名称 トモエ株式会社
所在地 岐阜県岐阜市正木1552番地18
普通株式
(1)意見の内容
当社は、2024年5月15日開催の取締役会において、下記「(2)意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員である者を含む。)の承認」に記載の方法により決議されております。
(2)意見の根拠及び理由
本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、本公開買付けによる当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の取得及び所有等を目的として、2024年5月2日付で設立された株式会社であり、当社の代表取締役社長かつ株主である山口嘉彦氏がその発行済株式の全てを所有し、代表取締役を務めているとのことです。なお、本書提出日現在、公開買付者は、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場及び株式会社名古屋証券取引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。)プレミア市場に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を所有していませんが、山口嘉彦氏は、当社株式67,714株(所有割合(注1):0.62%)を所有しているとのことです。
今般、公開買付者は、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場及び株式会社名古屋証券取引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。)プレミア市場に上場している当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式及び以下に定義する不応募株式を除きます。)を取得し、当社株式を非公開化するための一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として本公開買付けを実施することを決定したとのことです。なお、本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)(注2)に該当し、山口嘉彦氏は、本取引後も継続して当社の経営にあたることを予定しているとのことです。なお、公開買付者は、当社の業績連動型株式報酬制度(BBT)に係る役員株式給付規程に基づき山口嘉彦氏が保有するポイント数に応じた当社株式数(4,800株)について、当該規程上、山口嘉彦氏は当社の役員を退任するまで株式の交付を受けることができず、また退任の予定もないため、本公開買付けに応募する予定がないことを確認しているとのことです。また、当社の業績連動型株式報酬制度(BBT)に係る役員株式給付規程に基づき山口嘉彦氏が保有するポイント数に応じた当社株式数(4,800株)は、山口嘉彦氏の所有する当社株式67,714株(所有割合:0.62%)には含まれていないとのことです。
本公開買付けの実施にあたり、公開買付者は、2024年5月15日付で、山口嘉彦氏及びその親族が発行済株式の全てを所有する資産管理会社であり当社の筆頭株主(本書提出日現在)である有限会社美美興産(以下「美美興産」といいます。)との間で、その所有する当社株式1,323,240株(所有割合:12.06%。以下「不応募株式」といいます。)の全てについて本公開買付けに応募しない旨を合意しているとのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けの実施にあたり、2024年5月15日付で、(ⅰ)当社の第2位株主(2024年3月31日現在)である株式会社大垣共立銀行(以下「大垣共立銀行」といいます。)との間で、その所有する当社株式500,880株(所有割合:4.56%)の全てについて本公開買付けに応募する旨の契約を、(ⅱ)当社の第3位株主(2024年3月31日現在)であるみずほ信託銀行株式会社(以下「みずほ信託銀行」といいます。)との間で、その所有する当社株式500,000株(所有割合:4.56%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約(以下「本応募契約(みずほ信託銀行)」といいます。)を、(ⅲ)当社の第4位株主(2024年3月31日現在)である株式会社十六銀行(以下「十六銀行」といいます。)との間で、その所有する当社株式493,989株(所有割合:4.50%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約(以下「本応募契約(十六銀行)」といいます。)を、(ⅳ)当社の第5位株主(2024年3月31日現在)である株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)との間で、その所有する当社株式385,000株(所有割合:3.51%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約(以下「本応募契約(三菱UFJ銀行)」といいます。)を、(ⅴ)当社の第6位株主(2024年3月31日現在)である明治安田生命保険相互会社(以下「明治安田生命」といいます。)との間で、その所有する当社株式363,863株(所有割合:3.31%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約(以下「本応募契約(明治安田生命)」といいます。)を、(ⅵ)当社の第10位株主(2024年3月31日現在)である株式会社市川工務店(以下「市川工務店」といいます。)との間で、その所有する当社株式320,500株(所有割合:2.92%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅶ)三菱ふそうトラック・バス株式会社(以下「三菱ふそうトラック・バス」といいます。)との間で、その所有する当社株式119,750株(所有割合:1.09%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅷ)南九州日野自動車株式会社(以下「南九州日野自動車」といいます。)との間で、その所有する当社株式112,500株(所有割合:1.02%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅸ)株式会社マキタ(以下「マキタ」といいます。)との間で、その所有する当社株式62,000株(所有割合:0.56%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹ)日米ユナイテッド株式会社(以下「日米ユナイテッド」といいます。)との間で、その所有する当社株式61,000株(所有割合:0.56%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅰ)東京窯業株式会社(以下「東京窯業」といいます。)との間で、その所有する当社株式57,500株(所有割合:0.52%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅱ)日野自動車株式会社(以下「日野自動車」といいます。)との間で、その所有する当社株式52,272株(所有割合:0.48%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約(以下「本応募契約(日野自動車)」といいます。)を、(ⅹⅲ)UDトラックス株式会社(以下「UDトラックス」といいます。)との間で、その所有する当社株式30,034株(所有割合:0.27%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅳ)大阪商運株式会社(以下「大阪商運」といいます。)との間で、その所有する当社株式30,000株(所有割合:0.27%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅴ)株式会社文渓堂(以下「文渓堂」といいます。)との間で、その所有する当社株式26,000株(所有割合:0.24%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅵ)株式会社宇佐美共栄社(以下「宇佐美共栄社」といいます。)との間で、その所有する当社株式23,760株(所有割合:0.22%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅶ)共友リース株式会社(以下「共友リース」といいます。)との間で、その所有する当社株式21,500株(所有割合:0.20%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅷ)棚橋工業株式会社(以下「棚橋工業」といいます。)との間で、その所有する当社株式21,000株(所有割合:0.19%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅸ)いすゞ自動車株式会社(以下「いすゞ自動車」といいます。)との間で、その所有する当社株式19,885株(所有割合:0.18%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅹ)いすゞ自動車中部株式会社(以下「いすゞ自動車中部」といいます。)との間で、その所有する当社株式18,000株(所有割合:0.16%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅹⅰ)株式会社カンチ(以下「カンチ」といいます。)との間で、その所有する当社株式17,500株(所有割合:0.16%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅹⅱ)共立コンピューターサービス株式会社(以下「共立コンピューターサービス」といいます。)との間で、その所有する当社株式15,000株(所有割合:0.14%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅹⅲ)富士通Japan株式会社(以下「富士通Japan」といいます。)との間で、その所有する当社株式13,068株(所有割合:0.12%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅹⅳ)正和商事株式会社(以下「正和商事」といいます。)との間で、その所有する当社株式13,000株(所有割合:0.12%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅹⅴ)岐阜日野自動車株式会社(以下「岐阜日野自動車」といいます。)との間で、その所有する当社株式12,960株(所有割合:0.12%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅹⅵ)株式会社OKB信用保証(以下「OKB信用保証」といいます。)との間で、その所有する当社株式7,500株(所有割合:0.07%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅹⅶ)ブリヂストンはぎの株式会社(以下「ブリヂストンはぎの」といいます。)との間で、その所有する当社株式7,000株(所有割合:0.06%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅹⅷ)株式会社宇佐美(以下「宇佐美」といいます。)との間で、その所有する当社株式5,940株(所有割合:0.05%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅹⅹⅸ)株式会社西日本宇佐美(以下「西日本宇佐美」といい、市川工務店、三菱ふそうトラック・バス、南九州日野自動車、マキタ、日米ユナイテッド、東京窯業、UDトラックス、大阪商運、文渓堂、宇佐美共栄社、棚橋工業、いすゞ自動車、いすゞ自動車中部、カンチ、岐阜日野自動車、ブリヂストンはぎの、宇佐美、及び西日本宇佐美を総称して「本応募株主(法人株主)」といいます。)との間で、その所有する当社株式653株(所有割合:0.01%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約(本応募株主(法人株主)との間で締結した公開買付応募契約を総称して、以下「本応募契約(法人株主)」といいます。)をそれぞれ締結し、大垣共立銀行、みずほ信託銀行、十六銀行、三菱UFJ銀行、日野自動車、明治安田生命、共友リース、共立コンピューターサービス、富士通Japan、正和商事、OKB信用保証及び本応募株主(法人株主)が所有する当社株式3,312,054株(所有割合:30.17%)の全てについて本公開買付けに応募する旨を合意しているとのことです。
加えて、公開買付者は、本公開買付けの実施にあたり、2024年5月15日付で、(ⅰ)山口嘉彦氏の配偶者及び実子を含む親族等8名(以下「山口嘉彦氏親族」といいます。)との間で、その所有する当社株式189,817株(所有割合:1.73%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅱ)取締役である青木浩一氏、当社の元役員及びその親族等16名(以下「当社役員・元役員とその親族等」といいます。)との間で、その所有する当社株式1,241,667株(所有割合:11.31%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を、(ⅲ)取引先の個人株主3名(以下「取引先個人株主」といい、山口嘉彦氏親族、当社役員・元役員とその親族等及び取引先個人株主を総称して「本応募株主(個人株主)」といいます。)との間で、その所有する当社株式58,200株(所有割合:0.53%)の全てについて本公開買付けへ応募する旨の契約を締結(以下「本応募契約(個人株主)」といいます。)し、本応募株主(個人株主)が所有する当社株式1,489,684株(所有割合:13.57%)の全てについて本公開買付けに応募する旨を合意しているとのことです。
その結果、公開買付者は、大垣共立銀行、みずほ信託銀行、十六銀行、三菱UFJ銀行、日野自動車、明治安田生命、共友リース、共立コンピューターサービス、富士通Japan、正和商事、OKB信用保証、本応募株主(法人株主)及び本応募株主(個人株主)(以下、大垣共立銀行、みずほ信託銀行、十六銀行、三菱UFJ銀行、日野自動車、明治安田生命、共友リース、共立コンピューターサービス、富士通Japan、正和商事、OKB信用保証、本応募株主(法人株主)及び本応募株主(個人株主)を総称して「本応募合意株主」といいます。)との間で、本応募合意株主が所有する当社株式4,801,738株(所有割合:43.75%。以下「本応募合意株式」といいます。)の全てについて本公開買付けに応募する旨を合意しているとのことです。これらの合意の詳細については、下記「(7)公開買付者と当社の株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。また、本応募合意株主の概要については下表をご参照ください。
|
No |
株主名 |
所有株式数(株) |
所有割合(%) |
|
1 |
大垣共立銀行 |
500,880 |
4.56 |
|
2 |
みずほ信託銀行 |
500,000 |
4.56 |
|
3 |
十六銀行 |
493,989 |
4.50 |
|
4 |
三菱UFJ銀行 |
385,000 |
3.51 |
|
5 |
明治安田生命 |
363,863 |
3.31 |
|
6 |
市川工務店 |
320,500 |
2.92 |
|
7 |
三菱ふそうトラック・バス |
119,750 |
1.09 |
|
8 |
南九州日野自動車 |
112,500 |
1.02 |
|
9 |
マキタ |
62,000 |
0.56 |
|
10 |
日米ユナイテッド |
61,000 |
0.56 |
|
11 |
東京窯業 |
57,500 |
0.52 |
|
12 |
日野自動車 |
52,272 |
0.48 |
|
13 |
UDトラックス |
30,034 |
0.27 |
|
14 |
大阪商運 |
30,000 |
0.27 |
|
15 |
文渓堂 |
26,000 |
0.24 |
|
16 |
宇佐美共栄社 |
23,760 |
0.22 |
|
17 |
共友リース |
21,500 |
0.20 |
|
18 |
棚橋工業 |
21,000 |
0.19 |
|
19 |
いすゞ自動車 |
19,885 |
0.18 |
|
20 |
いすゞ自動車中部 |
18,000 |
0.16 |
|
21 |
カンチ |
17,500 |
0.16 |
|
22 |
共立コンピューターサービス |
15,000 |
0.14 |
|
23 |
富士通Japan |
13,068 |
0.12 |
|
No |
株主名 |
所有株式数(株) |
所有割合(%) |
|
24 |
正和商事 |
13,000 |
0.12 |
|
25 |
岐阜日野自動車 |
12,960 |
0.12 |
|
26 |
OKB信用保証 |
7,500 |
0.07 |
|
27 |
ブリヂストンはぎの |
7,000 |
0.06 |
|
28 |
宇佐美 |
5,940 |
0.05 |
|
29 |
西日本宇佐美 |
653 |
0.01 |
|
30 |
山口嘉彦氏の配偶者及び実子を含む親族等8名 |
189,817 |
1.73 |
|
31 |
青木浩一氏、当社の元役員及びその親族等16名 |
1,241,667 |
11.31 |
|
32 |
取引先の個人株主3名 |
58,200 |
0.53 |
|
|
合計 |
4,801,738 |
43.75 |
(注1) 「所有割合」とは、当社が2024年5月15日に公表した「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2024年3月31日現在の発行済株式総数(11,095,203株)から、当社決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(118,576株)(なお、当社が所有する自己株式数には、当社の業績連動型株式報酬制度(BBT)の信託財産として株式会社日本カストディ銀行が所有する当社株式及び株式会社エスラインギフの従業員向け株式給付制度(J-ESOP)の信託財産として株式会社日本カストディ銀行が所有する当社株式(71,200株)を含んでいません。以下、当社が所有する自己株式数について同じです。)を控除した株式数(10,976,627株、以下「本基準株式数」といいます。)に対する割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の記載について同じです。
(注2) 「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、一般に、買収対象会社の経営陣が、買収資金の全部又は一部を出資して、買収対象会社の事業の継続を前提として買収対象会社の株式を取得する取引をいいます。
公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を5,958,360株(所有割合:54.28%)と設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(5,958,360株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとおり、公開買付者は、当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式及び不応募株式を除きます。)を取得することにより、当社株式を非公開化することを企図しているため、買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(5,958,360株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(5,958,360株)については、本基準株式数(10,976,627株)からBBT所有株式(54,200株)を控除した株式数(10,922,427株)に係る議決権の数である109,224個に3分の2を乗じた数(72,816個)に当社の単元株式数(100株)を乗じた株式数(7,281,600株)から、不応募株式数(1,323,240株)を控除した株式数(5,958,360株)としているとのことです。これは、本取引において、公開買付者は、当社株式を非公開化することを目的としており、下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引の実施を確実に遂行すべく、本公開買付けの成立後に公開買付者及び美美興産が合計で当社の総株主の総議決権数の3分の2以上を所有することで、当該要件を満たすことができるように設定したものとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式及び不応募株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者及び美美興産のみとし、当社株式を非公開化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けを含む本取引に要する資金を、株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。)からの15,100百万円を限度とした借入れ(以下「本銀行融資」といいます。)により賄うことを予定しており、本公開買付けの成立等を条件として、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日までに本銀行融資を受けることを予定しているとのことです。なお、本銀行融資に係る融資条件の詳細は、みずほ銀行と別途協議の上、本銀行融資に係る融資契約において定めることとされておりますが、本銀行融資に係る融資契約では、公開買付者が本公開買付けにより取得する当社株式が担保に供されること、及び下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を通じて当社の株主が公開買付者及び美美興産のみとなった後は、本銀行融資に関して、当社を公開買付者の連帯保証人とし、かつ、当社の一定の資産等が担保に供されることが予定されているとのことです。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
当社は、1914年に岐阜市内で営んでいた馬車休憩所兼宿で生活物資の運送取扱いを行ったことに始まり、1928年に当社の母体である山口運送店にてトラックによる荷物の集配を開始し、1938年に岐阜トラック運輸株式会社として創立されました。その後、陸軍統制令や終戦により統合・分離を経て、1947年3月に岐阜合同産業株式会社として設立され、1948年8月に岐阜トラック株式会社、1949年10月に岐阜トラック運輸株式会社、1972年4月に株式会社エスラインギフにそれぞれ商号を変更、2006年10月には、グループ体制のさらなる発展と結束力の強化、収益力の向上、また、各事業会社の迅速な意思決定と環境変化にも機動的かつ柔軟な対応を図ることにより企業価値を高めることを目的として、会社分割により純粋持株会社に移行するとともに商号を株式会社エスラインに変更し、2023年7月に現在の商号である株式会社エスライングループ本社に変更いたしました。また、当社株式については、1978年5月に名古屋店頭市場に株式店頭登録された後、1980年4月に名古屋証券取引所市場第二部に上場、2017年3月に東京証券取引所市場第二部に上場、2018年3月に東京証券取引所及び名古屋証券取引所の市場第一部に指定され、2022年4月の東京証券取引所及び名古屋証券取引所の市場区分の見直しにより、本書提出日現在において、東京証券取引所スタンダード市場及び名古屋証券取引所プレミア市場に上場しております。
当社は、本書提出日現在、当社、子会社21社(連結子会社19社、持分法適用子会社1社、持分法非適用子会社1社)及び関連会社1社(以下、総称して「当社グループ」といいます。)により構成され、会社設立以来、社是「和」のもと、「法の遵守」、「社会貢献」、「環境と顧客の優先」、「全員参加」を経営の基本理念として掲げ、「ときめき(自主性)、ひらめき(創造性)、こだわり(独自性)」の精神を持って事業運営に取り組み、「エスラインブランドを築く」ことを経営のビジョンとしております。当社グループは、主たる事業内容である貨物自動車運送事業を行う「物流関連事業」、不動産賃貸事業を行う「不動産関連事業」、旅客自動車運送事業や売電事業を行う「その他事業」の事業活動を展開しております。
当社グループは、設立以来、貨物自動車運送事業を中心として、全国配送に向けた輸送路線網の充実や拠点の整備、大量高速輸送時代に先駆けたトレーラー輸送の開始、当社が主体となり、全国輸送ネットワークを実現する目的で、結成当初10社の全国各地域の中堅運送会社が業務提携を結び結成されたSライン日本グループによる全国輸送ネットワーク体制の確立、業界初のオンラインシステム(スリーエスシステム)の稼動、子会社化方式による輸送周辺領域業務の取り組み等、お客様の様々なニーズに応えてまいりました。また、当社は、2006年10月の持株会社体制への移行により、貨物自動車運送事業、倉庫業、物品販売事業、情報処理事業、自動車整備事業等、輸送事業とその関連周辺分野を中心とした事業領域において経営資本と管理体制の効率化を推進し、当社グループの一層の利益体質の確立と企業価値の向上を図ることにより、総合物流企業としてさらなる発展と飛躍を目指して、日々注力しております。
他方、当社グループを取り巻く事業環境については、新型コロナウイルス感染症の5類への移行やインバウンド需要の回復により、経済活動の回復への期待はあるものの、物価上昇や円安の継続等、先行きは依然として不透明な状況が続いていると認識しております。また、物流関連業界においても、物価上昇の影響を受けた景気後退が懸念される等、不安定な事業環境が続いているほか、新生活様式への転換によって、商品の流通形態が実店舗での購買からネット環境へと消費様式が変化したことにより、宅配便に対する需要が増加し、企業間の貨物輸送物量は引き続き伸び悩んでいくと考えております。
このような事業環境の中で、当社グループは、変化する社会環境や新生活様式の転換に対応した輸送・物流サービスを提供するための提案営業活動を今まで以上に積極的に進めるとともに、従業員の待遇改善や、燃料費の高騰、さらには、車両や資材関連価格の値上げ等、数多くのコスト増加要因が見込まれることから、サービスの質をより高めて、価格に転嫁するための料金値上げや付帯作業の料金収受等の取り組みを進めております。また、物流の2024年問題(注3)への対応として、ICカードやデジタルタコグラフ(注4)を活用した時間管理や適切な運行コースの設定に取り組んでいるほか、省人化や作業時間の短縮を図るために、基幹情報システムをリニューアル(DX化)して、今まで以上に作業状況の見える化や情報の利活用を進化させるとともに、伝票類のデジタル化を拡大することにより、お客様への情報提供のサービスレベルの向上と、事務作業の効率化を高めております。
(注3) 「物流の2024年問題」とは、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律及び労働基準法等の改正によって、2024年4月に、自動車運転業務に対して、時間外労働時間の年間960時間の上限規制等が適用されることに伴い発生するドライバー不足を含む輸送能力の低下に関する諸問題のことをいいます。
(注4) 「デジタルタコグラフ」とは、デジタル式運行記録計のことであり、トラック、バス等の走行速度や走行時間、走行距離等を記録する計測器のことです。デジタルタコグラフに記録されたデータを分析することで、ドライバーの労働状況や作業効率、運転の安全性、事故があった際の事故状況等を把握することが可能となります。
また、当社グループは、2022年5月に、2023年3月期を初年度とし2025年3月期を最終年度とした中期経営計画「ありがとう創造計画」(以下「当社中期経営計画」といいます。)を公表し、以下の方針の下、2025年3月期の営業収益540億円、経常利益(利益率)21億6千万円(4.0%)、ROE5.0%の経営目標を掲げ、営業収益の拡大と利益率の改善を図り、さらなる企業価値の向上に取り組んでおります。しかし、現状の達成水準としては、2023年3月期の計画数値である営業収益500億円、経常利益(利益率)17億7千万円(3.5%)に対し、実績の営業収益が480億円、経常利益(利益率)10億4千万円(2.2%)、2024年3月期の計画数値である営業収益520億円、経常利益(利益率)19億3千万円(3.7%)に対し、実績の営業収益が496億9千万円、経常利益(利益率)8億9千万円(1.8%)であり、上記のような不安定な事業環境等の影響により、当社中期経営計画を作成した当初に見込んでいたほどの収益の拡大は実現できておりません。
・中期経営計画の方針
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a.規模の拡大 |
・コロナ禍からの輸送需要回復を着実に取り込むとともに、新たな荷主開拓・荷主層再編を継続して取り組み、確固たる収益基盤を構築する。 ・特定の輸送・物流サービス(取扱商品、荷主層、地域、運送形態)を対象に、推進体制を重点的に強化する。 |
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b.質の向上 |
・基幹システムリニューアルとあわせた、輸送サービスにおけるDX推進、倉庫の省人化・効率化投資の積極推進等、次世代を見据えた最新技術導入を推進し、オペレーションをより洗練させる。 ・当社グループとしての研修・人材育成強化に加え、採用・人材育成に資する新規事業を立ち上げ(例:研修会社、保育所)、当社における人材の質のさらなるレベルアップのためのインフラを整備する。 |
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c.推進体制・基盤の強化 |
・当社が中心となってグループ各社を統括・牽引する姿を目指し、持株会社機能を見直し、グループとしての推進体制を再構築する。 ・業績管理の中核である事業セグメント別業績管理について、基準、システム、運用ルールの面から再構築を図り、正確な情報を提供できる姿を実現する。 |
・事業分野別の取組方針
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a.輸送サービス分野 |
・当社グループの中核事業である特積(注5)事業は、コロナ禍からの物量回復を確実に取り込むとともに、採算性への意識改革やDX取組を通じた収益性改善を実現する。 ・貸切事業、輸出入貨物の取引等、さらなる需要掘り起こしを企図し、推進体制を強化する。 |
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b.物流サービス分野 |
・関東エリアにおける倉庫拠点網拡大、営業体制強化による収益力拡大を図るとともに、近年中部エリアに新設・大幅改修した倉庫拠点の稼働率を向上させ、収益の柱として確立する。 ・倉庫の省人化・効率化を積極的に推進し、倉庫オペレーションのさらなる高度化・専門化を追求する。 |
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c.ホームサービス分野 |
・当社to C物流として位置付けられる大型商品(家電)配送事業と引越事業は、推進体制を拡大・強化し、配送品質を向上させることで、さらなる収益拡大を図る。 |
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d.流通分野・新規事業 |
・流通機能(受発注、代金決済機能、需要予想)を拡充し、システム提供、運用支援、輸送・保管と組み合わせた流通機能の一貫提供により、流通ソリューション企業としての足掛かりを作る。 ・本業の人材育成・採用強化に貢献し、過度な投資を必要としない事業を新規事業の有力候補と位置付け、事業化を推進する。 ・長期ビジョン実現に向けた課題であるEC物流への取り組みを図るために、ECサイト構築への試行や、ESG取組(社会貢献)の一環として、地域配送サービスの展開に向けた商品配送についての研究も推進する。 |
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e.ESGの取り組み |
・持続可能な社会の実現、中長期的な企業価値の向上を目指して、環境・社会に配慮した事業運営に取り組む。また、グループ経営力を高めるためのガバナンス強化を推進する。 ・企業市民として、地域清掃や安全指導等の地域貢献活動に取り組む。 |
(注5) 「特積」とは、不特定多数の荷主の商品を1台の車両に積載し、商品の積み卸ろし(仕分け)をする拠点間において、定期的な幹線輸送を行う運送形態のことをいいます。
一方、山口嘉彦氏は、物流の2024年問題への対応の必要性が明らかとなった2022年12月下旬より、当社グループの中長期的な企業価値向上策について検討を開始し、2024年1月中旬、慢性的なドライバーを中心とする人材不足がより一層深刻な問題に発展するため、ドライバーの確保とともに従業員の待遇改善が急務となること、加えて、地政学的な情勢変化や急激な円安に伴う燃料費高騰、車両や資材関連価格の値上げ等による数多くのコスト増加、新生活様式への転換による変化の激しい事業環境に柔軟に対応できるよう、抜本的な事業構造の改革を推進していくことが不可欠であるとの認識を持つに至ったとのことです。具体的には、短期的な収益や株価動向にとらわれることなく、一定の事業リスクを伴う、当社グループの事業構造の抜本的な改革を実施できる経営体制を構築し、迅速な意思決定の下で以下のような施策を早期に実施していく必要があると考えるに至ったとのことです。
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a.輸送サービス分野 |
・特積事業の収益性の向上 自社の配送網を活用し貨物の自社比率を高めることにより、利益の外部流出を最大限抑制する。具体的には、当社は主に、中部・関西方面から関東方面へ荷物を輸送しているところ、関東では一層進行する人手不足に加えて協力会社への支払い運賃が収受運賃に追いつかない地域が多々あると考えられるため、自社内配送(注6)を行う地域の絞り込みや即他社渡し(注7)の荷物の分類を進める。また、物流の2024年問題により今までと同じような長距離運行が難しい状況になると考えられるため、自社内配送については支店を中継基地として位置づけ荷物の積み替え基地としても活用する。 ・貸切事業の需要の掘り起こし 中部、東日本及び西日本の各エリアにおける貸切事業(注8)の需要の更なる掘り起こしをするため、新設した専任部署を中心に事業拡大を行う。 ・輸出入貨物の取引拡大 当社グループは、阪神港湾地区で輸出入貨物の実績を拡大しつつあるため、そのノウハウを活用して京浜港湾地区へ水平展開しフォワーダー(注9)との取引による輸出入貨物の取扱いを拡大する。 |
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b.物流サービス分野 |
・関東エリアにおける物流サービスを強化する。具体的には、新物流拠点である海老名物流センターを本格稼働させ関東の主力拠点とし、保管、物流加工及び付帯輸送の一貫物流サービスの提供を拡大する。 ・中部エリアでの保有倉庫の稼働を向上させ高収益化を図る。 ・倉庫の省人化・効率化投資を推進する。具体的には、荷主からのニーズや具体的な要請に基づいて設備仕様を検討・導入し、更なる商品拡大を目的に次代の倉庫オペレーションを開発する。 |
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c.ホームサービス分野 |
・大型商品配送事業の事業拡大のために、人材の確保を図り更なる拠点開発を図る。また、協力会社との連携も強化し事業拡大を支えるための配送キャパシティーを確保する。 ・引越事業の事業拡大のために営業専任担当を配置し収益拡大に向けた営業開拓を推進する。また、人員、配属車両についても増加し、特に家族向けを中心とした引越し作業の品質向上を推進する。また、家財等の不要品の整理やオフィス用品の回収等も新たな配送サービスとしてのメニューに拡充する。 |
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d.その他 |
・当社グループの荷主、商社、メーカーに対し、受発注、代金決済、販売・購買・在庫管理システムの提供を主とした営業開拓を行う。 ・流通分野と関連する新規事業の経営に取り組むためのM&Aについて検討を行う。 ・EC物流への取り組みを積極化する。 ・当社グループにおいて人材確保のために設置・運営している企業内保育園をさらに拡大し、将来「認定こども園」の許認可を取得する。 |
(注6) 「自社内配送」とは、当社グループが輸送を受託した貨物について、当社グループが配送まで一括して行うことを指します。
(注7) 「即他社渡し」とは、当社グループが輸送を受託した貨物について、すぐに他社に輸送を委託する対応のことを指します。
(注8) 「貸切事業」とは、貨物の運送車両を1社の顧客のためだけに用いる事業形態のことを指します。
(注9) 「フォワーダー」とは、貨物利用運送事業者のことであり、荷主から貨物を預かり、他の業者の運送手段を利用し運送を引き受ける事業者を指します。
しかしながら、山口嘉彦氏は、上記の各施策の実施により事業構造の改革を推進していくにあたっては、改めてアウターブランディングを構築し広告・宣伝戦略を確立し実施する必要があるほか、運送事業への車両・施設といった直接的な設備投資に留まらず、倉庫事業での省人化・効率化への投資、新たな物流事業の立ち上げといった多方面への設備投資や社内システムの整備拡大等を行う必要があり、これらには、いずれも多額の初期投資や継続的な投資を要することとなり、短期的には当社グループの収益及びキャッシュ・フローの悪化が懸念される反面、期待する収益を十分生み出すまでに時間を要すると見込んでいるとのことです。また、当社が上場企業である以上、投資家や株主から当社グループに対して短期的な業績に対するコミットメントが求められているところ、上記の各施策を実行する過程で中長期的な成長を優先する意思決定を行った結果、資本市場から十分な評価が得られず、当社株式の株価が下落し、当社の少数株主の皆様に対して不利益を与える可能性もあるとのことです。そのため、当社株式の上場を維持したままこれらの施策を実施することは困難であると考えたとのことです。さらに、当社は、1978年5月の名古屋店頭市場への店頭登録以来、知名度の向上による優れた人材の確保、社会的な信用力の向上等、上場会社として様々なメリットを享受してきたと認識しており、非公開化によりこれらのメリットに影響を生じさせる可能性があると考えられるとのことです。もっとも、当社は金融機関との間で良好な関係を築いており、昨今の良好な資金調達環境に鑑みても、間接金融を通じて必要に応じた資金調達を行うことが十分可能であり、エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれないこと、及び当社グループに蓄積された事業上のノウハウ、当社グループの知名度や取引先に対する信用力は既に確保できていることから、上場を維持する必要性や上場を維持することにより享受できるメリットは相対的に低下している状況にあると考えているとのことです。
また、山口嘉彦氏は、近年のコーポレートガバナンス・コードの改訂、資本市場に対する規制の強化等により、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。以下「法」といいます。)上の有価証券報告書やコーポレート・ガバナンスに関する報告書等を通じたステークホルダーに対する追加的かつ継続的な情報開示のための対応事項が年々増加傾向にあり、上場会社として株式上場を維持するために必要な人的・金銭的コストの負担も増加傾向にあること、及びこれらのコストが当社の経営推進上の大きな負担となる可能性も否定できないことから、当社株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあると考えているとのことです。
以上のような検討を踏まえ、山口嘉彦氏は、2024年1月中旬、短期的なキャッシュ・フローの悪化等による当社株式の株価の下落、及び上場維持基準への抵触による将来的な上場廃止により当社の少数株主の皆様が当社株式の売却機会を失うリスクを回避しつつ、中長期的な視点で当社グループの事業構造の改革を推進するための経営体制を構築することができるという点で、本取引を通じてマネジメント・バイアウト(MBO)の手法により当社株式を非公開化することが、当社の企業価値向上のために最も有効な手段であると考えたとのことです。
そこで、山口嘉彦氏及び当社の取締役である青木浩一氏は、2024年3月13日、当社に対し、本取引を行うことを提案する旨の提案書(以下「本提案書」といいます。)を提出するとともに、本取引の実施に向けた協議・交渉の申入れを行ったとのことです。なお、青木浩一氏は、本提案書を提出した時点において設立することを予定していた公開買付者に出資を行う可能性があったことから、山口嘉彦氏と連名で本提案書を提出していますが、2024年3月中旬に、最終的に公開買付者に対して出資を行わないことを決定したため、本書提出日現在において公開買付者の株主ではないとのことです。
その後、山口嘉彦氏及び青木浩一氏は、2024年3月19日、当社から、本取引に係る提案を検討するための特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。なお、本特別委員会の委員の構成及び具体的な活動内容等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置した上で、本取引の実施に向けた協議・交渉に応じる旨の連絡を受けたとのことです。これを受け、山口嘉彦氏は、2024年3月下旬、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)について具体的な検討を開始するとともに、当社の株主との間で公開買付応募契約の締結に向けた協議を開始したとのことです。なお、山口嘉彦氏は、2024年5月中旬までの間に本応募合意株主より本公開買付けに応募する意向をそれぞれ確認しております。また、山口嘉彦氏は、2024年3月下旬、本公開買付けを実施する主体として公開買付者を設立することとのことです。そして、2024年4月11日、山口嘉彦氏は、有価証券報告書や決算短信等において当社が開示している財務情報等の資料等に基づく当社の事業及び財務の状況、提案日の前営業日である2024年4月10日から過去6ヶ月において東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値の最高値が934円であること、及び本公開買付けに対する応募の見通し等の各種要素を総合的に勘案し、当社に対して、本公開買付価格を1,200円(提案日の前営業日である2024年4月10日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値873円に対して37.46%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアム率の計算において同じです。)のプレミアムを加えた金額)とする旨の初回提案を行ったとのことです。これに対して、山口嘉彦氏は、2024年4月19日に、当社より、2024年4月18日に開催された本特別委員会において検討した結果、初回の提案価格は当社の少数株主の利益に十分に配慮された金額とはいえないとの結論に至ったとして、本公開買付価格の再提案の要請を受けたとのことです。当該要請を受け、山口嘉彦氏は、本公開買付価格について、慎重に検討を進め、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降、2024年4月23日までの間に公表されたマネジメント・バイアウト(MBO)事例(以下「本事例」といいます。)56件における平均的なプレミアム水準(公表日の前営業日を基準日として、基準日、基準日までの過去1ヶ月間、同過去3ヶ月間及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値におけるそれぞれのプレミアム率の平均値(42.35%、44.83%、47.97%及び48.02%)も踏まえ、2024年4月24日に、本公開買付価格を1,320円(提案日の前営業日である2024年4月23日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値873円に対して51.20%のプレミアムを加えた金額)とする旨の2回目の提案を行ったとのことです。これに対して、山口嘉彦氏は、2024年4月26日に、当社から、同日に開催された本特別委員会において、当社の第三者算定機関による当社株式の株式価値の試算結果を踏まえて再度検討した結果、本特別委員会より、2回目の提案価格は当社の少数株主の利益に配慮された金額とはいい切れないとの結論に至り、本公開買付価格の引き上げを再度要請することが適切である旨の意見が示されたとして、本公開買付価格の再提案の要請を受けたとのことです。当該要請を受け、山口嘉彦氏は、本公開買付価格について、慎重に検討を進め、2024年4月30日に、本公開買付価格を1,400円(提案日の前営業日である2024年4月26日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値856円に対して63.55%のプレミアムを加えた金額)とする旨の3回目の提案を行ったとのことです。これに対して、山口嘉彦氏は、2024年5月1日に、当社から、同日に開催された本特別委員会において再度検討を行った結果、本特別委員会より、本公開買付けは当社の株主に当社株式を売却する機会を提供するものであり、長期的に当社株式を所有する株主の利益にも一定の配慮が必要であるとの認識に基づき、本公開買付価格の引き上げを再度要請することが適切である旨の意見が示されたとして、本公開買付価格の再提案の要請を受けたとのことです。当該要請を受け、本公開買付価格について、慎重に検討を進め、山口嘉彦氏は、2024年5月7日に、本公開買付価格を1,455円(提案日の前営業日である2024年5月2日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値876円に対して66.10%のプレミアムを加えた金額)とする旨の4回目の提案を行ったとのことです。これに対して、山口嘉彦氏は、2024年5月8日に、当社から、同日に開催された本特別委員会において再度検討を行った結果、本特別委員会より、本公開買付価格は少数株主に一定程度配慮されていると評価できるものの、過去の市場株価の状況やPBR(株価純資産倍率)水準にも配慮が必要であるとの認識に基づき、本公開買付価格を再度要請することが適切である旨の意見が示されたとして、山口嘉彦氏は、本公開買付価格の再提案の要請を受けたとのことです。当該要請を受け、本公開買付価格について、慎重に検討を進め、山口嘉彦氏は、2024年5月13日に、最終提案として、本公開買付価格を1,460円(提案日の前営業日である2024年5月10日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,028円に対して42.02%のプレミアムを加えた金額)とする旨の提案を行ったとのことです。これに対して、山口嘉彦氏は、2024年5月14日に、当社から、同日に開催された本特別委員会において再度検討を行った結果、本公開買付価格について、当該提案を応諾する旨の回答を受けたとのことです。なお、本公開買付価格の交渉と並行して、山口嘉彦氏が、2024年4月3日に、本特別委員会に対して、本取引を提案するに至った検討過程、本取引後に想定している施策の内容、本取引によって見込まれるメリット・デメリットその他の影響の内容及び程度、並びに本取引後に予定している当社の経営方針等について、説明を行った上で、本特別委員会を介した質疑応答を行う等、本取引の意義及び目的、買付価格以外の条件や、当社の非公開化後の経営方針等に関する協議を行い、当該協議の結果として、当社は、2024年5月15日に、下記「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引の実行は当社の企業価値の向上の観点からメリットがあると判断いたしました。
これらの協議・交渉を重ねた上で、公開買付者は、2024年5月15日、美美興産との間で、不応募株式1,323,240株(所有割合:12.06%)について本公開買付けに応募しない旨を合意するとともに、本応募合意株主との間で、本応募合意株主が所有する当社株式4,801,738株(所有割合:43.75%)の全てについて本公開買付けに応募する旨を合意し、本取引の一環として、本公開買付価格を1,460円として本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、有価証券報告書や決算短信等において当社が開示している財務情報等の資料等に基づき、当社の事業及び財務の状況を総合的に分析したとのことです。また、当社株式が金融商品取引所を通じて取引されていることから、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年5月14日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値(1,269円)、同日までの過去1ヶ月間、同過去3ヶ月間及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値(920円、898円及び885円)の推移を参考にしたとのことです。さらに、本事例56件における平均的なプレミアム水準(公表日の前営業日を基準日として、基準日、基準日までの過去1ヶ月間、同過去3ヶ月間及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値におけるそれぞれのプレミアム率の平均値(42.35%、44.83%、47.97%及び48.02%)、本公開買付けに対する応募の見通し等の各種要素を総合的に勘案し、当社との協議・交渉を経て、2024年5月14日に本公開買付価格を1,460円と決定したとのことです。なお、公開買付者は、当社の事業及び財務の状況、当社株式の株価推移、本事例における平均的なプレミアム水準及び本公開買付けに対する応募の見通し等の各種要素を総合的に考慮し、かつ、当社との協議・交渉を経て本公開買付価格を決定しており、第三者算定機関からの株式価値算定書は取得していないとのことです。
なお、本公開買付価格である1,460円は、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年5月14日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,269円に対して15.05%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値920円に対して58.70%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値898円に対して62.58%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値885円に対して64.97%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となるとのことです。
また、本公開買付価格である1,460円は、本書提出日の前営業日である2024年5月15日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,257円に対して16.15%のプレミアムを加えた価格となるとのことです。
③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2024年3月13日に、山口嘉彦氏及び青木浩一氏から本提案書が提出されたことを踏まえ、本取引に関する具体的な検討を開始いたしました。
当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付けがマネジメント・バイアウト(MBO)のための本取引の一環として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在すること等を踏まえ、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、本取引と同種の取引である、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)を含む非公開化を想定した公開買付け事例に関する公表内容等を踏まえ、独立性及び専門性・実績等を検討の上、2024年3月中旬に山口嘉彦氏及び青木浩一氏及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとしてシティユーワ法律事務所を、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として山田コンサルティンググループ株式会社(以下「山田コンサル」といいます。)を選任いたしました。また、当社は、本取引の公正性を担保するため、シティユーワ法律事務所の助言を踏まえ、2024年3月19日開催の取締役会決議により、中村源次郎氏(当社独立社外取締役(監査等委員))、岡本実氏(当社独立社外取締役(監査等委員)、林一成氏(当社独立社外取締役(監査等委員)))及びM&A業務に従事する専門家として本取引の検討を行う専門性・適格性を有すると考えられる社外有識者である片寄学氏(公認会計士・税理士、株式会社J-TAPアドバイザリー)の4名から構成される本特別委員会(なお、本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置することにより、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するとともに、山口嘉彦氏及び青木浩一氏に対して本取引の実施に向けた協議・交渉に応じる旨の連絡を行いました。
なお、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年3月19日、本特別委員会において、当社のリーガル・アドバイザーであるシティユーワ法律事務所並びに当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサルについて、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。
また、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築するとともに、2024年3月19日、かかる検討体制に独立性・公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。
なお、当社は2023年11月6日付で「業績予想の修正に関するお知らせ」を公表し、連結業績予想の修正を行っておりますが、当該修正は、企業間物流の取扱貨物輸送量が予想以上に伸び悩んだことを理由とし、当該修正に係る検討は、公開買付者から提案書を受領した2024年3月13日以前に行われたものであり、本取引とは無関係に行われたものです。
かかる体制の下で、当社は、本取引の目的を含む本公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容や足元の株価動向を踏まえ、公開買付者から受けた本公開買付価格の提案内容を適時に本特別委員会に共有し、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、当社としての交渉方針に係る本特別委員会からの意見を受け、また、山田コンサルから当社株式の株式価値の算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、シティユーワ法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に検討を行ってまいりました。
具体的には、当社は、2024年4月3日に本特別委員会を通じて山口嘉彦氏に対するインタビューを実施し、本取引の背景(本取引に係る提案を上記の時期に行うに至った背景を含みます。)、経緯、非公開化の必要性、目的及び効果等、本取引後の経営方針、本取引のスキーム、本取引における諸条件等について、確認を行いました。
また、本公開買付価格については、当社は、2024年4月11日、山口嘉彦氏から本公開買付価格を1,200円とする最初の価格提案を受けましたが、当該提案価格を本特別委員会において検討した結果、当該提案価格は当社の少数株主の利益に十分に配慮された金額とはいえないとの結論に至ったとして、当社は、2024年4月19日、山口嘉彦氏に対し、公開買付価格の再度の提案を要請いたました。その後、当社は、2024年4月24日、山口嘉彦氏から本公開買付価格を1,320円とする価格提案を受けましたが、当該提案価格を本特別委員会において検討した結果、当該提案価格は当社の少数株主の利益に十分に配慮された金額とはいい切れないとの結論に至り、その引き上げを再度要請することが適切であるとの意見が示されたとして、2024年4月26日、山口嘉彦氏に対し、本公開買付価格の再度の提案を要請いたしました。その後、当社は、2024年4月30日、山口嘉彦氏から本公開買付価格を1,400円とする価格提案を受けましたが、当該提案価格を本特別委員会において検討した結果、本公開買付けは当社の株主に当社株式を売却する機会を提供するものであり、これまで当社株式を長期的に所有している株主の利益にも一定の配慮が必要であるとの認識に基づき、当該提案価格の引き上げを再度要請することが適切であるとの意見が示されたとして、2024年5月1日、山口嘉彦氏に対し、本公開買付価格の再度の提案を要請いたしました。その後、当社は2024年5月7日、山口嘉彦氏から本公開買付価格を1,455円とする価格提案を受けましたが、当該提案価格を本特別委員会において検討した結果、直近の市場株価に対するプレミアム水準において少数株主に一定程度配慮されていると評価できるものの、一方で、過去の市場株価の状況やPBR(株価純資産倍率)水準その他の事情についても配慮が必要であるとの意見に基づき、当該提案価格の引き上げを再度要請することが適切であるとの意見が示されたとして、2024年5月8日、山口嘉彦氏に対し、本公開買付価格の再度の提案を要請いたしました。その後、当社は2024年5月13日、山口嘉彦氏から本公開買付価格を1,460円とする最終の価格提案を受け、当該提案価格を本特別委員会において検討した結果、2024年5月14日、山口嘉彦氏の最終の価格提案を応諾する旨の回答をいたしました。なお、本公開買付価格の交渉と並行して、山口嘉彦氏が、2024年4月3日に、本特別委員会に対して、本取引を提案するに至った検討過程、本取引後に想定している施策の内容、本取引によって見込まれるメリット・デメリットその他の影響の内容及び程度、並びに本取引後に予定している当社の経営方針等について、説明を行った上で、本特別委員会を介した質疑応答を行う等、本取引の意義及び目的、買付価格以外の条件や、当社の非公開化後の経営方針等に関する協議を行い、当該協議の結果として、当社は、2024年5月15日に、本公開買付けを含む本取引の実行は当社の企業価値の向上の観点からメリットがあると判断いたしました。
さらに、当社は、リーガル・アドバイザーであるシティユーワ法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から、2024年5月15日付で答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました(本答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。その上で、当社は、シティユーワ法律事務所から受けた法的助言及び山田コンサルから2024年5月15日付で取得した株式価値算定書(以下「当社株式価値算定書」といいます。)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引を通じて当社の企業価値の向上を図ることができるか、本公開買付価格を含む本取引の諸条件は妥当なものか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより一般株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
その結果、当社は、以下の点等を踏まえると、本取引を通じて当社株式を非公開化することが、当社の企業価値の向上に資するものであるとの判断に至りました。
すなわち、上記「② 公開買付者が本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社グループは、会社設立以来、社是「和」のもと、「法の遵守」、「社会貢献」、「環境と顧客の優先」、「全員参加」を経営の基本理念として掲げ、「ときめき(自主性)、ひらめき(創造性)、こだわり(独自性)」の精神を持って事業運営に取り組み、設立以来、貨物自動車運送事業を中心として、全国配送に向けた輸送路線網の充実や拠点の整備、大量高速輸送時代に先駆けたトレーラー輸送の開始、当社が主体となり、全国輸送ネットワークを実現する目的で、全国各地域の中堅運送会社が業務提携を結び結成されたSライン日本グループによる全国輸送ネットワーク体制の確立、業界初のオンラインシステム(スリーエスシステム)の稼動、子会社化方式による輸送周辺領域業務の取り組み等、お客様の様々なニーズに応えてまいりました。また、当社は、2006年10月の持株会社体制への移行により、貨物自動車運送事業、倉庫業、物品販売事業、情報処理事業、自動車整備事業等、輸送事業とその関連周辺分野を中心とした事業領域において経営資本と管理体制の効率化を推進し、当社グループの一層の利益体質の確立と企業価値の向上を図ることにより、総合物流企業としてさらなる発展と飛躍を目指して、日々注力しております。
しかし、当社グループを取り巻く事業環境については、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したこと等もあり、景気は緩やかに回復しているものの、長期化するロシア・ウクライナ問題に加え、中東情勢が緊迫化する等、不安定な状況が続くなかで、世界的な金融引き締めによる急激な円安の進行や資源価格の高騰に伴う物価上昇も続いており、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。当社グループの主要な事業である物流関連業界においては、経済活動やインバウンド需要の回復により、貨物輸送物量は増加するものと期待する中で、あらゆる商品価格の値上がりが続き、消費活動に力強さが感じられず、2022年度以降、低調に推移しました。加えて、上記の新型コロナウイルス感染症の影響による新生活様式への転換によって、商品の流通形態は実店舗での購買からネット環境へと消費様式が変化したことにより、宅配便に対する需要が増加し、企業間の貨物輸送物量は伸び悩んでおり、また今後も引き続き状況は好転しないものと考えております。
さらに、長引く原油価格の高騰により軽油単価や光熱費等の高値が続いていることや、ドライバー不足や物流の2024年問題への対応等、労働環境の改善課題も多く、当社グループを取り巻く経営環境は非常に厳しい状況が続いていると認識しております。
かかる状況の中で、当社は公開買付者から、2024年3月13日に、本提案書により、本取引に係る協議・交渉の過程において、上記「② 公開買付者が本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、手元資金を、ドライバーを中心とする人材の採用強化、新たな物流センターの建設、作業効率化を実現するためのDX投資さらには既存・新規領域を問わないM&A等へ積極的に投資し、当社の強みである輸送と物流サービスにグループ一体となって取り組むことが必要であり、当該取り組みにより当社の事業基盤を強固なものとし、企業価値向上につながる提案を受けました。当社としても、中長期的に収益性を向上させ、企業価値を向上していくためには、抜本的な事業構造の改革が必要不可欠であり、中長期的に収益性を向上させるための事業投資や、傭車費を中心とした外注費に頼らない人員体制の確保のための人件費の増加等、短期的に投資や費用が伴う施策が必要であると考えており、2024年5月15日開催の当社取締役会において、公開買付者の協力の下で当該施策を行うことが、中長期的な観点から、当社の持続的な成長及び企業価値の向上に資するものと判断いたしました。
しかしながら、上記のような積極的な施策の遂行は、中長期的には当社の企業価値向上に資することが期待できるものの、短期的には収益性が悪化することを懸念しており、キャッシュ・フローの悪化を招く可能性もあります。当社が上場を維持したままでこれらの施策を実施した場合には、資本市場からの十分な評価を得ることができず、当社の株主の皆様に対して、短期的に当社株式の市場株価の下落といった不利益を与えるおそれが懸念され、当社株式の上場を維持したままこれらの施策を実施することは難しいと考えております。一方で、本取引により、非上場化することで、長期的な視点で公開買付者からの提案にあるような施策の実行に取り組むことが可能となると考えており、本取引の実行は当社の企業価値向上の観点からもメリットがあると考えております。
また、当社株式の非公開化により、当社株式の上場を維持するために必要な費用(有価証券報告書等の継続的な情報開示に要する費用、監査費用、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費用等)を削減することができ、かつ、上場会社として必要となる管理部門の維持のための費用その他のコスト等、当社株式の上場を維持することによるその他の経営負担も軽減され、より一層、事業成長への経営資源の集中を図ることも可能になると考えております。
なお、当社株式の非公開化を行った場合には、当社は資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等に影響を及ぼす可能性が考えられるものの、昨今の間接金融における低金利環境等を鑑みると、当面はエクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は見込まれません。加えて、当社の社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等については、事業活動を通じて獲得・維持される部分が大きく、当社株式の上場を維持する必要性は相対的に減少していると認識していることから、2024年5月15日開催の当社取締役会において、当社株式の非公開化によるメリットが、そのデメリットを上回ると考えるに至りました。
また、当社は、以下の点等を踏まえると、本公開買付価格(1,460円)及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の少数株主にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の一般株主に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(a)本公開買付価格が、下記「(3)算定に関する事項」に記載されている山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法及び類似会社比較法に基づく算定結果のレンジの上限値を上回っており、かつ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジの中央値を上回っていること。
(b)本公開買付価格が、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年5月14日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,269円に対して15.05%、2024年5月14日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値920円に対して58.70%、直近3ヶ月間の終値単純平均値898円に対して62.58%、直近6ヶ月間の終値単純平均値885円に対して64.97%のプレミアムがそれぞれ加えられた価格であり、近時の他のMBO事例及び支配株主による従属会社の買収事例(以下「本類似事例」といいます。)におけるプレミアム(注10)との比較において、公表日の前営業日の終値に対するプレミアム水準において下回るが、公表日の前営業日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準において上回る状況となっているが、この点、当社株式については、本公開買付けの公表日の前営業日から遡ること3営業日(2024年5月10日、同月13日及び同月14日)において急激な出来高の増加と株価上昇がみられるが(具体的には当該3営業日の終値は、それぞれ1,028円、1,241円、1,269円であり、同月9日の終値(878円)との比較においてそれぞれ17.08%、41.34%、44.53%上昇している。)、当社株式は、市場において継続的に取引されているが、日々の出来高は多くないため、一度に一定規模の注文がなされる場合には、市場株価に大きな変動が生じ得るところ、(ⅰ)当社株式における当該3営業日の出来高が通常の平均的な出来高から大きく増加していること、(ⅱ)当該3営業日において当社による適時開示はなく、少なくとも当社の特定の公表を反映しての株価の変動ではないこと、及び、(ⅲ)当該3営業日における類似上場企業(下記「(3)算定に関する事項」の「② 算定の概要」に記載のとおり、当社の事業と比較的類似する事業を営む類似上場企業として選定した大宝運輸株式会社、トナミホールディングス株式会社、株式会社ロジネットジャパン及び東部ネットワーク株式会社)の終値の変動が大きくないことに照らせば当社と類似する会社において同様の株価の上昇が生じているとまでは直ちに認められないこと等を踏まえると、当該3営業日における当社株式の株価の上昇は一過性のものである可能性を否定できないことから、必ずしも公表日の前営業日の終値に対するプレミアム水準のみを考慮するのではなく、より長期間の終値の平均値等に対するプレミアム水準を考慮する方が適切であると考えられ、上記のとおり、本公開買付価格の公表日の前営業日である2024年5月14日の終値に対するプレミアム水準は、本類似事例におけるプレミアム水準との比較において約25%程度下回るものの、(ア)公表日の前営業日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準は、本類似事例におけるプレミアム水準との比較において、いずれも約15%程度も上回ること、及び、(イ)上記の急激な株価上昇が発生した2024年5月10日の前営業日である同月9日の終値(878円)との比較した場合の本公開買付価格のプレミアム水準(66.29%)は、本類似事例における公表日の前営業日の終値のプレミアム水準を約25%程度も上回っていること等に鑑みると、本公開買付価格に付されたプレミアムは、本類似事例との比較においても合理的な水準であると認められることから、相応のプレミアムが付されていると評価できること。また、本公開買付価格は、当社の2024年3月31日現在の連結簿価純資産から算出した1株当たり連結簿価純資産額(2,563円(小数点以下を四捨五入。))を下回っているものの、純資産価額は会社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値算定において重視することは合理的ではなく、当社の固定資産のうち、約73%が主に物流事業に係る荷物仕分場所を備えた各支店の建物や、それらが立地する土地等の事業用資産(土地及び建物の合計額(22,872百万円))で占められており、またそれらの事業用不動産のうち、上記のような各支店の建物設備は汎用性は低く、流動性が高いわけではないこと、また多数の子会社を含めた当社グループの清算を行う場合、これらの各支店閉鎖に係る費用(建物の取り壊し費用、支店内の備付設備の解体費用及びアスベストの除去費用を含みます。)や、従業員に対する割増退職金及び弁護士費用等の相当程度の追加コストが発生すること等を考慮すると、仮に当社が清算する場合、連結簿価純資産額と同額で換価されるわけではなく、現実的には連結簿価純資産額から相当程度に毀損された金額となることが想定されることから(なお、当社においては、清算を前提とする見積書の取得までは行っておらず、本公開買付価格が、具体的な検討を経て概算された想定清算コスト等を勘案して算出される想定の清算価値を上回っていることの確認までは行っておりません。)、1株当たり連結簿価純資産額が当社株式の公正価値の最低価格となるという考え方は採用し難いと考えられること。
(注10) 経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降、2024年4月24日までに公表された非公開化を目的とした公開買付けの事例のうち、マネジメント・バイアウト(MBO)事例及び支配株主による従属会社の買収に係る事例124件における、公表日前営業日の終値、並びに過去1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間の終値単純平均値それぞれに対するプレミアムの平均値は、順に41.33%、44.64%、46.71%、46.88%となっています。
(c)下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の利益相反を回避するための措置が採られていること等、当社の少数株主の利益への配慮がなされていると認められること。
(d)本公開買付価格が、上記利益相反を回避するための措置が採られた上で、当社と公開買付者との間で真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた上で決定された価格であること。
(e)本特別委員会が、当社から適時に交渉状況の報告を受け、当社の交渉方針に関して意見、指示、要請等を行うこと等により、取引条件に係る交渉過程に実質的に関与した上で、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本答申書において、本公開買付価格を含む本取引の条件には公正性が確保されていると考えられる旨の意見が示されていること。
以上より、当社は、2024年5月15日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(特別利害関係取締役である山口嘉彦氏及び特別利害関係取締役に該当するおそれのある青木浩一氏を除く、取締役7名(堀江繁幸氏、白木武氏、笠井大介氏、村瀬光明氏、中村源次郎氏、岡本実氏及び林一成氏))の全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
また、当社は、2023年6月28日開催の第84期定時株主総会決議において本プランの継続を決議しておりますが(本プランの詳細は、2023年5月22日付で公表した「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続について」をご参照ください。)、以上の検討の経緯及び判断内容並びに本答申書の内容を踏まえ、本プランに従った手続を別途実施しないことを、2024年5月15日開催の当社取締役会において併せて決議いたしました。
上記取締役会における決議の方法については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」をご参照ください。
③ 本公開買付け後の経営方針
本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、当社の代表取締役社長である山口嘉彦氏は、本取引後も継続して代表取締役として当社の経営にあたることを予定しており、上記「② 公開買付者が本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の経営施策を推進する予定とのことです。なお、公開買付者は、本書提出日現在において、当社のその他の取締役との間で、本取引後の役員就任や処遇について何ら合意しておらず、当社の役員構成を含む経営体制については、本公開買付けの成立後、改めて当社と協議しながら決定していく予定とのことです。また、当社の従業員については、本公開買付け後も原則として現在の雇用条件を維持することを予定しているとのことです。
(3)算定に関する事項
① 算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、本公開買付価格に関する検討を行うにあたり、本取引に関する当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するための措置の一環として、公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として山田コンサルを選任し、山田コンサルから当社株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるとともに、2024年5月15日付で当社株式価値算定書を取得いたしました。山田コンサルは、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
なお、本取引に係る山田コンサルに対する報酬の相当な部分は、本取引の公表及び本スクイーズアウト手続の完了を条件に支払われる取引報酬とされていますが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行等も勘案の上、上記の報酬体系により山田コンサルを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。
また、本特別委員会は、2024年3月19日開催の第1回の会合において、山田コンサルの独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認しております。なお、当社は、公開買付者及び当社において、少数株主の利益に配慮して、本公開買付けの公正性を担保するための措置を実施していることから、フェアネス・オピニオンの取得は不要と判断しており、山田コンサルからフェアネス・オピニオンを取得しておりません。
② 算定の概要
山田コンサルは、当社からの依頼に基づき、当社の事業の現状、将来の事業計画等の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受け、それらの情報を踏まえて当社株式の株式価値を算定しております。
山田コンサルは、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場及び名古屋証券取引所プレミア市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、比較可能な類似上場会社が複数存在し、類似上場会社の市場価値との比較において株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法を用いて、当社株式の1株当たりの株式価値算定を行っております。
山田コンサルが上記の手法に基づいて算定した当社株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法 :885円から1,269円
類似会社比較法 :993円から1,274円
DCF法 :1,254円から1,592円
市場株価法では、算定基準日を2024年5月14日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値1,269円、直近1ヶ月間の終値単純平均値920円、直近3ヶ月間の終値単純平均値898円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値885円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を885円から1,269円と算定しております。
類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む類似上場企業として、大宝運輸株式会社、トナミホールディングス株式会社、株式会社ロジネットジャパン及び東部ネットワーク株式会社を選定した上で、事業価値に対するEBITDAマルチプルを用いて、当社株式の1株当たりの価値の範囲を993円から1,274円までと算定しております。
DCF法では、当社が作成した2025年3月期から2027年3月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)における収益予測及び投資計画を前提として、当社が2025年3月期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値及び株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,254円から1,592円と算定しております。なお、割引率は加重平均資本コストを採用した、6.06%から7.06%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長法を採用し、永久成長率を△0.25%から0.25%として算定しております。
山田コンサルがDCF法の算定の前提とした当社作成の事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。なお、DCF法による算定に用いた2025年3月期から2027年3月期までの当社の事業計画(連結)には大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2025年3月期は、物流サービス分野やホームサービス分野の拡充により、営業収益が増加する一方で、主に傭車割合の削減により、外注費の減少を見込んでいることから、営業利益が増加することを見込んでおり、また、運転資本が減少することからフリー・キャッシュ・フローが増加することを見込んでおりますまた、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、上場維持コストを除き、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、反映しておりません。
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(単位:百万円) |
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2025年3月期 |
2026年3月期 |
2027年3月期 |
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営業収益 |
50,000 |
52,000 |
53,020 |
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営業利益 |
1,000 |
1,060 |
1,180 |
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EBITDA |
2,838 |
2,887 |
3,008 |
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フリー・キャッシュ・フロー |
1,531 |
1,666 |
1,739 |
山田コンサルは、当社の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報が、全て正確かつ完全なものであること、また本公開買付価格の分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実で山田コンサルに対して未開示の事実はないこと等を前提としてこれに依拠しており、独自にそれらの正確性の検証を行っておりません。加えて、当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による現時点での得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを了承したことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。山田コンサルの算定は、2024年5月14日までの上記情報を反映したものです。
なお、山田コンサルがDCF法による当社株式価値の算定に使用した本事業計画は、当社が2022年5月30日に公表した2025年3月期までを対象期間とする当社中期経営計画の2025年3月期に係る数値目標を下回っておりますが、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、不安定な事業環境などの影響から、2024年3月期の当社グループの業績が当社中期経営計画から下振れる実績となったことを受け、当社は、2024年3月27日に実施した本特別委員会において、当社中期経営計画の2025年3月期に係る数値目標(営業収益54,000百万円、営業利益(利益率)2,110百万円(3.9%)は現時点での当社経営陣による最善の財務予測を反映したものではないとして、より現状に即した予測に基づき、当社の客観的かつ合理的な企業価値を算定し、本公開買付価格の妥当性を検討することがより適切である旨の説明を実施しております。なお、本特別委員会は既存の中期経営計画における2025年3月期に係る数値目標を取り下げて改めて直近の市場環境等を踏まえた2027年3月期までの本事業計画を策定することも不合理なものではないと考えられるとの判断をしております。
当社は、当社中期経営計画上の数値目標を、2024年5月15日付で取り下げることとしております。詳細は、当社が5月15日付で公表した「中期経営計画上の数値目標の取下げに関するお知らせ」をご参照ください。
また、本特別委員会は、本事業計画が、公開買付者から独立した者(下記「⑤ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、本取引に関する公開買付者の検討、交渉及び判断に参加若しくは補助する者は検討体制に加わらないこととされています。)により作成されていることについて確認するとともに、その作成過程においても、作成中の事業計画案の内容、重要な前提条件等について説明を受け、最終的な事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について確認の上、承認しております。
(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより、当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式及び不応募株式を除きます。)を取得することができなかった場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、当社に対し、以下の方法により、当社の株主を公開買付者及び美美興産のみとするための本スクイーズアウト手続を行うよう要請することを予定しているとのことです。
具体的には、本公開買付けの成立後、公開買付者は、会社法第180条に基づき、当社株式の併合を行うこと(以下「本株式併合」といいます。)及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)の開催を当社に要請する予定とのことです。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定であり、美美興産は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する意向であるとのことです。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなるとのことです。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになるとのことです。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の各株主(ただし、公開買付者、美美興産及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うよう当社に要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、当社に対して、公開買付者及び美美興産のみが当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の各株主(ただし、公開買付者、美美興産及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。なお、下記「4.公開買付者と当社の株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」に記載のとおり、本株式併合の効力発生前において、公開買付者及び美美興産以外に、美美興産が所有する当社株式の数以上の当社株式を所有する当社の株主が存在することを可及的に避け、本株式併合の安定性を高めるため、美美興産が所有する当社株式を公開買付者に無償で貸し付ける可能性があるとのことです。
本株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社の株主は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められているとのことです。
なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。
上記の手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の各株主(ただし、公開買付者、美美興産及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定される予定とのことです。上記の本臨時株主総会を開催する場合、2024年8月下旬を目処に開催するよう当社に要請する予定とのことですが、具体的な手続及びその実施時期等については、当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定とのことです。なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(5)上場廃止となる見込み及びその理由
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場及び名古屋証券取引所プレミア市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所及び名古屋証券取引所の上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、上記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続が実行された場合には、東京証券取引所及び名古屋証券取引所の上場廃止基準に該当し、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場及び名古屋証券取引所プレミア市場において取引することはできません。
(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
公開買付者及び当社は、本公開買付けがいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)のための本取引の一環として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在すること等を踏まえ、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。
なお、公開買付者は、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあると考え、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定していないとのことです。もっとも、公開買付者としては、公開買付者及び当社において以下の措置を講じていることから、当社の少数株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。
また、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、本公開買付価格に関する検討を行うにあたり、本取引に関する当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するための措置の一環として、公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として山田コンサルを選任し、山田コンサルから当社株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるとともに、2024年5月15日付で当社株式価値算定書を取得いたしました。山田コンサルは、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
なお、本取引に係る山田コンサルに対する報酬の相当な部分は、本取引の公表及び本スクイーズアウト手続の完了を条件に支払われる取引報酬とされていますが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行等も勘案の上、上記の報酬体系により山田コンサルを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任いたしました。
また、本特別委員会は、2024年3月19日開催の第1回の会合において、山田コンサルの独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認しております。
当社株式価値算定書の概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「② 算定の概要」をご参照ください。
② 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引に係る当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するため、公開買付者及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとしてシティユーワ法律事務所を選任し、本公開買付けを含む本取引に関する当社取締役会の意思決定の過程、方法その他の本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。
シティユーワ法律事務所は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。なお、本取引に係るシティユーワ法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会は、2024年3月19日開催の第1回の会合において、シティユーワ法律事務所の独立性に問題がないことを確認した上で、当社のリーガル・アドバイザーとして選任することを承認しております。
③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
当社は、上記「(2)意見の根拠及び理由の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2024年3月13日付で山口嘉彦氏及び青木浩一氏から本取引の検討を開始したい旨の申入れを受け、本取引がいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われるものであり、当社における本取引の検討において構造的な利益相反状態が生じ得ること等に鑑み、当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性を排除し、公正性、透明性及び客観性を担保するために、2024年3月19日付の当社取締役会決議により、公開買付者及び当社から独立した、外部の有識者を含む委員(当社の社外取締役(監査等委員)兼独立役員である中村源次郎氏、当社の社外取締役(監査等委員)兼独立役員である岡本実氏、当社の社外取締役(監査等委員)兼独立役員である林一成氏、及びM&A業務に従事する専門家として本取引の検討を行う専門性・適格性を有すると考えられる外部の有識者である片寄学氏(公認会計士・税理士、株式会社J-TAPアドバイザリー代表取締役)の4名)によって構成される本特別委員会を設置いたしました。当社は、当初から上記4名を本特別委員会の委員として選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はございません。また、本特別委員会の委員の互選により、当社の社外取締役(監査等委員)兼独立役員である中村源次郎氏が本特別委員会の委員長に就任しております。なお、本特別委員会の委員の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。
そして、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値の向上に資するか否かを含む。)、(ⅱ)本取引の条件(本公開買付価格を含む。)の公正性、(ⅲ)本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性、(ⅳ)本取引(本公開買付けに対して賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨すること、その他当社による本取引の手続に係る決定を含む。)が当社の少数株主にとって不利益なものではないか、(ⅴ)上記(ⅰ)から(ⅳ)を踏まえ、当社取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明すること、及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非(以下、(ⅰ)から(ⅴ)を総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問し、これらの点についての答申書を当社取締役会に提出することを委嘱いたしました。
また、当社は、上記取締役会決議において、本公開買付けに対する意見表明の内容を審議する当社取締役会においては、本特別委員会の設置の趣旨に鑑み、本諮問事項に対する本特別委員会の答申内容を最大限尊重するものとし、本特別委員会が取引条件を妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は、本公開買付けに賛同しないこととする旨を決議しております。併せて、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対して、(a)本特別委員会が自ら公開買付者と交渉を行うことができる権限のほか、公開買付者との交渉を当社の社内者やアドバイザー等が行う場合でも、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与えることができる権限、(b)必要に応じて本特別委員会独自の外部アドバイザー等を選任する権限(この場合の費用は当社が負担するものとしているとのことです。)のほか、当社が選任する外部アドバイザー等について指名又は承認(事後承認を含むとのことです。)する権限、さらに、(c)答申を行うにあたって必要となる一切の情報の収集を当社の役員及び従業員並びに外部アドバイザー等に対して求めることができる権限をそれぞれ付与しております。上記(b)の権限付与を受けて、本特別委員会は、2024年3月19日に開催された第1回の会合において、当社が選任する外部アドバイザー等について、いずれも独立性に問題がないことを確認した上で、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として山田コンサルを、リーガル・アドバイザーとしてシティユーワ法律事務所をそれぞれ選任することを承認いたしました。
本特別委員会は、2024年3月19日から同年5月14日までに、会合を合計10回開催したほか、会合外においても電子メール等を通じて、意見表明や情報交換、情報収集等を行い、必要に応じて随時協議を行う等して、本諮問事項に関し、慎重に検討を行いました。具体的には、本特別委員会は、当社から、当社の事業内容・業績推移、主要な経営課題、本取引により当社の事業に対して想定されるメリット・デメリット、本取引の条件の検討の際に基礎とされる当社の事業計画の内容及び策定手続等について説明を受け、質疑応答を行いました。また、公開買付者の株主である山口嘉彦氏から、本取引を提案するに至った検討過程、本取引後に想定している施策の内容、本取引によって見込まれるメリット・デメリットその他の影響の内容及び程度、並びに本取引後に予定している当社の経営方針等について説明を受け、質疑応答を行いました。さらに、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサルから、当社株式の株式価値の算定に関する説明を受け、その算定過程に関して質疑応答を行った上で、当該算定結果の合理性について検討いたしました。以上の検討に際して、本特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーであるシティユーワ法律事務所から、特別委員会の意義・役割等を含む本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置の内容について適宜助言を受けております。
そして、本特別委員会は、当社から、当社と公開買付者との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、当社に対して計4回にわたり、公開買付者に対して本公開買付価格の増額を要請すべき旨を意見し、当社が当該意見に従って公開買付者と交渉を行ったことにより、公開買付者との交渉過程に実質的に関与しております。
本特別委員会は、以上の経緯のもと、本諮問事項について慎重に審議及び検討を重ねた結果、2024年5月15日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出いたしました。
(a)答申内容
(ⅰ)本取引は当社の企業価値の向上に資するものといえ、その目的は正当であり、かつ合理性があると考えられる。
(ⅱ)本公開買付価格を含む本取引の条件には公正性が確保されていると考えられる。
(ⅲ)本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続には公正性が確保されていると考えられる。
(ⅳ)本取引(本公開買付けに対して賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨すること、その他当社による本取引の手続に係る決定を含む。)は、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。
(ⅴ)上記(ⅰ)から(ⅳ)を踏まえると、当社取締役会が本公開買付けに対して賛同意見を表明すること、及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは、いずれも相当であると考えられる。
(b)答申理由
(ⅰ)本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値の向上に資するか否かを含む。)
以下の点を総合的に考慮すると、本取引は当社の企業価値の向上に資するものといえ、その目的は正当であり、かつ合理性があると考えられる。
・当社グループを取り巻く事業環境については、新型コロナウイルス感染症の5類への移行やインバウンド需要の回復により、経済活動の回復への期待はあるものの、物価上昇や円安の継続等、先行きは依然として不透明な状況が続いている。また、物流関連業界においても、物価上昇の影響を受けた景気後退が懸念される等、不安定な事業環境が続いているほか、新生活様式への転換によって、商品の流通形態が実店舗での購買からネット環境へと消費様式が変化したことにより、宅配便に対する需要が増加し、企業間の貨物輸送物量は引き続き伸び悩んでいくと認識されている。以上の事業環境に係る説明内容について、当社及び公開買付者に対するインタビューやその他の一般的な公開情報を踏まえると、特段不合理な点は認められない。
・山口嘉彦氏は、物流の2024年問題への対応の必要性が明らかとなった2022年12月下旬より、当社グループの中長期的な企業価値向上策について検討を開始し、慢性的なドライバーを中心とする人材不足がより一層深刻な問題に発展するため、ドライバーの確保とともに従業員の待遇改善が急務となること、加えて、地政学的な情勢変化や急激な円安に伴う燃料費高騰、車両や資材関連価格の値上げ等による数多くのコスト増加、新生活様式への転換による変化の激しい事業環境に柔軟に対応できるよう、抜本的な事業構造の改革を推進していくことが不可欠であるとの認識を持つに至ったとのことである。具体的には、短期的な収益や株価動向にとらわれることなく、一定の事業リスクを伴う、当社グループの事業構造の抜本的な改革を実施できる経営体制を構築し、迅速な意思決定の下で輸送サービス分野、物流サービス分野、ホームサービス分野及びその他に係る各施策を早期に実施していく必要があると考えるに至ったとのことである。公開買付者が検討している各施策について、当社及び公開買付者に対するインタビューを踏まえて検討した結果、その説明内容に特段不合理な点は認められず、これらの施策が上記の経営課題の解決に資するものといえるため、当社グループの中長期的な企業価値の向上のために積極的に推進していくべき施策であるとの判断には合理性があると思料する。
・また、公開買付者は、かかる各施策の実施により事業構造の改革を推進していくにあたっては、多額の初期投資や継続的な投資を要することとなり、短期的には当社グループの収益及びキャッシュ・フローの悪化が懸念される反面、期待する収益を十分生み出すまでに時間を要すると見込まれ、また、当社が上場企業である以上、投資家や株主から当社グループに対して短期的な業績に対するコミットメントが求められているところ、当社株式の上場を維持したままこれらの施策を実施することは困難であると考えたとのことである。加えて、公開買付者は、近年のコーポレートガバナンス・コードの改訂、資本市場に対する規制の強化等により対応事項が年々増加傾向にあり、上場維持のために必要な人的・金銭的コストの負担も増加傾向にあること、及びこれらのコストが当社の経営推進上の大きな負担となる可能性も否定できないことから、当社株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあると考えているとのことである。当社としても、当社の株主に発生する可能性がある不利益を回避しつつ、中長期的な視点から当社グループの企業価値を向上させるためには、当社株式を非公開化し、短期的な株式市場からの評価にとらわれずに各施策に迅速かつ果敢に取り組むことができる経営体制を構築することが必要と考えているとのことであり、当社の認識は概ね公開買付者の認識とも一致しており、その説明内容についても特段不合理な点は認められない。
・その上で、非公開化の手法としてMBOが採用されている点については、上記の各施策を効率的に実施するために、当社グループの事業内容及び事業環境を熟知している当社の代表取締役社長である山口嘉彦氏が株主であり、かつ、代表取締役を務める公開買付者によって当社株式を非公開化し、同氏が当社の経営と支配の双方を担うことには一定の合理性が認められると思料する。
・本取引により当社株式が上場廃止となることに伴い想定され得るデメリットについて、当社及び公開買付者に対するインタビュー等を通じて検討した結果、当社の取引先に対する影響、今後の資金調達への影響、コンプライアンス体制への影響、今後の人材採用への影響、既存従業員への影響等、いずれにおいてもその影響は限定的と考えられ、本取引によって期待されるメリットを上回るデメリットが生じる具体的な可能性は、特段認められない。
(ⅱ)本取引の条件(本公開買付価格を含む。)の公正性
以下の点を総合的に考慮すると、本公開買付価格を含む本取引の条件には公正性が確保されていると考えられる。
・本公開買付価格は、山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法の算定結果のレンジの上限値及び類似会社比較法に基づく算定結果のレンジの上限値を上回る価格であり、DCF法の算定結果のレンジの中央値を上回る価格である。この点、山田コンサルから受けた当該算定結果に係る説明を踏まえると、算定手法の選択や各算定手法による具体的な算定過程について、株式価値の評価実務に照らして是認し難い不合理な点は認められない。なお、DCF法の算定の基礎とされた本事業計画については、当社によれば、その策定過程に公開買付者の関与はないとのことであり、その他当社の独立性に疑念を生じさせる事情は特段見当たらない。また、本事業計画における2025年3月期に係る計画値は、当社中期経営計画の数値目標よりも下振れる内容となっているが、過去の実績値等を踏まえると、本事業計画の数値については現実的な設定がなされており、当社中期経営計画と比べても、問題のない水準であると考えられるとのことである。また、本事業計画上の各事業年度における営業収益の着地見込みについては、いずれも直近の実績値を上回る水準であり、今後の成長を織り込んだ計画として策定しているとのことである。当社から受けた本事業計画の作成経緯及び重要な前提条件の説明について直ちに不合理な点は認められず、総合的に考慮すると、本事業計画の内容について、当社の少数株主の利益の観点から不合理な点は認められない。以上より、山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果には一定の合理性があると考えられるところ、本公開買付価格は、当該算定結果に照らして合理的な水準にあると評価できる。
・本類似事例(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降、2024年4月24日までに公表された非公開化を目的とした公開買付けの事例のうち、マネジメント・バイアウト(MBO)事例及び支配株主による従属会社の買収に係る事例124件。公表日前営業日の終値、並びに過去1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間の終値単純平均値それぞれに対するプレミアムの平均値は、順に41.33%、44.64%、46.71%、46.88%。)との比較において、公表日の前営業日の終値に対するプレミアム水準において下回るが、公表日の前営業日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準において上回る状況となっている。この点、当社株式については、本公開買付けの公表日の前営業日から遡ること3営業日(2024年5月10日金曜日、同月13日月曜日及び同月14日火曜日)において急激な出来高の増加と株価上昇がみられるが(具体的には当該3営業日の終値は、それぞれ1,028円、1,241円、1,269円であり、同月9日の終値(878円)との比較においてそれぞれ17.08%、41.34%、44.53%上昇している。)、当社株式は、市場において継続的に取引されているが、日々の出来高は多くないため、一度に一定規模の注文がなされる場合には、市場株価に大きな変動が生じ得る。(ⅰ)当社株式における当該3営業日の出来高が通常の平均的な出来高から大きく増加していること、(ⅱ)当該3営業日において当社による適時開示はなく、少なくとも当社の特定の公表を反映しての株価の変動ではないこと、及び、(ⅲ)当該3営業日における類似上場企業(上記「(3)算定に関する事項」の「② 算定の概要」に記載のとおり、当社の事業と比較的類似する事業を営む類似上場企業として選定した大宝運輸株式会社、トナミホールディングス株式会社、株式会社ロジネットジャパン及び東部ネットワーク株式会社)の終値の変動が大きくないことに照らせば当社と類似する会社において同様の株価の上昇が生じているとまでは直ちに認められないこと等を踏まえると、当該3営業日における当社株式の株価の上昇は一過性のものである可能性を否定できないことから、必ずしも公表日の前営業日の終値に対するプレミアム水準のみを考慮するのではなく、より長期間の終値の平均値等に対するプレミアム水準を考慮する方が適切であると考えられる。上記のとおり、本公開買付価格の公表日の前営業日である2024年5月14日の終値に対するプレミアム水準は、本類似事例におけるプレミアム水準との比較において約25%程度下回るものの、(ア)公表日の前営業日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準は、本類似事例におけるプレミアム水準との比較において、いずれも約15%程度も上回ること、及び、(イ)上記の急激な株価上昇が発生した2024年5月10日の前営業日である同月9日の終値(878円)との比較した場合の本公開買付価格のプレミアム水準(66.29%)は、本類似事例における公表日の前営業日の終値のプレミアム水準を約25%程度も上回っていること等に鑑みると、本公開買付価格に付されたプレミアムは、本類似事例との比較においても合理的な水準であると認められ、相応のプレミアムが付された価格であると評価できる。
・本公開買付価格は、当社の2024年3月末時点の簿価純資産額を基礎として算出した1株当たり純資産額を下回っている。しかし、簿価純資産額は、当社が継続的に存続することを前提として当社が保有する資産等について会計原則に基づいて評価したものに過ぎないことから当社の保有する資産の交換価値とは必ずしも関連性があるとはいえない。当社の固定資産のうち、約73%が主に物流事業に係る荷物仕分場所を備えた各支店の建物や、それらが立地する土地等の事業用不動産(土地及び建物の合計額(22,872百万円))で占められており、また当該事業用不動産のうち各支店の建物設備の汎用性は低く、流動性が高いわけではないことに照らすと、仮に当社が事業の清算を行う場合、当社の保有する流動性の低い資産を中心とする資産売却等に困難が生じ得ること及び様々な費用(各支店閉鎖に係る費用(建物の取り壊し費用、支店内の備付設備の解体費用及びアスベストの除去費用を含む。)、従業員に対する割増退職金、事業清算のための弁護士等の専門家費用等)が発生することから、簿価純資産額がそのままで換価されるわけではなく、相当程度に毀損することが現実的なものとして想定され、当社において1株当たり連結簿価純資産額が当社株式の公正価値の最低価格となるという考え方は採用し難いと整理することには合理性がある。1株当たり純資産額を重視することは合理的ではなく、本公開買付価格がこれを下回ることのみをもって、不合理とはいえないと考えられる。
・当社株式の上場以来の最高値は1,451円であるが、本公開買付価格は当該価格を上回っており、従前から当社株式を保有している少数株主の利益への配慮がなされているものと評価できる。
・本公開買付けにおいては、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティに相当する買付予定数の下限の設定は予定されていないが、経済産業省の「公正なM&Aの在り方に関する指針」においても、既に買収者の保有する買収対象会社の株式の割合が高い場合においては、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定することにより、企業価値の向上に資するM&Aの成立を阻害してしまうおそれ等があるとの懸念もあり、常に当該条件を設定することが望ましいとまでいうことは困難であるとされている。この点、①公開買付者が所有割合にして合計約43.75%の当社株主との間で応募契約を締結することを予定しているとのことであり、これを一律に分母から除外する場合、上記の懸念が相当程度当てはまると考えられること、②仮に当該条件を設定すると、かえって本公開買付けに応募した少数株主の利益を害する可能性があること、③他の公正性担保措置の実施状況に照らせば、本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性は確保されていると評価できること等を総合的に考慮すると、本公開買付けにおいて、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていなくとも、本取引の条件の公正性が否定されるものではないと思料する。
・本スクイーズアウト手続としては株式併合が予定されているところ、かかる手続においては、法令上、本公開買付けに応募しなかった株主に対して株式買取請求権が確保されている。また、公開買付者によれば、本スクイーズアウト手続は、本公開買付けの決済の完了後速やかに進めていく予定とのことであり、本公開買付けに応募しなかった株主の地位が長期にわたって不安定なものとならないための配慮が窺われる。さらに、公開買付者によれば、株式併合の結果生じた端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の株主に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう設定する予定とのことであり、本公開買付けに応募しなかった株主が、応募した株主と比較して不利益に取り扱われないよう配慮されているといえる。以上のとおり、本取引においては、いわゆる強圧性の問題に対応すべく、本公開買付けに応募しなかった株主の利益に配慮がなされているといえ、本スクイーズアウト手続に係る条件は、当社の少数株主に不利益なものではないと考えられる。
・下記(ⅲ)のとおり、本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続には公正性が確保されていると考えられるところ、本公開買付価格を含む本取引の条件は、かかる公正な手続を経た上で決定されたものであることが認められる。
(ⅲ)本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性
以下の点を総合的に考慮すると、本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続には公正性が確保されていると考えられる。
・当社は、本取引の検討にあたり、当社の意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、公正性担保措置の一環として本特別委員会を設置している。本特別委員会は、本公開買付価格の具体的な交渉に入るより以前に設置されており、また、各委員の独立性を疑うべき事由は認められない。当社取締役会は、本特別委員会の設置を決議するに際し、本特別委員会に対し、①本特別委員会が自ら公開買付者と交渉を行うことができる権限のほか、公開買付者との交渉を当社の社内者やアドバイザー等が行う場合でも、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与えることができる権限、②必要に応じて本特別委員会独自の外部アドバイザー等を選任する権限(この場合の費用は当社が負担するものとされている。)のほか、当社が選任する外部アドバイザー等について指名又は承認(事後承認を含む。)する権限、③答申を行うにあたって必要となる一切の情報の収集を当社の役員及び従業員並びに外部アドバイザー等に対して求めることができる権限をそれぞれ付与している。これを受けて、本特別委員会は、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関、並びにリーガル・アドバイザーにつき、いずれも独立性に問題がないことを確認の上、それぞれを当社のアドバイザー等として承認した。さらに、当社取締役会は、本特別委員会の設置を決議するに際し、本公開買付けに対する意見表明の内容を審議する取締役会においては、本特別委員会の答申内容を最大限尊重するものとし、本特別委員会が取引条件を妥当でないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しないこととする旨を決議しており、特別委員会の判断内容の実効性の確保に配慮がなされている。以上のとおり、特別委員会としての実効性を高めるための実務上の措置が採られた上で、本特別委員会は、企業価値の向上及び少数株主の利益を図る立場から、本取引の是非や取引条件及び手続の公正性について検討・判断を行った。
・当社は、本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサルから株式価値算定書を取得しているほか、独立したリーガル・アドバイザーであるシティユーワ法律事務所から本取引に関する当社取締役会の意思決定の過程、方法その他の本取引に関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けている。なお、当社は、山田コンサルから、いわゆるフェアネス・オピニオンまでは取得していないが、我が国においては、フェアネス・オピニオンの公正性担保措置としての有効性は事案により一様ではないと解されている中、本取引の検討過程に照らした結果、本取引の是非を検討するために、フェアネス・オピニオンの取得が必須であると考えるべき事情までは認められず、これを取得しなくとも、本取引に係る交渉過程及び意思決定過程に至る手続の公正性が否定されるものではないと思料する。
・本特別委員会は、公開買付者との本公開買付価格に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、交渉の方針等について協議を行い、当社に意見する等して、その交渉過程に実質的に関与しており、かかる交渉過程に関して、当社の少数株主の利益に配慮すべき観点から特段不合理な点は見当たらない。
・利益相反の疑義を回避する観点から、山口嘉彦氏及び山口嘉彦氏とともに当社に対して本取引に係る提案を行った青木浩一氏の2名の取締役は、2024年5月15日開催予定の当社取締役会における本公開買付けへの意見表明に係る議案に関する審議及び決議には参加しないことが予定されている。また、当該2名は、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切関与していないとのことである。以上のほか、本取引に係る協議、検討及び交渉の過程において、公開買付者からの独立性に疑義がある者が当社の意思決定に不当な影響を与えたことを推認させる事実は認められない。
・公開買付者は、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)を、法令に定められた最短期間の20営業日より長期の30営業日に設定することにより、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外にも当社株式の買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しているとのことである。また、公開買付者及び当社は、当社が公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意は一切行っていないとのことであり、上記公開買付期間の設定と併せて、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことである。
・本取引に係るプレスリリースにおいては、本特別委員会に関する情報、当社株式の株式価値の算定結果の内容に関する情報、本取引を実施するに至った背景・目的等に関する情報、当社と公開買付者との間で行われた取引条件等に関する協議・交渉の具体的な経緯に関する情報等について、それぞれ一定の開示が予定されており、当社の株主による取引条件の妥当性等についての判断のために相当な情報が開示される予定であることが認められる。
(ⅳ)本取引(本公開買付けに対して賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨すること、その他当社による本取引の手続に係る決定を含む。)が当社の少数株主にとって不利益なものではないか
以上のとおり、(ⅰ)本取引は当社の企業価値の向上に資するものといえ、その目的は正当であり、かつ合理性があると考えられ、(ⅱ)本公開買付価格を含む本取引の条件には公正性が確保されていると考えられ、(ⅲ)本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続には公正性が確保されていると考えられる。そして、上記の検討事項以外の点において、本取引が当社の少数株主にとって不利益なものであると考えるべき特段の事情は認められないため、本取引(本公開買付けに対して賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨すること、その他当社による本取引の手続に係る決定を含む。)は、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。
(ⅴ)上記(ⅰ)から(ⅳ)を踏まえ、当社取締役会が本公開買付けに対して賛同意見を表明すること、及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非
上記(ⅰ)から(ⅳ)を踏まえると、当社取締役会が本公開買付けに対して賛同意見を表明すること、及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは、いずれも相当であると考えられる。
④ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認
当社は、山田コンサルから取得した当社株式価値算定書、シティユーワ法律事務所からの法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引の諸条件について慎重に協議及び検討を行いました。その結果、当社は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、中長期的に収益性を向上させ、企業価値を向上していくためには、抜本的な事業構造の改革が必要不可欠であり、公開買付者の協力の下で、中長期的に収益性を向上させるための事業投資や、傭車費を中心とした外注費に頼らない人員体制の確保のための人件費の増加等、短期的に投資や費用が伴う施策を行うことは、中長期的な観点から、当社の持続的な成長及び企業価値の向上に資することから、本公開買付けを含む本取引の実行は当社の企業価値の向上の観点からメリットがあると考えられるとともに、本公開買付価格は、当社の株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2024年5月15日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社取締役(山口嘉彦氏及び青木浩一氏を除く7名)の全員一致で、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
なお、当社の取締役のうち、代表取締役社長である山口嘉彦氏は、公開買付者の株主かつ代表取締役であり、本公開買付け終了後も継続して当社の経営にあたることを予定しているため、当社取締役会における本公開買付けへの意見表明に係る議案の審議及び決議には一切参加しておらず、また、本取引に関し、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。また、取締役である青木浩一氏は、山口嘉彦氏とともに当社に対して本取引に係る提案を行った提案者であるため、利益相反の疑義を回避する観点から、当社取締役会における本公開買付けへの意見表明に係る議案の審議及び決議には一切参加しておらず、また、本取引に関し、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
⑤ 当社における独立した検討体制の構築
当社は、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討及び交渉を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、当社は、2024年3月13日付で山口嘉彦氏及び青木浩一氏から本取引に係る提案を受けて以降、利益相反の疑義を回避する観点から、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉及び当社内部における検討過程において、公開買付者の株主若しくは役職員を兼務する者又はこれらの者と親族関係にある者を関与させないこととし、これらの者に該当しない取締役4名と開示業務等を担当する従業員2名のみの総勢6名のみで構成される社内検討体制を構築いたしました。当社は、このような体制のもとで、山田コンサルがDCF法の算定の基礎とした事業計画を策定しており、当該事業計画の策定過程において、公開買付者及び公開買付者と利害関係のある者による関与はありません。
⑥ 本公開買付けの公正性を担保するための客観的状況の確保
公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日に設定しているとのことです。このように公開買付期間を比較的長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について対抗的買収提案者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付けの公正性を担保することを企図しているとのことです。
また、公開買付者と当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っておりません。このように、上記公開買付期間の設定とあわせ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
(7)公開買付者と当社の株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項
本公開買付けに際して、公開買付者は、2024年5月15日付で、美美興産より、不応募株式1,323,240株(所有割合:12.06%)について、本公開買付けに応募しない旨の意向を確認しているとのことです。また、公開買付者は、本株式併合の効力発生前において、公開買付者及び美美興産以外に、美美興産が所有する当社株式の数以上の当社株式を所有する当社の株主が存在することを可及的に避け、本株式併合の安定性を高めるため、当社株式の上場廃止後、本株式併合の効力発生前を効力発生時として、公開買付者の指示に従い、美美興産が所有する当社株式を公開買付者に無償で貸し付ける(以下「本株式貸借」といいます。)意向を有しているとのことです。但し、本株式併合の効力発生日において、公開買付者及び美美興産以外に、美美興産が所有する当社株式の数以上の当社株式を所有する当社の株主が存在することが見込まれない場合には、本株式貸借は実行しないものとするとのことです。本株式貸借が実行された場合には、公開買付者及び美美興産は、本株式併合の完了後、当社をして、公開買付者の別途指定する基準日及び割合をもって、当社株式の分割(以下「本株式分割」といいます。)を行わせるものとし、本株式分割を実行するために必要となる一切の行為を行うことを予定しているとのことです。
さらに、公開買付者は、本株式分割の実行後、本株式貸借を解消し、美美興産に対して、本株式貸借の対象である当社株式を返還することを予定しているとのことです。
① 本応募契約(個人株主)
公開買付者は、2024年5月15日付で、本応募株主(個人株主)との間で、本応募株主(個人株主)が所有する当社株式1,489,684株(所有割合:13.57%)の全てをそれぞれ本公開買付けに応募する旨の本応募契約(個人株主)を締結しており、応募対象株式について、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない旨を合意しているとのことです。また、本応募株主(個人株主)は、本応募契約(個人株主)の締結日後、決済の開始日までの間、応募対象株式の譲渡、贈与、担保設定その他の処分等の取引及びそれらに関する合意を行わない旨合意しているとのことです。さらに、本応募株主(個人株主)は、決済の開始日以前の日を権利行使の基準日とする当社の株主総会(当社の第85回定時株主総会を含む。)が開催される場合、当該株主総会における応募対象株式に係る議決権その他の権利の行使について、公開買付者の選択に従い、(ⅰ)公開買付者の指示に従って当該権利行使を行い、又は(ⅱ)公開買付者の指示に従い委任状を交付して代理権を授与し、かつ、かかる代理権の授与を撤回しない旨を合意しているとのことです。本応募契約(個人株主)は、契約当事者が書面により合意した場合、又は本公開買付けが撤回された若しくは不成立となった場合に終了するとのことです。なお、本応募契約(個人株主)において、本応募株主(個人株主)による応募の前提条件は定めていないとのことです。
(注9) 本応募契約(個人株主)において、公開買付者は、(a)秘密保持義務、(b)本応募契約(個人株主)上の地位に基づく権利義務の譲渡禁止義務等を負っています。
なお、本応募契約(個人株主)以外に、本応募株主(個人株主)との間で本公開買付けに関する合意は存在せず、また、本公開買付けにおいて本応募株主(個人株主)が応募する当社株式に係る対価以外に、本取引に関して公開買付者から本応募株主(個人株主)に対して供与される利益は存在していないとのことです。
② 本応募契約(大垣共立銀行等)、及び本応募契約(日野自動車)
公開買付者は、2024年5月15日付で、大垣共立銀行、共友リース、共立コンピューターサービス、正和商事、OKB信用保証を総称して「大垣共立銀行等」といい、大垣共立銀行等と日野自動車(以下、大垣共立銀行、日野自動車を個別に又は総称して「大垣共立銀行等・日野自動車」といい、本応募契約(大垣共立銀行)、本応募契約(日野自動車)を個別に又は総称して「本応募契約(大垣共立銀行等・日野自動車)」といいます。)との間で、大垣共立銀行が所有する当社株式500,880株(所有割合:4.56%)、共友リースが所有する当社株式21,500株(所有割合:0.20%)、共立コンピューターサービスが所有する当社株式15,000株(所有割合:0.14%)、正和商事が所有する当社株式13,000株(所有割合:0.12%)、OKB信用保証が所有する当社株式7,500株(所有割合:0.07%)、日野自動車が所有する当社株式52,272株(所有割合:0.48%)の全てをそれぞれ本公開買付けに応募する旨の本応募契約(大垣共立銀行等・日野自動車)を締結しており、応募対象株式について、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない旨を合意しているとのことです。但し、本公開買付けに対抗する公開買付けその他の本公開買付けと競合する取引の提案がなされた場合等の一定の場合には上記の応募義務を免れることができるものとされているとのことです。また、大垣共立銀行等・日野自動車は、本応募契約(大垣共立銀行等・日野自動車)の締結日後、決済の開始日までの間、応募対象株式の譲渡、贈与、担保設定その他の処分等の取引及びそれらに関する合意を行わない旨合意しているとのことです。さらに、大垣共立銀行等・日野自動車は、決済の開始日以前の日を権利行使の基準日とする当社の株主総会(当社の第85回定時株主総会を含む。)が開催される場合、当該株主総会における応募対象株式に係る議決権その他の権利の行使について、公開買付者の選択に従い、(ⅰ)公開買付者の指示に従って当該権利行使を行い、又は(ⅱ)公開買付者の指示に従い委任状を交付して代理権を授与し、かつ、かかる代理権の授与を撤回しない旨を合意しているとのことです。本応募契約(大垣共立銀行等・日野自動車)は、契約当事者が書面により合意した場合、又は本公開買付けが撤回された若しくは不成立となった場合に終了するとのことです。なお、本応募契約(大垣共立銀行等・日野自動車)において、本応募株主(大垣共立銀行等・日野自動車)による応募の前提条件は定めていないとのことです。
(注12) 本応募契約(大垣共立銀行等・日野自動車)において、公開買付者は、(a)秘密保持義務、(b)本応募契約(大垣共立銀行等・日野自動車)上の地位に基づく権利義務の譲渡禁止義務等を負っています。
なお、本応募契約(大垣共立銀行等・日野自動車)以外に、大垣共立銀行等・日野自動車との間で本公開買付けに関する合意は存在せず、また、本公開買付けにおいて大垣共立銀行等・日野自動車が応募する当社株式に係る対価以外に、本取引に関して公開買付者から大垣共立銀行等・日野自動車に対して供与される利益は存在しないとのことです。
③ 本応募株主(法人株主)
公開買付者は、2024年5月15日付で、本応募株主(法人株主)との間で、市川工務店が所有する当社株式320,500株(所有割合:2.92%)、三菱ふそうトラック・バスが所有する当社株式119,750株(所有割合:1.09%)、南九州日野自動車が所有する当社株式112,500株(所有割合:1.02%)、マキタが所有する当社株式62,000株(所有割合:0.56%)、日米ユナイテッドが所有する当社株式61,000株(所有割合:0.56%)、東京窯業が所有する当社株式57,500株(所有割合:0.52%)、UDトラックスが所有する当社株式30,034株(所有割合:0.27%)、大阪商運が所有する当社株式30,000株(所有割合:0.27%)、文渓堂が所有する当社株式26,000株(所有割合:0.24%)、宇佐美共栄社が所有する当社株式23,760株(所有割合:0.22%)、棚橋工業が所有する当社株式21,000株(所有割合:0.19%)、いすゞ自動車が所有する当社株式19,885株(所有割合:0.18%)、いすゞ自動車中部が所有する当社株式18,000株(所有割合:0.16%)、カンチが所有する当社株式17,500株(所有割合:0.16%)、岐阜日野自動車が所有する当社株式12,960株(所有割合:0.12%)、ブリヂストンはぎのが所有する当社株式7,000株(所有割合:0.06%)、宇佐美が所有する当社株式5,940株(所有割合:0.05%)、及び西日本宇佐美の所有する当社株式653株(所有割合:0.01%)の全てをそれぞれ本公開買付けに応募する旨の本応募契約(法人株主)を締結しており、応募対象株式について、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない旨を合意しているとのことです。また、各法人株主は、本応募契約(法人株主)の締結日後、決済の開始日までの間、応募対象株式の譲渡、贈与、担保設定その他の処分等の取引及びそれらに関する合意を行わない旨合意しているとのことです。さらに、法人株主は、決済の開始日以前の日を権利行使の基準日とする当社の株主総会(当社の第85回定時株主総会を含む。)が開催される場合、当該株主総会における応募対象株式に係る議決権その他の権利の行使について、公開買付者の選択に従い、(ⅰ)公開買付者の指示に従って当該権利行使を行い、又は(ⅱ)公開買付者の指示に従い委任状を交付して代理権を授与し、かつ、かかる代理権の授与を撤回しない旨を合意しております。本応募契約(法人株主)は、契約当事者が書面により合意した場合、又は本公開買付けが撤回された若しくは不成立となった場合に終了するとのことです。なお、本応募契約(法人株主)において、本応募株主(法人株主)による応募の前提条件は定めていないとのことです。
(注13) 本応募契約(法人株主)において、公開買付者は、(a)秘密保持義務、(b)本応募契約(法人株主)上の地位に基づく権利義務の譲渡禁止義務等を負っているとのことです。
なお、本応募契約(法人株主)以外に、各法人株主との間で本公開買付けに関する合意は存在せず、また、本公開買付けにおいて各法人株主が応募する当社株式に係る対価以外に、本取引に関して公開買付者から各法人株主に対して供与される利益は存在しないとのことです。
④ 本応募契約(十六銀行)
公開買付者は、2024年5月15日付で、十六銀行との間で、十六銀行が所有する当社株式493,989株(所有割合:4.50%)の全てを本公開買付けに応募する旨の本応募契約(十六銀行)を締結しており、応募対象株式について、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない旨を合意しているとのことです。但し、本公開買付けに対抗する公開買付けその他の本公開買付けと競合する取引の提案がなされた場合等の一定の場合には上記の応募義務を免れることができるものとされているとのことです。また、十六銀行は、本応募契約(十六銀行)の締結日後、決済の開始日までの間、応募対象株式の譲渡、贈与、担保設定その他の処分等の取引及びそれらに関する合意を行わない旨合意しているとのことです。さらに、十六銀行は、決済の開始日以前の日を権利行使の基準日とする当社の株主総会(当社の第85回定時株主総会を含む。)が開催される場合、当該株主総会における応募対象株式に係る議決権その他の権利の行使について、公開買付者の選択に従い、(ⅰ)公開買付者の指示に従って当該権利行使を行い、又は(ⅱ)公開買付者の指示に従い委任状を交付して代理権を授与し、かつ、かかる代理権の授与を撤回しない旨を合意しているとのことです。本応募契約(十六銀行)は、契約当事者が書面により合意した場合、又は本公開買付けが撤回された若しくは不成立となった場合に終了するとのことです。また、本応募契約(十六銀行)において、十六銀行は、それぞれ、以下の事由が全て充足されていることを条件として、本公開買付けに応募し、当該応募を撤回せず、当該応募の結果成立した当社株式の買付けに係る契約を解除しない義務を履行するものとされているとのことです。なお、十六銀行は、それぞれ、その任意の裁量により、かかる事由のいずれも放棄して本公開買付けに応募する義務を履行することができるものとされているとのことです。
・公開買付者の表明及び保証(注14)について重大な誤りが存在しないこと。
・本応募契約(十六銀行)に定める公開買付者の義務について重大な違反が存在しないこと。
・十六銀行による応募を制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等が存在しておらず、かつ、その具体的なおそれもないこと。
・本特別委員会が、当社の取締役会に対して、本公開買付け及びその後の一連の手続を通じた当社の株式の非公開化並びにこれに関連する取引の決定が当社の少数株主にとって不利益なものでない旨の答申を行い、かかる答申が変更又は撤回されていないこと
・当社の業務等に関する重要事実(法第166条第2項に定めるものをいいます。)で当社が公表(法第166条第4項に定める意味を有します。)していないもの及び法第167条第2項に定める公開買付け等の実施に関する事実で公開買付者等が公表(法第167条第4項に定める意味を有します。)していないものが存在しないこと。
(注14) 本応募契約(十六銀行)において、公開買付者は、(a)公開買付者の適法かつ有効な設立及び存続、(b)公開買付者による本応募契約(十六銀行)の適法かつ有効な締結及び履行、(c)公開買付者に対する本応募契約(十六銀行)の強制執行可能性、(d)公開買付者による本応募契約(十六銀行)の締結及び履行のために必要な許認可等の取得・履践、(e)公開買付者による本応募契約(十六銀行)の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、(f)公開買付者と反社会的勢力等との関係の不存在について表明及び保証を行っています。
(注15) 本応募契約(十六銀行)において、公開買付者は、(a)秘密保持義務、(b)本応募契約(十六銀行)上の地位に基づく権利義務の譲渡禁止義務、(c)補償義務等を負っています。
なお、本応募契約(十六銀行)以外に、十六銀行との間で本公開買付けに関する合意は存在せず、また、本公開買付けにおいて十六銀行が応募する当社株式に係る対価以外に、本取引に関して公開買付者から十六銀行に対して供与される利益は存在しないとのことです。
⑤ 本応募合意(三菱UFJ銀行)及び本応募合意(富士通Japan)
公開買付者は、2024年5月15日付で、三菱UFJ銀行及び富士通Japanとの間で、三菱UFJ銀行が所有する当社株式385,000株(所有割合:3.51%)、富士通Japanが所有する当社株式13,068株(所有割合:0.12%)の全てを本公開買付けに応募する旨の本応募契約(三菱UFJ銀行)及び本応募契約(富士通Japan)を口頭で合意しているとのことです。なお、本応募契約(三菱UFJ銀行)及び本応募契約(富士通Japan)において、三菱UFJ銀行及び富士通Japanによる応募の前提条件は合意の内容に含まれていないとのことです。
なお、本応募契約(三菱UFJ銀行)及び本応募合意(富士通Japan)以外に、三菱UFJ銀行及び富士通Japanとの間で本公開買付けに関する合意は存在せず、また、本公開買付けにおいて三菱UFJ銀行及び富士通Japanが応募する株式に当社係る対価以外に、本取引に関して公開買付者から三菱UFJ銀行及び富士通Japanに対して供与される利益は存在しないとのことです。
⑥ 本応募契約(みずほ信託銀行)
公開買付者は、2024年5月15日付で、みずほ信託銀行との間で、みずほ信託銀行が所有する当社株式500,000株(所有割合:4.56%)の全てを本公開買付けに応募する旨の本応募契約(みずほ信託銀行)を締結しており、応募対象株式について、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない旨を合意しております。また、みずほ信託銀行は、本応募契約(みずほ信託銀行)の締結日後、決済の開始日までの間、応募対象株式の譲渡、贈与、担保設定その他の処分等の取引及びそれらに関する合意を行わない旨合意しております。本応募契約(みずほ信託銀行)は、契約当事者が書面により合意した場合、又は本公開買付けが撤回された若しくは不成立となった場合に終了するとのことです。なお、本応募契約(みずほ信託銀行)において、みずほ信託銀行による応募の前提条件は定めていないとのことです。
(注16) 本応募契約(みずほ信託銀行)において、公開買付者は、(a)秘密保持義務、(b)本応募契約(みずほ信託銀行)上の地位に基づく権利義務の譲渡禁止義務等を負っているとのことです。
なお、本応募契約(みずほ信託銀行)以外に、みずほ信託銀行との間で本公開買付けに関する合意は存在せず、また、本公開買付けにおいてみずほ信託銀行が応募する当社株式に係る対価以外に、本取引に関して公開買付者からみずほ信託銀行に対して供与される利益は存在しないとのことです。
⑦ 本応募契約(明治安田生命)
公開買付者は、2024年5月15日付で、明治安田生命との間で、明治安田生命が所有する当社株式363,863株(所有割合:3.31%)の全てを本公開買付けに応募する旨の本応募契約(明治安田生命)を締結しており、応募対象株式について、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない旨を合意しているとのことです。但し、本公開買付けに対抗する公開買付けその他の本公開買付けと競合する取引の提案がなされた場合等の一定の場合には上記の応募義務を免れることができるものとされています。また、明治安田生命は、本応募契約(明治安田生命)の締結日後、決済の開始日までの間、応募対象株式の譲渡、贈与、担保設定その他の処分等の取引及びそれらに関する合意を行わない旨合意しております。本応募契約(明治安田生命)は、契約当事者が書面により合意した場合、又は本公開買付けが撤回された若しくは不成立となった場合に終了するとのことです。また、本応募契約(明治安田生命)において、明治安田生命は、それぞれ、以下の事由が全て充足されていることを条件として、本公開買付けに応募し、当該応募を撤回せず、当該応募の結果成立した当社株式の買付けに係る契約を解除しない義務を履行するものとされているとのことです。なお、明治安田生命は、それぞれ、その任意の裁量により、かかる事由のいずれも放棄して本公開買付けに応募する義務を履行することができるものとされているとのことです。
・公開買付者の表明及び保証(注17)について重大な誤りが存在しないこと。
・本応募契約(明治安田生命)に定める公開買付者の義務について重大な違反が存在しないこと。
・明治安田生命による応募を制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等が存在しておらず、かつ、その具体的なおそれもないこと。
・本特別委員会が、当社の取締役会に対して、本公開買付け及びその後の一連の手続を通じた当社の株式の非公開化並びにこれに関連する取引の決定が当社の少数株主にとって不利益なものでない旨の答申を行い、かかる答申が変更又は撤回されていないこと
・当社の業務等に関する重要事実(法第166条第2項に定めるものをいいます。)で当社が公表(法第166条第4項に定める意味を有します。)していないもの及び法第167条第2項に定める公開買付け等の実施に関する事実で公開買付者等が公表(法第167条第4項に定める意味を有します。)していないものが存在しないこと。
(注17) 本応募契約(明治安田生命)において、公開買付者は、(a)公開買付者の適法かつ有効な設立及び存続、(b)公開買付者による本応募契約(明治安田生命)の適法かつ有効な締結及び履行、(c)公開買付者に対する本応募契約(明治安田生命)の強制執行可能性、(d)公開買付者による本応募契約(明治安田生命)の締結及び履行のために必要な許認可等の取得・履践、(e)公開買付者による本応募契約(明治安田生命)の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、(f)公開買付者と反社会的勢力等との関係の不存在について表明及び保証を行っています。
(注18) 本応募契約(明治安田生命)において、公開買付者は、(a)秘密保持義務、(b)本応募契約(明治安田生命)上の地位に基づく権利義務の譲渡禁止義務、(c)補償義務等を負っています。
なお、本応募契約(明治安田生命)以外に、明治安田生命との間で本公開買付けに関する合意は存在せず、また、本公開買付けにおいて明治安田生命が応募する当社株式に係る対価以外に、本取引に関して公開買付者から明治安田生命に対して供与される利益は存在しないとのことです。
|
氏名 |
役職名 |
所有株式数(株) |
議決権の数(個) |
|
山口 嘉彦 |
取締役社長(代表取締役) グループ最高経営責任者 |
67,714 |
677 |
|
堀江 繁幸 |
取締役副社長 グループ営業統括部門責任者 (輸送・物流サービス部門担当) |
183,364 |
1,833 |
|
白木 武 |
専務取締役 経営企画部門担当 |
38,072 |
380 |
|
青木 浩一 |
常務取締役 総務部門担当 |
5,000 |
50 |
|
笠井 大介 |
取締役 グループ営業統括部門 (家電サービス部門担当) |
128,366 |
1,283 |
|
村瀨 光明 |
取締役(監査等委員) |
40,100 |
401 |
|
中村 源次郎 |
取締役(監査等委員) |
- |
- |
|
岡本 実 |
取締役(監査等委員) |
- |
- |
|
林 一成 |
取締役(監査等委員) |
- |
- |
|
計 |
― |
462,616 |
4,624 |
(注1) 役名、職名、所有株式数及び議決権数は本書提出日現在のものです。
(注2) 中村源次郎、岡本実及び林一成は、社外取締役であります。
(注3) 取締役社長山口嘉彦の所有株式数は、有限会社美美興産(同氏及びその親族が株式を保有する資産管理会社)が所有する株式数1,323,240株を含めておりません。
上記「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、会社法施行規則(平成18年法務省令第12号)。その後の改正を含みます。以下同じです。)第118条第3号に定める「株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」に照らし、不適切な者によって、当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みとして、本プランを2008年4月25日開催の取締役会及び同年6月27日開催の株主総会の承認のもと導入し、2011年6月29日、2014年6月27日、2017年6月29日、2020年6月26日及び2023年6月28日開催の当社株主総会において継続することを決定しておりますが、本取引の実施は当社の中長期的な企業価値の向上に資するものであると判断したことから、本プランに従った手続を別途実施しないことを、2024年5月15日開催の当社取締役会において決議いたしました。
該当事項はありません。
以 上