第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において平山グループが判断したものであります。

 

(1)業績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年7月1日~2024年3月31日)におけるわが国経済は、2024年4月1日発表の全国企業短期経済観測調査(短観)に見られるとおり、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は前回の12月調査から2ポイント悪化してプラス11と、4期ぶりに悪化しました。品質不正問題による自動車生産の減少により、関連産業の業況感が悪化しました。大企業非製造業はプラス34と、2ポイント改善しました。8期連続の改善で1991年8月以来の高い水準となり、インバウンド需要が寄与して改善しております。

一方、2024年2月の完全失業率は2.6%で、前月より0.2ポイント上昇しました。2月の有効求人倍率(季節調整値)は1.26倍で、前月から0.01ポイント低下しました。原料高による収益悪化で求人を控える動きが広がっており、宿泊・飲食サービス業は、コロナの5類移行で売上は好調なものの、前年の同時期に全国旅行支援で雇用環境が好調だった反動がありました。

このような環境下において、平山グループは、コロナ禍後の生産回復需要を取り込み、前年同期比で増収増益を確保しました。利益面では、第1四半期に連結子会社化した株式会社平山GL(旧ブリヂストングリーンランドスケープ株式会社。以下「平山GL社」という。)においてグループ化に伴う諸費用が増加したこと、今後のグループ成長のため拠点と人員の拡充及び採用強化に伴う諸経費を戦略的に使用したこと、第3四半期において一部自動車メーカーの稼働停止や繁忙期に当たる3月において稼働日が前年と比較し2日少なかったこと等から押し下げとなりました。

この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高26,264,124千円(前年同四半期比11.7%増)、営業利益855,303千円(前年同四半期比9.1%増)、経常利益は為替差益25,015千円等を計上したことから896,440千円(前年同四半期比8.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は法人税等313,878千円等を計上した結果、583,327千円(前年同四半期比15.1%増)となりました。

 

セグメント別の業績の概況は、次のとおりです。

 

① インソーシング・派遣事業

インソーシング・派遣事業につきましては、第3四半期において、1月に発生した能登半島地震によりサプライチェーン混乱の影響を受け休業が発生したこと、繁忙期における3月の稼働日数が前年と比較し2日減少したこと、主に自動車関連企業の減産・休業が多く発生する等の悪影響を受けたことが、売上高・利益のマイナス要因となりました。一方、食品関連及び医療機器関連は、引き続き底堅く推移しました。物流関連、旅客業関連、リテール関連等においては、インバウンドの活況により引き続き旺盛な需要があり、既存取引先からの追加発注のみならず新規受注も好調でした。注力業種として新規受注した半導体製造関連についても、緩やかながらも増収に寄与しました。なお、第1四半期に連結子会社化した平山GL社は本セグメントに計上されております。

利益面では、医療機器関連及び前期に利益改善を進めたサービス系子会社が寄与したものの、上記稼働日数減少等の影響や、今後の成長を見据えて、平山GL社の連結子会社化に伴う諸費用が増加したほか、顧客ニーズが強い高単価受注案件への人員配置及びハイエンド技能人材教育の強化を行うため、募集費等を戦略的に使用するとともに新たな拠点や研修センターの設置、採用担当者及び教育人材を拡充した結果、人的資本増加に伴う関連費用が増加し減益となりました。

採用面では、2023年新卒採用者が定着し生産の安定に寄与する一方、中途採用ではサービス産業の復調等業況の改善に伴い採用環境が前期に増して厳しくなり始めました。これに対し、平山グループは、コストパフォーマンスの良い地方テレビCM等のメディア活用、SNSの活用、ネットワーク採用等を前期から継続的に強化して企業イメージの向上を図るとともに、採用ルートの多様化等により採用の強化を行っております。現状の物価上昇・給与引き上げ等の背景もあり採用コストについては中途・新卒採用費用・労務費ともに上昇傾向にあるものの、顧客企業に理解を求め、収益改善に努めております。

この結果、売上高は21,039,360千円(前年同四半期比11.6%増)、セグメント利益は1,102,746千円(前年同四半期比4.6%減)となりました。

 

② 技術者派遣事業

技術者派遣事業につきましては、主要顧客である大手製造業の一部で中長期を見据えた技術開発投資の持ち直しが見られ、電子機器の組み込みソフトウェアや半導体関連・生産設備関連の技術者を中心に、平山グループの受注は回復基調となりました。研修センターでの経験者へのステップアップ研修や顧客ニーズに対応したオーダー研修の実施が高単価案件への配置に寄与し、収益に貢献しております。また、AI等に関わる新規分野において新たに取引が開始され、収益の増加に寄与いたしました。

人材採用面では中長期の成長を見据えて採用活動を強化しており、2024年新卒の採用において一定の効果が出ております。一方、中途採用においては業界の人手不足感が一段と強まっており、技術者の確保面で厳しい状況が継続しているため、採用チャネルの新規開発やコーポレートサイト刷新による企業イメージ向上など平山グループへのエントリー数増加に取り組んでおります。

利益面では、増収による利益確保に加え、販売費及び一般管理費の効率的使用に努めた結果、増益となりました。

この結果、売上高は2,205,364千円(前年同四半期比11.7%増)、セグメント利益は133,693千円(前年同四半期比92.6%増)となりました。

 

③ 海外事業

海外事業につきましては、主力のタイにおいて、製造業生産指数(MPI)が、2023年1~3月期は前年同四半期比3.7%減、2023年4~6月期は前年同四半期比5.5%減、2023年7~9月期は前年同四半期比6.3%減、2023年10~12月期は前年同四半期比5.1%減となり停滞しております。このような環境の下、タイにおける平山グループの派遣従業員数は、2023年12月時点で2,806名(前年同月比11.3%減)となりましたが、高単価顧客の在籍数を維持できたことで増収となりました。

利益面では、上記内容に加え、ローコストでのオペレーションに努めた結果、増益となりました。

この結果、売上高は2,159,096千円(前年同四半期比8.1%増)、セグメント利益は68,035千円(前年同四半期比21.4%増)となりました。

注:海外事業につきましては、2023年4~12月期実績を3か月遅れで当第3四半期連結累計期間に計上しております。

 

④ その他事業

その他事業につきましては、国内の現場改善に係るコンサルティング及び海外からの研修案件が増加しました。また、生産性向上のAIソリューション開発に加えて、国内に生産回帰しようとする顧客に対する工場立ち上げ支援のコンサルティング案件が増加しました。

利益面では、外国人エンジニア及び技能実習生の配置が進んだことから、外国人雇用管理サポート事業の寄与により増益となりました。

この結果、売上高は860,303千円(前年同四半期比23.8%増)、セグメント利益は249,640千円(前年同四半期比98.2%増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,088,112千円増加し、11,202,522千円となりました。

当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、現金及び預金が472,165千円、受取手形及び売掛金が239,844千円、それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ914,923千円増加し、9,554,994千円となりました。

当第3四半期連結会計期間末の固定資産は、有形固定資産が53,123千円、無形固定資産が4,278千円、投資その他の資産が115,786千円、それぞれ増加したことにより、前連結会計年度末に比べ173,188千円増加し、1,647,528千円となりました。

当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ824,547千円増加し、6,951,757千円となりました。

当第3四半期連結会計期間末の流動負債は、未払金が55,714千円、その他負債が543,072千円、それぞれ増加した一方で、未払法人税等が109,898千円、未払消費税等が29,196千円、それぞれ減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ745,448千円増加し、4,962,670千円となりました。

当第3四半期連結会計期間末の固定負債は、退職給付に係る負債が297,296千円増加した一方で、長期借入金が229,915千円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ79,098千円増加し、1,989,086千円となりました。

当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、利益剰余金において親会社株主に帰属する四半期純利益583,327千円を計上した一方で、配当金274,089千円の支払等により、前連結会計年度末に比べ263,565千円増加し、4,250,765千円となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、平山グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、平山グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。