第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は「住生活領域における社会問題をテクノロジーの力で解決する」を使命とし、「人々の生活に密着した手放せないサービスを提供し、世の中に必要不可欠な企業になる」ことを目指しております。

 上記を実現するために、新規サービスの開発、優秀な人材の確保及び育成、内部管理体制の強化に継続的に注力し、強固な事業基盤を確立することが重要であるとの考えに立脚し、ビジネスを展開しております。

 

(2)経営戦略等

 当社が今後更なる成長と発展を遂げるためには、「(4)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載の課題に対応していくことが経営上重要であると認識しております。

 『リビンマッチ』を中心とするマッチングサービスにおいては、エンドユーザー及びクライアント企業の利便性を向上させ、DXサービスにおいては、クライアント企業向けのDXサービスの拡充に継続的に取り組むことで、エンドユーザー・クライアント企業双方にとって必要不可欠なプラットフォームとなることを目指す方針であります。

 また、優秀な人材の採用・教育等を通じた営業力強化により、さらなるクライアント企業の獲得を推進し、クライアント企業のネットワークを活用して不動産取引に関連する周辺の新事業領域へ積極的に展開していく方針であります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、持続的な利益成長を目指して、継続的な事業拡大の観点から、各サービスにおける成長性や効率性の向上に取り組んでおり、「営業収益」及び「営業利益」を重要な経営指標として位置づけております。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

① 既存サービスにおける継続的な成長

 当社は、「不動産プラットフォーム事業」として、『リビンマッチ』を中心とするエンドユーザーとクライアントをWEB上でマッチングする「マッチングサービス」とクライアントの業務効率化を推進する「DXサービス」を提供しております。当社が今後も継続的に成長していくためには、エンドユーザー及びクライアント企業のニーズを把握し、『リビンマッチ』の魅力、認知度を向上させることで、多額の広告費を投入する必要のない集客方法であるオーガニック(注)経由の集客を強化し、広告の費用対効果と利益率を向上させることが重要であると認識しております。

 この課題に対応するため、当社ではこれまでWebマーケティングの内製化によりノウハウを蓄積してまいりました。今後も『リビンマッチ』内のコンテンツ及びサービスメニューの拡充による利便性向上等、エンドユーザー及びクライアント企業から選ばれるサービスを提供してまいります。

(注)オーガニックとは、検索結果ページに表示されるもののうち、検索連動型広告などの広告表示を除いた、いわゆる通常の検索結果や自社コンテンツからのサイト流入をいいます。

 

② 新規サービスの開発

 当社は、不動産・住宅業界に特化した不動産プラットフォーム事業としてマッチングサービス及びDXサービスを提供しておりますが、当社のサービス提供領域以外においても、不動産テック(注)によるサービスは続々と実用化され、不動産業界全体に更に大きな変革をもたらしていくものと考えられます。

 当社では、「インターネットを利用して、人々の生活に密着した手放せないサービスを提供し、世の中に必要不可欠な企業になる」という企業理念を実現し、企業価値及び株主価値の向上を目指すために、今後もエンドユーザー及びクライアント企業から支持される新規サービスを開発してまいります。

(注)不動産テックとは、テクノロジーの力によって、不動産の売買、賃貸、投資の新しい仕組みを生み出し、従来の商慣習を変えようという取り組みをいいます。

 

③ 内部管理体制の強化

 当社は成長段階にあり、業務運営の効率化やリスクマネジメントのための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。このため、業務改善を推進して効率化を図るとともに、事業等のリスクを適切に把握・対処し、コンプライアンスを重視した経営管理体制に重点をおくことで、経営の公平性や透明性を確保し、内部管理体制の強化に取り組んでまいります。

 

④ 優秀な人材の確保と組織体制の強化

 当社は、今後の更なる事業拡大のためには、優秀な人材の確保及び当社の成長に応じた組織体制の強化が重要な課題であると認識しております。

 人材の確保においては、中途採用及び新卒採用を実施しており、当社の求める資質を兼ね備えつつ、企業風土にあった人材を登用する方針であります。

 また、個々の従業員・チームが最大限のパフォーマンスを発揮できるように、教育体制の整備を進め、人材の定着と能力の底上げを行っていくことで、組織体制の強化に取り組んでまいります。

 

⑤ システムの安定性の確保

 当社の提供するマッチングサービス及びDXサービスは、インターネット上でサービスを提供しているため、システムの安定稼働の確保は必要不可欠であります。このため、人員の拡充や、サーバーの増設等の設備投資を継続的に行うことで、システムの安定性の確保に努めてまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社は、「インターネットサービスメーカーとして、人々の生活に密着した手放せないサービスを提供し、世の中に必要不可欠な企業になる」を目的地として定め、事業に邁進しております。目的地に到達するため、事業やサービスを展開し、その結果は取締役会や経営会議に報告を行っています。

 また当社では、その取り組みをより一層推進するべく、ガバナンス体制の強化に努めてまいります。詳細は、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

 

(2)戦略

 当社では、「開発」「営業」「マーケティング」の全てを自社で内製する三位一体の体制をとっております。この体制を活用し、メインサービスである不動産バーティカルメディア『リビンマッチ』の「不動産売却」領域の拡大と、外壁塗装やVR住宅展示場、土地活用、賃貸管理をはじめとした「非不動産売却」領域の拡大、不動産会社のマーケティングサービスや業務支援SaaSを提供する「DX」領域の3領域を同時進行で拡大させてまいります。また、2024年9月期の重点施策の1つとして、「人材の質と量の強化」を掲げております。

 2024年9月期では20名超の正社員純増を計画し、特に、営業人員とエンジニアの採用を目指しております。また既存社員に関しても、全社員を対象に、国家資格である「ITパスポート試験」合格レベルまでインターネットリテラシーを引き上げる施策を実施し、適性と能力に応じて多様な人材が活躍できるよう社内環境整備に努めております。

 

(3)リスク管理

 当社においては、人的資本に関するリスクが大きいと考えております。経験豊富な従業員の離職や、採用競争力の低下により中途採用及び新卒採用において優秀人材の確保が困難になることで、当社の成長に影響が生じる可能性があります。そのため、従業員に成長の機会を提供し、リスク低減に努めます。

 

(4)指標及び目標

 当社では、上記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり、各種の取組を進めておりますが、現時点で具体的な指標は設定しておりません。今後、取締役会や経営会議において人的資本及び社内環境整備に関する方針に関する指標の策定に向けた議論を行い、指標及び目標の開示を検討してまいります。

 

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅したものではありません。

 

(1)不動産・住宅業界市場の動向について

 当社は、「不動産プラットフォーム事業」として不動産・住宅業界に特化したインターネットサービスを提供しております。このため、景気の後退、大幅な金利の上昇、住宅税制の変化、その他予期せぬ要因の影響により、各種不動産取引が低迷し、不動産・住宅業界における広告出稿が大幅に減少した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)技術革新について

 当社が運営するサービスは、インターネット関連技術を基盤としております。インターネット業界における技術革新のスピードは著しく、当社では、これらの変化等に迅速に対応できるよう、最新技術への迅速な対応や情報の蓄積・分析に注力しておりますが、今後の技術革新や顧客ニーズの変化に伴い、最新技術への対応が困難となった場合、当社の提供するサービスが陳腐化し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)競合について

 当社ではITを活用した不動産バーティカルメディア『リビンマッチ』を運用しております。当該サービス分野は当社だけでなく他社も事業を展開しておりますが、新サービス開発、ブランディング等により、他社との差別化を図っております。

 また、当該事業分野は多額の広告宣伝費を投下する必要があることから、一定の参入障壁はあるものと考えております。

 しかしながら、競合他社との競争激化による収益力の低下や、広告宣伝費の増加等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)広告宣伝費について

 「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 損益計算書関係」に記載のとおり、2023年9月期において、当社が運営する不動産バーティカルメディア『リビンマッチ』に係わる広告宣伝費が営業収益に占める割合は52.4%に達しており、当社の事業において、広告宣伝費は集客数・営業収益増加のための重要な投資であると認識しております。広告宣伝費の支出に関しては、広告効果を測定し、最適な広告宣伝活動を実施するように努めておりますが、各種広告媒体における広告掲載基準の変更、検索エンジンの表示結果、広告手法などにより、広告宣伝費が大きく変動する可能性があります。

 当社では、日常的に集客数・営業収益と広告宣伝費の費用対効果を分析することで、最適な広告宣伝活動を行っておりますが、何らかの理由により、広告宣伝費の費用対効果が悪化した場合には、集客数・営業収益の減少や、広告宣伝費の追加的な支出により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)個人情報保護について

 当社では、当社サイトのエンドユーザーに関する大量の個人情報を取り扱っております。当該情報の漏洩を回避するため、「プライバシーマーク」登録証の取得・更新、社内規程、業務マニュアル等のルールの整備、社員教育の徹底等により、個人情報を保護する体制の維持に努めておりますが、万一、個人情報の流出が発生した場合、社会的信用の失墜や当該事象に起因する多額の経費発生等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)法的規制について

 当社のインターネットサービスにおいては各種法的規制を受けており、具体的には、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、「電気通信事業法」等といった法的規制の対象となっております。

 当社では、当該規制に対して、遵守体制の整備・強化、社員教育、顧問弁護士との定期的な情報交換等の対応を行っておりますが、今後、新たな法令等の制定や、既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、その内容によっては当社の事業が制約を受けたり、新たな対応が必要になったりする可能性があり、そのような場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)公序良俗に違反する広告及びサイトに対する対応について

 当社が運営するサービスは、数多くの広告媒体及びアドネットワークを含む広告代理店(以下「広告媒体等」という。)へ広告の掲載を委託しており、広告の内容や広告のリンク先については広告媒体等の裁量に任せる部分が多く、公序良俗に反する広告が掲載されてしまう可能性があります。当社といたしましては、広告媒体等との取引開始時における審査の実施や社内にて広告掲載基準を設定するなど、広告及びリンク先のサイトの内容についての管理を実施しております。また、当社の社員が既に掲載されている広告及び広告のリンク先サイトを定期的に巡回し、広告掲載基準の遵守状況を監視しております。広告掲載基準に違反する行為が発見された場合には、警告や契約解除などの措置をとっております。

 しかしながら、広告媒体等が公序良俗に反する広告や商品・サービスの提供を当社の意図に反して継続することにより、当社の提供するサービスや当社のアカウントがGoogle LLCやヤフー株式会社(現 LINEヤフー株式会社)等の運営する大手広告媒体より削除された場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)知的財産権の管理について

 当社は、運営するインターネットサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権の侵害を防ぐ体制としては、当社の管理部門及び顧問弁護士等による事前調査を行っております。

 当事業年度末現在において、当社では第三者の知的財産権を侵害していないものと認識しておりますが、当社の事業分野における知的財産権の現状を完全に把握することは困難であり、万一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償請求や差止請求等を受ける可能性があります。また、当社が保有する知的財産権について、第三者により侵害される可能性があるほか、当社が保有する知的財産の権利化が困難な場合もあります。こうした場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)システム障害について

 当社の事業はインターネット環境において行われており、サービスの安定運用のために適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、アクセス数の突発的な増加、人的ミス、コンピュータウィルス、第三者によるサーバーやシステムへのサイバー攻撃、自然災害等の様々な要因により、当社の想定範囲を超えるシステム障害等が発生した場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)新型コロナウイルス感染拡大による影響について

 2023年5月には新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に移行したことに伴い、行動制限が緩和され、経済活動の回復に向けた動きが見られます。もっとも、再度感染が拡大する可能性もあり、今後の推移は依然として不透明な状態にあることから、仮に、当社の想定を超えて経済活動が長期的に停滞した場合には、対面による営業活動が制限されることにより、当社の事業活動に支障をきたし、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)新規事業への取り組みについて

 当社では、事業展開の対象領域としている不動産・住宅業界において、事業規模の拡大と収益源の多様化を目的として、新規サービスの提供や新規事業開発を検討しております。

 これにより、人材採用、広告宣伝費、システム投資等の新たな費用が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、新規サービスの提供や、新規事業開発が計画通りに進まない場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)経営管理体制について

① 内部管理体制の整備について

 当社は、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が必要不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、更に法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追いつかない場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

② 小規模組織における管理体制について

 当社は小規模な組織であり、当事業年度末現在の内部管理体制もこの規模に応じたものとなっております。当社では今後の事業拡大に対応すべく人員増強等によりさらなる組織力の充実を図ってまいりますが、事業の拡大に応じた組織整備や内部管理体制の拡充が順調に進まなかった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 人材の採用、育成及び定着について

 当社では、優秀な人材の確保、育成及び定着は、今後の継続的な成長を実現させるための重要課題であると認識しております。このため、積極的な採用活動を通じ、優秀な人材を確保するとともに、社内研修や人事制度の改善、福利厚生の拡充等により、人材の育成や定着率の向上を図っておりますが、当社が求める人材を計画通りに確保できなかった場合、採用・育成した人材が当社の事業に寄与しなかった場合、優秀な人材が社外に流出した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 特定人物への依存について

 当社の代表取締役社長である川合大無は当社の創業者であり、創業以来代表者を務めております。同氏は、不動産プラットフォーム事業に関連する豊富な経験と知識を有しており、当社の経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。

 当社では取締役会や定例の経営会議において、役員及び幹部社員との情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社の業務を行うことが困難となった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ コンプライアンス体制について

 当社では、今後企業価値を高めていくためにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えております。そのため、コンプライアンスに関する社内規程を策定し、全役員及び全従業員を対象として社内研修を実施し、周知徹底を図っております。併せて、コンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。

 しかしながら、今後、万一役職員の不正や不法行為が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社は、当社の取締役及び従業員等に対するインセンティブを目的として、新株予約権(ストック・オプション)を付与しております。今後、これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。本書提出日の前月末現在におけるこれらの新株予約権による潜在株式数は2,124株であり、発行済株式総数1,343,588株の0.2%に相当しております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績

 当社を取り巻くインターネット広告市場においてはAIを活用した広告運用手法通信環境の進展デバイスの拡張などを背景に引き続き堅調な成長が予想されますが2024年内にサードパーティークッキーが完全に廃止されると見込まれるなど注視が必要な状況であります

 このような状況の下当社は2023年9月期を継続チャレンジフェーズとし株主の皆様のご期待に応えるべく、「クライアント数の増大」「新サービスの収益化」「M&Aの成約」「粗利フォーカス」「組織の再編の5つの重点施策に全力で取り組む年度と位置付け企業価値の向上に取り組んでまいりました

 クライアント数の増大施策につきましては請求ベースの月間平均クライアント数が2022年9月期第4四半期比で198社増加し2,286社となりました。「新サービスの収益化施策につきましては外壁塗装の比較サービスぬりマッチの営業収益が着実に伸長しました。「M&Aの成約施策は不動産管理会社向け営業支援 SaaSBAIZO KANRIを事業譲受し営業を開始いたしましたまた、「粗利フォーカス施策においてWEBマーケティング効率の改善に注力し、「組織の再編施策で部門を増設専門性を高め業務遂行力の強化を図りました

 この結果当事業年度の経営成績は営業収益3,374,632千円(前期比11.4%増)営業利益461,950千円(前期比21.7%増)経常利益463,037千円(前期比21.7%増)当期純利益302,208千円(前期比28.4%増)となりました

 なお、当社は、不動産プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

①生産実績

 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

②受注実績

 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

③販売実績

 当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

事業の名称

当事業年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

不動産プラットフォーム事業

3,374,632

11.4

合計

3,374,632

11.4

 (注) 当社の事業区分は「不動産プラットフォーム事業」の単一セグメントであります。

 

(2)財政状態

(資産)

 当事業年度末における総資産は2,125,097千円となり前事業年度末と比較して116,659千円増加いたしましたこれは主に現金及び預金が151,710千円減少した一方で売掛金が100,342千円投資その他の資産が222,349千円増加したことによるものであります

(負債)

 当事業年度末における負債は673,569千円となり前事業年度末と比較して191,617千円減少いたしましたこれは主に未払金が46,362千円長期借入金が99,614千円、未払法人税等が43,195千円減少した一方で未払費用が20,386千円増加したことによるものであります

(純資産)

 当事業年度末における純資産は1,451,528千円となり前事業年度末と比較して308,277千円増加いたしましたこれは主に当期純利益を302,208千円計上したことによるものであります

 

(3)キャッシュ・フロー

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ153,710千円減少し、1,108,120千円となりました

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は253,685千円(前事業年度は308,631千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益462,985千円、前払費用の減少額72,361千円があった一方、売上債権の増加額99,601千円、未払金の減少額46,362千円、法人税等の支払額195,657千円があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は258,707千円(前事業年度は11,052千円の獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出220,066千円、無形固定資産の取得による支出22,529千円があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は148,688千円(前事業年度は154,189千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出148,758千円があったことによるものです。

 

(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表」に記載のとおりであります。

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

③ 経営者の問題意識と今後の方針について

 当社が今後も持続的な成長を続けていくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載された課題等に対応していくことが重要であると認識しております。これらの課題等に対応するため、外部環境・内部環境の変化に応じて適時に関連する情報の入手・分析を行い、現在及び将来の事業環境を確認し、継続的な改善策を実施していく方針であります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性について

 当社は、事業の持続的な成長のため、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とした自己資金を中心に「リビンマッチ」への積極的投資を行ってまいりました。今後、必要な資金については、自己資金を中心に、状況に応じて金融機関からの借入等で調達していくことを基本方針としております。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。