文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
ローソングループでは、すべての活動の根底にあるものとして「グループ理念」を策定しております。
そして、このグループ理念のもとに、ローソンが目指すべきゴールイメージを明確化し、すべての活動をこのゴールイメージに向かうものとするべく、「ビジョン」を掲げております。
併せて、このビジョンを実現するために全員が一丸となって邁進していくことが可能となるよう、個人に求められる行動を明確化するべく、「ローソンWAY」を定めております。

また当社は、ローソンWAYとは別に、1998年に倫理観点での考え方や行動の指針となる「ローソン倫理綱領」、2008年にグループとして高い倫理観、誠実さや思いやりをもって行動することを宣言する「ローソングループ企業行動憲章」を制定し、当社グループ内での周知徹底に努めております。
加えて、これらのような指針の他、サステナビリティに関する「ローソングループサステナビリティ方針」、環境に関する「ローソングループ環境方針」、人権に関する「ローソングループ人権方針」など、各テーマに関する方針も定め、当社グループ内外での周知徹底に努め、公表しております。
なお、個人情報保護や情報セキュリティ、取引、調達など、各種の方針類につきましては、当社ウェブサイトに掲載しておりますので、ご参照ください。
https://www.lawson.co.jp/company/activity/sustainability/policy/
他方、当社は事業活動を通じた社会への約束として、「圧倒的な美味しさ」「人への優しさ」「地球(マチ)への優しさ」という「3つの約束」を掲げております。


(2)目標とする経営指標
当社グループは、株主資本の最適活用を図るとともに、株主との一層の価値共有を図り会社業績に連動させるため、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)及びEPS(基本的1株当たり当期利益)の向上を目標として、事業の成長に取り組んでおります。そして、中期経営ビジョン「ローソングループ Challenge 2025」の中で、お客さま・社会・仲間(加盟店や従業員など)からの「レコメンドNo.1」の獲得を目指すとともに、成長投資と株主還元のバランシングの観点から、「2025年チャレンジ指標」として、ROE15%以上、EPS500円以上を掲げております。
なお、社会環境に関する目標及び人的資本に関する目標については、「第一部企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は、創業50周年にあたる2025年度に向け、中期経営ビジョン「ローソングループ Challenge 2025」を2021年度に策定しました。この「ローソングループ Challenge 2025」では、グループ理念のもと「新しい便利」を実践し、「新・マチの“ほっと”ステーション」の実現を目指しております。そして、ローソングループ大変革実行委員会を立ち上げ、3つの約束「圧倒的な美味しさ」、「人への優しさ」、「地球(マチ)への優しさ」を軸にさまざまな取り組みを実施しております。
なお、「ローソングループ Challenge 2025」及びローソングループ大変革実行委員会の内容につきましては、当社ウェブサイトに掲載の「統合報告書2023」内の「戦略」項目をご参照ください。
https://www.lawson.co.jp/company/ir/library/pdf/annual_report/ar_2023.pdf
加えて当社は、消費者の行動変容、テクノロジーの進化という環境の中で、AIを活用した次世代発注システムの導入、アバター接客の活用、店舗DXやデジタルマーケティングなどのチャレンジに加え、全国の店舗網を活用した「QEC(Quickest E Commerce)」サービスの構築・拡大を進めており、「Real×Tech Convenience」を目指しております。
また、「成長投資と株主還元のバランシング」、「グループ会社個社の成長とローソングループ全体の成長」を通じて「2025年チャレンジ指標」を達成し、その後も更なる成長を目指してまいります。
各セグメントの戦略は次のとおりであります。
①国内コンビニエンスストア事業
当社は、国内コンビニエンスストア事業において、3つの徹底「マチのニーズに合った品揃え(マチのお客さまに喜んでいただけるお店づくり)」、「お店とマチをキレイに」、「心のこもった接客」を掲げ、「ローソン」、「ナチュラルローソン」及び「ローソンストア100」のチェーン本部としてフランチャイズシステム及び直営店舗の運営を行っております。
消費者の行動に大きな変化を与えた新型コロナウイルス感染症の流行の中においては消費者の巣ごもり需要に対応するべく生鮮や冷凍食品などの日常使いの商品を強化、人流回復に伴う外出需要が進む現在の局面においては今まで以上にこの消費行動の変化に対応し、商品の刷新や買い物しやすい売場づくりを続けております。そして、当社グループ内のデータ活用を含めたデジタル技術の活用と、共に働く仲間の働きがい、挑戦心を基盤に、「3つの約束」を追求し、これからの新しい便利を提供できる「新・マチの“ほっと”ステーション」を実現するべく変革を加速させております。なお、これらの取組みを戦略コンセプト「地域密着×個客・個店主義」の下、加速すべく、2022年度から一部導入しておりましたエリアカンパニー制を、2023年度から全国拡大しております。
また、当社は事業ポートフォリオ戦略において国内コンビニエンスストア事業をコア事業として位置づけており、今後も同事業への集中投資を通じた強化を図ると同時に、「新しい便利」の実践と持続可能な事業モデル創出に向けて、周辺事業を含むコンビニエンスストア事業の進化を加速していく方針であります。直近の主要な取組みとして、デリバリープラットフォーム各社とのシステム連携やデリバリー取扱商品の拡充を進めるなど、QECの実現に向けた取組みを進めております。
②成城石井事業
当社の連結子会社である株式会社成城石井は、スーパーマーケット「成城石井」の直営店及びフランチャイズシステムの運営を中心に事業を展開しております。
同社は、輸入、物流、製造、卸売、小売業態での販売及び飲食業態といった流れを一貫して自社で行う「食の垂直統合」という独自のビジネスモデルを構築しております。そして、強みである高品質な商品及びサービスに裏打ちされた高いブランド力を背景に、コロナ禍での巣ごもり需要を取り込むことに成功し、急速な事業規模拡大を果たしております。
2022年7月に新たな統合型セントラルキッチンである「大和第3セントラルキッチン」の操業を開始したことにより、製造能力が大幅に強化されたことを活かし、現在は、惣菜部門の新たなカテゴリー商品開発の推進や、関東圏での更なる出店加速に加え、西日本エリアへの進出及び拡大に備えた物流体制の構築をすべく、新たな物流センターの開設を予定しております。また、EC事業についても、2022年3月よりAmazon.co.jp*上で成城石井ネットスーパーを共同展開しており、EC強化やラストワンマイルビジネスの取組みを進めている状況にあります。
* Amazon及びAmazon.co.jpは、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標であります。
③エンタテインメント関連事業
当社の連結子会社である株式会社ローソンエンタテインメントは、ローソンチケットやローソントラベルなどのチケット事業、HMV店舗やEC等での音楽、映像ソフトの販売を行う物販事業などを展開しております。また、同じく当社の連結子会社であるユナイテッド・シネマ株式会社は、複合型映画館を運営するシネコン事業などを行っております。
両社を含むエンタテインメント関連事業は、事業ポートフォリオ戦略において2025年に収益の柱となる事業の一つと位置づけており、エンタメチケットとトラベルチケットのシームレスなサービス展開やM&A、アライアンスの活用も視野に入れたトラベル事業の拡大、EC事業における新商品開発や品揃え強化に加え、シネコン事業におけるプレミアムシートなどの劇場施設の高付加価値化や映画以外の上映コンテンツの拡充などによるエンタメコンプレックス事業への深化を図っております。そして両社は、これらの取組みを通じて、唯一無二のエンタテインメント総合流通企業を目指しております。なお、ユナイテッド・シネマ株式会社は、2024年3月1日付で、株式会社ローソン・ユナイテッドシネマに商号変更しております。
④金融関連事業
当社の連結子会社である株式会社ローソン銀行は、全国のローソン店舗に設置したATMを基盤としたATM事業及びリテール事業の展開に加え、ATMネットワークを通じて、ATM利用者と提携金融機関やキャッシュレス事業会社を結ぶサービスを提供しております。
金融関連事業は、事業ポートフォリオ戦略において2025年に収益の柱となる事業の一つと位置づけており、提携金融機関の拡大やローソン銀行ATMのサービス拡充により、ATM利用者数の増加に取り組んでおります。また、年間36億人以上の店舗来店者を対象に、「お客さまにいちばん近い銀行」としての新しいリテール金融サービスの提供を目指しております。
⑤海外事業
当社は、海外事業として、中国、タイ、フィリピン、米国(ハワイ州)、インドネシアにおいて、各地域の運営会社が「ローソン」店舗を運営しております。(中国、タイ、フィリピン及び米国(ハワイ州)については、当社による出資に基づく子会社を通じた事業運営を主として行っておりますが、インドネシアについては子会社を通じた事業運営ではなく、現地企業に対するエリアライセンスによるフランチャイズ事業を行っております。)
当社の海外事業のうち、最大の事業規模を誇り、海外での営業収益の主な獲得地である中国においては、当社の中国子会社による出店に加えて、上海市、重慶市、瀋陽市、北京市などの各都市における地場の小売企業とのメガフランチャイズ契約による出店や、現地のパートナー企業が本部機能を持った上で指定されたエリアにおける運営及び開発の全般を担うエリアライセンス契約による出店などを進めており、出店エリアと店舗数の拡大を加速させております。具体的には、中国における店舗数は、2023年8月には6,000店舗を突破しており、2025年度に10,000店舗展開という目標を掲げた上で、その実現に向け、新規エリアへの出店加速、既存出店エリアでの規模拡大の取り組みに加え、プライベートブランド強化などの商品戦略、デリバリー・OMO(Online Merges with Offline:リアルとオンラインの融合)・EC強化などを進めております。当社は、今後、中国における事業の状況や地政学的リスクも踏まえつつ、事業パートナーとの提携、外部資本の受入れ、株式公開、事業再編、組織再編を含め、中国子会社の成長を加速させるための事業戦略及び資本政策に関する様々な選択肢を検討する可能性があります。
また、中国以外の地域においては、タイ、フィリピン、米国(ハワイ州)、インドネシアにおいて店舗を展開しております。経済成長が著しい東南アジアでは、中間層の拡大を受けコンビニエンスストアの需要が着実に伸長しており、当社は2025年度に3,000店舗の展開を目標として事業規模の拡大に努めております。更なる出店加速に向け、現地有力企業との提携を含めた取り組みに加え、フィリピンではフランチャイズでの本格展開、多様な形態・立地での新規出店、インドネシアではジャカルタ以外の主要都市への出店エリア拡大を進めております。加えて、プライベートブランド商品やカウンターファストフードの拡充、ベンダー政策強化など、商品力の強化にも取り組んでいく方針です。
このような中で当社グループが対処すべきと考える主な課題は以下の項目のとおりであり、これらの課題に取り組むことが経営戦略の根幹であると考えております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①社会課題等への対応
当社は、ESG基軸経営を推進しており、当社グループで取り組むべき項目・課題を明確化し、課題解決に向けて全社で取り組んでおります。特に、脱炭素活動や食品ロス及びプラスチック使用量削減等を推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
②加盟店の安定した店舗経営継続と人的資本
当社は、最大のパートナーである加盟店の安定した店舗経営継続を重要課題と考えております。加盟店利益を基軸とし、店舗経費の高騰や人手不足に対し、本部がしっかりと加盟店を支援し支える体制を整備してまいります。また、デジタル技術を最大限活用し、店舗オペレーションの効率化を進め、働きやすさの追求と省人化にも取り組み、さまざまな年齢、国籍の方に店舗で働いていただける環境を整え、店舗クルー不足という加盟店の課題にも対応してまいります。さらに、加盟店の複数店経営促進による経営の安定化に向けた施策など、短期・中長期の取り組みを行い、少子高齢化等の理由によるFC加盟店オーナー不足にも対応し、加盟店との間に強いパートナーシップを築いてまいります。
一方で、当社グループの社員は、マチの幸せと高度な店舗生産性を追求する上で最も重要な資本であり、多様性を認め合う風土を醸成するとともに、最適な人事制度や研修、健康維持・向上やチャレンジしやすい環境などを整備し、働きがい及び生産性の向上を図っております。
③商品力、品揃えを強化した店舗の理想形追求
当社は、商品力の更なる強化やお客さまの生活スタイル・ニーズにお応えするお店づくりに取り組んでおります。これらの考え方に基づいた理想の店舗への改装等を進めることにより、お客さまにレコメンド(推奨)されるお店を目指してまいります。さらに、エリアごとに違うお客さまのニーズをより深く理解し、適確且つ迅速に対応するため、各エリアカンパニーが営業、商品、店舗開発等の戦略を立案し、実行する体制をさらに推進してまいります。
④将来の成長分野へのチャレンジ
グループの中心である国内コンビニエンスストア事業のほか、成城石井、エンタテインメント関連、金融関連、海外などの各事業において、将来の成長分野のビジネスモデルの確立などを中心としたチャレンジを続けるとともに、グループ各社の特徴を最大限に生かし、相乗効果の創出に努めてまいります。
その際、先進的なデジタル技術を活用するとともに、グループの有するリアルな店舗や顧客基盤等の経営資源も活用してまいります。
⑤内部統制の充実と事業リスクへの対応
継続的に事業を展開していくためには、グループ全体の内部統制の充実と事業リスクへの対応が必要不可欠と考えております。また、当社グループを取り巻くあらゆるステークホルダーの期待に応えられるよう、プライム市場上場会社としてコーポレート・ガバナンスへの積極的な取り組みを通じて、企業価値の向上につなげてまいります。引き続き、内部統制の充実と事業リスクへの対応に注力してまいります。
なお、当社は上場親会社(三菱商事株式会社)を有する上場子会社でありますが、取締役には一般株主と利益相反が生じない独立役員を3分の1以上選任することとしております。また、「指名・報酬諮問委員会」及び「特別委員会」を任意で設置しており、経営の透明性を確保し、より公正な判断ができるような体制を整備しております。
当社グループのサステナビリティに関する取組みは、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ共通
・サステナビリティに関する考え方
当社グループはグループ理念「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」のもと、「マチの“ほっと”ステーション」を目指してお客さま起点で事業活動を推進しております。マチの幸せを実現するには、未来に向けてサステナブル(持続可能)な社会を実現し、ステークホルダー(利害関係者)と共生していくことが不可欠です。当社グループは、子どもたちに豊かな未来を引き継ぐため、「ローソングループ企業行動憲章」に基づき「ローソングループサステナビリティ方針」を制定し、ステークホルダーとともに持続可能な事業活動を推進いたします。
なお、「ローソングループサステナビリティ方針」につきましては、当社ウェブサイトに記載しておりますので、ご参照ください。
https://www.lawson.co.jp/company/activity/sustainability/policy/sustainability_policy/
当社グループは、事業活動を推進する上で「3つの約束」を通じてチャレンジし、価値創造のプロセスを循環させることが「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に貢献し、持続可能な社会の実現に繋がると考え、社会課題の解決に向けて積極的に取り組みを進めております。
なお、持続可能な事業活動として、以下のような体制整備、課題・目標設定の上で、各種の取り組みを全社で推進しております。
≪ガバナンス≫
当社グループは、ESG基軸経営の実践を通じて、気候変動などの環境問題や人権などの社会的課題へ対応すべく、CSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー:最高サステナビリティ責任者)を設置し、代表取締役社長がこの任に就いております。加えて、社長直轄のSDGs推進室を専任部署として設置し、グループ全体のサステナビリティ活動に関する責任を担っております。サステナビリティに関連する部署の組織長が委員として出席する「SDGs委員会」(年4回開催)では、SDGs推進室が事務局となり、当社グループのサステナビリティに関する取り組みを推進しております。
SDGs委員会の下には、当社グループが対応すべき課題の中でも特にスピード感をもった対応が必要であると考えるテーマ(CO2排出量削減、食品ロス削減、プラスチック使用量削減、サプライチェーン、情報開示)について、ワーキンググループ等を設置し、具体的な推進施策等の検討を行っております。そこでの検討結果をもとにSDGs委員会で方向性を確認、必要に応じて経営会議、取締役会等の会議体において決裁する体制をとっております。
≪戦略≫
当社グループが取り組むべき課題については、「3つの約束」をもとに、当社グループのバリューチェーンを含めた事業活動において、環境・社会・経済に対する影響が大きい課題から優先すべきサステナビリティ上の課題(マテリアリティ)を「6つの重点課題」として整理しております。当社の各部門、当社グループの各社が「3つの約束」を徹底し、相互に連携させた意欲的な取組みを推進することで、「重点課題」への対応を進めております。さらに、その取組み状況をSDGs委員会へ定期的に報告し、グループ全体としての進捗を図っております。
<6つの重点課題>
1.安全・安心と社会・環境に配慮した圧倒的な高付加価値商品・サービスの提供
2.商品や店舗を通じてすべての人の健康増進を支援
3.働きやすく、働きがいのある環境の提供
4.子どもの成長と女性・高齢者の活躍への支援
5.社会インフラの提供による地域社会との共生
6.脱炭素社会への持続可能な環境保全活動
<「重点課題」特定のステップとマトリクス>


<ビジョンの達成を可能とする人財の育成>
ESG基軸経営を実践し、中期経営ビジョン「ローソングループChallenge 2025」、環境ビジョン「Lawson Blue Challenge 2050!~“青い地球”を維持するために!~」を達成するためには、様々な個性を持った多様な人財の活躍が必要不可欠です。多様な人財が活躍できる場を提供するため、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進並びに労働環境の整備、教育制度の充実などの取り組みも進めております。
なお、詳細につきましては、「(3)人的資本」をご参照ください。
≪リスク管理≫
当社グループでは、CRO(最高コンプライアンス・リスクマネジメント責任者)のもと、全社横断型のコンプライアンス・リスク管理委員会を設置しております。その委員会において毎年リスクを洗い出し、リスクシナリオを作成しており、その中でサステナビリティ課題に関するリスクも分析しております。作成したそれぞれのリスクシナリオを「影響度」と「発生頻度」で評価し、財務状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況、戦略面に重大な影響を及ぼすものを重要リスクとして特定しております。
なお、詳細につきましては、
≪指標・目標≫
当社は、社会課題・情勢等に鑑み、当社の創業50周年に当たる2025年及びSDGsの目標年である2030年をターゲットに、社会・環境面に関わる目標(KPI)を設定し、達成に向けて取り組んでおります。さらに、脱炭素社会の形成及びSDGsが目指す姿に貢献すべく、環境ビジョン「Lawson Blue Challenge 2050! ~“青い地球”を維持するために!~」としてより高い目標(CO2排出量削減、食品ロス削減、プラスチック使用量削減)にチャレンジしております。
上記で設定した目標(KPI)を達成するため、取締役の変動報酬の一部を「SDGs目標(CO2削減率等)」の予算達成率に基づき決定しております。
なお、詳細につきましては、
(2)気候変動への対応
当社グループは、グループ理念のもと、豊かな地球の恵みを次世代へ引き継ぐため、常に自然環境及び地域社会に配慮した事業活動を行うとともに、地域社会との共生と持続可能な発展に向けて積極的に行動することを「ローソングループ環境方針」として掲げております。
なお、「ローソングループ環境方針」につきましては、当社ウェブサイトに記載しておりますので、ご参照ください。
https://www.lawson.co.jp/company/activity/sustainability/policy/ems/
「ローソングル―プ環境方針」に基づき、環境課題への対応を進める中で、気候変動が社会に与える影響が大きいことから、当社グループの事業継続上の重要な課題の1つとして認識しております。当社グループの重点課題においても、「脱炭素社会への持続可能な環境保全活動」として、店舗・オフィスの省エネ化の推進や再生可能エネルギーの導入などの気候変動の緩和・適応に向けた取組みを推進しております。
グループの中核企業である当社は、2020年4月に「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」に賛同し、TCFDが推奨するフレームワーク(「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」)に基づき、リスク・機会の分析ならびに取り組みの推進、さらに情報開示を進めることで、株主・投資家をはじめとする幅広いステークホルダーとの良好なコミュニケーションを図っております。
≪ガバナンス≫
気候変動への対応を含む当社のサステナビリティ活動に関するガバナンスにつきましては、「(1)サステナビリティ共通」をご参照ください。
≪戦略≫
気候変動は洪水等の大規模災害による店舗の被害や原材料の調達への影響、法規制の強化による財務への影響など、事業戦略に多大な影響を与える可能性があります。そこで、当社では、事業戦略への影響を把握して事業戦略の見直しや気候変動の緩和や適応につながるさまざまな対策を検討しております。
気候変動リスクのうち、GHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)排出に関する規制等の脱炭素経済への「移行」に関するリスクと、気象災害の激甚化等の気候変動による「物理的」変化への「適応」に関するリスクが考えられ、それらは、グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社では、これらのリスクや機会による影響の発現時期並びに簡易的なシナリオ分析に基づく財務への影響度を評価しております。
<気候変動シナリオ分析>
(発現・実現時期) (財務への影響度)
短期:3年未満 大:100億円以上
中期:3年以上10年未満 中:100億円未満20億円以上
長期:10年以上 小:20億円未満
<気候変動に関する主なリスク・機会>
<気候変動に関するリスク・機会の分析対象範囲>
当社の主要事業である国内コンビニエンスストア事業としてリスク・機会の事業への影響について、分析の対象を以下のように設定してシナリオ分析を進めております。
<分析結果>
①炭素価格の導入による店舗運営コストの増加
上記で分析対象とした自社及び加盟店においては、現状の当社のGHG排出量の大半は電力に由来すると認識しております。今後、気候変動の緩和に向けた規制強化が行われ、排出量に対して炭素価格が導入された場合、当社の電力調達に際しての追加のコストとなりえます。このため、当社の将来に向けた削減努力も含めた電気使用量と調達する電力のCO2排出係数や電力価格の状況によって財務影響度は大きく左右される可能性があります。
そこで、当社が重点課題として実施している電気使用量削減の取り組みを行った場合において、将来の気温上昇シナリオ(1.5℃、2℃、4℃)に基づいた今後の炭素価格が当社の操業コストに与える影響についてのシナリオ分析を行いました。
その結果、当社が省エネに取り組んだ場合、省エネに取り組まない場合に比べて炭素価格の負担を小さくできるだけでなく、電気料金も大幅に削減することができるため、2030年の財務的影響は相当程度抑えられることが見込まれます。当社は今後も冷蔵・冷凍ショーケースへのガラス・アクリル扉の設置や太陽光パネルの設置などにより電気使用量の削減を図る店舗を新店の標準とすることを目指すなど、省エネ・創エネの取り組みを進めてまいります。
■2030年における炭素価格による財務影響
②気象災害の激甚化による店舗への影響
グループとして、大規模な災害に備えることはもちろん、災害が発生したときには「マチのライフライン」としての役割を果たすために、加盟店・本部従業員の安否や被害状況を確認し、取引先の商品供給状況の把握など、迅速に各種の災害対策を講じて被害店舗の早期復旧、営業再開(継続)を目指しております。
現在は、災害発生時にも営業継続と早期復旧ができる強い店舗網を構築していくことを目標に、気象災害の激甚化による店舗への影響評価を進めており、国内店舗の浸水リスクのスクリーニングを洪水及び高潮について実施し、それぞれA(高リスク)~E(低リスク)の5段階のグレードを付与しました。なお、スクリーニングの実施においては、浸水想定区域に含まれない店舗についても地形条件等に基づく潜在的な浸水リスクを評価し、グレードを付与しました。また、気候変動による洪水浸水被害の増加に伴う財務影響額として、店舗復旧費用増加額、及び復旧期間中の売上減少額のそれぞれの期待値を2030年、2050年について試算しました。
分析の結果、気象災害の激甚化により浸水リスクは増加するものの、2050年までは、2℃シナリオ、4℃シナリオのいずれにおいても洪水及び高潮による浸水被害の増加による財務影響は限定的であることがわかりました。
当社では、この分析結果に基づいて、BCP(事業継続計画)の見直しや災害対策マニュアルの整備、従業員を対象に研修や訓練を実施して店舗の営業継続を図るとともに、事業戦略や財務への影響を把握し、事業戦略の見直しや気候変動への適応につながるさまざまな対策を実施しております。また、台風や豪雨、豪雪による災害発生が見込まれる場合には、事前に災害対策本部を立ち上げ、計画休業を取り入れるなどして、お客さまや従業員の安全確保に努めております。
なお、分析の結果の詳細につきましては当社ウェブサイトに掲載しておりますので、ご参照ください。
③環境配慮型商品による売上高の増加
当社は、脱炭素化や食品ロス・プラスチック使用量の削減などの環境負荷を低減する取組みを進めるなかで、マチの変化、お客さまのニーズの変化に対応するとともに、社会課題の解決に取り組んでおります。昨今のお客さまの環境志向の高まりという変化に対応し、環境に配慮した商品販売の機会を最大限に拡大すべく、今後いっそう新たな商品・サービスの開発とともに環境保全に資する施策を策定してまいりたいと考えております。
その一例として、持続可能な認証商品の開発・販売の取り組みの一環で、レインフォレスト・アライアンス認証農園産のコーヒー豆のみ(一部商品は対象外)を使用した店内淹れたてコーヒーサービス「MACHI café」や、森林認証材を使用したペーパーカップや紙パックの飲料を販売しております。
これらの環境配慮型商品が脱炭素経済への移行に際し、一定の販売拡大機会を得ることができるか、シナリオ分析を行いました。分析にあたっては、将来のお客さまにおける環境志向の変化を捉え、当社販売商品に対する需要への影響を推計するために、「環境配慮型商品に対する年代別の購買層割合」の変化という要素をもとに、環境配慮型商品の売上高の変動を検討しました。
(環境配慮型商品の売上高の状況)
本シナリオ分析の結果、脱炭素化に向かう社会の中で、当社は環境に配慮した商品の開発・提供などの取組みを通じてサステナブルな社会に貢献しつつ、お客さまの環境志向の高まりに適切に対応していくことで、環境配慮型商品の売上を増加させていきたいと考えております。
≪リスク管理≫
気候関連リスクについては経営戦略リスクの主要なリスクの一つとしてとらえており、リスクが顕在化、または将来新たに生じる可能性、及びリスクがもたらす影響の大きさを分析・評価し、事業への影響度の評価を行っております。そして、リスクの重要度に応じた対応を協議し、リスクの回避、低減や付保による移転等の対応方法を策定しております。
なお、詳細につきましては、
≪指標と目標≫
詳細につきましては、「(1)サステナビリティ共通」をご参照ください。
(3)人的資本
当社グループでは、ESG基軸経営の実践において、「マチの幸せと高度な店舗生産性を実現する上で最も重要な資本である社員」を人的資本として位置づけ、人的資本を高めることでグループ理念・ビジョンの実現を目指しております。人的資本の最大化のため、経営戦略の一つとして人財戦略及びダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を推進しております。そして、3つの約束の一つである「人への優しさ」に基づき、「働きやすく、働きがいのある環境の提供」「子どもの成長と女性・高齢者の活躍への支援」「商品や店舗を通じてすべての人の健康増進を支援」を重点課題とし、意欲的に取り組むことで、マチの幸せの実現を目指しております。
≪ガバナンス≫
当社では、経営方針に係る重要な人事制度の制定・改廃につきましては、人事本部で立案、経営会議にて協議・決定をしております。スペシャリストやエキスパートなどの専門人財職種の認定は、役員にて構成する人事委員会を開催し決定しております。また、DE&I推進のため社長をトップにDE&I推進体制を構築し、取締役会への報告や必要な制度設計に取り組んでおります。
≪戦略≫
当社では、グループ理念、ビジョン、及びそのための行動指針「ローソンWAY」を明確に体系化し、その実現を担っていくコアな人財の育成に力を入れております。グループ理念の実現に向け、社員一人ひとりが“自ら考え、自ら行動する”ことができる自律型人財の育成を目的とした「育成型人事制度」を運用しております。また、次世代経営人財の育成・輩出に向けて、「次世代育成委員会」にて部長職の育成計画や後任候補について協議し、経営層が育成担当となり育成に取り組んでおります。さらに、中長期経営戦略の1つである「Real×Tech Convenience」の実現に向け、Tech人財・DX人財の育成・採用にも取り組んでまいります。
また、社員一人ひとりの能力を最大限に引き出し企業価値向上につなげるため、「働きがいのある企業」を目指し、各種人事施策立案の軸としております。「働きがいのある企業」実現に向けて、3つの観点を目指す姿として定義しております。「①社会から必要とされ、社会に誇れる企業であること」「②成長実感や誰かの役に立つ実感があること」「③誰もが働きやすく、チャレンジできるカルチャーがあること」、この3つの観点を充足することにより「働きがいのある企業」が実現できると考え、それぞれの観点に基づいて人事施策を検討・実行しております。
<人事戦略全体像と主な取り組み>
<働きがいのある企業実現に向けた3つの観点とその定義>
<人的資本取り組みにおける強化ポイント・取り組み・主な指標>
目指す姿①「社会から必要とされ、社会に誇れる企業であること」
社会から必要とされる企業であるためには、「先を見据えたビジョン」が経営層・上位職層から示され、社員一人ひとりが業務を通じてそれらを実感・共感できていることが大切であると考えており、グループ理念・ビジョン・「ローソンWAY」の浸透に取り組んでおります。2023年度社員意識調査において、グループ理念・ビジョン・「ローソンWAY」に共感している社員の割合は87.0%という結果になっております。
グループ理念・ビジョンの実現を担う自律型人財の育成に向けて、人事制度では、それぞれの職務に応じて責任範囲と果たすべき役割を明確にするとともに、個々の社員の行動評価を実施する制度を導入しております。成果に結びつく行動(プロセス)を評価する「行動・スキル評価」と、行動の結果である「業績評価」の2つの評価で処遇を決定して人財の育成につなげております。
ローソングループ大変革実行委員会のもとに「人事制度改革プロジェクト」を立ち上げ、経営層が中心となって、組織・個人の役割をより明確にするための役割記述書の作成や、役割を反映した等級・報酬・評価制度、経営人財の育成基盤整備などについて協議・検討を進めております。
目指す姿②「成長実感や誰かの役に立つ実感があること」
社員一人ひとりが自発的にチャレンジすることで「成長」を実感し、一人ひとりの多様性が育まれ、組織・会社の成長へつながると考えております。チャレンジをサポートするために、業務に必要な研修プログラムの他に、キャリア開発支援や自己啓発支援の環境整備・強化に取り組んでおります。また、働きがいや従業員満足度向上に向けて、ローソングループ大変革実行委員会のもとに「働きがい改革プロジェクト」「グループブランディングプロジェクト」を立ち上げ、社員からメンバーを募り、全社横断型の取り組みを行っております。
(キャリア開発)
社員一人ひとりが自らの将来のキャリアパスを明確に描けるよう、キャリア開発シートを活用し、キャリア開発面談を行って個人の成長を支援しております(2023年度は4,001名面談を実施)。また、20代後半の女性社員や外国籍社員、育児休職中の社員向けのキャリア研修のほか、65歳への定年延長を機に、53歳の社員を対象にキャリアデザイン研修を導入し、社員のキャリア・ライフの転機をサポートしております。人事本部主催のオンラインセミナー「Lawson Lively Link」を定例開催し、さまざまな部署の業務内容やメンバーを紹介し、他部署の業務内容への理解を深め、たて・よこ・ななめのコミュニケーションを図れる機会を設けております。
(研修プログラム、自己啓発支援)
教育・研修を専門とする「ローソン大学」を設置し、職種・階層ごとに必要とされる知識・スキルを身につけられる教育制度を運用しております。社員が自律的な成長を遂げ、“自ら考え、自ら行動する”ことができるようになるために、会社が主体的に提供する研修体系だけではなく、従業員個々人が主体的に学べる環境も構築しており、eラーニングシステムの増強、手上げ参加型のビジネススキル研修の定期的な開催、LOCP(ローソン・オープン・チャレンジ・プログラム)という自己啓発支援制度の拡充など、リスキリングの観点も踏まえ、「学びたい時にいつでも学べる」継続的かつ体系的なサポートを、すべての人財に対して提供しております。
特に2023年度からは、これからの企業活動において必要となる「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に対する研修体系の構築を始めており、係長職に向けたDX導入セミナーの開催(年に2回)や、全社員向けにeラーニングシステムを使用した「DX推進シリーズ7科目」を開設しており、今後も昇格要件とするなど強化してまいります。また、当社グループの更なる発展に向けて、課長職(主に全国の支店長)を対象に「経営者としての自覚の促進」と「更なるリーダーシップの発揮」を目的に、社長自らが研修講師となる「L経営塾」を2023年1月から開講、現在もフォローアップを目的として半期に1回のペースで開催しており、受講者より好評を得ております。
(FA制度)
新たな業務や職種に挑戦することも成長につながるため、一定の条件を満たした社員が「FA権」を獲得し、希望する職種・勤務地に手上げができる「FA制度」を設け、社員のチャレンジを支援しております。また、社員が自ら手上げで応募できる社内公募型の「キャリアチャレンジ制度」についても企画・検討を進めております。
(働きがい改革プロジェクト)
ローソングループ大変革実行委員会のもとに「働きがい改革プロジェクト」を立ち上げ、全国の社員からメンバーを社内公募し、社員の働きがい向上に向けて取り組んでおります。コミュニケーションの活性化や業務の効率化などの具体的な案を議論・検討し、働きがい向上につながる施策を役員に提案・実行しております。
(グループブランディングプロジェクト)
ローソングループ大変革実行委員会のもとに立ち上げた「グループブランディングプロジェクト」では、グループ会社が一体となり、お客さまに共感いただけるブランドの構築を目指して活動しております。ローソングループのコア・バリューは「みんなの役に立ちたいチャレンジャー」であると定義し、公式noteでの各社の社員・仕事の紹介やブランディングワークショップの開催に取り組んでおります。2024年1月には、ローソングループ初の合同イベント「Challenger's Forum ~COLORS~」を開催し、グループ各社から9名が登壇しそれぞれのチャレンジをグループ全体で共有しました。
目指す姿③「誰もが働きやすく、チャレンジできるカルチャーがあること」
会社が持続的に成長するには、社員が明るく・元気に・イキイキと安心して働くことができ、失敗を恐れずチャレンジできる組織文化であることが必要と考えております。誰もが「働きやすい職場環境」の整備とともに、「チャレンジしやすい職場環境」整備に取り組んでまいります。
<働きやすい職場環境>
(従業員エンゲージメント)
全社員を対象に社員意識調査を年1回実施し、全社的な課題を見える化し組織マネジメントの改善につなげております。社員意識調査の結果につきましては経営会議で報告し、全社的な課題解決に向けた各施策や制度の検討に活用しております。また、調査結果をもとに組織ごとのカルテを作成し、全社員に調査結果の概要と所属する組織のカルテを共有し、フィードバックを行っております。組織単位では、組織長が自組織の課題に対する改善活動をメンバーと共有し対話を行うことで、全員で職場環境の改善に取り組んでおります。年1回の社員意識調査に加え、全国の支店を対象に簡易型のパルスサーベイを導入しております。2ヵ月に1回実施し、リアルタイムで結果を確認できるため、組織改善活動のサイクルをより迅速に回すことが可能となっております。社員の意見に耳を傾け、職場改善・業務改善につなげてまいります。
(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)推進)
当社のグループ理念は、「私たちは"みんなと暮らすマチ"を幸せにします。」です。これは、社会に存在している多様性を認め合い、環境の変化に対応した新しいモノやサービスを生み出すことで、マチに貢献し、マチと一緒に幸せになることを意味しております。性別・性自認または表現・性的指向、障がいの有無、国籍、年齢の違いなどに関わらず、多様な従業員一人ひとりがもつ能力を余すことなく発揮できる環境を整備し、組織として活かし合い、商品・サービスなどの新たな価値を創造していくことで、マチ・社会の幸せに貢献してまいります。DE&Iは当社の成長に欠かせない強みであり、私たちは積極的にDE&Iを推進してまいります。
[女性活躍推進]
少子高齢化や女性の社会進出などにより、店舗に来店いただくお客さまが多様化する中、2005年からダイバーシティ推進の取り組みを本格的にスタートしました。女性社員比率30%・女性管理職比率30%を定量目標とし、新卒採用における男女比率目標50%とした採用強化、「女性社員キャリア開発研修」「女性社員選抜型リーダーシップ研修」など女性社員を対象とした研修や、仕事と育児の両立支援を目的とした「育児休職社員研修」などを開催し、女性が働き続けることができる会社を目指して継続して取り組んでおります。また、部長職・課長職への女性登用を加速させるため、メンター制度の導入などパイプラインの構築に取り組んでおります。
[男性育休取得促進]
男性の育児・家事参画を促進することで、効率的で生産性の高い働き方に繋がり、性別に関わらず働きやすい職場づくりができると考え、男性も育休取得が当たり前となることを目標に、男性の育休取得の促進に取り組んでおります。2014年度から「短期間育児休職制度」を導入し、部署へのお子様の名前入りの菓子の贈呈や、社内報での取得者のコメント紹介など取得しやすい環境づくりに努めてまいりました。さらに2022年度に出生時育休(産後パパ育休)を導入、取得率90%以上を維持しつつ、平均取得日数が12.9日(2021年度)から26.1日(2023年度)へと伸長しております。こうした取り組みの中、育児休職(長期での育児休業)を取得する男性社員も増えてきており、引き続き、男性の育休取得率・日数の向上に取り組んでまいります。
[LGBTQ+への取り組み]
性別・性自認または表現・性的指向・年齢・国籍・出身などに関わらず、一人ひとりがお客さま・加盟店・地域に対してどのような価値を提供することができるのかを考えていくことが重要であり、どのようなジェンダーであっても自分らしく働ける会社であることを目指しております。2023年度は、社内制度への同性パートナーの適用や社内通称の適用、相談窓口の設置、eラーニングやセミナーの開催など、社員一人ひとりの理解を促進し、かつ当事者が働きやすい職場環境づくりに取り組んだ結果、LGBTQ+に関する取り組みの評価指標「PRIDE指標」の最高位「ゴールド」を初めて受賞いたしました。社内コミュニティを開設し、Ally(性的マイノリティを理解し支援する人)を表明してくれた社員へのステッカー配布やAllyミーティングの開催など、理解促進に継続して取り組んでおります。
[外国籍社員]
2008年から外国籍社員の積極採用をスタートし、以降新卒採用において外国籍社員比率10~20%を目標に採用を継続しております(2023年度末の外国籍社員比率3.2%)。外国籍社員の管理職登用も増えておりますので、新卒採用における外国籍社員比率15%を目標に採用を継続するとともに、引き続き育成・登用を継続してまいります。
[障がい者]
当社グループは、働く意思と能力を有する障がい者に対して、生きがい、働きがいのある職業生活の場・チャンスを提供することは企業の社会的使命と考え、多様性のある組織づくりを今後も推進してまいります。障がい者雇用を促進するため、2013年に特例子会社ローソンウィルを設立し、当社グループ業務の一部を受託しております。さらに限定正社員としての正社員雇用も促進しております。また、視覚以外の感覚と声でのコミュニケーションを通じて様々な気づきを得る体験型研修「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の定期社員研修への導入、希望者向けの車いすバスケ体験イベントの開催などを通じて、障がい者への理解を深められる環境づくりに努めております。
[中途採用者]
中途採用社員につきましては、他業種での職務経験や特殊なスキル、ノウハウ等を有し、業界や社内の固定概念にとらわれない様々なキャリアの人財を中心に採用しております。
(多様な人財の活躍を支える人事制度)
育児・介護・がん治療との両立を目的とした「時間短縮勤務制度」の他に、勤務地・勤務時間を限定できる制度として、「フレキシブル正社員制度」「アクティブシニア正社員制度」「限定正社員制度」を設けており、個人の事情に合わせ働き方を選択できる人事制度の整備・拡充を進めております。「リモートワーク制度」を全社員対象に導入し、業務効率向上とともにワークライフバランス向上につなげております。
(安全衛生・労務管理)
社員が安心してどんな小さなチャレンジも楽しめるようにするためには、健全な労使関係、そして安全な労働環境が不可欠です。労務管理につきましては、労働法令を遵守の上、残業時間や休日・休暇の取得状況などの確認を随時実施し、労働時間の適正化に取り組んでおります。安全で働きやすい職場環境づくりを推進するため、各地区で労使代表者を構成メンバーとする衛生委員会を開催し、「安全衛生方針」をもとに、職場の実情に応じた対策を検討、実施しております。また、会社の業務で車を運転するSV(スーパーバイザー:店舗指導員)などを対象に安全管理ミーティングを実施し、安全運転に対する意識の向上を図っております。店舗においては、5S(整理、整とん、清掃、清潔、しつけ)を推進し、かつマニュアルにてオペレーションの作業手順を明示しております。これらの積み重ねを通じて、社員が安心して働くことができるようにし、多くのマチをより幸せにしていきたいと考えております。
(健康経営(健康管理))
お客さまの健康生活全般をサポートする企業として、まず社員が健康であり、そして加盟店のオーナー、クルーが健康であることが大切であると考え、2013年に健康宣言を実施いたしました。社長がCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)かつ健康ステーション推進委員会委員長を務めるなど、健康経営推進体制を整え、社内及びお客さまに向けた健康の取組みや、健康経営を強力に進めております。社長直轄組織であるローソングループ健康推進室と各部署に設置した健康アンバサダーとが協働し、「元気チャレンジ」などさまざまな健康推進施策に取り組んでおります。2022年度からの3ヶ年のKPIとして、5項目(肥満、血圧、肝機能、脂質、血糖)の検査数値適正範囲者と非喫煙者の割合をコロナ禍以前の水準に設定いたしました。社員一人ひとりが健康の保持増進を「自分事」と認識して生活習慣の見直しに取り組んでいけるよう、フォローしてまいります。また、FC加盟店オーナーの健康増進も重要なテーマと捉え、「ローソンオーナー福祉会」を通じて、健康診断の受診補助制度や健康サポートデスクの設置などの健康メニューの提供などにも取り組んでおります。なお、地域の健康課題に即した取組みなどをもとに、「健康経営優良法人2023ホワイト500(大規模法人部門)」(7年連続認定)や特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する「健康経営銘柄」(過去4度選定)において評価を受けております。
<チャレンジしやすい職場環境>
新たな顧客価値を創造するには、社員一人ひとりが自発的なチャレンジに取り組むことが必要です。当社では部署を超えたプロジェクトを立ち上げ、立場の違う社員がさまざまな視点から意見を出し合い、より良い商品やサービス等の実現に努めております。また、誰でも施策や事業のアイデアを応募できる「億チャレ(1億円チャレンジ)」など、さまざまなチャレンジ施策や褒賞制度を設け、チャレンジしやすい職場環境整備、褒める風土の醸成に取り組んでおります。
≪指標・目標≫
3つの目指す姿に対しそれぞれ指標を設定し、年度ごとに実績を確認、次のアクションへつなげております。
目指す姿①「社会から必要とされ、社会に誇れる企業であること」
(注)結果はすべて2023年度の実績となります。集計対象は、提出会社単体のものとなります。
目指す姿②「成長実感や誰かの役に立つ実感があること」
(注)結果はすべて2023年度の実績となります。集計対象は、提出会社単体のものとなります。
目指す姿③「誰もが働きやすく、チャレンジできるカルチャーがあること」
(注)1.結果はすべて2023年度の実績となります。集計対象は、(注)2を除き、提出会社単体のものとなります。
2.社員の健康状態に関する情報については、ローソン健康保険組合本人加入者が集計対象となります。
3.労働災害(通勤災害は除く)のうち、死亡を伴う労働災害件数
4.労働災害(通勤災害は除く)のうち、負傷または疾病の療養のために出勤できなくなった労働災害件数(4日以上)
5.((休業災害数+死亡災害数)/延べ総実年間労働時間)×100万時間
6.
(4)人権尊重の取組み
「ビジネスと人権」に関する企業の対応への要請は、日々強まっており、当社グループの事業活動及びサプライチェーン上における適切な対応が求められております。
2021年6月、事業活動における人権尊重の責任を果たすため、「ローソングループ企業行動憲章」に基づいた人権に関する最上位の基本方針として、「ローソングループ人権方針」を制定しました。この方針を実現するため、国際規範を支持・尊重しながら、事業活動のさまざまな場面において、人権デュー・ディリジェンスなど、人権尊重の取組みを進めます。
なお、「ロ―ソングループ人権方針」につきましては、当社ウェブサイトに掲載しておりますので、ご参照ください。
https://www.lawson.co.jp/company/activity/sustainability/policy/respect/
≪ガバナンス≫
人権尊重の取組みを推進する体制は、次のとおりです。取締役会の監督のもと、コンプライアンス・リスク管理委員会の枠組みを活用して取組みを推進しております。また、SDGs委員会など他の組織体制とも連携しながら活動しております。

≪戦略≫
人権デュー・ディリジェンスのもと、優先順位をつけながら、取組みを進めます。具体的には、中食等の製造ベンダにおける受入外国人労働者等の人権状況に着目し、人権監査実施のほか、積極的な対話を行ってまいります。他に、「ビジネスと人権」に関わる研修機会の拡大を推進するほか、ステークホルダー・エンゲージメントも強化してまいります。
≪リスク管理≫
人権尊重の取組みが不十分な場合、社会的な信用の毀損等に伴い、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。そこで、人権尊重の取組みの実行計画及び進捗状況を定期的にコンプライアンス・リスク管理委員会で報告し、今後に向けた対応を協議しております。また、個別的な事案が発生した場合に備えて、リスク統括部署その他関係部署と連携して対応する体制を整備しております。
≪指標・目標≫
「安全・安心と社会・環境に配慮した圧倒的な高付加価値商品・サービスの提供」及び「働きやすく、働きがいのある環境の提供」等の重要課題(マテリアリティ)に沿って、人権に配慮したサプライチェーンの構築・運用や、多様な人財がいきいきと活躍できる職場環境の整備などを進めてまいります。
<2023年度までの人権尊重の主な取組み>
なお、「人権研修実施状況」につきましては、当社ウェブサイトに掲載しておりますので、ご参照ください。
当社グループでは、組織目標の達成に影響を与える事象の中で、組織目標の達成を阻害するおそれのある要因をリスクとして特定し、リスクの予見と未然防止、リスク発生時の対応及びリスク収束後の改善を組織的に行うことにより、リスクの未然防止・最小化を図る対応を行っております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクは、(2)主要なリスクに記載したとおりです。なお、それらの主要なリスクは本有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、当社グループの事業に関するリスクをすべて網羅しているとは限らず、不確実性も内在しており、実際の結果と異なる可能性があります。
(1) リスク管理体制
①リスク管理に関する規程その他の体制
当社は、リスク管理を統括する部署を設置し、リスク管理に関連する規程を定めたうえ、平常時におけるグループ横断的な事前予防体制を整備しております。また、各部署において事業目的と関連した経営に重大な影響を及ぼすリスクを識別し、当該リスクが生じる可能性及びリスクがもたらす影響の大きさを分析し、重点的に対策を講じるべきリスクかどうかを評価してリスクの特性に応じた対応を実施しております。なお、その分析・評価の結果、及び対応方法等は、経営会議等にて報告され、経営に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクに対して対応を議論しており、重要な業務執行においては、取締役会、経営会議等での意思決定に際して、当該事案に係るリスクを洗い出し、そのリスクへの対応策を事前に確認、議論の上で決議、執行しております。
また、リスク管理の実効性を確保するために、コンプライアンス・リスク管理委員会会議及び情報セキュリティ委員会会議と3つの小委員会を設置し、委員会及び委員長の職務権限と責任を明確にした体制を整備するとともに、リスク管理担当者の各部署及び関係会社への配置、及びリスク管理の教育・訓練の実施により、リスク管理意識の維持・向上を図っております。
②リスク発生時の対応及び対応終了後の改善
当社は、当社グループにおけるリスクの発生により、事業の中断、損失の発生等の緊急事態・危機になり得るまたはそれらを引き起こし得る状況をインシデントと定義し、インシデント発生時には被害最小化を目的に、予め定められた報告ルート・方法に従い迅速なインシデント対応報告を行うこと及び重大なインシデント発生時の対策本部設置基準等のルールを整備しております。また、インシデント対応終了後は、発生要因を分析し、施策の見直し・改善を行い、再発防止へとつなげております。
③事業継続マネジメント
当社では、当社グループにおける重大な被害(損害)を伴う緊急事態が発生した場合においても、人命の安全確保を前提とした上で、重要な業務を中断させず、かつ、万一事業活動が中断したとしても、目標復旧時間までに再開させることを目的とした事業継続マネジメント(BCM)に係る体制及び規程等のルールを整備しております。
なお、事業継続マネジメント(BCM)に係る体制及び規程等のルールは、インシデントの原因に特定されないオールハザード型を基本とし、首都直下地震やパンデミック等の事前に想定可能な特定のシナリオに対しては、そのシナリオに沿った具体的な事業継続計画(BCP)にて体制及びルールを整備しております。
(2) 主要なリスク
当社は、当社グループにおけるリスクが生じる可能性及びリスクがもたらす影響の大きさを分析・評価し、損害規模等の影響度、及び近年の動向を踏まえた発生頻度をもとに評価を行っており、全社リスクマップとして可視化しております。その評価結果の中で、影響度や発生頻度等を踏まえた主要なリスクは以下の通りとなります。なお、サプライヤーに影響を及ぼす新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた人的リソース不足や、紛争や政治的な不安による地政学的リスク、並びに原材料価格の高騰のような経済的リスク等のサプライチェーンリスクについても、リスクの分析・評価時に考慮した上で対応を検討しております。
特定したリスクに対しては、発生頻度や影響度合いによる分析・評価の結果を踏まえ、重要度に応じた対応を協議し、それらリスクへの回避、低減や保険付保による移転等の対応方法を策定しております。
《全社リスクマップ(主要なリスクのみ抜粋)》
《経営戦略リスク》
①M&Aや業務提携に関するリスク [影響度:中、発生頻度:中]
当社グループは、株式の取得や業務提携等を通じて事業の拡大や新規事業への進出を行っております。また、これらの投資に伴いのれんを計上している場合もあります。当該事業が目論見どおりの収益を上げられない場合、のれんの減損を含め、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策等)
株式の取得や業務提携等を実施する際には、第三者機関にも評価を依頼し、十分な事前調査を行うとともに、その意思決定に際しては、精緻な事業計画を立て、撤退基準も明確に設定しております。また、実施後の事業進捗については、社内の重要会議体等において定期的にモニタリングを行い、当該リスクの低減に努めております。
②フランチャイズ(FC)事業に関するリスク [影響度:中、発生頻度:高]
当社グループは、主たる事業である国内コンビニエンスストア事業にて、フランチャイズシステムを採用し、FC加盟店オーナーとの間で締結するフランチャイズ契約に基づいて、当社グループが保有する店舗ブランド名にてチェーン展開を行っております。従って、契約の相手先であるFC加盟店における不祥事等によりチェーン全体のブランドイメージが影響を受けた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、フランチャイズシステムは、契約当事者の双方向の信頼関係により業績が向上するシステムであり、FC加盟店オーナーと当社グループのいずれかの要因により信頼関係が損なわれ、万一多くの加盟店とのフランチャイズ契約が解消される事態に至った場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策等)
FC加盟店との日常的なコミュニケーションを通じて十分な情報を提供するとともに、適切なサポートを行って、不祥事等を抑止するとともに、安定した店舗経営の継続のための各種の取組みも実施し、加盟店との間に強いパートナーシップを築いてまいります。
③銀行事業に関するリスク [影響度:中、発生頻度:高]
当社グループにおいて銀行事業を営む株式会社ローソン銀行は、銀行法、割賦販売法、犯罪収益移転防止法等の法令諸規則、監督官庁の指針等の適用を受けております。また、銀行法では銀行業者に対する自己資本比率規制、アームズ・レングス・ルール等の業務遂行上の様々な規制を定めており、これらが適切に遂行されない場合には、金融庁から営業の全部又は一部の停止等の行政上の措置が課される可能性があります。
これらの法令諸規則、監督官庁の指針等は、将来において新設・変更・廃止される可能性があり、その内容によっては商品・サービスの展開が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、キャッシュレス決済の急拡大、現金流通の急速な減少等の環境変化に対し、事業構造の変化、対応が遅れた場合にも、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策等)
株式会社ローソン銀行におけるコンプライアンス研修等を通じて、法令の遵守に努めるとともに、当社との定期的なコミュニケーションにおける情報共有、シナジー創出の検討により、環境の変化に対しても適時の変革を図ります。
④原材料調達に関するリスク [影響度:中、発生頻度:中]
原油価格の高騰や異常気象等、予測困難な問題によりさらなる原材料価格の上昇及び調達が困難となった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策等)
原材料価格の上昇による影響を抑制するために、代替原料、生産地域が異なる同一原料、複数の調達ルートの確保を図っておりますが、影響を完全に回避するものではありません。
⑤気候変動に関するリスク [影響度:大、発生頻度:高]
気候変動に伴い、GHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)排出に関する規制等の脱炭素経済への「移行」に起因するリスクと、気象災害の激甚化等の気候変動による「物理的」変化に起因するリスクが考えられ、それらは、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策等)
グループの中核会社である当社は「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」に賛同し、TCFD提言で求められるシナリオ分析を通じて、「移行」に起因するリスク・「物理的」変化に起因するリスクを特定し、当社事業のレジリエンスを向上するために活用すると共に、提言に沿った情報開示を進めております。
⑥人権に関するリスク [影響度:中、発生頻度:高]
事業活動における人権の尊重、とりわけサプライチェーン上の人権や労働環境への配慮は、社会的な要請として高まりをみせており、当社グループにおける取組みが不十分である場合、社会的な信用の毀損等に伴い、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(リスクへの対応策等)
当社グループでは、2021年6月「ローソングループ人権方針」を策定・公表しております。また、「ローソングループ取引方針」及び「ローソングループ調達方針」も踏まえ、サプライチェーン全体での人権尊重を推進しております。具体的には、取引先へのアンケートや個別的な対話、CSR監査の実施に取り組むほか、「ビジネスと人権」に関する社内研修も積極的に実施しております。
《財務リスク》
⑦資産の棄損に関するリスク [影響度:大、発生頻度:中]
当社グループは店舗を中心に多額の有形固定資産を有しております。周辺環境の変化等により十分な将来キャッシュ・フローが期待できない状況に至り、減損損失を計上する必要が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、サプライチェーンにおける取引先に対し債権を有している他、店舗の賃借に際し賃貸人へ敷金・保証金を差し入れております。そのため、取引先や賃貸人の信用状況が悪化し当社グループの債権が回収不能となった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策等)
有形固定資産の取得にあたっては、精緻な投資採算の仮説、検証の上で実施しており、十分なキャッシュ・フローの確保に努めております。また、新規の取引先等に対しては、必要に応じて信用調査を実施するとともに、既存の債権等についても管理を徹底し、必要に応じて有効な保全を図る等、毀損リスクの低減に努めております。
⑧資金調達に関するリスク [影響度:大、発生頻度:中]
当社グループは、主に金融機関からの借入やリースにより資金調達しており、金融市場の混乱等の要因により、適時に想定している条件での資金調達が出来ない可能性があります。また、調達の一部は変動金利率となっているため、資金調達環境の変化が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策等)
当社グループは、資金調達環境が急変した状況においても必要な運転資金を即時に調達できるよう、資金調達先及び手段の多様化を進め、必要な資金調達枠を確保しております。また金利等の市場動向を注視し、資金調達先や期間の分散、及び固定金利での調達の利用により、金利変動による影響を抑制するように努めておりますが、影響を完全に回避するものではありません。
⑨為替の変動に関するリスク [影響度:小、発生頻度:高]
当社グループは、海外事業に係る外貨建ての資産・負債を有しております。また、海外調達している商品・原材料等については原則として円建てで契約しておりますが、契約価格は契約時点の為替レートが基準となります。そのため、為替レートの変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策等)
海外調達している商品・原材料等については、契約数量や時期を分散することで、為替レートの変動による影響の軽減に努めておりますが、影響を完全に回避するものではありません。
《オペレーショナルリスク》
⑩食品の安全性に関するリスク [影響度:大、発生頻度:高]
当社グループは、主たる事業である国内コンビニエンスストア事業、成城石井事業及びエンタテインメント関連事業にて、お客さま向けに食品の販売を行っております。万一、店内調理品やプライベートブランドの食品で食中毒、異物混入等の重大事由又は食品表示の誤りが発生した場合、お客さまの信頼を損ない、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策等)
当社グループでは、取引先及び店舗と協力して製造プロセスから配送・販売に至るまで、品質管理を厳守し、消費期限、賞味期限、産地、原料、アレルゲン等の表示を適切に行うとともに、厳格な衛生管理と期限管理を行っております。万一当該事由が発生した場合、できる限り速やかにマスコミ等に公表することにより、お客さまへの影響を最小限に抑えるとともにお客さまの信頼確保や回復に努めてまいります。
⑪ITシステムに関するリスク [影響度:大、発生頻度:高]
地震等の自然災害やコンピューターウイルスの感染等により、ITシステムに不具合が生じた場合、商品配送の混乱、店舗サービス業務停止が予測されます。結果として当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策等)
近年のサイバー攻撃リスクの高まりも踏まえ、サイバーセキュリティに関しては、技術的側面、プロセス/人的側面、物理的側面等、多面的に対策を講じて、セキュリティの強化に努めております。また、万一問題が発生した際に備え、平時に訓練を行うことで、当該リスクの低減に努めております。
⑫個人情報の取扱いに関するリスク [影響度:大、発生頻度:中]
当社グループでは、事業の過程において、お客さま、株主、取引先、FC加盟店オーナー等の個人情報を取り扱っております。万一、個人情報の漏洩・流出が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策等)
当社グループは、不正なアクセス等による個人情報の漏洩及び流出を重大なリスクと認識し、「情報セキュリティ・ポリシー」に沿った最善の対策を講じるとともに、「ローソングループ個人情報保護方針」を制定し、当社グループ内にも周知徹底しております。万一当該事由が発生した場合、速やかに公表等することにより、お客さま等関係者への影響を最小限に抑えるとともに、再発防止を図り関係者からの信頼確保や回復に努めてまいります。
⑬レピュテーションに関するリスク [影響度:中、発生頻度:高]
当社グループの商品・サービスの品質不良や、店舗等で発生する事件事故、当社グループの役職員・FC加盟店の不祥事等、当社グループのあらゆる活動における問題発生による評価・評判の悪化は、ブランド価値を低下させ、販売不振等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策等)
コンプライアンス・リスク管理研修等を通じて各種問題発生の防止に努め、万一問題が発生した際には、できる限り速やかに調査・現状把握を行った上で、喫緊の対応策・企業方針・再発防止策等を適切に対処することにより、お客さま等関係者への影響を最小限に抑えるとともに信頼確保や回復に努めてまいります。
《コンプライアンスリスク》
⑭法規制等に関するリスク [影響度:小、発生頻度:中]
当社グループは、コンビニエンスストア事業にて、日本全国47都道府県及び中国、タイ、インドネシア、フィリピン、米国(ハワイ州)に店舗を展開しており、出店地域における、店舗開発、店舗営業、衛生管理、商品取引、環境保護等に関する様々な法規制を遵守し、事業を推進する上で必要な許認可を取得し、事業を行っております。
将来において、予期せぬ法規制の変更、行政の指導方針の変更等が生じた場合、新たなコストが発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策等)
当社は、平時から法令の改正情報等の収集・分析を実施し、事前対処により影響の低減を図りますが、予期せぬ変更等が生じた際には、できる限り速やかに対処し、当該変更後の法令等のもとでの収益向上、成長に努めてまいります。
《ハザードリスク》
⑮災害に関するリスク [影響度:大、発生頻度:高]
当社グループは、コンビニエンスストア事業にて、日本全国47都道府県に店舗等を展開するナショナルチェーンであるとともに、中国、タイ、インドネシア、フィリピン、米国(ハワイ州)に店舗を展開しております。そのため、地震・津波・洪水・高潮・台風・大雪等の自然災害の到来によりライフラインの停止や、当社グループの店舗、ベンダー工場、物流センターその他の施設に物理的な損害又は商品配送の混乱が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策等)
当社グループは、災害による会社への著しい損害を及ぼす事態の発生を想定し、人命の安全確保を前提とした防災訓練を年間3回実施しております。訓練により、従業員の安否確認や店舗・ベンダー・物流センター等の被害状況確認等、当社で定めた「災害対策マニュアル」等の実効性の確保に努めております。また、当社は、指定公共機関として事業中断を最小限にとどめコンビニエンスストアが持つ生活インフラ機能を維持するために、事業継続マネジメント(BCM)体制を整備し、首都直下地震等の想定可能なシナリオに対しては事業継続計画(BCP)を策定していることから、防災訓練では事業継続計画(BCP)の実効性についても確認を行っております。なお、保険付保により、一部、リスクの移転を行っております。
⑯新型感染症に関するリスク [影響度:大、発生頻度:中]
当社グループは、お客さまに安心してお買い物をしていただくことと、店舗で働く従業員の安全を目指し、新型コロナウイルス感染症の予防に向け取り組みました。今後、新型感染症の拡大に伴う感染拡大防止に向けた日本政府からの緊急事態宣言の発出等によって、一時的な店舗休業や企業活動・社会生活・消費動向の大幅な変化等が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策等)
新型感染症等のパンデミックにおいても、当社グループの主たる事業である国内コンビニエンスストア事業は、社会的機能維持のために店舗の営業が継続できるよう、フランチャイズ本部として必要な一定の業務レベルを保つことを目的とした事業継続マネジメントに関わる体制及び規程等のルールの整備に努めております。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大した際には、社会生活・消費動向の大幅な変化等が発生しましたが、その変化を好機でもあると捉え、ローソングループ大変革実行委員会を発足させ、新しいニーズの先取り、ニューノーマル対応にチャレンジし、現在も継続してそれら取組みを行っております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更されるなどアフターコロナへの移行が進む中で、グループ一丸となって中期経営ビジョン「ローソングループ Challenge 2025」の実現に向けて取り組みました。具体的には、2020年9月に立ち上げたローソングループ大変革実行委員会の各種施策を推進するとともに、グループ全体で持続的な成長に向けた中長期課題の解決、新たな収益機会の獲得及び働きがいの向上に取り組むとともに、多様な人財が活躍する職場環境や体制づくりのため、各種LGBTQ施策を導入し、「PRIDE指標2023*1」において「ゴールド」を受賞しました。また、「地域密着×個客・個店主義」の実現に向けてカンパニー制を全国8エリアに拡大し、よりお客さまに近い現場で顧客価値の創造を徹底追求する体制を強化するために権限及び機能を本部から現場に移行し、各種施策を推進しました。
*1 一般社団法人work with Prideが2016年に策定した、職場におけるLGBTQ+などのセクシュアル・マイノリティへの取り組みの評価指標です。
これらの結果、当期の連結業績は、営業収益1兆879億64百万円(前期比8.8%増)、税引前当期利益772億92百万円(同64.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益521億48百万円(同75.5%増)となりました。
また、2023年度内部統制システムの整備の基本方針に基づき、当社グループ全体の内部統制の充実と事業リスクへの対応にも注力してまいりました。今後ともより一層、内部統制の充実を図ってまいります。
セグメントの業績は次のとおりです。
(国内コンビニエンスストア事業)
当期におきましては、人流は総じて増加傾向となる中で、大変革実行委員会で進めてきた店舗改装及び冷凍食品や日用品などの日常使いの商品の拡充を基盤に、各エリアカンパニーで品揃えの「幅」と在庫の「量」にこだわった売場の強化を推進しました。2022年に本格導入を開始した「無印良品」の導入店舗数は2024年2月末日現在12,712店舗となり、物流の2024年問題やCO2排出量の削減への対応として、2023年12月からチルド・定温商品の配送回数を3回から2回へ順次変更しております。また、創立50周年を迎える2025年に向けて、「マチの“ほっと”ステーション」を実現するためのプロジェクト「ハッピー・ローソン・プロジェクト!(ハピろー!)」を引き続き展開し、すべてのお客さまから支持されるローソンを目指し、「圧倒的な美味しさ」「人への優しさ」「地球(マチ)への優しさ」の3つの約束を実現するための施策を推進しております。
ローソンならではのおいしくかつ健康を意識した商品の魅力を一層強化することに加えて、店舗における心のこもった接客を徹底するとともに、食品ロスやプラスチック使用量及びCO2排出量の削減といった地球環境に配慮した取り組みを継続しております。
[店舗運営の状況]
店舗運営につきましては、引き続き3つの徹底(①心のこもった接客、②マチのニーズに合った品揃えの徹底、③お店とマチをきれいにする)の強化に努めてまいりました。お客さまの生活と価値観の変化に対応した商品の品揃えを拡充し、売上向上に努めるとともに、店舗オペレーションの効率化や廃棄ロス・水道光熱費の抑制など、加盟店利益の向上に向けた取り組みを継続しております。
[商品及びサービスの状況]
人流の増加に伴い、カウンターファストフード、ソフトドリンク及び米飯の売上が伸長したほか、店内調理サービス「まちかど厨房」、ベーカリーや化粧品などの売上が伸長しました。カウンターファストフードは「からあげクン」などの定番商品に加え、新商品である「Lから」などが売上を牽引し、米飯はリニューアルした「金しゃりおにぎり」シリーズなどのおにぎりの売上が好調に推移しました。店内調理サービス「まちかど厨房」は定番商品である丼タイプに加えてセパレートタイプの弁当の売上が好調に推移しました。また、日配食品では新商品である「じゅわバタ塩メロンパン」や定番商品の販売が好調だったベーカリーやアイスクリームが売上を牽引し、非食品では「無印良品」や人気コスメブランドと共同開発した新ブランドの化粧品の売上が伸長しました。
「Uber Eats(ウーバーイーツ)」を含む4社のフードデリバリーサービスの導入店舗数は2024年2月末日現在で47都道府県の4,884店舗となりました。なお、「Uber Eats」では、一般用医薬品の取り扱いを22都道府県の115店舗で実施しております。
<国内コンビニエンスストア事業の商品別チェーン全店売上高>
[店舗開発の状況]
出店につきましては、収益性を重視した店舗開発を継続しております。
当期における「ローソン」「ナチュラルローソン」「ローソンストア100」の国内の出店数は280店舗、閉店数は268店舗となり、2024年2月末日現在の国内総店舗数は14,643店舗となりました*2。
高齢化や健康意識の高まりなどに対応したコンビニエンスストアモデル構築への取り組みとして、調剤薬局、ドラッグストアチェーンとの提携により、一般用医薬品や調剤薬品を取り扱うとともに、通常のローソンよりも化粧品、日用品などの品揃えを増やしたヘルスケア強化型店舗を継続して展開しております。このヘルスケア強化型店舗も含めた一般用医薬品の取扱店舗数は、2024年2月末日現在で309店舗(うち、調剤薬局併設型店舗数は45店舗)となりました。また、介護拠点併設型店舗数は、2024年2月末日現在で19店舗となりました。さらに、病院内コンビニエンスストアとして、コンビニエンスストアの標準的な商品やサービスに加え、医療衛生・介護関連用品などの品揃えを強化した「ホスピタルローソン」の展開は、2024年2月末日現在で342店舗となりました。引き続き、これまで培った病院内コンビニエンスストアのノウハウを生かし、病院に関わるあらゆる人々の生活をサポートしてまいります。
美しく健康で快適なライフスタイルを身近でサポートするお店として、お客さまに支持されている「ナチュラルローソン」は、体に優しい素材を使った食品や環境に配慮した洗剤や化粧品などを厳選し、「ナチュラルローソン」にしかないこだわりと価値のある商品を取り揃えております。また、「ローソンストア100」は鮮度にこだわった安心・安全で良質な野菜や果物と日常生活に密着した商品を取り揃え、「献立応援コンビニ」として、毎日の食生活を応援しており、単身者・主婦を中心に、お子さまからご高齢の方まで幅広いお客さまにご利用いただいております。2024年2月末日現在で「ナチュラルローソン」の店舗数は130店舗、「ローソンストア100」の店舗数は648店舗となりました。
*2 出店数、閉店数、国内総店舗数には、当社の運営する店舗のほか、株式会社ローソン高知、株式会社ローソン南九州、株式会社ローソン沖縄の運営する店舗を含めております。
<国内店舗数の推移>
<国内地域別店舗分布状況(2024年2月29日現在)>
(注)上記表には、当社の運営する店舗のほか、株式会社ローソン高知、株式会社ローソン南九州、株式会社ローソン沖縄の運営する店舗を含めております。
これらの結果、国内コンビニエンスストア事業の営業収益は7,553億97百万円(前期比8.2%増)、セグメント利益は697億34百万円(同46.5%増)となりました。
(成城石井事業)
株式会社成城石井は経営理念「食にこだわり、豊かな社会を創造する。」のもと、こだわりのある独自性の高い食品をお客さまに提供しております。路面、駅ビル、商業施設などに、多様な店舗フォーマットを展開し、高い商品開発力を生かしたオリジナル商品、自家製商品などで「成城石井」ブランドをお客さまにお届けしております。2024年2月末日現在の株式会社成城石井の直営店舗数は181店舗となりました。コロナ禍で売上が伸び悩んでいたオフィス店舗の売上が回復し、商品では日配食品や自社のセントラルキッチンで製造している自家製惣菜の売上が堅調に推移したほか、路面店舖を中心に青果、精肉、鮮魚などの生鮮品の売上も伸長しました。また、2023年11月には1号店である成城店を新たな旗艦店として全面リニューアルしております。今後も、情報発信型製造小売業として、価値ある商品の持続的な開発や、魅力ある販促・広報活動を推進し、「成城石井」のブランド力の向上に努めてまいります。
これらの結果、成城石井事業の営業収益は1,125億44百万円(前期比2.2%増)、セグメント利益は122億47百万円(同4.3%減)となりました。
(エンタテインメント関連事業)
株式会社ローソンエンタテインメントにつきましては、チケット事業におきまして、コンサート、レジャーなどのジャンルが活況となりました。加えて各ジャンルで案件獲得及び販売強化に注力した結果、チケットの取扱高は前期を上回りました。音楽・映像ソフトの専門店「HMV」などの店舗における物販事業は、人流の増加による売上伸長に加えコンサートやイベントの開催増加に伴い関連商品が売上を牽引しました。EC事業におきましてはアーティストグッズなどに加えコスメなどの商材領域の拡大にも取り組んでおります。なお、「HMV」を中心に、書籍・CD・DVDなどを販売する複合店「HMV&BOOKS」やレコード専門店「HMV record shop」を含め、2024年2月末日現在の店舗数は49店舗となりました。
シネコン事業を行うユナイテッド・シネマ株式会社につきましては、春の大型連休や夏休みに続き集客力の高い話題作品が公開されたことや、高単価の体感型映画上映システムの作品が好調だったことなどから、動員客数及び売上が前期を上回りました。2024年2月末日現在、全国43劇場、398スクリーンを展開しております。なお、ユナイテッド・シネマ株式会社は、2024年3月1日付で、株式会社ローソン・ユナイテッドシネマに商号変更しております。
これらの結果、エンタテインメント関連事業の営業収益は808億84百万円(前期比12.1%増)、セグメント利益は65億93百万円(同35.7%増)となりました。
(金融関連事業)
金融関連事業につきましては、株式会社ローソン銀行のATMネットワークやATMの基盤を活用した新しいサービスの拡充に努めてまいりました。2024年2月末日現在、全国のATM設置台数は13,591台、1日1台当たりのATM平均利用件数は55.9件、提携金融機関数は全国で401金融機関となりました。また、ATMでの現金チャージの提携先は15社、「スマホATM(QR入出金)*3」の提携先は8社、「即時口座決済サービス*4」の提携先は25社(金融機関19行、サービス事業者6社)、海外送金専用カードの提携先は12社となりました。現金の入出金に加え、キャッシュレス決済サービスへのチャージ取引などがATM利用件数の増加に寄与しております。また、新紙幣(2024年7月から流通予定)への対応やユニバーサルデザイン視点を踏まえたATMの新型機を2024年1月から順次導入しております。
株式会社ローソン銀行が発行するクレジットカード「ローソンPontaプラス」につきましては、ローソンやPonta提携店舗で利用できるメリットを訴求することにより、利用の促進に継続して取り組んでおります。
*3 スマートフォンのアプリを用いてATMでカードを使わずに入出金、カードローンの借入れ、返済ができるサービスです。
「スマホATM」は株式会社セブン銀行の登録商標です。
*4 ATMネットワークを活用して金融機関口座からスマートフォンなどの決済アプリにチャージできるサービスです。
これらの結果、金融関連事業の営業収益は356億82百万円(前期比3.5%増)、セグメント利益は29億60百万円(同23.1%減)となりました。
(海外事業)
海外事業につきましては、中国、タイ、フィリピン、米国(ハワイ州)、インドネシアにおきまして、各地域の運営会社が「ローソン」店舗を展開しております。
中国につきましては、2023年8月に6,000店舗を突破し、2024年2月末日現在の店舗数が6,288店舗と前期末比で668店舗の純増となりました。当社子会社による出店に加え、各都市における地場小売企業とのメガフランチャイズ契約による出店や、パートナー企業が本部機能を持ち指定エリアにおける運営開発全般を担うエリアライセンス契約による出店などを進め、出店エリアと店舗数の拡大を加速させております。2022年末から2023年1月初旬にかけての新型コロナウイルス感染症拡大のピークが過ぎ、回復の度合いに地域差はあるものの人流の回復とともに日販が伸長しました。今後も当社の強みである米飯、デザートなど高品質なオリジナル商品を提供し、中国におけるローソンブランドの価値を高めるとともに、デリバリー事業を強化するなど、収益拡大に取り組んでまいります。
中国以外の地域につきましては、各国での新型コロナウイルス感染症に関する行動規制の撤廃及び緩和による人流回復などの影響により売上が伸長しました。店舗出店を加速させる体制も整いつつあり、タイ、フィリピン、米国(ハワイ州)、インドネシアの4か国合計で2024年1月には1,000店舗を突破し、2024年2月末日現在の店舗数が1,056店舗と前期末比で516店舗純増となりました。当地域では過去最大の出店を実現しており、今後もお客さまの暮らしを支える最も身近な店舗として営業し、更なる収益拡大に取り組んでまいります。
[海外地域別ローソンブランド店舗分布状況]
これらの結果、海外事業の営業収益は1,146億86百万円(前期比20.8%増)、セグメント利益は25億1百万円(前期はセグメント損失49億99百万円)となりました。
販売の実績は、次のとおりであります。
当社グループは、国内コンビニエンスストア事業を主な事業内容とし、成城石井事業、エンタテインメント関連事業、金融関連事業及び海外事業等を営んでおります。
下記販売の実績は、国内コンビニエンスストア事業に係るものであります。
a 商品別売上状況(直営店)
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
b 商品別売上状況(加盟店)
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
c 国内コンビニエンスストア事業 グループ全店売上高
(注) 1.上記金額には消費税等は含まれておりません。
2.グループ会社は、株式会社ローソン高知、株式会社ローソン南九州及び株式会社ローソン沖縄の運営する店舗の売上高を合計しております。
3.チケット等取扱高は、当社グループの運営する国内のコンビニエンスストア事業全て(当社及びグループ会社を含む)の取扱高を合計しております。
当連結会計年度末の資産の状況につきまして、流動資産は、前連結会計年度末と比べ360億29百万円増加し、7,158億68百万円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が329億41百万円増加、営業債権及びその他の債権が106億47百万円増加、ファイナンス・リース債権が60億3百万円減少、その他の金融資産が27億15百万円減少したことによるものです。非流動資産は、前連結会計年度末と比べ190億47百万円増加し、1兆5,816億30百万円となりました。これは主に、無形資産が125億86百万円増加、有形固定資産が68億72百万円増加、差入保証金が45億85百万円増加、その他の金融資産が26億56百万円増加、使用権資産が111億64百万円減少したことによるものです。この結果、資産合計は前連結会計年度末と比べ550億76百万円増加し、2兆2,974億98百万円となりました。
当連結会計年度末の負債の状況につきまして、流動負債は、前連結会計年度末と比べ1,059億12百万円増加し、1兆111億92百万円となりました。これは主に、その他の金融負債が1,453億9百万円増加、営業債務及びその他の債務が244億85百万円増加、預り金が712億70百万円減少したことによるものです。非流動負債は、前連結会計年度末と比べ862億78百万円減少し、9,970億5百万円となりました。これは主に、借入金が799億円減少、リース負債が74億82百万円減少したことによるものです。この結果、負債合計は前連結会計年度末と比べ196億34百万円増加し、2兆81億97百万円となりました。
当連結会計年度末の資本の状況につきまして、前連結会計年度末と比べ354億42百万円増加し、2,893億円となりました。これは主に、利益剰余金が327億79百万円増加、その他の資本の構成要素が19億6百万円増加したことによるものです。この結果、親会社所有者帰属持分比率は12.4%(前連結会計年度末は11.1%)となりました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ329億41百万円増加し、4,324億64百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に銀行業におけるコールマネーの純増減、預り金の増減額、営業債権及びその他の債権の増減額、法人税等の支払額などにより、前連結会計年度と比べ736億90百万円増加し、3,833億90百万円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、無形資産の取得による支出の増加、投資の売却、償還による収入の減少などにより、前連結会計年度と比べ153億85百万円支出が増加し、△671億10百万円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済による支出の増加、借入れによる収入の増加などにより、前連結会計年度と比べ320億3百万円支出が増加し、△2,845億51百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性は、新規出店、既存店舗の改装及び新規ビジネスの他、配当金の支払等に資金を充当しております。
運転資金と投資資金については営業キャッシュ・フローでの充当を基本とし、必要に応じて資金調達を実施しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、連結財務諸表の作成に用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 及び 4.重要な会計上の判断及び見積り」に記載しております。
(1) 主要な加盟契約の要旨
a 当事者(当社と加盟者)の間で、取り結ぶ契約
(a)契約の名称
フランチャイズ契約
(b)契約の本旨
当社の許諾によるローソン・ストア経営のためのフランチャイズ契約関係を形成すること。
b 加盟に際し、徴収する加盟金、その他の金銭に関する事項
c フランチャイズ権の付与に関する事項
(a)当該加盟店におけるローソン・ストア経営について“ローソン”の商品商標・サービスマーク・意匠・その他の標章の使用権。
(b)当社のサポートのもと、ローソン・チェーンシステムの経営ノウハウ及びローソン・ストア経営に必要な各種マニュアル・資料・書式等が提供され、これらを使用する権利。
(c)当社が貸与する店舗設備・什器備品の使用権。
d 加盟店に対する商品の販売条件に関する事項
(a)加盟者の開店時に在庫する商品は、開店日までに当社が準備しますが、商品代金は加盟者が負担します。商品代金の支払は、第b項の出資金により一部が充当決済され、残額は、開業後、日々加盟者が当社に送金する売上代金から随時充当決済されます。
(b)開店後は加盟者が当社の推奨する仕入先及びその他の仕入先から商品を買い取ります。商品代金の支払は、加盟者が当社に送金する売上代金から随時充当決済されます。
e 経営のサポートに関する事項
(a)加盟に際しての研修
加盟者を含む専従者は当社の定める研修のすべての課程を修了する必要があります。
(b)研修の内容
イ スクールトレーニング(5日間)
当社の実施するローソン・チェーンシステムの理解、販売心得、接客方法、商品管理、法令遵守、従業員管理、経営計画書の策定
ロ ストアトレーニング(14日間)
トレーニング店及びオープン予定店においてオープンに向け必要となる技術、技能の修得
(c)加盟者に対する継続的な経営サポート方法
イ 新規オープンに関するサポート
ロ 教育研修に関するサポート
ハ 商品仕入販売、収納代行等のサービス業務に関するサポート
ニ 接客及び服装、身だしなみに関するサポート
ホ 店舗の清潔感の保持、衛生管理に関するサポート
ヘ 商品及び営業用消耗品の仕入先推奨
ト 商品配送便の運行に関するサポート
チ 販売促進活動に関するサポート
リ 会計業務に関するサポート
ヌ 防犯防災対策に関するサポート
ル 店舗の運営状況の確認に関するサポート
f 契約の期間、契約満了後の新規契約及び契約解除に関する事項
(a)契約期間
イ 契約の開始日……契約締結日
ロ 契約の終了日……新規オープン日の属する月の初日から満10か年目又は満5か年目の日
※契約の終了日を満5か年目の日とする契約(5年契約)は、当社が店舗を用意する場合に選択可能
(b)契約満了後の新規契約の条件及び手続
契約満了により終了し、更新はありません。但し、契約終了の6か月前までに本部と加盟者が合意した場合には最新のフランチャイズ契約により再契約を締結します。
(c)契約解除・解約の条件
当社又は加盟者がフランチャイズ契約上の定めに重大な違反をした場合や、信用不安となった場合など、フランチャイズ契約を継続しがたい事由が生じた場合は、その相手方はフランチャイズ契約を解除することができます。
解約すべきやむを得ない事由がない場合でも、当社又は加盟者は6か月前までに通知して解約金を支払いフランチャイズ契約を解約することができます。
g 加盟者から定期的に徴収する金銭に関する事項
原則として総荒利益高に下記の割合を乗じた金額を、当社が実施するサービスの対価として徴収します。
(a)加盟店が店舗を用意するフランチャイズ店
(b)当社が店舗を用意するフランチャイズ店
h 経費負担に関する事項
店舗営業に伴う経費は原則加盟者負担となります。
ただし、契約店舗の電気代及び店内空調にかかる燃料費については、その半額(上限金額は月額25万円まで)を当社が負担します。また、契約店舗で生じる商品の見切・処分については、その一部を当社が負担する支援を行います。
(2)業務提携契約書
(三菱商事株式会社との契約)
当社は、2016年9月16日開催の取締役会において、当社が三菱商事株式会社(以下「三菱商事」といいます。)との間で2000年2月に締結した業務提携契約(その後の改定を含みます。以下「原業務提携契約」といいます。)を変更することについて決議し、同日付で業務提携契約を締結いたしました(2017年2月15日発効)。
a 原業務提携契約の変更の理由
当社及び三菱商事は、三菱商事が当社を連結子会社とすることによって、国内コンビニエンスストア事業、海外コンビニエンスストア事業及びそれ以外の周辺事業において、三菱商事の有するネットワーク・人的リソースを当社が今まで以上に活用することで、従来以上に連携を深め当社の事業基盤の更なる強化に取り組むことが必要であるとの結論に至りました。
b 原業務提携契約の変更内容
(a)業務提携の分野は以下のとおりとする。
イ 国内コンビニエンスストア事業
ロ 海外コンビニエンスストア事業
ハ 周辺事業
ニ その他両者が別途合意する事業
(b)三菱商事は、当社の経営の独立性、主体性を尊重し、かつ、フランチャイズビジネスの本質である加盟店の利益も尊重して、業務提携を行う。
(c)業務提携を効果的かつ実質的に推進することを目的に、三菱商事はその人員を両者協議の上必要に応じて派遣するものとし、当社はこれを受け入れる。
(d)本契約は、2016年9月16日付で実施を公表した三菱商事による当社の普通株式に対する公開買付けの決済開始日をもって発効するものとし、当社及び三菱商事にて別途書面による合意がなされるまで有効に存続する。
(3)資本業務提携契約
当社は、2024年3月27日開催の取締役会において、KDDI株式会社(以下、「KDDI」といいます。)による当社の普通株式等に対する公開買付け(以下、「本公開買付け」といいます。)に関して、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆さまに対しては、本公開買付けへ応募することを推奨することを決議しておりますが、本公開買付けに関連し、2024年2月6日付で、三菱商事とKDDI(以下、総称して「公開買付者関係者」といいます。)との間で、資本業務提携契約(以下、「本資本業務提携契約」といいます。)を締結いたしました。本資本業務提携契約の概要等は以下のとおりです。
a 目的
(a)国内有数の生活者接点を活かし、「リアル×デジタル×グリーン」を融合させた新たな生活者価値を創出する、新世代の「マチの“ほっと”ステーション」の実現に向けた当社グループ各事業の強化による当社グループの企業価値最大化。
(b)当社グループの成長を通じた、三菱商事グループ及びKDDIグループの事業基盤の拡大と新たな価値創出。
b 資本提携の内容
(a)本公開買付けによる、公開買付者関係者と当社との資本関係の構築(なお、本規定はクロージング日(本公開買付け成立後に実施予定である株式併合の効力発生後、当社に対する三菱商事及びKDDIの議決権所有比率が50.00%ずつとなった日をいいます。以下同じです。)をもって発効する。)。
c 業務提携の内容
(a)大要、以下の提携分野での業務提携(以下、「本業務提携」といいます。)の実行、及び以下の各種施策の推進への貢献・協力(なお、本規定はクロージング日をもって発効する。)、並びに、本業務提携の方針や進捗状況等に関する協議の場としての協業推進委員会の設置。
イ リアル店舗関連:当社及びKDDIの強みであるリアル店舗において、各社の機能・商材を活用した新たなサービスを提供できる新たな店舗形態の創出。
ロ デジタル連携関連:公開買付者関係者及び当社それぞれのグループが保有する会員情報を連携し、その顧客データ基盤を活用した当社グループのサービスの利用顧客の拡大・ロイヤルカスタマー化。
ハ グリーン連携関連:公開買付者関係者及びそのグループの事業基盤を活用した当社グループの脱炭素化、サーキュラーエコノミー事業の推進。
ニ その他分野における業務提携:公開買付者関係者及び当社間による協議の上、協業推進委員会にて決定された、当社グループの企業価値の最大化を目的とするその他分野における取り組みについての協力。
(b)公開買付者関係者及びそのグループが、その経営資源を経済合理性の範囲内で十分に当社グループに提供すること、及び、当社グループが、その経営資源を経済合理性の範囲内で十分に公開買付者関係者及びそのグループに提供することを前提とした、本業務提携の施策内容及び各当事者の役割等の協議・検討(なお、本規定はクロージング日をもって発効する。)。
(c)本資本業務提携契約の締結日から12ヶ月以内の、上記協議・検討の結果を踏まえた、本業務提携の施策内容の詳細及び各当事者の具体的な役割に関する協業推進委員会における合意(なお、本規定はクロージング日をもって発効する。)。
(d)協業推進委員会において合意された施策(当該施策及び各当事者の役割等については、上記の合意時点から起算して、それぞれ3年ごとに見直される。)の、原則としてクロージング日から3年以内を目途とする実行(なお、本規定はクロージング日をもって発効する。)。
d 当社の経営等
(a)当社グループの役職員が本業務提携を通じて、当社の既存事業の強化及び新規事業の開拓を行い、当社の企業価値を最大化するとともに、「生活者のLife Time Value向上」及び「日本の豊かな地域社会」を目指して運営していくことについての公開買付者関係者による確認(なお、本規定はクロージング日をもって発効する。)。
(b)公開買付者関係者による、クロージング日以前より存在する当社グループの契約関係及び取引関係(加盟店オーナーとの契約条件を含む。)に関する、当社グループの企業価値向上に資する範囲での、クロージング日以前からの当社の取引慣行の商業上合理的な範囲での最大限の尊重。
(c)当社グループの従業員の雇用を維持し、また、当該従業員の雇用条件が本資本業務提携契約の締結日時点の水準を実質的に下回らないように維持することについての、公開買付者関係者による義務(但し、定年退職、法令等及び社内規則に基づく懲戒処分による場合、市況又は事業環境の著しい変化に伴い、当社グループの従業員の雇用条件を変更する必要性が生じた場合その他当社グループの従前の確立した実務に従う場合には当該義務を負わない。)(なお、本規定はクロージング日をもって発効する。)。
(d)本資本業務提携契約の締結日現在存在する当社のストックオプション制度についての誠実協議。
(e)当社グループの各持株会が所有する当社株式の全てを、適法に本公開買付けに応募するための措置及び本公開買付けに適用のある法令等の遵守のために必要となる措置を講じることについての、当社による各持株会に対する商業上合理的な範囲での要請義務。
(f)本業務提携を効果的かつ実質的に推進することを目的とする、必要に応じた公開買付者関係者及びそのグループの役職員の当社グループへの派遣又は出向(なお、本規定はクロージング日をもって発効する。)。
該当事項はありません。