第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針について

当社グループは、「お客様満足度」の向上、「働く私たちの幸福」の追求及び「社会との調和を重んじ地域発展に貢献するとともに、関係する人々に信頼される企業」を目指すことを企業理念に掲げ、より質の高い不動産商品作り、不動産業としての幅広い提案力によって地域社会の発展に貢献し、地域で愛される企業となることを、経営の方針としております。

 

(2) 経営環境及び経営戦略等について

当社グループを取り巻く経営環境としましては、新型コロナウイルス感染症が、5類感染症に引き下げられたことから、各種制限が緩和され、社会活動は正常化に向かっております。しかしながら、世界的なエネルギーコストや、資源価格をはじめとする広範囲での大幅な物価上昇、為替市場における歴史的な円安の進行等により、景気の先行きは依然として不透明な状況となっております。

このような環境の中、当社グループは、不動産売上高に過度に依存せず、売上高を着実に拡大すること、また継続可能な収益の積み上げにより、利益率の向上に取り組むことを基本方針として経営にあたってまいります。セグメント別の経営戦略については以下の通りであります。

①不動産流通事業

不動産売上高については、当社グループの強みである企画力を生かし、立地環境に合わせた自社企画投資用不動産レーガベーネシリーズの安定的な商品化を継続することで、セグメントの垣根を越えた企業の物件化力を強化してまいります。また、投資用物件、土地、戸建、区分所有物件の買取再販についても積極的に仕入れを行います。仲介事業については、リアル店舗での仲介を強化し、収益アップを図るとともに既存店舗の魅力向上と新規出店への取り組みについても強化してまいります。

新規事業である不動産ファンド事業については現在、運用中となっているプロジェクトに続き、今後も魅力ある商品の開発、募集を行うとともにファンドの小口投資から、投資用不動産への一棟投資を行う新規オーナーの発掘に努めます。

②不動産管理事業

当社の安定的な収益基盤として、不動産賃貸物件の管理戸数については、自社企画投資用不動産による増加及び、リアル店舗における地域オーナーへの提案力と仲介力を当社の大きな武器として、リノベーションを中心とした物件価値と入居率の向上により、確実に増加をしてまいります。これにより、賃貸管理を中心とした管理事業収益の安定的な確保を目指します。コインパーキング事業においても全社的に地域オーナーへの提案に努め、運営台数の増加を図ります。その他の賃貸事業、太陽光売電事業においても安定的な収益確保に努め、魅力ある商品については継続的に仕入れを行ってまいります。

 

 

(3) 目標とする経営指標

当社は永遠に続く会社(倒産しない会社)であるためには持続的な成長とともにストックビジネスの強化による安定収益の拡大が重要であると考えております。目標とする指標に関しては、次に掲げる項目についてバランスを取りながら継続的な企業価値の向上を目指すとともに、株主重視の経営を行ってまいります。

①経営の健全性の向上

 自己資本比率を重要な経営指標の一つと捉え、30%以上を維持し、40%を目指します。

②積極的・戦略的な事業投資

 将来の成長、安定収益の拡大に繋がる事業投資は積極的に行い、その他M&A等の事業投資は戦略的に行うことに

よって持続的な成長を図ります。

③経営の効率性の向上

 自己資本利益率を重要な経営指標の一つと捉え、10%以上を維持します。

④持続的・安定的な株主還元

 配当性向30%を当面の目標として、累進配当を実施します。

 

(4) 対処すべき課題について

当社グループの対処すべき課題について、その内容と対処方針等は以下のとおりです。

① 自社企画投資用不動産の強化

 当社グループは、自社企画投資用不動産であるレーガベーネの継続的な商品化を行っております。今後においても商品の販売、仲介、販売後の管理により売上の確保と管理戸数の拡大を目指してまいりますが、借主や投資家双方に魅力ある商品作りをするにあたり、建築費から受ける影響は大きく、広いエリアにおいて商品化ができていないことが課題であると認識しております。この課題を克服するために、当社グループは、エリアの店舗を中心に地域に根ざした営業活動を通じて商品開発用地の情報収集に努めるほか、金融機関等との関係を強化し、自社企画投資用不動産の用地の確保をいたします。

② ドミナント出店による拡大

 当社グループは、茨城県内に18店舗、千葉県柏市と東京都台東区にそれぞれ1店舗の計20店舗での営業展開を行っておりますが、ドミナント展開のされていないエリアがあり、広域的な顧客へのニーズに十分に対応されていないことが課題であります。この課題を克服するために、エリアの出店予定地の情報を入手し、各地域において、ドミナント出店を確立し、エリアでの市場占有率の向上を目指します。

③ 空き家に関する対応

 国内においては、人口減少から空き家が増加しており、今後世帯数の減少が予測される中、空き家問題はますます深刻になると考えられます。これらの空き家問題を克服するため、当社グループではエリアの店舗を中心に地域に根ざした営業活動を通じて顧客の空き家(遊休地)に対し、リースバック、買取や各商品(投資用不動産、宅地造成、コインパーキング、トランクルーム、太陽光等)の有効活用提案、及びジャストサービス株式会社によるリノベーションでの資産価値の向上等、多角的な提案営業により、空き家化の防止と流通促進を目指してまいります。

④ 人材の確保と育成

 当社グループは、今後のエリア及び事業拡大に合わせ、優秀な人材を継続的に採用、教育することが課題であると認識しております。この課題を克服するために、当社グループは、事務や営業スタッフの業務の標準化により効率的な業務遂行を可能とし、社内外の教育や研修の充実により従業員の資質向上を図っております。また、他部署間での異動やグループ間の出向制度を利用し、不動産に関する総合的な提案型営業スタッフの育成及び店舗格差を無くしサービスを平準化することを推進しております。

 

⑤ コーポレート・ガバナンスの充実とコンプライアンスの強化

 当社グループの継続的な事業の発展及び信頼性の向上のためには、コーポレート・ガバナンスの充実とコンプライアンスの強化に取り組むことが課題であると認識しております。これらの課題を克服するために、内部統制システムに係る基本方針を制定しており、同基本方針の着実な運用に加えて、コーポレートガバナンス・コードに沿った企業体制の構築に積極的に取り組んでまいります。また、コンプライアンスの強化については、コンプライアンス委員会における法令遵守に対する意識向上維持に努めるとともに今後も更なるコーポレート・ガバナンスの充実を図るべく、最善の経営体制を目指して強固な内部統制機能の構築とコンプライアンスの強化に取り組んでまいります。

⑥ リスク管理体制の強化

 当社グループが、事業を継続し、成長するために、自然災害や感染症の流行、情報セキュリティの不備等、多岐にわたる事業に関するリスクの回避、迅速な対応や再発防止が重要な課題であると認識しております。これらの課題を克服するため、リスク管理委員会は想定しうるリスクへの対応策を事前に検討し、リスクが財政状態及び経営成績に与える影響を最小限に抑える体制の強化を図ってまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

  当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

<サステナビリティ基本方針>

 私たちは、企業理念の実現に向けて、当社グループを取り巻く事業環境における課題等に取り組むと共に、持続的な企業価値の向上に努め、すべてのステークホルダーから信頼される企業を目指します。

 

<企業理念>

一、私たちは、お客様満足度 No.1 企業を目指します。

一、私たちは、働く私たちの幸福 No.1 企業を目指します。

一、私たちは、社会との調和を重んじ地域発展に貢献するとともに、関係する人々に信頼される企業を目指します。

 

(1) ガバナンス及びリスク管理

当社グループは、「継続的な企業の実現」がサステナビリティの根幹となると考えております。そのような考えのもと「サステナビリティ基本方針」及び「企業理念」に基づき具体的な企画・実行・管理の統括を行うことを目的とした「サステナビリティ委員会」を設置しており、代表取締役を委員長、役員・従業員を委員として構成しております。本委員会は、当社グループを取り巻く事業環境における課題等を検討し、当社グループ各部門、関係会社、リスク管理委員会等と連携しながら、サステナビリティ関連の協議を進めております。この委員会で協議された事項は、取締役会に報告され、取締役会はサステナビリティ関連の対応方針の決定をするとともに取り組みについての管理、監督をしております。

 

 

(2) 戦略

上記、ガバナンス及びリスク管理を通して当社グループが設定したサステナビリティテーマ及びその対応方針は、以下の通りです。

サステナビリティテーマ

対応方針

関連するSDGs

総合不動産会社として、多様性のあるまちづくりに寄与し、快適な居住空間を提供し続ける。

◆「不動産売買」「賃貸管理」「建物の建築・リフォーム・リノベーション事業」「土地の有効活用」「収益不動産のコンサルティング」など不動産における多様な事業展開(「柱」)により、地域の方々を含むステークホルダーの福利に継続して貢献する。

 


「太陽光発電システム」(KORYOエコパワー)の継続的な運営・拡大により、持続可能なエネルギー供給に寄与する。また、太陽光発電の利用促進を目指す。

◆太陽光発電システム「KORYOエコパワー」の継続と拡大

◆アパート・マンション・店舗などの未利用スペースの有効活用により太陽光発電を促進

 


社内における環境改善を行い、環境保全に寄与する。 

◆「茨城エコ事業所」登録を継続、環境にやさしい取り組みを実践

◆社用車のエコカー(ハイブリッド、EV)化を進め、2025年までに100%エコカーを目指す。

 


性別・年齢・障がい・人種・民族などに関わりなく活躍できる職場環境を醸成することで、働く私たちの幸福No.1企業を目指す。

◆「いばらき健康経営推進事業所」の登録を継続し従業員の健康に配慮した取り組みを実践

◆職場環境改善策および新たな働き方の検討

◆性別に関わりなく活躍することができるキャリアパスを構築

◆能力開発を目的としたジョブローテーションを実施する。

 


 

 上記のサステナビリティテーマに対する具体的な取り組み内容と進捗状況は、以下の通りです。なお、人的資本に関連する内容は、(3)人的資本をご参照ください。

取り組み内容

進捗状況

KORYOエコパワーの継続と拡大

◆自社企画投資用不動産「レーガベーネ」の屋根には原則、太陽光パネルを設置(2022年10月から完成したアパート15棟のうち11棟に太陽光を設置済)

◆県庁南大通り支店に太陽光パネルを設置

2025年までの100%エコカー化

◆排気ガスを削減するハイブリッド車や電気自動車等の環境に配慮した車両に順次切り替え、温室効果ガスの排出削減に努める。

◆エコカー率61%(2023年9月末現在)

「茨城エコ事業所」登録継続

◆当社は「茨城エコ事業所」として茨城県に登録認定されております。「茨城エコ事業所登録制度」とは、茨城県が定めた地球温暖化の防止、省エネ・省資源等環境に配慮した取組を実施している事業所の登録認定制度であり、当社は最高位の「AAA」の認定を受けております。

「いばらき健康経営推進事業所」登録継続

◆当社は「いばらき健康経営推進事業所」として茨城県に登録認定されております。

「いばらき健康経営推進事業所」には、従業員の健康に配慮した取組みを実施している企業が認定されます。

 

 

(3)人的資本

<人材の育成に関する方針及び社内環境整備について>

当社グループは、事業領域や事業エリアの拡大に伴い、専門性を有した人材の育成と確保が必要であると認識しております。人材育成に関しては、法令や業務知識の向上を目的とし、資格取得への支援や各種専門領域の研修等への参加を積極的に行うとともに、資格手当の拡充により、幅広い分野におけるプロフェッショナルな人材の育成と確保に努めております。また、人材の多様性に関する取り組みの一環として女性管理職比率を向上させるため、育児・介護における時間外労働等の制限及び、短時間勤務の要件を養育する子が小学校3年生となるまでに延長することで対象者を拡大する等、ライフステージの変化においても、安心して働ける社内環境の整備に取り組んでおります。

 

当社グループでは、上記の人材の多様性及び、社内環境整備に関する取り組みについて、以下の指標を用いて管理しております。なお、男性従業員の育児休業取得率については、当連結会計年度において取得実績がありませんでしたが、育児休業を取得しやすい社内環境の整備に引き続き注力していきます。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

女性管理職比率

2026年9月までに管理職に占める女性の割合を15%以上にする。

8.80%

育休取得率

2025年3月までに女性従業員の取得率80%を目指す。

100%

2025年3月までに男性従業員の取得率10%を目指す。

0%

 

 

 

3 【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるリスクのすべてを網羅するものではありません。

 

(1) 市場環境の変化について

当社グループの事業のうち、不動産売上高と仲介事業収益(売買)については、景気、金利、地価、税制及び政策等によって、投資用物件、土地、中古住宅に対する顧客の売却・購入意欲が大きく左右されます。

当社グループにおいては、需要の高い不動産をタイムリーに提供出来るようにするために、これらの外部動向について市場分析を行い、あわせて地域の特性と需要に応じた不動産のタイムリーな仕入れ、魅力ある商品作りを行っております。しかしながら、今後の景気の悪化、所得の低下、金利の上昇、地価の上昇、税制及び政策の変更、不動産投資に対する金融機関の融資姿勢の変化があった場合は、顧客の売却・購入意欲の減退につながり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 競合について

  当社グループが茨城県内を中心に展開している不動産流通事業及び不動産管理事業は、免許業種であるものの、事業運営に必要な設備が少なく参入障壁が低いため、競合他社による新規参入やエリア拡大などにより、競争が激化する可能性があります。当社は水戸・ひたちなかエリアにおいてドミナント戦略を展開し、不動産情報の収集力強化に努めるとともに、その他のエリアへの展開を図っておりますが、競合状況によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
① 不動産販売
 不動産販売事業においては、戸建用地、中古建物の仕入れや販売に関し、資金力に加え、不動産情報の収集力が鍵となります。これに対して当社グループは、仲介の事業プロセスにおいて不動産情報(売却、購入の顧客情報)を収集し、投資用物件についても、来店顧客から地域のニーズをしっかりと聞き取って、時代にあった商品作りに努めておりますが、競合他社が当社グループと同様の戦略で事業を展開してきた場合等は、当社グループの差別化要因が薄れ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 仲介事業
 仲介事業においては、商圏の賃貸管理戸数(売買においては売買物件数)と集客数が、売上数値の構成の鍵となります。これに対して当社グループは、茨城県内の水戸・ひたちなかエリアにおいてドミナント戦略を展開し、顧客、物件数の囲い込みを行っております。しかし、その他のエリアにおいては未だ成長段階にあり、それらエリアへの拡大が進展せず、また、水戸・ひたちなかエリアへの競合他社の多店舗展開における参入等により、顧客、物件の確保ができなくなる等の状況が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 不動産管理事業
 不動産管理事業においては、商圏内で一定規模の賃貸管理戸数を確保することに加え、リーシング力、集客数、賃貸不動産における資産価値維持向上のための提案力が鍵となります。当社グループは、ドミナント戦略を展開している水戸・ひたちなかエリアにおいて、顧客、物件数の囲い込みを実現して競争力の強化を図っておりますが、強力な提案力等を背景に多数の賃貸管理戸数を獲得する競合他社が出現した場合、競合他社へ当社の管理が移行し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3) 需要減少リスク

わが国の人口は今後減少が見込まれております。世帯数についても、現時点では単身者世帯の増加により世帯数は増加しているものの、今後は減少していく見込みです。その結果、入居者獲得競争が激化し、家賃相場が全体的に下落した場合、当社グループの不動産管理事業については、賃貸事業収益及び管理手数料の減少が想定されます。また、不動産流通事業においては、家賃相場の下落による仲介事業収益(賃貸)の減少、人口の比例に伴う不動産購買層の減少による不動産売上高、仲介事業収益(販売)の減少の可能性が考えられます。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 自然災害等について

当社グループの各事業においては、台風や地震等の自然災害等により中古住宅の購入に対する顧客の購入意欲が減退する可能性、あるいは引き渡し前の不動産商品が破損または倒壊する恐れがあります。

当社は、茨城県水戸市を中心に業を行っておりますが、先の東日本大震災のように、今後当社の営業地域において不測の自然災害が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、新型コロナウイルスの影響について、当社グループへの影響は軽微であったものと認識しております。しかし、新たな変異株の出現により再度、感染が拡大するような事態となった場合、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 販売用不動産の仕入れ及び工事原価について

当社グループの不動産売上高の商品構成は、土地・中古住宅が中心であり、自社企画投資用不動産の割合は小さいものの、この不動産売上高に係る商品企画においては、投資家ニーズに合わせた商品作りが重要となり、主として賃貸用不動産の商品作りを継続事業としてまいりました。今後も、管理戸数の拡大に寄与する鉄筋コンクリート造の物件及び、小型の木造賃貸住宅を商品化したいところではありますが、先の東日本大震災でもあったように自然災害、競争激化や経済環境の変化に伴う建築費高騰における、仕入価格、建材価格の上昇等があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 在庫リスクについて

当社グループは、自社商業エリアにおいて需要予測、近隣地域環境、お客様のニーズ等を慎重に分析調査を行ったうえで、物件の仕入れ、リフォーム、販売を行っております。しかし、不動産市況の悪化等によって物件の販売が滞った場合、物件保有期間の長期化に繋がる可能性があります。当社のビジネスモデルとして、長期在庫となった場合は販売価格等を見直しての売却処分や、棚卸資産の評価損処理が必要となる場合があるほか、滞留在庫の増加により有利子負債が増加する等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 契約不適合責任について

当社グループの自社不動産販売事業においては、宅地建物取引業法及び住宅の品質確保の促進等に関する法律の規定に基づき、中古住宅については引き渡し後2年間、新築住宅については引き渡し後10年間の契約不適合責任を負っております。

当社グループにおいては、仕入れ時に入念な現況調査を行い、基礎部分で致命的な欠陥がある等、再生に適さないと判断した場合には買取の対象から除外する、あるいは建屋を解体して平地にすることにより、当社の提供する中古住宅の品質を一定に維持しております。

しかしながら、引き渡し後の不動産に何らかの契約不適合があった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) 収益の季節変動性リスク

当社グループの賃貸仲介事業及び管理事業収益(賃貸不動産の管理業務等)の売上高は、日本の慣習である2月から4月にかけての入学、入社や人事異動の転居に伴い集中する傾向があります。また、不動産売上高においては、商品の売却の時期、売却額により四半期の売上高に大きな影響を与えることがあります。これらにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、第42期連結会計年度における四半期ごとの売上高、経常利益は以下の通りであります。

 

 

第42期連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日

 

第1四半期
2022年10月
2022年12月

第2四半期
2023年1月
2023年3月

第3四半期
2023年4月
2023年6月

第4四半期
2023年7月
2023年9月

通期

売上高(千円)

2,687,673

2,213,566

2,643,386

1,780,289

9,324,915

売上構成比(%)

28.82

23.74

28.35

19.09

100.0

経常利益(千円)

200,919

285,016

296,610

71,583

854,128

 

 

(9) 有利子負債への依存と金利変動の影響について

当社グループの財務状況として、不動産商品の仕入れや太陽光売電設備等の設備投資により有利子負債比率が高くなる傾向にあります。そのため、当社グループでは棚卸資産の回転期間を重要な経営指標としており、原則として6ヶ月間(大型分譲開発行為を伴うものについては1年間)での販売計画を実施し、適正な在庫水準を維持することに重点を置いて、財務の安定を図っております。しかし、新たな投資用不動産の開発資金の借り入れを行う場合、金融機関の融資姿勢や金利の動向により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 (10) 固定資産の減損について

当社グループは、賃貸事業として賃貸用不動産を所有するほか、コインパーキングを営んでおります。また、太陽光売電事業として太陽光発電設備等を所有しております。これらの資産及び展開する営業店舗について、収益性の低下、地価の下落等の影響により固定資産の減損損失を計上することとなった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (11) 人材の確保及び育成について

当社グループが行う不動産業には、専門的かつ高度な知識や資格を有した人材が不可欠であります。また、新しい地域に事業拠点を拡大していくためには営業人員等の増強が不可欠であります。さらに管理部門においても、法令遵守や財務報告の適正性と正確性を確保するために有能な人材を配置する必要があります。今後、人材の育成に努めるとともに良質な人材の確保を急ぐ予定でありますが、これらが不調に終わった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 (12) 特定人物への依存について

当社代表取締役会長である薄井 宗明は、当社創業者であり、当事業年度の末日(2023年9月30日)において筆頭株主として発行済株式総数2,711,800株に対し960,000株(持株比率35.40%)を所有し、代表取締役として経営方針や経営戦略の決定等、当社の事業活動上の重要な役割を果たしております。当社においては、同人に対して過度に依存しないよう、合議制や権限委譲を推進することにより意思決定の合理化を図っております。しかしながら、現時点において、同人が何らかの理由により経営者として業務を遂行できなくなった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 (13) 法的規制について

当社グループは、宅地建物取引業の免許、賃貸住宅管理業の登録、建設業の許可及び、建築士法に基づく登録等を行って不動産販売や建築請負の事業を展開しておりますが、これらの事業は宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法その他、多くの法令や自治体の定める条例等による法規制を受けております。そのため当社グループでは法令遵守を徹底し、免許等の取消事由や更新欠格事由が発生しないように努めており、継続に支障を来たす要因は発生しておりませんが、将来当社グループの免許等が何らかの理由により取消し等になった場合には、当社グループの事業活動が大幅に制約されることとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。なお、当社グループの主要な業務である宅地建物取引業及び、賃貸住宅管理業について、その有効期限やその他の期限が法令、契約書により定められているものは下表のとおりです。

 

(許認可の状況)

許認可等の名称

許認可(登録)番号

有効期限

許認可等の取消または更新拒否の事由

宅地建物取引業者免許

国土交通大臣(4)第7026号

2025年3月31日

宅地建物取引業法第66条

賃貸住宅管理業者登録

国土交通大臣(2)第002086号

2026年10月19日

賃貸住宅管理業法第23条

 

 

 (14) 個人情報の保護について

当社グループは、土地・住宅・投資用不動産の購入顧客や管理賃貸住宅の入居者等の個人情報、従業員や一部取引先の個人番号等を保有しております。これらの情報については、「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)や「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(番号法)等に基づいてデータへのアクセス権限を制限したり、外部からの侵入防止を図る等の対策を講じたりするとともに、従業員等に対して個人情報保護法や番号法に係る啓蒙活動を実施して、その漏洩や不正使用の未然防止に努めております。しかしながら、人為的なミスや何らかの不正な方法等により当社グループが保有する個人情報等が漏洩等した場合には、信用力の低下や損害賠償の請求等によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

(15) 訴訟等について

当社グループは、本書提出日現在において業績に重要な影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、販売した不動産における契約不適合や債権未回収等の権利関係をめぐった顧客等との間でトラブルが発生した場合、または、リフォーム工事期間中に近隣からの騒音クレーム等が発生した場合等は、これらに起因する訴訟が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

  (16) ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について

当社グループは、当社及び当社子会社の取締役及び従業員に対し、当社グループの業績向上に対する貢献意欲や士気をよりいっそう高めるとともに、株主との価値共有の推進により、企業価値向上に資することを目的として、ストック・オプションとしての新株予約権を付与しております。提出日の前月末現在、新株予約権による潜在株式数は137,800株であり、これは発行済株式総数の5.08%に相当しております。今後、これらの新株予約権が行使されることで、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

(17) 太陽光発電設備の操業リスク

 当社グループが運営する太陽光発電設備においては、安全操業及び設備の安定運転を心がけております。保守・保安作業については当社グループ従業員のみならず、発電設備メーカー及びメンテナンス会社と協議を重ねた上で実施しておりますが、これら太陽光売電設備において、故障や盗難等の想定外の設備不良により、計画通りの操業ができなくなった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当社グループが属する不動産業界におきましては、賃貸市場は、新型コロナウイルス感染症による各種制限の緩和により、企業の人事異動や転居における消費者心理も回復基調にあり、需要は安定化へと推移しております。販売市場は、政府による住宅取得支援策や低金利の住宅ローンがある反面、資材や物価コストの上昇により、持家の住宅着工戸数は減少傾向が続いております。

 このような中、当社の自社企画投資用不動産のレーガベーネシリーズにおいて、鉄筋コンクリート造の物件に加え、小型の木造賃貸住宅の用地取得、建設に注力し、15棟が完成し10棟の販売を行い、現在建築中(建築準備を含む)の物件が15棟あることから、安定的な商品の供給サイクルが確立されました。また、新規事業である不動産ファンド事業については8つのプロジェクトを新規に募集することができました。中には、ファンドの小口投資から、自社企画投資用不動産への一棟投資へ発展するケースも現れ、不動産ファンド事業を起点に、新規の顧客投資家の拡充という効果が表れております。

 当社グループにおいては、全体の賃貸管理戸数が増加したことにより、安定収益基盤が強化され、茨城県を中心とした、物件情報の収集、仲介件数の拡大、管理物件の入居率向上及び管理戸数の更なる拡大が可能となっております。

 この結果、売上高9,324,915千円(前期比7.0%増)、営業利益856,987千円(同7.9%増)、経常利益854,128千円(同7.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益653,182千円(同32.5%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

   不動産流通事業

不動産売上高においては、自社企画投資用不動産のレーガベーネシリーズは10棟が販売となり、当社の主力商品として、安定的な商品づくりと供給が可能となりました。また、新橋の事業用物件(東京都港区)及び千葉県柏市分譲地(31区画)の売却が売上に大きく寄与する形となっております。その他、土地、戸建、区分所有建物の仕入れ、販売においても計画に対し好調に推移しました。賃貸仲介事業は、新型コロナウイルス感染症の行動制限等の緩和により、企業の人事異動や転居が回復傾向となった為、前年実績を上回る結果となりました。売買仲介事業は、物価上昇による消費者心理の低下の影響から、前年実績を下回る結果となりました。

 これらの結果、不動産流通事業の売上高は6,840,291千円(前期比6.0%増)、セグメント利益は698,192千円(同0.7%増)となりました。  

不動産管理事業

不動産管理事業については、当社の安定的な収益基盤であり、賃貸管理戸数が22,568戸、駐車場台数が8,668台となりました。自社の賃料収入は、物件の新規取得により前年実績を大きく上回る形となりました。また、コインパーキング事業は、運営台数が1,357台となり、行動制限の緩和から稼働率が計画を上回ったことから、前年実績を大きく上回る結果となりました。太陽光売電事業は、一部パワーコンディショナーの故障及び銅線の盗難により前年実績を下回る形となっております。

  これらの結果、不動産管理事業の売上高は2,504,978千円(前期比9.9%増)、セグメント利益は805,086千円(同4.9%増)となりました。

 

当連結会計年度末における総資産は14,129,111千円となり、仕掛販売用不動産の増加等によって前連結会計年度末に比べて2,617,886千円増加致しました。当連結会計年度末における負債合計は9,486,757千円となり、長期借入金の増加等によって前連結会計年度末に比べて2,020,972千円増加致しました。当連結会計年度末における純資産合計額は4,642,353千円となり、前連結会計年度末に比べて596,914千円増加致しました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べて20,954千円増加し、997,365千円となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び増減の要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は1,419,521千円(前期は319,937千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益920,688千円及び減価償却費337,395千円の計上があったものの、棚卸資産の増加2,620,661千円、法人税等の支払293,261千円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は282,337千円(前期は1,043,139千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出284,005千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は1,722,814千円(前期は1,117,048千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,413,304千円及び短期借入金の純減少額608,000千円があるものの、長期借入れによる収入3,639,400千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

  a.生産実績

 該当事項はありません。

 

   b.仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(千円)

前期比

(%)

不動産流通事業

1,852,738

△6.3

合計

1,852,738

△6.3

 

 (注) 1. 不動産管理事業の仕入実績については金額的重要性が乏しいため記載を省略しております。

 2.金額は、仕入価格によっております。

 

  c.受注実績

不動産流通事業においては、受注販売を行っておりませんので、受注実績は記載しておりません。

不動産管理事業の修繕及びリフォームについて受注を行っておりますが、いずれも受注から売上高計上まで期間 が短期であるため、受注実績は省略しております。

 

  d.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比

(%)

不動産流通事業

6,840,291

6.0

不動産管理事業

2,504,978

9.9

合計

9,345,269

7.0

 

  (注)内部売上高を控除する前の数値で記載しております。

 

 (注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社ACN

1,901,469

21.8

東通不動産投資株式会社

1,124,459

12.0

 

 

 

  (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

    経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、財政状態及び経営成績に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。当社グループはこの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 

当社グループが連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

  a.販売用不動産及び仕掛販売用不動産の評価

正味売却価額は、見積売却価格から見積追加投資額及び見積直接経費を控除して算出しております。正味売却価 額のうち、見積売却価格については、不動産市況のほか近隣物件及び同種物件の実際の成約価格及び現時点における販売状況等を勘案して見積りを行っております。また、見積追加投資額及び見積直接経費については、契約書又は見積書等の金額を基礎に見積りを行っております。

正味売却価額の見積りに用いた仮定は、実際の売却価格、追加投資額及び直接経費とは異なる可能性があり、その実現には不確実性があります。また、正味売却価額の見積りに用いた仮定について見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において、棚卸資産評価損を計上する可能性があります。

   b.固定資産の減損処理

減損の兆候があると認められた固定資産については、当該固定資産から得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額とを比較し、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には減損損失の認識が必要と判断し、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

減損の兆候の把握や減損損失の認識の判断において用いた仮定は、実際のキャッシュ・フローとは異なる可能性 があり、その実現には不確実性があります。また、減損損失の認識の判断に用いた仮定について見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において、減損損失を計上する可能性があります。

   c.繰延税金資産

繰延税金資産については、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異を

計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とし

た条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.売上高の分析

当連結会計年度における売上高は、9,324,915千円(前期比7.0%増)となりました。これは、東京都港区の事業用物件や千葉県柏市の分譲地の売却等により不動産売上高が5,517,819千円(同10.0%増)、期中に仕入れた鉄筋コンクリート造マンション2棟の賃料収入等により、自社物件の賃貸事業収益が441,758千円(同39.8%増)、また、ストックビジネスのメインである管理事業収益については、管理戸数の積み上げにより、1,155,727千円(同7.1%増)となっております。

以上の結果、事業セグメント別売上高は、不動産流通事業の売上高は6,840,291千円(同6.0%増)、不動産管理事業の売上高は2,504,978千円(同9.9%増)となりました。

 

 b.売上原価、売上総利益の分析

 当連結会計年度における売上原価は、5,721,021千円(前期比8.7%増)となりました。これは不動産売上高に付随する不動産売上原価が増加したことによるものであります。

 以上の結果、事業別セグメント売上原価は、不動産流通事業の売上原価は4,605,317千円(同7.7%増)、販売用不動産の減価償却を実施したことを主な要因とし、不動産管理事業の売上原価は1,124,033千円(同13.0%増)となったことによるものであります。

 その結果、当連結会計年度における売上総利益は、3,603,893千円(同4.5%増)となりました。

 c.販売費及び一般管理費、営業利益の分析

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、2,746,906千円(前期比3.5%増)となりました。これは主として人件費が増加したことによるものであります。

 その結果、当連結会計年度における営業利益は、856,987千円(同7.9%増)となりました。

 d.営業外損益、経常利益の分析

当連結会計年度における営業外収益は、41,629千円(前期比27.5%増)となりました。これは主として太陽光発電事業の設備の故障による受取保険金の増加によるものであります。また、営業外費用は44,488千円(同38.4%増)となりました。これは主として匿名組合損益分配額の増加によるものであります。

その結果、当連結会計年度における経常利益は、854,128千円(同7.5%増)となりました。

 e.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益の分析

当連結会計年度における特別利益は、113,924千円(前期比2,387.2%増)となりました。これは主として太陽光発電事業の設備の盗難による盗難関連受取保険金が計上されたためであります。また、特別損失は47,364千円(同23.7%減)となりました。これは主として太陽光売電事業の設備の盗難による復旧工事費用の発生及び発電停止期間中の減価償却費用等を計上したこと、子会社である株式会社KASUMICとの合併に係る費用が発生したことによるものであります。また、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額をあわせた税金費用は、267,506千円(同9.5%増)となりました。

その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、653,182千円(同32.5%増)となりました。

 

 ③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社の資金需要のうち主なものは、運転資金、販売用不動産購入資金、自社企画投資用不動産プロジェクト資金、設備資金であります。 

   運転資金は、基本的に手許資金で賄っております。

販売用不動産購入資金は、小型物件については手許資金、大型物件については、物件毎の販売計画に基づいて金融機関からの長期借入金または短期借入金で調達しております。

自社企画投資用不動産プロジェクト資金は、物件毎の企画書に基づいて金融機関からの長期借入金または短期借入金で調達しております。

   設備資金は、設備投資計画に基づき手許資金で賄っております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は、6,021,211千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、997,365千円となりました。

 

 

 ④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2021年3月16日に資本政策を制定し、自己資本比率は30%台を維持し40%を目指す、ROEは10%以上を維持する、配当性向は30%以上を当面の目標とするとし、また、年間管理戸数増加目標は1,000戸としております。

当期における実績につきましては、自己資本比率32.8%、ROE(自己資本利益率)15.1%、連結配当性向17.0%、年間管理戸数1,036戸増加となっております。連結配当性向につきましては目標値には達してはおりませんが、累進配当を続けたいと考えております。

また、当初2027年9月期に売上高100億超えを目標とする中期経営計画「KORYO2027」を公表いたしましたが、2023年12月1日に中期経営計画を2年前倒しする「KORYO2025」を公表いたしました。売上高100億円超えを2025年9月期とし、営業利益率についても8%から9%に修正をいたしました。上記の達成に向け、ストックビジネスの強化を進め、安定収益をより強固なものにしつつ、新規事業等により業容の拡大、成長を目指してまいります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。