(注) 2023年2月9日開催の取締役会決議により、2023年4月1日付で株式分割に伴う定款の変更が行われ、発行可能株式総数は500,000,000株増加し、750,000,000株となりました。
(注) 2023年2月9日開催の取締役会決議により、2023年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。これにより、発行済株式総数は253,220,154株増加し、379,830,231株となりました。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注)1 有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)
発行価格 5,858円
資本組入額 5,616.4円
割当先 みずほ証券株式会社
2 2023年2月9日開催の取締役会決議により、2023年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。これにより、発行済株式総数は253,220,154株増加し、379,830,231株となっています。上記発行済株式総数増減数と発行済株式総数残高は当該株式分割前の総数で記載しています。資本金及び資本準備金の増減はありません。
2023年3月31日現在
(注)1 2023年2月9日開催の取締役会決議により、2023年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。上記所有者別状況については当該株式分割前の株式数で記載しています。
2 自己株式487,535株は、「個人その他」に4,875単元を含み、「単元未満株式の状況」に35株を含めています。
2023年3月31日現在
(注) 1 上記の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は次のとおりです。
2 上記のほか、当社自己株式が487千株(発行済株式総数に対する所有株式数の割合0.39%)あります。なお、当社は「株式給付信託(BBT)」により、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が当社株式を103千株保有しています。当事業年度末において連結財務諸表及び財務諸表において自己株式として認識していますが、当該株式103千株は自己株式487千株には含まれていません。
3 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループほか2社が2022年6月6日付で大量保有報告書の変更報告書(No.12)を提出していますが、当社として当事業年度末における実質所有の株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めていません。なお、当該変更報告書の内容は次のとおりです。
4 三井住友信託銀行株式会社ほか2社が2022年9月22日付で大量保有報告書の変更報告書(NO.5)を提出していますが、当社として当事業年度末における実質所有の株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めていません。なお、当該変更報告書の内容は次のとおりです。
5 2023年2月9日開催の取締役会決議により、2023年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。上記大株主の状況については当該株式分割前の総数で記載しています。
2023年3月31日現在
(注)1 単元未満株式数には、当社保有の自己株式35株を含んでいます。
2 「完全議決権株式(その他)」欄には、「株式給付信託(BBT)」の信託財産として株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が当事業年度末において保有する当社株式103,700株(議決権の数1,037個)が含まれています。
3 2023年2月9日開催の取締役会決議により、2023年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。上記発行済株式については当該株式分割前の株式数で記載しています。
2023年3月31日現在
(注)1 上記のほか、連結財務諸表及び財務諸表において自己株式として認識している当社株式が103,700株あります。これは、「株式給付信託(BBT)」により、株式会社日本カストディ銀行(信託E口、以下「信託口」という)に譲渡した自己株式について、会計処理上、当社と信託口が一体のものであるとの認識から、信託口が所有する当社株式を自己株式として計上していることによるものです。
2 2023年2月9日開催の取締役会決議により、2023年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。上記自己株式等については当該株式分割前の株式数で記載しています。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
(役員株式所有制度の内容)
① 役員株式所有制度の概要
当社は、2016年6月24日開催の第100回定時株主総会の決議及びこれに基づく取締役会決議に基づき、2016年8月26日より株式報酬制度として、「株式給付信託(BBT=Board Benefit Trust)」(以下、「本制度」といいます。)を導入しています。
本制度は、当社取締役及び執行役員(社外取締役を除きます。以下、「取締役等」といいます。)を対象に当社の報酬と当社の業績及び株式価値との連動性をより明確にし、取締役等が株価上昇によるメリットのみならず、株価下落リスクまでも株主の皆様と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的としています。
本制度は、当社が拠出する金銭を原資として当社株式が信託(以下、本制度に基づき設定される信託を「本信託」といいます。)を通じて取得され、取締役等に対して、当社が定める役員株式給付規程に従って、当社株式等が信託を通じて給付される業績連動型の株式報酬制度です。なお、取締役等が当社株式等の給付を受ける時期は、原則として取締役等の退任時とします。
なお、本制度の継続にあたり2019年11月8日開催の取締役会において、追加拠出することを決議し、2019年11月25日に第三者割当による当社自己株式の処分を実施しています。
本制度の仕組みは以下のとおりです。
② 本信託に取得させる株式の総数
本信託に取得させる株式の総数は180,000株です。
2016年8月26日付 90,000株
2019年11月25日付 90,000株 (追加拠出)
なお、今後取得させる予定は未定です。
③ 本制度による受益者その他の権利を受けることのできる者の範囲
取締役等を退任した者のうち「役員株式給付規程」に定める受益者要件を満たす者
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注)1 当期間における取得自己株式には2023年6月1日からこの有価証券報告書提出日現在までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めていません。
2 取得自己株式数には、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が取得した株式数は含めていません。
3 2023年2月9日開催の取締役会決議により、2023年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。これにより、当事業年度における取得自己株式数については当該株式分割前の数値で、当期間における取得自己株式数については分割後の株式数でそれぞれ記載しています。
(注) 1 当期間におけるその他(単元未満株式の買増請求による売渡し)及び保有自己株式には、2023年6月1日からこの有価証券報告書提出日現在までの単元未満株式の買取り及び売渡しによる株式数は含めていません。
2 上記の処理自己株式数には、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)から当社制定の株式給付規程に基づき受益者へ給付したことによる2,800株(当事業年度2,800株、当期間0株)を含めていません。また、保有自己株式数には株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が保有する株式数(当事業年度103,700株、当期間末311,100株)を含めていません。
3 2023年2月9日開催の取締役会決議により、2023年4月1日で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。これにより、当事業年度における自己株式については当該株式分割前の数値で、当期間における自己株式数については分割後の株式数でそれぞれ記載しています。
当社は、株主の皆さまに対する利益還元を最重要事項と位置づけ、剰余金の配当については、株主の皆さまへのさらなる利益還元を視野に入れて、親会社株主に帰属する当期純利益をベースとする業績連動による配当政策を取り入れるとともに、残余の剰余金については内部留保金として、今後の成長に向けた投資資金に充てる方針です。
2021年4月にスタートした3カ年中期経営計画「Value Transformation 2023」では連結配当性向30%以上と、成長投資による企業価値向上を目指しています。
また、当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としており、配当の決定機関は、中間配当、期末配当ともに取締役会です。
この方針のもと、2023年3月期は、期初の予定から5円増配し、年間配当を1株当たり110円(中間配当40円、期末配当70円)とさせていただくことを2023年5月12日開催の取締役会で決定いたしました。なお、2023年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っていますが、2023年3月期については、分割前の株式数を基準に実施します。
剰余金の配当を機動的に実施できるようにするため、「会社法第459条第1項(剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め)に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会決議によって定めることとする旨、及び剰余金の配当基準日を9月30日と3月31日にする旨」を定款に定めています。
基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりです。
(注) 2023年2月9日開催の取締役会決議により、2023年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。上記は当該株式分割前の実際の配当金の金額を記載しています。
当社グループ(当社及び当社子会社の総称、以下同じ)は、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上のため、積極的にコーポレートガバナンスの充実に努めています。当社グループにおけるコーポレートガバナンス(企業統治)の体制は、以下の基本的な考え方に基づいて構築しています。
1) 社是、経営理念、グループ行動規範
当社グループは、社是、経営理念に基づき、企業価値の持続的成長、企業の社会的責任を果たしていきます。当社グループの経営理念「モノを動かし、心を動かす。」には、ダイフクの競争力の源泉である「モノを動かす技術」で、人々の豊かな暮らしや、環境・人権といった観点を含む持続可能な社会の創造を目指していくという決意を込めています。
<社是>
日新(Hini Arata)
今日の「われ」は
昨日の「われ」にあらず
明日の「われ」は
今日の「われ」にとどまるべからず
<経営理念>
モノを動かし、心を動かす。
ダイフクは、マテリアルハンドリングを核とする「モノを動かす技術」で、
心豊かに生きられる社会を創造します。
私たちは、
1.人と環境への負荷を最小化し、人権の尊重と責任あるものづくりを実践することで、持続可能な社会の実現に貢献します。
2.世界のお客さまと誠実に向き合い、革新的技術と最適最良のソリューションでスマート・ロジスティクスを実現します。
3.多様性を尊重する自由闊達な企業風土のもと、一人ひとりが変革に挑戦します。同時に、経営基盤を強化し透明性の高いグローバル経営を行います。
加えて、当社グループの社是・経営理念を実現するために、私たち(すべての取締役、役員及び社員)が実践すべき行動のありかたを示した「グループ行動規範」を制定しています。2021年より同規範をわかりやすく解説した「コンプライアンス・ガイドブック」を発行し、グループ全体で一体感の醸成を図るため継続して周知活動を行っています。
<グループ行動規範>
私たち一人ひとりは、ダイフクグループの一員として職務を行うにあたり、以下の基本姿勢のもとでグループ行動規範を遵守し、誠実に行動します。
基本姿勢
・私たちは、法令・社会規範や倫理に照らして、正しく行動します。
・私たちは、事業活動のあらゆる局面において、なによりも安全を優先します。
・私たちは、「日新」の気持ちを常に忘れず、たゆまぬ挑戦と変革を続けます。
詳細は以下のURLをご参照ください。
グループ行動規範
https://www.daifuku.com/jp/company/philosophy/#sec03
2) ダイフクグループのコーポレートガバナンスに対する基本的方針
当社グループは、「ダイフクグループのコーポレートガバナンスに対する基本的方針」(以下、「本方針」)を明確にし、併せて2021年改訂の「コーポレートガバナンス・コード」全83項目に対する取り組み状況をまとめています。本方針は従来の「ダイフク コーポレートガバナンス・ガイドライン」を改編したもので、基本的な考え方を冒頭に示し、具体的な対応状況をコード順に整理するとともに、有価証券報告書や統合報告書等の参照箇所を紹介しています。
詳細は以下のURLをご参照ください。
「ダイフクグループのコーポレートガバナンスに対する基本的方針」及び「コーポレートガバナンス・コードの各原則に係る当社の取り組み状況」
https://www.daifuku.com/jp/ir/policy/governance/
② コーポレートガバナンス体制強化
近年は特に次の点において、コーポレートガバナンス体制強化策を実施してきました。
当社は、取締役会が重要な意思決定の場であると同時に、意思決定をモニタリングする場でもあることから、重要事項を多面的に検討できるよう取締役会の多様性を重視しています。その結果、2023年6月23日開催の定時株主総会では社内5名、社外5名(うち女性1名、外国籍1名)、計10名の取締役会構成となりました。社外取締役比率は50%、女性取締役比率及び外国籍取締役比率は10%です。
取締役会の構成
なお、東京証券取引所が求めるコーポレートガバナンス・コードの主なポイントと当社の対応状況は以下のとおりです(▶は当社の対応)。
1) 取締役会の機能発揮
a. 独立社外取締役を3分の1以上選任
▶50%(10名中5名)
b. 指名委員会・報酬委員会の設置(委員会の過半数に独立社外取締役を選任)
▶任意の諮問委員会(指名・報酬)を設置。2023年3月期は社外取締役4名と代表取締役1名、議長は社外取締役で構成。
c. 経営戦略に照らして取締役会が備えるべきスキル(知識・経験・能力)と、各取締役のスキルとの対応関係の公表
▶スキル・マトリックスの開示(詳細は、「③ 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 3) 企業統治に関する事項 a. 取締役及び取締役会」をご参照ください。)
d. 他社での経営経験を有する経営人材の独立社外取締役への選任
▶3名選任
2) 企業の中核人材における多様性の確保
管理職における多様性の確保(女性・外国籍・キャリア採用者の登用)の実績値
今後も多様な人材の確保に努めていきます。
3) サステナビリティを巡る課題への取組み
a. TCFD又はそれと同等の国際的枠組みに基づく気候変動開示の質と量を充実
▶TCFD提言への賛同を表明(2019年)
▶気候変動に係るリスク及び機会が事業活動や収益等に与える影響についての情報を開示(2020年)
b. サステナビリティについて基本的な方針を策定し自社の取り組みを開示
▶サステナビリティアクションプランの公表(2021年)
▶ダイフク環境ビジョン2050(2030年までの重点領域と目標)の公表(2021年)
▶ダイフクグループ人権方針を策定(2021年)
▶ダイフク環境ビジョン2050を改定(2023年)
詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
4) 上記以外の主な課題
a. 議決権電子行使プラットフォームの利用と英文開示の促進
▶議決権電子行使プラットフォームは活用中。適時開示、決算短信、決算説明資料、招集通知、
有価証券報告書、コーポレートガバナンス報告書、統合報告書などを英文で開示
b. 連結貸借対照表上の政策保有株式
政策保有株式については、縮減することを基本方針としています。新規の政策保有株式銘柄は保有せず、取締役会での検証等を経て、保有意義が認められない株式は売却することを明確化しています。2023年3月末の政策保有株式の連結貸借対照表計上額は11,874百万円で、純資産に占める比率は3.6%となり、引き続き減少傾向にあります。詳細は後記「(5) 株式の保有状況」をご参照ください。
[図]連結貸借対照表上の政策保有株式の保有状況

(注)1 2017年3月期末:中期経営計画「Value Innovation 2017」の最終年
2 2021年3月期末:中期経営計画「Value Innovation 2020」の最終年
当社は、監査役会設置会社です。社外取締役5名を含む10名の取締役会、及び社外監査役3名を含む4名の監査役会体制を整備して、業務執行を監視・監督し、企業統治体制の充実を図っています。取締役会は、独立社外取締役が3分の1以上を占め、多様性にも考慮した構成としています。また、取締役会の機能を補完するために、経営陣候補者の指名・選解任や報酬に関して審議する「諮問委員会」を設置しています。加えて、業務上の意思決定の一層の迅速化を図るため執行役員制度を導入しています。
監査役は、監査役室と共に監査本部、会計監査人との連携をより一層強化し、監査業務の深化と効率化を進めています。また、監査機能を強化するため、監査役員制度を採用しています。監査役及び監査役会の監査の実効性を高めるため、監査役の職務を補助する監査役室を設置、執行役員と同格の監査役員を同室長としています。
CEOは各事業部門、コーポレート部門を指揮するとともに、直轄の委員会で当社グループ全体の共通課題の把握・解決に取り組んでいます。
当社グループは、監査役会設置会社という基本構造のもと、経営の透明性、経営監視・監督機能を高める制度の導入や拡充を機動的に進めてきました。現状の企業統治体制は、当社グループの人員及び事業の規模、内容等に即して適正であり、株主さまからの経営負託に応えることができていると判断しています。

3) 企業統治に関する事項
a. 取締役及び取締役会
当社の取締役会は経営方針・経営計画やコーポレートガバナンス体制の決定等、取締役会規程に定めている重要事項に関する意思決定を行っています。これら重要事項以外は、取締役及び執行役員へ委任します。取締役会は全取締役(任期は1年)、全監査役が出席し、オブザーバーとして常務執行役員、監査役員も出席します。取締役会の議長は、取締役社長が務めます。定例取締役会は毎月1回開催しており、必要がある場合は適宜臨時取締役会を開催します。2023年3月期は臨時取締役会を5回開催いたしました。
さらに、当社は企業実務・法務・会計・ESG等に関する国内外での豊富な経験と幅広い見識を有する独立社外取締役を5名選任しており、各々の社外取締役は当社の経営全般について専門的見地からの助言・提言を行うとともに、経営の透明性を確保し、社内取締役による業務執行の監督を行っています。
取締役会出席回数
(注)1 2022年6月24日開催の定時株主総会終結の時をもって、木村 義久氏は退任しています。
2 2022年6月24日開催の定時株主総会終結の時をもって、齊藤 司氏は常勤監査役に就任しています。
取締役会の主な議題
・決議事項: 年度の事業計画・予算、株式分割、取締役の人事にかかる異動、執行役員の選任及び業務の分担、新規の採用計画、決算短信及び有価証券報告書の承認など
・報告事項: 経営計画の進捗状況及び結果、諮問委員会等の活動状況、政策保有株式の保有状況、内部監査の状況、サステナビリティに関する取組み状況、株主総会の議決権行使状況と分析結果など
取締役会は、「世界のお客さまと誠実に向き合い、革新的技術と最適最良のソリューションでスマート・ロジスティクスを実現する」「変革に挑戦する」人材で構成しており、経営理念や中期経営計画の策定を通して自らが中長期的に備えるべきスキルを特定しています。また、ジェンダーや国際性、職歴、年齢の面も含めた多様性及び規模について継続的に検討しています。
<スキル・マトリックス>
有価証券報告書提出日現在の取締役会スキル・マトリックスは以下の通りです。

(注)1 各人の有するスキルのうち主なもの最大5つに「●」印をつけています。
2 上記一覧表は、各人の有するすべての知識・経験・能力等を表すものではありません。
3 年齢は、株主総会終了時の満年齢です。
<取締役会の実効性評価>
当社では、定期的に取締役会の構成や運営状況などを検証し、実効性に関する評価を行っています。評価結果から抽出された課題に対応することを通じて、継続的な機能強化と実効性向上に努めています。
2023年3月期に実施した実効性評価においても、アンケートやインタビューの実施、調査結果の分析など、プロセスの要所において外部評価機関の支援を得ることにより、実効性評価の客観性と独立性を確保しています。
実効性評価の方法及び結果の概要は以下のとおりです。
方法 ・全取締役、全監査役を対象とする無記名方式のアンケート
・取締役1名(社内)ならびに監査役全員に対するインタビュー
アンケート項目 ①取締役会の構成 ②取締役会の運営 ③取締役会の議論 ④取締役会の
モニタリング機能 ⑤トレーニング ⑥株主・投資家との対話
⑦自身の取り組み ⑧諮問委員会の運営
実効性向上施策と評価結果の分析
取締役会は、アンケート及びインタビュー結果の報告を受けて審議した結果、取締役会が総じて実効的に機能していることを確認しました。
イ.前年からの課題であった「役員に求められるトレーニング」については、社外専門家によるレクチャーや外部機関によるセミナーの活用などトレーニング機会の充実に取り組み、アンケート結果にも大きな改善がみられました。
ロ.「諮問委員会における議論内容の共有」については、取締役会に諮問委員会の開催状況や課題等について報告するなどし、アンケート結果の評価にも改善がみられました。最高経営責任者(CEO)等の後継者計画や候補者育成については取締役会が主体的に関与すべき事項として認識されているため、引き続き議論内容の共有時期や範囲などについて、適切な在り方を検討して参ります。
ハ.今後改善すべき点として挙げられていた「取締役会構成の多様性」については、中長期的な視点からの検討を継続しています。今回の実効性評価においても、現在の構成に問題はないとしつつ引き続き検討を求める意見がありました。
ニ.「スキル・マトリックス等を参考にした役員指名の在り方の適切な監督」について取締役会で議論し、内容の改訂を行ったことが高く評価されました。今後も、経営戦略を踏まえ、取締役会の在るべき姿と必要な構成について議論を深めて参ります。
課題認識と今後の取組み
イ.今回新たに「中核人材の多様性確保」が課題として認識されました。女性リーダー育成プログラムの再構築や、多様な人材確保に向けた働きやすい環境整備など、必要な取り組みが遂行されるよう適切に議論し監督してまいります。
ロ.取締役会の構成について、引き続き多様性を求める意見が複数あったことを踏まえ、女性候補者や外国人候補者の育成・登用の具体的な検討を深めてまいります。
ハ.グループ全体の事業ポートフォリオに関し、取締役会の関与の在り方が課題とされています。より戦略的な議論を行うために、必要となる経営管理体制の高度化を目指します。
b. 諮問委員会
当社は、取締役及び執行役員の指名もしくは解任・報酬などに係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するため、任意の「諮問委員会」を設置しています。具体的には、次のとおりです。
・本委員会は少なくとも代表取締役1名以上、社外取締役1名以上を含めた3名以上の委員で構成され、年3回以上開催する。2023年3月期は、社外取締役4名全員と代表取締役1名で構成し、7回(指名4回、報酬3回)開催した。
・委員会の独立性・客観性を担保するべく、本委員会の議長は社外取締役が務める。
・経営陣の報酬は、報酬の評価基準に基づく諮問委員会の検討・答申を経て、取締役会で決議する。
・諮問委員会は、後継者計画の立案・後継者に求められる資質の特定・具体的な後継者候補の選定・評価などについて検討し、その結果を取締役会へ答申する。
・CEOの選任は、諮問委員会による候補者の資質等を踏まえた客観的な基準に基づく検討を受け、取締役会が決議する。
・CEOの解任は、選任時に存在したCEOの資質を欠くに至った場合など、諮問委員会による客観的な基準に基づく検討を受け、取締役会が決議する。
諮問委員会出席回数
諮問委員会の主な議題
・指名事項: 株主総会人事、役員人事、コーポレートガバナンス体制等
・報酬事項: 役員報酬評価、役員業績賞与及び株式給付(BBT)評価、役員報酬水準の検証等
c.その他の機関等
当社は、経営の重要テーマに対して協議するべく、「経営会議」を開催しています。取締役及び監査役全員が出席し、必要に応じ関係する執行役員・監査役員・幹部社員及び外部専門家にも意見を求めます。経営会議は適宜に社長が招集します。2023年3月期の開催は2回でした。
次に、当社は「執行役員制度」を導入しています。これは、
・取締役の人数を減員し、業務執行の意思決定の一層の迅速化を図るとともに、より活発な議論を通して、取締役会を一層活性化させること
・業務に精通した人材を執行役員として幅広く登用し、権限を委譲のうえ業務執行を行わせることにより、機動的かつ効率的な業務運営を行うこと
を目的とするものです。
また、当社は「役員会」を設け、取締役会規程で定める取締役会付議事項について検討・立案するとともに、役員会規程で定める事項を報告します。役員会は、取締役全員、執行役員全員で構成されており、監査役及び監査役員の出席を求めて開催することとしています。これは定例取締役会に合わせて毎月開催しています。
監査本部は、業務執行ラインから独立して関係法令・社内諸規程の遵守、リスク管理、業務運営の適切性と効率性の確保、財務報告の信頼性確保等の多角的な視点から内部統制システムの整備・運用状況を検証・評価し、改善を促す職務を担います。
監査役及び監査役会については「(3) 監査の状況」をご参照ください。
なお、当社は、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社への移行については、今後の検討課題であると考えています。
d. 各種委員会
取締役会直轄の「コンプライアンス委員会」「開示委員会」、CEO直轄の「サステナビリティ委員会」「リスクマネジメント委員会」、リスクマネジメント委員会直轄の「中央安全衛生委員会」「情報セキュリティ委員会」「海外取引管理委員会」を設置しています。また、コーポレート部門傘下に「こころと体の健康づくり委員会」「働き方改革委員会」「年金資産運用委員会」を設置しています。
④ 企業統治に関するその他の事項
2024年3月期の業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)について、取締役会で決議した内容は次のとおりです。
<業務の適正を確保するための体制等>
a. 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
イ. 取締役は、法令、定款、社内諸規程及び社会規範の遵守を目的とした「グループ行動規範」を率先垂範するとともに、その周知徹底を図ります。
ロ. 全取締役・執行役員を委員とするコンプライアンス委員会を設置し、企業活動における法令遵守、公正性、倫理性の意識の浸透と向上を図ります。
ハ. 業務執行ラインから独立した監査本部が、法令、定款及び社内諸規程の遵守状況を監査します。
ニ. 企業活動に伴うリスクを早期発見し、重大な問題を未然に防ぐため、内部通報制度を整備・運用します。
ホ. その他、当社グループ内における重要な課題を組織横断的に解決するため、各種委員会を設置・運営します。
b. 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
株主総会議事録・取締役会議事録をはじめ、取締役の職務の執行に係る記録等については、文書管理規程及びその他社内諸規程に則り適切に保存及び管理します。
c. 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
イ. 当社グループにおける経営目標の達成に影響を与えるリスクに適時・適切にコントロールするため、方針・規程・体制を整備するとともに、リスクマネジメント委員会が企業活動に大きく影響を与える重要なリスクに対して、全体的なリスクマネジメント活動を推進します。
ロ. 有事の際のBCP推進体制を整備し、予防措置・教育・訓練等を実施するとともに、BCPの定期的な点検及び不備の是正を推進します。
ハ. 情報セキュリティに関する規程を制定し、情報セキュリティの維持・管理に必要な体制、推進組織の機能・権限、情報資産の取扱方法などを定め、当社グループが保有する情報資産の保全を推進します。
d. 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
イ. 取締役会は、役員・従業員が共有する当社グループ全体の経営目標・経営計画等を定め、その浸透を図ります。
ロ. 当社は、執行役員制度を採用します。取締役会が担う経営上の意思決定・監督機能と執行役員が担う業務執行機能を分け、取締役会が決定した経営目標に対し執行役員は自部門の具体的な目標及び施策を策定し、達成に向けて業務を執行します。
e. 当社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
イ. 当社グループに共通の「グループ行動規範」に基づき、当社グループの役員・従業員が法令、定款、社内諸規程及び社会規範を遵守し誠実に行動することを促進します。
ロ. 当社は「グループガバナンス規程」に基づき、「子会社担当役員」を選任し、これら担当役員を通じて国内外子会社の経営全般に対する指導・助言等を行い、当社グループ全体の業務の適正を確保します。
ハ. 監査本部は、業務執行ラインから独立した立場で、当社グループにおける内部統制システムの整備状況及び運用状況の適切性を監査します。
ニ. 当社は、市民社会の秩序や安全に脅威を与える勢力・団体には法令に基づき、グループ全体で毅然と対応します。また、グローバルレベルでの法令違反リスクに対応するため、贈収賄防止に関する規程等の整備・周知に取り組みます。
f. 監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項、当該使用人の取締役からの独立性に関する事項及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
イ. 当社は、監査役の職務を補助すべき使用人として監査役室を設置します。
ロ. 当社は、監査役室及び監査本部の人事について、監査役の意見を尊重します。また当社は、監査役室の独立性に配慮し、当該使用人に対する指示の実効性の確保に努めます。
g. 当社及び子会社の取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制、報告したことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保する体制
イ. 当社及び子会社の取締役及び使用人等は、次に定める事項を監査役に報告します。
1)当社グループに著しい損害を及ぼすおそれのある事項
2)毎月の経営状況として重要な事項
3)内部監査状況及びリスク管理に関する重要な事項
4)重大な法令または定款違反
5)その他コンプライアンス上重要な事項
ロ. 当社グループでは、取締役及び使用人等の監査役への報告、情報提供を理由とした不利益な処遇は、一切しません。
ハ. 監査役や監査役室、監査本部のメンバーは、子会社の取締役会その他重要会議に参加し、情報収集に努めることにより、監査の実効性を確保します。
h. その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
イ. 監査役監査基準で定めるところにより、監査役は代表取締役及び社外取締役と監査上の重要課題などについて定期的に意見交換会を開催します。
ロ. 監査役は、監査本部から監査計画と監査結果について定期的に報告を受け、必要に応じて調査を求めます。
ハ. 監査役は、監査役室を指揮し、監査の実効性を高め、監査職務を円滑に執行します。
ニ. 監査役及び監査役会は、会計監査人と定期的に会合をもち、緊密な連携を保ち実効的かつ効率的な監査を実施します。
ホ. 監査役会は、監査の実施にあたり、法律・会計の専門家の活用等の必要な費用につき、その前払いや償還を当社に求めることができます。
[ご参考]2023年3月期の「業務の適正を確保するための体制等の運用状況の概要」
a. 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
イ.「グループ行動規範」をグループの役員・従業員に対して周知する目的で、当該行動規範をわかりやく解説した「コンプライアンス・ガイドブック」を複数言語で作成し周知しています。ガイドブックでは、具体的な事例のほか、当社グループのコンプライアンスの考え方を解説し、コンプライアンスとは、法令遵守だけではなく社会規範といった倫理的なものまでを含むものであるという考え方をトップがメッセージとして伝えています。その精神を、すべての役員・従業員に浸透できるよう、研修等様々な取組みを行っています。
ロ. 当期においては、コンプライアンス強化月間として設定している10月に、「パワーハラスメント」をテーマに、専門家による講義と従業員によるディスカッションを行い、社内イントラネットでも内容の配信を行いました。
ハ. 監査本部は、業務の適正性を確保するための内部監査において、監査役との連携を図りつつ、法令、定款及び社内諸規程の遵守状況を客観的に検証・評価し、被監査部門へ指導・助言しています。リモート監査等も活用することにより、滞りなく実施しました。
ニ. 社内窓口と社内から独立した外部窓口の2つのルートで通報を受け付けることのできる内部通報制度は、匿名で通報できること、海外から8カ国語で通報できることを主な特徴としています。内部通報制度とは別に人事的な相談を受け付ける人事相談室もあわせて運用しています。2023年3月期においては、公益通報者保護法改正内容を反映した見直しのほか、ポスター作成等を行い制度の利用促進活動も継続的に行っています。
ホ. 全社横断的な取組み推進を行うために、委員会組織を組成しています。2023年3月期は「リスクマネジメント委員会」を新設しました。委員会ではグループの経営目標の達成に影響を与える重要リスクについて、対応方針などを決定し、対応の進捗管理を行っています。また、ESG/SDGsなど広範で社会的な課題への対応・要請に関して活動を推進する「サステナビリティ委員会」を運営し、2023年3月期はカーボンニュートラルに係る対応の議論やサステナビリティアクションプランなどの進捗管理等を行いました。このほかにもあわせて10の委員会で全社横断的な取組みを行っています。
b. 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役は、「文書管理規程」をはじめとする社内規程に則り、文書(電磁的記録を含みます。)を関連資料とともに、保存及び管理しています。
c. 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
イ. 「リスクマネジメント委員会」では、CEOが委員長を務め、事業部門長、事業部長、安全衛生管理本部及びコーポレート部門等の責任者で委員を構成しています。2023年3月期は、委員会を3回開催し、経営に関する重要リスクの対応・課題について議論を活発に行いました。
ロ. マテリアルハンドリングシステムは、「社会インフラ」として生活や産業活動に欠かせなくなっています。当社は自然災害など顧客へ納入した設備が被災した場合は、早期に設備の復旧を図るなど対応を行っています。発災時に迅速な対応を行うため、当社はBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を策定・運用しており、役員席を含む国内グループ全社で「初動対応訓練」を定期的に実施、事業継続に係る意識向上と初動の定着を図っています。
ハ. 情報セキュリティ委員会が中心となって、情報セキュリティ関連諸規程の適切な運用に努めています。また、セキュリティ意識の強化のため、役員・従業員を対象としたeラーニングや標的型メール訓練を実施しています。
d. 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
イ. 取締役会は、中期経営計画の浸透と実現に向け議論しています。また、CEOが社内報やイントラネット上の動画等で経営方針等の説明を国内外のグループ全体に行っています。
ロ. 「取締役会規程」及び「職務権限規程」により、取締役会付議事項の絞り込みと執行サイドへの一定の意思決定権限の委譲を行い、この体制を適切に運用しています。
e. 当社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
イ. 「グループ行動規範」は、国内外の子会社の役員・従業員に翻訳版として配布され、子会社の役員等がその精神等を伝えています。
ロ. グループ全体のガバナンス体制を明確化した「グループガバナンス規程」に基づき、取締役会による適切な監督・統制水準を維持しつつ、子会社担当役員が子会社における迅速果断な意思決定及び執行を行い、業務の適正を確保する運用を行っています。
ハ. 監査本部は、当社グループにおける業務の適正性を確保するための内部監査において、当社グループ各社の内部監査部門・監査役・監査法人との連携を図りつつ、内部統制システムの整備状況及び運用状況を客観的に検証・評価し、被監査部門へ指導・助言しています。
2023年3月期は、引き続きデジタル化(リモート監査、証憑の電子化)を活用したことにより、全体としては効率化が進みました。
ニ. 当社グループは、暴力団等の反社会的勢力への対応方針を「グループ行動規範」に定め、当社グループの役員・従業員全員に周知徹底しています。贈収賄防止については、接待・贈答等を提供する場合、受ける場合双方の規定を制定し、運用しています。引き続き、健全で透明性ある取引をグループ全体で行い、腐敗防止強化を行います。
f. 監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項、当該使用人の取締役からの独立性に関する事項及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
イ. 監査役監査の実効性を高めるため、監査役の職務を補助する「監査役室」を設置しています。
ロ. 業務執行ラインから独立した監査本部に加え、コーポレート部門傘下の経理・法務等の部門が、必要に応じ監査役の職務遂行のための補助的役割を担い、監査機能の充実を図っています。
g. 当社及び子会社の取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制、報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保する体制
イ. 当社及び子会社の取締役及び使用人により、当社グループに著しい損害を及ぼすおそれのある事項、毎月の経営状況として重要な事項、内部監査状況及びリスク管理に関する重要な事項、重大な法令または定款違反、その他コンプライアンス上重要な事項に該当する事実が発見されたときは、発見者または発見者から報告を受けた責任者等を通じて、監査役に報告しています。
ロ. 監査役への報告、情報提供については、情報提供者保護の考え方に則り、適切に対応しています。
ハ. 監査役や監査役室、監査本部のメンバーは、子会社の取締役会、その他重要会議に出席し、子会社の取締役及び使用人等からの報告を受け、必要に応じ意見を述べています。
h. その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
イ. 監査役会は、代表取締役及び社外取締役と監査上の重要課題などについて意見交換を当期は3回実施し、相互に認識を深めています。
ロ. 常勤監査役は監査本部等が開催する定例の監査会議に出席し、監査本部からの監査計画や監査結果の報告を受け情報を共有しています。
ハ. 監査役室は、監査役の指揮のもと、監査職務の補助及び監査役会に関する業務を行うと共に、監査本部その他の使用人や子会社から、より多くの情報を入手する等により、監査役監査の実効性向上に努めています。
ニ. 監査役会は、会計監査人からの監査計画・監査品質の報告会、四半期レビュー・期末監査結果報告会の定期会合及び臨時的な会合により連携を深めています。
ホ. 監査の実施費用について監査役より求められた際は、監査役から求められた実施費用を全額支払っています。
2) リスク管理体制の整備の状況
CEO指揮のもと、全社横断的なリスクマネジメント対策の立案・推進を行っています。当社グループの経営目標の達成に影響を与えるリスクの適時・適切な管理を目的として、リスクマネジメント委員会を設置しています。リスクマネジメント委員会では、平常時に国内外の子会社を含めた全社的なリスクアセスメントを定期的に行い、当社グループの重要なリスクを選定し、当該リスクに対して対応方針(対策)を決定した後、その進捗を確認して、計画的な取組みを推進します。
非常時については、リスクが顕在化した後の危機対応を行うBCP推進体制を別途整備しています。BCP推進体制では、危機が発生した場合の体制、危機が発生する前の事前準備や対応手順を定めており、定期的な訓練を行っています。さらに、BCPの実効性を高めることを目的に、防災危機管理にかかわるeラーニングによる教育、従業員向けの安否訓練、サプライチェーン全体の早期復旧や業務の正常化を図る目的でサプライヤーの操業確認の訓練、防災備品の拡充などを進めています。
詳細は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
「1)内部統制システムの整備の状況」及び「2)リスク管理体制の整備の状況」に記載のとおり、内部統制体制やリスク管理について子会社を含めた体制を整備しています。
また、当社は国内のみならず国外の子会社も適用対象とする「グループガバナンス規程」を定めています。この規程に基づき、当社では子会社担当役員を任命しており、重要事項については当該担当役員を通じて当社取締役会への報告・承認申請を行う体制を整備しています。
取締役と当社グループとの利益相反取引について、当該取締役は取締役会へ事前に承認を求め、事後においても取締役会へ報告します。主要株主と取引を行う場合には、重要な取引について取締役会に報告し、審議を経ます。
当社は、剰余金の配当等を機動的に実施することができるように、剰余金の配当等について会社法第459条第1項に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会決議によって定めることとする旨を定款に定めています。
当社は会社法第427条第1項に基づき、社外取締役及び社外監査役との間において、会社法第423条第1項の責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任限度額は法令が定める額としており、当該契約が適用されるためには、社外取締役または社外監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないことが必要となります。
⑧ 会社の役員等賠償責任保険契約に関する事項
当社は会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当該保険契約では、被保険者が会社の役員等の地位に基づき行った行為(不作為を含みます。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や訴訟費用等が塡補されることとなります。
当社の取締役は、25名以内とする旨を定款に定めています。
当社は、取締役の選任は、株主総会において、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもってこれを行う旨、また、取締役の選任決議については累積投票によらないものとする旨を定款に定めています。
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
① 役員一覧
男性
(注) 1 取締役 小澤義昭氏、酒井峰夫氏、加藤格氏、金子圭子氏、ギディオン・フランクリン氏は、社外取締役です。
2 監査役 相原亮介氏、宮島司氏、和田信雄氏は、社外監査役です。
3 取締役 小澤義昭氏、酒井峰夫氏、加藤格氏、ギディオン・フランクリン氏、監査役 相原亮介氏、宮島司氏、和田信雄氏は、東京証券取引所の定める独立役員として指定してそれぞれ証券取引所へ届け出ています。
4 取締役の任期は、2023年3月期に係る定時株主総会終結の時から2024年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
5 監査役 相原亮介氏の任期は、2020年3月期に係る定時株主総会終結の時から2024年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
6 監査役 齊藤司氏、宮島司氏の任期は、2022年3月期に係る定時株主総会終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
7 監査役 和田信雄氏の任期は、2023年3月期に係る定時株主総会終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
8 当社は2023年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。上記所有株式数は当該株式分割後の総数で記載しています。
〔ご参考〕取締役を兼務しない執行役員及び監査役員
〔執行役員〕
※BU=Business Unit
〔監査役員〕
(注) 1 当社では取締役会における経営の意思決定の一層の迅速化と活性化を図るとともに、業務に精通した人材への権限移譲により、機動的かつ効率的な業務運営を行うため、執行役員制度を導入しています。
2 監査役の監査の実効性を高めるため、監査役の職務を補助する監査役室を設置し、監査役員が監査役室長を担っています。
当社の社外取締役は5名、社外監査役は3名です。
社外取締役・社外監査役と当社との間に記載すべき特別な利害関係はありません。
a. 社外取締役
社外取締役 小澤義昭氏は、財務及び会計に関する相当程度の知見を有し、海外駐在も経験されています。また、会計学を教える大学教授として、「財務諸表監査における証拠のあり方」を中心とした研究にも取り組んでおり、専門的見地からの助言・提言を行っています。
社外取締役 酒井峰夫氏は、兼松エレクトロニクス株式会社で代表取締役会長最高経営責任者を務めるなど、企業経営に精通されており、経営全般に助言・提言を行っています。
社外取締役 加藤格氏は、三井物産株式会社の執行役員や三井石油開発株式会社の常務執行役員を務めるなど、企業経営に関する豊富な経験と幅広い見識を有しており、また、安全・ESG、更にコンプライアンス及び内部統制に関する視点からも経営への透明性確保と経営監視・監督機能を高めるための助言・提言を行っています。
社外取締役 金子圭子氏は、商社での実務経験や大学院准教授等の経験を有し、現在は弁護士として、企業の買収・合併・会社分割、会社の日常的な取引や経営、労働紛争、資源エネルギー分野及び自動車、薬事・食品分野における規制などの分野で幅広く活躍しており、専門的見地から経営への透明性確保と経営監視・監督機能を高めるための助言・提言を行っています。
社外取締役 ギディオン・フランクリン氏は、国際的な金融機関等でアナリスト、M&Aアドバイザー、経営者として、企業経営に関する豊富な経験と幅広い見識を有しておられます。
以上のとおり、社外取締役は、豊富な経験と幅広い見識に基づく、専門的見地からの助言・提言を通して、取締役会のさらなる活性化、経営の透明性確保及び監督機能の強化に貢献しています。
b. 社外監査役
社外監査役 相原亮介氏は、コーポレートガバナンスやコンプライアンスを長年専門とされてきた弁護士です。経営全般にわたり、弁護士としての専門的見地から経営の適法性確保と経営監視・監査機能を高めるための助言・提言を行っています。
社外監査役 宮島司氏は、法律学を専門とする大学教授で、学識経験者としてまた法律学の専門家としての高い見識と幅広い経験から経営の透明性確保と経営監視・監査機能を高めるための助言・提言を行っています。
社外監査役 和田信雄氏は、物性物理学の実験研究を専攻し、大学で長年教授を務めていました。学識経験者としての高い見識と幅広い経験から経営の透明性確保と経営監視・監査機能を高めるための助言・提言を行っています。
以上のとおり、社外監査役は、それぞれ豊富な経験と高い見識を有していることから、適宜・適切な助言・提言により、経営の透明性確保と経営監視・監査機能を高めています。
上記2)で記載のように、当社の社外取締役及び社外監査役は、企業経営経験や法律・会計・経営・理学の各分野の知見を有し、多様性に富んでいるとともにバランスの取れた人員構成であると考えています。
選任に当たっては、会社法はもちろん、コーポレートガバナンス・コードの考え方も加味して策定した「独立性判断基準」を満たすことを要件としています。上記8名の社外取締役及び社外監査役は、独立性が十分に保たれていると判断し、金子圭子氏以外の7名を独立役員として東京証券取引所に届け出ています。金子圭子氏は所属法律事務所の方針により、届け出は行っていません。
また、任意の機関として社外取締役を議長とする諮問委員会を設置しています。社外取締役及び社外監査役候補者選定の方針及びプロセスは、株主からの受託者責任を担う者として人格・見識を考慮し、その職責を全うできる適任者を諮問委員会に諮り、取締役会が候補者として指名します。
社外取締役は、監査本部による当社グループの内部統制システムの整備・運用状況のモニタリング結果や内部監査の状況等について取締役会を通じて報告を受けると共に、会計監査人や監査本部の責任者等との間で、必要な場合、助言・提言等を行います。
社外監査役は、社外取締役と同様、取締役会で監査本部による報告を受けると共に、常勤監査役による監査活動の内容について監査役会等で報告を受け、意見交換を行います。また、会計監査人や監査本部の責任者等との間で、必要な意見交換を実施し、助言・提言等を行います。
(3) 【監査の状況】
1)監査役監査の組織、人員及び手続
当社は監査役会設置会社であり、監査役会は監査役4名で構成されています。このうち、3名が社外監査役で、1名が社内出身の常勤監査役です。
常勤監査役の齊藤司氏は、財務・経理部門での豊富な実務経験が有り、財務・会計に関する相当程度の知見を有しています。
また、監査役監査の実効性を高めるため、監査役及び監査役会の職務を補助する体制として、2名の専任スタッフからなる監査役室を設置し、監査役員が監査役室長を担っています。
監査役及び監査役会は、株主に対する受託者責任を認識し、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けて、「監査役会規程」「監査役監査基準」「内部統制システムに係る監査の実施基準」に基づき、取締役の職務の執行の監査、内部統制システムに関する監査、会計監査人の監査の相当性評価など、その職責を果たすための監査活動を行っています。
2)監査役及び監査役会の活動状況
2023年3月期は監査役会を9回開催しており、個々の監査役の出席状況は次のとおりです。
(注)1 2022年6月24日開催の定時株主総会終結の時をもって、木村 義久氏は退任しています。
2 2022年6月24日開催の定時株主総会終結の時をもって、齊藤 司氏は常勤監査役に就任しています。
監査役会の主な議題
・決議(13件) 監査計画、会計監査人の再任、会計監査人の監査報酬に対する同意、監査役会の監査報告書、監査役選任議案に対する同意等
・報告(27件) 常勤監査役と監査役室の活動報告、監査実施報告、部門往査結果報告、監査本部の監査計画等
・審議・協議(6件) 監査役・監査役会の監査報告案、会計監査人の倫理規程改定への対応等
監査役会は、2023年3月期の主な重点監査項目を、経営方針に関する取り組み状況、サステナビリティに関する取り組み状況、リスクマネジメント体制と運用状況として監査に取り組みました。また、代表取締役及び社外取締役と定期的に会合を開き、経営や監査における課題等について意見交換を行い、相互の認識と信頼関係を深めることに努めています。
常勤監査役は、期初に策定した監査計画に基づき、取締役会・役員会・事業部会議等の重要会議や各種委員会への出席、取締役や事業部門・コーポレート部門等の責任者との事業運営やリスク管理等に関する面談、主要な海外子会社の監査、会計監査人からの監査計画や四半期レビュー・監査の結果報告の聴取等の監査活動を実施しています。また、監査本部や法務部・ガバナンス推進室その他の部門等と情報交換を行い、さらに、子会社監査役とはグループ監査役連絡会において情報共有し意見交換を行うことで監査の実効性向上を図っています。
非常勤である社外監査役は、取締役会に出席し、各監査役の専門的な見地や豊富な経験に基づき、必要に応じて意見を表明しています。さらに、役員会などにも任意で出席し、経営課題や事業の運営状況等の理解を深めています。また、会計監査人の監査の相当性の判断に資するため、会計監査人から監査計画や四半期レビュー・監査の結果報告等についても聴取しています。
② 内部監査の状況
1)内部監査の組織、人員及び手続
28名の専任スタッフからなる業務執行ラインから独立した監査本部は、内部監査体制を整備・運用し、関係法令・社内諸規程等の遵守、リスク管理の実施、業務運営の適切性と効率性の確保、財務報告の信頼性確保、会社の資産保全等の観点から、内部統制システムの整備・運用状況を検証、評価し、その改善を促しています。併せて、内部統制システム(J-SOX)の評価及び報告を行っています。
2)内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
監査役と監査本部は、個別監査を計画段階から連携して企画・監査を実施するとともに、定例の監査会議等において監査実績並びに被監査部署の対応状況結果の共有と意見情報交換を行い、タイムリーな監査実務への反映を図ることで相互に監査の実効性を高めています。
監査役は、会計監査人から監査計画の説明や四半期レビュー・監査結果の報告を受け意見交換を行っています。監査等の結果報告会には監査本部も同席しています。また、監査役は、会計監査人が行う棚卸監査、工事現場往査、海外往査への同行などでの意見交換を通じて連携しています。
監査本部は、会計監査人との定期的な打合せ、意見交換に加え、必要に応じて随時に打合せ意見交換を行い、内部統制システム(J-SOX)の評価テストを実効的に行っています。この評価テストには監査役も同席し、その実効性を監査しています。また、監査本部は取締役会と監査役会に報告する体制を構築しており、適宜、内部統制に関する報告を実施しています。加えて、内部監査の実効性を確保するため、内部監査規程に内部監査に係る基本的事項を定め、他の業務執行部門からの独立性を確保するとともに、年間監査計画に基づき適切に内部監査を実施しています。
1) 監査法人の名称
PwCあらた有限責任監査法人
2) 継続監査期間
2008年3月期以降
2008年3月期から継続してPwCあらた有限責任監査法人が監査を担当しています。
なお、1969年3月期から2007年3月期までの期間は、PwCグループに属していた中央監査法人(1999年3月期まで)、中央青山監査法人(2000年3月期から2006年3月期まで)、みすず監査法人(2007年3月期)がそれぞれ監査を担当しています。
3) 業務を執行した公認会計士
指定有限責任社員 業務執行社員 山本 憲吾 (監査継続年数 1年)
指定有限責任社員 業務執行社員 北野 和行 (監査継続年数 5年)
4) 会計監査業務に係る補助者の構成
公認会計士4名 その他10名
5) 監査法人の選定方針と理由
当社は、監査法人の概要、品質管理、独立性などについて、当社が定める会計監査人の評価基準も踏まえて総合的に評価した結果、グローバルに展開するPwCネットワーク・ファームの一員であるPwCあらた有限責任監査法人を適任と判断し選定しています。
また、当社は、以下のとおり、解任または不再任の決定の方針を定めています。
監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目のいずれかに該当すると認められる場合は、監査役全員の同意に基づき、会計監査人を解任します。この場合、監査役会が選定した監査役は、解任後最初に招集される株主総会において、解任の旨及びその理由を報告します。このほか、監査役会は、当社の会計監査人を評価する基準に沿って総合的に評価した結果、会計監査人の職務の執行に支障がある、あるいは、監査の適正性をさらに高める必要があると判断した場合など、会計監査人の変更が必要と認められる場合は、会計監査人の解任または不再任を株主総会に提出する議案の内容として決定します。取締役会は、当該決定に基づき、当該議案を株主総会に提出します。
当社は、監査役会において、PwCあらた有限責任監査法人につき解任または不再任に該当する事象が認められないと判断したため再任しています。
6) 監査役及び監査役会による会計監査人の評価
当社の監査役及び監査役会は、会計監査人の評価基準に基づき、会計監査人の評価を行っています。
監査役及び監査役会は、会計監査人から監査計画や四半期レビュー・監査結果、会計監査人の職務の遂行が適正に行われることを確保するための体制、独立性確保のための対応、外部機関による検査等の結果等を聴取すると共に、常勤監査役は、棚卸監査、工事現場往査、海外往査、内部統制システム(J-SOX)の評価テストで連携するなど、会計監査人と緊密にコミュニケーションを行っています。これらの監査活動を通して、監査法人の品質管理、監査チームの独立性、監査報酬の水準、経営者とのコミュニケーション、内部監査部門や海外ネットワーク・ファームとの連携などを総合的に評価した結果、PwCあらた有限責任監査法人は当社の会計監査人として適任であり、監査の方法及び結果は相当であると評価しています。
1) 監査公認会計士等に対する報酬
当社及び連結子会社における非監査業務の内容については、前連結会計年度及び当連結会計年度ともに「国際財務報告基準(IFRS)適用に関する助言業務」等であり、いずれも公認会計士法第2条第1項の業務以外の業務です。
2) 監査公認会計士等と同一のネットワーク(PwCグループ)に対する報酬(上記、1)を除く)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、税務関連業務等です。
3) その他重要な報酬の内容
前連結会計年度及び当連結会計年度に当社の一部の連結子会社が当社監査公認会計士等と同一のネットワーク以外に属している監査公認会計士等へ支払っている監査証明業務に基づく報酬に、重要なものはありません。
4) 監査報酬の決定方針
当社は監査報酬を決定する際には、当社の事業規模、業務の特性等の観点を勘案し、監査日数及び監査関与メンバーの妥当性、合理性を総合的に検討し、監査公認会計士等に対する監査報酬を決定しています。
5) 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
代表取締役が提示した会計監査人の報酬等に対して、当社の監査役会が会社法第399条第1項の同意をした理由は、会計監査人の監査計画の内容、監査時間の計画と前年度実績、当社監査報酬の推移や他社監査報酬の動向、会計監査人の職務遂行状況などを確認し、検討を行った結果、報酬等の額が妥当であると判断したためです。
(4) 【役員の報酬等】
1) 基本報酬
基本報酬は、職位別役員報酬年俸額を固定報酬とし、その水準は、資格・職位及び当社の業績から総合的に勘案して決定します。
2) 業績連動報酬 - 賞与
取締役の短期業績連動報酬としての賞与は、各事業年度の連結当期純利益額の一定の割合を原資として、資格・職位に応じた基本配分と業績成果に応じた評価配分により分配し、毎年一定の時期に支給します。賞与の指標に「連結当期純利益額」を選定した理由は、全役職員が一丸となって努力した成果を表す指標であるためです。賞与の算定に当たっては、資格・職位に基づく「基本配分係数」、定量側面(利益の伸び)と定性側面に基づく「業績成果評価配分係数」を設定しています。配分額算出方法は、約8割を「基本配分」、約2割を「業績成果評価配分」とし、「業績成果評価配分」については個人評価に基づき算出します。賞与の指標である連結当期純利益額の実績については、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移」に記載のとおりです。
3) 業績連動報酬 - 非金銭報酬「株式給付信託(BBT)」
業績連動型の株式報酬制度「株式給付信託(以下、BBT)」は、役員の報酬と業績及び株式価値との連動性をより明確にし、役員が株価上昇のメリットと、株価下落のリスクを株主と共有することで、中長期的な企業価値の向上に貢献することを目的としています。職位毎に設定された基準ポイントに、各事業年度目標及び中期経営計画の目標の達成度によって定まる0.0~1.0の係数(4段階)を掛け合わせて算出されるポイントを付与し、退任時に累積ポイントに応じて当社株式及び金銭を給付するものです。目標の達成度は、各事業年度目標については期初計画に対する連結当期純利益額及び連結当期純利益率の達成度、中期経営計画の目標については前事業年度末までに公表された最新の経営目標項目(売上高、営業利益、ROE等)に基づき算出します。BBTの指標に「中期経営計画達成度」を選定した理由は、中長期の業績成果を表す指標であるためです。また、BBTの指標に、連結当期純利益額及び連結当期純利益率の達成度を選定した理由は賞与に関する業績指標の選定理由と同様です。2023年3月期は、連結当期純利益額について、期初計画と2023年2月公表の予想値で算出しており、期初計画の数値を達成しましたが、連結当期純利益率については、期初計画をやや下回る水準となりました。なお、中期経営計画達成度については、中期経営計画期間中のため、当事業年度における実績はありません。
2023年3月期の交付状況は、以下のとおりです。
(注) 1 執行役員は60歳に達した段階で交付するという規定を設けています。
2 取締役を兼務する執行役員への交付はありませんでした。
② 取締役の個人別の報酬等の内容についての決定方針に関する事項
1) 方針の決定の方法
当社は、判断の透明性と公正性を高めるため、社外取締役を議長とし、代表取締役1名以上、社外取締役1名以上を含めた委員の過半数を社外取締役とする3名以上の委員で構成される諮問委員会の検討・答申を経て取締役会の決議で、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針を定めています。その具体的な内容は取締役会承認決議で承認された関連社内規程で定めています。
2) 方針の内容の概要
取締役の報酬年額は700百万円を限度として、その役割と業務にふさわしい水準となるよう取締役会決議で報酬基準を定めた関連社内規程に従って支給することを基本方針としています。具体的には、取締役の報酬は、基本報酬(固定報酬)、賞与(業績に応じて変動する短期業績連動報酬)及びBBT(中長期業績連動型の株式報酬)で構成しています。当該構成の割合は、当社の業績と株式価値の連動性を織り込んでいるため固定的なものではなく、外部専門機関の調査に基づく他社水準を考慮し、諮問委員会の答申を踏まえ決定します。なお、社外取締役については、その役割と独立性の観点から、賞与及びBBTを対象外としています。
毎年の取締役の報酬決定については、諮問委員会で他社水準を踏まえて妥当性を検証し、当該委員会の審議・答申を経て、取締役会で基本報酬と賞与の総額を決議します。2023年3月期は、報酬に関する諮問委員会は、社外取締役4名全員と代表取締役1名で構成され、2022年4月、11月、2023年3月の3回開催しました。諮問委員会の詳細については「4 コーポレートガバナンスの状況等 (1) コーポレートガバナンスの概要 ③ 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 3) 企業統治に関する事項 b. 諮問委員会」をご参照ください。
③ 役員の報酬等についての定款の定め又は株主総会の決議による定めに関する事項
2006年6月29日に行われた定時株主総会において、取締役の報酬額は年額700百万円以内、監査役の報酬額は年額110百万円以内とすることを決議しました。当該株主総会決議が行われた時点における取締役は18名、監査役は5名です。
2016年6月24日に開催された定時株主総会において、BBTを導入しており、取締役及び執行役員に付与される3事業年度当たりのポイント数の合計は、140,000ポイント(うち取締役分として80,000ポイント、当社普通株式140,000株相当のうち取締役分として80,000株相当)を上限とすることを決議しました。当該株主総会決議が行われた時点における取締役は10名、本制度の対象となった取締役は社外取締役2名を除く8名です。
④ 取締役の個人別の報酬等の内容の決定に係る委任に関する事項
2023年3月期における取締役の個人別の報酬額については、関連社内規程に基づき、代表取締役社長下代博が具体的内容の決定について委任を受けています。その内容は、各取締役の基本報酬の月額配分額及び各取締役の業績評価を踏まえた業績連動報酬(賞与・BBT)の決定です。代表取締役社長に権限を委任する理由は、当社全体の業績を俯瞰しつつ取締役個々の担当領域や職責を評価するには代表取締役社長が最も適しているからです。
当該権限が適切に行使されるよう、代表取締役社長は諮問委員会の意見に沿って個人別の報酬額を決定しています。取締役の報酬等の内容が当該方針に沿うものであると取締役会が判断した理由は、諮問委員会が上記「② 取締役の個人別の報酬等の内容についての決定方針に関する事項 2) 方針の内容の概要」に沿って検討した意見を尊重し、代表取締役社長が報酬等の内容を決定しているためです。
⑤ 2023年3月期に係る役員の報酬等
役員区分ごとの報酬等
報酬等の総額が1億円以上のもの
(注) 1 連結報酬等の総額が1億円以上であるものに限定して記載しています。
2 本田修一氏は、米国を主たる居住地として執行を行っています。所得税について、当該国居住者との間で税負担の一貫性が保てるよう必要な税額調整を行っており、当該取扱に伴い発生する税金等の額を基本報酬の金額に含めています。
⑥ 監査役の報酬の決定方針の決定方法及び内容の概要
「役員報酬及び賞与内規」の制定時の監査役全員の合意により、監査役の報酬は、2006年6月29日に開催された定時株主総会で承認された監査役の報酬年額(110百万円)を限度とし、制定時の監査役全員の合意で定めた報酬基準を定めた「役員報酬及び賞与内規」に従って支給することを基本方針しています。また、監査役の報酬は、年度ごとに監査役会の協議により決定します。なお、社外監査役については、その職務に鑑み基本報酬のみを支払うものとします。
⑦ 使用人兼務役員の使用人給与のうち、重要なもの
該当事項はありません。
(5) 【株式の保有状況】
保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分については、当社は資産運用の一環としての純投資目的で保有するものはなく、すべて純投資目的以外の目的、すなわち事業上や取引上の関係強化等のために保有しています。
当社が株式を純投資目的以外の目的で保有する際には、相手先と中長期的な信頼関係を築くこと、ひいては業績への寄与や株主共同の利益の向上に資するものになるように留意しています。
当社グループの売上高の25%程度はサービス事業が構成しているため、売上高を維持・拡大するためには、相手先との中長期的な信頼関係の形成が重要であること、信頼関係に基づいて、新規受注の大型案件が継続的に展開することが増えていることなどから、中長期的なパートナーシップの形成が重要な経営戦略となっています。
そのため、下記「② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式」に記載のとおり、経済合理性の検証のみならず、議決権行使を通してガバナンスやリスク面のチェックも毎年行っています。
1)保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
保有方針等につき、当社は「コーポレートガバナンス・コードの各原則に係る当社の取り組み状況」において、次のように定めています。
「当社は、政策保有目的を含む株式保有は、必要最小限度にとどめ、縮減することを基本方針とし、毎年、取締役会で個別銘柄の保有状況を確認します。また、原則として、今後、新規の政策保有株式銘柄の保有はいたしません。一方、当社はこれまで製品の納入のみならず、アフターサービスなどを通じお客さまとの強固な信頼関係を構築してきており、そうした取引関係等の事情も考慮しながら政策保有の経済合理性(時価、簿価、取引金額、配当、ROE、保有リスク等)を検証し、取締役会が保有の意義が十分にないと判断した株式は、適時売却します。政策保有株式の議決権行使については、取締役会で決議した基準に基づき、保有先企業の中長期的な企業価値向上という点を重視しながら個別に判断します。判断にあたっては特に、当該企業における不祥事や反社会的行為の有無に着目し、仮にこれらの事情が存在する場合には経営上の改善策や、当該企業の監査報告書などを確認します。当社の株式を保有している会社から当社株式の売却等の意向が示された場合には当社はその売却を妨げません。」
2023年3月期末に保有する銘柄については、2023年4月26日の取締役会で「政策保有株式の保有継続の是非の検証、及び議決権行使基準に基づく調査について」を審議、承認しました。
2023年3月期において、当社は3銘柄の全株式売却を含む、11銘柄の株式を縮減しました。また、一部銘柄については、株価等を見ながら機動的に売却判断していく予定です。保有の状況は、〔表〕連結貸借対照表上の政策保有株式の保有状況に示すとおり、着実に縮減しています。
〔表〕連結貸借対照表上の政策保有株式の保有状況
(注)1 2017年3月期:中期経営計画「Value Innovation 2017」の最終年
2 2021年3月期:中期経営計画「Value Innovation 2020」の最終年
また、政策保有株式の議決権行使については、保有先企業の中長期的な企業価値向上という点を重視しながら個別にCEO及びCFOが判断します。特に、判断にあたっては当該企業における企業不祥事や反社会的行為の有無に着目し、仮にこれらの事情が存在する場合には経営上の改善策や、当該企業の監査報告書などを確認します。
2)銘柄数及び貸借対照表計上額
3) 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
a. 特定投資株式
(注)定量的な保有効果や保有株式数の増加の理由については、アフターサービスやリニューアルを含む中長期的なお取引を前提に保有していること、お取引企業の経営戦略にからむ長期複数案件が増えて営業秘密保持や守秘義務の重要性が増していること等から、年度ごとに個別記載することは困難です。当社の経営戦略は、システム開発からソリューション提供、維持・更新を経て新たなニーズの事業化・製品化に至るバリューチェーンに基づいており、中長期的なお取引の維持は重要です。
保有の合理性は、上記「② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 1)保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」に記載の方法で毎年検証しています。
b. みなし保有銘柄
該当事項はありません。
該当事項はありません。