第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

わが国の経済は、景気に緩やかな回復の動きが見られました。しかしながら、ウクライナ及び中東地域をめぐる情勢や円安等の影響による物価上昇に加え、金融資本市場の変動など先行きに対する不透明感が高まりました。印刷業界においては、デジタルメディアの拡大とともに従来型の紙媒体の需要が減少傾向にあります。その一方で、印刷EC業界はまだまだ潜在需要が大きく、年々成長しており、2022年の市場規模は1,340億円程度まで拡大したと想定されております(株式会社矢野経済研究所「国内印刷通販市場に関する調査」2023年2月より)。国内での広告市場も年々拡大しており、2022年のインターネット広告以外の広告市場は国内全体で約4.0兆円、なかでも当社グループの現在の事業領域(テレビCM、交通広告、ダイレクトメール及び新聞折込)における市場規模は約2.5兆円となっております(電通「日本の広告費 2022年」に基づく当社試算によります)。特にテレビCMについては、わが国でもっともリーチコストが安く多くの人々に情報を届けられる媒体であることから、より多くの企業がマーケティング手法として活用できる余地が残されています。当社グループは、テレビCMの小ロットかつ低価格での販売、ITを用いた効果分析といった独自の価値提供を通じ事業展開を図っております。

このような状況の中、当社グループは、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンの基、主に印刷・集客支援の統合バーティカルプラットフォーム「ラクスル」、テレビCM・動画広告の統合バーティカルプラットフォーム「ノバセル」を運営してまいりました。

当期からは代表取締役の変更もあり、ラクスルグループにとっての第二次創業期に入りました。複数事業を運営・最適化しながら、内製の事業立ち上げだけではなく、連続的なM&Aによる拡張を通して事業のさらなる成長へとつなげてまいります。具体的には、株式会社ラクスルファクトリーの株式取得、株式会社ダンボールワンとの合併、株式会社AmidAホールディングスの株式取得に加え、当第3四半期連結会計期間においては、株式会社Wild Sideの株式取得も完了し、ラクスルセグメントだけでなくノバセルセグメントにおいても新たなグループ作りへの積極的な動きをしております。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は37,557百万円(前年同期比24.7%増)、営業利益は2,189百万円(前年同期比50.2%増)、経常利益は1,869百万円(前年同期比73.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,104百万円(前年同期比47.7%増)となりました。

 

セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

 

(ラクスルセグメント)

「ラクスル」においては、経営統合による事業の効率化やM&Aによる事業拡張を積極的に進め、幅広い顧客基盤に基づく多様化したニーズに応えるべく、EC通販事業における顧客価値の創造に向けた動きを続ける中、法人向け印刷販促管理サービス「ラクスルエンタープライズ」が導入企業2,000社を突破するなど既存事業も堅調に拡大を続けております。

この結果、売上高は34,526百万円(前年同期比24.3%増)、セグメント利益は3,965百万円(前年同期比44.5%増)となりました。

 

(ノバセルセグメント)

「ノバセル」においては、前事業年度に比べて制作の売上が落ち込んでいる一方で、高速調査サービス「ノビシロ」を始めとするSaaS事業は順調な拡大を続けております。さらに、新たに株式会社Wild Sideを子会社化することで、番組指定、短期間・短納期バイイング、並びに高速PDCAをより一層可能にするなど、ラクスルセグメント同様に積極的にM&Aを活用し、顧客価値の拡大を追求しております。今後もテクノロジーによってより便利なサービス・機能を提供し、誰しもがマーケティングを使いこなし、世の中の素晴らしいサービスが正しく成長できる世界「マーケティングの民主化」の実現に向けて貢献してまいります。

この結果、売上高は1,857百万円(前年同期比1.6%減)、セグメント損失は4百万円(前年同期はセグメント利益38百万円)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

(流動資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産は25,440百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,851百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が3,939百万円、受取手形及び売掛金が306百万円、原材料及び貯蔵品が315百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。

 

(固定資産)

当第3四半期連結会計期間末における固定資産は17,198百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,122百万円増加いたしました。これは主にのれんが2,597百万円、投資有価証券が2,193百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。

 

(流動負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債は16,173百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,880百万円増加いたしました。これは主に一年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債の固定負債から流動負債への振替による5,005百万円の増加のほか、短期借入金が1,550百万円、預り金が658百万円、1年以内償還予定の社債が450百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。

 

(固定負債)

当第3四半期連結会計期間末における固定負債は10,878百万円となり、前連結会計年度末に比べ415百万円増加いたしました。これは主に転換社債型新株予約権付社債の固定負債から流動負債への振替により5,005百万円減少した一方で、長期借入金が3,140百万円、社債が2,000百万円、繰延税金負債が394百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は15,587百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,678百万円増加いたしました。これは主に自己株式の取得により700百万円減少した一方、親会社株主に帰属する四半期純利益2,104百万円を計上したこと等によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間において、四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成していないため、記載を省略しております。

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。

 

(6) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(7) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。