第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループの経営理念、経営目標は次のとおりであります。

①経営理念

「美と健康を通じてすべての人に夢と感動をお届けする」

②経営目標

・人々の生活を豊かにする商品の研究、開発、提供により社会貢献する

・美容のプロフェッショナルをサポートするプロフェッショナルを目指す

・お客様、社員に感謝して感謝される存在を目指す

 

上記の経営理念、経営目標を基軸に、当社グループは常に消費者のニーズに合致した商品を開発し、市場に投入してまいりました。研究開発の基本方針として「消費者が、肌、髪本来の美しさを手に入れることができる、より高品質で安心・安全な化粧品の開発」を掲げております。

今後も独自のカウンセリング販売戦略によりサロンを繁栄させるとともに事業の拡大を行い、美容業界への貢献に努めてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社は2023年6月20日公表の通り、中長期的な目線での戦略遂行が持続的な成長及び企業価値向上に資すると判断しスタンダード市場を選択しました。また2023年10月20日公表の通り、2022年4月22日に公表しました中期経営計画の見直しを決定し、新たな戦略の策定を検討しております。

次期売上高につきましては、理美容専売事業においてスキンケア2ラインを上市し、デジタルコンテンツの充実を図りながら伸長に努めてまいります。また、EC事業は、自社サイトによる定期顧客のさらなる増加やモールECの運用強化など積極的に活動いたします。

販管費につきましては、上記新商品にプロモーション費用、新規採用に伴う人件費、IT関連費等の費用が増加する計画となっております。

以上の結果、連結売上高4,640百万円(当期比4.5%増)、連結営業利益163百万円(当期比165百万円増)、連結経常利益163百万円(当期比857.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益79百万円(当期比179百万円増)を計画しております。

 

(3)経営環境及び会社の経営戦略

次期につきましては、物価上昇は落ち着きつつあり、春闘による賃上げの動きなどから消費者行動の改善が期待される一方で、金融政策の転換や地政学リスクの影響による燃料費や光熱水費の高騰が見込まれることから、先行き不透明な状況が続くと想定しています。中長期的にみた国内美容市場は、人口減少、少子高齢化の影響を受け、横ばい、もしくは縮小していくことが予想され、サロン経営において厳しい環境が続くと考えております。

こうした状況のもと、当社グループは多角的にサロン経営を支援すべく、商品開発力、営業力、研究開発力、人材力を強化し、企業価値の底上げを目指してまいります。また、その結果、代理店、アジュバンサロンとともに成長し、当社商品を利用いただく消費者をはじめ、全てのステークホルダーの皆様に心身ともに健康になっていただくことができるように努めてまいります。

 

(4)会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①安定した売上基盤の拡充

Ⅰ.ヒット商品の開発

当社の根幹商品として長年お客様から愛され続けているヘアケア商品『Re:>>>』シリーズに並ぶヒット商品を開発し、売上を持続的に支える商品の提供を目指します。創業以来受け継いでいる人にやさしい商品を開発する方針に拘り、他社との差別化を図った商品、特にスキンケア商品の開発に注力してまいります。

Ⅱ.セールスプロモーションのバリューアップ

商品ブランディング戦略の強化と営業における価値訴求力の向上に努めます。前者は、他社との差別化とターゲティングの明確化、後者はヒューマンスキルの向上とサポートツールの強化を推進していくことで、ブランド認知度の向上を図り、当社商品愛用者の増加、リピート率の引き上げを実現していきます。

Ⅲ.販売チャネルの拡充

新たな販売チャネルとしてリリースしたECサイト『ADJUVANT LINK』の利用を拡充させ、顧客基盤の安定化を図ります。また、新規サロン開拓にも注力していくことで、顧客基盤をより強固なものにしてまいります。

 

②海外事業の拡大

既に進出している香港、韓国に加え、東南アジアを軸に新たな海外展開を拡大していくことで、国内美容市場との補完関係を構築し、アジュバンブランド認知度の向上と企業価値の底上げを図ります。

 

③新規事業の育成

連結子会社シアー・プロフェッショナルで展開しております業務用ヘアカラー剤販売事業の拡大に加え、既存事業との相乗効果が見込める新規事業についての検討を継続していきます。新規事業については、M&Aによる拡大も選択肢に入れ、経営資源を有効に投下していきます。

 

④コストパフォーマンスの向上

値上げが見込まれる物流コストや原材料コストへの対応を図るため、物流体系の見直し、生産効率化による在庫量の適正化、生産体制の再構築、IT戦略強化、などにより高品質なバリューチェーンを構築してまいります。

 

⑤企業風土の更なる改善

社員一人一人が臆せずチャレンジできる環境、高いモチベーションを維持し活気に満ちた組織、社員の生活に寄り添った勤務制度を整備していくことで、働きやすい風土と働きがいのある企業を目指してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

当社は、創業以来受け継いでいる「人間が本来持っている、自ら健やかになろうとする力を引き出す」ことを商品開発の基本方針とし、商品の主成分は糖とミネラルを独自のバランスで配合し、ノンオイル、ノンアルコール、無着色で、肌や髪のトラブル原因となる要素を極力取り除いた商品を提供しております。「美と健康を通じてすべての人に夢と感動をお届けする」という経営理念のもと、事業を通じてサロン市場の持続的成長に貢献し、人にとって、社会にとって、地球にとって、やさしい環境の実現に貢献していくことを目指しております。また、社員一人一人が心身ともに健康であるために、女性活躍推進を含む多様性を確保しつつ、臆せずチャレンジできる環境、高いモチベーションが維持できる風土、社員の生活に寄り添った勤務制度などを整備することで明るく働きがいのある企業であり続けます。

(1)ガバナンス

当社は、サステナビリティ全般に関する課題やリスク管理を重要な経営課題の1つとして捉え、その基本的な方針の決定や課題の洗い出し、取り組み内容を取締役会が決定いたします。決定された具体的な取り組みは担当部門が推進し、定期的な検証を行い、必要に応じて取締役会へ報告する等、全社体制で取り組みを進めております。

(2)戦略

当社は、経営理念である「美と健康を通じてすべての人に夢と感動をお届けする」ことを目指し、創業以来、人に対して安心・安全な商品を開発し提供することに拘り、すなわち社会、地球に対しても安心・安全な取り組みを継続しております。例えば、容器等の資材についても、<muts hair touch(ミューツ ヘア タッチ)>ブランドでは、サトウキビなどの搾りかすから再利用したバイオマスプラスチックを採用し、個包装には薬品などで紙を漂白していない未晒クラフト紙袋を採用するなど、全ての商品において自然環境に配慮した開発を行っております。また、ゼロ・エミッション・チャレンジ(商品廃棄物をゼロへ)を掲げ、持続可能で豊かな地球環境の実現に貢献するべく取り組んでおります。

また、こうした事業戦略の基本になっている“人にやさしい”姿勢は、全てのステークホルダーの皆様に心身ともに健康になっていただくという方針に繋がっており、それを実現するために社員の多様性の確保や健康的な職場環境作りを推進しております。

(3)リスク管理

企業を取り巻く環境は、より一層複雑かつ不確実性を増しており、企業活動に重大な影響を及ぼすリスクに対して、適切に対応していくことは経営戦略上不可欠であります。当社では、リスク管理規程に基づき、全社のリスクマネジメントの一環として行ったリスク評価を定期的に実施しており、その結果に基づき策定したリスク対応方針を取締役会で決定いたします。対応内容については、必要に応じて取締役会へ報告する等、適切に管理しております。

(4)指標及び目標

当社は、サステナビリティ関連の具体的な指標及び目標については定めておらず、今後その対応等を含めた開示を拡充するべく検討を進めていく予定であります。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①国内化粧品市場の動向

当社グループは、化粧品の商品企画、研究開発、販売をしております。当社グループが属する美容業界は、人口減少に伴う美容人口の減少と、1店舗あたり顧客数の減少や消費動向の停滞等により、厳しさを増すことが予想されます。

また、国内化粧品市場は、競合他社や異業種からの新規参入会社との競争も激化しております。特に健康や自然成分に対する意識の高まりに伴い、「自然派化粧品」「オーガニック」と呼ばれる製品が注目を集めております。当社グループは、美しく健やかでありたいと願うお客様の手助けをするため、安心・安全な化粧品の開発に注力し事業を拡大してまいりました。しかしながら、当社グループが予期せぬ競争環境の変化に的確に対処できない場合や、当社グループの掲げる経営戦略が顧客のニーズに合致しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

②法的規制

当社グループは、主力事業が化粧品の商品企画、研究開発、販売であるため、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」に基づく製造販売業の許可を取得しております。この許可は5年ごとの更新とその他必要な手続きを行っております。

当社グループは、医薬品医療機器等法及びその他関連法規制の遵守を徹底しておりますが、医薬品医療機器等法第75条(許可の取消し等)等に抵触し、業務の全部若しくは一部の停止を命ぜられた場合、厚生労働大臣からその定める基準に適合せず許可を取消された場合、またEC事業においては、インターネットを通じて商品を販売しており「特定商取引に関する法律(特定商取引法)」等の規制を受けるとともに、今後、インターネット等の利用者及び関連業者を対象とした法的規制が新たに整備され、これらの法令によりEC事業に何らかの規制を受けるような場合、あるいは法規制が予期せず変更された場合や新たに設けられた場合には、当社グループの事業活動が制限され、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③商品開発

当社グループは、化粧品の商品企画、研究開発、販売を主力事業としており、商品の売上動向は当社グループの経営成績に大きな影響をもたらします。商品の研究開発は、当社グループの成長力の要の一つであり、継続して新商品やリニューアル商品の投入を行ってまいります。しかしながら、顧客ニーズにマッチした商品づくりのために、商品開発の成果が長期に及ぶことがあります。また、新技術、新成分の開発や発見が商品発売後に明らかとなり、想定した利益が得られない可能性もあります。

また、当社商品の品質管理については万全を期しておりますが、万が一当社グループが販売した商品に何らかの瑕疵があることが判明した場合、顧客からの損害賠償請求や大量の返品、さらには当社グループに対する信用の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④製造体制

当社グループの商品製造は、外部の製造委託工場を活用しております。製造委託工場と良好な関係を保ちながら、品質管理、安定的な商品供給に努めております。しかしながら、万が一製造委託工場が天災等に見舞われ、製造設備への被害等不測の事態が発生した場合、又は製造委託工場が経営破綻や製造能力が低下した場合は、商品の品質、安定供給に支障をきたすことが考えられ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤資材、原材料調達

当社グループは、商品製造に必要な資材、原材料は主に製造委託工場において調達を行っております。製造委託工場において安定した仕入体制を確保し、適正価格で必要量を調達するように報告、連絡を受けつつ管理に努めております。

しかしながら、外的要因により不測の事態が発生した場合には、必要な原材料等の適正価格による継続的な仕入を行うことができなくなる可能性があります。その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥情報セキュリティ

当社グループでは、個人情報や商品開発の情報等の機密情報の取扱いについては、情報セキュリティの運用体制の整備、社員勉強会、内部監査の実施等により管理の徹底を図っております。しかしながら、何らかの原因によりこれらの情報が流出した場合には、損害賠償請求や信用失墜等が起こり、事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦知的財産権関連

当社グループは、知的財産権を守るための措置を講じておりますが、予想を超えた手段等により知的財産権が侵害され、技術、情報の流出や模倣商品が市場に出回るなどの事態が発生した場合、事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、入念な特許・商標等の調査をしながら商品の開発を進めております。しかしながら、他社の特許出願の公開前に開発、販売した場合等、当社グループの認識の範囲外で第三者の特許に抵触する可能性があります。万が一判明した場合は、交渉による解決や代替技術・原材料の使用により回避する努力を進めますが、商品の仕様変更、回収等の費用発生や、損害賠償請求権を行使された場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧戦略的投資活動

当社グループでは、戦略的視点から、各種の投資決定をしております。戦略的投資活動の意思決定に際しては、必要な情報収集及び検討を実施しておりますが、予期し得ない種々の環境変化等により、出資・投資に対する当初意図した成果が得られない場合や、出資先の財政状態が悪化した場合には、株式等の減損処理により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨新規顧客の獲得

当社グループは、新規代理店、新規サロン(アジュバンサロン)数を順調に伸ばしており、新規エリアの開拓を進めております。しかしながら、カウンセリング販売を基本とした当社グループの販売方針を遵守できる顧客を獲得できなかった場合、またEC事業においては、新規顧客の獲得に想定以上に経費を要し、広告宣伝費に見合う売上を計上できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

a.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して274百万円減少の5,277百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末と比較して248百万円増加の3,587百万円となりました。主な変動要因は、現金及び預金590百万円の増加、棚卸資産225百万円の減少、売掛金31百万円の減少などによるものです。

固定資産は、前連結会計年度末と比較して522百万円減少の1,689百万円となりました。主な変動要因は、投資有価証券の減少385百万円、保険積立金の減少96百万円、繰延税金資産の減少30百万円などによるものです。

負債合計は前連結会計年度末と比較して3百万円減少の1,060百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末と比較して30百万円減少の608百万円となりました。主な変動要因は、未払法人税等の減少53百万円、未払金の減少18百万円、買掛金の増加27百万円、賞与引当金の増加14百万円などによるものです。

固定負債は、前連結会計年度末と比較して27百万円増加の451百万円となりました。主な変動要因は、資産除去債務の増加18百万円、リース債務の増加11百万円などによるものです。

純資産は、前連結会計年度末と比較して270百万円減少の4,216百万円となりました。主な変動要因は、親会社株主に帰属する当期純損失99百万円、配当金の支払による減少191百万円、自己株式の処分による増加12百万円などによるものです。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の80.8%から79.9%となりました。1株当たり純資産額は、前連結会計年度末561.02円から527.07円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、経済社会活動の正常化を反映して、景気は緩やかな回復基調を維持しました。美容業界においては、外出規制やマスク規制の緩和といったアフターコロナの動きが顕著になる中、個人消費活動に持ち直しの傾向が見られ、当社商品を販売するアジュバンサロンにおいても同様の影響がありました。美容業界のトレンドは、“自分らしく”や“私たちらしく”など、個性を楽しむ時代へと変化する一方、生活用品価格の値上げ継続が見通され、従来のお気に入りを我慢してやめたり、トレードダウンする傾向が高まりました。

売上高につきましては、4,438百万円(前年同期比1.4%増)となりました。営業活動もコロナ禍前に戻りつつある中、常態化されたオンラインも活用するなど、より効率的に営業活動を実施し、アジュバンサロン※注のサポートを強化したことなどの結果、増収となりました。詳細は区分別売上高の概要を参照ください。なお、アジュバンサロン実稼働軒数は、8,597軒(前年同期比 302軒増)となりました。

利益面におきましては、売上高の増収はありましたが、広告宣伝費、棚卸資産評価損、IT関連費、減価償却費、旅費交通費などの増加及び保険解約損の発生により、営業損失1百万円(前年同期は営業利益232百万円)、経常利益17百万円(前年同期比93.6%減)となりました。また、前年同期に発生した投資有価証券売却益322百万円がなくなったことなどにより、親会社株主に帰属する当期純損失は99百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益403百万円)となりました。

 

区分別売上高は、売上割戻金を含めて次のとおりです。

区分

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

(%)

スキンケア

1,756

40.1

1,642

37.0

△113

△6.5

ヘアケア

2,765

63.2

2,827

63.7

62

2.3

その他

191

4.4

324

7.3

132

69.3

売上割戻金

△336

△7.7

△357

△8.0

△20

合計

4,377

100.0

4,438

100.0

60

1.4

(注)1.ADJUVANT GLOBAL COMPANY LIMITED (連結子会社)、株式会社2C(連結子会社)及び株式会社シアー・プロフェッショナル(連結子会社)の売上高は、「その他」に含んでいます。

2.売上割戻金は、商品ごとではなく売上高の合計を基準として割戻率を設定しているため、区分ごとに配賦せず合計額で表示しています。

 

国内海外別売上高は、次のとおりです。

区分

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

(%)

国内売上高

4,164

95.1

4,192

94.5

27

0.7

海外売上高

212

4.9

246

5.5

33

15.9

合計

4,377

100.0

4,438

100.0

60

1.4

 

当社グループは単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしていませんが、区分別売上高の概要は以下の通りです。

 

(スキンケア)

スキンケア商品の売上高は、新メイクブランド「rafuna(ラフナ)-point make-」の上市、顧客消費マインドをプラスにするための企画である「MELECTバウンシー」の増量限定商品や美容師向けの「ミスティⅢ」の限定商品など企画を実施しましたが、「rafuna(ラフナ)-base make-」、「MELECTバウンシー」の前年導入期実績を大きく下回ることとなり、当連結会計年度の売上高は1,642百万円(前年同期比6.5%減)となりました。

 

(ヘアケア)

ヘアケア商品の売上高は、新たなアウトバス・スタイリング剤ブランド「muts hair touch(ミューツ ヘア タッチ)」の上市、「KASUIプレミアムエッセンス」の上市、前年リニューアル発売をした「Re:>>>BASIC LINE(リ ベーシックライン)」の限定サイズ企画実施などが牽引し、当連結会計年度の売上高は2,827百万円(前年同期比2.3%増)となりました。

 

(その他)

ADJUVANT GLOBAL COMPANY LIMITED(連結子会社)の売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に小さくなり回復基調にあります。株式会社2C(連結子会社)は、ネット広告を計画的に実施し、順調に定期顧客を増やしています。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は324百万円(前年同期比69.3%増)となりました。

 

※注「アジュバンサロン」

初回に100千円以上の仕入を行い、当社グループが指導する商品の案内方法等を定めたアジュバンサロン契約を締結したサロン(理美容室・エステティックサロン・ネイルサロン・アイラッシュサロン・美容クリニック等)を指します。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて590百万円増加し、2,118百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益15百万円、減価償却費125百万円、保険解約損27百万円、棚卸資産の減少額225百万円、売上債権の減少額31百万円、仕入債務の増加額27百万円、法人税等の支払額95百万円の計上等により、377百万円の収入(前期は321百万円の支出)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出201百万円、投資有価証券の売却による収入597百万円の計上等により、391百万円の収入(前期は344百万円の収入)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額192百万円の計上、リース債務の返済による支出6百万円により198百万円の支出(前期は256百万円の支出)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループは、化粧品の商品企画、研究開発、販売及びこれに附帯するサービス業務を営む単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

当社グループは、「生産及び受注」の販売形態をとっておりませんので、該当する事項はありません。

a.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績を区分別に示すと次のとおりであります。

区    分

当連結会計年度

(自 2023年3月21日

至 2024年3月20日)

前年同期比(%)

スキンケア     (千円)

441,377

88.6

ヘアケア      (千円)

633,814

78.0

原料・資材     (千円)

347,286

93.8

その他       (千円)

90,610

51.9

合     計   (千円)

1,513,089

81.5

(注)金額は仕入価格によっております。

 

b.販売実績

当連結会計年度における販売実績を区分別に示すと次のとおりであります。

区    分

当連結会計年度

(自 2023年3月21日

至 2024年3月20日)

前年同期比(%)

スキンケア     (千円)

1,642,990

93.5

ヘアケア      (千円)

2,827,977

102.3

その他       (千円)

324,526

169.3

売上割戻金     (千円)

△357,273

106.1

合     計   (千円)

4,438,221

101.4

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.売上割戻金は、商品ごとではなく売上高の合計を基準として割戻率を設定しているため、区分ごとに配賦せず合計額で表示しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

 当連結会計年度における財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。

 

2)経営成績の分析

当社グループは、高品質で安心・安全な化粧品の提供及びアジュバンサロンの経営支援に取り組んでまいりました。

以上の結果、経営成績は次のとおりであります。

(売上高、売上総利益)

売上高は、前連結会計年度と比較して60百万円増収の4,438百万円(前期比1.4%増)となりました。区分別における売上高(売上割戻金を含む)は、スキンケアが113百万円減収の1,642百万円、ヘアケアが62百万円増収の2,827百万円、その他が132百万円増収の324百万円となりました。

この結果、売上総利益は前連結会計年度と比較して55百万円減益の2,860百万円(前期比1.9%減)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業損失)

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して178百万円増加の2,861百万円(前期比6.6%増)となりました。これは、販売促進費及び広告宣伝費の増加が主な要因であります。

この結果、営業損失1百万円(前年同期は営業利益232百万円)となりました。

(営業外損益、経常利益)

営業外損益は、前連結会計年度の33百万円の収益(純額)から、18百万円の収益(純額)に減少しました。主な変動要因は、当連結会計年度の保険解約損の計上によるものであります。

この結果、経常利益は17百万円(前期比93.6%減)となりました。

(特別損益、税金等調整前当期純利益)

特別損益は、前連結会計年度の322百万円の利益(純額)から、1百万円の損失(純額)となりました。主な変動要因は、当連結会計年度の固定資産除却損、投資有価証券売却損の計上によるものであります。

この結果、税金等調整前当期純利益は15百万円(前期比97.4%減)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純損失)

親会社株主に帰属する当期純損失は99百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益403百万円)となりました。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備投資需要の2つがあります。

 運転資金需要のうち主なものは、当社グループの商品仕入れのほか、販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。また、設備投資につきましては、主に、研究設備の取得に伴う固定資産購入によるものであります。

 当社グループは、今後の研究開発や設備投資、営業体制の強化等に備え、必要となる資金を柔軟かつ機動的に対応できるように留意しております。従って、一時的な余資は主に流動性、安全性の高い金融商品で運用し、投機やトレーディングを目的とした運用は行わない方針であります。

 一方で、資金の調達については、各部署からの報告に基づき財務部が適時に資金繰計画を作成・更新するとともに、手許流動性の維持等により投資等の規模、目的、時期等を踏まえ、資本市場や金融機関からの調達を検討することとしております。

 なお、当連結会計年度末における借入金の残高はありません。現金及び現金同等物の残高は、2,118百万円となっております。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

(目標とする経営指標の達成状況について)

当連結会計年度の連結売上高及び連結営業利益率の当初計画は、それぞれ5,082百万円、3.0%を達成する計画でしたが、「a.経営成績等  2)経営成績の分析」に記載のとおり、連結売上高4,438百万円(当初計画比12.7%減)、連結営業利益率△0.0%(当初計画比3ポイント減)となりました。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)代理店契約

契約会社名

取引先名

契約内容

契約期間

株式会社アジュバン

コスメジャパン

(連結子会社)

株式会社

ビユーテイ

サポートウイズ

当社が代理店に商品を販売するにあたり、販売価格、商品代金の支払い方法等の基本的な事項を定めた両者間の基本契約であります。

契約締結日:1996年2月21日

なお、2017年1月31日付で契約変更しており、契約期間は以下のとおりです。

2017年3月21日から

2019年3月20日

(1年ごとの自動更新)

(注)代理店契約は、他に68社と契約を結んでおります。

 

(2)製造委託契約

当社の子会社は、化粧品等の製造会社との間で次の契約内容の「製造委託契約」を締結しております。

契約会社名

取引先名

契約内容

契約期間

株式会社アジュバン

コスメジャパン

(連結子会社)

株式会社ファイン

ケメティックス

当社が製造会社に化粧品等の製造を委託するにあたり、商品の安定供給、製造物責任等を定めた両者間の基本契約であります。

契約締結日:2005年3月25日

なお、2012年6月12日付で契約変更しており、契約期間は以下のとおりであります。

2012年6月12日から

2015年6月11日

(1年ごとの自動更新)

株式会社アジュバン

コスメジャパン

(連結子会社)

香椎化学工業株式

会社

当社が製造会社に化粧品等の製造を委託するにあたり、商品の安定供給、製造物責任等を定めた両者間の基本契約であります。

契約締結日:1998年3月9日

なお、2012年6月12日付で契約変更しており、契約期間は以下のとおりであります。

2012年6月12日から

2015年6月11日

(1年ごとの自動更新)

(注)製造委託契約は、他に15社と契約を結んでおります。

 

 

6【研究開発活動】

当社グループは、化粧品の商品企画、研究開発、販売及びこれに附帯するサービス業務を営む単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(1)研究開発体制

当社グループにおける研究開発体制は、商品開発本部の商品企画部及び研究開発部において、営業本部その他関係部門、製造委託会社、開発に関するコンサルティング会社と連携を図りながらスピードと効率性を持った研究開発活動を行っております。

また、大学やベンチャー企業等の外部研究機関との共同研究及び原料開発も積極的に取り組んでおります。

 

(2)研究開発方針

当社グループは、「消費者が、肌、髪本来の美しさを手に入れることができる、より高品質で安心・安全なアジュバン化粧品の開発」を基本方針としております。研究開発活動につきましては、市場動向や顧客密着型の情報収集を行い、消費者のニーズを満たす商品開発に注力するとともに、技術連動型店販を目指した商品づくりを行っております。また、永遠の願いである「いつまでも若々しく、健やかに」を叶えるべく、加齢による肌や毛髪のトラブル、紫外線や過乾燥等私たちを取り巻く環境に対応するデイリーユース商品とプロフェッショナルユース商品(業務用商品)の開発、商品の特性を活かす技術やノウハウの開発にも積極的に取り組んでおります。

当社グループは工場を持たないファブレス企業として自社で商品企画や開発を行っており、自社の強みとコンセプトに特化した高機能で高品質な商品開発を迅速に行うことを目的とし、品川研究所(東京都品川区)ではヘアケア商品、中央研究所(神戸市中央区)ではスキンケア商品の自社処方化を精力的に進めております。また、中央研究所では基礎研究にも取り組み、人工皮膚モデルや遺伝子解析による評価を行うなど新たな価値を創出するための研究も進めております。

 

(3)研究開発活動の成果

当社グループは、美と健康を通じてすべての人に夢と感動をお届けすることを目的としています。

昨年度の新商品発売(リニューアル品を含む)実績として、株式会社アジュバンコスメジャパンより新たなヘアケア&スタイリングブランド「muts hair touch(ミューツ ヘア タッチ)シリーズ」を2023年6月新発売いたしました。ブランド名は「mute(静寂・消音)」+「style(スタイル)」を組み合わせた造語で、『アウトバスやスタイリング剤は髪に長く留まるもの。つける時のほんの一瞬を大切に。耳をすませて、髪を整えたら心もおだやかに。静けさの中で、新しい自分に出会う。五感でみたす』ヘアケア&スタイリングブランドです。

また国立研究開発法人理化学研究所との共同研究の成果により誕生した「KASUI(カスイ) エッセンス」が2023年10月「KASUI プレミアムエッセンス」に生まれ変わりました。KASUIは今の美しい髪をこの先もあたりまえに楽しむため、未来の髪を守り、育むスカルプケアブランドで、本エッセンスはスキンケアテクノロジーを応用した頭皮ケアで、全方位集中ケアで美しい頭皮環境を整えるようにアップデートしました。

研究発表実績として、2023年10月に開催された第28回日本臨床毛髪学会学術集会で、「フィトスフィンゴシンの育毛臨床評価」というタイトルで東京メモリアルクリニックの佐藤明男先生にご講演いただきました。その講演では、研究結果よりミノキシジル外用薬の発毛効果に関与している頭皮の「硫酸転移酵素」の活性をフィトスフィンゴシンが向上させる可能性について触れられ、当社は今後の研究においてこの効果をさらに探求していくことを目指しています。

このように、当社グループでは研究開発部をはじめ各部門が一体となって製品開発と研究を行っています。以上の結果、当連結会計年度における研究開発費は179百万円であります。