第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)企業理念

ものつくりに貢献するグローバル最適調達パートナー

 

(2)経営方針・経営戦略等

岡谷鋼機グループは、2025年度を最終年度とする中期経営計画「GIC 2025」を策定し、G(Global)、

I(Innovation)、C(Challenge)を柱に取り組みを行っています。

 

G:岡谷グループの国内外の拠点を拡充し、地域に根差した事業を構築します。

I:デジタル技術を活用したビジネスモデル(DX)によって商社機能を柔軟に進化させ、

顧客に新たな価値を提供します。

C:社員一人一人が明るく自由闊達な組織の中で主体的に挑戦します。

 

(3)目標とする経営指標

中期経営計画では2025年度に連結売上高1兆円以上、親会社株主に帰属する当期純利益200億円以上を目標としております。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

今後の見通しにつきましては、エネルギー・素材価格の動向や金利・為替の変動等による経済への影響に加え、労務費・物流費等コストの上昇が懸念され、先行き不透明な状況が予想されます。

 

これを事業のセグメント別に見ますと、次のとおりであります。

 

(鉄鋼)

自動車関連は堅調な需要が見込まれますが、建築費の高騰による建設需要への影響が懸念されます。また、海外市場での需要捕捉や環境商品への取り組みが課題となります。

 

(情報・電機)

車載関連やIT関連の堅調な需要が見込まれますが、中国景気の低迷により、家電、OA、産機FA分野は厳しい状況が続くことが予想されます。

 

(産業資材)

部材のコスト上昇や中国景気低迷も懸念されますが、環境対応車関連需要や自動化・省人化関連の設備投資需要が見込まれます。

 

(生活産業)

食品関連はインバウンドや冷凍食品の需要増により増加が見込まれますが、配管建設関連は建築費や資材の高騰による建設需要への影響が懸念されます。

 

 

このような経営環境において、岡谷鋼機グループは「ものつくりに貢献するグローバル最適調達パートナー」として、中期経営計画GIC 2025の基本方針の下、新たな価値の提供に挑戦し、世界の産業と地域の持続的発展に貢献してまいります。

また、内部統制の強化・コンプライアンスの徹底と企業の社会的責任を重視し、企業価値の更なる向上に努めてまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティに関する考え方

当社グループは、サステナビリティを重要な経営課題と位置付け、環境問題に対する主体的な行動、ガバナンス体制の強化、自由闊達な組織風土の醸成など、社会的責任を果たすべく取り組みを行っております。「ものつくりに貢献するグローバル最適調達パートナー」として、事業活動を通じた持続的な発展、企業価値の向上を目指してまいります。

 

<サステナビリティに関する重要課題>

・地球環境の保全に貢献する

・グローバルで地域社会と共生する

・技術革新を通して新たな価値を創造する

・次代を切り拓く人材を育成する

・健全な企業文化を継承する

 

(2)ガバナンス

 当社グループでは、サステナビリティ課題について全社的な取組を推進するため、サステナビリティ推進委員会を設置しております。同委員会は代表取締役を委員長とし、取締役を含む部門長を中心に構成されております。

 また、同委員会は、四半期に1回開催することを原則とし、サステナビリティに関する方針、目標の設定、実施計画の策定や、リスク・機会の特定、目標に対する進捗管理を担っております。取締役会では、同委員会で検討した重要なリスク・機会についての審議・決定やモニタリング等を行っております。

 

<当社のサステナビリティ推進体制>


 

 

(3)リスク管理

 サステナビリティ関連リスクは、サステナビリティ推進委員会が中心となり、リスクの特定・評価を行い、取締役会に報告の上、担当部門において実行に移されます。

 また、同委員会にて実施状況をモニタリングし、リスク軽減に努めると共にコンプライアンス・リスク管理委員会と連携することにより、全社的なリスクとして統合的に管理する体制を構築しております。

 

(4)戦略と指標及び目標

① 気候変動

<戦略>

 カーボンニュートラルへの取り組みは、当社グループの5ヶ年中期経営計画「Global Innovation Challenge 2025 (GIC 2025)」における基本方針の1つとなっています。

 その基本方針の下、気候変動に関するシナリオ分析にて当社グループにとって重要なリスク、機会を特定しています。今後は、次世代自動車および再生可能エネルギーの導入を拡大するとともに、環境配慮型商品、電動車や再生可能エネルギー向け設備・部品・素材等の取扱いを拡大してまいります。

 

<指標及び目標>

 当社グループは、2050年カーボンニュートラル実現を目指し、温室効果ガス(Scope1+2)の削減に取り組んでまいります。今後、具体的数値など詳細は、当社ウェブページにて開示してまいります。

(単位:ton-CO2

指標

CO2排出量(当社)

2021年度

(実績)

2022年度

(実績)

2023年度

(実績)

Scope1

553

533

485

Scope2(マーケット基準)

1,267

1,264

1,392

合計(Scope1Scope2

1,820

1,797

1,877

 

※Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出

※Scope2:他社から供給された電気、熱・上記の使用に伴う間接排出

※マーケット基準:報告企業が電力を購入している契約内容を反映して算定する方法

※Scope2について、2023年度実績の電力使用量は3,084MWhで前期比99MWh減少しましたが、CO2排出量は算定時における掛率の影響により増加しました。

 

② 人的資本、多様性

<方針>

 当社グループは、「ものつくりに貢献するグローバル最適調達パートナー」を企業理念として掲げており、創業以来、信用、進取の精神、人の和を大切に、350年余りの歴史を積み重ねてきました。時代が大きく変革する中で、社員一人一人が、主体的に考え挑戦し、働きがいと成長を感じる明るく自由闊達な組織風土の醸成と人材育成にグループ全体で取り組んでまいります。

 

-行動指針-

① 信用・誠実

信用を大切に、正々堂々と仕事に取り組む。

② 三現主義

現地・現物・現人を大切にし、現場主義を実践する。

③ チームワーク

コミュニケーションを通じて互いを理解し一致協力する。

④ 主体性

自ら、考え、行動し、その行動に責任を持つ。

⑤ 挑 戦

夢や理想を持って新しいことに挑戦する。

 

 

 

-重点施策-

・新入社員から幹部社員までの一貫教育

 体系化された階層別プログラムにより、ビジネス基礎能力、マネジメント力等の習得・向上を図ります。また、主体性を持って挑戦する力は、仕事を通じて現場で成長することが基本であり、個の能力を最大限引き出す現場育成の取り組みを強化します。

 

・グループ会社経営人材の育成

 当社の企業理念を受け継ぎ、地域に根ざした持続的ビジネスを構築する経営人材を育成します。当社理解、語学習得、異文化対応のほか歴史、倫理、哲学など幅広い教養教育などに取り組みます。

 

・コミュニケーションの推進

 様々なツールや仕組みを活用し皆が積極的に意見を交わす活発で効果的なコミュニケーションにより総合力を発揮し、活力ある組織を目指します。幹部社員による対話型セミナーやキャリア・成長等をテーマとしたМUミーティングなど多様なコミュニケーションを推進します。

 

・キャリア形成の支援

 各部門の人材育成計画に基づき、社員一人一人が上司と相談しながら主体的に能力向上およびキャリア形成に取り組み、成長し続けることを支援します。自己啓発支援制度やキャリア選択の機会提供を拡充します。

 

・時代にあった環境整備・支援制度の推進

 社員が明るく活き活きと挑戦することに繋がる人事制度等の環境整備、社員の意識醸成・成長支援を継続して推進します。

 

<指標及び目標>

 

 

2025年度

(目標)

2023年度

(実績)

2022年度

(実績)

多様性

女性総合職比率

12.0%

8.4%

8.9%

経験者採用人数

15名

13名

3名

NS(ナショナルスタッフ)の幹部人数(注)1

10名

8名

7名

環境整備

年次有給休暇・特別休暇取得率(注)2

70.0%

71.0%

75.0%

産休・育休明けの復帰率

100.0%

100.0%

100.0%

人材育成

研修参加率(e-ラーニングを含む)

95.0%

87.0%

85.2%

一人当たり研修費用

20.0万円

20.5万円

13.4万円

健康経営

健康診断(二次検診)受診率

80.0%

75.5%

76.1%

 

(注)1 NS幹部人数は、代表者、準代表者、拠点長登用者の人数

    2 年次有給休暇・特別休暇取得率は、年次有給休暇と特別休暇(夏期特別休暇4日、年末特別休暇1日)を合算した取得率

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財政状態、株価等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあると考えております。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経済環境が変化するリスク

当社グループは、日本・アジア・北米・欧州等においてグローバルな事業展開を行っております。国内はもちろん、世界各国の景況変動により、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 商品市況の変動によるリスク

当社グループは、鉄鋼製品をはじめとした多様な商品を扱っておりますが、市況の変動への適宜な対応が出来なかった場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 

 

(3) 為替変動によるリスク

当社グループは、国内外において外貨建取引を行っております。営業取引においては、為替変動リスクを軽減するため、原則として実需に基づく為替予約等のデリバティブ取引を締結しておりますが、海外連結会社の外貨建借入金等及び連結決算時の円換算については、今後の為替変動によって、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 金利変動によるリスク

当社グループは、金融機関からの借入金により事業資金を調達しております。金利情勢等を勘案し、主として相対的に金利の低い短期借入金で調達し、長期借入金については金利の固定化等により金利変動リスク低減に努めておりますが、今後の金利変動によっては、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 株価変動によるリスク

当社グループは、 事業戦略の一環として、重要な取引先及び金融機関の株式を保有しておりますが、今後の株価動向によっては、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 取引先の信用リスク

当社グループは、国内外の取引先に対し、営業債権・貸付金・保証等の形で信用を供与するとともに、商品の供給責任も有しております。取引先毎に適確な与信管理を行い、想定し得る回収リスクについては、情報に基づきこれまでのノウハウにて細心の対応をしており、また仕入先の信用状況等の把握にも努めております。特定の取引先において、倒産等により債務不履行が生じた場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 事業投資リスク

当社グループは、事業展開を図るため、新会社の設立、既存の会社への投資等を行っております。新規投資については専門委員会で検討を行い、慎重を期しておりますが、投資先企業の企業価値が低下した場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) カントリーリスク

当社グループは、海外との取引や海外での事業投資を行っており、その国における政治や経済・社会情勢の変化、法的規制の変更などにより、代金の回収や事業継続が困難になるリスクを負っております。外部格付機関の情報をもとにカントリーリスクのランク付けを行うとともに、貿易保険を付保するなど、リスクの管理・ヘッジに努めておりますが、実際に特定の国において代金の回収や事業継続が不能となる事態が発生した場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 品質保証によるリスク

当社グループは、商社という特性から大半の商品は他社ブランド商品でありますが、一部グループ会社の製造した商品を当社グループが販売することがあります。品質管理には万全を期しておりますが、全ての商品について品質の不具合がなく、将来において品質問題が発生しないという保証はありません。大規模な品質問題が発生した場合、多額な補償損失が発生し、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、環境関連の法令及び規制により、国内外の取引先から環境負荷物質不使用についての保証を求められることがあります。専門委員会を中心に仕入先とも連携し慎重に対処いたしますが、不測の事態が発生した場合、取引に支障をきたし、その場合は経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 法的規制によるリスク

当社グループは、国内及び海外において様々な法令や規制の適用を受けて事業展開を行っております。当社グループでは、コンプライアンスを経営上の重要な課題と位置付け、その強化に努めておりますが、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することはできません。当社グループの事業活動が法令や規制に抵触するような事態が発生したり、予期せぬ法令や規制の新設・変更が行われたりした場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 情報システム・情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、情報資産の有効な活用とその適切な保護・管理を情報セキュリティ基本方針として定め、そのための体制の確立や諸規程の整備を行うとともに、情報システムの安全性確保の観点からも各種対策を講じております。しかしながら、予期せぬ事故や障害による情報システムの機能不全や情報資産の漏洩等の事態が発生する可能性を完全に排除することはできません。かかる事態が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 自然災害等に係わるリスク

当社グループは、地震、大雨、洪水などの自然災害・異常気象や、インフルエンザ・新型ウイルス等の感染症による事業活動への被害を最小限にとどめるため、災害対応マニュアルの策定等の対応を進めております。しかしながらかかる自然災害等の被害は完全に回避できるものではなく、また想定をはるかに超える規模で発生する可能性もあり、かかる場合には事業活動に大きな影響を与える可能性があります。

 

(13) 役員・社員の内部統制によるリスク

当社グループは、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス及びリスク管理を経営上の重要な課題と位置付けており、内部統制システム整備の基本方針を定め、同システムの継続的な充実・強化を図っております。業務運営においては役員・社員の不正及び不法行為の防止に万全を期しておりますが、万一かかる行為が発生した場合、経営成績、財政状態及び当社の社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、欧米の金融引き締めによる影響の一方、堅調な個人消費や設備投資により、底堅く推移しました。日本経済は、製造業の生産活動の回復やインバウンド需要の増加を背景に、堅調に推移しました。

このような環境において、連結売上高は1兆1,119億34百万円前連結会計年度比15.6%の増収となりました。

損益につきましては、売上総利益は849億4百万円前連結会計年度比11.6%増)となりました。営業利益は324億12百万円前連結会計年度比10.1%増)、経常利益は358億50百万円前連結会計年度比10.1%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は236億59百万円で、前連結会計年度比0.6%の増益となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 

(鉄鋼)

鉄鋼部門は、建材関連や製造業向けを中心に順調でした。

特殊鋼部門は、自動車向けは堅調に推移しましたが、産機向けが減少しました。

海外は、欧米を中心に増加しました。

鉄鋼セグメントの売上高は4,248億65百万円前連結会計年度比4.0%増)、営業利益は100億11百万円前連結会計年度比3.3%増)となりました。

 

(情報・電機)

エレクトロニクス部門は、家電分野が低調の一方、半導体などの供給改善もあり、車載部品・インフラ関連が順調に推移しました。

非鉄金属部門は、家電向け電子部品用材料が減少したものの、令和5年1月に連結対象とした子会社の影響もあり、増加しました。

情報・電機セグメントの売上高は3,225億19百万円前連結会計年度比44.1%増)、営業利益は93億42百万円前連結会計年度比5.0%増)となりました。

 

(産業資材)

メカトロ部門は、自動車生産の回復により、部品や関連設備・工具が好調でした。加えて、航空機向け部材の輸入取引が増加しました。

化成品部門は、自動車関連が増加しましたが、家電向けが減少しました。

産業資材セグメントの売上高は3,087億51百万円前連結会計年度比11.9%増)、営業利益は93億17百万円前連結会計年度比29.6%増)となりました。

 

 

(生活産業)

配管建設部門は、配管資材が増加しました。

食品部門は、鶏肉及び水産物の輸入取引が増加しました。

生活産業セグメントの売上高は557億98百万円前連結会計年度比4.0%増)、営業利益は28億58百万円前連結会計年度比9.3%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の現金及び現金同等物は、営業活動による収入超過を投資活動による支出及び借入金の返済などに充当した結果、前連結会計年度比1億51百万円減少し、167億59百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度においては、売上債権の増加もありましたが、税金等調整前当期純利益の計上などにより、265億55百万円の収入超過(前連結会計年度は187億53百万円の支出超過)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度においては、有形固定資産の取得などにより支出が増加し、77億27百万円前連結会計年度は15億98百万円)の支出超過となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度においては、借入金の返済などにより支出が増加し、198億93百万円の支出超過(前連結会計年度は266億54百万円の収入超過)となりました。

 

(3) 販売の状況

上記「(1) 経営成績の状況」及び「第5 経理の状況」における連結財務諸表注記(セグメント情報等)に記載しております。なお、セグメントごとの販売の状況は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 令和4年3月1日

  至 令和5年2月28日

当連結会計年度

(自 令和5年3月1日

  至 令和6年2月29日

前年度比

(%)

金額(百万円)

構成比

(%)

金額(百万円)

構成比

(%)

鉄鋼

408,616

42.5

424,865

38.2

4.0

情報・電機

223,805

23.2

322,519

29.0

44.1

産業資材

275,932

28.7

308,751

27.8

11.9

生活産業

53,662

5.6

55,798

5.0

4.0

合計

962,016

100.0

1,111,934

100.0

15.6

 

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたり、重要な影響を与える見積りを必要とする会計方針としては、以下のようなものがあると考えております。

① 貸倒引当金

当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。将来、取引先の財務状況等が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

 

② 投資有価証券及び出資金の減損処理

当社グループは、保有する有価証券について、時価のあるものについては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に時価まで減損処理を行い、30%以上50%未満下落した株式等の減損にあっては、個別銘柄毎にその回復可能性を総合的に検討し実施することとしております。また、時価のない有価証券については実質価額が著しく低下した場合に減損処理を行っております。将来、株式の市況又は投資先の業績が悪化した場合には、さらなる評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

③ 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少した場合には、繰延税金資産が減額され税金費用の追加計上が発生する可能性があります。

 

(2) 経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高につきましては、1兆1,119億34百万円前連結会計年度比15.6%増)となりました。損益につきましては、営業利益は324億12百万円前連結会計年度比10.1%増)、経常利益は358億50百万円前連結会計年度比10.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は236億59百万円前連結会計年度比0.6%増)となりました。

 

① 売上高及び営業利益

上記「(経営成績等の状況の概要) (1) 経営成績の状況」及び「第5 経理の状況」における連結財務諸表注記(セグメント情報等)に記載のとおりであります。

 

② 営業外損益

営業外損益は、受取配当金の増加7億58百万円などにより、前連結会計年度の31億19百万円の利益に対し、当連結会計年度は34億38百万円の利益となりました。

 

 

③ 特別損益

特別損益は、前連結会計年度は負ののれん発生益27億64百万円などがあったことにより、前連結会計年度の21億93百万円の利益に対し、当連結会計年度は91百万円の損失となりました。

 

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の235億20百万円に対し、当連結会計年度は236億59百万円となりました。その結果、1株当たり当期純利益金額は前連結会計年度の2,444.46円から2,459.18円に増加しました。

 

なお、経営目標に関する分析・検討内容は、上記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

(3) 財政状態の分析

① 資産

流動資産は、売上債権の増加などにより前連結会計年度末の4,666億15百万円に対し当連結会計年度末は4,746億23百万円となりました。固定資産は、株式相場の上昇に伴い保有株式の時価評価差額が増加したことなどにより、前連結会計年度末の2,501億70百万円に対し当連結会計年度末は3,623億82百万円となりました。その結果、資産合計は、前連結会計年度末の7,167億85百万円に対し、当連結会計年度末は8,370億5百万円となりました。

 

② 負債

流動負債は、短期借入金の減少などにより、前連結会計年度末の3,516億44百万円に対し、当連結会計年度末は3,348億55百万円となりました。固定負債は、保有株式の時価評価差額の増加に伴う繰延税金負債の増加などにより、前連結会計年度末の601億66百万円に対し、当連結会計年度末は978億22百万円となりました。その結果、負債合計は、前連結会計年度末の4,118億10百万円に対し、当連結会計年度末は4,326億78百万円となりました。

 

③ 純資産

保有株式の時価評価差額の増加に伴うその他有価証券評価差額金の増加に加え、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加し、その結果、純資産合計は、前連結会計年度末の3,049億75百万円に対し、当連結会計年度末は4,043億27百万円となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べて1億51百万円減少し、167億59百万円となりました。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加39億35百万円などにより資金の減少もありましたが、税金等調整前当期純利益の計上357億58百万円棚卸資産の減少26億19百万円などにより資金が増加した結果、265億55百万円の収入超過(前連結会計年度は187億53百万円の支出超過)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出60億22百万円などにより資金が減少した結果、77億27百万円前連結会計年度は15億98百万円)の支出超過となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の減少額171億63百万円などにより資金が減少した結果、198億93百万円の支出超過(前連結会計年度は266億54百万円の収入超過)となりました。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部留保及び借入により資金調達することとしております。このうち、借入金に関しましては、運転資金は主に短期借入金で、設備などの固定資産は主に固定金利の長期借入金で調達しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記事項はありません。