的に営業活動を拡げてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は247億4千8百万円(前期比9.4%減)となりました。
《保守メンテナンス部門》
保守メンテナンス部門につきましては、旧来からの店舗設備機器のメンテナンス体制を充実させるとともに、M&Aによりメンテナンス対応可能なtグループ会社を増やし、保守点検網を拡充しております。2018年2月には、中国・四国地方の営業サービス網の強化のため、新たに高松メンテナンスステーションを開設いたしました。また、当社グループのエースセンター株式会社が担うビルメンテナンス事業も当部門に寄与しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は23億7千9百万円(前期比7.2%増)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ31億4千7百万円増加し、当連結会計年度末残高は81億7千5百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の減少は4億6千2百万円(前連結会計年度は1億8千3百万円の増加)となりました。
これは、仕入債務の増加があったものの、売上債権及びたな卸資産の増加が主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は4億5千1百万円(前連結会計年度は12億7千1百万円の減少)となりました。
これは、有形固定資産の取得による支出があったものの、投資有価証券の売却による収入があったことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は31億5千7百万円(前連結会計年度は11億7千8百万円の増加)となりました。
これは、短期借入金の返済による支出があったものの、長期の借入れ及び株式の発行を行ったことが主な要因であります。
生産、受注及び販売の実績
当社グループは、一貫した店舗施設制作事業を事業内容とする単一セグメントであるため、制作、商品仕入、受注及び販売実績については、関連部門別に記載しております。
(1) 制作実績
当連結会計年度における制作実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。
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関連部門の名称 |
制作高(千円) |
前年同期比(%) |
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スーパーマーケット関連部門 |
11,850,555 |
99.9 |
|
フードシステム関連部門 |
26,064,917 |
116.4 |
|
計 |
37,915,473 |
110.7 |
(注)1 金額は販売価額で算定しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 商品仕入実績
当社グループは、スーパーマーケット関連部門、フードシステム関連部門において外部より商品を仕入れておりますが、商品仕入時においてはどの部門で販売されるか確定していないため、関連部門ごとの商品仕入実績の記載は省略しております。
(3) 受注実績
当連結会計年度における受注実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。
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関連部門の名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
スーパーマーケット関連部門 |
13,088,180 |
93.7 |
1,361,428 |
96.4 |
|
フードシステム関連部門 |
27,044,735 |
101.5 |
10,203,703 |
139.7 |
|
計 |
40,132,916 |
98.8 |
11,565,131 |
132.7 |
(注)1 受注高は、連結子会社取得による増加の影響額を除いております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。
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関連部門の名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
スーパーマーケット関連部門 |
13,139,147 |
98.8 |
|
フードシステム関連部門 |
24,748,326 |
90.6 |
|
保守メンテナンス部門 |
2,379,060 |
107.2 |
|
計 |
40,266,533 |
94.0 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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株式会社白浜館 |
5,800,553 |
13.5 |
1,777 |
0.0 |
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
その作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えています。
① 貸倒引当金の計上基準
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。将来、顧客の財務状況等が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
② 投資有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や、仕入・販売等に係る取引会社及び関係会社の株式を保有しています。これらの株式は、株式市場の価格変動リスクや、経営状態・財務状況の悪化による価値下落リスクを負っているため、合理的な基準に基づき、投資有価証券の減損処理を行っています。
③ のれんの減損処理
当社グループは、のれんの償却方法については、その効果の発現する期間を個別に見積り、20年以内の合理的な年数で定額法により償却を行っております。その資産性について、子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益力もしくは費用削減効果が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、のれんの減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(2) 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は、343億4千8百万円と前連結会計年度末に比べ63億6千4百万円の増加となりました。
流動資産は、236億3千7百万円と前連結会計年度末に比べ78億1千6百万円の増加となりました。これは、借入及び増資による預金の増加、2019年第4四半期の引渡し好調による売上債権の増加、及び2020年以降引渡の大型受注案件に係る仕掛品の増加が主な要因であります。
固定資産は、107億1千1百万円と前連結会計年度末に比べ14億5千1百万円の減少となりました。これは、長期売掛金の回収による減少、投資有価証券の売却及び評価替えによる減少が主な要因であります。
(負債の部)
流動負債は、194億4千万円と前連結会計年度末に比べ10億8百万円の増加となりました。これは、短期借入金の返済による減少があったものの、次年度に引渡し予定の大型案件に係る仕入債務の増加が主な要因であります。
固定負債は44億8百万円と前連結会計年度末に比べ17億4千8百万円の増加となりました。これは、1年以内償還予定の社債への表示区分変更による減少があったものの、長期借入金の増加が主な要因であります。
以上の結果、負債の部は238億4千8百万円と前連結会計年度末に比べ27億5千7百万円の増加となりました。
(純資産の部)
純資産の部は105億円と前連結会計年度末に比べ36億7百万円の増加となりました。これは、増資による資本金及び資本剰余金の増加及び親会社株主に帰属する当期純利益の計上が主な要因であります。
なお、自己資本比率は30.4%と前連結会計年度末より6.1ポイント増加しております。
(3) 経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、第1四半期においては顧客が事業展開や設備投資に対してやや慎重になっていたことと、第3四半期以降は台風による風水害の影響が一部みられたことにより402億6千6百万円(前期比6.0%減)となりました。
② 売上原価
当連結会計年度の売上原価は、これまで積極的に行ってきた人材採用・人材育成の効果が顕在化したことで工事案件の利益率が上昇したことにより345億円(前期比9.4%減)となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、株主優待制度の拡充及び株主数増加による交際接待費が増加したこと、国内外における人材採用による人件費が増加したこと、人材育成にかかる教育費が増加したこと、社内環境向上のための投資により減価償却費が増加したことにより46億6千5百万円(前期比6.4%増)となりました。
④ 営業利益
当連結会計年度の営業利益は上記の結果により11億1百万円(前期比186.2%増)となりました。
⑤ 営業外収益及び営業外費用
営業外収益は、受取利息が増加したこと及び為替差益が発生したことなどにより2億1千2百万円(前期比2.8%減)となりました。
また、営業外費用は、支払利息の増加、財務体質改善のためにシンジケートローン手数料及び新株の発行にかかる株式交付費を計上したことにより2億7千6百万円(前期比39.4%増)となりました。
⑥ 経常利益
経常利益は10億3千6百万円(前期比156.4%増)となりました。その結果、当連結会計年度における売上高経常利益率は、前連結会計年度に比べ1.7ポイント増加し2.6%となり、総資産経常利益率(ROA)も1.8ポイント増加し3.3%となりました。
⑦ 特別利益及び特別損失
特別利益は投資有価証券売却益を計上したことにより6億5千7百万円(前期比495.9%増)となりました。また、特別損失は、主に投資有価証券評価損及び会員権評価損、固定資産除却損を計上したことより9千2百万円(前期比2.1%減)となりました。
⑧ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は16億1百万円(前期比281.3%増)となりました。
⑨ 法人税等
法人税等(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は6億8千3百万円(前期比109.0%増)となりました。これは課税所得の増加によるものです。
また、当連結会計年度における法人税等の負担率(税金等調整前当期純利益に対する法人税等の割合)は42.65%となり、法定実効税率30.62%に比べ12.03ポイント高くなっております。これは主に交際費等永久に損金に算入されない項目などの影響によるものであります。
⑩ 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、外部株主が存在する連結子会社の当期純利益(又は当期純損失)の増減の影響を受けますが、当社グループにおける影響は僅少であります。
⑪ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は9億1千8百万円(前期比889.4%増)となりました。
その結果、当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度に比べ9.3ポイント増加し10.7%となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、制作原価、販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、設備投資資金需要の主なものとしては、業容拡大による事務所拡張・移転による内装費用等、省人化及び効率化、間接業務の削減を目的にしたシステムの費用があり、その他の資金需要として、当社グループの分野の強化や技術者の補充を目的にしたM&A費用があります。
当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び社債の発行等により資金調達を行っております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は8,854,819千円となりました。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、資本効率のバランスを考慮しつつも、安定した収益基盤を確立することに注力することで、売上高営業利益率を高めることを優先課題として、自己資本当期純利益率(ROE)の改善に取り組む方針であります。
当連結会計年度に含む直近3連結会計年度の指標は以下のとおりです。
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指標 |
2017年度 (第48期) |
2018年度 (第49期) |
2019年度 (第50期) |
中期目標 |
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売上高営業利益率 |
2.8% |
0.9% |
2.7% |
3.3% |
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自己資本当期純利益率(ROE) |
10.3% |
1.4% |
10.7% |
7.2% |
(注)中期目標は、中期経営計画における2021年度(第52期)の数値となっております。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
シンジケートローン契約
当社は、2019年6月24日開催の取締役会決議に基づき、機動的かつ安定的な資金調達を確保すること、及び既存の長期借入金をキャッシュ・フローに合わせたリファイナンスにより資金繰りの安定化を目的として、株式会社三菱UFJ銀行を主幹事とする金融機関5行からなるシンジケート団と以下のとおりシンジケートローン契約を締結いたしました。
契 約 日 2019年6月25日
契約金額 2,400,000千円
契約期限 2024年6月28日
担 保 無担保
保 証 無保証
なお、本契約には財務制限条項が付されており、その詳細は「第5 経理の状況 連結財務諸表 注記事項 連結貸借対照表関係」に記載のとおりであります。