当第2四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」からの重要な変更はありません。
(継続企業の前提に関する重要事象等)
当社グループは、前連結会計年度において下記の項目に該当することから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
・継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナス
・重要な営業損失
当社グループは、当第2四半期連結累計期間の業績においても、営業損失196百万円、経常損失320百万円及び親会社株主に帰属する四半期純損失425百万円を計上し、当該状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。
当社グループは、上記の継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況を解消するために、以下の対応策を講じ、当該状況の解消又は改善に努めてまいります。
当社グループは、安定したキャッシュ・フローを産みだすシステム開発のITサービス事業に集中いたします。また、資本業務提携を締結した株式会社クシム及びその子会社であるチューリンガム株式会社とともに、ブロックチェーン技術を活用したWeb3ビジネスの拡大を図ります。ITサービス事業への集中とWeb3ビジネスの拡大により、2026年10月期までの間に年平均13%増の連結売上高を目指してまいります。
これまで業績面で大幅なマイナスの影響をもたらしていた暗号資産関連事業の子会社を売却し、株式会社EWJ(以下、「EWJ」といいます。)の第一種金融商品取引業と投資運用業を廃止したことで、2024年10月期以降は販売費及び一般管理費は、2023年10月期比で約2,200百万円が削減される見込みです。
また、既存取引先の条件見直しに加え、Web3コンサル事業「CAICA Web3 for Biz」から、上流工程の高単価SI案件を獲得することで、2026年10月期までに営業利益率6%を目指します。さらに、2026年10月期までにITサービス事業の人員(パートナー人員を含む)を2023年10月期比で8.5%増の725人とする予定であり、一人当たりの売上も8.5%増とする予定です。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当第2四半期連結累計期間より、「売上高」に含めていた活発な市場が存在しない暗号資産の評価損について、経済的実態をより適切に四半期連結財務諸表に表示するため、「売上原価」に含めて表示する方法に変更しております。当該変更に伴い、前第2四半期連結累計期間の業績については、表示方法の変更を反映した組み替え後の数値で記載しております。
詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (追加情報)(表示方法の変更)」をご参照ください。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2023年11月1日~2024年4月30日)におけるわが国経済は、アフターコロナにおいて社会活動が正常化したことに伴い、景気が緩やかに回復している状況にあります。一方、円安の進行や、ウクライナ、イスラエル情勢などの地政学リスクの高まり等による原油価格や原材料価格の高騰、中国の景気後退懸念等、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループが事業を展開するITサービス業界及び金融サービス業界は、各企業の業務効率化への意欲と、労働人口の減少による人員不足に伴い、DXの推進が求められております。DX推進の動きにより、先端技術の重要性とITサービス及び金融サービス産業の市場の拡大が増々加速していくものと見込まれます。
このような状況の下、当社グループは、前連結会計年度に実施した暗号資産関連事業の子会社売却も含め、赤字が継続していた金融サービス事業の一部から撤退し、安定的なキャッシュ・フローを産むグループ体制への移行を図っております。今後は、従前から黒字事業が継続しているITサービス事業を軸に、金融サービス事業におけるWeb3分野でのビジネスを拡大することで収益力の向上を図ってまいります。Web3分野でのビジネス拡大の一環として、2024年2月に、韓国のWeb3企業であるSevenlineLabsと業務提携し、韓国のゲーム市場の開拓を推進しております。また、2024年3月に株式会社フィスコと、Zaif INOが取り扱うNFTの発掘及び販売促進、フィスコが持つ投資情報について生成AIを使った対話型スクリーニングの共同研究等を目的とした資本業務提携を強化いたしました。さらに、2024年4月には、株式会社クシムの子会社であるチューリンガム株式会社とカイカコインのGameFi分野における利活用に向けたパートナーシップを締結いたしました。これらの施策の結果、当第2四半期連結累計期間において、営業活動によるキャッシュ・フローの黒字化を達成することができました。
当第2四半期連結累計期間における連結売上高は2,866百万円(前年同四半期比5.2%増)となりました。
金融サービス事業においては、保有する暗号資産(カイカコイン)の暗号資産評価損273百万円を売上原価に計上いたしました。一方、ITサービス事業である株式会社CAICAテクノロジーズ(以下、「CAICAテクノロジーズ」といいます。)における売上高が好調に推移した結果、増収となりました。
利益面につきましては、EWJにおいて事業廃止後に残存する業務等に係る一時的な費用の計上はあるものの、前連結会計年度に売却した暗号資産関連子会社及び事業を廃止したEWJの販売費及び一般管理費の削減効果により、連結営業損失は196百万円(前年同四半期は営業損失1,397百万円)と大きく改善いたしました。経常損失は、投資事業組合運用損84百万円等、営業外費用131百万円を計上したことにより320百万円(前年同四半期は経常損失1,534百万円)となりました。また、投資有価証券評価損108百万円を特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する四半期純損失は425百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失1,350百万円)となりました。
セグメントごとの業績は以下のとおりであります。
1)ITサービス事業
システム開発を担うCAICAテクノロジーズは売上高、営業利益ともに前年同四半期を上回って推移しております。また、顧客への価格交渉や高単価案件の獲得に努めたことで利益率も大きく改善いたしました。
金融機関向けのシステム開発分野は、銀行、保険の業種において堅調に推移いたしました。とりわけ保険会社向けの一次請け案件や一次ベンダからのメガバンク案件等を中心に売上高が増加しております。
非金融向けシステム開発分野は、依然として顧客の事業拡大意欲が高く、IT投資も継続されており、大手SIer等、既存顧客からの受注が好調に推移いたしました。また現在、CAICAテクノロジーズはDXコンサルティングによるSI事業サービスに注力しております。2024年1月にPegasystems社のAIを活用したDXソリューションサービスの提供を目的としたパートナーシップ契約を締結いたしました。また、2024年4月に、HCLSoftware社のAIを活用したDXソリューションサービスの提供を目的としたパートナーに認定されました。これらは、パートナーのDXソリューションサービスをCAICAテクノロジーズがコンサルティングすることで、顧客のビジネス課題を解決し、コアビジネスに直接効果のあるソリューションとして提供するものです。
CAICAテクノロジーズでは、上流工程の案件を獲得するため、従来のウォーターフォール型の受注体制に加えて、アジャイル型の受注体制を構築したスクラム体制によるシステム開発体制を構築いたしました。このスクラム体制で、顧客ニーズにマッチした品質の高いシステム開発を短期間で提供しております。この結果、幅広い業種の顧客から、DXコンサルティングによるSI事業サービスとスクラム体制によるシステム開発への引き合いが増加しております。
フィンテック関連のシステム開発分野は、決済系の案件を中心に安定的に受注を獲得いたしました。
これらの結果、ITサービス事業の売上高は、2,845百万円(前年同四半期比6.4%増)、営業利益は334百万円(前年同四半期比130.1%増)となりました。
2)金融サービス事業
当第2四半期連結累計期間における売上高は、当社において暗号資産を売却したことによる売上高のプラス計上があった一方で、主に子会社の株式会社カイカフィナンシャルホールディングス(以下、「カイカフィナンシャルホールディングス」といいます。)で保有する暗号資産(カイカコイン)の暗号資産評価損273百万円を売上原価※に計上しております。暗号資産(カイカコイン)の評価損は、第1四半期連結会計期間において、暗号資産評価損93百万円を計上いたしました。当第2四半期連結会計期間においては、カイカコインの流通量拡大、時価総額の拡大といった活性化に努めたものの、経済・市場環境、会計基準等に照らし、処分見込価額を検討した結果、カイカコインの評価額を備忘価額まで切り下げることが妥当であると判断し、暗号資産評価損180百万円を計上いたしました。
※従来、活発な市場が存在しない暗号資産(カイカコイン等)の評価損は、「売上高」にマイナス表示しておりましたが、当第2四半期連結累計期間より、「売上原価」に含めて表示する方法に変更しております。
カイカフィナンシャルホールディングスが運営するZaif INOの売上高は、NFTの販売高に応じた販売手数料を収益源としております。当第2四半期連結累計期間は高収益である自社オリジナルのNFT販売や、ゲーム領域以外のイラストレーターによるNFTの販売を開始いたしました。又、クレジットカードやカイカコインでの決済にも対応が可能となったことに加え、カードをかざすだけで購入したNFTの確認ができるNFTカード形式での販売を実施し、ユーティリティーの向上を図っております。また、カスタマーディベロップメント事業は、暗号資産や金融業界をはじめとした様々な業界に適応可能な顧客対応を行っております。ご相談いただいた業務内容に合わせて、高水準のカスタマーサポートチームを提供するほか、カスタマーとの友好な関係構築を支援いたします。Zaif INO事業及びカスタマーディベロップメント事業の業績は概ね計画の範囲内で推移しております。
新たな取り組みとしては、韓国のゲーム市場を開拓すべく、韓国のWeb3企業、SevenlineLabs社と提携し、Zaif INOへの有力ゲームのNFT出展支援及び韓国の投資家のZaif INOへの誘致等を推進しております。
また、カイカコインの初心者向けのウェビナーの実施やカイカコインのレンディングサービスを再開いたしました。当社グループでは、上述の評価額の切り下げに関わらず、引き続きこれらカイカコインの価値向上施策を推進し、2023年9月25日付で公表したカイカコインライトペーパーに記載のとおり、カイカコインが国内のGameFiエコシステムにおけるハブとなる暗号資産になることを目指してまいります。
カイカコインライトペーパー : https://www.caica.jp/cicc/litepaper/document/
これらの結果、金融サービス事業の売上高は24百万円(前年同四半期比50.2%減)、営業損失は359百万円(前年同四半期は営業損失1,363百万円)となりました。
なお、前第2四半期連結累計期間の四半期連結計算書において、「売上高」に含めておりました「暗号資産評価損」229百万円は、「売上原価」に組み替えております。
3)その他
その他につきましては、暗号資産コンテンツの提供を行うメディア事業で構成されており、売上高は0百万円(前年同四半期比77.7%減)、営業利益は0百万円(前年同四半期比77.7%減)となりました。
② 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は2,714百万円(前連結会計年度比8.7%減)となりました。これは主に、暗号資産が268百万円減少したことなどによるものであります。
当第2四半期連結会計期間末における負債は937百万円(前連結会計年度比21.3%増)となりました。これは主に、短期借入金が339百万円増加したことなどによるものであります。
当第2四半期連結会計期間末における純資産は1,776百万円(前連結会計年度比19.2%減)となりました。これは主に、当第2四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純損失により利益剰余金が減少したことなどによるものであります。
以上のとおり、当第2四半期連結会計期間末においては、自己資本比率が65.1%(前連結会計年度末は73.2%)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて239百万円減少し、809百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金の増加は、226百万円(前年同四半期は747百万円の減少)となりました。主な増加要因としては、投資有価証券評価損132百万円、暗号資産の減少268百万円、預託金の減少108百万円などによるものであります。これらの結果、当第2四半期連結累計期間において、営業活動によるキャッシュ・フローの黒字化を達成することができました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少は、392百万円(前年同四半期は16百万円の増加)となりました。主な減少要因としては、投資有価証券の取得による支出400百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金の減少は、73百万円(前年同四半期は122百万円の増加)となりました。主な減少要因としては、社債の償還による支出70百万円などによるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費はありません。
(5) 従業員数
① 連結会社の状況
当第2四半期連結累計期間において、従業員数に著しい増減はありません。
② 提出会社の状況
当第2四半期累計期間において、従業員数に著しい増減はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(7) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。
該当事項はありません。