当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当第1四半期連結累計期間(2023年3月1日~2023年5月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが「5類」に変更され、行動制限が緩和されたことにより、社会経済活動の正常化が進み個人消費や設備投資に持ち直しが見られるなど景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、世界的な金融引締めに伴う影響や円安の進行、原材料・資源価格の高騰、ロシアのウクライナ侵攻により顕在化した地政学的リスクの長期化等、わが国経済を取り巻く世界情勢は依然として予断を許さない状況となっております。
このような状況の下、当社は、2023年3月20日に創業100周年を迎え、これを節目に新たなステージを目指し、当社グループの技術と知識で持続可能な豊かな社会の実現に貢献すべく、社会の抱える様々な課題との関わりを常に意識し、5期連続で経常黒字を達成した前連結会計年度に引き続き、グループ一丸となって持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでおります。
当社グループの主力事業は当社創業以来の試験機事業であり、これとあわせて「ゆるみ止め製品」のエンジニアリング事業を展開し、強固な収益基盤を確立していくことに注力しております。この二つのコア事業は産業の基盤と社会インフラの「安全・安心」を支える事業であり、社会に必要不可欠な製品・商品・サービスを提供する企業グループとして今後も成長していくために、顧客満足度の向上を目指して製品品質・サービスの向上に取り組むとともに、コア事業の発展が期待できる他社との業務提携や事業シナジー効果が期待できる分野への進出も検討してまいります。この点、当社は、2023年4月21日に試験機事業のさらなる磨き上げを目的として、CAEソフトウェアの開発およびその受託解析・開発業務を行っている㈱先端力学シミュレーション研究所と業務提携契約を締結し、新たな収益機会の創出や事業の開発について協議を行っております。
また、当社は、2023年3月30日付で㈱東京証券取引所より、当社株式について特設注意市場銘柄の指定を受けたことから、上場維持とステークホルダーの皆様からの信頼回復に向けてガバナンス・内部管理体制の整備・強化を進め、役職員一丸となって改善に取り組んでおります。
当第1四半期連結累計期間は、試験機事業につきましては、前連結会計年度の後半以降、製品受注が比較的順調に推移したことから、標準的な試験機を中心に売上高は堅調に推移し、一部のオーダーメイドの試験機で原価率の悪化があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた前年同期と比べ売上高・利益ともに増加いたしました。また、エンジニアリング事業につきましては、公共工事や都市開発、エネルギー関係を中心にゆるみ止め製品の販売は堅調に推移し、売上高・利益ともに前年同期をやや上回ることができました。
また、当社は、2023年5月29日の臨時取締役会にて財務基盤の安定のために神奈川県相模原市南区所在の本店ビルを他社に売却することを決議したことに伴い、帳簿金額と売却価格の差額を減損損失として特別損失に計上いたしました。一方、金融庁より、商事事業での不適正な会計処理により過年度の有価証券報告書等を訂正したことに対して、2023年6月27日付で12,000千円の課徴金納付命令を受けましたが、当該課徴金については前連結会計年度において訂正関連費用引当金として30,000千円を計上しておりましたので、その差額を特別利益に計上するとともに、2023年5月末に、前連結会計年度において貸倒引当金に計上した商事事業の販売先に対する未回収債権の一部8,000千円の回収がありましたので、当該回収金額を貸倒引当金戻入額として特別利益に計上いたしました。
以上の結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は842,313千円(前年同期比20.8%増)、経常利益は39,345千円(前年同期比7.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は23,755千円(前年同期は19,271千円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
① 試験機事業
試験機事業では、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に収まっていく中で、国内企業の景況感は上向きになり設備投資意欲にも持ち直しの動きが見られ、自動車、鉄鋼、産業機械関係などからの受注・引き合いが増加いたしました。また、海外渡航制限の緩和により、中国や韓国などの海外の企業からの製品受注にも回復の動きが見られました。一方、部品・原材価格の高騰や調達部材の納期の長期化などの影響を受け、販売価格への転嫁を進めているものの、一部の製品で利益が圧迫されるとともに、開発要素のあるオーダーメイド製品で原価の悪化があったことから、利益の確保に苦戦いたしましたが、売上高・利益ともに前年同期を上回ることができました。
以上の結果、試験機事業の売上高は719,294千円(前年同期比23.0%増)、営業利益は100,327千円(前年同期比59.7%増)となりました。
② エンジニアリング事業
エンジニアリング事業では、主力のゆるみ止めナット・スプリングについて、引き続き高速道路や橋梁、エネルギー関係等の社会インフラ向けや国内建設市場向けに製品の浸透と市場シェアの拡大に努めた結果、公共工事や都市開発、エネルギー関係で使用するゆるみ止め製品の販売は堅調に推移し、売上高・営業利益ともに前年同期をやや上回ることができました。
以上の結果、エンジニアリング事業の売上高は122,546千円(前年同期比9.6%増)、営業利益は34,735千円(前年同期比6.8%減)となりました。
当第1四半期連結会計期間末における総資産は3,269,871千円となり、前連結会計年度末に比べ175,468千円減少いたしました。
流動資産は2,212,903千円となり、前連結会計年度末と比べて106,984千円減少いたしました。これは主に受取手形及び売掛金の減少241,694千円、電子記録債権の増加126,217千円等によるものです。
固定資産は1,056,967千円となり、前連結会計年度末に比べ68,484千円減少いたしました。これは主に建物及び構築物の減少14,987千円、土地の減少40,130千円等によるものです。
流動負債は1,029,116千円となり、前連結会計年度末に比べ276,063千円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金の減少188,822千円、未払金の減少121,552千円、未払費用の増加67,749千円等によるものです。
固定負債は848,035千円となり、前連結会計年度末に比べ124,357千円増加いたしました。これは主に長期借入金の増加122,125千円等によるものです。
純資産は1,392,719千円となり、前連結会計年度末に比べて23,762千円減少いたしました。これは主に利益剰余金の減少23,755千円等によるものです。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対応すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,154千円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(固定資産(不動産)の譲渡)
当社は、2023年5月29日付の臨時取締役会決議に基づき、下記の通り固定資産(不動産)の譲渡について決議し、2023年5月30日に譲渡契約を締結しました。当該不動産は、当初、契約書上の引渡し期限である2023年7月31日に引き渡す予定でしたが、譲渡先との協議により、2023年7月28日に引き渡すことといたしました。
1.譲渡の理由
当社は、2021年3月に購入した神奈川県相模原市南区所在の不動産に同年9月28日に当社および当社の子会社の本店を移転いたしましたが、当該不動産の当社グループにおける事業拠点・営業拠点としての活用状況はそれほど高くはなく、当社は2023年2月期決算において多額の損失を計上し財務基盤の安定を図る必要があることから、当該不動産を他社に売却することといたしました。
2.譲渡資産の内容
3.譲渡先の概要
4.譲渡の日程
取締役会決議日 2023年5月29日
契約締結日 2023年5月30日
引渡日 2023年7月28日(予定)
5.当該事象の損益及び連結損益に与える影響額
上記固定資産の譲渡に伴い当第1四半期連結累計期間において、減損損失として52,572千円を特別損失に計上しております。