第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

1.経営方針について

 当社は「食文化の発展に情報システムで貢献する」ことを社是に、以下の経営理念及び行動指針のもと、事業を推進しております。

(1) 経営理念

一、企業はなによりも人であり、自主性と起業家精神を重んじ、ひとりひとりの行動を重視します

二、製品・サービスのすべての基準は、お客様であり、お客様に密着する姿勢を日々の基本とします

三、提供するすべての製品・サービスの基本はローコストであり、我々自らが簡素な組織、小さな本社を実践し、“ひと”を通じての生産性向上に心がけます

四、“食”という基軸から離れず、価値観に基づく実践を忘れません

五、厳しさと緩やかさの両面を同時にもった、フラットで柔軟な組織づくりに心がけます

 

(2) 行動指針

1.我が社の製品・サービスは、

 一、“お客様の身になって考えた”ものであり、高品質なものでなければならない。

 二、“お客様に驚きと感動を与えるもの”でなければならない。

2.我が社の社員は、

 一、個人として尊重され、常に提案ができる環境、能力開発の機会、家族に対する責任を十分果たすことのできる環境でなければならない。

 二、常に自己研鑽し、高い倫理観で、すべてのステークホルダーを意識して、時に組織の枠を超えて、判断しなければならない。

3.我が社は事業を通じて

 一、地球環境の改善、外食産業の発展、地域社会の発展に貢献しなければならない。

 二、企業と企業、人と人との“グッドコミュニケーション”で“共創未来”に努めなければならない。

4.我が社は、すべてにバランスある企業として、

 一、適正な利益を確保し、お客様、社員、株主に配分しなければならない。

 二、我が社が集中する分野に於いて、圧倒的に強い地位を確立し、維持しなければならない。

 

 また、当社株主、顧客及び従業員、取引先などステークホルダーの満足度向上や信頼構築を努めるとともに共存共栄できる共創未来を基軸に経営展開を計っております。

 

2.経営環境について

 当事業年度におきましては、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある中、緩やかな持ち直しが続いている一方で、世界的なエネルギー・食料価格の高騰や欧米各国の金融引締め等による世界的な景気後退懸念など、依然として先行き不透明な厳しい経営環境が続いております。

 このような状況下、当社は、創業時より一貫し、外食企業を中心とした顧客に対し、利益追求のための食材ロス削減を実現する「飲食店経営管理システム(R)」シリーズ、人件費の最適化や生産性を高めるための勤怠集計管理システム「Timely」を主力に「食材費」・「人件費」の二大原価の透明化を掲げたシステムをASP/パッケージシステムで提供するとともに、業界に特化したPOSシステム、オーダーリングシステム、周辺サービス等を通してトータルソリューションシステムを提供しております。

 その結果、売上高は1,780,779千円(前事業年度比33.2%増)と増収となりました。利益面に関しましては、営業利益56,736千円(前事業年度は営業損失515,207千円)、経常利益32,760千円(前事業年度は経常損失553,198千円)、当期純利益104,907千円(前事業年度は当期純損失598,881千円)と増収増益となりました。

 現在、当社の主要顧客である飲食業界は未だかつてない人手不足が生じております。また、募集を行っても人材が揃わないため、お店がオープンできないようなことも起こっております。このような中、配膳AIロボットをどのように活用すればよいかがキーを握ると感じております。これからは人とロボットが融合して、配膳・下げ膳はもちろん、オーダーの応対、お席へのご案内など、これまで人が行っていることができるロボットの二次開発に注力していくことが大切だと考えております。

 併せて、当社主力製品である特許を取得しています「自動発注システム」で食材の発注の適正化に取り組み、主要顧客の営業を支えていけるシステム創りに専念してまいります。

 今後も資源価格上昇を背景とするコスト環境の悪化が調達・生産への影響として想定されますが、製品の調達方法・生産体制の見直しなどによる製品確保の改善をより一層強化することで、遅延のない納品と収益力の増強に努めてまいります。

3.目標とする経営指標

 当社は今後も、外食業界を主力とし、食品ロス対策の一助となる「飲食店経営管理システム(R)」拡張機能の「自動発注システム」を中心とした事業拡大を通じて、地球環境の改善と外食業界への利益貢献により企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。これに加えて省力化に対応した製品/サービスをできるだけ速やかに投入し、経営指標としての利益の確保に加え、資本効率の観点からROE(自己資本利益率)20%以上を目標とする企業価値の増大に努めてまいります。また、配当性向について、将来の事業展開や経営環境の変化などを勘案のうえ、早期に30%を基本方針とした、かつ安定配当の継続に努めてまいります。

4.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(1)「自動発注システム」の提案、開発体制について

 「飲食店経営管理システム(R)」、ハイブリッドクラウドパッケージ「FOOD GENESIS」の高粗利のソフトウエア販売を主軸とし、当社のPOSシステムとオーダーエントリーシステムに加え、他社製品とも積極的な連動を行ってまいります。また、棚卸集計システム「棚卸探偵団」の連携により、人手不足の解消や食品ロス対策として、特許を取得している「自動発注システム」の構築を図るため、販売戦略と開発体制を強化してまいります。

 

(2)AIロボット、セルフレジ、テイクアウト専用機器の開発及び販売体制について

 当社の顧客である外食関連企業は、人手不足により配膳ロボット、除菌ロボット、除菌ゲート、掃除ロボット、セルフレジ及び、持ち帰り需要によるテイクアウト専用機器のニーズが高まってきております。この需要に対して、当社は開発体制および販売代理店を含めた販売体制を強化してまいります。また、AIロボットについては、水平展開を強化してまいります。

 

(3)サポート体制について

 当社システムを安定的かつ長期的に提供できるかどうかが成約の重要なファクターとなっております。これまでも、サポート人員の教育を推進してまいりましたが、今後受注増加が見込まれる「自動発注システム」、ロボット等に対して、人材の確保、社内及び社外研修制度等を充実させてまいります。

 

(4)販売提携及び代理店契約について

 これまでは、大手外食企業を中心とした販売活動を直接販売体制のみで行ってまいりました。今後は直接販売体制に加え、業態規模にとらわれず、外食・中食・給食、ホテルなどの顧客を有する企業等との連携強化、販売提携及び代理店契約を行い、各々の特長を活かしたサービス提供力を高め、販売網の拡大及び収益構造の多様化並びに安定性確保を図ってまいります。

 

(5)情報セキュリティの継続的な強化について

 ASP/クラウドサービスの運営を行うにあたって、情報セキュリティ及びサービス提供にかかわるシステムを安全・安定に稼働させることが重要な課題であると認識しております。2010年9月より当社データセンターは、ISO27001を取得し更新しております。また、2017年に完成した新データセンターでも厳格な情報管理を徹底しております。今後につきましても、更なるレベルアップを目指し、継続して強化を図ってまいります。

 

(6)ガバナンス体制及び内部統制の整備・運用について

 適切な会計処理を実施するための体制整備、経理部門の強化のほか、監査等委員会設置会社への移行、社外取締役の機能の強化、会計監査人との連携の強化及び取締役会決議事項の拡充を通じた取締役・取締役会による代表取締役社長の職務執行に対する監視・監督機能の強化、社内規程等の再整備による恣意的な事務処理を防止するための体制整備、監査等委員会監査の着実な実施、内部監査体制の整備と着実な実施、役職員間における情報連携・情報共有の円滑化、新規事業の検討から開始までの手続に係る業務プロセスの確立、内部通報制度の改善を実施しております。

 ガバナンス体制と内部統制をより一層強化すべく、実効性のある内部統制の整備を実施するとともに、法令遵守を徹底するための社員教育とコンプライアンス体制の整備・運用を進め、財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの適切な運用が重要であると認識しております。

 コーポレート・ガバナンスに関しては、内部監査による定期的なモニタリングの実施と監査等委員や監査法人との連携を図ってまいります。また、ステークホルダーに対して経営の適切性や健全性を確保し、効率化された組織体制の構築に向けて更に内部管理体制の整備と運用に取り組んでまいります。

 

(7)継続企業の前提に関する重要事象等

 当社は、前事業年度末において純資産△420,597千円となり債務超過となりましたが、当事業年度末の当期純利益は104,907千円(前事業年度の当期純損失598,881千円)、純資産は13,363千円となり債務超過は解消されることとなりました。

 しかしながら、当社が取引金融機関との間で締結しているシンジケートローン契約における財務制限条項に抵触しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 

 なお、抵触している財務制限条項は以下の通りです。

(シンジケートローン契約)

① 各年度の決算日の貸借対照表における純資産の部の金額を2016年9月期の決算日の貸借対照表における純資産の部の金額の80%以上に維持すること

② 各年度の決算期の損益計算書における経常損益が2期連続して損失とならないようにすること

 

 当社としては、このような状況を解消すべく、取引金融機関と協議を行った結果、財務制限条項に係る期限の利益喪失につき権利行使をしないことについて、当該取引金融機関の合意が得られております。

なお、当社は当該事象又は状況を解消するための対応策として、以下のような収支改善施策に取り組んでおります。

① 自社開発製品の高粗利ソフトウエア販売へ集中

   主軸であるレシピ自動連携による食材ロス対策「飲食店経営管理システム®」シリーズのインサイドパッケージと「FOOD GENESIS」クラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドや棚卸集計システム「棚卸探偵団」、勤怠集計管理システム「Timely」、特許を取得している「自動発注システム」への高粗利ソフトウエア製品、ハードウエア専用機型から汎用機型にシフトし、二次開発を加えた配膳AIロボットや除菌AIロボット、ウイルスゲート・ショットの販売展開、人手不足によるセルフ化POSシステムセルフショット、テーブルショット、テイクショット、モバイルハンディショットなどへ販売集中します。

 

② 水平展開と代理店販売施策による収益力の向上の実施

   当社を取り巻く経営環境が変化する中において、業種・業態の水平展開できる販売商材や販売形態を臨機応変に対応してまいります。また、AIロボットを通して代理店施策を行い、販売代理店の拡大にて売上規模を伸ばしてまいります。事業シナジーのある企業との業務提携を通し、事業面及び財務面での安定化を図り、持続的な収支の改善を図るとともに、資本増強に向けた各種施策を実施し、当該状況の解消・改善に努めてまいります。

 

 また、当社は、2023年9月30日時点におけるグロース市場の上場維持基準の「時価総額」についても基準を満たしておりません。時価総額に関して、2025年9月末までに上場維持基準を充たすために引き続き取り組みを進めてまいります。時価総額基準の適合に向けた取り組みの詳細は、2023年12月下旬に公表予定です。

 

 しかしながら、これらの諸施策は実施途上であり、現時点で継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)サステナビリティに関する考え方

  当社は、「食材ロス課題を解決するシステムを基軸とし、持続可能な社会をつくるために外食産業の情報システムインフラ企業となることを目指す」をサステナビリティステートメントに掲げております。

  当社主軸製品である「飲食店経営管理システム(R)」の販売推進を通じて、食材ロス削減による地球環境改善の取り組みを進めております。

 

(2)ガバナンス

  当社では、中長期的な企業価値の向上のために、サステナビリティに関連するリスク及び機会に対処するためのガバナンス体制の構築は重要な課題と認識しており、今後、サステナビリティを巡る課題に適切に対応していくための体制整備や基本方針の策定に努めてまいります。

  なお当社は現段階においてサステナビリティ関連とその他のコーポレート・ガバナンス体制の区別はしておりません。

  現状のコーポレート・ガバナンス体制の概要については「第4提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 

(3)戦略

  具体的には、当社主軸製品である「飲食店経営管理システム(R)」は、食材ロス課題を解決するシステムとして、食材ロスの削減により地球環境改善の「環境保護」の取り組みを進めております。

  さらに、特許を取得しています拡張機能「自動発注システム」では、食材のロス削減を実現したのち、食材発注の自動化を行うもので、棚卸集計の自動化や配膳AIロボットも含め、社会の生産性や労働環境の改善につながる取り組みを提案しております。

  そして、社員の環境意識の向上を目的とし、社員食堂で利用しているカフェにて「飲食店経営管理システム(R)」を導入し、食材ロス課題に自ら取り組んでおります。また、地域社会の環境保全として、本社近隣施設の草刈りプロジェクトや、社員の健康維持として健康に関する研修講演会やウォーキングを実施しております。

 

 (人的資本について)

 当社における人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下の通りです。

 (人事育成方針)

 当社が今後成長していくためには、外食業界に精通したシステム営業、ITに精通した人材、データセンターの企画・運営及び組織拡大に対応できる管理担当など、様々な分野での優秀な人材の獲得及び育成が重要になり、プロフェッショナルな人材の育成及び獲得に努めております。また、当社は、多様な人材が最大限に能力を発揮できる環境整備を進めております。また女性が安心して働き続けられるための取り組みを推進しています。

 

(社内環境整備)

 従業員の意欲を高める取り組みとして、当社は目標管理制度(MBO)を取り入れており、個人が所属する組織の経営目標に基づき、一年間の個人目標を具体的に設定することにより、個人の実績・努力貢献度をより明確に判断し、目標に対する達成度による人事評価や、年功序列ではなく、業績に応じた昇進・昇格や各種資格手当を充実することなどで個々のキャリア形成や働くことの喜びや満足につなげております。

 また健康診断やストレスチェックを実施することによる健康保全にも努めるとともに、社員全員が働きやすい環境をつくることによって、全ての社員がその能力を十分に発揮できるようにするための環境づくりに配慮しております。また、女性の雇用率向上及び女性が管理職として活躍できる環境を整備する為、行動計画を策定しております。

 

(4)リスク管理

 当社の全体的なリスク管理体制につきましては、取締役会、監査等委員会、内部監査部門が連携し、経営活動に重大な影響を及ぼす懸念のあるリスクを迅速に認識できるような体制づくりをしております。サステナビリティ全般に関するリスクについても同様の体制づくりをしており、必要に応じて弁護士、公認会計士、税理士などの専門家と協議し、迅速かつ適切な対処ができるように努めております。

 また、全従業員を対象に「コンプライアンス研修」を実施しており、個々のリスク認識を深めております。

 

(5)指標及び目標

 当社では、(3)戦略(人的資本について)において記載した、人材の多様性を尊重しつつ、継続的な人材の育成及び社内環境整備に閲する取り組みに係る指標については、個人の目標の設定や目標に対する達成度の把握といった具体的な取り組みが行われているものの、当社における目標設定や実績の集計を本報告書提出日現在しておりません。

 

3【事業等のリスク】

 以下には、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また当社ではコントロールできない外部要因や必ずしも重要なリスクとは考えていない事項についても、投資判断の上で、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。

 当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の予防及び発生時の対応に努力する方針ですが、当社の経営状況及び将来の事業についての判断、本株式の投資判断については、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで投資家及び株主ご自身が行っていただくようお願いいたします。

1.当社事業に関するリスクについて

(1)ASPサービス事業における配信機能の停止について

 当社は、自社所有のデータセンターを活用した外食企業向けのASPサービスが主な事業となっております。その性格上、社内外における様々なネットワーク・システム及びコンピュータ・システムに依存しております。
 データセンターにおいては、セキュリティを重視したシステム構成、ネットワークの負荷を分散する装置及び24時間365日体制での監視等に取り組んでおり安全性を重視することはもちろんのこと、災害に強いといわれる外部電力に依存しない当社独自仕様のオフグリッド型のデータセンターを提供しております。当社データセンターは、アクセスの急激な増加等から負荷が一時的に増大することによるサーバーの動作不能、火災・震災・台風等による自然災害のための予期せぬ停電が長引くこと等から発生するシステム及びサーバーの障害が生じた場合、当社のサービスを停止せざるを得ない状況が起こる可能性があります。この場合、当社のシステム管理体制への不信を招き当社の業績に影響を与える可能性があります。

(2)人為的顧客データの流出について

 当社では勤怠管理サービスを提供するため顧客企業の従業員に関する個人情報を保有しております。一方、2005年4月1日に施行された「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)にともない、当社では情報を取り扱う役職員を限定し、当社データセンターの監視者には入退室時の指紋認証、サーバーアクセス時のパスワード管理等を行い、ソフト、ハード面から個人情報の保護体制を構築しております。しかし、書類の盗難及びネットワークへの不正侵入等による個人情報漏洩の可能性は否定できず、万が一このような事態が発生した場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)システム機器の品質について

 当社は、自社商品であるPOSシステム及びオーダーエントリーシステムの販売において、顧客企業への導入前の動作確認等の品質管理に重点をおいております。しかし、世界的な通信障害、急激なアクセス増加によるアクセス障害、自然災害等、予期せぬ不具合等が発生した場合は、顧客からの損害賠償訴訟等の発生は否定できず、当社の業績に影響を与える可能性があります。

(4)顧客のシステム投資計画について

 当社の主たる顧客は外食企業であり、外食業界を取り巻く経営環境や季節要因等によるシステム投資計画によって当社のシステム導入スケジュールが左右される傾向にあります。その結果、システム投資の先延ばしにより売上高に影響を及ぼし、固定費(人件費、家賃、リース料等)が先行することによって利益に影響を与える可能性があります。

2.当社組織に関するリスクについて

人材の獲得・育成について

 当社が今後成長していくためには、外食業界に精通したシステム営業、ITに精通した人材、データセンターの企画・運営及び組織拡大に対応できる管理担当など、様々な分野での優秀な人材の獲得及び育成が重要になってまいります。当社では優秀な人材の獲得及び育成に努めておりますが、適切な人材の配置が円滑に行えない場合は業績に影響を与える可能性があります。

 

 

3.その他リスクについて

(1)顧客対象が外食業界に特化していることについて

 当社のASPサービス及び商品は外食業界に特化したものであり、売上高に占める割合も外食業界に集中しております。外食業界は、BSE、鳥インフルエンザ等による食材調達の問題及び食中毒等による衛生上の問題等、食の安全にかかる不測の事態、さらには新型コロナウイルス感染症の再拡大により、業績に多大な影響を受けることがあります。また、当社の主要顧客である飲食業界は未だかつてない人手不足が生じており、従業員の離職や採用難等により人手を確保できず、業績が悪化し業績が低迷する事態においては、情報システム投資等も抑制される傾向にあり、そのような事態が発生した場合は当社の業績に影響を与える可能性があります。

(2)知的財産について

 当社は、自社企画した製品の名称及びサービスの名称の一部について商標登録を行なっており、独自に企画した顧客の注文をとる際に使う携帯型のオーダー端末「オーダーショット」に関しては2007年10月に、また「飲食店経営管理システム(R)」拡張機能の「自動発注システム」については、2017年1月に、それぞれ特許を取得しております。
 当社は、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めており、現時点において侵害していないと認識しておりますが、将来において第三者の知的財産権への侵害が生じてしまう可能性は排除できません。
 当社が、自社企画商品及びサービスを提供する上で、第三者の知的財産権を侵害していることが発覚した場合、当社への損害賠償請求、信用の低下及びブランド力の劣化等により、当社の事業運営及び業績に影響を与える可能性があります。

(3)提出会社が将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象について

 当社は、前事業年度末において純資産△420,597千円となり債務超過となりましたが、当事業年度末の当期純利益は104,907千円(前事業年度の当期純損失598,881千円)、純資産は13,363千円となり債務超過は解消されることとなりました。

 しかしながら、当社が取引金融機関との間で締結しているシンジケートローン契約における財務制限条項に抵触しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 なお、抵触している財務制限条項は以下の通りです。

(シンジケートローン契約)

① 各年度の決算日の貸借対照表における純資産の部の金額を2016年9月期の決算日の貸借対照表における純資産の部の金額の80%以上に維持すること

② 各年度の決算期の損益計算書における経常損益が2期連続して損失とならないようにすること

 

 当社としては、このような状況を解消すべく、取引金融機関と協議を行った結果、財務制限条項に係る期限の利益喪失につき権利行使をしないことについて、当該取引金融機関の合意が得られております。

 なお、当社は当該事象又は状況を解消するための対応策として、以下のような収支改善施策に取り組んでおります。

    ① 自社開発製品の高粗利ソフトウエア販売へ集中

 主軸であるレシピ自動連携による食材ロス対策「飲食店経営管理システム®」シリーズのインサイドパッケージと「FOOD GENESIS」クラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドや棚卸集計システム「棚卸探偵団」、勤怠集計管理システム「Timely」、特許を取得している「自動発注システム」への高粗利ソフトウエア製品、ハードウエア専用機型から汎用機型にシフトし、二次開発を加えた配膳AIロボットや除菌AIロボット、ウイルスゲート・ショットの販売展開、人手不足によるセルフ化POSシステムセルフショット、テーブルショット、テイクショット、モバイルハンディショットなどへ販売集中します。

 

    ② 水平展開と代理店販売施策による収益力の向上の実施

 当社を取り巻く経営環境が変化する中において、業種・業態の水平展開できる販売商材や販売形態を臨機応変に対応してまいります。また、AIロボットを通して代理店施策を行い、販売代理店の拡大にて売上規模を伸ばしてまいります。事業シナジーのある企業との業務提携を通し、事業面及び財務面での安定化を図り、持続的な収支の改善を図るとともに、資本増強に向けた各種施策を実施し、当該状況の解消・改善に努めてまいります。

 

 また、当社は、2023年9月30日時点におけるグロース市場の上場維持基準の「時価総額」についても基準を満たしておりません。時価総額に関して、2025年9月末までに上場維持基準を充たすために引き続き取り組みを進めてまいります。時価総額基準の適合に向けた取り組みの詳細は、2023年12月下旬に公表予定です。

 しかしながら、これらの諸施策は実施途上であり、現時点で継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

 

(4)配当政策について

 当社は、安定的かつ継続的な配当による利益還元によって株主に対する責任を果たすことを経営の重要課題として考えております。外食業界に特化したシステムソリューション開発に努め、積極的な設備及び開発投資と、さらなる業績の向上により内部留保を充実させ、配当の継続的実施に努めていく方針であります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある中、緩やかな持ち直しが続いている一方で、世界的なエネルギー・食料価格の高騰や欧米各国の金融引締め等による世界的な景気後退懸念など、依然として先行き不透明な厳しい経営環境が続いております。

 このような状況下、当社は、創業時より一貫し、外食企業を中心とした顧客に対し、利益追求のための食材ロス削減を実現する「飲食店経営管理システム(R)」、人件費の最適化や生産性を高めるための勤怠集計管理システム「Timely」を主力に「食材費」・「人件費」の二大原価の透明化を掲げたシステムをASP/パッケージシステムで提供するとともに、業界に特化したPOSシステム、オーダーリングシステム、周辺サービス等を通してトータルソリューションシステムを提供しております。

 その結果、売上高は1,780,779千円(前事業年度比33.2%増)と増収となりました。利益面に関しましては、営業利益56,736千円(前事業年度は営業損失515,207千円)、経常利益32,760千円(前事業年度は経常損失553,198千円)、当期純利益104,907千円(前事業年度は当期純損失598,881千円)となりました。純資産につきましては、前事業年度末に比べ433,960千円増加し13,363千円となり債務超過を解消することとなりました。これは、第三者割当増資の実施及び新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ16,231千円ずつ増加し、当期純利益104,907千円の計上に伴う利益剰余金104,907千円の増加したことによります。この結果、自己資本比率は0.7%(前事業年度末は△29.6%)となりました。

 

 セグメント別の業績は、以下のとおりであります。

事業別

 前事業年度

    (自 2021年10月1日

     至 2022年9月30日)

 当事業年度

    (自 2022年10月1日

     至 2023年9月30日)

  金額(千円)

 前年同期比(%)

  金額(千円)

 前年同期比(%)

 

ASPサービス事業

1,283,739

84.0

1,745,556

136.0

 

①ASP/パッケージシステム事業

745,925

97.7

884,221

118.5

 

②システム機器事業

494,578

75.1

818,857

165.6

 

③周辺サービス事業

43,235

40.6

42,478

98.2

 

ホテル関連事業

52,975

117.7

35,222

66.5

合   計

1,336,715

85.0

1,780,779

133.2

 

(ASPサービス事業)

 当社は、顧客である飲食店舗に対し、ASPサービス事業を核としてASP/パッケージシステム事業、システム機器事業、周辺サービス事業を一体として提供しております。当事業におきましては、2023年4月28日に開示しました「Orion Star社製 配膳・案内ロボットに関する、双日株式会社と国内の外食・飲食業への独占販売店契約締結のお知らせ」の通り、当社はOrion Star社の日本総販売代理店となった双日株式会社と外食・飲食業のOrion Star社製配膳・案内ロボットに関して、国内における外食市場向けの独占販売契約を締結し当社呼称サービスショット「α8号」などAIロボットの販売を開始したことにより、これまでのAIロボットの二次開発費用5,280千円の償却および関係会社株式評価損19,999千円の特別損失の計上を行いました。また、保守的に12,291千円の在庫評価減および増資による租税公課20,967千円の計上を行い、売上高は1,745,556千円(前事業年度比36.0%増)となり、セグメント利益は120,007千円(前事業年度はセグメント損失458,364千円)となりました。

   ① ASP/パッケージシステム事業

 当事業におきましては、店舗システム機器の納品と併せて、「飲食店経営管理システム(R)」「自動発注システム」「FOOD GENESIS」「勤怠管理システムTimely」の納品が進んだことにより、売上高は884,221千円(前事業年度比18.5%増)となりました。なお、月額サービス料は値引きや閉店などから、12ヶ月累計で692,715千円(前事業年度比4.4%減)となりました。

   ② システム機器事業

 当事業におきましては、半導体不足で入荷が遅れていたPOSシステム「FOODα4000」は、2022年11月から断続的に入荷が再開されており、また、今後の更なる有事の対応を考慮し、汎用機のWindowsPCでもPOSシステム「FOODα4000」と同等の機能を備えられるようソフトウエア対応をした「FOODα4100」(2022年10月19日リリース)を販売開始したことにより安定的な在庫が確保され、店舗システム機器の入れ替え・納品を進めることができたこと、また、配膳AIロボットα8号機の市場投入による引き合いもほぼ順調に推移しており、売上高は818,857千円(前事業年度比65.6%増)となりました。

   ③ 周辺サービス事業

 当事業におきましては、コロナ禍の影響で顧客が周辺サービスの増設に消極的であることから、その周辺サプライ商品等も減少し、売上高は42,478千円(前事業年度比1.8%減)となりました。

 

 (ホテル関連事業)

 当事業におきましては、2022年11月29日付「固定資産の譲渡及び事業譲渡の予定並びに特別利益計上に関するお知らせ」及び、2022年12月2日付「(訂正)「固定資産の譲渡及び事業譲渡の予定並びに特別利益計上に関するお知らせ」の一部訂正について」でお知らせしたとおり、当社所有のホテルに係る不動産の売却を2022年11月30日に実施しており特別利益(固定資産売却益)131,690千円、特別損失(土地売却損)22,177千円を当第1四半期に計上しております。なお、2023年9月末において、土地売却損22,177千円と事業譲渡時の固定資産売却損2,551千円を合算した24,728千円を固定資産売却損として特別損失に計上しております。

 2023年8月からは、ASP/パッケージシステム事業、システム機器事業、周辺サービス事業のトータルシステムを実施運用するためにナチュラルグリーンパークホテルのカフェでの実証実験運営を行っております。2023年7月までの実績は、売上高は35,222千円(前事業年度比33.5%減)となり、セグメント損失は63,271千円(前事業年度はセグメント損失56,842千円)となりました。

 

② 財政状態の状況

当事業年度末における資産合計は1,577,296千円となり、前事業年度末に比べ150,349千円増加いたしました。

当事業年度末における負債合計は1,563,932千円となり、前事業年度末に比べ283,611千円減少いたしました。

当事業年度末における純資産合計は13,363千円となり、前事業年度末に比べ433,960千円増加いたしました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローにより使用した資金や、財務活動によるキャッシュ・フローによって得られた資金により、前事業年度末に比べ18,139千円増加し、当事業年度末には111,688千円となりました。

 また、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果使用した資金は、22,891千円(前事業年度は使用した資金54,107千円)となりました。これは主に、税引前当期純利益113,011千円の計上などの資金の増加によるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果獲得した資金は、35,276千円(前事業年度は使用した資金110,977千円)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入185,990千円による資金の増加であります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果獲得した資金は、5,754千円(前事業年度は獲得した資金160,621千円)となりました。これは株式の発行による収入315,249千円などによる資金の増加の一方で、短期借入金の返済による支出146,815千円及び長期借入金の返済による支出169,652千円などによる資金の減少によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

ASPサービス事業

1,745,556

136.0

 

ASP/パッケージシステム事業

884,221

118.5

システム機器事業

818,857

165.6

周辺サービス事業

42,478

98.2

ホテル関連事業

35,222

66.5

合計

1,780,779

133.2

(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりで

   あります。

相手先

前事業年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

当事業年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社馬車道

354,950

19.9

(注)前事業年度の株式会社馬車道につきましては、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。

b. 売上原価実績

 当事業年度の売上原価実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

ASPサービス事業

1,011,640

87.0

 

ASP/パッケージシステム事業

346,702

80.2

システム機器事業

625,515

91.0

周辺サービス事業

39,422

92.5

ホテル関連事業

13,977

89.4

合計

1,025,618

87.0

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年12月25日)現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。また、財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績の分析

(売上高)

 売上高に関しては、外食企業を中心とした顧客に対し、利益追求のための食材ロス削減を実現する「飲食店経営管理システム(R)」、人件費の最適化や生産性を高めるための勤怠集計管理システム「Timely」を主力に「食材費」・「人件費」の二大原価の透明化を掲げたシステムをASP/パッケージシステムで提供するとともに、業界に特化したPOSシステム、オーダーリングシステム、周辺サービス等を通してトータルソリューションシステムを提供しております。その結果、売上高は1,780,779千円(前事業年度比33.2%増)と増収となりました。

 

(売上総利益・営業利益)

 システム機器事業売上高及びASP/パッケージシステム事業売上高の増加とこれらの売上原価の減少などにより、売上総利益755,160千円(前事業年度比376.6%増)、営業利益56,736千円(前事業年度は営業損失515,207千円)となりました。

 

(当期純利益)

 当期純利益に関しては、前述の影響や固定資産売却益131,690千円及び固定資産売却損24,728千円並びに関係会社株式評価損19,999千円の計上などにより、当期純利益104,907千円(前事業年度は598,881千円の当期純損失)となりました。

 

b. 財政状態の分析

 当事業年度における資産に関しては、流動資産が前事業年度末と比較して264,976千円増加し、738,508千円となりました。これは主に、売掛金243,378千円、商品52,629千円の増加などによるものです。固定資産は前事業年度末と比較して113,434千円減少し、836,663千円となりました。これは主に、関係会社株式19,999千円の評価損、土地72,177千円の減少などによるものであります。

 負債に関しては、流動負債が前事業年度末と比較して122,463千円減少し、754,131千円となりました。これは主に、短期借入金98,492千円の減少などによるものです。固定負債は、前事業年度末と比較して161,148千円減少し、809,801千円となりました。これは主に長期借入金122,595千円、社債31,000千円の減少などによるものであります。

 純資産に関しては、前事業年度末と比較して433,960千円増加し、13,363千円となりました。これは、新株式の発行に伴い資本金164,231千円、資本準備金164,231千円が増加し、当期純利益104,907千円の計上に伴う利益剰余金104,907千円が増加したことによるものであります。

 

c. 経営成績に重要な影響を与える要因について

 「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

d. 資本の財源及び資金の流動性

 当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 なお、現時点において、特記すべき重要な資本的支出の予定はありません。

 

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2021年9月期

2022年9月期

2023年9月

 自己資本比率(%)

1.4

△29.6

0.7

 時価ベースの自己資本比率(%)

105.0

74.30

155.43

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

2,352.2

△2,960.6

△5,639.9

 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

3.8

△3.3

△1.7

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い金

株式時価総額は期末株価終値×自己株式を除く期末発行済株式数により算出しております。

キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。

有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

 

e.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するため客観的な指標等

 当社は、資本効率の観点から自己資本利益率(ROE)向上による企業価値の増大を意識した経営を心がけており、収益力の強化と、企業価値の向上を目指しております。ROEの目標数値は20%以上でありましたが、当事業年度も、新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより当期純損失を計上し、ROEはマイナスとなりました。外部環境の影響等により当事業年度も目標数値には届かなかったものの、中長期的には引き続き、粗利の高いソフトウエア販売に比重を置いた戦略推し進めてまいります。

 当事業年度の配当に関しましては、前事業年度末において債務超過となり、債務超過解消に向け事業面及び財務面の改善や資本増強に向けた施策に取り組み、当事業年度末において債務超過は解消されることとなりましたが、未だ継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していることから、無配といたしました。また、配当性向について、将来の事業展開や経営環境の変化などを勘案のうえ、30%を基本方針とした方針に変更はなく、かつ安定配当の継続に努めてまいります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(オーダーショット製造委託に関する契約)

相手方の名称

契約の名称

契約内容

契約期間

株式会社中日諏訪オプト電子ファインフィットデザインカンパニー

製造委託契約書

「FOODαシリーズ」と「オーダーショット」の製造委託及び購買についての基本契約

2009年1月5日から

2010年1月4日

(解約通知がない場合は1年間自動更新)

(注)株式会社中日諏訪オプト電子ファインフィットデザインカンパニーは、2018年4月1日付でテクノホライゾン・ホールディングス株式会社(2020年10月1日付でテクノホライゾン株式会社に社名変更)の子会社である株式会社中日諏訪オプト電子に事業移管された会社であり、契約を承継しております。

 

(技術協力及びサービスの販売協力を目的とした業務提携契約)

相手方の名称

契約の名称

契約内容

契約期間

日栄インテック株式会社

業務提携契約

エネルギーコスト削減事業におけるボイラー工事などの技術協力と、サービスの販売協力

2018年11月26日から

2019年10月25日

(解約通知がない場合は

 1年間自動更新)

 

(サービスの販売協力及び技術協力を目的とした業務提携契約)

相手先の名称

契約の名称

契約内容

契約期間

株式会社アクトプロ

業務提携基本契約書

双方の顧客に対して相互の商品サービスを紹介する等の販売協力及び技術協力についての基本契約

2021年3月26日から

2022年3月25日

(解約通知がない場合は

 1年間自動更新)

 

(Orion Star社製 配膳・案内ロボットに関する販売店契約)

相手先の名称

契約の名称

契約内容

契約期間

双日株式会社

販売店契約締結

Orion Star社製 配膳・案内ロボットに関する、双日株式会社と国内における国内の外食・飲食業への独占販売店契約

(※ホテル、温泉、サウナ、アミューズメント、娯楽施設などの業種の施設内に併設されているレストラン、食事処や食堂等は除く。)

2023年4月27日から

2024年3月24日

(協議により更新)

 

 

(固定資産の譲渡及び事業譲渡)

 当社は、2022年11月29日開催の取締役会において、以下のとおり固定資産の譲渡及び事業譲渡について決議し、固定資産及び事業を譲渡いたしました。

1.譲渡の理由

 当社は、「債務超過解消に向けた計画ついて」(2022年11月14日開示)にて公表しました債務超過解消に向けた取り組みの一環として、当社所有不動産である本ホテルを宿泊施設の設計やコンサルタントを長年経験し、宿泊施設運営に専門性を持った人物が設立したリゾリートへ譲渡することを決定いたしました。

 また、当社の柱となるASPサービス事業に経営資源を集中することが、当社の企業価値の向上に資すると判断し、2023年7月末において事業譲渡しております。

 

2.固定資産の譲渡

  (1)譲渡資産の内容

所在地

資産の概要

山陽小野田市大字千崎字江ノ汐10128番2

土地 2,573.37㎡

山陽小野田市大字千崎字小富山10136番12

土地    112.9㎡

山陽小野田市大字千崎字小富山10136番14

土地  2,218.2㎡

山陽小野田市大字高畑字西百歩田10003番3

土地 2,438.76㎡

山陽小野田市大字高畑字西百歩田10003番5

土地   635.39㎡

山陽小野田市大字高畑字西百歩田10004番1

土地  2,760.6㎡

山陽小野田市大字高畑字西百歩田10005番2

土地   334.45㎡

山口県山陽小野田市高畑字鎌田10002番4

土地   49.31㎡

山陽小野田市大字千崎字江ノ汐10128番4

土地   4.71㎡

山陽小野田市大字千崎字小冨山10136番6

土地     58.32㎡

山口県山陽小野田市大字千崎字江ノ汐10128番2

上記に附帯する機械室、物置

建物 6,107.73㎡

  (2)譲渡資産の金額等

譲渡価額

帳簿価額

譲渡益

決済方法

現状

200百万円

71百万円

109百万円

現金決済

ホテル

  (3)相手先の概要

(1)

名称

リゾリート株式会社

(2)

所在地

山口県山陽小野田市千崎128番地

(3)

代表者の役職・氏名

代表取締役 井上 聡

(4)

事業内容

ホテル事業の運営

(5)

資本金

1,000,000円

(6)

純資産

先方の要請により記載を省略しております。

(7)

総資産

先方の要請により記載を省略しております。

(8)

設立年月日

2022年11月1日

(9)

大株主及び持株比率

井上 聡 100%

(10)

上場会社と

当該会社の関係

資本関係

該当事項はありません。

人的関係

該当事項はありません。

取引関係

該当事項はありません。

関連当事者への該当状況

該当事項はありません。

 

3.事業譲渡の概要

  (1)本事業の内容

  宿泊及び天然温泉の営業

  (2)本事業の経営成績

 

ホテル宿泊部門(a)

2022年9月期実績(b)

比 率(a/b)

売上高

65百万円

1,336百万円

4.9%

売上総利益

59百万円

158百万円

37.8%

営業利益

△17百万円

△515百万円

-%

経常利益

△15百万円

△553百万円

-%

  (3)譲渡事業の資産・負債及び金額

資産

負債

項目

帳簿価格

項目

帳簿価格

流動資産

30百万円

流動負債

22百万円

固定資産

4百万円

 

 

合  計

34百万円

合  計

22百万円

  (4)譲渡価額及び決済方法

譲渡価額 10万円

決済方法 現金決済

 

4.譲渡の日程

(1)

取締役会決議日

2022年11月29日

(2)

不動産売買契約締結日

2022年11月30日

(3)

引き渡し期日

2022年11月30日

(4)

事業譲渡契約締結日

2022年11月30日

(5)

事業譲渡実行日

2023年7月31日

 

5.特別利益及び特別損失の計上について

 本ホテルの譲渡に伴い、「2023年9月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」において、特別利益(固定資産売却益)131百万円、特別損失(土地売却損)22百万円として計上いたしました。

 

 (第三者割当による新株式発行)

  当社は、2023年6月30日開催の取締役会において、第三者割当による株式の発行(以下「本第三者割当増資」といいます。)を決議し、2023年7月18日に払込が完了しております。本第三者割当増資の詳細は、以下に記載のとおりであります。

1.本第三者割当増資の概要

(1)

払込期日

2023年7月18日

(2)

発行新株式数

普通株式478,000株

(3)

発行価額

1株につき522.9円

(4)

払込金額の総額

249,946,200円

(5)

資本組入額

1株につき261.45円

(6)

資本組入額の総額

124,973,100円

(7)

募集又は割当方法

(割当予定先)

第三者割当の方法により、次の者に割り当てます。

株式会社エイチアンドパートナーズ

当社普通株式

191,200株

双日株式会社

当社普通株式

172,100株

平川 雅之

当社普通株式

114,700株

(8)

その他

金融商品取引法による届出の効力は、2023年7月16日に発生しております。

 

2.今回の本第三者割当増資による発行済株式総数及び資本金の額の推移

(1)

増資前の発行済株式総数

3,501,100株(増資前の資本金の額 780,338,445円)

(2)

増資による発行済株式総数

478,000株(増加する資本金の額 124,973,100円)

(3)

増資後の発行済株式総数

3,979,100株(増加後の資本金の額 905,311,545円)

  (注)1.増資後の発行済株式総数は、増資前の発行済株式総数2023年3月31日現在の発行済株式総数(自己株式を含みます。)に、本第三者割当増資により増加する発行済株式総数を加算した数となります。

2.増資後の資本金の額は、2023年3月31日現在の資本金の額に、本第三者割当増資により増加する資本金の額を加算した額となります。

 

 (第5回新株予約権(有償ストックオプション)の発行)

  当社は、2023年6月30日開催の取締役会において、当社の取締役(社外取締役を除く)に対し、第5回新株予約権を発行することを決議し、2023年7月18日付で当該新株予約権を発行いたしました。

  詳細は、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況 ①ストックオプション制度の内容」に記載のとおりであります。

 

 

6【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。