当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社のスローガンは、「時間を奪うのではなく、時間を与えるソフトウエアを創り続ける」ことです。当社は、オリジナルのパッケージソフトウエアやサービスを開発・販売していますが、社会の変化や顧客のニーズを捉え、最新の技術を活用しながら社員の自由な発想を活かし、新しい製品・サービスを事業化しています。自社で製品・サービスを開発することにより、市場ニーズの変化にすばやく対応し、高度な独自技術を蓄積することで収益性の高い事業とすることができます。
また、当社は「風通しの良い相互尊重の精神あふれる職場環境をみんなで作り、みんなが働きやすい雰囲気の中で創造力、技術力を常に磨き、品質の高いソリューションを提供し続ける。」ことを経営方針とし、働きやすい環境作りを目指しています。
当業界では「人」が唯一の資産です。昨今、ITエンジニアの採用は競争が激しく非常に困難な状況が続いていますが、入社後の人材育成と早期戦力化が最も重要な成功要因です。当社では、人材教育を積極的に行うとともに、社員が働きやすい環境作りに力を入れています。ヒトやコトに高い関心を持ち、良いものを評価し、相互に尊重し、自身の創造力や技術力をさらに磨くことで、優れた発想やアイデアを生むことができると考えています。また、そのためには自律・自立した社員の一人ひとりが働きやすい職場環境を創り出していくことが理想と考え、そのような仕組み作りが会社の責務だと認識し、これを経営方針としています。
(2)目標とする経営指標
当社は、成長性と収益性を重視しており、それぞれの指標として売上高成長率及び売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付けています。これらの指標をバランスよく伸ばしながら企業価値を向上させることを経営課題としています。
また、事業別の運営実態や業績状況を視るものとして、主に次のような指標を注視しています。
・事業別の売上高、売上総利益(率)及び事業利益(率)の推移
・事業別の従業員一人当たり売上高及び売上総利益
・事業別、部門別の稼働率
さらに、健全性や安定性を表すものとして、次のような指標も重視しています。
・プロジェクト利益の計画・実績の推移
・プロジェクト失敗件数の推移
・販売費比率、管理費比率の推移
・離職率、社員満足度の推移
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は、事業ドメインの中心を「企業向け業務システム」と定義し、この領域に経営資源を集中して製品・サービスの拡充を図ります。当社は現在、アプリケーションの開発・保守領域やツールの開発・提供領域において事業を展開していますが、顧客から求められる様々な業務課題解決の領域においても付加価値を提供できるよう、自社独自の製品・サービスに限定せず、真の「システムインテグレーション」を目指して参ります。
そのため、基幹業務システムの「GRANDIT」をコアとして、業種特化や業務特化の課題にも対応できるよう、様々なシステムとのコーディネートやインテグレーションを行うとともに、生成AIやロー・ノーコードの最新技術を採用し、新たな新規事業開発に積極的投資して参ります。
また、当社は2032年に向けた長期ビジョンとして、売上高120億円を目指し、売上規模の拡大と並行して利益率の向上を図って参ります。そのためには、ERP事業及びObject Browser事業に次ぐ事業の柱を複数育成することが必要です。「Catch and Grow」で市場ニーズをいち早く捉え、徹底的なニーズ分析と迅速な新製品開発を行い、3つ目のコア事業による安定した収益基盤を構築することを目指します。さらに、従来は自前主義に依存してきましたが、今後は当社事業とシナジーのある企業との提携も積極的に展開します。また、それを支える社内環境として、経営方針に掲げるような当社らしさを追求し、カルチャーの浸透を図ります。
(4)経営環境
世界経済は未ださまざまな不安要素が存在するものの、昨今のIT業界ではAIやクラウド、SaaS等の新しいテクノロジーを活用したデジタル化や自動化の気運が高まる中、企業システムの再構築や機能追加等の需要が増加しており、IT投資は引き続き増加基調にあります。このような新しいテクノロジーは、開発効率を大幅に向上することとなっていますが、低コスト化や開発リードタイム短縮のニーズは高まり、顧客ニーズの高度化、多様化、そして需要の急増がエンジニア不足を加速させています。
このような変化に対応すべく、当社はエンジニアの確保と育成に注力し、最新技術を積極的に採用して顧客ニーズに合ったサービスを提供することで競争力を高めて参ります。また、新たな事業の柱を育成するための投資も積極的に行い、中長期に掲げた数値目標の達成に向け取り組んで参ります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①新規顧客開拓力の強化
当社の主力事業であるERP事業においては、パートナー企業による間接販売や案件紹介の仕組みを構築しています。しかしながら、このような体制が「待ちの営業姿勢」を生むことになり、それが新規案件の受注遅れの一つの要因になっています。そのため、各事業に分散していた新規顧客開拓担当者を含む営業部門を新設の「エンタープライズ営業本部」に集約することで、チームでの活動を強化してノウハウや情報の共有を促進し、あらためて自社での新規顧客開拓営業スタイルを構築・強化して参ります。
②開発エンジニアの確保と早期戦力化
IT市場は、DX推進の流れもあり、システム化投資を進める企業からの引き合いの増加が続いています。こうした市場環境のなか、IT業界ではエンジニア不足が深刻化しています。この課題に対処するため、ベトナム開発拠点の設立、積極的な新卒採用やキャリア採用を実施していますが、当社の事業はさまざまな業種、業態に対応する業務システムであるため知識や技術の習得には時間がかかります。そのため、新規入社者の早期戦力化が新たな課題となっています。
今後も積極的な採用を継続しつつ、社内教育を経て部分的な業務や小規模プロジェクトを経験させるなど、実践的な育成プログラムを強化し早期戦力化を図って参ります。また、一人当たりの生産性等の指標をタイムリーに把握し、戦力化の進捗状況を把握します。
③インキュベーション事業の収益化
当社では、複数の新規事業を立ち上げて製品・サービスの販売を行っていますが、未だに収益化しておりません。
投資の効率化を図るため、社内で分散していた各事業を「インキュベーション事業部」として集約しましたが、引き続き早期の収益化に向けて戦略の練り直しを行い実行して参ります。また、KPIを定めて定期的に事業継続性の判断を行うことで、インキュベーションの取組みを加速化して成功確率を向上させます。
④新規主力事業の創出
当社の主力事業は、ERP事業及びObject Browser事業ですが、時代の変化とともに市場のニーズや最新のテクノロジーも大きく変わっています。このような変化を的確に捉え、当社の強みを活かした新規事業を早期に創出し、新たな事業の柱として育成する必要があります。
顧客課題を解決する観点から新規事業を創出するため、新しい技術の導入や他社との提携・M&A等にも積極的に投資を行います。
当社は、「時間を奪うのではなく、時間を与えるソフトウエアを創り続ける」というコーポレートスローガンのもと、社会に価値を提供し続けることを宣言しています。時間を与えるソフトウエアによる生産性向上は、労働時間の短縮や働き方改革、また間接的に地球環境の保全にもつながると考えており、持続可能でより良い社会の実現に貢献して参ります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
(1)ガバナンス
当社は、取締役会とサステナビリティ担当が中心となり、事業を取り巻く環境におけるリスクと機会の把握に努め、サステナビリティに関する課題の共有、対応策の検討、取組みの推進を行っております。また、社外取締役や監査役も討議に参加することを通じ、当社のサステナビリティ施策が適切に推進されるよう監督しています。
サステナビリティに関する課題に対し、当社が事業活動を通じてどのような貢献ができるのか、既存事業を拡張することで推進するアプローチ、既存事業の枠にとらわれず課題解決にフォーカスしたデザイン思考的アプローチ、その他様々な観点から社会課題の解決につながる取組みを検討しております。
当社のガバナンスに関する詳細は、「
(2)リスク管理
当社は、リスクの予防と早期発見に重きを置いたリスク管理体制を構築しております。「リスク管理・コンプライアンス規程」を定め、当社に内在するリスクを特定・評価し、影響度に応じて定められた会議体に報告し、対策の検討と実施を行っております。
当社のリスク管理に関する詳細は、「
(3)戦略、指標及び目標
我が国では、少子高齢化が急速に進行して高齢社会になりつつあります。そのため、加速度的に労働力人口が減少することにより、人手不足が経済規模の縮小や労働環境の悪化を招き、社会・経済活動の維持が困難となることが懸念されます。当社は、時間を与えるソフトウエアの開発・導入が、労働時間の短縮による企業の生産性向上、多様な働き方によるワークライフバランスの実現、また間接的には地球環境の保全にもつながると考え、これらを通じて持続可能でより良い社会の実現に貢献することを目指します。
当社は、持続的な成長と社会課題の解決を実現するため、取り組むべき主なマテリアリティを特定しました。
マテリアリティ |
リスク |
機会 |
少子高齢化と社会経済活動の維持 |
・経済規模の縮小による企業活動の低下を受けた市場の縮小 |
・事業活動の効率化のためのシステム導入やシステム開発の支援 |
人手不足と事業活動の継続 |
・人材確保の困難による事業活動の低下、ビジネス機会の逸失 ・労働環境の悪化による人材の流出、品質の低下 |
・ダイバーシティ推進による人材や価値観の多様化がもたらす組織の強化、イノベーションの創出 |
当社は、事業を取り巻くリスクと機会に対応するため、以下の取組みを行っております。
①サステナビリティ全般に関するもの
戦略 |
具体的な取組み |
指標 |
目標 |
達成状況 |
自社製品を通じた社会の生産性向上 |
基幹業務システムや開発支援ツールなどの製品の導入を通じて長時間労働を解消し、健康的な生活やエネルギー使用量削減の実現に貢献する。 |
今後検討して参ります。 |
- |
- |
生成AIを活用したシステムの開発・導入を通じて過酷な労働や単純作業等を機械に代替し、健康的な生活やエネルギー消費量削減の実現に貢献する。 |
今後検討して参ります。 |
- |
- |
|
プログラミングスキル判定サービスの活用を通じて仕事に必要な能力を身に着けることに貢献する。 |
今後検討して参ります。 |
- |
- |
|
地球環境の保全 |
カジュアル勤務を推進し、環境省が推進する「デコ活」に則りオフィスの空調温度をエコ設定にする。 |
・冷暖房時の室温 |
・夏の冷房時の室温28℃ ・冬の暖房時の室温20℃ |
夏の冷房時は28℃、冬の冷房時は20℃を目安に室温設定し、サーキュレーターを使用して空気循環させ、冷暖房効率を高めています。 |
社内で購入する備品や消耗品について、グリーン購入法適合製品に切り替える。 |
・グリーン購入法適合製品率 |
20% (2029年度) |
26.7% (2023年度) |
|
社内資料のデジタル化推進により、紙の使用量を削減する。 |
・社員一人当たり年間印刷枚数 |
240枚 (2029年度) |
372枚 (2023年度) |
|
地域社会への貢献 |
埼玉県ESG債を購入し、環境問題・社会課題解決のために県が実施するグリーンプロジェクト、ソーシャルプロジェクトの推進を支援する。 |
- |
- |
2023年8月に埼玉県第2回公募公債(サステナブルボンド)を購入しました。 |
埼玉県のこども食堂を支援するため、各こども食堂のホームページを無料で作成する。 |
- |
- |
2024年2月期までに累計19ヶ所のホームページを作成しました。 |
|
当社の株主優待品であるお米のうち、住所不明等により返却されたものをフードバンク埼玉を通じて埼玉県のこども食堂に寄贈する。 |
- |
- |
2023年2月期は、144㎏のお米を20ヶ所のこども食堂に寄贈しました。 |
②人的資本に関するもの
戦略 |
具体的な取組み |
指標 |
目標 |
達成状況 |
多様な人材の採用と活躍支援 |
地方在住の人材のリモート勤務採用を推進し、地方における所得水準の向上や活性化に貢献する。 |
・遠隔地勤務制度利用者数 |
累計20名 (2029年度) |
累計7名 (2023年度) |
日本のIT業界で働きたい外国人を積極的に採用し、多様性のある社会を実現するとともに、専門家として育成することで帰国後の本国でのIT産業の発展に貢献できるようにする。 |
・外国籍採用人数 |
累計30名 (2029年度) |
累計22名 (2023年度) |
|
女性を積極的に採用するとともに育児支援制度を充実させることで、女性が仕事と育児を両立して長く安定して働くことができる環境を整備する。 |
・女性育児休業取得率
・女性復職率 |
100% (2029年度)
100% (2029年度) |
100% (2023年度)
100% (2023年度)
(その他、「プラチナくるみんプラス」及び「トモニン」の認定を取得。) |
|
積極的に育児をしたい男性の希望を実現するとともに、配偶者の負担軽減を図ることにより、男性も仕事と育児を両立して長く安定して働くことができる環境を整備する。 |
・男性育児休業取得率
・男性復職率 |
80% (2029年度)
100% (2029年度) |
67% (2023年度)
100% (2023年度) |
|
働きやすい環境づくり |
労働時間短縮を実現し、夜間や休日のエネルギー消費を削減する。 |
・法定外労働平均時間
・年次有給休暇取得率
・従業員定着率 |
5時間/月 (2029年度)
90% (2029年度)
95% (2029年度) |
3時間/月 (2023年度)
83.4% (2023年度)
90.4% (2023年度) |
教育制度の充実 |
教育方針に基づき、質の高い教育制度を充実させる。 |
今後検討して参ります。 |
- |
全社向けの定期的な勉強会、有志による不定期の専門的な勉強会を行っています。 階層教育と専門教育の各プログラムを実施しています。 |
当社は、主に以下の事項について事業展開上のリスク要因となる可能性があるものと考えておりますが、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要と考えられる事項については、情報公開の観点から積極的に開示しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
(1)失敗プロジェクトの発生
当社は、自社製品「OBPM Neo」を活用しプロジェクト管理を徹底しておりますが、過去には大きな失敗プロジェクトが発生したことがありました。一つのプロジェクトの失敗でも当社の事業に大きな損失を与える可能性があり、プロジェクトの規模によっては、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、顕在化しているものだけでなく、潜在的なリスクも早期に発見し対処できるよう、PMO(Project Management Office:システム開発のプロジェクトにおいて、プロジェクトの円滑な遂行を支援する組織)機能の強化を図って参ります。
(2)ソフトウエアモデルからサービスモデルへの流れ
IT業界は、ハードウエアからソフトウエアの時代に移り変わり、さらにサービスの時代となっています。パッケージソフトウエアを作成して販売するというモデルは、ソフトウエア時代の典型的な収益モデルですが、クラウドサービスで収益を上げるビジネスモデルに移行しつつあります。
こうした時代の変化に対応できずビジネスモデルの転換に遅れた場合、成長が鈍化して業績が低迷することにより、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、既存事業の「OBPM Neo」や新規事業の「TOPSIC」をクラウドサービスにより提供しており、ソフトウエア製品の開発・販売のみならず、クラウドサービス事業を拡大しております。
(3)製品の重大な不具合(バグ)による信用の低下について
プログラムの不具合であるバグを無くすことは重要な課題ですが、ハードウエアや基本ソフトなどの環境との相性もあり、皆無にすることは一般的に難しいと考えられています。
当社では、このようなバグを発生させないよう、開発の最終段階で入念なテストを行い、品質を確保するようにしていますが、販売した製品に予期し得ない重大なバグが内在してこれが発生した場合、当社や製品の信用が低下し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、製品の信頼性を高めることが長期的なユーザーの獲得につながるものと考え、入念なテストにより地道にバグを発見して除去することに努めて参ります。
(4)新製品・新サービスの開発について
当社のプロダクト戦略は、単一の製品に依存するのではなく、次々と新規の製品・サービスを企画・開発する方針です。これまでもAI製品やプログラミングスキル判定などの新サービスを次々とリリースしています。しかしながら、新たに投入した製品・サービスが市場に受け入れられ十分な収益を上げることができるか、不確実であり時間も要します。
市場ニーズの見誤りや競合製品・サービスとの競争の激化、社内体制の不備などにより、販売が低迷する可能性があります。このような事態が生じた場合、それまで開発に投じた資金を回収できず、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、社内リソースによる開発だけでなく他社との提携・M&Aも行い、KPIを定めて客観的・合理的に事業継続性の判断を行うことにより、新製品・新サービスの成功確率を上げて投資回収を実現することを目指します。
(5)知的財産権について
当社が開発した製品・サービスが、他社が保有する特許を含む知的財産を侵害した場合、第三者による販売中止等の提訴を受けて敗訴すると、製品・サービスの販売中止や回収を命じられることも考えられ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、他社が保有する権利を侵害しないよう、事業展開において事前に審査や確認を行うだけでなく、社員を対象にコンプライアンス教育も実施し、十分に留意しております。
(6)開発体制について
当社独自の製品・サービスは、新規のテクノロジーを取り入れながら企画・開発しております。そのため、高い技術力や専門性を有する人材の確保が想定どおりに進まない場合、技術の移り変わりが激しくエンジニアの育成が間に合わない場合、又は労働環境の悪化等によりエンジニアの社外流出が生じた場合は、開発作業に重大な影響を及ぼし、競争力のある製品をリリースできなくなる可能性があります。
このような事態が生じると、収益機会を失い投資の回収も困難になることから、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、資格取得制度やチューター制度、社員研修制度、社内勉強会等の社員教育に力を入れ、育成と評価が適切になされるよう人事評価制度の改良にも取り組んでいます。また、定期的に離職率や社員満足度の状況を把握し、大量離職の未然防止にも努めております。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりです。
なお、「E-Commerce事業」については、2024年1月1日付けで、新たに当社の完全子会社として設立した株式会社DGコマースに承継させたうえ、同社株式のうち60.0%を株式会社DGフィナンシャルテクノロジーに譲渡したことにより、2024年1月以降の「E-Commerce事業」に係る売上等は計上しておりません。
①財政状態
当事業年度における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりです。
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ、972,695千円増加し、4,752,783千円となりました。
流動資産は、前事業年度末に比べ1,079,067千円増加し、4,171,836千円となりました。これは主として、現金及び預金の増加1,026,413千円などによるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べ106,372千円減少し580,947千円となりました。これは主に、ソフトウエア(ソフトウエア仮勘定を含む)の減少142,149千円、投資有価証券の減少88,203千円、関係会社株式の増加87,834千円などによるものです。
負債は、前事業年度末に比べ176,823千円増加し1,087,650千円となりました。これは主として、未払法人税等の増加211,537千円、未払消費税等の減少10,132千円などによるものです。
純資産は、前事業年度末に比べ795,871千円増加し3,665,132千円となりました。これは主に当期純利益の計上944,456千円、配当金の支払い87,341千円などによるものです。
②経営成績
当事業年度の業績は、売上高4,835,591千円(前期比7.8%増)、売上総利益1,628,501千円(前期比3.3%増)、営業利益328,498千円(前期比19.3%減)、経常利益336,057千円(前期比19.3%減)、当期純利益944,456千円(前期比237.2%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。なお、当事業年度から、事業セグメントの利益又は損失の算定方法を変更しております。また、前年同期の数値を変更後の事業セグメントの利益又は損失の算定方法により作成した数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりです。
Object Browser事業の売上高は739,455千円(前期比6.3%増)、セグメント利益は332,024千円(前期比16.7%増)となりました。
E-Commerce事業の売上高は713,565千円(前期比22.1%減)、セグメント利益は172,342千円(前期比46.0%減)となりました。なお、E-Commerce事業は、2024年1月をもって譲渡されております。
ERP事業の売上高は3,295,053千円(前期比19.6%増)、セグメント利益は652,039千円(前期比32.2%増)となりました。
AI事業の売上高は37,188千円(前期比44.8%減)、セグメント損失は42,862千円(前期は14,155千円のセグメント損失)となりました。
その他は、報告セグメントに該当しない新規事業を含んでおり、売上高は50,329千円(前期比1.9%減)、セグメント損失は57,763千円(前期は75,586千円のセグメント損失)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、2,990,641千円となりました。主な要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは275,075千円のプラス(前事業年度は625,565千円のプラス)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上1,290,236千円、減価償却費の計上188,465千円などの資金増加要因が、投資有価証券売却益88,397千円、関係会社株式売却益868,243千円、法人税等の支払額148,768千円などの資金減少要因を上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは958,207千円のプラス(前事業年度は123,683千円のマイナス)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入98,531千円、関係会社株式の売却による収入999,996千円などの資金増加要因が、無形固定資産の取得による支出111,874千円などの資金減少要因を上回ったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは86,869千円のマイナス(前事業年度は168,944千円のマイナス)となりました。これは配当金の支払額86,869千円によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前期比(%) |
Object Browser事業 |
240,163 |
132.9 |
E-Commerce事業 |
450,939 |
89.1 |
ERP事業 |
1,945,989 |
129.4 |
AI事業 |
19,117 |
60.1 |
報告セグメント計 |
2,656,209 |
119.5 |
その他 |
41,335 |
75.5 |
合計 |
2,697,544 |
118.4 |
(注)金額は、当期総制作費用であります。
b.受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
Object Browser 事業 |
750,784 |
108.7 |
24,810 |
184.0 |
E-Commerce事業 |
666,023 |
98.1 |
- |
- |
ERP事業 |
3,614,870 |
119.7 |
1,372,942 |
130.4 |
AI事業 |
39,254 |
66.9 |
15,385 |
115.5 |
報告セグメント計 |
5,070,932 |
114.0 |
1,413,138 |
125.3 |
その他 |
50,329 |
98.1 |
- |
- |
合計 |
5,121,261 |
113.8 |
1,413,138 |
125.3 |
(注)なお、E-Commerce事業は、2024年1月1日付で合弁会社化しております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前期比(%) |
Object Browser 事業 |
739,455 |
106.3 |
E-Commerce事業 |
713,565 |
77.9 |
ERP事業 |
3,295,053 |
119.6 |
AI事業 |
37,188 |
55.2 |
報告セグメント計 |
4,785,262 |
107.9 |
その他 |
50,329 |
98.1 |
合計 |
4,835,591 |
107.8 |
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、いずれの販売先についても当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。なお、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
②事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容
a.経営成績等
1)財政状態
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ、972,695千円増加し、4,752,783千円となっています。これは主に現金及び預金の増加1,026,413千円、ソフトウエア(ソフトウエア仮勘定を含む)の減少142,149千円等によるものです。自己資本比率は前事業年度末の75.9%から当事業年度末は77.1%と1.2ポイント上昇し、財務健全性は高い水準を維持しております。また、前事業年度の総資産経常利益率は11.3%でしたが、当事業年度は7.9%と3.4ポイントの減少となりました。
2)経営成績
当事業年度は、中期経営計画「SDGs Mind 2021」の最終年度かつ「新2年経営計画」の1年目となります。「新2年経営計画」では「SDGs Mind 2021」で掲げた5つの重点施策を再構築し、新たに①「新規顧客開拓力の強化」、②「開発エンジニアの確保と早期戦力化」、③「インキュベーション事業の収益化」及び④「新規主力事業の創出」の4つの重点施策に取り組んで参りました。
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度から引き続いて受注確度の高い案件及び受注残の確保に注力したことやインボイス対応に関わる高採算の開発プロジェクトを多数獲得したことにより、前事業年度に比べ7.8%増加の4,835,591千円となりました。
(売上総利益)
当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ51,905千円増加の1,628,501千円となりました。売上総利益率は、E-commerce事業の新規受注獲得が苦戦したことなどにより、前事業年度に比べ1.4ポイント減少し、33.7%となっています。
(販売費及び一般管理費)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、人員増に伴う人件費の増加及び新規事業開発への積極的な投資に伴う研究開発費の増加などにより、前事業年度に比べ130,254千円増加の1,300,002千円となりました。
(営業利益・経常利益)
当事業年度の営業利益は、販売費及び一般管理費が増加したことにより、前事業年度に比べ78,349千円減少の328,498千円となりました。
当事業年度の経常利益は、営業利益が78,349千円減少し、336,057千円となりました。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は、E-Commerce事業の合弁会社化に伴う子会社株式の売却及びTOBに伴う政策保有株式の売却による各利益を特別利益に計上したことにより、前事業年度に比べ664,352千円増加の944,456千円となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
なお、当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「a.経営成績等 2)経営成績」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
資金については、現金及び預金が当事業年度末は2,990,641千円と前事業年度末に比べ1,026,413千円増加しております。これらの資金は、今後の事業拡大のため、既存製品の機能拡充のための製品開発投資、人工知能ビジネス拡大のための研究開発投資、社員教育及び人材採用等の人材開発投資として活用して参ります。
財務政策
当社は、財務の基本方針として設備投資等の資金需要については、まずは自己資金を充当し、一時的に多額の資金が必要となる場合には、必要に応じ金融機関からの借入れを行うこととしております。当事業年度末における手元資金は2,990,641千円と資産合計の62.9%を占めており、現時点では借入れを要する多額の投資等の予定はありません。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営方針は、「風通しの良い相互尊重の精神あふれる職場環境をみんなで作り、みんなが働きやすい雰囲気の中で創造力、技術力を常に磨き、品質の高いソリューションを提供し続ける。」です。
ソフトウエア企業にとって人材こそが最も価値ある資産であり、ソフトウエア開発には、創造力や技術力が必要です。良い発想やアイデアは良い労働環境なくして生まれません。そして、その環境は会社が一方的に与えるものではなく、社員全員で創り出していくものだと考えています。
当社では、風通しの良さ、相互尊重の精神を実現するため、部下が管理職を評価する行動指針アンケート、働きやすい職場環境を実現するための社員満足度アンケートを毎年実施しています。アンケートの結果を踏まえて経営層が議論し対策を検討する場を設けており、常に改善及び改革を実施しております。
また、当社は働き方改革にも積極的に取り組んでいます。社員が心身ともに健康であることが良い仕事をするために重要であり、ワークライフバランスを保つことが必要です。そのためには生産性の向上が不可欠であるため、業務改革プロジェクトを立ち上げ、絶え間なく様々な業務改善、効率化に取り組んでいます。
当社の経営戦略は、「Catch and Grow」です。時代のニーズをいち早くキャッチして新製品を企画・開発し、これをデファクトスタンダード製品に育てていきます。特定製品や特定分野に依存しないことで事業リスクを分散し、着実な成長を図っていくことができます。また、当社は「社員全員が一流の技術者」であることをVisionに掲げ、技術力で勝負をする会社でありたいと考えています。特定製品や特定分野に依存しない「Catch and Grow」戦略は、世の中の先端技術を事業に取り入れていく戦略でもあります。当社は時代ニーズに合わせ常に進化を続ける会社であり、社員もまた同様に日々研鑽を重ねて成長していくことができます。この「Catch and Grow」戦略で現在までに、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」、Web-ERPパッケージ「GRANDIT」、統合型プロジェクト管理パッケージ「OBPM Neo」の3製品を収益の柱に育て、次の製品として、プログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」、AI(人工知能)を使った異常検知システム「AISIA Anomaly Detection」を新たな柱へと成長させるべく取り組んでいます。新製品の研究開発や既存製品の機能拡張等を行いながら、2026年2月期の売上高50億円、2028年2月期の売上高71億円、2033年2月期の売上高120億円を目標としています。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度から、事業セグメントの利益又は損失の算定方法を変更しております。また、前年同期の数値を変更後の事業セグメントの利益又は損失の算定方法により作成した数値で比較しております。
<Object Browser事業>
Object Browser事業は、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」、データベース設計支援ツール「SI Object Browser ER」及び統合型プロジェクト管理ツール「OBPM Neo」の3製品で構成しています。
「SI Object Browser」と「SI Object Browser ER」はソフトウエア開発の生産性向上ツールとして、「OBPM Neo」はプロジェクト管理の合理化ツールとしてIT業界を中心に多くのお客様に利用いただいております。OracleだけでなくMicrosoft SQL Server、PostgreSQLなどの主要なデータベースへの対応や、買取型からクラウドサービスへの変更など、お客様の要望を取り入れながら利便性の向上を続けています。
当事業年度においては、データベース開発・設計支援ツールの「Object Browser」が、AIによるSQL自動生成など開発生産性を高める機能強化により安定的な売り上げを実現しました。またプロジェクト管理ツールの「OBPM Neo」も、コロナ禍により停止していた各種マーケティング施策の再開による引き合い増から、MRR(注)が前事業年度と比較して約5,000千円伸長しました。以上の結果、売上高は739,455千円(前期比6.3%増)、セグメント利益は332,024千円(前期比16.7%増)となりました。プロジェクト管理ツール「OBPM Neo」は商談数も順調に増えており新規契約数の拡大によりさらなる成長を目指して参ります。
(注)MRR=Monthly Recurring Revenueは、OBPMの月次契約金額。
<E-Commerce事業>
E-Commerce事業は、日本初のECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」をベースとして、消費者様向けのインターネットショッピングに限定することなくWeb上での商取引全般を対象に、お客様のニーズに合わせた電子商取引サイトの開発・販売を行っています。
また、前事業年度より、「SI Web Shopping」とクロスセルするビジネスとして「EC&リテールDXサポート」と「Adobe Commerce」を立ち上げています。「EC&リテールDXサポート」はDXを推進したいお客様に対し、継続的かつ持続的開発が可能となる体制作りをサポートするプログラムであり、「Adobe Commerce」は越境ECや複数のサイトを容易に展開できるソリューションです。このようなサービスを通じ、「SI Web Shopping」とは異なる新たなターゲット層のお客様を獲得することを目指しています。
当事業年度においては、前事業年度から事業化した「Adobe Commerce」の開発プロジェクトが複数進捗しました。しかしながら、新規受注獲得に向け、アフターコロナを含めた昨今の市場環境の変化や顧客要望の多様化への対応が遅れておりました。以上の結果、売上高は713,565千円(前期比22.1%減)、セグメント利益は172,342千円(前期比46.0%減)となりました。
今後は、2023年11月9日に公表した「E-Commerce 事業の譲渡に伴う会社分割(簡易新設分割)および新設会社株式の譲渡に関するお知らせ」に記載のとおり、EC運営事業者から求められるデジタルマーケティングや電子決済等の様々な機能及びサービスをグループ会社に保有する株式会社DGフィナンシャルテクノロジーと協同し、相互シナジーによる環境変化への対応及び競争性の向上を図って参ります。
<ERP事業>
ERP事業は、Web-ERPパッケージ「GRANDIT」をベースに、主に製造業、建設業、IT業及び卸売業等のお客様を対象として、お客様独自の業務要件に基づく基幹業務システムを開発・販売しています。
「GRANDIT」はコンソーシアム方式をとっているため、同一製品を複数のコンソーシアム加盟企業が販売しています。当社は、「GRANDIT」の企画・開発から携わった開発力とこれまでに培った業務知識を強みに、いくつかのアドオンモジュールを自社開発し、当社のお客様だけでなく他のコンソーシアム企業にも販売しています。
当事業年度においては、2023年10月より施行されたインボイス制度への対応として、「GRANDIT」既存ユーザー様向けの開発プロジェクトが進行し、2024年1月から義務化された改正電子帳簿保存法への対応を想定した「電帳法対応ソリューション」の販売も増加しました。また、新規大型案件の受注も堅調に推移しました。以上の結果、売上高は3,295,053千円(前期比19.6%増)、セグメント利益は652,039千円(前期比32.2%増)となりました。翌事業年度からのスタートを見据えた基幹システムリプレース案件の引き合いも多く、提案数・受注数ともに期初の計画水準で進行していますので、新規案件の立ち上げとともに、既存ユーザー向けの関連ソリューションの販売なども含めた営業活動による売上拡大を目指して参ります。
<AI事業>
AI事業は、ディープラーニング異常検知システム「AISIA Anomaly Detection(アイシアAD)」をベースに、AIの画像認識技術を使って外観検査作業を自動化、高精度化するビジネスです。
「AISIA Anomaly Detection(アイシアAD)」の導入では、検査工程の設備見直しや運用提案まで要求されるケースが多く、新しい技術であるAIの実用化レベルを慎重に見極めるお客様が多いため、その検討や調査に時間がかかります。お客様にAIの技術やそれによる効果をわかりやすく提示し、日本の製造業が求める高品質基準に対応できるようになることが重要だと考えています。
当事業年度においては、既存のお客様の増設に関わる受注を見込んでいたものの、成果検証やその検討に時間を要しました。また、お客様がより簡単に精度検証を行えるよう2023年10月からRUTILEA社製AI外観システム「Image Pro」の取り扱いも開始し、引合いの数は大きく増えましたが、売上高は37,188千円(前期比44.8%減)、セグメント損失は42,862千円(前期は14,155千円のセグメント損失)となりました。
<その他の事業>
その他の事業は、プログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」及びアイデア創出プラットフォーム「IDEA GARDEN」の2つの新規事業を行っています。
「TOPSIC」は、オンライン・リアルタイムで受験者のプログラミングスキルを判定できるクラウドサービスです。中途採用における受験者のスクリーニングや社員のプログラミング教育などのニーズに対応しています。
「IDEA GARDEN」は、2021年11月にアイデアの創出と育成を促すアイデア創出プラットフォームとしてリリースしましたが、収益化の目途・市場性・事業拡大の難易度など、様々な指標をもとに検討した結果、2025年2月末日付で事業撤退することを決定しました。なお、業績に与える影響は軽微となります。
当事業年度においては、新規顧客獲得とともに継続利用を促すカスタマーサクセス活動に注力しました。以上の結果、売上高は50,329千円(前期比1.9%減)、セグメント損失は57,763千円(前期は75,586千円のセグメント損失)となりました。引き続き、新規顧客開拓及びカスタマーサクセス体制の強化に取り組んで参ります。
会社分割及び新設会社の株式譲渡
当社は、2023年11月9日開催の臨時取締役会において、当社のECサイト構築パッケージソフトウエアの開発・販売事業が有する権利義務を会社分割(簡易新設分割)によって新たに当社の完全子会社として設立する株式会社DGコマース(以下「本件新設会社」という。)に承継(以下「本件会社分割」という。)させたうえ、本件新設会社の発行する株式のうち60.0%を株式会社DGフィナンシャルテクノロジーに譲渡(以下「本件株式譲渡」という。)することを決議し、同日付けで株式譲渡契約を締結し、2023年12月28日付で本件会社分割、2024年1月1日付で本件株式譲渡を行いました。詳細は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりです。
当社における研究開発活動として、新規ソフトウエアの開発に取り組んでおります。当事業年度における研究開発費は、E-Commerce事業における開発