当社は、2024年5月15日開催の取締役会において、エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社(以下「エイチ・ツー・オー リテイリング」といいます。)を株式交換完全親会社、当社を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。)を行うことを決議し、同日、両社の間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」といいます。)を締結いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第6号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
(注) 持株数の割合については、自己株式を除く発行済株式総数に基づいて計算しております。
2024年3月31日現在、エイチ・ツー・オー リテイリンググループ(エイチ・ツー・オー リテイリング並びにエイチ・ツー・オー リテイリングの連結子会社47社及び持分法適用会社9社で構成される企業グループをいいます。以下同じです。)は、阪急百貨店と阪神百貨店を運営する百貨店事業、食品の製造・加工から食品スーパーでの販売・宅配までを行う食品事業、ショッピングセンターやビジネスホテルを運営する商業施設事業のほか専門店など幅広く事業を展開し、関西を中心に地域社会になくてはならない存在を目指し、発展してきました。
一方、当社は、1959年7月に相互産業株式会社として設立し、関西地方で食品スーパーマーケットを中心とする事業を展開し、1974年8月に株式会社関西スーパーマーケットへと商号変更を行いました。2016年11月14日に、エイチ・ツー・オー リテイリングに対し、両社間の資本業務提携契約に基づき当社(当時の商号は株式会社関西スーパーマーケット)の株式3,200,000株(当該株式発行時点における当社(当時の商号は株式会社関西スーパーマーケット)の議決権の10.17%)を割り当てて以降、エイチ・ツー・オー リテイリングを筆頭株主としておりましたが、2021年12月15日に当社(当時の商号は株式会社関西スーパーマーケット)を株式交換完全親会社、エイチ・ツー・オー リテイリングの完全子会社であるイズミヤ株式会社(以下「イズミヤ」といいます。)及び株式会社阪急オアシス(以下「阪急オアシス」といいます。)を株式交換完全子会社とする株式交換を通じてエイチ・ツー・オー リテイリンググループと経営統合(以下「本経営統合」といいます。)し、エイチ・ツー・オー リテイリンググループの一員となりました。エイチ・ツー・オー リテイリングは、当該株式交換の結果、当社(当時の商号は株式会社関西スーパーマーケット)の株式を33,834,909株取得し、既に所有していた3,200,000株と合わせ37,034,909株(当該株式交換の効力発生時点における当社(当時の商号は株式会社関西スーパーマーケット)の議決権の58.00%)を所有するに至り、当社の親会社となりました。
その後、当社(当時の商号は株式会社関西スーパーマーケット)は、2022年2月にスーパーマーケットの運営を含む一切の事業を、新たに設立した当社の完全子会社であるKS分割準備株式会社に吸収分割して中間持株会社体制に移行するとともに、当社は現在の商号である株式会社関西フードマーケットに、KS分割準備株式会社は株式会社関西スーパーマーケットにそれぞれ商号変更を行うことで、当社は“新”株式会社関西スーパーマーケット(以下、「関西スーパーマーケット」といいます。)、イズミヤ及び阪急オアシスの3社を傘下に置く、関西最大級の店舗数を有する食品スーパーグループとして再スタートしました。また、2023年4月に、阪急オアシスを存続会社、イズミヤを消滅会社とする吸収合併を行い、阪急オアシスがイズミヤ・阪急オアシス株式会社(以下「イズミヤ・阪急オアシス」といいます。)に商号変更を行って、現在のグループ構成に至っております。エイチ・ツー・オー リテイリングは、本日時点で当社株式を37,034,909株(2024年3月31日現在の発行済株式総数(63,858,804株)から当社が所有する自己株式数(6,783,598株)を控除した株式数(57,075,206株)に占める割合にて64.89%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、保有割合の計算において同じです。)所有しております。
当社グループ(当社及び当社の連結子会社3社で構成される企業グループをいいます。以下同じです。)は本経営統合以降、エイチ・ツー・オー リテイリンググループの一員として「「楽しい」「うれしい」「おいしい」の価値創造を通じ、お客様の心を豊かにする暮らしの元気パートナー」というグループビジョンの実現に向け、関西地域の生活者の皆様に「食」を通して貢献することを目指しております。また本経営統合後、当社は、イズミヤ・阪急オアシスにおける店舗運営や商品調達等の標準化・共通化などの構造改革に加え、本経営統合によるシナジー効果の実現のため、商圏、立地、店舗規模に基づく店舗フォーマットの分類と整理を行い、店舗運営、決済、製造・開発、物流、プロセスセンター、システム、本部機能など様々な分野で本経営統合後の当社グループ一体となった諸施策を推進し、より一層の企業価値向上に取り組んでおります。
しかしながら、食品スーパーマーケット業界は、少子高齢化や人口減少等による小売市場の縮小、ドラッグストアやEC等の他業種の参入による競争激化といった従来から進行していた事業環境の変化に加え、根強い価格志向とそれに対応するディスカウンターの進出等により厳しさを増しております。また、労働人口の減少や働き方の多様化に伴う人手不足・採用難、最低賃金や物流・エネルギーコストの上昇、円安による燃料費・輸入物価の高騰等に起因するインフレーションに伴うコスト構造の急激な変化等、本経営統合時には想定しきれていなかった大きな事業環境の変化も生じております。このように食品スーパーマーケット業界を取り巻く環境が大きく変化している中、当社における事業の継続的な成長に対する難易度はますます高まっていると考えております。
また、当社においては、2021年12月の本経営統合により、イズミヤ及び阪急オアシスを完全子会社化したところ、東京証券取引所の有価証券上場規程により、実質的な存続会社であるとは認められないとして、実質的存続性審査の猶予期間に入っており、この猶予期間は2025年3月31日までとされております。当社は、当該審査基準の充足のために最善を尽くしてまいりましたが、現時点において新規上場基準に準じた審査基準に適合すると認められる目途が立たない状況にあります。さらに、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の再編に伴い、当社株式は東京証券取引所スタンダード市場へ移行しましたが、2023年3月31日時点で流通株式比率の点において東京証券取引所スタンダード市場の上場維持基準を充足しておらず、上場維持基準の充足に向けた取り組みを行うことについても、エイチ・ツー・オー リテイリングが当社の親会社であるという株主構成を踏まえると、現時点においては必ずしも容易でない状況にあります。
上記の課題認識を踏まえ、エイチ・ツー・オー リテイリングは2024年1月頃から、エイチ・ツー・オー リテイリンググループにおける食品事業の戦略及び方向性につき、社内において議論を重ねるなかで、当社グループにおける課題解決と合わせ、エイチ・ツー・オー リテイリンググループにおける食品事業を、百貨店事業に次ぐ「第二の柱」としてより深い連携を行うことが必要であると考えるに至り、当社の完全子会社化についての検討を進めました。具体的には、エイチ・ツー・オー リテイリングの事業戦略との整合性、両社で発揮可能なシナジー、当社の少数株主の皆様の利益への影響、エイチ・ツー・オー リテイリングの財務インパクトとエイチ・ツー・オー リテイリングの株主の皆様の利益への影響等の観点から検討した結果、当社を株式交換により完全子会社化し、更なる協業体制の強化による経営資源の有効活用、重複機能の解消による経営資源の最適な配分等、更に踏み込んだグループ一体化経営を実現することで、当社グループを含んだエイチ・ツー・オー リテイリンググループ全体の企業価値向上を目指すことが最善であるとの結論に至り、2024年3月1日にエイチ・ツー・オー リテイリングから当社に対して本株式交換の提案を行いました。
当社は、上記のとおり、当社株式が東京証券取引所の実質的存続性審査の猶予期間に入っており、新規上場基準に準じた審査基準に適合すると認められる目途が立たない状況にあることから、当社株式の上場維持の是非を含めて、当社の資本政策の在り方について可及的速やかに検討を進める必要があると考えておりました。そこで、当社は、親会社で支配株主であるエイチ・ツー・オー リテイリングとの構造的な利益相反のおそれを排除し、エイチ・ツー・オー リテイリング及び当社から独立した立場で上記資本政策の検討を行うことを目的として、2024年2月19日開催の取締役会決議により、支配株主であるエイチ・ツー・オー リテイリングとの間で利害関係を有しない外部有識者及び当社の社外取締役から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置し、当社の資本政策の在り方について、当社株式の上場維持に加え、非公開化を含めた様々な選択肢の検討を開始しました。その後、2024年3月1日付で、エイチ・ツー・オー リテイリングから、当社の完全子会社化を企図した本株式交換の実施に係る提案がなされたことから、当社は、同月8日開催の取締役会において、本株式交換の提案の検討に際し、親会社で支配株主であるエイチ・ツー・オー リテイリングとの構造的な利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するとともに、当社の取締役会において本株式交換を行う旨の決定をすることが当社の少数株主にとって不利益なものであるかどうかについての意見を取得することを目的として、本特別委員会に対し、(ⅰ)当社取締役会に対し、本株式交換の実施を勧告するか、(ⅱ)当社取締役会が本株式交換の実施に関する決定を行うことが当社の少数株主にとって不利益なものでないか(以下「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。なお、本諮問事項の検討に際しては、(a)当社の企業価値の向上に資するか否かの観点から、取引を実施することの合理性について検討・判断するとともに、(b)当社の少数株主の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性についても検討・判断するものとされております。
当社は、本特別委員会において、当社が取りうる様々な選択肢について検討を進め、2024年3月1日以降はエイチ・ツー・オー リテイリングからの本株式交換の提案について同社との間で慎重に協議・検討を行いました。その結果、当社においても、本株式交換により当社がエイチ・ツー・オー リテイリングの完全子会社となることに関しては、当社の資本構成上の課題を解決するとともに、当社の企業価値向上の観点からもデメリットを上回るメリットがあるとの認識を有するに至りました。
本株式交換を通じて、親子上場関係の解消により当社の少数株主の皆様とエイチ・ツー・オー リテイリングとの間に構造的に発生する利益相反関係を完全に解消することができるため、従来であればコーポレートガバナンス上、実現にハードルがあったグループの全体最適の施策を機動的に実施することが可能となり、事業環境の変化に対する迅速な対応も可能となるというメリットを、両社ともに享受することができると考えております。
具体的には当社グループとエイチ・ツー・オー リテイリンググループの人材、設備を共有することによる効率化、購買の共通化によるスケールメリットを活かしたコスト削減、物流等の両グループで共通する業務の統合による効率化、ITシステムの開発・運用の一元化及びITインフラ(サーバ、ネットワーク等)の共通化によるシステムの高機能化とコスト削減の両立、エイチ・ツー・オー リテイリングの子会社である食品製造会社と当社グループの取引のさらなる活発化や、一体・共同でのプライベート・ブランド(PB)等を含む商品開発によるマーチャンダイジングの強化、エイチ・ツー・オー リテイリングの子会社である宅配会社の当社グループでのECへの活用、エイチ・ツー・オー リテイリングの完全子会社の株式会社エイチ・ツー・オー食品グループにおける事業戦略立案機能及び実行支援機能の当社グループへの提供等を考えております。加えて、将来的には両社グループの顧客の会員化による囲い込みの促進、共通の顧客データベース構築とそのデータ解析による販売戦略の進化も可能であると考えております。
併せて、当社をエイチ・ツー・オー リテイリングの完全子会社とすることによって、当社株式が上場維持基準を満たすことが出来ず上場廃止となり、当社の少数株主の皆様に財産上の損害を与えるリスクを解消させることができると考えております。また、当社の少数株主の皆様には本株式交換後はエイチ・ツー・オー リテイリングの株主として、当社グループとエイチ・ツー・オー リテイリンググループのシナジーによる企業価値の向上を経済的に享受していただくことが可能になると考えております。加えて、上場会社として必要となる体制整備の対応やそのコスト負担が大きくなる中、当社における上場維持に係る業務負担及びコストの削減にもつながると考えております。
一方で、本株式交換を通じて当社は上場廃止となり、一般的な上場のメリットとして挙げられるエクイティファイナンスによる資金調達手段の多様化、知名度向上による信用力の向上及び採用活動への好影響、会計監査を受けることによる財務への信頼性の向上等のメリットを失うこととなります。しかし、当社は、2016年11月以降エクイティファイナンスによる資金調達を実施しておらず、エクイティファイナンスの手段がなくなることによる資金調達へのデメリットは実質的にないものと考えられること、当社グループの関西地方における知名度は、その業歴の長さ、地域密着で展開してきたことによる事業の実績などから、既に十分に高く、非上場会社となったとしても知名度低下のリスクは低く、人材採用等への悪影響は小さいと考えられること、エイチ・ツー・オー リテイリングの完全子会社となった後もエイチ・ツー・オー リテイリング連結の会計監査の対象となることから財務への信頼性は維持可能と考えられることなど、上場廃止に伴うデメリットは極めて限定的であり、本株式交換実施に伴うメリットの方がはるかに大きいと考えております。
以上の点を踏まえて、両社において慎重に検討した結果、両社は本株式交換によって当社がエイチ・ツー・オー リテイリングの完全子会社になることが、両社の企業価値向上に資するものであるとの認識で一致したことから、本株式交換に係る割当比率を含む諸条件についての検討及び協議を経て合意に至り、本日、両社の取締役会において、それぞれ、エイチ・ツー・オー リテイリングが当社を完全子会社化することを目的として本株式交換を実施することを決議し、本株式交換契約を締結いたしました。
なお、本株式交換契約においては、2024年6月20日開催予定の当社の定時株主総会において本株式交換契約が承認可決されること、及び、本株式交換が中止されておらず、本株式交換の効力が発生することが確実であると合理的に見込まれることを条件として、本株式交換の効力発生日(2024年7月31日(予定))の前日の最終の株主名簿に記載又は記録された当社株式を有する株主に対して、当社株式1株当たり100円の特別配当(以下「本特別配当」といいます。)を実施することについて合意しております。
本株式交換は、エイチ・ツー・オー リテイリングを株式交換完全親会社、当社を株式交換完全子会社とする株式交換です。本株式交換は、エイチ・ツー・オー リテイリングにおいては、会社法第796条第2項の規定に基づき、株主総会の決議による承認を必要としない簡易株式交換の手続により、また、当社においては2024年6月20日に開催予定の定時株主総会の決議による本株式交換契約の承認を受けた上で、2024年7月31日を効力発生日として行う予定です。
(注1) 株式の割当比率
当社株式1株に対して、エイチ・ツー・オー リテイリングの普通株式(以下「エイチ・ツー・オー リテイリング株式」といいます。)1株を割当交付いたします。ただし、基準時(以下に定義します。)においてエイチ・ツー・オー リテイリングが保有する当社株式については、本株式交換による株式の割当ては行いません。なお、上記の本株式交換に係る割当比率(以下「本株式交換比率」といいます。)は、算定の根拠となる諸条件に重大な変更が生じた場合、両社協議し合意の上、変更することがあります。
(注2) 本株式交換により交付するエイチ・ツー・オー リテイリング株式の数
エイチ・ツー・オー リテイリングは、本株式交換に際して、本株式交換によりエイチ・ツー・オー リテイリングが当社の発行済株式(ただし、エイチ・ツー・オー リテイリングが保有する当社株式を除きます。)の全てを取得する時点の直前時(以下「基準時」といいます。)における当社の株主の皆様(ただし、以下の自己株式が消却された後の株主をいい、エイチ・ツー・オー リテイリングを除きます。)に対し、その保有する当社株式に代えて、その保有する当社株式の数の合計に1を乗じて得た株数のエイチ・ツー・オー リテイリング株式を交付いたします。
また、エイチ・ツー・オー リテイリングが交付する株式は、エイチ・ツー・オー リテイリングが本日時点で保有する自己株式及びエイチ・ツー・オー リテイリングが本日以降に新たに取得する自己株式の一部を充当する予定であり、現時点で本株式交換における割当てに際して新たに株式を発行する予定はありません。エイチ・ツー・オー リテイリングによる本日以降の新たな自己株式の取得に関しては、本日開示のエイチ・ツー・オー リテイリングのプレスリリース「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ(会社法第459条第1項の規定による定款の定めに基づく自己株式の取得)」及び「自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の買付け並びに第三者割当による第1回新株予約権及び第2回新株予約権の発行に関するお知らせ(ファシリティ型自己株式取得(Accelerated Share Repurchase)による自己株式の取得)」をご参照ください。
なお、当社は、本株式交換の効力発生日の前日までに開催する当社の取締役会決議により、基準時において保有している自己株式(本株式交換に関してなされる、会社法第785条第1項に定める反対株主の株式買取請求に係る株式の買取りによって当社が取得する自己株式を含みます。)の全てを、基準時をもって消却する予定です。本株式交換によって割当交付する株式数については、当社による自己株式の消却等の理由により今後修正される可能性があります。
(注3) 単元未満株式の取扱い
本株式交換に伴い、エイチ・ツー・オー リテイリングの単元未満株式(100株未満の株式)を保有することとなる当社の株主の皆様については、エイチ・ツー・オー リテイリングの定款及び株式取扱規則の定めるところにより、エイチ・ツー・オー リテイリング株式に関する以下の制度をご利用いただくことができます。なお、金融商品取引市場において単元未満株式を売却することはできません。
① 単元未満株式の買増し制度(100株への買増し)
会社法第194条第1項の規定及びエイチ・ツー・オー リテイリングの定款の規定に基づき、エイチ・ツー・オー リテイリングの単元未満株式を保有する株主の皆様が、その保有する単元未満株式の数と併せて1単元となる数の株式をエイチ・ツー・オー リテイリングから買い増すことができる制度です。
② 単元未満株式の買取請求制度(単元未満株式の売却)
会社法第192条第1項の規定に基づき、エイチ・ツー・オー リテイリングの単元未満株式を保有する株主の皆様が、その保有する単元未満株式を買い取ることをエイチ・ツー・オー リテイリングに対して請求することができる制度です。
(注4) 1株に満たない端数の取扱い
本株式交換に伴い、1株に満たない端数のエイチ・ツー・オー リテイリング株式の交付を受けることとなる当社の株主の皆様においては、会社法第234条その他の関連法令の定めに従い、その端数の合計数(その合計数に1に満たない端数がある場合は切り捨てるものとします。)に相当するエイチ・ツー・オー リテイリング株式を売却し、かかる売却代金をその端数に応じて当該株主の皆様に交付いたします。
本株式交換により株式交換完全子会社となる当社は、新株予約権及び新株予約権付社債のいずれも発行していないため、該当事項はありません。
エイチ・ツー・オー リテイリングが当社との間で2024年5月15日に締結した株式交換契約の内容は次のとおりです。
株式交換契約書
エイチ・ツー・オーリテイリング株式会社(以下「甲」という。)及び株式会社関西フードマーケット(以下「乙」という。)は、2024年5月15日(以下「本契約締結日」という。)、以下のとおり株式交換契約(以下「本契約」という。)を締結する。
第1条 (株式交換の方法)
甲及び乙は、本契約の定めるところに従い、甲を株式交換完全親会社、乙を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」という。)を行う。
第2条 (商号及び住所)
甲及び乙の商号及び住所は、以下のとおりである。
(1) 甲:株式交換完全親会社
(商号) エイチ・ツー・オーリテイリング株式会社
(住所) 大阪府大阪市北区角田町8番7号
(2) 乙:株式交換完全子会社
(商号) 株式会社関西フードマーケット
(住所) 兵庫県伊丹市中央五丁目3番38号
第3条 (本株式交換に際して交付する金銭等及びその割当てに関する事項)
1. 甲は、本株式交換に際し、本株式交換がその効力を生ずる時点の直前時(以下「基準時」という。)における乙の株主(但し、甲を除く。以下「本割当対象株主」という。)に対し、その保有する乙の株式の総数に1を乗じて得られる数の甲の株式を交付する。
2. 甲は、本株式交換に際し、本割当対象株主に対し、その保有する乙の株式1株につき甲の株式1株の割合をもって、甲の株式を割り当てる。
第4条 (甲の資本金及び準備金に関する事項)
本株式交換により増加する甲の資本金及び準備金の額は、会社計算規則第39条に定めるところに従って、甲が適当に定める。
第5条 (効力発生日)
本株式交換がその効力を生ずる日(以下「本効力発生日」という。)は、2024年7月31日とする。但し、本株式交換の手続の進行上の必要性その他の事由により必要があるときは、甲及び乙が協議し合意の上、本効力発生日を変更することができる。
第6条 (株主総会決議)
1. 甲は、会社法第796条第2項の規定により、本契約について株主総会の承認を受けない。但し、同条第3項の規定により、本契約について株主総会の承認が必要となった場合、甲は、本効力発生日の前日までに、本契約の承認その他本株式交換に必要な事項に関する株主総会決議を求める。
2. 乙は、本効力発生日の前日までに、本契約の承認その他本株式交換に必要な事項に関する株主総会決議(前項に基づき甲が株主総会決議を実施する場合における当該決議と併せ、以下「株式交換承認総会決議」という。)を求める。
第7条 (善管注意義務)
甲及び乙は、本契約締結日以降本効力発生日に至るまで、自ら又はその子会社をして、善良なる管理者の注意義務をもってそれぞれの業務執行及び財産の管理を行うものとし、その財産若しくは権利義務に重大な影響を及ぼす可能性のある行為又は本株式交換の実行若しくは本株式交換の条件に重大な影響を及ぼす可能性のある行為を自ら行い又はその子会社をして行わせる場合には、事前に相手方と協議し、書面合意の上で行うものとする。
第8条 (剰余金の配当の制限)
1. 甲は、2024年3月31日を基準日として、1株当たり15円50銭を限度として剰余金の配当を行うことができる。
2. 乙は、2024年3月31日を基準日として、1株当たり10円を限度として剰余金の配当を行うことができる。
3. 乙は、2024年6月20日開催予定の乙の定時株主総会において株式交換承認総会決議による承認が得られること、及び、本株式交換が中止されておらず、本株式交換の効力が発生することが確実であると合理的に見込まれることを条件として、本株式交換の本効力発生日の前日を基準日として、1株当たり100円の剰余金の配当(特別配当。以下「本特別配当」という。)を行うことができる。
4. 甲及び乙は、前三項に定める場合を除き、本契約締結日後、本効力発生日より前の日を基準日とする剰余金の配当の決議を行ってはならない。
第9条 (乙の自己株式の消却)
乙は、本契約について乙の株式交換承認総会決議による承認が得られた場合には、本効力発生日の前日までに開催される乙の取締役会の決議により、基準時の直前時点において保有する全ての自己株式(本株式交換に際して行使される会社法第785条第1項に定める反対株主の株式買取請求に応じて乙が取得する株式を含む。)を、基準時の直前時点において消却する。
第10条 (本株式交換の条件の変更及び本契約の解除)
本契約締結日から本効力発生日までの間に、甲若しくは乙の財産若しくは経営状態に重大な変更が生じた場合、本株式交換の実行に重大な支障となる事態が生じ若しくは明らかとなった場合、又はその他本株式交換の目的の達成が困難となった場合は、甲及び乙は、協議し合意の上、本株式交換の条件その他本契約の内容を変更し、又は本契約を解除することができる。
第11条 (本株式交換及び本契約の効力)
本契約は、本効力発生日の前日までに、本契約について甲若しくは乙の株式交換承認総会決議による承認を得られなかったとき、本特別配当について乙の株式交換承認総会決議による承認を得られなかったとき、又は前条に基づき本契約が解除されたときは、その効力を失うものとする。
第12条 (準拠法及び管轄裁判所)
1. 本契約は、日本法を準拠法とし、日本法に従って解釈される。
2. 本契約に関連する当事者間の一切の紛争については、被告の本店所在地を管轄する地方裁判所を第一審についての専属的合意管轄裁判所とする。
第13条 (協議事項)
本契約に定める事項のほか、本株式交換に必要な事項は、本契約の趣旨に従い、甲及び乙が協議し合意の上、これを定める。
(以下余白)
本契約締結の証として本書2通を作成し、甲及び乙がそれぞれ記名押印の上、各1通を保有する。
2024年5月15日
エイチ・ツー・オー リテイリング及び当社は、上記(3)②「本株式交換に係る割当ての内容」に記載の本株式交換比率の決定に当たって公正性及び妥当性を確保するため、それぞれ両社から独立した第三者算定機関及び各種アドバイザーを選定しました。エイチ・ツー・オー リテイリングは、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を、法務アドバイザーとして弁護士法人西村あさひ法律事務所(以下「西村あさひ法律事務所」といいます。)を選定し、当社はファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を、法務アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選定し、本格的な検討を開始いたしました。
エイチ・ツー・オー リテイリングにおいては、下記④「公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置を含む。)」に記載のとおり、エイチ・ツー・オー リテイリングのファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券から2024年5月14日付で取得した株式交換比率算定書、法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所からの助言、エイチ・ツー・オー リテイリングが当社に対して2024年3月中旬から4月中旬にかけて実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて、慎重に協議・検討をいたしました。また、エイチ・ツー・オー リテイリングは、当社との交渉の過程で、当社より、本株式交換における当社の株主の皆様の利益に配慮し、本株式交換と同時に本特別配当を実施することについての提案を受け、両社で協議した結果、本株式交換による完全子会社化の目的の重要性に照らして、その実現のためには、本特別配当の目的及び本特別配当の金額は合理的であると判断し、当社が本特別配当を実施することに同意いたしました。その結果、本株式交換と併せて実施される予定の本特別配当を勘案しても、本株式交換比率は妥当であり、エイチ・ツー・オー リテイリングの株主の皆様の利益に資するとの結論に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
他方、当社においては、下記④「公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置を含む。)」に記載のとおり、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券から2024年5月14日付で取得した株式交換比率算定書、法務アドバイザーである森・濱田松本法律事務所からの助言、当社がエイチ・ツー・オー リテイリングに対して2024年3月中旬から4月中旬にかけて実施したデュー・ディリジェンスの結果、本特別委員会からの指示、助言及び2024年5月15日付で受領した答申書(詳細については、下記④「公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置を含む。)」の「ニ) 当社における利害関係を有しない特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)の内容、並びに本特別委員会を通じて提出を受けた、本特別委員会が独立性の程度、専門性及び実績に鑑み独自に選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である川喜多公認会計士事務所から2024年5月14日付で受領した株式交換比率算定書等を踏まえて、慎重に協議・検討をいたしました。また、当社は、エイチ・ツー・オー リテイリングとの交渉の過程で、本株式交換における当社の株主の皆様の利益に配慮し、本株式交換と同時に本特別配当を実施することについてもエイチ・ツー・オー リテイリングに提案し、両社で協議した結果、本特別配当を実施することについて、エイチ・ツー・オー リテイリングの同意を得ました。その結果、本株式交換と併せて実施される予定の本特別配当も勘案すれば、本株式交換比率は妥当であり、当社の少数株主の皆様の利益に資するとの判断に至ったため、当社は、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
以上のとおり、エイチ・ツー・オー リテイリング及び当社は、両社がそれぞれの第三者算定機関から提出を受けた株式交換比率の算定結果を参考に、それぞれが相手方に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて慎重に検討し、両社の財務状況・資産状況・将来の見通し、本株式交換と併せて実施される本特別配当等の要因を総合的に勘案した上で、交渉・協議を重ねてまいりました。その結果、エイチ・ツー・オー リテイリング及び当社は、本株式交換比率は妥当であり、それぞれの株主の皆様の利益に資するとの判断に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
なお、本株式交換比率は、本株式交換契約に従い、算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じた場合には、両社間で協議し合意の上変更することがあります。
エイチ・ツー・オー リテイリングの第三者算定機関であるSMBC日興証券、当社の第三者算定機関である野村證券及び本特別委員会独自の第三者算定機関である川喜多公認会計士事務所はいずれも、両社から独立した算定機関であり、両社の関連当事者に該当せず、本株式交換に関して記載すべき重要な利害関係を有しません。
SMBC日興証券は株式会社三井住友銀行(以下「三井住友銀行」といいます。)とともに株式会社三井住友フィナンシャルグループの一員であり、三井住友銀行は両社に対して通常の銀行取引の一環としての融資等の取引がありますが、本株式交換に関して両社との利益相反に係る重要な利害関係を有しておりません。SMBC日興証券によれば、SMBC日興証券の社内においては、ファイナンシャル・アドバイザリー業務並びに両社の株式の価値算定業務を担当する部署と同社のその他部署との間において情報隔壁措置等の適切な弊害防止措置を講じている他、SMBC日興証券と三井住友銀行との間において情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制が構築されていること、本株式交換に係るSMBC日興証券に対する報酬には、本株式交換の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、エイチ・ツー・オー リテイリングとSMBC日興証券の間において、同種の取引における一般的な実務慣行及び本株式交換が不成立となった場合にエイチ・ツー・オー リテイリングに相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案の上、本株式交換の完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって、独立性が否定されるものではないこと、また、SMBC日興証券は過去の同種事案の第三者算定機関としての実績を有していること等を踏まえ、エイチ・ツー・オー リテイリングがSMBC日興証券に対して両社の株式価値の算定を依頼することに関し公正性の観点から問題はないと考えられることから、エイチ・ツー・オー リテイリングはSMBC日興証券を両社から独立した第三者算定機関として選定いたしました。
また、本株式交換に係る野村證券に対する報酬には、本株式交換の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、当社と野村證券の間において、同種の取引における一般的な実務慣行及び本株式交換が不成立となった場合に当社に生じうる金銭的負担等も勘案の上、本株式交換の完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって、独立性が否定されるものではないと判断しております。なお、川喜多公認会計士事務所の報酬は、本株式交換の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本株式交換の成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。
(ⅰ) SMBC日興証券による算定
SMBC日興証券は、エイチ・ツー・オー リテイリング及び当社がそれぞれ東京証券取引所プライム市場及びスタンダード市場に上場しており、両社に市場株価が存在することから市場株価法(2024年5月14日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場及びスタンダード市場における2024年4月15日から算定基準日までの直近1ヶ月間の平均株価(終値単純平均)、2024年2月15日から算定基準日までの直近3ヶ月間の平均株価(終値単純平均)、2023年11月15日から算定基準日までの直近6ヶ月間の平均株価(終値単純平均)を基に分析しております。)を、また、エイチ・ツー・オー リテイリング及び当社がいずれについても比較可能な類似上場会社が存在し、類似上場会社比較法による株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、また、両社の将来の事業活動の状況を評価に反映するためディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)を採用して算定を行いました。
各評価方法によるエイチ・ツー・オー リテイリング株式1株に対する当社株式の算定レンジは、以下のとおりです。
SMBC日興証券は、株式交換比率の算定に際して、公開情報及びSMBC日興証券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。両社並びにその関係会社の資産又は負債(デリバティブ取引、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、両社から提供若しくは開示された情報、判断又は予測を前提とし、これらについて独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。両社の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、両社の経営陣により現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを基礎としております。なお、SMBC日興証券がDCF法による算定の前提としたエイチ・ツー・オー リテイリングの財務予測において、大幅な増減益が見込まれている事業年度が含まれております。具体的には、2024年3月期において、前年度までの新型コロナウイルス感染症の影響下からの反動による営業利益の大幅な増益(2023年3月期の営業利益114億円に対して131.3%の増益となる営業利益263億円)、また、2027年3月期において、前年度に実施を計画している資産の譲渡による特別利益の剥落に伴う当期純利益の大幅な減益(2026年3月期の当期純利益247億円に対して32.6%の減益となる当期純利益167億円)を見込んでおります。また、当社の財務予測においても、大幅な増減益が見込まれている事業年度が含まれております。具体的には、2024年3月期において、連結子会社のイズミヤ・阪急オアシス、関西スーパーマーケット、株式会社KSPは原価率を維持し、客数客単価の回復及び伸長に伴う売上高の増加及び粗利の改善に基づく大幅な増益(2023年3月期の営業利益59億円に対して53.7%の増益となる営業利益91億円)となることを見込んでおります。また、2025年3月期において、2024年3月期に引き続き、売上高の増加による粗利の改善に加えて、イズミヤ・阪急オアシスの原価率の低減も寄与し、当期純利益の増益(2024年3月期の当期純利益57億円に対して63.3%の増益となる当期純利益92億円)を見込んでおります。なお、当該財務予測は、本株式交換の実施及び本特別配当の実施を前提としておりません。
(ⅱ) 野村證券による算定
野村證券は、エイチ・ツー・オー リテイリングについては、同社が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから、市場株価平均法を、また、比較可能な上場類似会社が存在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから、類似会社比較法を、また、将来の事業活動の状況を評価に反映するために、DCF法を採用して算定を行いました。
市場株価平均法においては、2024年5月14日を算定基準日として、東京証券取引所における算定基準日の終値、算定基準日までの直近5営業日、1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月の各期間の終値単純平均値を採用しております。
類似会社比較法においては、エイチ・ツー・オー リテイリングと類似する事業を営む上場会社として、J.フロント リテイリング株式会社、株式会社三越伊勢丹ホールディングス、株式会社高島屋及び株式会社近鉄百貨店を類似会社として抽出し、企業価値に対するEBITDAの倍率、企業価値に対する営業利益の倍率、時価総額に対する修正純利益(経常利益に(1-実効税率)を乗じて算出)の倍率及び時価総額に対する株主資本の倍率を用いて算定を行いました。
DCF法では、エイチ・ツー・オー リテイリングが作成した2025年3月期から2027年3月期までの財務予測に基づく将来のキャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって算定しております。DCF法における継続価値の算定については、永久成長率法及びマルチプル法を採用しております。具体的には割引率は4.75%~5.25%を使用しており、永久成長率は0.00%~0.50%、マルチプル法ではE0.50BITDAマルチプルとして8.0倍~9.0倍を使用しております。
当社については、同社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから、市場株価平均法を、また、比較可能な上場類似会社が存在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから、類似会社比較法を、また、将来の事業活動の状況を評価に反映するために、DCF法を採用して算定を行いました。
市場株価平均法においては、2024年5月14日を算定基準日として、東京証券取引所における算定基準日の終値、算定基準日までの直近5営業日、1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月の各期間の終値単純平均値を採用しております。
類似会社比較法においては、当社と類似する事業を営む上場会社として、株式会社JMホールディングス、株式会社ヤマナカ、株式会社ライフコーポレーション、マックスバリュ東海株式会社、株式会社オークワ、株式会社ヤオコー、株式会社マミーマート、株式会社バローホールディングス及び株式会社ベルクを類似会社として抽出し、企業価値に対するEBITDAの倍率、企業価値に対する営業利益の倍率、時価総額に対する修正純利益(経常利益に(1-実効税率)を乗じて算出)の倍率及び時価総額に対する株主資本の倍率を用いて算定を行いました。
DCF法では、当社が作成した2025年3月期から2027年3月期までの財務予測に基づく将来のキャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって算定しております。DCF法における継続価値の算定については、永久成長率法及びマルチプル法を採用しております。具体的には割引率は4.75%~5.25%を使用しており、永久成長率は0.00%~0.50%、マルチプル法ではEBITDAマルチプルとして6.5倍~7.5倍を使用しております。
また、野村證券は、市場株価平均法、類似会社比較法及びDCF法において、本特別配当に伴う株主への現金流出価額を当社及びエイチ・ツー・オー リテイリングそれぞれの株式価値に織り込んでおります。加えて、市場株価平均法、類似会社比較法及びDCF法において、エイチ・ツー・オー リテイリングによる本日以降の新たな自己株式の取得に伴う影響をエイチ・ツー・オー リテイリングの株主価値に織り込んでおります。
各評価手法におけるエイチ・ツー・オー リテイリング株式の1株当たりの株式価値を1とした場合の当社の評価レンジは、以下のとおりとなります。
野村證券は、株式交換比率の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。両社およびその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。当社の財務予測その他将来に関する情報については、当社の経営陣により現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村證券の算定は2024年5月14日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、当社の取締役会が本株式交換比率を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
なお、野村證券がDCF法による算定の前提としたエイチ・ツー・オー リテイリングの財務予測において、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2027年3月期において、前年度に実施を計画している資産の譲渡による特別利益の剥落に伴う当期純利益の大幅な減益(2026年3月期の当期純利益247億円に対して32.6%の減益となる当期純利益167億円)を見込んでおります。なお、当該財務予測は、本株式交換の実施を前提としておりません。
また、野村證券がDCF法による算定の前提とした当社の財務予測において、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2025年3月期において、売上高の増加による粗利の改善に加えて、イズミヤ・阪急オアシスの原価率の低減も寄与し、当期純利益の増益を見込んでおります。なお、当該財務予測は、本株式交換の実施を前提としておりません。
(ⅲ) 川喜多公認会計士事務所による算定
川喜多公認会計士事務所は、エイチ・ツー・オー リテイリング及び当社がそれぞれ東京証券取引所プライム市場及びスタンダード市場に上場しており、両社に市場株価が存在することから市場株価平均法を、また、エイチ・ツー・オー リテイリング及び当社がいずれについても比較可能な類似上場会社が存在し、類似会社比較法による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、また、両社の将来の事業活動の状況を評価に反映するためDCF法を採用して算定を行いました。
市場株価平均法においては、2024年5月14日を算定基準日として、東京証券取引所における算定基準日の終値、算定基準日までの直近5営業日、1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月の各期間の終値単純平均値を使用しております。
類似会社比較法においては、類似する事業を営む上場会社として、エイチ・ツー・オー リテイリングについては、J.フロント リテイリング株式会社、株式会社三越伊勢丹ホールディングス及び株式会社高島屋を類似会社として抽出し、当社については株式会社JMホールディングス、株式会社ヤマナカ、株式会社ライフコーポレーション、マックスバリュ東海株式会社、株式会社オークワ、株式会社ヤオコー、株式会社マミーマート及び株式会社ベルクを類似会社として抽出し、それぞれ企業価値に対するEBITDAの倍率、企業価値に対する営業利益の倍率、時価総額に対する純利益の倍率及び時価総額に対する純資産の倍率を用いて算定を行いました。
DCF法においては、エイチ・ツー・オー リテイリングについては、同社が作成した2025年3月期から2027年3月期までの財務予測に基づく将来のキャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって算定を行いました。エイチ・ツー・オー リテイリングの割引率は、4.75%~5.25%を使用しており、継続価値の算定については、永久成長率法及びマルチプル法を採用し、永久成長率は0.00%~0.50%、マルチプル法ではEBITDAマルチプルとして8.0倍~9.0倍を使用しております。一方、当社については、同社が作成した2025年3月期から2027年3月期までの財務予測に基づく将来のキャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって算定を行いました。当社の割引率は、4.75%~5.25%を使用しており、継続価値の算定については、永久成長率法及びマルチプル法を採用し、永久成長率は0.00%~0.50%、マルチプル法ではEBITDAマルチプルとして6.0倍~7.0倍を使用しております。なお、川喜多公認会計士事務所は、類似会社比較法及びDCF法において、本特別配当に伴う株主への現金流出価額を当社及びエイチ・ツー・オー リテイリングそれぞれの株式価値に織り込んでおります。加えて、市場株価平均法、類似会社比較法及びDCF法において、エイチ・ツー・オー リテイリングによる本日以降の新たな自己株式の取得に伴う影響をエイチ・ツー・オー リテイリングの株主価値に織り込んでおります。
各評価方法によるエイチ・ツー・オー リテイリング株式1株に対する当社株式の算定レンジは、以下のとおりです。
川喜多公認会計士事務所は、株式交換比率の算定に際して、公開情報及び川喜多公認会計士事務所に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。両社並びにその関係会社の資産又は負債(デリバティブ取引、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、両社から提供若しくは開示された情報、判断又は予測を前提とし、これらについて独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。両社の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、両社の経営陣により現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを基礎としております。なお、川喜多公認会計士事務所の算定は、当社の取締役会及び特別委員会が本株式交換比率を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
川喜多公認会計士事務所がDCF法による算定の前提としたエイチ・ツー・オー リテイリングの財務予測において、大幅な増減益が見込まれている事業年度が含まれております。具体的には、2027年3月期において、前年度に実施を計画している資産の譲渡による特別利益の剥落に伴う当期純利益の大幅な減益(2026年3月期の当期純利益247億円に対して32.6%の減益となる当期純利益167億円)を見込んでおります。また、当社の財務予測においても、大幅な増減益が見込まれている事業年度が含まれております。具体的には、2025年3月期において、売上高の増加による粗利の改善に加えて、イズミヤ・阪急オアシスの原価率の低減も寄与し、当期純利益の増益を見込んでおります。なお、当該財務予測は、本株式交換の実施を前提としておりません。
また、川喜多公認会計士事務所は、特別委員会に対して、本特別配当の実施を前提とした場合、本株式交換比率が当社の少数株主にとって財務的見地より公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)を発行しております。本フェアネス・オピニオンは、事業見通しを含む財務情報の分析及び検討並びに両社との質疑応答を経て、川喜多公認会計士事務所により実施された本株式交換比率の検討に加え、本株式交換の概要、背景及び目的に係る両社との質疑応答、並びに、株式交換比率に関する算定書の作成者とは別の公認会計士によるレビュー手続を経て発行しております。ただし、本フェアネス・オピニオンは、本株式交換比率が当社の少数株主にとって財務的見地から公正なものであることについて意見表明するにとどまり、本株式交換実行の是非及び本株式交換に関する行動について意見表明や推奨を行うものではありません。本フェアネス・オピニオンは、本株式交換に関する当社の取締役会及び特別委員会の判断の基礎資料として使用されることを唯一の目的としております。
本株式交換により、その効力発生日(2024年7月31日(予定))をもって、当社はエイチ・ツー・オー リテイリングの完全子会社となり、当社株式は2024年7月29日付で上場廃止(最終売買日は2024年7月26日)となる予定です。上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引をすることができなくなります。
当社株式が上場廃止となった後も、本株式交換により当社の株主の皆様に割り当てられるエイチ・ツー・オー リテイリング株式は東京証券取引所プライム市場に上場されており、本株式交換の効力発生日以後も金融商品取引所市場での取引が可能であることから、基準時において当社株式を100株以上保有し、本株式交換によりエイチ・ツー・オー リテイリング株式の単元株式数である100株以上のエイチ・ツー・オー リテイリング株式の割当てを受ける当社の株主の皆様に対しては、引き続き株式の流動性を提供できるものと考えております。
他方、基準時において、100株未満の当社株式を保有する当社の株主の皆様には、エイチ・ツー・オー リテイリング株式の単元株式数である100株に満たないエイチ・ツー・オー リテイリング株式が割り当てられます。そのような単元未満株式を金融商品取引所市場において売却することはできませんが、単元未満株式を保有することになる株主の皆様は、エイチ・ツー・オー リテイリングに対し、その保有する単元未満株式を買い取ることを請求することが可能です。また、その保有する単元未満株式の数と併せて1単元となる数の株式をエイチ・ツー・オー リテイリングから買い増すことも可能です。詳細については、上記(3)②「本株式交換に係る割当ての内容」(注3)「単元未満株式の取扱い」をご参照ください。また、本株式交換に伴い1株に満たない端数が生じた場合における端数の取扱いの詳細については、上記(3)②「本株式交換に係る割当ての内容」(注4)「1株に満たない端数の取扱い」をご参照ください。
なお、当社の株主の皆様は、最終売買日である2024年7月26日(予定)までは、東京証券取引所スタンダード市場において、その保有する当社株式を従来通り取引することができる他、基準時まで会社法その他関係法令に定める適法な権利を行使することができます。
両社は、エイチ・ツー・オー リテイリングが既に当社株式37,034,909株(2024年3月31日現在の発行済株式総数(63,858,804株)から当社の自己株式数(6,783,598株)を控除した株式数(57,075,206株)に占める割合にて64.89%)を保有し、当社がエイチ・ツー・オー リテイリングの連結子会社に該当することから、本株式交換に際しては、利益相反を回避して公正性を担保する必要があると判断し、以下のとおり公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置を含みます。)を実施しております。
エイチ・ツー・オー リテイリング及び当社は、本株式交換に用いられる株式交換比率の算定に当たって公正性を期すため、エイチ・ツー・オー リテイリングは、両社から独立した第三者算定機関であるSMBC日興証券を選定し、2024年5月14日付けで、株式交換比率に関する算定書を取得し、また、当社は、両社から独立した第三者算定機関である野村證券を選定し、2024年5月14日付けで、株式交換比率に関する算定書を取得いたしました。
各算定書の概要は上記②「算定に関する事項」をご参照ください。なお、両社は、いずれも各第三者算定機関から、本株式交換の株式交換比率がエイチ・ツー・オー リテイリング又は当社の株主にとって財務的見地より公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
本特別委員会は、独自に、独立性、専門性及び実績等に鑑み、両社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である川喜多公認会計士事務所を選定し、川喜多公認会計士事務所から、当社の事業計画の内容を含む本株式交換比率の算定に関する留意点等に係る助言を受けるとともに、2024年5月14日付けで、株式交換比率に関する算定書を取得いたしました。また、特別委員会は、川喜多公認会計士事務所から、本特別配当の実施を前提とした場合、本株式交換比率が当社の少数株主にとって財務的見地より公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しております。上記算定書及びフェアネス・オピニオンの概要は上記②「算定に関する事項」をご参照ください。
エイチ・ツー・オー リテイリングは、本株式交換の法務アドバイザーとして、西村あさひ法律事務所を2024年2月に選任し、本株式交換の諸手続及び取締役会の意思決定の方法・過程等について法的な観点から助言を得ております。なお、西村あさひ法律事務所は、両社との間で重要な利害関係を有しません。
他方、当社は、本株式交換及びこれに先立つ上記資本政策の検討に係る法務アドバイザーとして、森・濱田松本法律事務所を2024年2月に選任し、本株式交換の諸手続及び取締役会の意思決定の方法・過程等について法的な観点から助言を得ております。なお、森・濱田松本法律事務所は、両社との間で重要な利害関係を有しません。
上記2(2)「本株式交換の目的」に記載のとおり、当社は、当社株式が東京証券取引所の実質的存続性審査の猶予期間に入っており、新規上場基準に準じた審査基準に適合すると認められる目途が立たない状況にあることから、当社株式の上場維持の是非を含めて、当社の資本政策の在り方について可及的速やかに検討を進める必要があると考えておりました。そこで、当社は、親会社で支配株主であるエイチ・ツー・オー リテイリングとの構造的な利益相反のおそれを排除し、エイチ・ツー・オー リテイリング及び当社から独立した立場で、上記資本政策の検討を行うことを目的として、2024年2月19日に、エイチ・ツー・オー リテイリングとの間で利害関係を有しておらず、かつ、東京証券取引所に独立役員として届け出ている、当社の社外取締役である森薫生氏(弁護士、高麗橋中央法律事務所)、西口美廣氏(伸和エンジニヤリング株式会社監査役)、澤千恵氏(特定社会保険労務士、社労士オフィスジェイアシスト)並びに、上場会社の資本政策等に関する経験が豊富であり、エイチ・ツー・オー リテイリング及び当社との間で利害関係を有しない、独立した外部の有識者である藤田清文氏(弁護士、弁護士法人淀屋橋・山上合同)の4名により構成される本特別委員会を設置し、当社の資本政策の在り方について、当社株式の上場維持に加え、非公開化を含めた様々な選択肢の検討を開始しました。
その後、2024年3月1日付で、エイチ・ツー・オー リテイリングから、当社の完全子会社化を企図した本株式交換の実施に係る提案がなされたことから、当社は、同月8日開催の取締役会において、本株式交換の提案の検討に際し、親会社で支配株主であるエイチ・ツー・オー リテイリングとの構造的な利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するとともに、当社の取締役会において本株式交換を行う旨の決定をすることが当社の少数株主にとって不利益なものであるかどうかについての意見を取得することを目的として、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問いたしました。なお、本諮問事項の検討に際しては、(a)当社の企業価値の向上に資するか否かの観点から、取引を実施することの合理性について検討・判断するとともに、(b)当社の少数株主の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性についても検討・判断するものとされております。
また、当社の取締役会は、本諮問事項の諮問にあたり、本株式交換に関する取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を適切に理解・把握した上で、これを最大限尊重して行うこと、及び、本特別委員会がその実施又は取引条件が妥当でないと判断した施策を承認しないこととすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(a)当社が本株式交換に係る関係者との間で行う協議・交渉過程に実質的に関与し、本特別委員会が必要と認める場合には本株式交換に係る関係者との間で自ら協議・交渉を行うこと、(b)本特別委員会において本株式交換に係る法務、財務等のアドバイザーを選任し(この場合の費用は当社負担とする。)、又は、本株式交換に係る当社の法務、財務等のアドバイザーを指名・承認(事後承認を含む。)すること、(c)当社の役職員、本株式交換の関係者その他本特別委員会が必要と認める者から必要な事項を聴取し又は必要な情報を受領すること、(d)当社の役職員から本株式交換に関する検討及び判断に必要な情報(当社の事業計画の検証を要する場合、事業計画に関わる情報を含む)を受領すること、(e)その他本株式交換に関する検討及び判断に際して必要と本特別委員会が認める事項に関する権限を付与する旨決議しております。
本特別委員会は、2024年2月19日から2024年5月15日までに、会合を合計13回開催したほか、会合外においても、電子メール等を通じて、意見表明や情報収集を行い、必要に応じて随時協議を行う等して、本諮問事項に関し、慎重に検討を行いました。具体的には、本特別委員会は、まず、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券並びに法務アドバイザーである森・濱田松本法律事務所につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことを確認し、その選任を承認いたしました。また、本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、独立性、専門性及び実績等に鑑み、川喜多公認会計士事務所を選任するとともに、当社における財務デュー・ディリジェンス及び税務デュー・ディリジェンス等に係るアドバイザーとして、独立性、専門性及び実績等に鑑み、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(以下「EYストラテジー・アンド・コンサルティング」といいます。)及びEY税理士法人を選任することを承認いたしました。そのうえで、エイチ・ツー・オー リテイリングに対して本株式交換の目的等に関する質問状を送付したうえで、エイチ・ツー・オー リテイリングから本株式交換の目的、本株式交換に至る背景・経緯、株式交換を選択した理由、本株式交換後の経営方針や従業員の取扱いに関する考え方、株主優待制度の取扱い等について説明を受け、質疑応答を行いました。また、当社の法務アドバイザーである森・濱田松本法律事務所から本株式交換に係る当社の取締役会の意思決定方法、本特別委員会の運用その他本株式交換に係る手続面の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置に関して助言を受けるとともに、エイチ・ツー・オー リテイリングに対する法務デュー・ディリジェンスの結果について説明を受け、質疑応答を行いました。さらに、当社の依頼に基づき、エイチ・ツー・オー リテイリングに対する財務デュー・ディリジェンスを実施したEYストラテジー・アンド・コンサルティング及び税務デュー・ディリジェンスを実施したEY税理士法人より、当該財務・税務デュー・ディリジェンスの結果について説明を受け、質疑応答を行いました。加えて、EYストラテジー・アンド・コンサルティングより、DCF法による算定の前提となる当社の事業計画(以下「本事業計画」といいます。)の作成経緯、目的、内容、重要な前提条件等の合理性について説明を受け、また、その内容の検証に際して野村證券及び川喜多公認会計士事務所の助言を受け、本事業計画を承認しております。また、本特別委員会は、エイチ・ツー・オー リテイリングの株式価値の評価(DCF法による評価)の前提となった事業計画に関しても、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、野村證券及び川喜多公認会計士事務所の助言を受け、その内容を検証しております。さらに、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券及び本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である川喜多公認会計士事務所による株式交換比率算定について、それぞれ本株式交換における対価(本株式交換比率等)の算定方法の選択理由、各算定方法における算定過程、重要な前提条件等及び算定結果の説明を受け、質疑応答を行い、その合理性を確認しております。また、本特別委員会は、野村證券及び川喜多公認会計士事務所による株式交換比率算定・分析結果、野村證券及び森・濱田松本法律事務所の助言を受け、当社がエイチ・ツー・オー リテイリングに対して実施した上記各デュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて、本株式交換における対価(本株式交換比率等)の交渉方針を定めるとともに、その交渉内容について随時報告を受け、必要に応じて指示を行う等、エイチ・ツー・オー リテイリングとの協議・交渉に実質的に関与いたしました。
本特別委員会は、かかる経緯の下、本諮問事項について慎重に協議及び検討を行い、本株式交換を行う旨の決定をすることは、当社の少数株主にとって不利益でない旨の答申書を、2024年5月15日付で、当社の取締役会に対して提出しております。本特別委員会の意見の概要は、以下の通りです。
(a)答申内容
(ⅰ)当社取締役会に対し、本株式交換の実施を勧告する。
(ⅱ)当社取締役会が本株式交換を行う旨の決定をすることは、当社の少数株主にとって不利益でないもの と思料する。
(b)答申の理由
(ⅰ)本株式交換の目的の合理性
大要以下の点を考慮し、本特別委員会は、本株式交換は当社の企業価値向上に資するものと認められ、目的において正当であり、合理性があると判断する。
・エイチ・ツー・オー リテイリングは、本株式交換により当社を完全子会社化し、更なる協業体制の強化による経営資源の有効活用、重複機能の解消による経営資源の最適な配分等、更に踏み込んだグループ一体化経営を実現することで、当社グループを含んだエイチ・ツー・オー リテイリンググループ全体の企業価値向上を目指すとしている。具体的な施策としては、人的資源や設備の共有による効率化、購買の共通化によるコスト削減、物流等の両グループで共通する業務の統合による効率化、ITシステムの開発・運用の一元化及びITインフラの共通化によるシステムの高機能化とコスト削減の両立、エイチ・ツー・オー リテイリングの子会社である食品製造会社と当社の取引の活発化やPB等の商品開発によるマーチャンダイジングの強化、エイチ・ツー・オー リテイリングの子会社である宅配会社のECへの活用等、株式会社エイチ・ツー・オー食品グループによる事業戦略立案機能及び実行支援機能の提供等が挙げられているほか、上場維持のための人的・物的コストの削減が期待される。本特別委員会は、野村證券及び川喜多公認会計士事務所の助言も受けつつ、上記施策の内容や効果、その実現可能性の検証を行ったところ、上記施策により売上高の増大や利益率の向上等の効果が見込まれ、かつ、その実現可能性も合理的に見込めるものと考える。
・これに対し、上場廃止により当社にとってエクイティファイナンスの手段がなくなることによる資金調達へのデメリットは実質的にないこと、当社が非上場会社となったとしても知名度低下のリスクは低く、採用活動等への悪影響は小さいと考えられること、本株式交換後もエイチ・ツー・オー リテイリングの連結子会社として会計監査の対象となることから財務への信頼性は維持可能と考えられること等から、上場廃止に伴うデメリットは極めて限定的であると考えられる。
・また、当社株式は、現在、合併等による実質的存続性の喪失に伴う上場廃止の猶予期間に入っており、実質的存続性の審査の通過のためには、猶予期間が終了する2025年3月31日までに、人的関係、取引関係等において、エイチ・ツー・オー リテイリンググループからの独立性を相当程度向上させ、流通株式比率を25%以上とする必要があるとされている。他方で、このような独立性の向上のための各種施策をとった場合には相当額の利益悪化が見込まれる。また、エイチ・ツー・オー リテイリングとして当社株式の保有を継続する意向であることからすれば、流通株式比率を25%以上とすることは実務上の制約も大きい。したがって、本株式交換等の対応をとらない場合、上場廃止のリスクが存在する。
・当社においては、経営課題の解決のために取り得る経営上の選択肢として、本株式交換以外にも、東京証券取引所スタンダード市場における上場維持基準の充足による上場維持の可能性や、非公開化を選択する場合でもエイチ・ツー・オー リテイリング以外の第三者による買収の可能性について検討を行った。しかし、上記のとおり、上場維持基準を充足するための対応を取る場合、当社において相応のコストが発生することが見込まれることに加え、エイチ・ツー・オー リテイリングが当社の保有株式数を維持する意向を有している状況において、上場維持基準である流通株式比率を25%以上とすることは実務上の制約が大きいと考えられる。また、非公開化を選択する場合でも、エイチ・ツー・オー リテイリングの上記意向を前提とすれば、エイチ・ツー・オー リテイリング以外の第三者による買収によって、買収者は、当社の発行済株式総数の3分の1未満を保有するに過ぎず、当該買収により期待されるシナジー効果は限定的なものに留まり、本株式交換の実施によるシナジー効果を上回ることは考えにくい。そのため、本株式交換以外の選択肢によって本株式交換を上回る当社の企業価値の向上を実現することは困難である。
(ⅱ)本株式交換の取引条件の妥当性
大要以下の点を考慮し、本株式交換比率を含め、本株式交換の条件については妥当性が認められ、取引条件決定の過程についても公正性が認められると判断する。
・当社は、本株式交換比率の妥当性及び本株式交換に係る手続の公正性を担保すべく、エイチ・ツー・オー リテイリング及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関として野村證券を、同じくエイチ・ツー・オー リテイリング及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、取引条件の決定に至る過程において、これらのM&Aの専門家から助言を受けて、かつ、本特別委員会の実質的な関与の下で、エイチ・ツー・オー リテイリングとの間で本株式交換の条件に係る交渉等を行った。これらを考慮すれば、本株式交換の条件に関する交渉過程は、独立した当事者間の交渉と認められる公正なものであり、企業価値を高めつつ当社の少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本株式交換が行われることを目指して合理的な努力が行われる状況を確保できていたものと判断する。また、本特別配当は、当社の少数株主の利益に資するものとして、本株式交換の交換条件の妥当性を判断するに際しては、本特別配当を併せて勘案するのが適当と判断する。
・本特別委員会は、株式交換比率の算定の前提となる本事業計画について、EYストラテジー・アンド・コンサルティングより、その作成経緯・手続、目的、内容、重要な前提条件等の合理性について説明を受け、また、その内容の検証に際して野村證券及び川喜多公認会計士事務所の助言を受けながら、当社において2022年5月に公表した中期経営計画を含む過去に当社が作成した計画と本事業計画との関係及び整合性や、直近の業績(実績)、事業環境等も考慮し、計画としての合理性を検証した。その結果、本特別委員会は、本事業計画は、現時点で達成の蓋然性が認められる範囲で当社グループの合理的な成長を最大限期待するものとなっており、本株式交換に際して当社株式の価値算定を行う前提となることを考慮しても合理的な計画であることを確認し、承認した。
・また、本特別委員会は、エイチ・ツー・オー リテイリングに対してEYストラテジー・アンド・コンサルティング、EY税理士法人及び森・濱田松本法律事務所が実施した各種デュー・ディリジェンスの方針及び結果について共有を受け、その内容を検証するとともに、株式交換比率の算定の前提となるエイチ・ツー・オー リテイリングの事業計画についても提出を受け、野村證券及び川喜多公認会計士事務所並びにEYストラテジー・アンド・コンサルティングの助言を受け、その内容を検証した。
・本特別委員会は、野村證券から株式交換比率算定の内容、その前提となる株式価格の算定の内容、その前提とされた財務予測、前提条件等に関する資料の提供を受け、委員会の席上で、ヒアリングを実施し、野村證券による株式交換比率算定の内容、その前提となる株式価格の算定の内容、その前提とされた財務予測や前提条件等について、不合理な点は認められず、適切なものと判断した。
・本特別委員会は、独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、川喜多公認会計士事務所を選任し、株式交換比率の算定を依頼し、川喜多公認会計士事務所から株式交換比率算定の内容、その前提となる株式価格の算定の内容、その前提とされた財務予測、前提条件等に関する資料の提供を受け、委員会の席上で、ヒアリングを実施し、川喜多公認会計士事務所による株式交換比率算定の内容、その前提となる株式価格の算定の内容、その前提とされた財務予測や前提条件等について、不合理な点は認められず、適切なものと判断した。また、川喜多公認会計士事務所からはフェアネス・オピニオンの提出を受けているところ、当該フェアネス・オピニオンは、事業見通しを含む財務情報の分析及び検討並びに当社及びエイチ・ツー・オー リテイリングとの質疑応答を経て、川喜多公認会計士事務所により実施された本株式交換比率の検討に加え、本株式交換の概要、背景及び目的に係る当社及びエイチ・ツー・オー リテイリングとの質疑応答、並びに、本株式交換比率に関する算定書の作成者とは別の公認会計士によるレビュー手続を経て発行していることなどから、フェアネス・オピニオンの発行手続及び内容についても不合理な点は認められず、適切なものと判断した。
・本株式交換比率は、それ単体で見れば、近年の上場親会社による上場子会社の完全子会社化を目的とした他の株式交換事例におけるプレミアムの水準と比較した場合、特に公表直前における当社株式の市場株価とエイチ・ツー・オー リテイリング株式の市場株価を参照すると、有意なプレミアムが付されていないとの評価もありうる。しかし、株式交換比率単体で見た場合でも、直近3か月又は6か月の両社株式の市場株価の平均値を参照する場合には相応のプレミアムが付されているとともに、本株式交換の対価を受領する当社の株主に対しては本特別配当が実施されることや足元の当社株式の市場株価の動向等を考慮すれば、実質的には市場価格に対して一定のプレミアムが付された対価が交付されるものであるとみることができる。本特別配当は、本特別委員会が、エイチ・ツー・オー リテイリングとの間で本株式交換比率を交渉する過程で、本特別委員会として当社の少数株主の利益の観点から承認しうる水準の対価が本株式交換を通じて当社の株主に交付されるよう最大限交渉し、エイチ・ツー・オー リテイリングをして同意させたものであることにも鑑みれば、本株式交換比率は、直近の当社株式の市場株価との対比という観点からも合理性があるものと判断した。
・本株式交換の対価としてエイチ・ツー・オー リテイリング株式が当社の少数株主に交付されることにより、エイチ・ツー・オー リテイリング株式の保有を通じて、本株式交換後に想定されている各種施策の実行を通じて期待されるシナジー効果や、シナジー効果の発現によるエイチ・ツー・オー リテイリンググループの事業発展・収益拡大、その結果としてのエイチ・ツー・オー リテイリング株式の価格上昇等を享受する機会を当社の少数株主に対して提供でき、さらに、当社の少数株主は、流動性の高いエイチ・ツー・オー リテイリング株式を市場で取引することで随時現金化することも可能であることから、本株式交換の方法及び買収対価の種類等に不合理な点は認められず、適切なものと判断した。
(ⅲ)本株式交換に係る手続きの公正性
大要以下の点等を踏まえると、当社においては、本株式交換の公正性を担保するために必要な合理的な措置を講じているといえ、本株式交換の手続は公正であると判断する。
・当社から独立した本特別委員会が設置され、当社の取締役会から本特別委員会に付与された権限の下、各委員会の席上で、エイチ・ツー・オー リテイリングとの交渉を担当する野村證券との間で、本株式交換に係る交渉についての方針を確認し、かつ交渉状況の報告を受け、株式交換比率の決定や本特別配当に係る決定などの重要な局面で、意見を述べたり、指示や要請を行うなど、交渉過程に実質的に関与する形で有効に機能したと評価できる。
・当社は、エイチ・ツー・オー リテイリング及び当社から独立した野村證券及び森・濱田松本法律事務所をそれぞれファイナンシャル・アドバイザー及び法務アドバイザーに選任した上で、これらのアドバイザーから助言等を受けて本株式交換の一連の手続の公正性を図るべく慎重な検討プロセスを経たと認められる。また、当社は、独立した第三者算定機関である野村證券に株式交換比率の算定を依頼し、提出された株式交換比率算定書を踏まえて検討を行った。
・本特別委員会は、独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、野村證券とは別に、川喜多公認会計士事務所を選任し、株式交換比率の算定を依頼し、算定書を得るとともに、エイチ・ツー・オー リテイリングとの株式交換比率の交渉に際しても、その公正性を図るべく適切に助言を受けた。また、本特別委員会は、本株式交換比率の公正性の検証について慎重を期し、川喜多公認会計士事務所からはフェアネス・オピニオンの提出を受けた。
・利益相反を回避する観点から、当社の取締役会における本株式交換に関する議案においては、エイチ・ツー・オー リテイリングの役員又は従業員を現在又は過去において兼任又は兼務していた林克弘氏、渡邊学氏及び小西敏允氏、並びに、エイチ・ツー・オー リテイリングの完全子会社である株式会社エイチ・ツー・オー食品グループの役員を現在又は過去において兼任又は兼務している福谷耕治氏、梅本友之氏及び永田靖人氏を除く他の3名の取締役において審議の上、その全員一致で決議を行い、その後、取締役会の定足数を確保する観点から、エイチ・ツー・オー リテイリングの業務執行や経営への関与がなく、相対的に利益相反関係が低いと考えられる福谷耕治氏、梅本友之氏及び永田靖人氏を加えた6名の取締役において改めて審議の上、全員一致により決議を行う予定である。なお、同じく利益相反を回避する観点から、林克弘氏、梅本友之氏、永田靖人氏、渡邊学氏、福谷耕治氏及び小西敏允氏は、いずれも本株式交換に関する協議及び交渉に参加しておらず、上記の取締役会の決議に際して意見を述べることも差し控える予定である。
・当社における本株式交換の検討体制(本株式交換の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含む。)の構築に際しては、本特別委員会において、独立性及び公正性の観点から問題がないことについて丁寧に検証を行った。
・本株式交換及び本特別配当に関する開示書類のドラフト等についても確認した結果、当社の少数株主に対し適切な情報開示がなされる予定であり、本株式交換に関しては、これと併せて実施される本特別配当を含めて、当社の少数株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会が確保される予定であると認められる。
・当社とエイチ・ツー・オー リテイリングとの交渉過程において、公正性を疑わしめる事情は見当たらない。
当社の取締役9名のうち林克弘氏、渡邊学氏、小西敏允氏の3名はエイチ・ツー・オー リテイリングの役員又は従業員を現在又は過去において兼任又は兼務しており、また、福谷耕治氏、梅本友之氏及び永田靖人氏については、エイチ・ツー・オー リテイリングの業務執行や経営への関与はないものの、エイチ・ツー・オー リテイリングの完全子会社である株式会社エイチ・ツー・オー 食品グループ(3名とも)及びカナート株式会社(梅本友之氏)の役員を現在又は過去において兼任又は兼務していることに鑑み、本株式交換における構造的な利益相反及び情報の非対称性の問題による影響を回避する観点から、本日開催の当社の取締役会における本株式交換に関する議案(本特別配当に関する議案を含みます。)は、林克弘氏、渡邊学氏、小西敏允氏、福谷耕治氏、梅本友之氏及び永田靖人氏を除く3名の取締役において審議の上、その全員一致により決議した上で、取締役会の定足数を確保する観点から、上記6名の取締役のうち、エイチ・ツー・オー リテイリングの業務執行や経営への関与がなく、相対的に利益相反関係が低いと考えられる福谷耕治氏、梅本友之氏及び永田靖人氏を加えた6名の取締役において改めて審議の上、全員一致により本株式交換を行うことの決議を行いました。
(6)その他
当社は、本日付の取締役会において、2024年6月20日開催予定の当社の定時株主総会において本株式交換契約が承認可決されること等を条件に本特別配当を行う旨の議案を当該株主総会に付議することを決議いたしました。本特別配当の詳細については、本日付で当社が開示したプレスリリース「剰余金の配当(特別配当)及び配当予想の修正に関するお知らせ」をご参照ください。