第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

当第1四半期連結累計期間の経営成績及び分析は次のとおりです。

 

(1) 業績の状況

経営成績

 

前第1四半期

連結累計期間(百万円)

当第1四半期

連結累計期間(百万円)

前年同期比(百万円)

売上収益

220

11

△208

売上総利益

128

△127

営業利益(△損失)

△245

△307

△62

四半期利益(△損失)

△241

△310

△69

 

当社グループは、販売開始済3製品を含むがん領域医薬品パイプラインの拡充及び育成を中心に事業運営を図っており、当第1四半期連結累計期間は主に以下の事業活動に務めてまいりました。

 

[開発完了した販売開始済製品]

■Sancuso® (効能・効果:がん化学療法に伴う悪心・嘔吐)

■エピシル®(使用目的:がん等の化学療法や放射線療法に伴う口内炎で生じる口腔内疼痛の管理及び緩和)

・中国販売を中心とするSancuso®(SP-01)及びエピシル®(SP-03)は、原価低減目的による製造所移管作業による影響により製品出荷に制約が生じ、前年度を大幅に下回る水準となりました。

 

■ダルビアス® (効能・効果:再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫)

・2022年に日本で承認され、販売が開始されています。

・現在、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫に引き続く、他のがん種への適応拡大検討を行っております。また本製品の海外権利導出活動も行っております。

 

[非臨床試験段階の開発品]

■SP-04(予定する効能・効果:がん化学療法に伴う末梢神経障害)

・大腸がん患者におけるオキサリプラチンを含む多剤化学療法に起因する末梢神経障害を対象とした、日本を含む国際共同第Ⅲ相臨床試験の結果に鑑み、当該対象の開発を留保し、タキサン製剤に起因する末梢神経障害を対象とした開発の可能性を探索するため追加の動物試験を実施しております。これまでの動物試験結果で得られた情報をもとに導入元Egetis社と協力して新たな動物試験を日本で実施しています。

■SP-05(予定する効能・効果:フルオロウラシルの抗腫瘍効果増強)

・大腸がん患者を対象とした、日本を含む国際共同第Ⅲ相臨床試験(AGENT試験)の最終結果として、主要評価項目及び重要な副次評価項目で統計学的に有意な結果を示さなかったことが2022年に判明し、当社は開発を停止し、また、無形資産の減損処理を行いました。

・本開発品の権利導入元であるIsofol社は、SP-05の臨床開発再開を念頭に、2023年よりAGENT試験結果の詳細な解析と新たな非臨床試験を実施しており、これらの全般的な評価はSP-05(arfolitixorin)がAGENT試験で使用されたものとは異なる用量及び用法で臨床効果が認められることを示していると結論付けました。

・この結論を受け、Isofol社は2024年2月に同社取締役会において、SP-05の新たな開発プログラムを準備し、可能な限り早期に新たな臨床試験を開始することを決定いたしました。また本決定と合わせて、新用法・用量を用いたSP-05の臨床効果を標準治療と比較して証明するために、時間とコスト効率の良い方法で小規模臨床試験の実施を計画していることを発表いたしました。

・当社は、SP-05の開発を一旦停止した後も、Isofol社と定期的な情報交換を継続してまいりました。今般Isofol社がSP-05の開発再開を決定し、小規模の臨床試験実施を計画している状況を踏まえ、引き続き同社と情報交換を継続すると共に、新たな非臨床試験結果の評価並びに臨床試験計画の内容も評価して、日本における開発再開並びにIsofol社が計画中の新開発プログラム参画についての方針を決定しております。

 

上記のとおり製品開発品価値向上に努め、また損益改善を念頭とした一昨年の構造改革の成果が生じはじめ、中長期観点での企業価値向上を図りましたが、短期的損益面においては、製品販売が未だ初期段階にあるため、製品販売利益を超過する医薬品開発先行投資等を継続している状況にあります。このため、当第1四半期連結累計期間の業績は次のとおりとなりました。

 

(売上収益、売上総利益)

売上収益は、既報のとおり、製品販売に関する新施設での製造品へ移行する空白期間中の市場での欠品防止のために旧施設製造品の在庫を当社販売パートナーが昨年度に積み増したことから、本年度前半での新施設製造品の出荷量の低減が生じており、結果ダルビアス®(SP-02)製品販売収益等により11百万円生じ、また、売上総利益は424千円となりました。

 

研究開発費、販売費及び一般管理費の内訳

 

前第1四半期

連結累計期間(百万円)

当第1四半期

連結累計期間(百万円)

前年同期比(百万円)

研究開発費

93

76

△16

販売費及び一般管理費

280

232

△48

373

308

△65

(内訳)人件費

119

102

△16

業務委託費

104

86

△18

減価償却費及び無形資産償却費

126

93

△33

その他

22

25

(研究開発費、販売費及び一般管理費、営業損益、四半期損益)

研究開発費は76百万円発生いたしました。これは主に製品原価削減に資する製造所変更への投資、ダルビアス®(SP-02)の適応拡大及び中国臨床開発の検討、SP-04動物実験、新規開発品候補への投資によるものです。販売費及び一般管理費は、前第1四半期連結累計期間と比べ48百万円減少し、232百万円となりました。売上総利益より研究開発費と販売費及び一般管理費を減じた営業損益は307百万円の損失となり、四半期損益は310百万円の損失となりました。

 

(資産性費用の無形資産計上と償却)

当第1四半期連結累計期間において、開発パイプラインへの投資のうち資産性を有すると認識される開発費用等はありません。当第1四半期連結累計期間のパイプラインへの投資は、研究開発費76百万円となります。Sancuso®(SP-01)及びダルビアス®(SP-02)の無形資産償却により、当第1四半期連結累計期間において83百万円の償却費が発生いたしました。

これらの結果、無形資産残高は1,033百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 

前第1四半期

連結累計期間(百万円)

当第1四半期

連結累計期間(百万円)

前年同期比(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

223

△164

△387

投資活動によるキャッシュ・フロー

△0

財務活動によるキャッシュ・フロー

△12

743

755

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは164百万円のマイナス(前第1四半期連結累計期間は223百万円のプラス)であり、税引前四半期損失318百万円が主要因です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは-百万円(前第1四半期連結累計期間は0百万円のマイナス)です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは743百万円のプラス(前第1四半期連結累計期間は12百万円のマイナス)です。社債発行による収入500百万円及び新株予約権行使による株式発行収入249百万円が主要因です。

 

 (3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間における研究開発費は、製品製造所変更、ダルビアス®(SP-02)適応拡大及び中国臨床開発の検討、SP-04動物実験、新規開発品候補等への投資を中心に76百万円発生いたしました。なお、製品開発品毎の詳細は、本日別途公表いたしました「製品開発品等の事業状況 (2024年12月期第1四半期)」をご参照ください。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当第1四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末と比べ478百万円増加し、2,708百万円となりました。流動資産は1,547百万円であり、そのうち現金及び現金同等物は1,319百万円、営業債権及びその他の債権は27百万円です。非流動資産は1,160百万円であり、そのうち開発投資にかかる資産計上額である無形資産は1,033百万円です。

当第1四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末と比べ530百万円増加し、884百万円となりました。流動負債は837百万円であり、そのうち社債は500百万円、営業債務及びその他の債務は259百万円です。非流動負債は47百万円であり、リース負債20百万円及び繰延税金負債13百万円が主要構成要素です。

当第1四半期連結会計期間末の資本は、前連結会計年度末と比べ52百万円減少し、1,823百万円となりました。主な減少要因は、四半期損失310百万円(第1四半期連結累計損失)によるものです。

 

3【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。