第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第22期

第23期

第24期

第25期

第26期

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

売上高

(百万円)

125,517

147,402

166,199

183,423

197,016

経常利益

(百万円)

27,644

44,386

49,655

56,716

59,764

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

18,804

30,932

34,492

39,526

44,341

包括利益

(百万円)

18,706

30,806

34,615

39,434

44,801

純資産額

(百万円)

34,534

55,507

55,099

76,693

84,744

総資産額

(百万円)

94,186

125,656

127,276

155,742

161,862

1株当たり純資産額

(円)

113.11

181.53

183.23

255.31

285.38

1株当たり当期純利益

(円)

61.60

101.30

115.02

131.83

148.19

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

115.01

自己資本比率

(%)

36.7

44.1

43.2

49.2

52.4

自己資本利益率

(%)

65.9

68.8

62.5

60.1

55.0

株価収益率

(倍)

23.6

32.3

28.6

22.9

25.7

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

24,789

44,790

39,895

36,671

42,589

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

5,987

4,648

1,283

10,588

9,879

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

6,771

12,117

34,823

17,738

37,138

現金及び現金同等物
の期末残高

(百万円)

33,602

61,648

65,520

74,145

69,748

従業員数

(名)

1,158

1,297

1,435

1,555

1,693

(3,005)

(3,339)

3,373)

5,527)

5,953)

 

(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第24期の期首から適用しており、第24期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

2 従業員数は、正社員、準社員の就業人員数であります。

3 臨時雇用者(アルバイト及び人材派遣会社からの派遣社員)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。なお、臨時雇用者の人員の表示にあたって、第24期以前は労働時間を8時間換算しておりましたが、実際の就労人員の規模や属性の把握を目的として、第25期より時間換算をせずに年間の平均人員の表示に変更しております。

4 第22期、第23期、第25期及び第26期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第22期

第23期

第24期

第25期

第26期

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

売上高

(百万円)

117,238

146,958

164,741

181,391

194,009

経常利益

(百万円)

24,930

43,148

51,822

57,466

59,765

当期純利益

(百万円)

18,426

30,998

37,685

40,349

44,492

資本金

(百万円)

1,359

1,359

1,359

1,359

1,359

発行済株式総数

(株)

311,644,285

311,644,285

311,644,285

311,644,285

300,474,181

純資産額

(百万円)

29,955

51,063

53,744

76,275

84,270

総資産額

(百万円)

88,117

119,409

124,918

153,711

161,061

1株当たり純資産額

(円)

98.12

167.21

179.19

254.31

283.78

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

30

41

58

65

104

(12)

(15)

(22)

(24)

(49)

1株当たり当期純利益

(円)

60.36

101.52

125.66

134.57

148.70

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

125.66

自己資本比率

(%)

34.0

42.8

43.0

49.6

52.3

自己資本利益率

(%)

76.3

76.5

71.9

62.1

55.4

株価収益率

(倍)

23.6

32.2

26.1

22.4

25.6

配当性向

(%)

49.7

40.4

46.2

48.3

69.9

従業員数

(名)

689

838

1,338

1,418

1,604

(2,993)

(3,311)

(3,355)

5,502)

5,900)

株主総利回り

(比較指標:TOPIX(東証株価指数))

(%)

71.0

(90.5)

160.2

(128.6)

163.7

(131.2)

153.8

(138.8)

196.7

(196.2)

最高株価

(円)

2,678

3,700

4,430

3,545

4,048

最低株価

(円)

1,151

1,295

2,694

2,268

2,593

 

(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第24期の期首から適用しており、第24期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

2 従業員数は、正社員、準社員の就業人員数であります。

3 臨時雇用者(アルバイト及び人材派遣会社からの派遣社員)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。なお、臨時雇用者の人員の表示にあたって、第24期以前は労働時間を8時間換算しておりましたが、実際の就労人員の規模や属性の把握を目的として、第25期より時間換算をせずに年間の平均人員の表示に変更しております。

4 第22期、第23期、第25期及び第26期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

5 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。

 

 

2 【沿革】

 

年月

概要

1998年5月

輸入CD・レコードの通信販売を目的に、東京都江戸川区に㈲スタート・トゥデイを設立

2000年1月

インターネット上のCD・レコードの輸入販売サイト「STMonline」の運営を開始

2000年4月

㈱スタートトゥデイへ組織変更

2000年10月

 

アパレル商材を中心としたEC事業のさきがけとなるインターネット上のセレクトショップ「EPROZE」の運営を開始

2001年1月

本社を千葉県千葉市美浜区に移転

2004年12月

インターネット上のショッピングサイト「ZOZOTOWN」の運営を開始

2006年8月

ZOZOBASE(物流センター)を開設(習志野市)

2007年12月

東京証券取引所マザーズ市場に上場

2008年5月

㈱スタートトゥデイコンサルティングを設立

2009年3月

BtoB事業の第一号案件である㈱ビームスが運営するオフィシャルECサイト「BEAMS Online Shop」のEC支援開始

2011年3月

東北地方太平洋沖地震災害支援のチャリティーTシャツを販売し、売上相当額の353百万円を東日本大震災の復興支援を行っている4団体へ寄付

2011年5月

海外顧客向けのグローバルサイト「ZOZOTOWN.com」を開設

2011年6月

 

2011年8月

 

中国香港にソフトバンク㈱との合弁会社ZOZOTOWN HONGKONG CO.,LIMITED(2017年8月清算)を設立

㈱クラウンジュエル(㈱ZOZOUSEDに社名変更)の株式を追加取得し完全子会社化

中国上海に走走城(上海)電子商務有限公司(2015年7月清算)を設立

2012年2月

東京証券取引所市場第一部に上場

2013年8月

㈱スタートトゥデイコンサルティングを吸収合併

 

㈱ブラケットを株式交換により完全子会社化

2013年10月

「WEAR」の運営を開始

 

新物流センターを稼働(習志野市)

2014年3月

即日配送サービスを開始

2014年10月

㈱ヤッパ(現・㈱ZOZO NEXT)(現・連結子会社)を株式交換により完全子会社化

2015年7月

㈱アラタナを株式交換により完全子会社化

2016年9月

㈱ブラケットをマネジメント・バイアウト(MBO)方式により売却

2017年3月

STV FUND, LPを設立

2017年5月

START TODAY Germany GmbH(現・ZOZO Germany GmbH i.L.)(2020年11月清算)を設立

 

START TODAY USA, Inc.(現・ZOZO Apparel USA., Inc.)(現・連結子会社)を設立

2017年10月

㈱VASILYを株式取得により完全子会社化

2018年1月

㈱カラクルを株式取得により完全子会社化

 

当社初のプライベートブランド 「ZOZO(ゾゾ)」を販売開始

2018年4月

㈱VASILY及び㈱カラクルを㈱ZOZOテクノロジーズ(現・㈱ZOZO NEXT)が吸収合併

2018年8月

Bespokify Pte., Ltd.を株式取得により完全子会社化

2018年10月

 

㈱ZOZOへ商号変更

新物流センター(つくば市)を稼働

2019年3月

ZOZO NEW ZEALAND LIMITED(現・連結子会社)を設立

 

 

年月

概要

2019年4月

上海走走信息科技有限公司(2023年2月清算)を設立

2019年8月

南通卓騰信息科技有限公司(現・連結子会社)を設立

2019年9月

Zホールディングス㈱との間で資本業務提携契約を締結

2019年10月

新物流センター(つくば市)を稼働

 

日本初となるPGAトーナメント「ZOZO CHAMPIONSHIP」を開催

2019年11月

㈱ZOZOUSEDを吸収合併

 

Zホールディングス㈱による当社へのTOBが実施され、同社の連結子会社化

2019年12月

 

「ZOZOTOWN」をLINEヤフー㈱が運営する「Yahoo!ショッピング」(2022年10月にPayPayモールを吸収し統合)に出店

 

中国版ZOZOTOWN「ZOZO」の提供開始

2020年3月

新物流センター(習志野市)を稼働

2020年4月

㈱アラタナを吸収合併

2020年7月

㈱yutoriを株式取得により子会社化

2020年10月

新物流センター(つくば市)を稼働

2021年2月

本社を千葉県千葉市稲毛区に移転

2021年10月

㈱ZOZOテクノロジーズ(現・㈱ZOZO NEXT)を吸収分割

2021年11月

ZOZOTOWNとブランド実店舗をつなぐOMOプラットフォーム「ZOZOMO」を開始

2022年3月

 

ウクライナ人道支援チャリティーTシャツを販売し、売上金283百万円全額を特定非営利活動法人へ寄付

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行

2022年12月

 

当社初のリアル店舗、自分の「似合う」が見つかる超パーソナルスタイリングサービス「niaulab by ZOZO」を提供開始

2023年11月

新物流センター(つくば市)を稼働

2023年12月

㈱yutoriの株式一部売却に伴い連結除外

 

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(㈱ZOZO)の他、主に連結子会社4社(㈱ZOZO NEXT、ZOZO Apparel USA., Inc.、ZOZO NEW ZEALAND LIMITED、南通卓騰信息科技有限公司)によって構成されており、ファッションECサイト「ZOZOTOWN」、ファッションメディア「WEAR」等の運営を主な事業として行っております。

 

当社グループはEC事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

EC事業内の各事業区分の主な事業内容は、以下のとおりです。

 

(1)ZOZOTOWN事業

ZOZOTOWN事業は買取・製造販売、受託販売、USED販売から構成されております。

買取・製造販売

買取・製造販売は、当社グループが仕入れを行い、在庫リスクを負担し販売を行う事業形態であります。各ブランドからファッション商材を仕入れる形態と、MS(マルチサイズ)等、自社在庫を持ちながら販売を行う形態がこちらに該当します。

②受託販売

受託販売は、ZOZOTOWNに各ブランドがテナント形式で出店を行い、出店後の運営管理を行う事業であり、当社グループが各ブランドの商品を当社の物流拠点に受託在庫として預かり、販売を行う事業形態です。当事業と買取ショップとの大きな違いは、基本的なマーチャンダイジングをテナント側が実施することと、受託販売形態であるため当社が在庫リスクを負担しないことであります。当事業に係る売上高は、販売された商品の手数料を受託販売手数料として計上しております。

③USED販売

USED販売は、主に個人ユーザー等から中古ファッション商材を買い取り、自社在庫を持ちながら販売を行う二次流通事業であります。

 

(2)LINEヤフーコマース

LINEヤフーコマースは、LINEヤフー㈱が運営するオンラインショッピングモール「Yahoo!ショッピング」へZOZOTOWNを出店、ならびに、同社が運営するネットオークションサービス「Yahoo!オークション」へZOZOUSEDを出店し、商品を販売する事業形態であります。

 

(3)BtoB事業

BtoB事業は、アパレルメーカーが独自に運営するECサイトのシステム開発、デザイン制作、物流請負、マーケティング支援など、必要に応じて各種フルフィルメント関連業務を支援するものであります。なお、当事業に係る売上高につきましても、受託ショップと同様、販売された商品の手数料を受託販売手数料として計上しております。

 

(4)広告事業

広告事業は、「ZOZOTOWN」及び「WEAR」のユーザーリーチ基盤を活用し、取引先ブランドや当社グループも属するソフトバンクグループ各社等に広告枠を提供し、広告収入を得る事業形態であります。

 

(5)その他

ZOZOTOWN事業に付随した事業(送料収入、決済手数料収入等)であります。

また、Yahoo!ショッピングにおけるZOZOTOWN店を除いたファッションカテゴリーストアのうち、ZOZOオプション(当社提案をもとにYahoo!ショッピング内で実施する特集企画への参加等の営業支援の恩恵を受ける事が出来るサービス)、ZOZOTOWNからオフライン店舗への送客をする仕組み「ZOZOMO」を経由した商材の販売及び米国にて「ZOZOSUIT」を有料販売する事業形態があります。

 

 

[事業系統図]


 

 

4 【関係会社の状況】

1.親会社

 

名称

住所

資本金

主要な事業
の内容

議決権の所有割合(%)

関係内容

ソフトバンクグループ㈱

東京都
港区

238,772

百万円

持株会社

51.5
(51.5)

ソフトバンクグループジャパン㈱

東京都
港区

188,798

百万円

持株会社

51.5
(51.5)

ソフトバンク㈱

東京都
港区

214,393

百万円

通信業

51.5
(51.5)

Aホールディングス㈱

東京都
港区

100

百万円

持株会社

51.5
(51.5)

LINEヤフー㈱

東京都
千代田区

248,144

百万円

インターネット広告事業、イーコマース事業及び会員サービス事業などの展開並びにグループ会社の経営管理業務など

51.5
(51.5)

当社はLINEヤフーコマースへの出店を行っております。

Zホールディングス中間㈱

東京都
千代田区

1

百万円

持株会社

51.5
(―)

 

(注)1 「当社に対する議決権比率」は、各社が直接所有する議決権の比率及び間接所有する議決権の比率の合計となっており、( )内は、間接所有する比率を内数で記載しております。

2 当社の親会社はZホールディングス中間㈱で、同社は当社の株式を152,952,900株(議決権比率51.5%)所有しております。

 

2.子会社

 

名称

住所

資本金

主要な事業
の内容

議決権の所有割合(%)

関係内容

(連結子会社)
㈱ZOZO NEXT (注)1

千葉県
千葉市
稲毛区

280

百万円

新規技術の研究開発

100.0

役員の兼任2名

(連結子会社)

ZOZO Apparel USA, Inc.

United States Los Angeles

1

百万米ドル

本社向け営業支援並びにプロジェクトマネジメント支援

100.0

役員の兼任1名

(連結子会社)

ZOZO NEW ZEALAND LIMITED

(注)1

New Zealand

Auckland

4

百万ニュージランドドル

計測技術等の開発

100.0

役員の兼任1名

(連結子会社)
南通卓騰信息科技有限公司

中国

南通市

7

百万人民元

生産プラットフォームのコンサルティング

100.0

役員の兼任1名

 

(注)1 特定子会社であります。

2 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

3 ㈱yutoriは、当連結会計年度に上場にあたり増資をおこない、また、当社は保有する株式の一部を売却したことにより、同社を連結の範囲から除外しております。なお、㈱yutoriが連結財務諸表に与える影響は軽微であるため、持分法適用の範囲に含めておりません。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在)

従業員数(名)

1,693

(5,953)

 

(注) 臨時雇用者(アルバイト及び派遣社員)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在)

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,604

(5,900)

33.9

6.2

6,925

 

(注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。

2  臨時雇用者(アルバイト及び派遣社員)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

3  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含み、ストックオプション、譲渡制限付株式による株式報酬費用は含んでおりません。

4 前事業年度末に比べ従業員数が186名増加しております。主として事業拡大に伴う積極的な新規採用によるものであります。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4) 提出会社の管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)

男性の育児休業等取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の格差(%)(注1)

正規雇用

労働者

パート

有期労働者

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート

有期労働者

24.2

67.4

77.8

56.4

73.0

103.9

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2  「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。