独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書

 

 

 

2024年5月31日

 

ローツェ株式会社

 

 

取締役会 御中

 

 

 

太陽有限責任監査法人

 

 

中国・四国事務所

 

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

沖     聡

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

則岡 智裕

 

<財務諸表監査>

監査意見

 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているローツェ株式会社の2023年3月1日から2024年2月29日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。

 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、  ローツェ株式会社及び連結子会社の2024年2月29日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

監査上の主要な検討事項

 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

 

棚卸資産の評価

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

 会社グループは、2024年2月29日現在、連結貸借対照

表に商品及び製品6,866百万円、仕掛品12,545百万円、原

材料及び貯蔵品33,873百万円を計上している。連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項4.(1)重要な資産の評価基準及び評価方法に記載のとおり、棚卸資産の連結貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法を採用している。

 会社グループは、半導体及びFPDの生産ラインで使用される搬送装置の製造のため、アルミなどの素材や加工部品、あるいは各種購入部品など多岐にわたる部品や材料を調達している。しかし、急激な市場変動等により材料の調達遅延、数量不足が生じるリスクがある。

 このため、原材料の調達リスクに対応すべく原材料の確保を進めており、在庫金額の重要性が増している。

 一方で、半導体及びFPD業界の技術動向や需給バランスの変動により、デバイスメーカーや製造装置メーカーの設備投資計画に変動が生じた場合、滞留在庫の発生や製品陳腐化のリスクがある。

 会社グループは、日頃からサプライヤーとの関係強化を図り、材料調達リスクをモニタリングして適正な在庫の確保に努めるとともに、製品については顧客からの受注に基づく効率的な生産体制の構築や効果的な設備投資のもと、適正な在庫水準の確保に努めていることで、リスクに対応している。

 また、会社グループは、発生した滞留及び過剰在庫(以下、「滞留等在庫」という。)を適切に評価するため、滞留年数ごとに設けた一定の割合を乗じて規則的に帳簿価額を切り下げることで棚卸資産の収益性の低下を連結財務諸表に反映している。

 棚卸資産金額の重要性は高まっており、また、発生した滞留等在庫の簿価切下げについては、評価方針の妥当性及び、評価対象の網羅性も含めて慎重な検討が必要なことから、当監査法人は棚卸資産の評価を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。

 当監査法人は、棚卸資産の評価の妥当性を検討するに当たり、主に以下の監査手続を実施した。

1.内部統制の評価

 棚卸資産の評価に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、特に滞留等在庫の評価に利用した在庫明細における滞留期間の正確性及び抽出の網羅性に焦点を当てた。

2.棚卸資産の評価の妥当性に関する検証

・ 会社の棚卸資産の評価方針の背景となる部材や材料の調達市場の動向等の経営環境や調達方針について、定期的に経営者と議論した。

・ 棚卸資産の評価方針とその判断の根拠、並びに当該評価方針を見直すべき以下の事象の有無について関係部門の責任者に質問した。

・ 失注製品在庫の発生

・ 見込生産による過剰製品在庫の発生

・ 製品仕様の変更、先行調達等による滞留等在庫の発生

・ 取締役会等の議事録、稟議書を閲覧し、製品の販売終了予定や廃棄見込みの有無など、棚卸資産の評価に影響を与える事実及び経営判断や意思決定の有無を確かめた。

・ 過去における滞留等在庫の簿価の切下額と、その後の使用実績及び廃棄実績を比較し、評価方針の有効性に与える影響を評価した。

・ 収益性の低下に基づく簿価の切下額の計算資料を入手し、使用されている資料の網羅性及び正確性を確かめたうえで、会社の棚卸資産の評価基準に基づく簿価の切下額が適切に計算されていることを再計算により確かめた。

・ 重要な構成単位である連結子会社については、構成単位の監査人へ当監査法人が必要と認めた監査手続の実施を指示するとともに、その実施結果の報告を受け、十分かつ適切な監査証拠が入手されているか否かを評価した。

 

 

 

株式会社イアスの株式取得に伴う企業結合

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

 会社は【注記事項】(企業結合等関係)に記載されているとおり、株式会社イアス(以下、「イアス」という。)の全株式を株式譲渡及び株式交換により取得し、同社を連結子会社としている。

 イアス株式の取得原価は、同社の事業計画を基礎として算定された株式価値を踏まえ、交渉の結果決定されており、株式価値の算定に経営者は外部の専門家を利用している。取得原価の決定のためのイアスの事業計画における重要な仮定は、売上高成長率や費用の発生見込額である。

 また、企業結合において受け入れた資産及び引き受けた負債を識別し、その時点の時価を基礎として配分した資産及び負債の純額とイアス株式の取得原価との差額をのれんとして識別しているが、当該取得原価の配分に際しても経営者は外部の専門家を利用している。

 この結果、会社は、本企業結合日において顧客関連資産2,136百万円及びのれん2,577百万円を識別している。

 本件のように金額的に重要な企業結合取引は経常的に生じる取引ではなく、株式の取得原価の妥当性及び取得原価の配分の決定には、見積手法、基礎データ及び重要な仮定を基礎とした検討が必要であり、専門的な知識が必要となる。また、株式価値の算定の基礎となる事業計画は、不確実性を伴うものであり、経営者の判断が含まれる。

 以上より、当監査法人はイアスの株式取得に伴う企業結合を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。

 当監査法人は、イアスの株式取得に伴う企業結合を検討するに当たり、株式の取得原価の妥当性を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。

・ イアス株式の取得に関連する議事録、契約書を閲覧し、取得原価の正確性を検討した。

・ 経営者が利用した外部の専門家による「株式価値評価報告書」「株式交換比率算定報告書」を閲覧し、取得原価との整合性を検討した。

・ 株式価値算定において用いられた見積手法、基礎データ等を確かめ、取得原価の合理性を検討した。

・ 株式価値の算定の基礎となる事業計画について、経営者及び担当者へ質問を実施するとともに、重要な仮定である売上高成長率や費用の発生見込額について、過去からの趨勢の分析、入手可能な外部情報との整合性を検討し、その合理性を確かめた。

  また、識別可能な資産及び負債への取得原価の配分の適切性を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。

・ イアスの取得原価の配分の根拠資料である経営者が利用した外部の専門家による「無形資産価値評価報告書」について、当監査法人が利用する専門家の評価結果を利用して顧客関連資産等の無形資産の識別の要否及びその網羅性、並びに算定に用いられた手法、基礎データ及び前提条件等を確かめ、配分額の妥当性を検討した。

 

 

その他の記載内容

 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

連結財務諸表監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

 

・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

<内部統制監査>

監査意見

 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、ローツェ株式会社の2024年

2月29日現在の内部統制報告書について監査を行った。

当監査法人は、ローツェ株式会社が2024年2月29日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。

監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。

なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。

 

内部統制監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。

・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。

・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

 

利害関係

会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

 

以 上

 

(注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。

2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

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