第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(継続企業の前提に関する重要事象等について)

当社グループは、当社施工物件で判明した界壁等の施工不備の影響及び新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により入居需要が低迷したことにより、前連結会計年度において、2期連続で営業損失、3期連続で親会社株主に帰属する当期純損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しております。

当第1四半期連結累計期間においては、入居率の改善が進み業績は回復基調にありますが、営業損失1,287百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失957百万円の計上となりました。

これらの結果、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

このような状況を解消すべく、2020年11月2日付で第三者割当増資、新株予約権付ローンによる資金調達並びに連結子会社である株式会社レオパレス・パワーにおける優先株式の発行を実施し、合計57,215百万円の資金を調達いたしました。

また、2020年6月5日に公表した「抜本的な事業戦略再構築の検討結果を踏まえた構造改革の実施について」に基づき、ノンコア・不採算事業の譲渡・撤退(所有不動産・投資有価証券の売却・譲渡、子会社の譲渡・清算等)、希望退職の実施や役員報酬減額、人事制度改定といった人件費構造の見直し、賃貸事業の営業原価・管理原価抑制や店舗統廃合による固定費圧縮、広告宣伝費や販売促進費の見直し、株主優待の廃止など、あらゆるコストの見直しと削減施策を実施してまいりました。

当第1四半期連結累計期間においても、WEB上での接客・内見・契約といったリモート化の推進や仲介業者の積極活用による客付け強化、エリア単位で営業戦略の展開と収支管理を行う体制への変更等により入居率を向上させて事業面の安定化を図るとともに、一括借上家賃の適正化や管理原価の削減、補修工事スケジュールの調整等により財務面の安定化を図りながら、業績及び財務状況の改善に努めてまいります。

資金の流動性につきましては、当第1四半期連結会計期間末の現預金残高は45,774百万円となっており、当面の事業継続を行うための十分な資金を有しております。

将来の営業収支の見積りにおける重要な仮定は、賃貸契約数、契約済戸数、賃料収入、一括借上家賃の適正化及び管理原価の削減であり、これらの仮定は一定の不確実性を伴うものの、上記の施策等を着実に実行することにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の分析

(単位:百万円)

 

前第1四半期

当第1四半期

増減額

売上高

103,986

100,244

△3,741

営業損失(△)

△6,827

△1,287

5,539

経常損失(△)

△6,848

△2,241

4,607

親会社株主に帰属する四半期純損失(△)

△14,123

△957

13,165

当第1四半期連結累計期間における国内経済は、企業収益に持ち直しの動きがみられるものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

貸家の新設着工戸数については、4ヶ月連続の増加(前年同期比10.0%増)となりました。また、賃貸住宅市場においては、空家数の増加が続いており、全国的な需要回復は難しい中で安定した入居率を確保するには、将来的にも高い入居率が見込める三大都市圏を中心とした物件供給、高付加価値サービスの提供による差別化戦略が重要と考えております。

このような状況の中、当社グループは、前連結会計年度において施工不備問題に伴う入居率の悪化を主因として3期連続の大幅な赤字決算となったことを受け、2020年6月5日に公表した「抜本的な事業戦略再構築の検討結果を踏まえた構造改革の実施について」で掲げた方針を継続し、選択と集中により中核事業である賃貸事業に経営資源を投入するとともに、抜本的な体質改善のための構造改革を継続し、事業面及び財務面での安定化、持続的な収支の改善に取り組んでまいりました。

これらの結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は100,244百万円(前年同四半期比3.6%減)、営業損失は、原価及び販管費を前年同四半期比9,281百万円削減したことにより1,287百万円(前年同四半期比5,539百万円改善)、経常損失は支払利息1,117百万円の計上等により2,241百万円(前年同四半期比4,607百万円改善)となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失は、一括発注や工法変更により工事単価が低減したこと等に伴う補修工事関連損失引当金戻入額1,919百万円の計上等により957百万円(前年同四半期比13,165百万円改善)となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当第1四半期連結会計期間から適用しており、当第1四半期連結累計期間の売上高は165百万円増加、売上原価は127百万円減少し、営業損失、経常損失及び税金等調整前四半期純損失はそれぞれ293百万円減少しております。

また、当第1四半期連結会計期間から収益認識基準を変更しており、当第1四半期連結累計期間の売上高は485百万円増加、営業損失、経常損失、税金等調整前四半期純損失は同額減少しております。

詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。

セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

 

売上高

 

 

営業利益

 

 

前第1四半期

当第1四半期

増減額

前第1四半期

当第1四半期

増減額

賃貸事業

99,233

96,201

△3,031

△3,621

230

3,852

シルバー事業

3,534

3,622

87

△243

△230

13

その他事業

1,217

420

△797

△128

△259

△130

調整額

△2,833

△1,028

1,804

合計

103,986

100,244

△3,741

△6,827

△1,287

5,539

① 賃貸事業

賃貸事業においては、部屋を自分好みに変えられる「my DIY」、スマートフォンでの家電操作や施錠が可能なスマートアパート化の推進、WEB上での接客・内見・契約といったリモート化への対応、大手警備保障会社との提携によるセキュリティサービスなど豊富な付加価値を提供するとともに、法人の寮社宅需要の取り込み、外国人入居者サポート体制の充実等により安定した入居率の確保を図っております。また、ASEAN諸国の子会社において、サービスアパートメント・オフィス等の運営を行っております。

入居率については、施工不備問題の影響は解消傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し入居需要が抑制されたこと等により、当第1四半期連結会計期間末の入居率は80.91%(前年同四半期末比+1.48ポイント)、期中平均入居率は80.63%(前年同四半期比+0.39ポイント)となりました。なお、管理戸数は573千戸(前期末比0.6千戸減)となりました。

また、当第1四半期連結会計期間末の直営店舗数は111店(前期末比28店舗減)とし、営業効率と生産性の向上に努めております。

アパート等の受注状況については、大都市圏での競争激化やアパートローンの融資環境変化等に加え、界壁等の施工不備問題を背景に新規受注を停止していることから、当第1四半期連結累計期間の総受注高は969百万円(前年同四半期比55.3%減)、当第1四半期連結会計期間末の受注残高は8,530百万円(前年同四半期末比63.3%減)となりました。

これらの結果、売上高は96,201百万円(前年同四半期比3.1%減)、営業利益は230百万円(前年同四半期は営業損失3,621百万円)となりました。

② シルバー事業

戦略事業であるシルバー事業は、既存施設の稼働率が回復し始めたことにより全体の採算性が改善し、売上高3,622百万円(前年同四半期比2.5%増)、営業損失230百万円(前年同四半期比13百万円改善)となりました。なお、当第1四半期連結会計期間末の施設数は87施設となっております。

③ その他事業

グアムリゾート施設の運営、ファイナンス事業等を行っているその他事業は、新型コロナウイルス感染症拡大によるグアムリゾート施設の稼働率大幅低下等により、売上高420百万円(前年同四半期比65.5%減)、営業損失259百万円(前年同四半期比130百万円損失増加)となりました。

(2)財政状態の分析

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

当第1四半期末

増減額

増減率

資産

161,708

150,332

△11,375

△7.0%

負債

158,431

151,590

△6,841

△4.3%

純資産

3,277

△1,257

△4,534

-%

当第1四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末比11,375百万円減少の150,332百万円となりました。これは主に、現金及び預金が9,088百万円、その他流動資産(未収入金等)が1,735百万円減少したことによるものであります。

負債の合計は、前連結会計年度末比6,841百万円減少の151,590百万円となりました。これは主に、収益認識に関する会計基準適用の影響により前受金及び長期前受金が2,328百万円増加した一方、未払金が2,799百万円、補修工事関連損失引当金が3,136百万円、空室損失引当金が1,194百万円それぞれ減少したことによるものであります。

純資産の合計は、前連結会計年度末比4,534百万円減少した結果、1,257百万円の債務超過となりました。これは主に、為替換算調整勘定が1,671百万円増加した一方、収益認識に関する会計基準及び収益認識基準の変更を遡及適用した場合の累積的影響額4,963百万円の期首利益剰余金からの減額、親会社株主に帰属する四半期純損失957百万円の計上等により、利益剰余金が5,932百万円減少したことによるものであります。なお、自己資本比率は前連結会計年度末比3.2ポイント下落し△8.5%となりました。

(3)経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。

(5)研究開発活動

該当事項はありません。

3【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。