第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、2022年5月の決算発表時において当社グループが判断したものであり、現在の当社の認識とは異なる場合があります。

 

(1)企業理念

私達は、お客様とのご縁を大切に「思いやりと誠実さ、そして信用」を基本理念とし、トータルファッションの提案を通して心豊かな生活文化の創造に貢献いたします。

 

(2)経営方針

①社内の総力を結集し、高品質で信頼性の高い商品と最良のおもてなしを、全てのお客様にご提供し続けます。

②常に学習、創意工夫して自らを高め、それを仲間と教え合い、更に多くの仲間達を集め、成果に応じた公平かつ公正な処遇ある働き甲斐のある職場を構築していきます。

③経営資源の効率化に努め、企業価値の向上を常に目指します。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

小売業界におきましては、新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置が断続的に適用された影響により消費者の行動変容や消費マインドの冷え込みに加え、価格競争等による店舗間競争の激化、雇用環境の変化や人件費の上昇が続くと予想され、新型コロナウイルス感染症の終息への先行きや消費者の行動変容を見通すことが困難な状況であります。
 また、景気も同様に経済活動が再開され回復の兆しが見られましたが、ロシア・ウクライナ問題、中国の主要都市におけるロックダウンなどにより、資源価格の高騰、円安の影響により、生活防衛意識はさらに強まる可能性が高く、消費マインドへの影響も予断を許さない状況であることから、今後とも厳しい経営環境が続くものと思われます。
 このような状況におきまして当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大防止策を徹底し、通信販売のさらなる拡充や、顧客の購買回復に向けた販売促進を積極的に展開するとともにお客様及び従業員の安心・安全を最優先に引き続き店内の感染拡大防止策に取り組み営業活動を継続してまいります。また、既存店のリニューアルや社内業務の効率化、平準化に取り組むとともに多様化するお客様のニーズに対して、きめ細やかな対応をするため、品質・価格・品ぞろえにこだわった店舗政策に取り組み顧客満足度向上に努めてまいります。

 

①宝飾品セグメント

 宝飾品セグメントにおいても新型コロナウイルスの影響は大きく、全国的に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出され時短営業の実施など厳しい状況が続いておりましたが、ワクチン接種の効果もあり、新規感染者数が減少に転じ、緩やかな回復の兆しがみられる状況となりましたが、国際情勢の緊迫化、原材料価格の高騰など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。消費マインドの回復には、ワクチン接種の効果が出てくると期待される2022年度第3四半期以降になると思われます。
 継続的な経営環境としましては、国内の市場規模は成熟過程にあり拡大が望めず、また、将来的には人口減少と相俟って縮小均衡してゆくものと思われます。一方で、供給側では、小規模事業者が多数を占め、大手の市場占有率が低い現状では、シェア拡大の機会があると言えます。

 宝飾セグメントの特徴としましては、まず、製造から販売までの一貫体制を敷いていることが挙げられます。また、全国46都道府県に366店舗という販売網の広さも強みであります。さらに、ESTELLE、Milluflora、BLOOM、GOODNESS、ACCESSORIES BLOOSOM、FOR TSUNAGUといった多彩なブランドも特徴であります。このような特徴を最大限に活かし、高品質で信頼性の高い商品を最良のおもてなしのもとお客様に提供してまいります。

 

②眼鏡セグメント

 眼鏡セグメントにおいても、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による時短営業等の影響を受けましたが、眼鏡という商品の性格上、宝飾品に比べて休業解消後の需要の回復がある程度期待できるものの、当面厳しい環境が続くものと思われます。
 眼鏡セグメントの特徴としましても、製造から販売までの一貫体制が挙げられます。2018年3月ベトナムにコンセプトアイウェアマニュファクチャーベトナムCO.,LTD.を設立し、ジュエリー製造で得た技術や知識を生かし、手頃な価格でありながら、高品質でファッション性の高い商品を提供してまいります。

 

③食品販売・飲食店セグメント

 食品販売・飲食店セグメントでは、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による時短営業等の影響を受けましたが、食品販売は生活必需品の一つであり、飲食店ではテイクアウトサービスやデリバリーも展開していることから、ある程度の売り上げの回復が期待できるものと思われます。
 食品販売事業では、ストーリーや地域の魅力といった付加価値のある商品を扱っております。飲食店事業では、人生最高のハンバーガーをテーマに、新メニュー開発と素材にこだわりとことん丁寧におつくりした商品を提供してまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

現在、当社では客観的な指標等(いわゆる KPI)は設けておりません。

ただし、経営の基本方針を徹底することにより売上高のみならず、売上総利益、営業利益向上にも意を用いることにより、企業価値を高め、ROEの向上に繋げることに努めてまいります

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①市場リスク

(新型コロナウイルスについて)

新型コロナウイルスの影響について、緊急事態宣言やデベロッパーの判断による店舗の休業等により多くの店舗が長期間にわたり営業ができなくなるおそれがあります。今後、変異型ウイルスの流行や新たな感染症の流行があった場合、同様のリスクがあります。また、かかる感染症の流行は、景気の減速と個人消費の低迷を招き、営業再開後においても、当社グループの業績に多大な影響を与えることが考えられます。

当社グループといたしましては、十分な空間の提供と従業員のマスク着用や消毒の徹底等により、お客様が安心してお買い物をお楽みいただける空間を提供し、営業再開後の業績の回復に努めてまいります。

 

(その他の要因による景気低迷リスクについて)

地震や台風などの自然災害、少子高齢化に伴う社会構造の変化と国民負担の増加、グローバル化に伴う局地的な地政学的上のリスクが世界経済に与える影響など、現代社会の景気状況は常に大きく変動するリスクをはらんでおります。宝飾品事業を中心とする当社グループは、景気の影響を受けやすく、外的要因により営業成績が大きく左右されるリスクがあります。

当社グループといたしましては、高品質で信頼性の高い商品と最良のおもてなしを提供することにより、景気に左右されない企業体質の構築を目指してまいります。

 

(インターネット販売の普及について)

インターネット販売の普及は、対面販売を中心とした従来の小売業のあり方を大きく変えていくと思われます。また、新型コロナウイルスの流行による巣ごもり需要の増大は、インターネット販売のさらなる拡大をもたらすものと思われます。

当社グループといたしましては、店頭における販売員の能力の向上を図り、最良のおもてなしを提供することにより、インターネット販売では得られない付加価値の提供を目指してまいります。同時にインターネット販売にも注力し、店頭販売との相乗効果を図ることにより、より強固な経営基盤を築いてまいります。

 

 品質リスク

(海外における生産拠点について)

当社グループの生産拠点は、ベトナムに集中しておりますが、同国固有の地政学上のリスク、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うロックダウンや都市封鎖、長期に亘る貿易赤字やインフレといった国内経済状況、あるいは不安定な電力供給などの要因により、紛争・ストライキ・停電などによる不測の事態が生じ、生産活動が長期に停滞した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループといたしましては、グループ外サプライヤーとのバランスを図ることなどにより、かかる事態に備えてまいります。

 

(市況変動及び為替変動について)

当社グループの宝飾品事業においては、主に金・プラチナ等の貴金属地金及びダイヤモンドを始めとする貴石を原材料としており、これらは市況変動あるいは為替変動のリスクに晒されております。市況あるいは為替に大幅な変動があった場合に、これを速やかに売価に反映することは困難であり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

   コンプライアンスリスク

(個人情報の管理について)

当社グループでは、小売販売においてお客様よりご提供いただいた顧客情報を取り扱っております。これらの個人情報の取扱いについては、社内体制の整備、情報インフラにおけるセキュリティーの確保及び従業員への教育の実施などにより、厳格な管理の下で行なっております。

しかしながら、不測の要因により顧客情報が流出した場合、損害賠償の発生のみならず社会的信用を失うこととなり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容

(1) 経営成績等

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置が断続的に適用された影響により一部業種によっては消費停滞がみられたものの、活動は徐々に正常化に向かいつつあり、持ち直しの兆しが見られました。しかしながら、資源価格の高騰、円安の影響などにより総じて厳しい状況で推移いたしました。また、世界経済におきましても、同様に経済活動が再開され回復の兆しが見られましたが、原材料価格や原油価格の更なる上昇に加え、ロシア・ウクライナ問題、中国の主要都市におけるロックダウンなど世界経済の先行きは不透明な状況にあります。

小売業界におきましても、緊急事態宣言発令による外出自粛要請や移動制限要請等で、消費者の行動変容に伴い業態や立地で業績が分かれ、消費マインドの冷え込みに加え、商業施設の休業や営業時間の短縮など事業活動が大きく制限されました。

このような環境の中、当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大防止策を徹底し、通信販売のさらなる拡充や、顧客の購買回復に向けた販売促進を積極的に展開することにより売上高の確保に努めました。引き続き人材育成、商品力の強化、構造改革に取り組みましたが、当連結会計年度の業績は、売上高は、商業施設の臨時休業や外出自粛などの影響もあり、299億85百万円(前年同期比7.2%増)となりました。営業利益は、5億66百万円(前年同期比34.2%増)となり、経常利益は7億81百万円(前年同期比92.1%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、店舗に対する減損損失の計上や臨時休業による損失の計上などもあり、73百万円(前年同期比75.9%減)となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の売上高は58百万円減少しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」をご覧ください。

 

報告セグメントの業績は次のとおりです。

(宝飾品)

 外部顧客への売上高は、新型コロナウイルス感染症の再拡大による消費マインドの冷え込みや一部商業施設の時短営業やそれに伴う外出自粛などの影響もありましたが、254億47百万円(前年同期比6.7%増)となり、営業利益は、7億2百万円(前年同期比40.5%増)となりました。

(眼鏡)

外部顧客への売上高は、新型コロナウイルス感染症の再拡大による消費マインドの冷え込みやそれに伴う外出自粛などの影響もありましたが、25億49百万円(前年同期比8.1%増)となり、営業利益は、新規出店に伴なう販売管理費等の増加もあり、84百万円(前年同期比53.9%減)となりました。

(食品販売・飲食店)

外部顧客への売上高は、新型コロナウイルス感染症の再拡大による商業施設の営業時間の短縮などもありましたが、売上高は、19億88百万円(前年同期比14.0%増)となり、営業損益は、2億25百万円の損失(前年同期は2億67百万円の損失)となりました。

 

なお、当期における当社グループの主な店舗展開は以下のとおりです。

事業セグメント

宝飾品

眼鏡

食品販売・飲食店

会社名

As-meエステール㈱

キンバレー㈱

エステール

ホールディングス㈱

前期末店舗数

368

64

30

新規出店

8

4

1

閉店

△10

当期末店舗数

366

68

31

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末の337億75百万円より7億34百万円増加し、345億10百万円となりました。主な増減は、商品及び製品などの棚卸資産の増加12億51百万円、現金及び預金の増加2億40百万円と、有形固定資産の減少6億18百万円及び敷金及び保証金の回収などによる減少1億52百万円であります。

負債合計は、前連結会計年度末の196億67百万円より7億50百万円増加し、204億18百万円となりました。主な増減は、長期借入金の増加4億31百万円、一年以内返済予定の長期借入金の増加3億54百万円及び支払手形及び買掛金の増加2億48百万円であります。

純資産合計は、前連結会計年度末の141億8百万円より16百万円減少し、140億91百万円となりました。主な増減は、親会社株主に帰属する当期純利益73百万円と、剰余金配当の支払2億86百万円による利益剰余金の減少であります。

 

(3) キャッシュ・フローの概況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末の83億7百万円より2億4百万円増加し、85億12百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは34百万円のプラス(前年同期は1億31百万円のプラス)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益3億42百万円、減価償却費5億3百万円、減損損失5億41百万円及び仕入債務の増加2億22百万円の資金増加と、棚卸資産の増加12億51百万円、未払金の減少1億3百万円及び未払又は未収消費税等の増減額2億6百万円の資金減少によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは3億49百万円のマイナス(前年同期は5億円のマイナス)となりました。これは主に敷金保証金の回収2億28百万円の収入と、固定資産の取得4億33百万円、敷金保証金の差入64百万円及び保険積立金の積立21百万円の支出によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動におけるキャッシュ・フローは4億99百万円のプラス(前年同期は1億90百万円のマイナス)となりました。これは主に長期借入による収入51億50百万円と、長期借入金の返済による支出43億63百万円及び配当金の支払2億86百万円の支出によるものであります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を目指しながら、会社の成長のための内部留保の充実と株主様への利益還元とのバランスを考え実施していくことを基本としております。

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行なっており、運転資金及び設備投資につきましては、当社においてグループ会社全体を一元管理しております。当期末の有利子負債残高は109億万円となっております。

また、資金調達コストの低減に努める一方、過度に金利変動リスクに晒されないよう、長期の借入について固定金利での調達を活用しております。金融機関からの借入も含め、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転、設備資金の調達は今後も可能であると考えております。現預金の86億17百万円は必要な流動性を確保していると判断しております。

新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、全国的に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出され時短営業の実施など厳しい状況が続いておりましたが、ワクチン接種の効果もあり、新規感染者数が減少に転じ、緩やかな回復の兆しがみられる状況となりましたが、国際情勢の緊迫化、原材料価格の高騰など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。消費マインドの回復には、ワクチン接種の効果が出てくると期待される2022年度第3四半期以降になると思われます。今後の資金使途につきましては、足元の状況を優先し、雇用の維持と店舗運営を継続していくための運転資金に充当してまいります。また、金融機関からの資金調達を適宜検討いたしますが、事態収束の見通しが立ち資金に余裕ができた場合には、持続的な成長を考え企業買収や販売体制を強化するための設備投資、自社株の取得を検討してまいります。また、株主様への利益還元として安定的な配当が実施できるように努めてまいります。

 

(5) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2021年4月1日
 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

宝飾品(百万円)

11,867

126.4

眼鏡(百万円)

821

138.7

食品販売・飲食店(百万円)

1,137

117.4

合計(百万円)

13,826

126.2

 

(注) 上記金額には、仕入実績が含まれております。

 

② 受注実績

当社グループは見込生産を行っているため、記載を省略しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2021年4月1日
 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

宝飾品(百万円)

25,447

106.7

眼鏡(百万円)

2,549

108.1

食品販売・飲食店(百万円)

1,988

114.0

合計(百万円)

29,985

107.2

 

 

(6) 重要な会計上の見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。