文中の将来に関する事項は、当連結会計事業年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グル-プは「深い知性と燃える情熱をもって新しい価値の創造に努め、社会に貢献する」との企業理念のもと、その実現に努めております。この理念を実現するために「良い品はお徳です」をモットーとして、使う人すべてにやさしいユニバーサルデザイン商品の開発を重点的に行い、より高品質の製品を通じて顧客、株主、社員及び取引先の満足度を高め、経営の効率化、コーポレート・ガバナンス体制の強化、財務体質の改善などを図り、堅実経営を行うことを基本方針としております。
(2) 目標とする経営指標と中長期的な会社の経営戦略
本業の事務用品等事業の売上高11,000百万円と営業利益1,000百万円の達成を当面の数値目標としております。
当社グループにおきましては、持続的、永続的な会社の成長を経営課題とし、この目標達成のために次の事項を経営戦略として掲げております。
①新製品の開発力の一層の強化を図り、市場のニーズを敏感に捉えた独自性の高い製品を提供し続ける、②販売チャネルの開拓と周辺市場への拡充、並びに海外市場への取組強化により業容の拡大を図る、③社員の能力開発や適正配置を通じて、組織力の強化や生産性の向上、収益性の改善を図る。
(3) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
次期の経済環境につきましては、個人消費やインバウンド需要の回復を背景に引き続き経済成長が持続していくことが期待されますが、世界的なインフレや常態化する円安の影響により更なる物価上昇が懸念されるうえ、長引く国際情勢の不安定化や中国経済の低迷等を要因として景気の悪化も懸念され、先行きは依然として不透明な状況が続くものと予想されます。
事務用品業界におきましては、需要の多様化が一層進み、カテゴリーに縛られない製品を求める動きが加速することが予想されます。また、SDGsへの意識が高まりを見せる中、サステナブルな社会の実現に資する新たな製品が求められてきております。
当社におきましては、このような環境のもと、お客様のニーズを的確に捉え真にご満足いただける製品の開発により一層努めていくとともに、国内外のマーケットへの積極的な開拓を推進してまいります。そのために当社として対処すべき課題は以下の3点と認識しております。
①収益力の向上
世界的なインフレ環境と円安基調の継続に起因して、原材料費や外注加工費等が高止まりし生産コストが上昇していることから、収益力の向上が喫緊の課題となっております。このような課題に対処すべく、営業本部と生産本部が連携して適正な販売価格に向けて見直しを行うとともに、静岡事業部・購買部・デザインプレイス・LIHIT LAB. VIETNAM INC.を一体として運営・管理することにより、全社的な生産性向上と生産バランスの適正化、並びに海外も含めた調達ルートの多様化を推進してまいります。併せて、収益力の高い新製品の販売を強化することにより売上全体の利益率向上も目指してまいります。
②製品開発
当社の製品開発については、本社並びに東京支店の2ヶ所に専門部署を設置し、両部署が相互に情報連携しながら、これまでに培ったノウハウやコンセプトなどの特徴を活かしてそれぞれ独自に開発に当たる体制としております。一方で、お客様の価値観やニーズは、社会環境や行動様式の変化により更なる多様化が進んでおります。当社はそのような変化にも柔軟に適応しながら、常にお客様の視点に立った付加価値の高い製品の開発に注力しております。直近では環境問題に着目し、国際環境NGOサーフライダーファウンデーションジャパン(SFJ)とのコラボレーションにより海洋汚染に取り組んだサステナブルなステーショナリー&ストレージグッズとして発表した「SFJ×LIHIT LAB.」や、本の収納時に感じている不便さを解消するために開発した「1冊でも倒れないブックスタンド」などの新製品及び新シリーズの開発に繋げました。引き続き事務用品という枠組みに囚われない幅広い視野と独創的な発想で製品ラインナップの拡充に取り組んでまいります。
③販売チャネルと事業領域の拡充
国内の事務用品市場が成熟化しつつある環境下で当社として更なる発展を目指すためには、国内外への販売チャネルの拡充、並びに周辺市場も含めた新たな事業領域の開拓を推進していく必要があります。販売チャネルについては、ECルートの拡充を図るべく自社サイトによる直販ECを強化していくとともに得意先ECサイトのサポートにも注力してまいります。海外ルートでは行動規制緩和と円安基調により改善した販売環境を活かしつつ、担当部門のスタッフを増強して現地での営業活動を積極的に展開し販路拡大を図ってまいります。
また、自社サイトやSNS等を通じてブランディングや販売手法の多様化にも取り組んでまいります。事業領域の開拓については、営業本部が中心となり将来的な市場動向の調査・分析を行うとともに、開発部門と協働して新製品の開発にも関与していくことで、事務用品の範疇を超えた新たな市場への参入を目指します。加えてチャネル毎の顧客ニーズに合った営業戦略を企画・提案し、営業現場の販売支援にも取り組んでまいります。
以上のような課題の解決を鋭意進めることにより、更なる売上の拡大並びに収益力の強化を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関する考え方及び取組状況
当社グループは、持続可能な企業成長に向けて、サステナビリティ経営を推進するため、まず企業の中核となる企業理念を2024年1月に刷新いたしました。創業時の想いである「良い品はお徳です」を、LIHIT LAB.の想い・使命・目指す姿・価値観として明文化し、ホームページに公開しております。
企業理念の刷新に伴い、持続可能な社会と企業成長を両立させるため、当社グループは、企業理念に通じたサステナビリティ方針を「発想力と創造力で、”あなた”にずっと寄り添う」と新たに定めております。サステナビリティ方針を定める過程において、持続可能な成長のためには従業員が企業の資本であるという考え方のもと、当社役員は勿論のこと、従業員からも幅広く意見を集約し、取締役会で決議いたしました。
「良い品はお徳です」という創業精神のもと、良質な「整える品」を通じて、お客様・未来・リヒトラブと共に働くすべての方々に、これからも永く愛される存在となり、持続可能な環境や社会の発展に貢献してまいります。
当社グループは、サステナビリティに関する取組を経営の重要事項と捉えており、代表取締役への報告を行うと共に、取締役会での意思決定を行っております。また、サステナビリティを取り巻く環境変化に迅速に対応するため、取締役会を補完する機能として、常務会を設置しており、重要決議決定の審議や経営方針の徹底、サステナビリティにおける取組状況の確認などを行っております。サステナビリティへの取組を着実に推進するため、常務会からの指示により、2022年に発足したSDGs推進チームが主体となり、サステナビリティに関する具体的な活動を行っております。
当社グループは、サステナビリティに関する取組を経営と統合するため、当社グループにおけるマテリアリティ(重要課題)を取締役会で決議いたしました。当社グループにおいてインパクトが大きい5つのマテリアリティ(重要課題)として、「持続可能な社会への貢献」「誰もが生き生きと働ける環境」「豊かな顧客体験の創造」「責任あるサプライチェーンの構築」「持続的な成長を支える経営基盤の確立」を設定いたしました。さらに、特定したマテリアリティ(重要課題)に対し、SDGsマッピングを行い、社会課題に対するインパクトを整理しております。
・マテリアリティ(重要課題)特定のプロセス
■ STEP1 社会課題の抽出
役員及び従業員と共に、SASBスタンダード、GRIスタンダード、ISO26000、SDGsや国際グローバルコンタクトなどを参照・分析し、社会及び自社の課題を抽出いたしました。
■ STEP2 社会課題の重要度評価
STEP1で抽出した社会及び自社の課題について、「ステークホルダーにおける重要度」と「当社グループにおける重要度」の2つの視点から重要度が高い課題を特定いたしました。
■ STEP3 施策の検討と妥当性評価
STEP2で特定した課題に対して、評価の妥当性を確認するため、社外取締役や外部有識者にアンケート調査を実施し、課題の見直しを実施いたしました。
■ STEP4 マテリアリティ(重要課題)の特定
取締役会での審議・検討のもと、当社グループが事業を通して取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を以下のとおり定めております。
(環境)
当社グループは、環境に対するマテリアリティ(重要課題)として、持続可能な社会への貢献と定めております。重要テーマとしては、気候変動への対応及び環境に配慮した社会への実現を掲げております。気候変動への対応に関する取組としては、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、GHG排出量算出測定ツールを導入し、算定を開始いたしました。具体的には、静岡事業部において、省エネ効果が大きいコンプレッサーの使用及び照明をLED化することなどの取組を行っております。環境に配慮した社会の実現に関しては、プラスチック製品を作る過程で排出される端材を場内再生したシートを採用した「Noir×noir(ノアールノアール)」シリーズや海洋プラスチックを使用した製品などの開発を積極的に行っております。また、クリアケースやクリップボードなどグリーン購入法適合製品の拡充にも努めております。
(人材)
当社グループは、人材に対するマテリアリティ(重要課題)として、誰もが生き生きと働ける環境と定めております。重要テーマとしては、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、従業員エンゲージメントの向上及び人材の採用・育成・研修の充実を掲げております。このマテリアリティ(重要課題)を着実に遂行するため、2024年1月22日での取締役会の決議の後、人事グループを2024年3月1日に新設いたしました。また、人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおり定めております。
人材育成に関する方針
企業価値向上において、新たな価値を創出し続ける原動力は従業員の成長です。企業理念に共感し、世の中の変化に対応する柔軟性とリヒトラブらしい発想力や創造力を融合させることで、新たな価値創造に挑み続ける人材を育成してまいります。従業員の成長と自己実現の機会を提供するため、異動申告制度やジョブローテーションの定例化など人材育成施策を強化してまいります。また、女性労働者への将来のキャリア形成に係る教育の充実を図り、多様な人材が輝ける環境作りを推進してまいります。
社内環境整備に関する方針
ダイバーシティ&インクルージョンの考え方に基づき、アンコンシャス・バイアスに関する社内研修などを通じて、多様な人材が思いやりをもって、自分らしく活躍できる環境を整えてまいります。また、より良い製品やサービスを提供するために、安心・安全に生き生きと働き続けることができる企業風土の醸成に努めてまいります。現在は、働きやすさの観点からテレワーク勤務や育児座談会などの育児・介護に関する制度の充実などを導入しております。さらに、内科の産業医の他に、心理的安全性を確保できるように、メンタルヘルスケアにも配慮した専門医と顧問契約をしております。
(製品開発)
当社グループは、製品開発に対するマテリアリティ(重要課題)として、豊かな顧客体験の創造と定めております。重要テーマとして、知的財産の形成と保護、新しい価値を創造する製品の開発及び事業領域とターゲットの拡大を掲げております。「発想力と創造力で、"あなた"にずっと寄り添う」と定めたサステナビリティ方針に沿った新たな価値を提供できる製品の開発を進めてまいります。このような製品の開発には、知的財産の形成と保護の観点も重要であり、マテリアリティ(重要課題)を着実に遂行するため、2024年1月22日の取締役会での決議の後、法務グループを2024年3月1日に新設いたしました。
(サプライチェーン)
当社グループは、サプライチェーンに対するマテリアリティ(重要課題)として、責任あるサプライチェーンの構築と定めております。重要テーマとしては、安心安全な調達及び生物多様性の保全を掲げております。生物多様性の保全への取組としては、合法伐採証明書を取得できる紙を使用した製品の開発を行っております。また、国際環境NGO「サーフライダーファウンデーションジャパン」とのコラボレーションにより、製品の売上の一部を環境保護活動に寄付しており、豊かな地球環境を守るため、砂浜のクリーン活動にも参加しております。
(基盤)
当社グループは、基盤に対するマテリアリティ(重要課題)として、持続的な成長を支える経営基盤の確立と定めております。重要テーマとしては、ガバナンスの強化及びIRの充実を掲げております。IRの充実に関しては、ステークホルダーとのコミュニケーションを活発化するため、中期経営計画の策定や適時開示の頻度を増やすなどを検討しております。
当社グループは、コンプライアンス体制を確保するため「行動規範」「就業規則」「経理規程」等の法令遵守規程を定めており、「内部通報手続」「財務報告に係る内部統制に関する規程」等によりその運用の徹底を図っております。コンプライアンス委員会の中で、リスク管理については、「リスク管理規程」を定めその体制の整備を行っている他、役員で組織する「リスク管理委員会」を定期的あるいは随時開催し、課題や懸案事項等の情報を共有した上で、具体的な対応方針等の討議を行っております。気候変動に対するリスクや人権に関するリスクなどサステナビリティ領域のリスクについて、今後各部門より項目を抽出し、定性・定量の両面から評価を行った上で、リスク管理を強化してまいります。
当事業年度末現在において、当社の労働者に占める女性労働者の割合は52.9%であります。当事業年度においては、新規にマテリアリティ(重要課題)の特定を行っており、具体的なKPIに関しては、引き続き検討してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、将来に関する事項の記載につきましては、当連結会計年度末現在において独自に判断したものであり、将来を含めた当社グループのリスク全般を網羅するものではありません。当社グループは、これらリスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
①自然災害等について
当社グループの国内の生産施設、物流施設は現在静岡県菊川市に集中しており、火災や災害等の発生により生産・物流設備等が被害を受けた場合には、正常な事業活動が行えなくなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②海外との取引拡大について
当社グループの事務用品等事業においては、海外との販売及び調達の比重が増加してきております。そのため関税制度の変更や相手国における商慣行の相違、予期せぬ法律や規制の施行・変更、経済・社会情勢の変化等が発生した場合には、安定的な取引に支障をきたす可能性があります。
ベトナム生産子会社においては、同国における関税制度や運用の変更、予期せぬ法律や規制の施行・変更、政治・経済情勢の変化等が発生した場合には、生産性や採算性が低下し追加投資が必要となる可能性があります。
また、海外との取引拡大やベトナム生産子会社の会計制度の影響でUSドル建ての債権債務の比重が高まっております。その結果、ドル円相場の変動が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③借入契約に係る財務制限条項について
当社グループの一部の借入契約に関しては財務制限条項が付されております。今後、財務制限条項に抵触した場合、期限の利益を喪失し、当該借入金の一括返済を求められることがあり、この場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、財務制限条項の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結貸借対照表関係 ※3」に記載しております。
④市況変動について
当社グループの事務用品等事業は、主要原材料として石油製品を使用しておりますが、中東地域における社会情勢やロシア・ウクライナ情勢の動向、並びに欧米・中国等における需給関係の変化が原材料価格や安定的な調達に影響し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤不動産賃貸事業について
当社グループの不動産賃貸事業は、本社ビルの賃貸オフィスを始めとして、賃貸用住居や倉庫・駐車場等の賃貸収入が主体となっております。従って、国内の景気動向や不動産市況・企業業績等により稼働率が左右される状況にあり、賃貸市場の低迷や建物の老朽化等により稼働率が低下した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥情報管理について
IT技術の進歩やテレワークの浸透により情報のデジタル化及びネットワーク化が進んだことで、外部から社内システムに侵入・攻撃されるリスクや、企業機密・個人情報等が漏洩するリスクが高まっております。万一、何らかの事情によりシステム障害や情報漏洩が発生すれば、事業継続に支障をきたすだけでなく、当社グループの信用が失墜し損害賠償責任を負う恐れもあり、その場合には当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦感染症の流行について
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類へ移行したことなど、感染拡大は収まってきておりますが、感染拡大が再燃した場合、国内外においてイベントの延期や自粛及び、新製品を主体とする開発スケジュールや協力工場における生産スケジュール等への影響等が発生する可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末における総資産は前連結会計年度末に比べ385百万円増加し、13,117百万円となりました。負債合計は前連結会計年度末に比べ363百万円増加し、2,875百万円となりました。純資産は前連結会計年度末に比べ21百万円増加し、10,242百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度(2023年3月1日~2024年2月29日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う行動制限緩和の実施等により経済活動の正常化が進み、対面型サービスを中心とした個人消費の回復と、円安を背景とする輸出やインバウンド需要の増加等により緩やかに景気が回復していく結果となりました。一方で日本と欧米主要各国の金融政策は維持されており、金利格差に伴う円安基調が解消されていないことから日本国内の物価上昇を招く結果となっております。今後、賃金や雇用の増加により個人消費の更なる増加が期待できるものの、中国経済の低迷や国際情勢の不安定化が続くようであれば景気の下振れも懸念される状況となっております。
当業界におきましては、DX(デジタルトランスフォーメーション)やIoT(インターネットオブシングス)の進展に伴い企業のペーパーレス化が加速しており法人需要の縮小が続いておりますが、個人需要においては、多様化するライフスタイルにより趣味や嗜好に特化した製品を求める動きが進んでおり、売上げを押し上げる状況となっております。また、販売チャネルでは、キャッシュレス決済の浸透によりEC市場の成長は続いておりますが、インバウンド需要の増加により実店舗での販売も回復しつつあり、取扱先も文具店や、事務用品専門店から総合スーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストア等業態の枠を超える変化が進んできております。
このような状況のもと、当社グループでは事務用品等事業におきまして「良い品はお徳です」をモットーに、皆様の暮らしに豊かさをもたらす製品、環境や時代及び多様化する需要にマッチした魅力ある製品の開発を積極的に進め、売上の拡大に努めてまいりました。
主な新製品としましては、日本文具大賞2023デザイン部門優秀賞を受賞した推し活グッズ収納シリーズ 「myfa(ミファ)」、日本文具大賞2023機能性部門優秀賞など複数のアワードを受賞した少ない冊数の本やCD・DVDなどのケース類の収納物が倒れることなく整理できる「1冊でも倒れないブックスタンド」、国際環境NGOサーフライダーファウンデーションジャパン(SFJ)とのコラボレーションにより海洋汚染に取り組んだサステナブルなステーショナリー&ストレージグッズ「SFJ×LIHIT LAB.」等を発表し、売上を伸ばしました。一方既存製品では、主力製品の机収納シリーズの「机上台」、ロングセラーの「ルーパーファイル」や「カラークリヤーホルダー」のほか、「リクエストD型リングファイル」、「SMART FIT PuniLabo(スマートフィットプニラボ)スタンドペンケース」、OEM製品等が引き続き堅調に推移いたしました。
この結果、事務用品等事業につきましては、このような新製品の積極的な投入や価格改定効果及び海外向け売上の増加等により想定額には及ばなかったものの、前連結会計年度比増収となりました。
不動産賃貸事業につきましては、東京都墨田区菊川の倉庫物件ほか一部テナントに空室が発生いたしましたが、2023年9月に東京都墨田区菊川に収益物件として賃貸用住居を購入し、賃料収入の強化を図ったこと等により前連結会計年度比ほぼ横ばいとなりました。
以上により、当連結会計年度における売上高は8,803百万円(前年同期比3.4%増)となりました。利益面につきましては、売上高が前連結会計年度比増収でありましたが想定額に及ばなかったことに加え、全社を挙げてコスト削減に努めましたものの、原材料価格高止まりや円安に伴う輸入コストの上昇等が大きく響き、278百万円の営業損失(前連結会計年度は営業損失153百万円)、経常損失は211百万円(前連結会計年度は営業損失30百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は93百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失24百万円)となりました。
セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。
[事務用品等事業]
事務用品等事業は、以下の4部門に大別しております。
<ファイル部門>
クリヤーホルダー、リングファイル、パンチレスファイル、ルーパーファイル、クリップファイル等を主要製品とするファイル部門の売上高は2,517百万円(前連結会計年度比3.8%増)となりました。主力製品のルーパーファイル、REQUEST(リクエスト)シリーズのD型リングファイルが売上を伸ばしました。
<バインダー・クリヤーブック部門>
クリヤーブック、クリヤーポケット、ツイストノート、多穴リングバインダー等を主要製品とするバインダー・クリヤーブック部門の売上高は2,245百万円(前連結会計年度比8.7%増)となりました。主力製品のREQUESTクリヤーブック、REQUESTクリヤーポケット、海外向けOEM製品のクリヤーブック及びmyfaコレクションバインダーが好調に売上を伸ばしました。
<収納整理用品部門>
ペンケース、机上台、クリヤーケース、バッグ、デスクトレー等を主要製品とする収納整理用品部門の売上高は2,854百万円(前連結会計年度比4.4%増)となりました。机収納シリーズの机上台や1冊でも倒れないブックスタンド及びSMART FIT PuniLaboスタンドペンケースが堅調に売上を伸ばしました。
<その他事務用品部門>
スライドカッター、コンパクトホッチキス、カルテフォルダー等を主要製品とするその他事務用品部門の売上高は730百万円(前連結会計年度比12.3%減)となりました。簡易フェイスシールド等感染症対策製品が5類移行の影響で伸び悩んだことにより売上減となりました。
以上の結果、事務用品等事業の売上高は8,348百万円(前連結会計年度比3.6%増)となり、利益につきましては、前連結会計年度比で増収ではあったものの想定額に及ばなかったことに加え、原材料価格高止まり、円安に伴う輸入コストの上昇等が大きく響き、223百万円の営業損失(前連結会計年度は営業損失312百万円)となりました。
[不動産賃貸事業]
不動産賃貸事業は、東京都墨田区菊川の倉庫物件ほか一部テナントに空室が発生いたしましたが、2023年9月に東京都墨田区菊川に収益物件として賃貸用住居を購入し、賃料収入の強化を図ったこと等により前連結会計年度比ほぼ横ばいとなり、売上高は454百万円(前連結会計年度比0.0%減)、営業利益は賃貸用住居購入に伴う費用を計上したこと等により113百万円(前連結会計年度比28.6%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ165百万円増加し1,242百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、663百万円となりました。これは主として棚卸資産の減少、減価償却費によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、726百万円となりました。これは主として、東京都墨田区菊川の賃貸用住居を購入したことに伴う有形固定資産の取得による支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は、220百万円となりました。これは主として、長期借入れによる収入等によるもの
であります。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
受注生産は僅少であるため、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1. セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
a.経営成績の分析
各セグメントの経営成績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。
b.財政状態の分析
(資産の状況)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ385百万円増加し、13,117百万円となりました。これは主として現金及び預金が増加したこと及び賃貸用住居の取得により有形固定資産が増加したこと等によるものであります。
(負債の状況)
負債合計は前連結会計年度末に比べ363百万円増加し、2,875百万円となりました。これは主として借入金が増加したこと等によるものであります。
(純資産の状況)
純資産は前連結会計年度末に比べ21百万円増加し、10,242百万円となりました。これは主として、利益剰余金が減少する一方で、繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定が増加したこと等によるものであります。その結果、自己資本比率は78.1%となりました。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
当該事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ165百万円増加し1,242百万円となりました。これに受取手形及び売掛金、電子記録債権を加えますと、設備資金も含めた通常予想される範囲内の支払に対して十分な水準にあると判断しております。さらにコミットメントラインの未使用枠残高が1,400百万円あり、万一資金需要に変化が生じても十分に対応できる体制にあると考えております。なお、各キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたり用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループにおける研究開発活動は、事務用品等事業ではファイル及びノート関連製品、バッグ・ケースを中心として、当社スタッフ9名がこれに当たっております。
機能性・デザイン性を追及するとともに高付加価値製品の開発に取り組み、再生素材や安全素材の活用、分別廃棄可能な環境対応製品やユニバーサルデザイン製品の開発を進めております。
当連結会計年度において開発・発表した主な製品は以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は
<myfa(ミファ)シリーズ>
このシリーズでは、「推し活をもっと楽しく」をコンセプトに便利なファイルやポーチを取り揃えております。
主な製品と機能は次のとおりであります。
・お気に入りのコレクションをまとめて保管できるファイル「コレクションファイル」
・アクリルスタンドや小物が一緒に持ち運びできるリフィル「ファスナーポケットリフィル」
・大切なうちわの保管・収容に便利な「うちわコレクションファイル」
・透明シートをデコレーションして自分だけのぬいぐるみポーチが作れる「デコレーションボックスポーチ」
・保管用紙製ケース付きで、B2ポスターの保管・収容が出来る「ポスターコレクションファイル」
・写真が綺麗に見える高透明ポケット「インスタントフォトコレクションファイル」
<SFJ×LIHIT LAB.シリーズ>
国際環境NGOサーフライダーファウンデーションジャパン(SFJ)とのコラボレーションにより海洋汚染に取り組んだサステナブルなステーショナリー&ストレージグッズ「SFJ×LIHIT LAB.」等を発表しております。
主な製品と機能は次のとおりであります。
・中身が取り出しやすく、自立する「スタンドバックパック」
・トラベル小物を持ち運びできるショルダー付きポーチ「トラベルポーチ」
・ワークツールやキャンプ用品の収納に便利な折りたたみ式コンテナ「フォールディングコンテナ<OBP>」
・L字に自立するペンポーチ「スタンドペンポーチ」
・オーシャンバウンドプラスチック配合の環境にやさしい「クリヤーホルダー」
<その他>
・少ない冊数の本やCD・DVDなどのケース類の収納物が倒れることなく整理できる「1冊でも倒れないブックスタンド」
・すべて「紙製」で表紙に再生紙を使用した環境にやさしい「ペーパールーパー」
・カメラ目線のまま要点をチェックできる「ふせんボード」
不動産賃貸事業につきましては、記載する事項はありません。