当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 財政状態に関する説明
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して966百万円減少し、11,169百万円
となりました。主な増減要因は、次のとおりであります。
流動資産は、前連結会計年度末と比較して271百万円減少し、8,958百万円となりました。これは主に、売掛金の減少427百万円、流動資産「その他」に含まれる未収還付法人税等の増加163百万円によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比較して694百万円減少し、2,210百万円となりました。これは主に、有形固定
資産の増加550百万円、無形固定資産「その他」に含まれるソフトウエア仮勘定の減少465百万円及び投資その他の
資産に含まれる繰延税金資産の減少517百万円によるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末と比較して486百万円増加し、5,012百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比較して、750百万円増加し、3,766百万円となりました。これは主に、買掛金の増加171百万円、短期借入金の増加407百万円及び1年内返済予定の長期借入金の増加155百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比較して、263百万円減少し、1,245百万円となりました。これは主に、長期借入金の減少313百万円によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末と比較して1,452百万円減少し、6,156百万円
となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失1,450百万円によるものであります。
その結果、自己資本比率は55.12%になりました。
② 経営成績に関する説明
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、一部に足踏みもみられるものの、緩やかな回復が続きました。景気の回復を背景に個人消費にも持ち直しの動きがみられましたが、物価の上昇により消費者マインドは停滞する状況がみられました。国内化粧品市場においては、外出機会の増加により個人消費が回復し、円安によるインバウンド需要の増加もみられました。一方で、コロナ禍を機に国内化粧品市場の2極化が鮮明となっており、低価格帯市場の拡大傾向が続いています。
こうした状況の下、当社グループは、厳しい事業環境下においても着実に利益を創出できる筋肉質な企業体質の確立に向け、通販事業の立て直し、ブランドマネジメント及びコスト構造の改善等の施策に取り組んでいます。
当第3四半期連結累計期間における売上高は、子会社のベネクスを通じて行っているリカバリー事業の売上が伸長したものの、当社で行っているアンチエイジング事業の売上が減収となり、全体では15,439百万円(前年同期比25.1%減)となりました。営業利益は、アンチエイジング事業の減収により売上総利益が減少したものの、リカバリー事業の利益の伸長に加え、通販市場での広告コストの高止まりや、獲得効率・転換率を重視した新規獲得方針に基づき広告投資をコントロールしたことから、3百万円(前年同期比92.4%減)、経常利益は円安による為替差益の増加により44百万円(前年同期比1.3%増)となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失は、第2四半期連結会計期間において、ソフトウエア資産に係る減損損失及び契約損失並びに契約損失引当金繰入額を特別損失として計上したこと、及び繰延税金資産を取り崩し法人税等に計上したことから1,450百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失153百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
アンチエイジング事業
(単位:百万円)
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2023年7月期 第3四半期連結累計期間 |
2024年7月期 第3四半期連結累計期間 |
前年同期比 (%) |
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売上高 |
20,303 |
14,102 |
△30.5 |
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営業利益又は営業損失(△) |
56 |
△166 |
- |
売上高
アンチエイジング事業の売上高は、14,102百万円(前年同期比30.5%減)となりました。
「デュオ」ブランドでは、「ザ クレンジングバーム」が5年連続クレンジング売上No.1(*1)を獲得し、シリーズ累計の出荷個数が2024年2月末に5,000万個を突破しました。しかしながら、市場全体でバーム剤型からオイル剤型へのシフトが継続するとともに、低価格バーム商品との競争が激化していることから、売上高は通信販売・卸売販売ともに減少しました。このような状況を打開するため、新たなテレビCMや美容家・インフルエンサーによるイベント、SNS等を通じて、ブランド価値、商品価値の理解を促進するコミュニケーションを強化するとともに、継続率向上施策やロイヤル顧客の継続促進に注力していますが、これらの施策は十分な効果が得られるまでに一定の期間を要するため、現時点においてはまだ効果は限定的です。
「カナデル」ブランドでは、オイル級のメイク落ちを叶える「カナデル クレンジングウォーター」及び瞬時に潤う「カナデル ジュレローション[医薬部外品]」を2024年3月から新たに投入し、ブランドのラインナップを拡充しました。しかしながら、オールインワン市場の厳しい競争環境が続くとともに、広告オークションの競争激化により新規獲得が計画を下回り、売上高は前年同期実績を下回っています。
「クレイエンス」ブランドは、カラートリートメントの競争激化や広告コストの高止まりの影響を受けたものの、売上高は徐々に拡大し計画通りの販売が続いています。昨年度投入した、しっかり染色できる医薬部外品の泡状白髪カラー「クレイスパクイックカラー」も、テストマーケティングで販売を伸ばしています。この結果、四半期毎の売上高は増収傾向が続いています。
この他、昨年度新たに投入したインナーケア事業のサプリメント「シントー」は、インフルエンサー施策の強化により新規獲得件数が拡大、高濃度ビタミンCブランド「シーマニア」は配荷店舗数が6,300店舗に拡大するなど、いずれもテストマーケティングで好調を維持していますが、主力ブランドの売上高の減少を補うには至っておりません。
営業損益
損益面では、通販市場での広告コストの高止まりを背景に新規獲得の広告投資をコントロールしたものの、減収により売上総利益が減少したことから、営業損失は166百万円(前年同期は営業利益56百万円)となりました。
リカバリー事業
(単位:百万円)
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2023年7月期 第3四半期連結累計期間 |
2024年7月期 第3四半期連結累計期間 |
前年同期比*2 (%) |
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売上高 |
306 |
1,337 |
- |
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営業利益又は営業損失(△) |
△13 |
163 |
- |
売上高
売上高は、継続的に行っているサプライチェーン・マネジメントの強化及び新たな販売チャネルの開拓においてグループシナジーが発揮されたことから、第3四半期における過去最高収益を更新し1,337百万円となりました。2024年3月から新ブランドアンバサダーにイモトアヤコさんを起用し、ブランド認知に向けた広告投資を強化したことから、自社サイトへのアクセス数も大幅に増加しています。
営業利益
売上高の伸長により、営業利益も第3四半期における過去最高を更新し163百万円となりました。
*1 TPC マーケティングリサーチ㈱調べによるブランド別クレンジングに関する調査
(調査対象期間:2019 年 4 月~2024 年 3 月/調査時期:2024 年4月)
*2 リカバリー事業の売上高及び営業利益の増減率については、リカバリー事業が前連結会計年度の第3四半期連結会計期間より開始したことから記載しておりません。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
将来の業績動向等を踏まえた結果、前連結会計年度末において繰延税金資産の見積り時に想定していた仮定について見直すこととなりました。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の総額は364百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。