第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社は社会に対して上場会社としての責任を果たすと共に「食」を通じて、経済的、文化的に貢献すること。複合レストランの展開により外食産業界における卓越性を築くこと。社員とその家族の幸福の向上に努力すると共にお客様、株主、取引先との連携を一層強化すること。新時代のリーダーシップ育成に必要な人間完成を目指す自己開発を推進すること。労使一体となって東天紅の永続のために経営強化を図ることを企業理念としております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は「豊かな食事文化を創造、提供する」ことを企業使命とし、多目的な会食空間をお客様にご利用頂くために、食事の豊かさと楽しさを提供するホスピタリティの充実に努めると共に、経営指針として、永続、発展のための増収増益。企業価値の向上。株主、取引先、社員への利益還元。内部留保による企業体質の強化を掲げ、達成するために、以下の項目を実践してまいりました。

1.営業概念の再構築、NET予約を駆使した効率的なお客様対応

2.DX化の推進、RPA・ロボット・AI活用による効率化で人手に頼らない仕組による、少子高齢化・

  人手不足への対応

3.企業理念・企業使命・八徳による人材育成と評価制度の確立

4.SDGsへの取り組み強化と新たなビジネスの創造

5.新型コロナウイルス対応と危機管理の徹底

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は企業価値の増大を重要な経営課題と位置づけ、売上高成長率及び売上高営業利益率を経営の目標指標として掲げています。その目標指標を達成するために、お料理とサービスのより一層の充実に努めると共に、一方では全社的な業務の見直しを継続的に行い効率化を推進するなど、経営資源の有効かつ適切な投入を行ってまいりました。

(参考)目標経営指標の推移

 

2020年2月

2021年2月

2022年2月

2023年2月

2024年2月

売上高成長率(%)

△2.5

△76.2

24.0

85.5

26.3

売上高営業利益率(%)

△0.8

△103.8

△52.4

△16.4

9.1

 

 

(4) 対処すべき課題

対処すべき課題といたしましては、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動への制限が解消されたものの、不安定な国際情勢、資源価格や物価の上昇、また外食産業の継続の課題である慢性的な人手不足の問題も加わり予断を許さない状況が続いております。

上記の様な課題に対応するため、当社は大型店の閉鎖、本部組織のスリム化、従業員の適材適所への配置などの選択と集中を推し進め、競争力の強化に努めております。

営業面ではスマホを使用したキャッシュレス、インターネットショッピングが拡大した社会に対応していくため、WEBの更なる強化を図り特定多数へのアプローチにも注力してまいります。

また当社の企業使命である「心のこもったおもてなし」をお客様に提供するための従業員教育などを実施し、安心・安全を提供できるように今後も全力を尽くしてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 

(1)ガバナンス

当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、株主や全ての利害関係者に対し一層の経営の透明性、客観性を高めること並びに変化する環境に迅速に対応できる経営を行い、持続可能性を含めた統合的な戦略の検討を行い、最も効率的及び健全である経営体制を作ることであります。

当社は会社法上に規定する株主総会、取締役会、監査役会及び会計監査人を設置し、業務執行と監査・監督を行っております。代表取締役は最高経営責任者として業務執行に当たり、また取締役会決議により業務担当役員を任命して権限委譲を進め、経営の実効性と迅速性を追求しております。なお取締役会は、取締役9名から構成されており、そのうち4名は社外取締役であります。社外取締役は、会社経営や消防、防災、財務、会計に関する専門家としての豊富な経験と幅広い見識を有しており、取締役会において独立した立場と外部の視点から適宜、客観的な助言をいただくために選任しております。

会社法及び金融商品取引法に基づく会計監査においては、有限責任あずさ監査法人が監査業務に当たっております。有限責任あずさ監査法人及び当社監査に関与する業務執行社員と当社との間には、特別な利害関係はありません。なお、同監査法人は、業務執行社員について、法令等に従い、当社の会計監査に一定期間を超えて関与することがないよう措置を講じております。

また、サステナビリティ全般につきましては、常務会において、各部門からの課題について実施の有無や投資効果等について協議を行い、必要に応じて取締役会に諮り、対策を実施していく体制としております。

 

(2)リスク管理

当社はリスク低減と事業機会創出を確実にするため、リスク管理を強化しております。

リスク管理においては、後述の 第4「提出会社の状況」4「コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載がありますように、内部監査室を設置して飲食業としての適正な業務運営の確立に努めております。

また、取締役会では利益の確保、人材の確保等の継続的経営課題の企業リスクとともに価格変動による原材料価格の上昇や自然災害、感染症等のリスクにおいても短期・中長期対策の協議を行っております。

 

(3)人的資本に関する方針

当社は安定した収益を創出し続けられる企業として高効率、高収益経営を実現することを経営指針に掲げ、企業 価値向上に向け、下記を推進しています。

 

①人材への投資・教育

当社は創業以来、企業理念、企業使命を基本とした人材育成、教育訓練に重きを置き、美味しい料理、心のこもったおもてなし、快適な設備・雰囲気、食事を楽しむための知識・情報を提供することをお客様との4つのお約束として実践できるよう、人材への投資・教育を最優先課題とし、教育研修の充実を推進しています。

➁労働環境の改善と働きやすい職場環境の実現

労働力人口の減少、外食志望人材の減少などの状況をふまえ、人手不足に対応するため、システム投資による省人化・省力化を図り、全従業員が一丸となって営業に専念できる環境を整備するとともに、効果的なミーティングや面談の機会を確保し、職場環境の維持に努め、離職防止、定着率の向上、従業員のコミュニケーションの活性化を推進しています。

③積極的な女性活躍の推進や次世代人材の育成・登用

従業員の適性や能力に応じた適材適所の配置による能力開発、戦力化に取り組み、その上で、実績等に基づく積極的な女性活躍の推進や次世代人材の登用ができる環境を整備することで、今後の事業展開に対応できる体制強化、人と技術の次世代への伝承、当社の永続発展に向けた世代交代を推進しています。

④適正な評価と報酬体系の再構築

年功序列から脱却し、貢献度に応じた評価と処遇を整合させることで、評価の納得性を高め、今後の事業展開に必要な人材を確保すること、また、評価を通じ、従業員が自身を客観的に見つめ直し、自らの価値を高め、企業価値向上が達成できるよう、評価制度の活用を推進しています。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 景気動向と競合

当社の経営成績は景気動向、特に法人需要の動向に大きく影響を受けます。外食市場においては新規参入や中食の台頭等により競争は更に激しさを増しております。今後も景気の後退、競争の激化等が続いた場合、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 食材の安定確保

BSE問題、鳥インフルエンザ等の伝染病、異物混入問題等、食に対する不安が広まる中、良質な食材の量及び価格の両面における安定的確保が外食企業として成長を遂げるための不可欠な要素となっております。当社では良質な食材の安定的確保に向けて従来以上に慎重に取り組んでいく方針ですが、外的要因により当社の使用する食材の安全性に疑義が呈された場合、また、天候要因ならびに外国為替相場の動向等を反映して食材の仕入コストが大きく変動した場合などに当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 衛生管理

当社は飲食店営業及び食品製造・販売について食品衛生法に基づき、各営業許可を取得し、事業を行っております。当社は衛生管理の重要性を十分認識した上で、従業員に対して衛生管理の指導を徹底すると共に、外部の検査機関による定期的な検査実施等により衛生問題の発生防止を徹底しております。しかしながら、店舗において食中毒等衛生上の問題が発生した場合には、営業停止あるいは風評悪化等により当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 個人情報の取扱いに関するリスク

当社は営業目的で大量の顧客情報を取扱っております。当社は個人情報の漏洩を重要なリスクと認識し、「個人情報保護にかかる規程」を制定し、厳重な管理取扱を社内に周知徹底しております。しかしながら、顧客情報の流出等の問題が発生した場合には、当社の信用及び、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 自然災害等のリスク

当社の事業所の多くは東京を中心とする関東圏に集中しております。従って大規模な地震・台風等の災害やウイルス感染症の流行等が発生した場合、状況によっては、正常な事業活動が行うことができなくなり、結果として当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 法的規制について

当社に関する主な法的規制には「食品衛生法」、「製造物責任法(PL法)」、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)」等があります。これらの法規制が強化された場合や、今後新たな法律が制定された場合は、設備投資などの新たな費用が発生・増加することなどにより当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 敷金及び保証金について

当社は外食事業を展開するにあたり、店舗オーナーと賃貸借契約を結び敷金及び保証金の差入れを行っております。オーナーの経営状況によって、保証金の回収不能や店舗営業の継続に問題が発生した場合、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 固定資産の減損について

当社では減損会計を適用しておりますが、当社の保有資産について実質的価値の下落や収益性の低下等により減損処理が必要となった場合、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(9) 継続企業の前提に関する重要事象等

当社は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行により社会経済活動への制約が解除されたことも有り、売上高が一定程度回復し、営業利益は黒字化したものの、当期純損失を計上しており、不確実な状況が続いております。さらに、当事業年度の流動負債に計上している借入金残高2,992百万円は手元流動資金1,221百万円に比して高い水準にあることから、現時点においては継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

しかしながら、当社の当事業年度末の現金及び預金の残高に加え、2020年6月の3,000百万円の当座借越枠の設定及びその後の契約更新により、合計で当座借越の未実行残高2,515百万円と当面の資金を確保しております。また、取引先金融機関に対して継続的な資金支援を要請していることから、重要な資金繰りの懸念はありません。従って、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
 なお、当該事象又は状況の解消のため、コスト圧縮の対策を実行すると共に、EC事業の主力商品「おうちで東天紅」では四季折々の旬の食材を味わえるメニューなど商品開発に力を入れ、販路拡大に取り組んでおります。また、原油などのエネルギー資源や原材料価格の高騰を受け、2022年9月よりメニューの見直しと価格改定を行い、原価率の改善に取り組んでおります。さらに、ラグビーワールドカップパブリックビューイングの開催等、新たな売上創造へのチャレンジにも取り組んでおります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  (1) 経営成績等の状況の概要

  当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 ① 財政状態及び経営成績の状況

 

(財政状態の状況)

当事業年度末の流動資産につきましては、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行により宴会需要に回復の兆しがみられ、前事業年度を上回る売上高となり、現金及び預金並びに売掛金が増加したことなどにより前事業年度末比5億2,619万円増の15億8,949万円となりました。

固定資産は主に有形固定資産が減損損失及び当期償却費の計上により5億5,085万円減少、差入保証金が店舗の撤退等により2億7,096万円減少したことなどにより前事業年度末比7億7,075万円減の89億2,547万円となりました。

総資産は前事業年度末比2億4,455万円減の105億1,496万円となりました。

負債につきましては、借入金の返済、遊休不動産の譲渡に伴う再評価に係る繰延税金負債の減少などにより前事業年度末比1億3,008万円減の43億808万円となりました。

純資産につきましては、当期純損失1億3,475万円の計上、土地再評価差額金の取崩しなどにより、前事業年度末比1億1,447万円減の62億688万円となりました。

負債・純資産合計は前事業年度末比2億4,455万円減の105億1,496万円となりました。

 

(経営成績の状況)

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動への制約が解消されたものの、不安定な国際情勢や円安が常態化し、また新たな変異株による感染再拡大の懸念もあり、国内景気は未だ先行き不透明な状況が続いております。

外食産業におきましては需要は着実に回復傾向にありますが、一方で原材料価格・電気料金価格の高騰、お客様の価値観・消費行動の変化、慢性的な人手不足の問題など依然として厳しい状況が続いております。

このような事業環境のなか、当社は「食」に関わる企業として安心・安全な商品をお客様に提供することにより企業価値を向上させ、効率化の推進による黒字化を目指し業績の回復に邁進してまいりました。

まず営業面では、「WEBの強化」を大きな柱とし、グリル・中小宴会の受注増加を全社一丸となり目指してまいりました。

WEBサイトの強化のもと、個々のお客様にあったプランの作成、時期に応じた訴求、様々な企画への参画等をこまめに実施することによって、多くのお客様にご利用いただくことができました。

宴会部門では、継続している訪問セールス活動とオンラインセールスを融合することにより個人需要・各諸団体の会合等、コロナ禍で控えられていた宴会を着実に受注することができ、最大の商戦期である忘年会、新年会にも多くのお客様にご来店いただく事で、順調に推移いたしました。

 

またEC事業での「おうちで東天紅」シリーズにつきましても、魅力のある商品の開発、販売経路の拡大、様々な企画を積極的に実施することにより、新たなお客様の獲得に注力してまいりました。

さらに新たな売上の創造のため、夏に行われたラグビーワールドカップでパブリックビューイングを上野本店にて実施するなど様々な販売チャネル拡大の可能性を探ってまいりました。

管理面においては、更なるコスト削減と利益の拡大を目指し、予約システムの拡充などによる省人化・省力化を図り、全従業員が一丸となって営業に専念できる環境を整備することに加え、若手社員や女性社員の人材育成と積極的な人材登用を実施してまいりました。

同時に「美味しいお料理」「心のこもったおもてなし」をお客様に提供するために、人材への投資・教育を最優先課題とし、人材の確保を目指すと共に、撤退した店舗の従業員を再配置するなどにより、適材適所で従業員の力を発揮できる環境を整え、当社が目指す今後の事業展開に対応できる人材の育成を図ってまいりました。

そして経営資源の選択と集中を推し進め、2023年8月に「オペラシティ東天紅」、同11月に「千葉スカイウインドウズ東天紅」を閉店すると共に、資産の有効活用を図るため、保有資産の見直しを行い、神戸市中央区の遊休不動産の譲渡を実施いたしました。

結果として、当事業年度の売上高は前年同期比26.3%増の46億7,939万円、営業利益は4億2,479万円(前年同期は営業損失6億684万円)、経常利益は3億8,971万円(前年同期は経常損失4億6,755万円)となりました。また減損損失5億1,833万円等を計上した結果、当期純損失は1億3,475万円(前年同期は当期純損失8億2,839万円)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

①飲食業

飲食業におきましては、上記の理由により、売上高は前年同期比27.6%増の44億9,277万円、営業利益は3億4,395万円(前年同期は営業損失6億5,993万円)となりました。

②賃貸業

賃貸業におきましては、安定的に賃貸収入を確保しております。売上高は2.1%増の1億8,662万円、営業利益は52.3%増の8,083万円となりました。

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は12億2,136万円となり前事業年度末と比較して4億9,407万円の増加となりました。

これは税引前当期純損失の計上、減価償却費並びに減損損失の計上などによるものであります。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は5億2,275万円となりました。(前年同期は2億5,246万円の支出)

これは主に、税引前当期純損失の計上、減価償却費並びに減損損失の計上などによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により得られた資金は1,859万円となりました。(前年同期は8,735万円の支出)

これは主に、固定資産の売却及び差入保証金の返還などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は4,728万円となりました。(前年同期は5億1,758万円の収入)

これは主に、借入金の返済による支出などによるものであります。

 

 

 ③ 生産、受注及び販売の実績

    a. 生産能力及び生産実績

当事業年度の生産能力(客席数)及び生産実績(客数)をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高

客席数(千人)

前年同期比(%)

客数(千人)

前年同期比(%)

飲食業

1,203

73.3

524

124.6

 

(注) 客席数につきましては、営業日数を乗じて算出しております。

 

   b. 販売実績

当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

飲食業

4,492,773

127.6

賃貸業

186,626

102.1

合計

4,679,399

126.3

 

 

  (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。財務諸表の作成に当たって用いた見積り及び仮定のうち、重要なものは、第5「経理の状況」1「財務諸表等」(1)「財務諸表」「注記事項」(重要な会計上の見積り)に記載しております。
 

 ② 経営成績の分析

当社は適切な成長性と収益性の確保を通じて着実な業容拡充と企業価値の向上を図ることを経営目標としております。そのために、売上高成長率及び売上高営業利益率を目標指標としております。単年度の売上高、営業利益、経常利益の目標を設定し、目標達成に向けた分析・検討を行っております。

  a. 売上高及び営業損失

売上高は前年同期比9億7,487万円増の46億7,939万円となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動への制約が解消され、企業による宴会や接待、各諸団体の会合等の需要が回復し、ご家族やご友人によるお食事や中小宴会を中心にネット媒体からの受注増加に努めたことなどによるものであります。

売上原価は前年同期比1億1,832万円増の18億8,844万円となりました。これは主に、売上高の増加及び原材料価格の高騰によるものであります。

販売費及び一般管理費は前年同期比1億7,508万円減の23億6,616万円となりました。これは主に、店舗の閉鎖による固定費の削減によるものであります。

上記の結果、営業利益は4億2,479万円(前年同期は営業損失6億684万円)となりました。

 

  b. 営業外損益及び経常損失

営業外収益は前年同期比1億7,467万円減の1,187万円となりました。これは主に、受取配当金等によるものであります。

営業外費用は前年同期比30万円減の4,694万円となりました。

上記の結果、経常利益は3億8,971万円(前年同期は経常損失4億6,755万円)となりました。

 

  c. 特別損益、法人税等及び当期純損失

特別損失は前年同期比1億8,884万円増の5億4,522万円となりました。これは主に、店舗の閉鎖及び遊休不動産の譲渡に伴う減損損失の計上等によるものであります。

以上の結果、当期純損失は1億3,475万円(前年同期は当期純損失8億2,839万円)となりました。

 

 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2「事業の状況」3「事業等のリスク」をご参照下さい。

 

 ④ 経営戦略の現状と見通し

当社は複雑で高度化した社会のニーズに対応し、お客様にご満足頂くため、カスタマーズ・ヴァリューのある商品を創造・提供できる体制づくりを目指しております。その実現のために、ホスピタリティ精神にあふれる人材の育成、時代の要請に応える商品、業態や店舗の開発、管理部門の高度情報化に力を注いでまいります。

今後とも「豊かな食事文化を創造、提供する」ことを目指して、お客様一人ひとりのご要望にお応えするために、企業価値を高めながら社会と共に発展してまいりたいと考えております。

 

 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社の運転資金需要は、原材料及び人件費を主とした販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした設備資金需要は、新規出店、改装・改修等によるものであります。

また、金融機関の借入枠も十分有しており、今後の運転資金や設備資金の需要にも迅速に対応できるものと考えております。

キャッシュ・フローの状況につきましては、第2「事業の状況」4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」②キャッシュ・フローの状況をご参照下さい。

なお、当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。

 

 

2022年2月

2023年2月

2024年2月

自己資本比率(%)

63.5

58.8

59.0

時価ベースの自己資本比率(%)

21.0

17.8

20.4

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

6.1

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

19.7

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

 2.キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 3.2022年2月期及び2023年2月期は、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであるため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオを記載しておりません。

 

 ⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

当社は「豊かな食事文化を創造、提供する」ことを企業使命とし、多目的な会食空間をお客様にご利用頂くために、食事の豊かさと楽しさを提供するホスピタリティの充実に努めると共に、企業価値の増大を目指してまいります。

特に、企業価値の増大を重要な経営課題と位置づけ、その目的を達成するために、お料理とサービスのより一層の充実に努めると共に、一方では全社的な業務の見直しを継続的に行い効率化を推進するなど、経営資源の有効かつ適切な投入を行ってまいります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。