文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。
当社グループでは、“子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ” の企業理念のもと、日本の未来を担う若者に住まいの選択肢を増やし、若者たちのより素晴らしい未来を拓く一翼を担うことで社会に貢献いたします。
① 企業理念“子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ”
日本の、そして地球のよりよい未来をつくるために、私たちセレコーポレーションが果たすべきこと。それ は、この国の豊かさをつくりだした先人たちに敬意を表し、感謝の気持ちを抱きながら、この豊かさがよりいっそう広がる未来を描くこと。
そのために社会に貢献する永続企業でなければばらないと考えます。
② 事業目的
「ゲストに最高の笑顔と感動を届け続ける」
生き方にこだわる若者たちの住まいの選択肢を増やし、住まいを通して「最高の笑顔と感動」を提供し続けることで、若者たちのより素晴らしい未来を拓く一翼になること。これこそが、私たちセレコーポレーションの社会における存在意義であり、社会貢献であると位置づけています。
「社員一人ひとりの幸せの総和が企業価値」
私たちが実現したい企業価値とは、社員一人ひとりの「しあわせ」の総和という、私たち独自の指標です。会社にとって一番の財産は社員であり、社員一人ひとりの「物心両面のしあわせ」を大切にしたいと考えています。
この「しあわせの総和」が大きくなればなるほど、より大きな歓びと感動をゲストに届けることができ、さらにオーナーの歓びへとつながり、社会が豊かになり、その果実として、私たちの企業価値が高まっていくと信じています。
③ 経営方針「持続可能な安定的成長」
成熟期を迎えている内需型事業を展開する私たちセレコーポレーションにとって大切なこと。それは、リスクの高い性急な成長路線を志向したり、いたずらに規模を追うことではなく、身の丈に合った堅実経営を貫き永続企業を目指すことです。
私たちは、理想として掲げる事業目的を達成するためにも、独創の事業基盤、確固たる経営基盤のもと、他が追随できない圧倒的な差別化の独自路線を邁進することで社会に存在感を発揮し、永きにわたり持続し、事業で社会に貢献する安定した成長を果たしていきたいと考えます。
④ 行動指針「信頼」「人財」「変化」
私たちセレコーポレーションの価値創造のために守るべき原則、それが行動指針です。
「信頼」と「人財」、そして「変化」。それぞれの言葉に、私たちの想いや信念、価値感を託しています。
信頼とは、社会の一員である私たちが、企業として果たすべき約束を守り続けることで得られるものです。会社そのものへの信頼、入居するゲストからの信頼、そして、住まいの品質やブランドに対する信頼。
私たちは、決して一朝一夕では得ることのできない信頼という価値を、日々の事業活動の積み重ねの中で
培っていきます。
人財とは、会社にとって社員が何よりも大切な財産であるという考えです。ゆえに私たちセレコーポレー
ションでは「人材」と記さず、「人財」と記しています。
一人ひとりの社員がよりいっそう魅力ある人財に育っていくことで、私たちの会社は、さらに魅力ある会社へと成長していくと考えています。
変化とは、会社の成長を推進する原動力です。環境の変化をいち早く読み取り、柔軟かつ迅速に対応すること。そして、自らも変化することを恐れず、変化することに積極果敢に挑み、常に進化し続ける先に、豊かな未来が広がっていくと考えています。
⑤ 長期経営ビジョン「ビジョン2030」
当社では、2030年に向けて“ありたい姿” を定め、その実現のための長期経営ビジョン「ビジョン2030」を策定いたしました。この「ビジョン2030」は、さらに長期の経営ビジョンである「CEL未来戦略」の実現に向けた通過点との位置づけです。
「ビジョン2030」の基本戦略のコンセプトは、当社の企業理念に基づく原理原則「セレフィロソフィ」と「CEL未来戦略」に基づき、あくまで本業の付加価値を高めるため、本業及び本業周辺ビジネスの多面的経営の展開により目標を達成することを目指すものです。
ビジョン2030「企業価値の極大化と物心両面の幸せの実現」
・アパート専門メーカーとしてニッチトップの実現
・高付加価値追及による粗利益率の向上
<重要指標> ※目標年度は2030年2月期
売上高400億円、営業利益40億円、営業利益率10%、ROE10%、PBR1倍
平均年収900万円、週休3日制
今後の我が国経済は、賃金上昇等による景気拡大が期待される一方、人財不足の深刻化、世界的な金融引き締めや地政学リスク等による景気の下押しや物価、労務費の上昇の影響が引き続き懸念されるなど、依然として不透明な状況が続くものと想定されます。
全国及び当社の事業エリアとなる東京都の新設貸家着工戸数は、各月の増減はあるものの、当連結会計年度を通じて概ね前年並に推移しました(出典:国土交通省「建築着工統計調査」)。
なお、当社の事業エリアである東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の人口流動は、転入超過が続いている状況です。
当社は、東京圏において生き方にこだわりを持つ25歳から35歳を中心とした若者たちに「最高の笑顔と感動を届け続ける」ことをモットーに、経営方針である「持続可能な安定的成長」を実現するため、確立された企業理念と事業目的の下、顧客・エリア・商品・構法など事業ドメインを選択と集中により絞り込み(ニッチ戦略)、いたずらに規模を追わず経営資源を集中させております。また、ゲスト(入居者)の多様な生活シーンに対応する平面に高さを加えた立体的な空間設計を主軸とした差別化商品を提供することによって、同じような間取りによる他社との価格競争を排しております。土地有効活用のコンサルティングから、建物の企画・設計、自社工場での構造部材製造、建物の自社建築、完成後のオペレーションまで一貫して担う「アパート専門メーカー」として収益性の高い独自のビジネスモデルを確立していくことを戦略としております。

各ビジネスモデルの事業戦略は下記のとおりです。
賃貸住宅事業
賃貸住宅事業におきましては、保有する土地の有効活用を検討しているオーナーさまに対し、赤煉瓦調の外壁とデザイン性のある門柱、オートロックや防犯カメラを標準装備し、各住戸を立体的に空間設計した当社基幹ブランド「My Style vintage」を主軸に、アパート経営の企画、設計、施工等を行っております。また、営業面ではオーナーさまがアパート経営を通じて実現したいことは何かを顕在化し、目的達成に向けた課題解決のため、ファイナンシャルプランナー的手法にて総合的な資金計画を提案し、経済的側面から実現に導くことができるようコンサルティング力の強化を図っております。
これらに加えて、今後は、IoTスマートアパート(オートロックの共用インターホンとスマートフォンが連動し、不在時でも宅配便や来客対応が可能なほか、室内の照明器具やエアコンなどをスマートフォンで操作でき、セキュリティセンサーや防犯カメラとスマートフォンが連動できるアパート)の商品化によって競争力強化を図るほか、SDGsに賛同し、高断熱材、ペアガラスサッシ等により断熱性を高め、省エネエアコンや高効率給湯器、LED照明などの省エネ設備の導入により消費エネルギーを低減したアパートへの取り組みなど、アパート建築を通した社会貢献を行ってまいります。
賃貸開発事業
2020年10月より事業を開始した賃貸開発事業におきましては、不動産購入資金に対する家賃収入といった投資利回りよりも、エリアや駅近など地価が下落しづらいことを物件選択において重視される土地を保有されていない富裕層に対して、豊かな資産承継に貢献できるようなアパート経営の提案を行うことで、当社の新たな収益基盤の構築に取り組んでおります。
また、新たな収益基盤を目指し、城南(品川区・目黒区・港区・大田区)・城西(渋谷区・新宿区・世田谷区・中野区・杉並区・練馬区)エリアに絞込み、駅からの距離・規模・見栄えなどを基準に、将来にわたり価値を維持できるような土地を仕入れ、その土地の資産価値に相応する付加価値の高い「My Style vintage」を建築し販売を行ってまいります。
賃貸経営事業
賃貸経営事業におきましては、自社施工物件に限らず、他社の施工物件や他社の管理物件について、管理受託営業を積極的に行い、管理受託物件の拡大に注力しております。
また、「My Style vintage」の入居希望者の会員組織「My Style Room Club」の会員に対し、My Style Room Club専用サイトを活用したゲストの囲い込み等の施策により、入居希望者である「My Style Room Club」会員の増加を目指してまいります。
さらに、管理アパートの入居者募集などを行う賃貸仲介協力業者の組織であるセレリーシングパートナーズ(2024年2月末で16社)、日常の建物点検、清掃や維持管理業務などを委託するメンテナンス協力業者の組織であるセレメンテナンスパートナーズ(2024年2月末で10社)により業者間との連携強化に努め、ゲストに対する課題を共有することにより、機動的かつきめ細やかなサービスの提供に努めてまいります。
ビジョン2030「企業価値の極大化と物心両面の幸せの実現」
・アパート専門メーカーとしてニッチトップの実現
・高付加価値追及による粗利益率の向上
<重要指標>
当社は、アパート経営において、コンサルティングから賃貸経営までワンストップでオーナーさまの人生設計における課題解決に向けた選択肢を提供し、フルサポートできる体制づくりを目指しております。
アパート専門メーカーとして、アパート経営に特化し、若者のニーズに合った空間設計とモノづくりによる差別化により付加価値を提供し、経営方針である「持続可能な安定的成長」を実現するために優先的に対処すべき課題は以下のとおりであります。
「ビジョン2030」を達成するためには、優秀な人財を継続的に確保し、育成することが最も重要であると認識しております。そのため当社では、全ての従業員に対し、自己研鑚を重ね、高い専門性を身に着けること、自律的に行動していくことを求めております。
従業員個々の能力の向上を図り、当社の人財レベルの向上、ひいてはサービスの質の向上、維持につなげていくためには、人財に対する投資が必要不可欠であると考え、毎年策定する人員計画に教育研修を盛り込み、人財のレベルアップに取り組んでおります。あわせて、経営理念やコンプライアンスに基づいた業務運営体制の徹底のため、従業員に対し各種研修を実施しております。
また、当社はカンパニー制を導入し、カンパニーごとの判断の迅速化に加え、カンパニー長の成長により次世代の経営者の育成へと繋げております。
当社は、付加価値向上による収益力強化と効率性重視による費用削減から、高利益体質の創出を目指します。そのためには、さらなる生産性の向上が必要と考えております。
デジタル化による効率化、技術改革による工期短縮、ロボット等による自動化を推進し、共通部材による生産の効率化を進めます。
当社は、付加価値向上による収益力強化と効率性重視による費用削減から、高利益体質の創出を目指します。当社の旗艦ブランド「My Style vintage」の商品構成比を100%まで高めるほか、当社独自の賃貸・建物管理メニューを提供してまいります。
あわせて、着実かつ安定的な成長の実現のため、賃貸住宅事業、賃貸開発事業及び賃貸経営事業を通じて構築されるオーナーさま及びゲストとのネットワークをリソースとする派生ビジネスを主軸とした新規ビジネスモデルを構築し、多面的経営の展開を目指してまいります。
④技術力の強化
日本製鉄株式会社(旧:新日鐵住金株式会社)との共同開発により主要鋼材の軽量化と耐久性強化を実現した“新型式構法:セレZ” の活用により、敷地対応への更なる自在性の向上を図るとともに、生産性の向上とコスト低減を目指してまいります。
また、2020年10月に国土交通大臣より型式部材等製造者認証を千葉工場で取得し、生産品質の更なる均一化を図るほか、千葉工業大学及び東京理科大学と遮音性能向上の共同研究を行うなど、新たな部材の開発と効率的な施工方法の研究を進めてまいります。
当社グループの継続的な発展のためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化が重要な課題であると考えており、財務報告の信頼性を確保するため、内部統制システムの適切な運用が重要であると認識しております。コーポレート・ガバナンスに関しては、ステークホルダーに対して経営の適正化や健全性を確保しつつ、より一層効率化された組織体制の構築に向けて内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
当社は、当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所が定める流通株式比率は当社の上場するスタンダード市場においては25%以上と定められております。
当社の流通株式数は投資家の売買を通じて変動いたしますが、当社はその動向を注視し、必要に応じて主要な株主に保有株式の売出し等にご協力をいただくなど、当社株式の流動性向上に努めてまいる方針です。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
現在、当社グループでは取締役会、未来戦略会議、常勤役員会議を中心としたガバナンス体制を構築しておりますが、サステナビリティに関するリスク及び機会を識別し、監視・管理するための体制は構築できていません。
今後は、サステナビリティ推進のための仕組みを構築し、事業活動や社会問題との関連性についての議論と整理を行ってまいります。また、事業活動に重大な影響を及ぼす懸念のあるリスクについての識別、評価を行い、社会課題の解決と当社グループの持続的成長の両面で重要課題として取り纏めを行い、取締役会においてリスク及び機会の審議及び監督を行う体制を構築してまいります。
当社グループは、“子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ”の企業理念のもと、日本の未来を担う若者たちに住まいの選択肢を増やし、若者たちのより素晴らしい未来を拓く一翼を担うことで社会に貢献すべく、事業を展開しております。
当社グループは「アパート専門メーカー」として提供する商品の「付加価値」にこだわり、オーナーさまへ提供しております。一例としては、高い断熱性能の断熱材や省エネ性能の高い照明等を取り入れた「東京ゼロエミ住宅」仕様についてオーナーさまへご提案することにより、持続可能な安定的成長及び脱炭素社会の実現に向けて推進しております。また、「住宅性能表示制度」における評価項目の一つである耐震等級について、その最高基準である「耐震等級3」への対応も可能とする等、ゲスト(居住者)の安全性向上の面からも、さらなる「付加価値」を提供しております。
(3) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
会社にとって社員が何よりも大切な財産であるという考えから、当社では「人材」と記さず、「人財」と記しております。一人ひとりの社員がよりいっそう魅力ある人財に育っていくことで、私たちの会社は、さらに魅力ある会社へと成長していけると考えています。
企業価値を高めていくためには人的資本は経営の根幹に位置付けられるものと捉えております。
長期経営ビジョン「ビジョン2030」と連動した人財戦略を策定、実行してまいります。とくに、人財の活性化、人財育成、人財獲得、環境整備の観点から、企業価値を極大化するための施策を実行します。
“ありたい姿”をいかに実現するかという観点から、人財戦略を策定・実行して持続的な企業価値向上を目指します。
リスク管理に係る重要な事項は取締役会または常勤役員会議で決定しております。代表取締役神農雅嗣を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会を設置し、想定されるリスクに対処できるよう、「リスク管理規程」に基づき、内部監査室と協働し、外部専門家等の助言を得て迅速かつ適切に動ける体制を整備しております。
サステナビリティ課題に関わるリスクについても、統合的なリスク管理体制のもとで管理し、モニタリングや課題解決を図っております。
企業価値を高めていくためには人的資本は経営の根幹に位置付けられるものと捉えておりますが、具体的な指標及び目標については、人的資本への取り組みを踏まえ検討中です。
当社及び連結子会社は関連法令による公表義務の対象ではないため、「第1 企業の概況 5 従業員の状況(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」の記載を省略しております。
今後、サステナビリティの基本方針の策定と併せ、当社グループの実情に合わせた指標及び目標の設定を検討してまいります。
当社は、当社グループの事業活動に関する主要リスクについて、所管部門によるリスクマネジメントの取り組みを通じて継続的に見直しを行っております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社グループに関する全てのリスクを網羅するものではございません。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
当社グループは、東京圏(1都3県)に限定して展開しておりますが、東京圏において大規模な地震や台風等の自然災害が発生した場合、被災した当社グループの建築現場・事業所・情報設備等の修復や、オーナーさまの建物の点検、被災したオーナーさま及びゲストへの支援活動などにより、多額の費用が発生する可能性があります。また、被災地域において、社会インフラが大規模に損壊し、相当期間にわたり生産・流通活動が停止することで建築資材・部材の供給が一時的に途絶えたり、多数の社員が被災し勤務に支障をきたすことにより、契約締結・工事着工・工事進捗が滞り、また、管理物件の被害等が発生することにより、リーシング活動に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、下請代金支払遅延等防止法、建築士法、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律、都市計画法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、建設工事に係る資材再資源化等に関する法律、水質汚濁防止法、騒音防止法、振動規制法、大気汚染防止法、借地借家法、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律、改正民法(賃貸借)、保険業法、不動産の表示に関する公正競争規約、労働安全衛生法、犯罪収益移転防止法、暴力団排除条例、建設業許可等に則り事業活動を行っております。
これらの法令等を遵守するために、内部統制委員会による継続的な法令遵守の取り組みを実行しており、コーポレートガバナンス及びコンプライアンス推進体制を強化しておりますが、法改正や新たな法令等への対応に不備が生じた場合や、想定できない法令違反が生じた場合には、事業活動が制限され、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社が事業に関し取得している許認可等は以下のとおりであります。本書提出日現在、これらの許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、今後、何らかの理由により許認可等の取消等があった場合、当社の事業の活動に支障をきたすとともに当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの製品に関する品質基準は、設計、施工及び検査等、全てマニュアルで定められております。品質検査にあたっては、施工業者が行う自主検査の他に、工程内検査(現場担当者の検査)、外部施工検査機関(検査会社の検査)、発注者検査、行政検査(第三者機関を含む)の各検査を実施することにより品質の向上を図っております。
当社グループは品質には万全を期しておりますが、想定範囲を超える契約不適合責任等が発生した場合には、多額の費用発生や当社グループの評価を大きく毀損することとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの属するアパート建築業界では、過去に他社において顧客の融資資料改ざんや建物の屋根裏、壁の内側等の施工未実施が発覚する等の不祥事が発生しました。当社グループにおいては、全社的なコンプライアンス意識の醸成や内部統制の整備、品質検査の充実等の内部管理体制強化を通じて、これらの未然防止に努めております。
しかしながら、これらの取り組みの範囲を超えた不測の事象が発生した場合や、当社グループに直接関係がない場合においても、アパート建築業界全体に対する批判的な風評が発生し、顧客による買い控え等が生じた場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの持続可能な安定的成長に向けて、優秀な人財の確保が必要不可欠であると認識しております。そのため、優秀な人財を採用するとともに、育成にも注力しております。しかしながら、適切かつ十分な人員を採用できなかった場合や退職や休職等により人財が減少した場合、または育成が想定していたとおりに進まなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業を行うに際し、多数の建設現場や工場を有しているため、特に安全、環境面を最優先に配慮し、対策した上で事業を行っております。しかしながら、これらの配慮、対策にもかかわらず、現場での事故、環境汚染等の事故等が発生した場合には、人的・物的な被害等により業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、個人情報・機密情報の保護には特に配慮し、対策を進め事業活動を行っておりますが、コンピュータウイルスの侵入やサイバー攻撃等により、個人情報・機密情報の漏洩・改ざん、システム停止等が生じるリスクがあります。このような事態が発生した場合、顧客からの損害賠償請求や社会的信用が大きく毀損されることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは事業を遂行していく上で、各種関係法令を遵守し、また、社員がコンプライアンスを理解し、実践することに最善の努力をしております。しかしながら、国内外を問わず訴訟を提起されるリスクを抱えております。万一、提訴された場合、または訴訟の結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は本書提出日現在において、重大な訴訟を提起されている事実はありません。
商標権をはじめとする知的財産権については、当社グループが有する知的財産権に侵害の疑いが生じた場合には、顧問弁護士及び弁理士に依頼し、必要な処置を講ずることとしております。また、他社の知的財産権を侵害することは、当社グループの主たる事業活動に重大な悪影響を及ぼすものと認識しており、その防止に努めております。しかしながら、予期せず第三者との間で、知的財産権等の帰属・侵害に関する主張及び請求を受けた場合や、損害賠償請求及び使用差止請求等を受けた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの賃貸経営事業は、アパートのプロパティマネジメント業務を行っております。オーナーさまが家賃保証システム(一括借上システム)を採用した場合、当社がアパートを借上げ、ゲストに転貸いたします。当社は、「ゲストに最高の笑顔と感動を届け続ける」空間設計を提供することにより、ゲスト確保に努めてまいりますが、外部環境の変化、ゲスト獲得の競争の激化等により、ゲストや賃料が計画どおりに確保できなくなる可能性があります。その場合、ゲスト確保のため賃料水準を下げる施策などにより、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの戦略として、旗艦ブランド「My Style vintage」における「圧倒的な差別化による付加価値の提供」を掲げており、コンサルティング内容、デザイン性等において、他社との差別化を図ってまいりますが、競合先による類似商品・サービスの投入等により当社グループの競争力を確保できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主要なお客様であるアパートのオーナーさまについて、日本経済の情勢や税制などの法制度、金融市場動向・金利動向、人口動態がアパート経営の収益性に影響を及ぼすことから、これらの変動によってオーナーさまの需要動向に変化があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
特に、当社グループは賃貸住宅事業において、土地を所有するオーナーさまに対して、土地の有効活用法としてアパートの建設を提案するコンサルティング営業を行い建設受注を獲得しており、また賃貸開発事業において、富裕層における豊かな資産承継の一助として、当社にて取得した土地を販売することによる建設受注の獲得、あるいは、当社で建築したアパートの販売(建売販売)も行っております。現在においてアパート経営は土地活用の有効な手段の一つとされておりますが、税制改正により、アパート経営に関連する税負担等に変動があった場合、建設案件の受注獲得及び建売販売に影響し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、オーナーさまがアパート経営を行う際、建物の建築代金を金融機関からの借入れにて調達することがあるため、金利の急激な上昇及びアパートローンに対する金融機関の融資姿勢に変化が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。アパートローンを利用する顧客に対しては資金計画上2~3割程度の自己資金負担の提案による過度なローンへの依存の回避、及び融資斡旋部署を設置して金融機関との連携強化を図っております。
当社グループは賃貸開発事業において、アパート経営を希望するオーナーさまが土地を所有していない場合、高い入居率が見込める土地を厳選してオーナーさまに提案・販売しております。しかしながら、地価の上昇や他社との競合等により、従来どおりの良質の物件を獲得することが困難になった場合、建設案件の受注獲得に影響し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、新規取引先の開拓、使用材料の汎用品促進、新構法の導入等によって、工事原価の抑制に努めてまいりますが、原材料・資材価格・人件費等の高騰による仕入価格や工事原価の上昇を売上価格に転嫁できない場合は、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、空間設計を重視した設計を基に、自社製造の鋼材と自社施工によるアパートの建築を行っており、新商品の開発並びに新技術及び新構法の研究開発に取り組んでおりますが、競争力のある新商品、新技術、新構法が開発されないまたは開発に遅れが生じるなどにより、原価低減が計画どおりに行えない場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが保有している有価証券、販売用不動産、固定資産及びその他の資産について、時価の下落等による減損または評価損の計上によって、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
販売用不動産については、アパート経営のための用地仕入に際して、立地条件、競合物件の動向、地中埋設物の有無、仕入価格変動等について、十分な調査を行い、その結果を踏まえて仕入を行っております。しかしながら、不動産価格の急激な変動による販売価格の引き下げ、土壌汚染や地中埋設物の瑕疵が発見されることによる事業中止、延期が発生した場合には、事業計画の遂行に重大な問題が生じ、販売用不動産の評価損が発生する恐れがあります。その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、関係会社の経営の自主性を尊重しながら、当社グループの企業集団として一体性を有することを基本方針としてグループ経営を行っております。事業戦略上、企業の買収、組織再編等を行った場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、在宅勤務や時差出勤の実施並びにWEB会議システムを利用した社内会議や商談を推奨する等の働き方の変化を進めており、感染症の予防につながっております。今後、感染症が流行した場合には、事業活動の制約が大きくなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の代表取締役である神農雅嗣は、当社の創業者であり、創業以来、経営者として経営方針や経営戦略を決定すると共に、新規事業の事業化に至るまでの重要な役割を担っております。
当社では、役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の業務執行が困難になった場合には、当社グループの業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は21,311百万円であり、前連結会計年度末に比べて1,529百万円増加しました。これは主に完成工事未収入金及び契約資産が610百万円増加したこと、未収還付法人税等が還付を受けたことにより2,694百万円減少した一方で、この流動資産の減少と税金等調整前当期純利益1,658百万円を獲得したことにより、現金及び預金が3,519百万円増加したこと等によるものです。
固定資産は2,870百万円であり、前連結会計年度末に比べて232百万円増加しました。これは主に有形固定資産が30百万円、繰延税金資産が149百万円増加したしたこと等によるものです。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は4,317百万円であり、前連結会計年度末に比べて1,141百万円増加しました。これは主に、未払法人税等が700百万円、未成工事受入金が240百万円増加したこと等によるものです。
固定負債は432百万円であり、前連結会計年度末に比べて21百万円減少しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は19,431百万円であり、前連結会計年度末に比べて642百万円増加しました。これは主に、自己株式の取得等により自己株式が223百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益1,109百万円を計上したこと等によるものです。
この結果、自己資本比率は80.4%(前連結会計年度末は83.8%)となりました。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が緩和され、企業収益や雇用情勢に改善の動きがみられる等、景気は緩やかに回復しましたが、原材料価格の高騰、世界的な金融引き締め、中国経済の先行き懸念、長期化するウクライナ情勢等の地政学的リスクによる世界経済への影響も不安視され、先行きは不透明な状況が続いております。
当社の主要事業である賃貸住宅市場においては、エネルギー資源や建築資材の高騰、労務費の上昇等により建設コストは右肩上がりの状況が続き、全国の新設貸家着工戸数及び当社の事業エリアとなる東京都の新設貸家着工戸数は、2023年8月以降前年同月を下回る月が続いたものの、第4四半期に前年同月を上回り盛り返した結果、当連結会計年度を通じて概ね前年並に推移しました。
・新設貸家着工戸数 (出典:国土交通省「建築着工統計調査」)
このような環境の中、当社グループは、“子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ”の企業理念のもと、日本の未来を担う若者たちに住まいの選択肢を増やし、若者たちのより素晴らしい未来を拓く一翼を担うことで社会に貢献すべく、事業を展開してまいりました。
東京圏・若者たち・鉄骨造アパートに絞り込み経営資源を集中するニッチ戦略を基本に、未来を担う若者たちのアパート専門メーカーとして、土地有効活用のコンサルティングから、自社開発物件の組成、自社工場での構造部材の製造、建物の企画・設計・施工、入居者の募集、建物のメンテナンス等入居後の賃貸経営までワンストップで行う自社一貫生産体制を確立し、ニッチトップを実現することで持続可能な安定的成長を目指してまいりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度における売上高は23,103百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益は1,637百万円(前年同期比32.8%増)、経常利益は1,658百万円(前年同期比32.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,109百万円(前年同期比30.0%増)となりました。
各セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(賃貸住宅事業)
賃貸住宅事業におきましては、衣食住の「住」の領域で東京圏において生活にこだわりを持つ25歳から35歳の未来を担う若者たちに感動を届け続けるため、旗艦ブランドである「My Style vintage」を軸としたアパートの企画、設計、施工等の請負事業を行い、未だ確立されていない「住まいの選択肢」を増やすことに注力してまいりました。
当連結会計年度における営業活動につきましては、賃貸管理契約が見込め管理受託数の拡大につながる紹介先(金融機関、コンサルタント、士業、不動産業者等)の開拓に努め、より多くの顧客の引き合いが可能な優良物件の見学会の開催を推進したほか、顧客の獲得に向けて発足した新たなパートナーズ組織との関係強化等、新規情報源の開拓に注力してまいりました。
また、資源高の影響による原価高騰への対策として、構法の改善や工期短縮、工場の効率改善による生産性向上に努めたほか、新規取引先の開拓による購買先の多角化、新型式の運用開始による原価低減、賃貸経営事業との連携強化による賃料への適正な価格転嫁を実施しました。さらに、脱炭素社会の実現に向けて東京都が推進する取り組みに賛同し、高い断熱性能の断熱材や省エネ性能の高い照明等を取り入れた「東京ゼロエミ住宅」仕様についてオーナーさまへの提案を推進し、併せてその付加価値を考慮した販売単価の見直しを実施いたしました。
新商品販売に向けた取り組みとしては、新たな空間設計による付加価値と独自性の高いアパートの開発・研究を推進し、若者たちの思考・居住性・多様性や利便性について共立女子大学とアパートの暮らしをテーマとした共同研究、千葉工業大学及び東京理科大学と遮音性能向上に関する共同研究を引き続き行ってまいりました。さらに、SDGsの持続可能な開発目標に賛同し、脱炭素社会に貢献できるよう、省エネルギー性能を強化したアパートの商品開発にも継続して注力してまいりました。
加えて、アパート建築に使用する部材を自社製造している千葉工場では、品質マネジメントシステム(Quality Management System)の国際規格である「ISO9001」の認証を取得しており、更なる品質向上と付加価値の創造に努めてまいりました。
その他、中長期的な成長を見据え、専門的な資格を有する優良な技術者の確保や幅広い経験を持つ営業コンサルタントの増員等による人員増強に加え、人財育成にも積極的に取り組みました。
以上の活動の結果、当連結会計年度における引き渡し棟数の実績は75棟(計画86棟)、着工棟数の実績は84棟(計画87棟)となり、引き渡し棟数が好調であった前期並の水準には至らなかったことから、売上高は9,447百万円(前年同期比3.9%減)、セグメント利益は639百万円(前年同期比11.0%減)となりました。
(賃貸開発事業)
賃貸開発事業におきましては、『土地の資産価値』に重きを置いた新たな収益不動産の選択肢を提供することで、富裕層における豊かな資産承継の一助となるよう取り組んでおります。
生き方にこだわりを持つ当社のゲスト(入居者)が住みたい街であり、かつ資産価値の高い城南・城西にエリアを絞り込み、駅からの距離・規模・見栄えを合わせた4つの要素にこだわった希少性の高い土地の選定を行い、その土地に以下の特長をもった商品を企画・設計・施工し販売を行ってまいりました。
・『ワンルームを1LDKへ』という発想で設計された「Feel」に収納量の増大とリモートワークを可能とする
書斎機能を追加した「Feel+1」
・設備仕様のすみずみまでこだわったパワーカップル向け商品「Fwin」
・旗艦ブランド「My Style vintage」に門柱門扉等の高級感あふれる外装を施した最上級グレード
「Ex Class」
当連結会計年度における営業活動につきましては、更なる付加価値の提供による利益率向上に向け、外部設計事務所を起用することで、新規仕入物件における空間設計仕様、外観・外構計画を改善し、賃料設定の見直しに取り組みました。さらに、「住宅性能表示制度」の指標の1つである耐震等級について、その最高基準である「耐震等級3」への対応も可能とする等、付加価値を向上してまいりました。
また、人材紹介会社との関係強化による優れた人財の獲得や、適切な研修・評価の実施による人財の育成、販売実績のある紹介業者との関係強化による優良顧客の早期顕在化等、社内外における組織力の強化を図りました。
加えて、脱炭素社会に向けて全物件に「東京ゼロエミ住宅」仕様を採用することにより、高い断熱効率を実現し好評を博しました。
その他、中長期的な営業活動を見据え、富裕層が好む資産価値・希少性の高い角地にターゲットを絞り込んだ仕入活動、販売手法の見直しによる資金効率の改善に取り組みました。
以上の活動の結果、積極的な営業活動により計画を上回る販売実績を確保できたため、当連結会計年度における売上高は5,052百万円(前年同期比28.7%増)、セグメント利益は750百万円(前年同期比79.1%増)となりました。
(賃貸経営事業)
賃貸経営事業におきましては、当社の事業目的である「ゲスト(入居者)に最高の笑顔と感動を届け続ける」ことによって、若者たちがより素晴らしい未来を拓いていくこと、そしてそれがオーナーさまのアパート経営の成功につながり、安定した資産承継につながっていくという考え方のもと、管理物件の受託営業活動を積極展開するほか、オーナーさまに対して会員組織「セレパートナーズ倶楽部」によるサポートサービスを提供しております。あわせて一括借上や家賃集金代行等によるゲスト(入居者)の募集、入退去管理、家賃回収、レポーティング等の賃貸管理業務、及び日常の建物点検、設備の保守点検、植栽の管理、清掃等の建物管理業務といった賃貸オペレーションを担うプロパティマネジメント業務を行っております。
当連結会計年度におきましては、前期から引き続き賃貸住宅事業と協働してアパートの企画・設計の段階から受託営業活動に注力した結果、当連結会計年度末の管理戸数は12,314戸(前期末比271戸増)となりました。
また、新たにオーナーさま向けのステータス別サービスの運用を開始しオーナーさまの満足度の向上に努めたほか、外部の賃料AI査定システムを活用しオーナーさま目線での資産価値の向上を図る積極的な提案等オーナーさまとの対話を通して信頼関係の構築に努め、リピート受注や賃貸管理業務のリプレースによる管理戸数の増加を目指してまいりました。
加えて、引き続き専任の賃貸仲介協力業者の組織「セレリーシングパートナーズ」(2024年2月末で16社)において、委託契約の内容見直しにより協力業者との関係強化を一層図り、さらにメンテナンス協力業者の組織「セレメンテナンスパートナーズ」(2024年2月末で10社)の協力のもと、スピーディーな修繕対応を実現する新定額精算商品「セレスマートリペアシステム」を販売開始する等、ゲスト(入居者)及びオーナーさまの満足度につながるサービス面の維持・向上に努めた結果、高水準の入居率(2024年2月末で98.5%)を維持することができました。
以上の活動の結果、当連結会計年度における売上高は9,323百万円(前年同期比6.6%増)、セグメント利益は1,101百万円(前年同期比15.4%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて3,519百万円増加し、17,741百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は4,342百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益を1,658百万円獲得したこと、法人税等の還付として2,695百万円を受取ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は342百万円となりました。これは主に有形固定資産及び無形固定資産を取得したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は481百万円となりました。これは配当金の支払として277百万円、自己株式の取得による支出204百万円によるものです。
当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 当社グループの生産機能は賃貸住宅事業に含められるため、賃貸開発事業及び賃貸経営事業については記載しておりません。
当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.受注高及び受注残高は建築請負契約を締結した取引を集計しております。なお、賃貸開発事業の受注高及び受注残高は、建築条件付土地売買契約及び建築請負契約を締結している取引を集計しています。
3.賃貸経営事業は、受注という概念が馴染まないため記載しておりません。
当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、10%未満のため記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載しております。
(売上高・売上原価・売上総利益)
当連結会計年度の売上高は23,103百万円と前連結会計年度と比較して1,727百万円増加(前年同期比8.1%増)しました。
当連結会計年度は、賃貸住宅事業において、物件の引渡が好調であった前連結会計年度に比較して、当連結会計年度の引渡棟数が減少したことにより、売上高が73百万円減少し8,757百万円となったものの、賃貸開発事業において、前連結会計年度までに仕入れた物件について、物件売却が好調に推移したことから、売上高が前連結会計年度と比較して1,220百万円増加し5,022百万円となりました。また、賃貸経営事業においても、オーナーサービスの強化、管理受託率の向上等により、売上高が前連結会計年度と比較して581百万円増加し9,323百万円となりました。
売上原価は19,140百万円と前連結会計年度と比較して1,177百万円増加(前年同期比6.6%増)しました。主たる要因は、賃貸開発事業の売上高が好調に推移したことに伴う売上原価の増加によるものです。また、前連結会計年度に引き続き、各種資材等の高騰という影響はあったものの、顧客のアパート経営の事業性を考慮して原価高騰の影響を販売価格に転嫁したこと等により、当連結会計年度の売上総利益率は17.2%と、前連結会計年度の16.0%から上昇しました。
上記の結果、当連結会計年度の売上総利益は3,962百万円と前連結会計年度と比較して550百万円増加(前年同期比16.1%増)しました。
(販売費及び一般管理費・営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,324百万円と前連結会計年度と比較して146百万円増加(対前年同期比6.7%増)しました。増加した主な要因は、人員増による人件費の増加によるものです。
上記の結果、当連結会計年度の営業利益は1,637百万円と前連結会計年度と比較して404百万円増加(前年同期比32.8%増)しました。
(営業外収益・営業外費用・経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は23百万円であり、前連結会計年度と比較して3百万円減少(前年同期比12.0%減)しました。
営業外費用は3百万円であり、前連結会計年度と比較して2百万円減少(前年同期比43.9%減)しました。
上記の結果、当連結会計年度の経常利益は1,658百万円と前連結会計年度と比較して403百万円増加(前年同期比32.2%増)しました。
(特別損益・法人税等・親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、特別損益の計上はありません。
当連結会計年度の法人税等の金額は548百万円であり、前連結会計年度と比較して147百万円増加(前年同期比36.8%増)しました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,109百万円と前連結会計年度と比較して256百万円増加(前年同期比30.0%増)しました。
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは4,342百万円の資金流入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,658百万円を計上したこと、法人税等の還付として2,695百万円を受取ったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは342百万円の資金流出となりました。これは主に、有形固定資産及び無形固定資産への投資によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは481百万円の資金流出となりました。これは配当金の支払として277百万円、自己株式の取得による支出として204百万円によるものです。
以上の結果、期末における現金及び現金同等物の残高は17,741百万円となりました。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、賃貸開発事業における土地の仕入代金、材料費、労務費、外注費及び経費等の製造経費、人件費や賃借料等の販売費及び一般管理費によるものであります。当社の方針として運転資金については自己資本で賄うことを原則としております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、連結財務諸表の作成に当たり、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。これらの見積り及び仮定に基づく会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の会計方針は、連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。
(販売用不動産)
通常の販売目的で保有する販売用不動産等は、取得原価をもって貸借対照表価額とし、収益性の低下により正味売却価額が取得原価よりも下落している場合は、正味売却価額をもって貸借対照表価額とし、差額を簿価切下額として売上原価に計上しております。
正味売却価額の見積りにあたっては、近隣地域における市場価格や当該不動産の想定利回り等に基づいて算定された将来の販売見込額に販売に係る費用を踏まえ算定しておりますが、経済情勢や不動産市況の悪化等により正味売却価額が想定以上に下落した場合には、評価損を計上する必要があります。
(請負工事に係る収益)
当社グループの請負工事に係る収益は、一定の期間にわたり履行義務の充足が認められる工事について、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の見積りの方法は、見積総原価に対する発生原価の割合(インプット法)で算出しております。その他の工事については、それぞれ履行義務を充足した時点で収益を計上しております。
工事の基本的な仕様や作業内容は顧客の指図に基づいて行われることから、工事原価総額の見積りにあたっては、工事に対する専門的な知識と施工経験を有する工事現場責任者による一定の仮定と判断を伴い不確実性を伴うものとなります。具体的には、工事は契約から完成まで一般に長期にわたることから工事の進行途上における工事契約の変更、悪天候による施工の遅延、建設資材単価や労務単価等の変動が生じる場合があり、工事原価総額の適時・適切な見直しには複雑性が伴います。このため、仮定した個別の工事契約ごとの諸条件と異なる事象が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループの繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、経営環境の悪化等によりその見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、将来の課税所得の見積りが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の要否を検討しております。当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することになります。固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に基づき、算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社の業績を悪化させる可能性があります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであり、事業環境の変化をはじめ様々なリスク要因が当社グループの成長及び経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
経営者の問題意識と今後の対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の課題に対処し、当社グループが今後も持続可能な安定的成長を果たしていく必要があると認識しております。
当社グループの主力事業であるアパート経営は、オーナーさまに長期的な資産形成に資するものであることから、当社が安定的に成長し持続し続けることが、オーナーさまの安定的な資産形成を確実なものとし、ステークホルダー全ての安心につながると考えています。
当連結会計年度において、当社の事業目的を達成するための長期的な経営の課題として、生産性の向上、収益力の改善を掲げており、その評価のための指標としては営業利益率6.0%以上を定めておりました。また会社の安定的な成長が、オーナーさまの安定的な資産形成を確実なものとし、ステークホルダー全ての安心につながると考え、継続企業としての安全性の観点から自己資本比率60.0%以上を維持することを目標として定めておりました。
当社が定めた各種指標の目標及び当連結会計年度末の状況は下表のとおりであります。
当社では2024年4月に、2030年2月期を目標時期とする長期ビジョン「ビジョン2030」を策定いたしました。この「ビジョン2030」に掲げる目標のうち、達成状況を判断するための客観的な指標は下表のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループでは、賃貸住宅事業において、ゲスト(入居者)の住空間の充実とオーナーさまの安定的な資産形成を実現するため自社のものづくりにこだわり、新技術、新構法の開発及び実用化等のための研究開発活動を行っております。
具体的には多様化、高度化し、広汎な範囲にわたる顧客ニーズに応えられるような住空間を提供する商品や、新たな構法に対応した製品、長寿命化により長期安定した資産価値を提供しながら環境保全に貢献できるような製品を研究、開発し、提供することを基本方針とし、以下の取り組みを実施しております。
狭小地やアクセスの悪い現場で効率的かつ精度の高い施工を行うため、工場で製作する鉄骨部材の改善、改良、開発を行なっております。
空気音遮音試験、気密試験、室内汚染物質試験、劣化試験等を行い、より長寿命で高品質な製品、構法の開発を行なっております。
お客さまアンケート等により得られた顧客ニーズ分析により、商品の改善、他社と差別化したデザインや居住空間を提供する新商品の開発を行なっております。
当連結会計年度における研究開発費は